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【発明の名称】 炭酸ガス含有のアルコール乳飲料
【発明者】 【氏名】笹沼 由美

【要約】 【課題】安定化剤の水溶性ヘミセルロースの沈殿を生じることなく乳タンパク質の沈殿を防止した炭酸ガス含有のアルコール乳飲料を提供する。

【構成】炭酸ガス含有のアルコール乳飲料に、水溶性ヘミセルロースを0.015〜0.050重量%含有させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸性乳、飲料用アルコールおよび水溶性ヘミセルロースを含有し、水溶性ヘミセルロースの含有量が0.015〜0.050重量%であることを特徴とする炭酸飲料。
【請求項2】
水溶性ヘミセルロース含有量が0.020〜0.045重量%である、請求項1に記載の飲料。
【請求項3】
酸性乳が酸性化乳又は乳酸発酵乳である請求項1又は2に記載の飲料。
【請求項4】
水溶性ヘミセルロースが大豆由来である請求項1〜3のいずれか1項に記載の飲料。
【請求項5】
飲料中の乳タンパク質の含有量が0.025〜0.250重量%となるように酸性乳が含有される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の飲料。
【請求項6】
飲料中のアルコール含有量が2〜12容量%となるよう飲料用アルコールが含有される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の飲料。
【請求項7】
炭酸ガス圧が、1.0〜2.5kg/cmである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の飲料。
【請求項8】
酸性乳、飲料用アルコール、及び水溶性ヘミセルロースを含有する炭酸飲料の製造方法であって、当該飲料中の水溶性ヘミセルロース含有量が0.015〜0.050重量%となるように水溶性へミセルロースを配合させることを特徴とする方法。
【請求項9】
酸性乳、飲料用アルコール、及び水溶性ヘミセルロースを含有する炭酸飲料における乳タンパク質及び水溶性へミセルロースの沈殿を防止するための方法であって、当該飲料中の水溶性ヘミセルロース含有量を0.015〜0.050重量%とすることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、特定量の水溶性ヘミセルロースを含む、炭酸ガス含有のアルコール乳飲料に関する。
【背景技術】
【0002】
発酵乳を包含する酸性の乳(酸性乳)は、栄養価が優れているのみならず優れた風味も有するため、多くの飲料に利用されている。
【0003】
しかしながら、酸性乳を含有する飲料を製造する際には、乳タンパク質が分離又は沈殿しやすいという問題がある。この問題は、乳タンパク質の主要成分であるカゼインが酸性側に偏ったpH4.6で沈殿することに起因すると考えられている。
【0004】
このような問題を解決するために、特許文献1及び2は、乳タンパク質の安定化剤として水溶性ヘミセルロースを飲料中に添加している。そしてこれら文献には、水溶性ヘミセルロースの好ましい使用量が最終製品である飲料に対して0.1〜10重量%(特許文献1)又は0.1〜1.0重量%(特許文献2)であることが記載されている。
【0005】
また、特許文献3は、アルコール飲料での酸性乳の乳タンパク質の沈殿防止に関するものであり、そのために、水溶性ヘミセルロースを0.05〜10重量%含有させた飲料を提供することを記載している。
【0006】
このように、酸性乳の乳タンパク質の沈殿を防止するためには、一定量以上の水溶性ヘミセルロースを用いることが必要であることが知られている。
【特許文献1】特許3280768号公報
【特許文献2】特許3752072号公報
【特許文献3】特許3409719号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記背景技術に基づいて、本発明者は、実用レベルの品質を有する、酸性乳を含む炭酸ガス含有のアルコール飲料(以下、炭酸ガス含有のアルコール乳飲料、又は炭酸含有のアルコール乳飲料とも称する)を開発するために検討を重ねた。具体的には、水溶性ヘミセルロースの添加による効果を検討した。その結果、炭酸ガス含有のアルコール乳飲料においては、従来知られていた添加量(例えば、飲料に対して0.1〜10重量%又は0.05〜10重量%)と同程度のレベルで水溶性ヘミセルロースを添加すると、水溶性ヘミセルロース自体が飲料から沈殿することが明らかとなった。このような技術上の課題は、これまで知られていなかった。
【0008】
従って、本発明の目的は、水溶性ヘミセルロースの沈殿を生じることなく、乳タンパク質の沈殿を防止すること、及びそのような性質を有する炭酸ガス含有のアルコール乳飲料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記目的を達成するため、炭酸含有のアルコール乳飲料における水溶性ヘミセルロースの含有量と、当該ヘミセルロースおよび乳タンパク質の沈殿状態について鋭意研究をした。その結果、飲料中の水溶性ヘミセルロースの含有量を、従来知られているものよりも少ない量とすることによって当該ヘミセルロースの沈殿を生じることなく乳タンパク質の沈殿を防止することができることを明らかにし、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明は、
(1)酸性乳、飲料用アルコールおよび水溶性ヘミセルロースを含有し、水溶性ヘミセルロースの含有量が0.015〜0.050重量%であることを特徴とする炭酸飲料;
(2)水溶性ヘミセルロース含有量が0.020〜0.045重量%である、(1)に記載の飲料;
(3)酸性乳が酸性化乳又は乳酸発酵乳である(1)又は(2)に記載の飲料;
(4)飲料中の水溶性ヘミセルロースが大豆由来である(1)〜(3)のいずれか1項に記載の飲料;
(5)飲料中の乳タンパク質の含有量が0.025〜0.250重量%となるように酸性乳が含有される、(1)〜(4)のいずれか1項に記載の飲料;
(6)アルコール含有量が2〜12容量%となるよう飲料用アルコールが含有される、(1)〜(5)のいずれか1項に記載の飲料;
(7)炭酸ガス圧が、1.0〜2.5kg/cmである、(1)〜(6)のいずれか1項に記載の飲料;
(8)酸性乳、飲料用アルコール、及び水溶性ヘミセルロースを含有する炭酸飲料の製造方法であって、当該飲料中の水溶性ヘミセルロース含有量が0.015〜0.050重量%となるように水溶性へミセルロースを配合させることを特徴とする方法;及び
(9)酸性乳、飲料用アルコール、及び水溶性ヘミセルロースを含有する炭酸飲料における乳タンパク質及び水溶性へミセルロースの沈殿を防止するための方法であって、当該飲料中の水溶性ヘミセルロース含有量を0.015〜0.050重量%とすることを特徴とする方法;
である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
酸性乳
本発明において用いられる用語「酸性乳」とは、酸性条件下にある乳のことをいう。具体的には、そのpHは、約2〜6、好ましくは約3.0〜5.0の範囲にある。酸性乳の原料となる乳は、牛乳、羊乳、馬乳などの生乳であればよいが、これらに限定されない。また、その形態には、全乳、脱脂乳あるいはホエーなどが含まれるが、これらに限定されない。また、粉乳や濃縮乳から還元された乳も原料として利用可能である。
【0012】
乳酸醗酵乳は、酸性乳の定義に含まれる。本明細書においては、乳酸発酵乳とは、無脂乳固形分や発酵後の生菌数に関わらず、乳酸菌で発酵させた乳を指す。従って、この定義には、無脂乳固形分や生菌数の少ない殺菌乳酸菌飲料のようなものも含まれる。本発明において乳酸醗酵に使用する乳酸菌は、特に限定されないが、例えば、通常のヨーグルトに使用されるものが好適である。たとえば、ラクトバチルス属、ストレプトコッカス属、ビフィドバクテリウム属の乳酸菌等、公知の菌株を単独で、又はそれらの2種類以上を組み合わせて使用することが出来る。
【0013】
酸性乳には、乳にレモン、オレンジ、グレープフルーツなどの酸性果汁、クエン酸、リンゴ酸などの有機酸、又は、醸造酢や合成酢などの食酢を添加してpHを酸性として得られる酸性化乳も含まれる。酸性化乳は、発酵乳と併用することもできる。
【0014】
また、本発明のアルコール乳飲料においては、酸性乳を加熱殺菌しても沈殿が生じない。従って、使用される酸性乳は、予め殺菌されていても、未殺菌であってもよい。しかしながら、殺菌したものの方が保存性には優れている。従って、本発明における好ましい酸性乳の一つは、殺菌された乳酸発酵乳又は殺菌乳酸菌飲料である。
【0015】
本発明のアルコール乳飲料における酸性乳の含有量は特に限定されない。しかしながら、乳が少なすぎると乳飲料特有の風味を出すことができず、一方、多すぎると、乳タンパク質が飲料から沈殿しやすくなる。従って、飲料には、乳タンパク質固形分の含有量が好ましくは0.025%〜0.250重量%、より好ましくは0.050〜0.160重量%となるような量で酸性乳が含有される。
【0016】
水溶性ヘミセルロース
本発明における水溶性ヘミセルロースには、油糧種子(豆類、パーム、椰子、コーン、綿実等)および/又は穀類(米、小麦等)由来のものが含まれるが、これらに限定されない。水溶性ヘミセルロースは、好ましくは豆類由来であり、特に好ましくは大豆由来であり、更に好ましくは大豆の子葉由来である。
【0017】
例として大豆由来のヘミセルロースについて説明すると、これは、ラムノース、フコース、アラビノース、キシロース、ガラクトース、グルコースおよびウロン酸からなる多糖類であり、標準プルラン(昭和電工(株)販)を標準物質として極限粘度法で求めたその平均分子量は100万以下である。
【0018】
水溶性ヘミセルロースの原料としては、油糧種子及び/又は穀類から通常の方法で油脂、タンパク質および澱粉質を除いた殻または粕を用いる。その殻又は粕を、好ましくは各原料のタンパク質の等電点pH付近において80〜130℃、より好ましくは100℃〜130℃で加熱分解した後、反応混合物中の水溶性画分を分画し、必要に応じさらに活性炭処理、樹脂吸着処理、エタノール沈殿処理などを行い、疎水性物質ならびに低分子物質を除去し、沈殿させることにより、目的の水溶性ヘミセルロースを得ることが出来る。或いは、本発明においては、市販品の水溶性ヘミセルロースを用いてもよい。
【0019】
本発明飲料中の水溶性ヘミセルロースの使用量は、0.015%〜0.050重量%、好ましくは0.020%〜0.045重量%である。それら範囲より使用量が少ない場合には、乳タンパク質の沈殿が著しく生じ、それら範囲より使用量が多い場合には、へミセルロースの沈殿が問題となる場合がある。
【0020】
本発明の飲料の製造においては、水溶性ヘミセルロースの添加方法は特に限定されない。例えば、酸性乳が乳酸発酵乳である場合には、水溶性ヘミセルロースは、乳へ、その発酵前に添加しても、発酵後に添加してもよい。また、酸性乳が酸性化乳である場合には、水溶性へミセルロースの添加は、乳に対する酸性物質の添加前であっても、酸性物質の添加後であってもよい。或いは、水溶性へミセルロースは、発酵乳及び酸性化乳を含む酸性乳とアルコールや添加剤のような他の成分との混合時に添加してもよい。このように、添加時期に関しては特に限定されず、任意に設定することができる。同様に、酸性化乳においても水溶性ヘミセルロースの添加時期は限定されない。また、飲料中の水溶性ヘミセルロースの含有量が上記の所望の範囲を外れた場合には、ヘミセルロースを適宜追加するか、或いはブレンド(例えば、当該飲料と、水溶性ヘミセルロース以外の原料成分とのブレンド又は水溶性ヘミセルロース含有量の低い飲料若しくは原料混合物とのブレンド)等により当該含有量を調節すればよい。
【0021】
飲料用アルコール
本発明に用いられる飲料用アルコールは特に限定されないが、それには、原料アルコール、蒸留酒(その原酒も含む)、例えば、焼酎、ウオッカ、ウイスキー、ブランデー、及びフルーツ(例えばレモン)由来の蒸留酒、ワイン、日本酒、ビール、発泡酒等の醸造酒、各種リキュール等の混成酒などが使用できる。本発明におけるアルコールの添加量は、好ましくは、最終製品である飲料中のアルコール濃度が2〜12容量%となる量である。アルコール濃度が12容量%を超えると炭酸ガス含有のアルコール飲料の特徴であるドリンカビリティ(飲料の性質を表す。ある飲料を大量に飲んでもなおおいしく飲み続けられる場合には、その飲料はドリンカビリティがある。)が損なわれ、また、2容量%未満ではアルコール乳飲料としての嗜好性がなくなってしまうからである。ドリンカビリティを重視すると、飲料中のアルコール濃度は、好ましくは3〜7容量%である。
【0022】
炭酸ガス
本発明の飲料には、炭酸ガスが含まれる。その炭酸ガス圧は、炭酸飲料として適切な範囲であれば特に限定されないが、例えば、20℃において1.0〜2.5kg/cmとすることができ、1.2〜2.2kg/cmが好ましい。炭酸ガス圧がこれらの範囲よりも低い場合には、水溶性ヘミセルロース自体の沈殿生成への影響は少ないものの、炭酸風味が十分に得られない。また、炭酸ガス圧がそれら範囲より大きい場合には、炭酸ガス圧が高すぎてドリンカビリティが損なわれ得る。
【0023】
その他の添加剤
本発明の飲料では、乳タンパク質及び水溶性ヘミセルロースの分離を生じない限り、更に必要に応じて、糖類、酸味料、ビタミン類、アミノ酸、水溶性食物繊維、香料、安定化剤、乳化剤及び消泡剤等の、飲料分野で通常用いられている添加剤を用いてもよい。
[発明の効果]
本発明によれば、炭酸含有のアルコール乳飲料において、安定化剤としての水溶性ヘミセルロースの沈殿を伴うことなく乳タンパク質の沈殿を抑制することができる。
【実施例】
【0024】
以下、実施例により本発明の実施態様を説明する。ただし、これらの実施例は、本発明を何ら限定するものではない。なお、別途記載しない限り、実施例中の「部」とは重量部を意味する。
[実施例1]
水溶性ヘミセルロースの添加量と沈殿の関係
異なる水溶性ヘミセルロース含有量を有する炭酸ガスのアルコール乳飲料を、以下の様にして調製した。
【0025】
脱脂粉乳20部を水80部中に分散させ、溶解させ、得られた液を常法により殺菌し、冷却した。殺菌された液に、乳酸菌をスターターとして添加し、常法に従い発酵させて発酵乳を得た。発酵乳は、均質化処理してから後の工程において用いた。
【0026】
別途、大豆由来の水溶性へミセルロース(SM−900、三栄源エフ・エフ・アイ社製)4部を、温水96部中に溶解させて、4%(w/w)水溶性へミセルロース液を調製した。
【0027】
この4%水溶性へミセルロース液6.5〜62.5部(水準:6.5部、9.4部、12.5部、15.6部、19部、25部、28.2部、31.3部、40.6部、62.5部)を、上記で得られた発酵乳31.5部に添加し、水を適量加えて100部とした。得られた液を殺菌し、冷却して、異なる水溶性へミセルロース含有量を有する10通りの乳原料を得た。いずれの乳原料も、乳タンパク質を2.0%含有していた。
【0028】
上記の10種類の乳原料4部それぞれに、糖類11部、95容量%飲用アルコール5.6部、ヨーグルトフレーバー0.1部を混合し、クエン酸及びクエン酸ナトリウムを適量加え、適量の炭酸水及び適量の水を加えて、合計100部の炭酸含有アルコール乳飲料を調製した。炭酸水と水の比率は、炭酸含有のアルコール乳飲料のガス圧が1.5〜1.7kg/cmとなるように調整した。クエン酸及びクエン酸ナトリウムの配合量は最終pHが3.4になるよう調整した。また、得られた炭酸含有のアルコール乳飲料中の乳タンパク質含有量は、0.080重量%であった。
【0029】
この乳飲料をガラス瓶に瓶詰し、63℃で10分間浸漬殺菌した。
【0030】
瓶詰めされた飲料を30℃で2週間保存した後に、その沈殿とにおいを調べた。沈殿の評価は、目視で瓶底の沈殿の有無を確認することにより行なった。においの評価は、官能評価により行なった(パネラー5人)。それら結果を表1に示す。
【0031】
【表1】


【0032】
表1における各記号の意味は以下の通りである。
<沈殿> ○:無い、又は極めて少ない
△:少量認められる
×:認められる
<におい> 〇:変化なし、良好
△:わずかに異臭あり
×:異臭あり
沈殿に関して:試験範囲の水溶性へミセルロース低含有量側では、水溶性へミセルロースを0.010重量%含有する試料において、保存後に沈殿が認められた。また、0.015重量%含有する試料においては、保存後に少量だけ沈殿が認められた。これら沈殿は、外観から乳タンパク質であると推測された。一方、水溶性へミセルロース高含有量側では、水溶性へミセルロースを0.065重量%以上含有する試料において、保存後に沈殿が認められた。また、0.050重量%含有する試料においては、保存後に少量だけ沈殿が認められた。これら沈殿は、外観から水溶性ヘミセルロースであると推測された。
【0033】
においに関して:水溶性へミセルロースを0.100重量%含有する試料においては、保存後にわずかに異臭が認められた。この異臭は、大豆の劣化臭に近いものであった。したがって、異臭は水溶性ヘミセルロースの劣化に起因するものと推測された。
【0034】
これら結果より、本発明における飲料中の水溶性へミセルロースの含有量は、好ましくは0.015〜0.050重量%であり、より好ましくは0.020〜0.045重量%であることが明らかとなった。
【0035】
[実施例2]
乳タンパク質の含有量と沈殿の関係
異なる乳タンパク質含有量を有する炭酸ガス含有のアルコール乳飲料を以下の様にして調製した。
【0036】
発酵乳は、実施例1で調製されたものを用いた。また、実施例1と同様にして4%(w/w)水溶性へミセルロース液を調製した。
【0037】
4%(w/w)水溶性へミセルロース液9.5部に、発酵乳4.7〜60部、及び適量の水を加えて100部の液を調製した。この液を殺菌し、冷却して、乳タンパク質の含有量0.3〜3.8%(w/w)の8つの乳原料を得た。
【0038】
このようにして得られた、異なる乳タンパク質の含有量を有する乳原料8部それぞれに、糖類11部、95容量%飲用アルコール5.6部、ヨーグルトフレーバー0.1部を混合し、クエン酸及びクエン酸ナトリウムを適量加え、適量の炭酸水及び適量の水を加えて合計100部の炭酸含有のアルコール乳飲料を調製した。炭酸水と水の比率は、炭酸含有のアルコール乳飲料のガス圧が1.5〜1.7kg/cmとなるように調整した。クエン酸及びクエン酸ナトリウムの配合量は最終pHが3.4になるよう調整した。
【0039】
このようにして、乳タンパク質含有量が0.025〜0.30重量%であり、水溶性へミセルロースの含有量が0.030重量%である、炭酸含有のアルコール乳飲料8種を得た。これらをガラス瓶に瓶詰し、63℃で10分間浸漬殺菌した。
【0040】
この瓶詰めされた飲料を30℃で2週間保存し、その沈殿及びにおいを調べた。沈殿及びにおいの評価は、実施例1と同様にして行った。その結果を、表2に示す。
【0041】
【表2】


【0042】
表2における各記号の意味は以下の通りである。
<沈殿> ○:無い、又は極めて少ない
△:少量認められる
×:認められる
<におい> 〇:変化なし、良好
△:わずかに異臭あり
×:異臭あり
沈殿に関して:試験範囲の乳タンパク質高含有量側では、乳タンパク質を0.300重量%含有する試料において、乳タンパク質の沈殿が認められた。また、乳タンパク質を0.250重量%含有する試料においては、少量だけ乳タンパク質の沈殿が認められた。一方、乳タンパク質低含有量側(0.025重量%)でも、少量ではあるが、乳タンパク質或いは水溶性ヘミセルロースの沈殿が認められた。沈殿の原因の詳細は不明であるが、乳タンパク質あたりの水溶性ヘミセルロースの量が過剰であることが関係していると思われる。
【0043】
においは、全試験範囲において良好であった。
【0044】
従って、飲料の沈殿を考慮すると、本発明の飲料中の乳タンパク質の含有量は、好ましくは0.025〜0.250重量%、より好ましくは、0.050〜0.160重量%であることが明らかとなった。
【出願人】 【識別番号】000001904
【氏名又は名称】サントリー株式会社
【出願日】 平成18年7月3日(2006.7.3)
【代理人】 【識別番号】100089705
【弁理士】
【氏名又は名称】社本 一夫

【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎

【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰

【識別番号】100080137
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 昭男

【識別番号】100096013
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 博行

【識別番号】100129458
【弁理士】
【氏名又は名称】梶田 剛


【公開番号】 特開2008−11719(P2008−11719A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−183539(P2006−183539)