トップ :: C 化学 冶金 :: C12 生化学;ビ−ル;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学

【発明の名称】 シークヮーサー果皮含有ノビレチンの定量化による食品への添加
【発明者】 【氏名】國吉 貞雄

【要約】 【課題】シークヮーサー含有ノビレチンは機能性成分の一つとして、癌予防・癌移転・抗炎症作用・骨粗鬆症や歯周炎の防止・血糖値や血圧抑止作用など基礎的研究が報じられ、既製品シークヮーサー果汁やシークヮーサーフラボノイドエキス粒等にはノビレチンを表示して商品価値を高めている。

【解決手段】ノビレチン含有量の多いシークヮーサー果皮を乾燥させ、泡盛で抽出しその抽出液のノビレチン量を測定し、これを原液として諸食品へ添加する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シークヮーサー含有のノビレチンについて、
シークヮーサーの乾燥果皮を泡盛に漬けることにより含有ノビレチンを抽出する事を特徴としてノビレチン含有泡盛溶液を製造する方法。
【請求項2】
ノビレチン含有泡盛溶液のノビレチン量を指標にして、そのノビレチンを配分して食品に添加することを特徴として、ノビレチン量を明記したノビレチン添加食品を製造する方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明はシークヮーサー果皮に含有するノビレチンを泡盛で抽出し、抽出液中のノビレチン量を操作し、規定量のノビレチンを食品へ添加することを特徴とするノビレチン入り食品の製造に関することである。
【背景技術】
【0002】
柑橘類にはいろいろな機能性成分を含んでいることが研究報告されている。機能性成分の一つであるノビレチンは癌予防・癌移転阻止作用・抗炎症作用・骨粗鬆症や歯周炎の防止・血糖値や血圧抑止作用など基礎的研究と共に特許出願(2001−39660)及び特許(第3010210号)等が報じられ、製品開発が注目されている。
【0003】
沖縄県に自生するシークヮーサーには他の柑橘類よりノビレチンを多く含んでいることが確認されている。製品「シークヮーサーフラボノイドエキス粒」では、果皮には果汁の400倍以上含まれていることを紹介し、品名は「ノビレチン含有食品」としてシークヮーサーの高付加価値化が期待されている。
【0004】
市場に出回るシークヮーサー果汁製品には類似品があるようで見極めるのにノビレチンの量で判定される。ノビレチンは種々の現代病に対して予防・阻止・抑制・防止など効能が研究発表されているため、シークヮーサー名と共にノビレチン量を製品に表示することにより製品価値を高めてる。
【0005】
既製品の沖縄県産シークヮーサー使用食品のノビレチン含有食品と含有量
(1)シークヮーサーフラボノイドエキス粒
原料・・・・大宜味村産シークァーサー果皮
ノビレチン含有量・・・・0.05mg(1粒200mg当たり)
(2)勝山シークヮーサー
原料・・・・シークヮーサー果汁(ストレート)
ノビレチン含有量・・・・31mg/100ml
(3)ぎゅっとシークヮーサー500ml
原料・・・・シークヮーサー果汁(ストレート)
ノビレチン含有量・・・・8.4mg/100ml
上の既製品はシークヮーサー果実その物(100%)で添加物ではない。
【0006】
特許公開2005−145824発明の名称「ノビレチンの製造方法」はノビレチンをエタノールで抽出し、多孔性吸着樹脂に吸着したノビレチンを溶出することでノビレチンだけを取り出すのが目的である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
既製品はシークヮーサー果汁又はその果汁を搾った後の残りカスを製品にしたもので、シークヮーサーを材料とした製品で必然にノビレチンを含有する。
解決しようとする課題はシークヮーサー果皮に含有するノビレチンを抽出して、そのノビレチンを食品へ定量添加できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
シークヮーサー果皮を乾燥させ泡盛に漬けると果皮中のノビレチンが抽出する。乾燥果皮100gを30度の泡盛に漬けると、長期間でも浸漬液が腐敗することがない。また、30度の泡盛は泡盛一般の度数で安価である。
【0009】
乾燥果皮を泡盛に漬けて約1ヵ月後、浸漬液中のノビレチン量を液体クロマトグラフによる定量分析をする。この定量分析が肝腎で、正確な値を得るために専門機関に依頼する。この発明のノビレチン量は全て専門機関に依頼した分析結果である。
【0010】
専門機関から2週間以内には分析結果が届く。この分析結果により乾燥果皮100gから定量の泡盛1800mlに抽出したノビレチン量が分かる、詳細[0015][表2]。食品への添加は規定量に基づき希釈と比例配分で算出し配合してノビレチン量を明記した食品にする、詳細[0017][0018][実施例]。
【発明の効果】
【0011】
乾燥果皮100gから定量の泡盛1800lに抽出したノビレチン量が分かると、乾燥果皮100gが出来る生果皮量が分かるので、生果皮1g当たりのノビレチン量も算出できる。これによるとシークァーサー乾燥果皮から30度の泡盛で抽出する方法のノビレチン量はこれまで研究機関が発表している量より多い、詳細[0015][表2]。
【0012】
ノビレチン量が分かるノビレチン含有泡盛溶液を煮沸して再びノビレチン量を測定して煮沸前とのノビレチン量を比較した結果、ノビレチン量が変わらないことが分かった。これによりノビレチンは熱で壊されないことが分かった。
詳細[0020][表4]。
【0013】
ノビレチンは熱で壊れないので、ノビレチン含有泡盛溶液を加熱すればノビレチン量を保存したままアルコールは除去できる。つまり、ノビレチン含有泡盛溶液をノビレチン含有水溶液にする事が出来る。このノビレチン含有水溶液にすればアルコール分を必要としない他種類の食品にも添加が可能である。例えば、お粥・お茶等である。
【発明を実施するための最良の形態】
【シークヮーサー果皮のノビレチン含有量について】
【0014】
シークヮーサー果実のノビレチンは測定結果[表1]に見られるように果皮に多く含まれていること分かる。
【表1】


【0015】
[表2]のA項は測定結果である。B項はA項の測定結果からの算出である。
シークヮーサーは3月・4月に花を咲かせ、10月から果実が色づき初め、12月には殆どの果実が色づき完熟する。抽出するノビレチン量が多いのは完熟期の果実であることや果皮を剥く作業も完熟果実が6月の若い果実より容易である。
ところで、生果皮1g中のノビレチン量は6月の未熟が多く含み、12月の完熟で少ないのは果実の水分量によると思われる。つまり、シークヮーサー果実のノビレチン量はあまり変化しないのではないかと考える。
また、沖縄県農業試験場名護支場果樹研究室のデータではノビレチン量を最も多く含む「大宜見クガニー」の生果皮のノビレチン量は2.2mg/gであるのに対して、本試料12月果実でも抽出量は3.48mg/gで約1.5倍高い。これはシークヮーサーの品種によるものか、抽出方法、分析方法によるのか、興味が湧く課題である。
【表2】


【浸漬期間と抽出量】
【0016】
[表3]乾燥果皮100gを泡盛量1800mlに漬け込み、抽出したノビレチン量を浸漬期間2週間と4週間で測定した結果である。その差は2.79mg/100mlで寡少であることから4週間ではほとんど抽出されると考えられる。
【表3】


【食品へ添加するノビレチン量】
【0017】
商品化されているシークーヮーサーフラボノイドエキス粒はノビレチンの生理活性作用の血糖値及び血圧上昇抑制作用・抗炎症作用を期待して毎日5粒〜10粒の摂取を進めている。説明書からノビレチン量を換算すると0.25mg〜0.5g になる。
また、食生活情報サービスセンターのホームページ「発ガン抑制効果の高い果実成分」でノビレチンを取り上げ、発癌抑制の有効濃度は混餌投与で100ppm=10mg/100ml程度としている。
既製品のノビレチン量と効能については見あたらない。微量成分として効能が期待されている。
【「ノビレチン入り泡盛」の作り方】
【0018】
12月果皮浸漬期間4週間で抽出された原液87.73mg/100mlを1.0mg/100mlに希釈する考え方で、87.73mg/100mlに何mlの泡盛を加えたら1.0mg/100mlに希釈されるかの考えで算出する。
加える泡盛の量Xとすれば、計算式は87.73/(100+X)=1/100で、Xを求めるとX=8673となる。原液の100mlに8673mlの泡盛を加えると1.0mg/100mlのノビレチン入り泡盛が8773mlできることになる。
また、原液100mlから8773mlができるのであれば、1.0mg/100mlの1000mlを作るには原液と泡盛はそれぞれ何mlかを比例配分で算出して求められる。
【実施例】
▲1▼課題:原液103.1mg/100mlを使い、ノビレチン量2mg/100mlを1100ml作る。
▲2▼計算:計算式103.1/(100+X)=2/100 加える泡盛X=5055mlと原液100mlを混ぜると濃さ2mg/100mlが5155mlできる。
原液100mlから5155mlできるのであれば、2mg/100mlの1100mlを作るための原液XはX=1100/5155×100=21.3mlとなる。
また、加える泡盛量YはY=1100−21.3=1078.7ml となる。
▲3▼検証事例:▲2▼の計算を参考にして、原液20mlと泡盛990mlと混ぜ1100mlにしてノビレチン量を測定させた。結果は1.89mg/100ml の成績を得た。計算では1.87mg/100mlとなる。
【ノビレチン入り泡盛を作る過程のまとめ】
【0019】


【シークヮーサー含有ノビレチン入り食品の製造】
【0020】
ノビレチンは熱で壊されず安定している。[表4]
【表4】


【実施例】
【0021】
「ノビレチン5mg/100ml入りお粥」の試作
ノビレチン5mg/100mlの5倍粥にするため、お米1カップ=150g、水5カップ=800g、ノビレチン含有水溶液103mg/100ml=50ml、つまりノビレチンを51.5mg入れて炊いた。炊く前の重さは凡そ1000gで、炊いた後の重さは820gのお粥ができた。
このお粥30gを泡盛540mlに2週間漬け、この浸漬液のノビレチン量を測定させた。結果は0.28mg/100mlで、お粥30g中には570/100×0.28=1.596mgお粥100g中には100/30×1.596=5.32mg/100gで、お粥全体の820gには5.32mg×8.2=43.6mgになる。これは最初入れた51.5mgより7.9mg少ないが、お粥を作る過程の加熱にもノビレチンは保存されることが検証された。
【産業上の利用可能性】
【材料の確保】
【0022】
シークヮーサー乾燥果皮100gは完熟期の生果皮約400gからでき、このための果実は約53個である。また、泡盛は沖縄県の特産品で確保することは容易であることや泡盛抽出液中のノビレチン量は保存できる[表5]、果実が採れる時季にノビレチン含有泡盛溶液を多量に準備できる。ところで、乾燥果皮のまま長期間保存した場合のノビレチン量は減少する[表6]。
【表5】


【表6】


【生産量の面】
【0023】
10月と12月の果皮のノビレチン抽出液の濃さは平均すると約81mg/100mlである。この原液100mlから「ノビレチン1.0mg/100ml入り泡盛」は8100ml作れる。これを一升瓶1800mlに詰めると4.5本になる。一升瓶毎に作った原液が1400ml取れるのであれば、4.5×14=63つまり一升瓶63本になる。乾燥果皮が1kgあれば、原液が10倍できるので一升瓶630本となる。ノビレチンの濃さを半分の0.5mg/100mlにすれば更に倍の一升瓶1260本となる。
【0024】
泡盛以外への食品への添加は、予めノビレチン含有泡盛溶液(原液)からアルコール分を除きノビレチン含有水溶液にして使用する等の工夫が必要である。
【0025】
ノビレチンは熱に対して安定していることから殆どの食品に添加可能である。
例えば、泡盛(焼酎)、お粥、お茶等の飲料水、ケーキ等のお菓子類である。
ところで、ノビレチン含有泡盛溶液のノビレチンの濃さが1mg/100mlの微量の食品への添加でも、本来の食品の味や香りなどが無くなるので、美味しく食する工夫が必要である。ノビレチン入り泡盛ではレモン水などでカクテルにすると美味しい。
【需要の面】
【0026】
【実験】
ノビレチンは半透膜を通過する。
材料・・・半透膜はセロハンを使用、ノビレチン含有水溶液、水、シャーレ


【結果】
シャーレAはセロハンを境にして水100mlとノビレチン含有水溶液100mlを接するように入れた。シャーレBは24時間後の状態で、シャーレAの水の部分は89mlになりノビレチンが11mg/100mlの濃さで含んでいた。ノビレチン含有水溶液の部分は110mlと増えた。
【考察】
結果よりノビレチンはセロハンを通過できる分子の大きさである。口から摂取したノビレチンは半透膜である腸から体内に吸収されると考えられる。従って、食品にノビレチンを添加し口から摂取させる方法は理に叶っている。
【0027】
ノビレチン含有泡盛溶液を素材としてノビレチンを食品に添加する目的は、これまでのノビレチンの基礎的研究成果の効能を期待しているからである。
現在ノビレチンの摂取量は微量としているが、その適量が分かっていない。ノビレチン含有泡盛溶液の特徴はノビレチン量を調整できるので、摂取の適量を探すためのノビレチン添加食品を作り、動物実験や臨床試験が可能になる。
【0028】
このノビレチン量を調整し分配することは乾燥果皮でも可能である。
乾燥果皮1g当たり12.60mg〜15.79mgもある[0015]B項(e)、乾燥果皮で添加することが望ましい食品には粉砕してノビレチン量を調整し分配することができる。
【出願人】 【識別番号】507135157
【氏名又は名称】國吉 貞雄
【出願日】 平成19年9月12日(2007.9.12)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−263946(P2008−263946A)
【公開日】 平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願番号】 特願2007−267199(P2007−267199)