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【発明の名称】 蜂蜜酒の製造方法
【発明者】 【氏名】徳田 耕二

【氏名】油谷 美幸

【要約】 【課題】味わいのあるこれまでにない辛口の蜂蜜酒の製造を可能とする方法を提供せんとするものである。

【構成】本発明に係る蜂蜜酒の製造方法は、蜂蜜に焼酎用米麹および酵母を添加して1次醗酵させたことを特徴とするものであり、蜂蜜に予め香味材を漬け込んで香味を抽出させておいても良く、焼酎用米麹は白麹又は黒麹のいずれでも使用できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蜂蜜に焼酎用米麹および酵母を添加して1次醗酵させたことを特徴とする蜂蜜酒の製造方法。
【請求項2】
蜂蜜に予め香味材を漬け込んで香味を抽出させたことを特徴とする請求項1記載の蜂蜜酒の製造方法。
【請求項3】
焼酎用米麹が白麹又は黒麹である請求項1又は2記載の蜂蜜酒の製造方法。
【請求項4】
焼酎用米麹の重量が蜂蜜と加える水を合わせた重量の1乃至10%であることを特徴とする請求項1又は2記載の蜂蜜酒の製造方法。
【請求項5】
加水量は蜂蜜の糖度が10乃至20%相当となる量であることを特徴とする請求項4記載の蜂蜜酒の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は蜂蜜を主原料とする蜂蜜酒の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
蜂蜜にはアルコール発酵に必要な成分であるアミノ酸が少ないため、充分な発酵が行われずアルコールの蓄積も不十分となる。
そのため蜂蜜酒の多くが甘味の強い味わいの単調な味となってしまうのであり、発酵補助としてアミノ酸等を添加しても、却って風味の低下を招くのである。
【0003】
そこで、特開2005−000158では、多酸清酒の製造工程中に蜂蜜を添加して発酵させた後、滓下げ剤を添加して精製ろ過することによって、アルコール分を高めた蜂蜜酒を提供せんとするものがある。
【特許文献1】特開2005−000158
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
米麹を添加することにより発酵力を増強させアルコールの蓄積を増大させることは可能であるけれど、清酒用米麹を用いた場合に、生成酒の後味に独特の好ましくない味わいが残る問題点が同時に指摘されるのである。
【0005】
本発明は、斯かる点をも考慮して発酵力の改善と共に、味わいのあるこれまでにない辛口の蜂蜜酒の製造を可能とする方法を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る蜂蜜酒の製造方法は、蜂蜜に焼酎用米麹および酵母を添加して1次醗酵させたことを特徴とするものであり、蜂蜜に予め香味材を漬け込んで香味を抽出させておいても良く、焼酎用米麹は白麹又は黒麹のいずれでも使用できる。
【0007】
また、焼酎用米麹の重量は、蜂蜜と加える水を合わせた重量の1乃至10%であることが好ましく、さらに、加水量は蜂蜜の糖度が10乃至20%に相当するようになる量が目安となるものである。
【発明の効果】
【0008】
焼酎用米麹を用いることにより、発酵力を改善し、米麹由来のうま味が付与されて単調な味わいも改良でき、残等分の少ない辛口の蜂蜜酒の製造が可能となる効果を得られた。
また、焼酎用米麹に含まれるクエン酸も付与され、蜂蜜と共に健康イメージの高いクエン酸を含む新規のアルコール飲料の製造も可能となった。
【0009】
また、蜂蜜に香味材を漬け込むことにより、これらの好ましい香味を有した新規のアルコール飲料の製造が可能とる。
蜂蜜の高い浸透圧により香味が抽出されて発酵させたものであるから、アルコールに果実等の香味を漬け込んだだけの所謂リキュールとは、明らかに異なる味わいのアルコール飲料を製造できる効果も発揮するのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の蜂蜜酒の製造方法は、蜂蜜に焼酎用米麹および酵母を添加して1次醗酵させたことを特徴とするものである。
用いる蜂蜜は、アカシア、レンゲ、クローバー、みかん等の香味にくせのない穏やかな味わいのものが好ましい。
中でも、みかんの蜂蜜は柑橘系特有の好ましい香りを有して特徴的な蜂蜜酒となる。
【0011】
また、蜂蜜に予め香味材を漬け込んで香味を抽出させておいても良い。
香味材は、青梅、梅酒に使用した梅の実や、ゆず、すだち、かぼす、レモン等の果実、更にはハーブ等で香味を発する飲食可能な材料であれば利用できる。
これらを一種又は複数種を選んで蜂蜜に漬け込んで香味を抽出するのである。
【0012】
焼酎用米麹には、白麹又は黒麹のいずれでも使用できる。
酵母には清酒酵母、又は焼酎酵母、或いはワイン酵母更には蜂蜜から分離した酵母の使用も可能である。
【0013】
そして、焼酎用米麹の重量は、蜂蜜と加える水を合わせた重量の1乃至10%であること、さらに、加水量は蜂蜜の糖度が10乃至20%に相当するようになる量が目安となるものである。
【実施例1】
【0014】
蜂蜜1kgに水4.3リットルを加水し、焼酎用米麹(白麹)260g、及び清酒酵母(乾燥)15gを添加して、15℃〜30℃で3〜8日間発酵させ第1次発酵とした。
この第1次発酵で、液中の残糖分は1%以下となり、アルコール度数も10%以下であった。
【0015】
次に、蜂蜜を更に1.2kg加え、15℃〜30℃で5〜12日間発酵させ第2次発酵を行った。
そして、アルコール度数が13%以上蓄積した時点で固形分を分離し、ろ過精製して目的の蜂蜜酒を得た。
【0016】
得られた蜂蜜酒は残糖分が少なく辛口の酒質であり、辛口の白ワイン感覚で食中でも飲用できる蜂蜜酒であった。
【0017】
ここで、2回の仕込み(発酵)に分けるのは、酵母菌の増殖はアルコール度数によっても制約を受ける傾向にあり、1回だけの仕込みでは初発糖度を高くする必要があるため、充分な発酵が期待できない。
また、複数仕込み(発酵)の場合でも、1次仕込みの糖分を高くしてアルコール度数を10%以上蓄積させると、2次発酵が充分に期待できないものとなる。
それで、その手間と期間を考慮すれば2回の仕込みが最適といえる。
【実施例2】
【0018】
蜂蜜に香味材料(レモン等の香味材料を1種又は複数種混合しても良い)を漬け込み、これ等の香味が抽出する。
香味が抽出した蜂蜜に、レモン等からでる水分をも勘案して糖度が10乃至20%になるように加水する。
さらに、焼酎用米麹(白麹)を、蜂蜜と水分を加えた重量に対して1乃至10%の重量割合で添加すると共に、清酒酵母(乾燥)を加えて、15℃〜30℃で3〜8日間発酵させ第1次発酵とした。
この時、レモン等の香味材料を除かず、そのままで発酵させても良い。
この第1次発酵で、液中の残糖分は1%以下となり、アルコール度数も10%以下であった。
【0019】
そして、更に蜂蜜を第1次発酵に用いた重量の1乃至1.5倍の量を加え、15℃〜30℃で5〜12日間発酵させ第2次発酵を行った。
そして、アルコール度数が13%以上蓄積した時点で固形分を分離し、ろ過精製して目的の蜂蜜酒を得た。
【0020】
得られた蜂蜜酒は、加えた香味材料の香味を有する特徴のある蜂蜜酒であり、アルコールに果実等の香味漬け込んだ所謂リキュールとは明らかに異なる味わいが感じられた。
【出願人】 【識別番号】503335021
【氏名又は名称】株式会社車多酒造
【出願日】 平成18年9月12日(2006.9.12)
【代理人】 【識別番号】100088133
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 正道


【公開番号】 特開2008−67614(P2008−67614A)
【公開日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願番号】 特願2006−247047(P2006−247047)