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【発明の名称】 香料組成物
【発明者】 【氏名】駒木 亮一

【氏名】石川 夏与

【氏名】児玉 達哉

【要約】 【課題】安全で、かつ化粧品中に化粧品の品質を損なうことなく、任意の量を配合することができる化粧料やチロシナーゼ活性阻害剤として使用できる新規な香料組成物を提供することにある。

【解決手段】下記の一般式(1)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)



上記一般式(式中R〜Rのいずれか一つは炭素数1〜5のアルキル基、残りは水素原子を示す)で示される化合物群より選ばれる1種以上の化合物を含む香料組成物。
【請求項2】
一般式(1)において、R〜Rのいずれか一つは炭素数1〜3のアルキル基、残りは水素原子である請求項1記載の香料組成物。
【請求項3】
一般式(1)において、R〜Rのいずれか一つはメチル基である請求項1記載の香料組成物。
【請求項4】
一般式(1)(式中R〜Rのいずれか一つは炭素数1〜5のアルキル基、残りは水素原子を示す)で示される化合物群より選ばれる1種以上の化合物を含む化粧料。
【請求項5】
一般式(1)において、R〜Rのいずれか一つは炭素数1〜3のアルキル基、残りは水素原子である請求項4記載の化粧料。
【請求項6】
一般式(1)において、R〜Rのいずれか一つはメチル基である請求項4記載の化粧料。
【請求項7】
一般式(1)(式中R〜Rのいずれか一つは炭素数1〜5のアルキル基、残りは水素原子を示す)で示される化合物群より選ばれる1種以上の化合物を有効成分とするチロシナーゼ活性阻害剤。
【請求項8】
一般式(1)において、R〜Rのいずれか一つは炭素数1〜3のアルキル基、残りは水素原子である請求項7記載のチロシナーゼ活性阻害剤。
【請求項9】
一般式(1)において、R〜Rのいずれか一つはメチル基である請求項7記載のチロシナーゼ活性阻害剤。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料やチロシナーゼ活性阻害剤としても使用できる新規な香料組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、メラニンの生成を抑制するものとしては、メラノサイトに対する細胞毒性によるもの、メラノサイト内でのチロシナーゼの活性を抑制するものや、チロシナーゼの発現を抑制するもの、チロシナーゼ活性により生成したドーパキノンから、自動酸化によりメラニンに至る経路で、酸化を防止する方法が知られている。そして、細胞毒性によるメラニン生成抑制作用を示すものとしては、ハイドロキノン等が知られている。これらは、皮膚の色素沈着を軽減する目的で、色素沈着症の治療に使用されてきたが、安全性に問題がある。その誘導体として一般的に知られているアルブチン(非特許文献1)は、メラニンの生成を可逆的に抑制する物質として、一般に化粧品等に使用されている。
【0003】
その他メラニン生成抑制剤やチロシナーゼ活性阻害剤としては、例えば、システイン、グルタチオン、ビタミンC(非特許文献2)、コウジ酸(非特許文献3)、トリコデルマ属に属する微生物の産生物(特許文献1)、乳蛋白質のアルカリ分解物(特許文献2)、乳蛋白質の加水分解物(特許文献3)、コウジ酸のアミノ酸誘導体とペプチド誘導体(特許文献4)、メラニン生成抑制機能を有する香料化合物群(特許文献5)、チロシナーゼ活性阻害機能を有する香料化合物群(特許文献6、特許文献7)、各種植物抽出物等が知られている。
【0004】
しかしながら、これら従来のメラニン生成抑制剤は、ハイドロキノンの様に安全性に問題のあるものや、効果が実用上において満足できないものであり、真に満足できるものとはいえなかった。
【特許文献1】特開平2−145189号公報
【特許文献2】特公昭58−17763号公報
【特許文献3】特開平5−320068号公報
【特許文献4】特開平4−187618号公報
【特許文献5】特開2000−302642号公報
【特許文献6】特開2001−163719号公報
【特許文献7】特開2001−240528号公報
【非特許文献1】富田健一、第20回FJセミナー予稿集、第21ページ、フレグランス・ジャーナル社、平成2年3月14日
【非特許文献2】三島豊等、基礎皮膚化学、第258ページ、朝倉書店、昭和48年
【非特許文献3】日経産業新聞、昭和63年5月24日
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、新規な香料組成物であり、安全で、かつ化粧品中に化粧品の品質を損なうことなく、任意の量を配合することができるチロシナーゼ活性阻害剤を提供することにある。さらには、生物中に存在するチロシナーゼの働きによる褐色化(褐変)においても、チロシナーゼ活性を阻害することにより渇変の防止効果を持つことより、食品、特に生鮮野菜、魚介類等の渇変防止剤としても好適に用いることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、一般式(1)
【0007】



(式中R〜Rのいずれか一つは炭素数1〜5のアルキル基、残りは水素原子を示す)で表される化合物群より選ばれる1種以上の化合物を含有する、化粧料やチロシナーゼ活性阻害剤として使用できる新規な香料組成物にある。
【発明の効果】
【0008】
本発明の化粧料やチロシナーゼ活性阻害剤として使用できる新規な香料組成物は、チロシナーゼ活性阻害効果が高く、安全で、複数化合物を組み合わせることができるため、化粧品中に化粧品の品質を損なうことなく、任意の量を配合することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の化粧料やチロシナーゼ活性阻害剤として使用できる新規な香料組成物は、一般式(1)
【0010】



(式中R〜Rのいずれか一つは炭素数1〜5のアルキル基、残りは水素原子を示す)で表される化合物群より選ばれる1種以上の化合物を有効成分とする。
【0011】
本発明の一般式(1)
【0012】



(式中R〜Rのいずれか一つは炭素数1〜5のアルキル基、残りは水素原子を示す)で表される香料組成物群とは、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、3−プロピルスチレン、4−プロピルスチレン、3−ブチルスチレン、4−ブチルスチレン、3−ペンチルスチレン、4−ペンチルスチレンが挙げられる。
【0013】
本発明の化粧料やチロシナーゼ活性阻害剤として使用できる新規な香料組成物の有効成分としては、前記香料組成物群のうち、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、3−プロピルスチレン、4−プロピルスチレンが好ましく、4−メチルスチレン、4−エチルスチレンがより好ましい。
【0014】
これら香料組成物は、単独で使用してもよく、また、任意の組合せで使用してもよい。
【0015】
これら香料組成物は、市販または一般的な合成により容易に入手することができる。
【0016】
本発明の化粧料やチロシナーゼ活性阻害剤として使用できる新規な香料組成物は、アルブチン、コウジ酸、アスコルビン酸など、公知のメラニン生成抑制剤およびチロシナーゼ活性阻害剤と組み合わせて使用することもできる。
【0017】
本発明の化粧料やチロシナーゼ活性阻害剤として使用できる新規な香料組成物は、ビタミン、抗酸化剤、抗炎症剤、紫外線吸収剤、冷感剤など、その他の有効成分と組み合わせて使用することもできる。
【0018】
本発明の化粧料やチロシナーゼ活性阻害剤として使用できる新規な香料組成物は、例えば、乳液、ローション、クリーム、パウダー、パック剤、皮膚洗浄剤、ペースト剤、ファンデーション、化粧水、ゲル剤などの化粧品、シャンプー、リンス、ボディーソープ、洗顔料等、石鹸などの身体洗浄剤、その他皮膚外用剤など、香粧品類に好適に用いることができる。
【0019】
本発明の化粧料やチロシナーゼ活性阻害剤として使用できる新規な香料組成物は、例えば、食品、特に生鮮野菜、魚介類等の渇変防止剤としても好適に用いることができる。
【0020】
本発明の化粧料やチロシナーゼ活性阻害剤として使用できる新規な香料組成物の化粧品類への添加量は特に制限されないが、一般に0.00001〜10質量%とすることが好ましく、0.0001〜5質量%とすることがさらに好ましい。
【実施例】
【0021】
[実施例] メラニン生成抑制効果
(試験方法)
0.01mol/Lリン酸バッファー(リン酸二水素カリウム:関東化学株式会社製、リン酸カリウム:和光純薬工業株式会社製)1.5ml、5.0mmol/Lチロシン(東京化成工業株式会社製)0.3ml、活性剤0.5mlを加え攪拌し、表1に示す各試料をエタノールで20倍に希釈したものを0.2ml加えた。液が透明になるまで攪拌し、0.5mg/mlマッシュルームチロシナーゼ(Sigma社製)0.2mlを加えた後、すばやく攪拌後、振盪恒温漕にて37℃で100分間インキュベートした。100分後、UV分光光度計(日本分光:UVIDEC−610C)を用いて波長640nmにおける吸光度を測定することにより、生成したメラニン量を求めた。チロシナーゼの代わりにバッファーを0.2ml加えたものを各サンプルごとに測定しブランクとし、対照として、上記試料液の代わりにエタノールを加え同様に測定し、コントロールとした。
【0022】
(抑制率計算式)
メラニン生成抑制率(%)=(A −(C−B))/A×100(但し、A:コントロールの吸光度、B:ブランクの吸光度、C:サンプルの吸光度)
【0023】
結果を表1に示す。
【0024】
[実施例2]
チロシナーゼ活性抑制効果
(試験方法)
96ウェルマイクロプレートに1mmol/Lリン酸バッファー(pH6.8、和光純薬)を100μl、DMSO(和光純薬)にて濃度調製した4−メチルスチレン(SIGMA ALDRICH)を20μl、78U / mlチロシナーゼ(SIGMA ALDRICH)を40μl加えた後攪拌し、25℃で5分間インキュベートした。その後、5mmol/L L−DOPA(和光純薬)を40μl加えて25℃で5分間インキュベートした。5分後に分光光度計(Multi−Spectrophotometer Vient XS / 大日本住友ファーマ)にて475nmの吸光度(A)を測定し、チロシナーゼ活性抑制率(%)ID50を得た。
一方、何もサンプル(4−メチルスチレン)を加えないもので同様な操作を行い、得られた吸光度(B)を測定した。
【0025】
(ID50計算式)
チロシナーゼ活性抑制率(%)=((B)−(A))×100/(B)
(但し、A:サンプルの吸光度、B:ブランクの吸光度)
同様に表1に示す各試料を用い試験を行った。横軸に濃度、縦軸にチロシナーゼ抑制率をプロットしたグラフを作成し、このグラフからチロシナーゼ活性を50%抑制する濃度(以後、ID50と表す。) を求めた。
【0026】
結果を表1に示す。
【0027】
メラニン生成抑制試験とID50の結果
【表1】


【0028】
表1の結果から明らかなように、本発明の化粧料やチロシナーゼ活性阻害剤として使用できる新規な香料組成物はメラニン生成抑制試験に対して、優れた阻害効果を示した。
【0029】
本発明の化粧料やチロシナーゼ活性阻害剤として使用できる新規な香料組成物は、安全で、かつ化粧品の品質を損なうことなく、任意の量を配合することができるため、化粧品類に好適に使用される。
【出願人】 【識別番号】000201733
【氏名又は名称】曽田香料株式会社
【識別番号】504180206
【氏名又は名称】株式会社カネボウ化粧品
【出願日】 平成19年3月26日(2007.3.26)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−239711(P2008−239711A)
【公開日】 平成20年10月9日(2008.10.9)
【出願番号】 特願2007−79894(P2007−79894)