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親油性成分含有粉末 - 特開2008−179776 | j-tokkyo
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【発明の名称】 親油性成分含有粉末
【発明者】 【氏名】野中 伸洋

【氏名】宮本 勝史

【氏名】志田原 靖博

【氏名】小塚 淳

【氏名】野呂 浩史

【要約】 【課題】賦形剤含有状態で、しかも粉末中のポリオキシアルキレン系非イオン界面活性剤を含む親油性成分の含有率が高くても、親油性成分を容易に安定で且つ微小な乳化油滴とすることができ、また粉末化した際に親油性成分の油滴を微細保持でき、更に外力負荷をかけても親油性成分が染み出しにくい、親油性成分含有粉末及びその製造方法の提供。

【解決手段】(A)親油性成分、(B)ポリオキシアルキレン(C2-3)系非イオン界面活性剤、(C)アルキルポリオキシエチレン酢酸塩(I)、(D)賦形剤及び水を含有するO/W型乳化物を乾燥させて得られる親油性成分含有粉末、その製造方法並びにその親油性成分含有粉末を含む粉末を打錠して得られる打錠物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)親油性成分、(B)ポリオキシアルキレン(アルキレン基の炭素数2〜3)系非イオン界面活性剤、(C)一般式(I)で表されるアルキルポリオキシエチレン酢酸塩、(D)賦形剤及び水を含有するO/W型乳化物を乾燥させて得られる親油性成分含有粉末。
1−O−(CH2CH2O)n−CH2COOM (I)
[式中、R1は炭素数10〜25の炭化水素基、MはH又は陽イオン、nはオキシエチレン基の平均付加モル数を示す1〜40の数である。]
【請求項2】
(E)脂肪酸及び(F)脂肪酸石鹸から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1記載の親油性成分含有粉末。
【請求項3】
粉末中の(A)成分と(B)成分の合計含有量が20重量%以上であり、(A)成分と(B)成分の重量比率が(A)/(B)=1〜10である請求項1又は2記載の親油性成分含有粉末。
【請求項4】
(D)成分が、デキストリン、単糖類、二糖類及び糖アルコールから選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3いずれかに記載の親油性成分含有粉末。
【請求項5】
(A)成分が、香料、農薬活性剤、化粧用油性成分及びシリコーン油から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4いずれかに記載の親油性成分含有粉末。
【請求項6】
(E)成分が、炭素数8〜24の炭化水素基を有する脂肪酸である請求項2〜5いずれかに記載の親油性成分含有粉末。
【請求項7】
(F)成分が、炭素数8〜24の炭化水素基を有する脂肪酸石鹸である請求項2〜6いずれかに記載の親油性成分含有粉末。
【請求項8】
下記工程1、工程2、工程3及び工程4を含む、請求項1〜7いずれかに記載の親油性成分含有粉末の製造方法。
工程1:(A)成分と、(B)成分を含有する油相を調製する工程
工程2:(D)成分と水を含有する水相を調製する工程
工程3:工程1及び2で調製された2液を混合してO/W型乳化物を調製する工程
工程4:工程3で得られた乳化物を乾燥させて親油性成分含有粉末を得る工程
【請求項9】
請求項1〜7いずれかに記載の親油性成分含有粉末を含む粉末を打錠して得られる打錠物。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、親油性成分含有粉末及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
親油性成分を賦形剤(水溶性壁材物質)含有の乳化物とした後、該乳化物を乾燥することで得られる親油性成分含有粉末は、該粉末中で親油性成分が水溶性壁材のマトリックス中に保持/カプセル化されているため、香料に代表される揮発性の高い親油性成分であっても保存時の揮散が少なく香味の持続性に優れている。また、圧密/成型などの外力負荷をかけても、親油性成分は染み出しにくく、粉末加工に優れている。更には、該粉末を水に溶解すると乳化状態となるため、農薬に代表される農薬活性成分の散布時にも非常に利便性を兼ね備えたものである。
【0003】
一方で、該粉末を溶解して使用する際、溶解する環境によっては、安定な乳化状態が維持できないことがある。例えば、肥料等には無機塩が含まれており、耐塩性が要求される。また、炭酸ガス発生型の入浴剤では、発泡による負荷や湯浴中のpH(弱酸性)変化に耐えうることが要求される。この様な環境に対し、ポリオキシアルキレン(アルキレン基の炭素数2〜3)系非イオン界面活性剤(以下単にポリオキシアルキレン系非イオン界面活性剤ということもある)を親油性成分と混合させることで、親油性成分が安定な乳化状態を維持することが知られている。しかしながら、ポリオキシアルキレン系非イオン界面活性剤を含む親油性成分含有粉末を作製する際、賦形剤存在下では乳化物が不安定となり、粉末の作製が困難であった。この問題点を解決した技術として、特許文献1には陰イオン活性剤を乳化物に配合することで、安定なだけでなく、簡易な攪拌だけで、微細な乳化液を作製できる技術が開示されている。
【0004】
一方、粉末中に含まれるポリオキシアルキレン系非イオン界面活性剤を含む親油性成分の割合を増加させた場合、特にこの割合が35重量%以上となった場合、圧密/成型などの外力負荷をかけると、親油性成分が染み出し易くなるという問題がでてきた。
【0005】
【特許文献1】特開2006−77001号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のようにポリオキシアルキレン系非イオン界面活性剤を含む親油性成分を賦形剤(水溶性壁材物質)含有の乳化物とした後、該乳化物を乾燥することで得られる親油性成分含有粉末は、圧密/成型などの外力負荷をかけても、親油性成分は染み出しにくく、粉末加工に優れているが、特に内包物が液状の場合、その割合が増加するに従い、これらの物性は損なわれる傾向がある。一方、生産効率や中間品として粉末を何らかの製品に仕上げる際の設計自由度といった観点から、ポリオキシアルキレン系非イオン界面活性剤を含む親油性成分の含有率を高くしたい欲求がある。
【0007】
この問題を解決するために、親油性成分が粉末中に保持される状態に着目した。即ち、内部に空隙を持つ材料の強度は、ハニカム構造に見られるように、その空隙の大きさを出来うる限り小さくすることにより向上することが知られている。よって、O/W乳化物を噴霧乾燥して得られる粉末では、水溶性壁材の形成するマトリックス中に保持される親油性成分の分散径を微細にすることが好ましいと考えられる。かかる形状を有する粉末を得るためには、(1)O/W乳化物を作製する際に、微細な親油性成分の油滴を得ること、(2)O/W乳化物を噴霧乾燥する際に、親油性成分の油滴の合一を防ぎ、微細なまま水溶性壁材の形成するマトリックス中に保持すること、また(1)の微細な親油性成分の油滴を得る工程は、簡便な操作で得られることが好ましい。以上の2条件の課題を解決する必要がある。
【0008】
前述した様に、ポリオキシアルキレン系非イオン界面活性剤を含む親油性成分を、陰イオン活性剤を用いて賦形剤(水溶性壁材物質)含有の乳化物とする場合、簡易な攪拌により安定で且つ微細な親油性成分の油滴が容易に得られる。しかし、該乳化物を噴霧乾燥して粉末を作製すると、親油性成分の油滴が微細なまま保持されないことが判った。この様な場合、粉末中のポリオキシアルキレン系非イオン界面活性剤を含む親油性成分の含有率が低い場合は、加重負荷が掛かった場合に、液状物の染み出しは抑制されるが、含有率が高い場合には、マトリックスの強度不足により染み出しが顕著となる。
【0009】
以上の様に、(1)O/W乳化物を作製する際に、微細な親油性成分の油滴を得ること、(2)O/W乳化物を噴霧乾燥する際に、親油性成分の油滴の合一を防ぎ、微細なまま水溶性壁材の形成するマトリックス中に保持することの2条件を満たし、ポリオキシアルキレン系非イオン界面活性剤を含む親油性成分を高含有する粉末を作製する技術が切望されている。
【0010】
本発明の課題は、賦形剤含有状態で、しかも粉末中のポリオキシアルキレン系非イオン界面活性剤を含む親油性成分の含有率が高くても、親油性成分を容易に安定で且つ微小な乳化油滴とすることができ、また粉末化した際に親油性成分の油滴を微細保持でき、更に圧密/成型などの外力負荷をかけても親油性成分が染み出しにくい、親油性成分含有粉末及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者等は、ポリオキシアルキレン系非イオン界面活性剤を含む親油性成分に対し、特定の陰イオン界面活性剤を併用することで、賦形剤含有状態であっても、安定で且つ微小な乳化油滴を含むO/W乳化物が得られ、更に親油性成分が微小油滴に乳化されたO/W乳化物を噴霧乾燥により粉末化する際、油滴の合一を防ぎ、微細なまま水溶性壁材の形成するマトリックス中に保持し、過重負荷が掛かっても親油性成分が染み出しにくく、加工性の優れた親油性成分含有粉末が得られることを見出した。
【0012】
即ち、本発明は、(A)親油性成分、(B)ポリオキシアルキレン(アルキレン基の炭素数2〜3)系非イオン界面活性剤、(C)一般式(I)で表されるアルキルポリオキシエチレン酢酸塩(以下アルキルポリオキシエチレン酢酸塩(I)という)、(D)賦形剤及び水を含有するO/W型乳化物を乾燥させて得られる親油性成分含有粉末、並びに、(E)脂肪酸及び(F)脂肪酸石鹸から選ばれる少なくとも1種を含有する前記親油性成分含有粉末、その製造方法並びにその親油性成分含有粉末を含む粉末を打錠して得られる打錠物を提供する。
【0013】
1−O−(CH2CH2O)n−CH2COOM (I)
[式中、R1は炭素数10〜25の炭化水素基、MはH又は陽イオン、nはオキシエチレン基の平均付加モル数を示す1〜40の数である。]
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ポリオキシアルキレン系非イオン界面活性剤を含む親油性成分を、アルキルポリオキシエチレン酢酸塩(I)を用いて賦形剤(水溶性壁材物質)含有の乳化物とすることにより、容易に微小油滴にすることができる。また、該乳化物を噴霧乾燥により粉末化する際、油滴の合一を防ぎ、親油性成分を微細なまま水溶性壁材の形成するマトリックス中に保持することが出来る。その結果、粉末中のポリオキシアルキレン系非イオン界面活性剤を含む親油性成分の含有率が高くなっても、過重負荷が掛かっても、親油性成分が染み出しにくく、加工性の優れた親油性成分含有粉末を得ることができる。また、親油性成分が化粧用油性成分や農薬活性成分の場合、溶解時に親油性成分が安定な微小油滴となるため、透明な外観を呈することやその効能を高めることも可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
[(A)成分]
(A)成分は本発明により粉末化される親油性成分であり、親油性成分とは、25℃における水への溶解度が10重量%未満のものを指す。親油性成分としては、特に制限されるものではないが、例えば、香料、農薬活性剤、油脂類、ロウ類、炭化水素類、高級脂肪酸類、高級アルコール類、脂肪族アミン類、エステル類、油性薬効成分、シリコーン油類等が挙げられる。
【0016】
香料としては、メントール、ワニリン等の単品香料、オレンジ、レモン、グレープフルーツ等のシトラス系、アップル等のフルーツ系、紅茶、緑茶等の茶系、コーヒー等のビーンズ系、ブラックペッパー、カレー等のスパイス系、ペパーミント、スペアミント等のミント系、デイリー系、ワニラ系、コーラナッツ等の調合香料や精油、抽出物の各種が挙げられる。
【0017】
農薬活性剤としては、フェンチオン(fenthion)、フェニトロチオン(fenitrothion)、プロパホス(propaphos)、シアノホス(cyanophos)、プロチオホス(prothiofos)、スルプロホス(sulprofos)、EPN、シアノフェンホス(cyanofenphos)、オキシデプロホス(oxydeprofos)、ジスルホトン(disulfoton)、チオメトン(thiometon)、マラソン(malathion)、メカルバム(mecalbam)、ピリミホスメチル(pirimiphosmethyl)、ダイアジノン(diazinon)、エトリムホス(etrimfos)、イソキサチオン(isoxathion)、ピラクロホス(pyraclophos)、クロルチオホス(chlorthiophos)、イソフェンホス(isofenphos)、EDDP、シフルスリン(cyfluthrin)、パーメスリン(permethrin)、シハロスリン(cyhalothrin)、フェンバレレート(fenvalerate)、フルシトリネート(flucythrinate)、エトフェンプロックス(ethofenprox)、シラネオファン(silaneophane)、シクロプロトリン(cycloprothrin)、IBP、エジフェンホス(edifenphos)、プロピコナゾール(propiconazole)、イマザリル(imazalil)、トリデモルフ(tridemorph)、エタゾール(ethazol)、ピリフェノックス(pyrifenox)、ブタクロール(butachlor)、メトラクロール(metolachlor)、チオベンカルブ(thiobencarb)、ブチレート(butylate)、EPTC、モリネート(molinate)、セトキシジム(sethoxydim)、フルアジホップーブチル(fluazifop-butyl)、ラクトフェン(lactofen)、ピペロホス(piperophos)、エスプロカルブ(esprocarb)、ピリブチカルブ(pyributicarb)、ベノキサゾール(benoxazol)などが挙げられる。
【0018】
油脂類としては、例えば大豆油、ヌカ油、アボガド油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ脂、ごま油、パーシック油、ヒマシ油、ヤシ油、ミンク油、牛脂、豚脂等の天然油脂 、また、これらの天然油脂を水素添加して得られる硬化油及びミリスチン酸グリセリド、2−エチルヘキサン酸グリセリド等の合成トリグリセリドなどが挙げられる。ロウ類としては、例えばカルナウバロウ、鯨ロウ、ミツロウ、ラノリン等が挙げられる。炭化水素類としては、例えば流動パラフィン、セラミド、レチノイド、ワセリン、パラフィンマイクロクリスタリンワックス、セレシン、スクワラン、プリスタン等が挙げられる。高級脂肪酸類としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ラノリン酸、イソステアリン酸等が挙げられる。高級アルコール類としては、例えばラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ラノリンアルコール、コレステロール、2−ヘキシルデカノール等が挙げられる。脂肪族アミン類としては、ラウリルアミン,ステアリルアミン,オレイルアミン等が挙げられる。エステル類としては、例えばオクタン酸セチル、乳酸ミリスチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸デシル、イソステアリン酸イソステアリル等が挙げられる。油性薬効成分としては、下記式(II)
【0019】
【化1】


【0020】
(式中、R2は水酸基又はメトキシ基を、R3,R4及びR5は水素原子を、R6はアルキル基を示す。)
で表されるフタリド誘導体、ニコチン酸メチル、ニコチン酸トコフェロール、トコフェロール、L−メントール、グアイアズレン等が挙げられる。シリコーン油類としては、例えばジメチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アクリル酸アルキル共重合体メチルポリシロキサンエステル等が挙げられる。
【0021】
これらの(A)成分の中では、香料、農薬活性剤や、セラミド、流動パラフィン、エステル油、高級アルコール、油性薬効成分等の化粧用油性成分、高級脂肪酸、シリコーン油が好ましい。これらの(A)成分は、必要に応じ2種以上を組み合わせて使用しても良い。
【0022】
[(B)成分]
(B)成分は、ポリオキシアルキレン鎖(アルキレン基の炭素数2〜3)を持つ非イオン界面活性剤である。ポリオキシアルキレン鎖は、ポリオキシエチレン鎖、ポリオキシプロピレン鎖、あるいはオキシエチレン基とオキシプロピレン基が混合したポリオキシアルキレン鎖でもよく、その場合オキシエチレン基とオキシプロピレン基はランダムでもブロックでもかまわない。
【0023】
(B)成分としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリオキシエチレンソルビタンモノアルキレート、ポリオキシエチレンソルビタントリアルキレート、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレン(アルキレン基の炭素数2〜3)アルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールなどが挙げられる。特に、(A)成分への分散/溶解の観点よりHLBが20以下のものが好ましく、17以下のものがより好ましい。又、(B)成分は、必要に応じ2種以上組み合わせて使用しても良い。
【0024】
(A)成分と(B)成分は、安定で且つ微小な乳化油滴を含むO/W乳化物を得るため、そして、親油性成分含有粉末を溶解した際、塩,pH,温度といった変化に対し、安定な微小油滴として存在するために、予め混合・溶解しておくことが好ましい。本発明の粉末中の(A)成分と(B)成分の合計含有量は、経済性,同量の親油性成分を配合するための必要量、製品形態の自由度の観点から、20重量%以上が好ましく、30重量%以上がより好ましく、35重量%以上が更に好ましい。又、油保持性(油の染み出し防止)の観点から、80重量%以下が好ましく、70重量%以下がより好ましく、55重量%以下が更に好ましい。従って、経済性、摂取の容易性、油保持性の観点から、(A)成分と(B)成分の合計含有量は、本発明の粉末中、20〜80重量%が好ましく、30〜70重量%がより好ましく、35〜55重量%が更に好ましい。(A)成分と(B)成分の重量比率は、(A)/(B)=1〜10が好ましく、1.5〜4がより好ましい。
【0025】
[(C)成分]
(C)成分は、(B)成分と共に(A)成分を微小油滴に乳化させる為の乳化剤であり、前記一般式(I)で表されるアルキルポリオキシエチレン酢酸塩である。
【0026】
一般式(I)において、R1は炭素数10〜25の炭化水素基を示すが、炭化水素基は直鎖状でも分岐状でもよく、また飽和でも不飽和でも良い。R1としては炭素数10〜22のアルキル基が好ましい。MはH又は陽イオンを示すが、陽イオンとしては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、アンモニウム、アルカノールアミン等の陽イオンが挙げられる。nはオキシエチレン基の平均付加モル数を示す1〜40の数であるが、3〜25の数が好ましい。
【0027】
本発明の粉末中の、(C)成分の含有量は、乳化安定性の観点から、0.01重量%以上が好ましく、0.05重量%以上がより好ましい。又、コスト、配合の自由度及び乳化安定性の観点から、10重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましい。従って、乳化安定性、配合の自由度及びコストの観点から、(C)成分の含有量は粉末中、0.01〜10重量%が好ましく、0.05〜5重量%がより好ましい。
【0028】
[(D)成分]
(D)成分は、(A)成分を固定化し粒子を形成させる為の賦形剤として用いられる水溶性壁材物質である。(D)成分としては、グルコース、果糖、乳糖、麦芽糖、蔗糖、デキストリン、マルトデキストリン、シクロデキストリン、マルトース、フルクトース、トレハロースなどの単糖,二糖類及び多糖類;ソルビトール、マンニトール、マルチトール、ラクトース、マルトトリイトール、キシリトール、多価アルコールなどの糖アルコール;アラビアガム、グアーガム、ペクチン、プルラン、アルギン酸ナトリウムなどの増粘多糖類;メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース誘導体;澱粉にエステル化、エーテル化処理、末端還元処理を施した澱粉誘導体;その他に加工澱粉、ゼラチン分解物、寒天、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。又、(D)成分は、必要に応じ2種以上組み合わせて使用しても良い。
【0029】
本発明の粉末中の、(D)成分の含有量は、親油性成分の染み出し防止の観点から、20重量%以上が好ましく、30重量%以上がより好ましい。又、コスト及び配合の自由度の観点から、65重量%以下が好ましく、60重量%以下がより好ましい。従って、親油性成分の染み出し防止、配合の自由度及びコストの観点から、(D)成分の含有量は粉末中、20〜65重量%が好ましく、30〜60重量%がより好ましい。
【0030】
[(E)成分]
(E)成分は、親油性成分含有粉末の溶解時に生じる泡を消す目的で配合される脂肪酸である。特に、炭酸ガス発生型の入浴剤に、親油性成分含有粉末を使用する場合、溶解時に活性剤由来の泡が湯面に残存するが、ここで、(A)成分の一部、または全部として(E)成分を使用すると、消泡効果により、泡残りを回避することが出来る。
【0031】
(E)成分としては、炭素数8〜24の炭化水素基、好ましくはアルキル基又はアルケニル基を有する脂肪酸(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ラノリン酸、イソステアリン酸など)などが挙げられる。これらの中でも飽和脂肪酸が好ましい。又、(E)成分は、必要に応じ2種以上組み合わせて使用しても良い。
【0032】
本発明の粉末中の、(E)成分の含有量は、消泡効果の観点から、0.05重量%以上が好ましく、0.25重量%以上がより好ましい。又、油保持性(油の染み出し防止)の観点から、80重量%以下が好ましく、70重量%以下がより好ましく、55重量%以下が更に好ましい。
【0033】
[(F)成分]
(F)成分は、親油性成分含有粉末の溶解時に生じる泡を消す目的で配合される脂肪酸石鹸である。特に、炭酸ガス発生型の入浴剤に、親油性成分含有粉末を使用する場合、溶解時に活性剤由来の泡が湯面に残存するが、ここで、脂肪酸石鹸を併用すると消泡効果により、泡残りを回避することが出来る
【0034】
(F)成分としては、例えば、炭素数8〜24の炭化水素基、好ましくはアルキル基又はアルケニル基を有する脂肪酸石鹸(ラウリン酸石鹸、ミリスチン酸石鹸、パルミチン酸石鹸、ステアリン酸石鹸、ベヘニン酸石鹸、オレイン酸石鹸、リノール酸石鹸、リノレン酸石鹸、ラノリン酸石鹸、イソステアリン酸石鹸など)であり、飽和脂肪酸石鹸がより好ましい。その対イオンとしては、ナトリウム、カリウム、エタノールアミン等が挙げられる。アルキル基又はアルケニル基の異なる2種類以上の脂肪酸石鹸を組み合わせることが好ましい。また(F)成分としては、中和物の状態で加えても良く、製造工程中で(E)成分の一部、または全部を中和して生成しても良い。
【0035】
本発明の粉末中の、(F)成分の含有量は、消泡効果の観点から、0.05重量%以上が好ましく、0.1重量%以上がより好ましい。又、乳化安定性の観点から、5重量%以下が好ましく、3重量%以下がより好ましい。従って、消泡効果及び乳化安定性の観点から、(F)成分の含有量は本発明の粉末中、0.05〜5重量%が好ましく、0.1〜3重量%がより好ましい。
【0036】
[その他の成分]
本発明の粉末には、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、(E)成分、(F)成分以外にも、必要に応じ他の物質が含まれていても良い。例えば、乳化補助剤、増粘剤、防腐剤、着色剤、崩壊又は酸化防止剤等が挙げられる。又、使用する原料及び製造プロセス由来の水分を含有しても良い。
【0037】
乳化補助剤とは、乳化をより安定化する為の剤であり、非イオン性界面活性剤等が挙げられる。この乳化補助剤は、(A)〜(F)成分の一部であっても良く、(A)〜(F)成分以外から選ばれる剤であっても良い。例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられる。
【0038】
本発明の粉末中の乳化補助剤の含有量は、乳化安定性の観点から、0.1重量%以上が好ましく、1重量%以上が更に好ましい。又、コストの観点から、15重量%以下が好ましく、10重量%以下が更に好ましい。
【0039】
[親油性成分含有粉末の製造法]
本発明の親油性成分含有粉末の製造法は、(A)成分(必要により(E)成分を含む)、(B)成分、(C)成分、(D)成分及び水、必要により(F)成分及びその他の成分を含有するO/W型乳化物を調製する工程、該乳化物を乾燥させて親油性成分含有粉末を得る工程を含む。
【0040】
O/W型乳化物は、(A)成分(必要により(E)成分を含む)、(B)成分、(C)成分、(D)成分及び水、必要により(F)成分及びその他の成分を混合することによって調製される。この際、(A)成分(必要により(E)成分を含む)と(B)成分、必要により(C)成分は、予め混合物の融点以上で混合しておくことが好ましい。(A)成分(必要により(E)成分を含む)、(B)成分、(C)成分、(D)成分及び水、必要により(F)成分及びその他の成分を混合する温度は、(A)成分と(B)成分との混合物の融点以上で行うことが望ましい。
【0041】
本発明の親油性成分含有粉末の製造法は、下記工程1、工程2、工程3及び工程4を含む製造法が、より微細な油滴を得る観点から好ましい。この時(C)成分は工程1の油相に添加しても、工程2の水相に添加してもよいが、工程2の水相に添加することが好ましい。また、(D)成分は油相と水相を混合してから添加してもよい。
工程1:(A)成分と、(B)成分を含有する油相を調製する工程
工程2:(D)成分と水を含有する水相を調製する工程
工程3:工程1及び2で調製された2液を混合してO/W型乳化物を調製する工程
工程4:工程3で得られた乳化物を乾燥させて親油性成分含有粉末を得る工程
【0042】
本発明の製造法の中では、下記工程1’、工程2’、工程3及び工程4を含む製造法が、より微細な油滴を得る観点から更に好ましい。
工程1’:(A)成分(必要により(E)成分を含む)と、(B)成分と、必要に応じてその他の成分を混合して油相を調製する工程
工程2’:(C)成分と、(D)成分及び水と、必要に応じてその他の成分を混合して水相を調製する工程
工程3:工程1及び2で調製された2液を混合してO/W型乳化物を調製する工程
工程4:工程3で得られた乳化物を乾燥させて親油性成分含有粉末を得る工程
【0043】
工程1’におけるその他の成分としては、乳化補助剤が好ましく、工程2’におけるその他の成分としては、(F)成分が好ましい。
【0044】
あらかじめ工程1’において(A)成分(必要により(E)成分を含む)に(B)成分、更に必要により乳化補助剤等のその他の成分を溶解または分散させた油相を形成し、工程2’において水に(D)成分、(C)成分と更に必要により(F)成分等のその他の成分を溶解させた水相を形成しておき、工程3において、これら油相成分と水相成分を、攪拌下に混合してO/W型乳化物を調製するのが好ましい。また(D)成分は、油相と水相を混合してから添加してもよい。これらの工程は、(A)成分が酸化しやすい物質の場合、窒素などの不活性ガスを通気しながら行っても良い。
【0045】
工程3で使用する乳化機としては、静止型乳化・分散機、一般的な攪拌機、ホモミキサー等の攪拌型乳化機、ホモジナイザー等の高圧乳化機を使用することが好ましい。
【0046】
本発明に係わるO/W型乳化物の平均乳化油滴径は、外力負荷をかけても親油性成分が染み出しにくい粉末を得る観点から、1μm以下が好ましく、0.5μm以下がより好ましく、0.2μm以下が更に好ましい。また、0.001μm以上が好ましい。
【0047】
工程4においては、工程3で得られたO/W型乳化物を乾燥して、溶解性に優れる親油性成分含有粉末を得る。乾燥法は、一般的な方法を用いることができ、特に限定されないが、例えば、噴霧乾燥、凍結乾燥、真空乾燥、ベルト乾燥、棚乾燥、ドラム乾燥等が挙げられる。噴霧乾燥以外の方法で乾燥した場合には、所望の粒径の粒子を得る為に粉砕を行う。これらの乾燥法の中では、生産性、熱履歴、粒子形状等の観点から、噴霧乾燥法を用いるのが特に好ましい。
【0048】
尚、噴霧乾燥法で親油性成分含有粉末を形成させる場合、その粒径は、使用する噴霧ノズルにより任意に調整できるが、必要に応じ、更に得られた粒子を凝集させ凝集粒子とすることもできる。
【0049】
本発明の方法は、乳化工程において、(B)成分と(C)成分を併用することで、(A)成分を(D)成分含有水溶液中で容易に微小油滴にすることが可能である。この様な(A)成分を微小油滴として含む乳化物を乾燥すると、油滴を微小なまま水溶性壁材のマトリックスに保持した粉末が得られる。
【0050】
[親油性成分含有粉末及び打錠物]
本発明の親油性成分含有粉末は、(A)成分(必要により(E)成分を含む)、(B)成分、(C)成分及び(D)成分、必要により(F)成分及びその他の成分を含有し、前記製造法により製造された溶解性に優れる粉末である。
【0051】
本発明の親油性成分含有粉末の平均粒径は、流動性及び溶解性の観点から10〜1000μmが好ましく、10〜300μmがより好ましい。尚、この平均粒径は、実施例に示す方法で測定することができる。又、本発明の親油性成分含有粉末は、単一粒子であっても凝集粒子であっても粉砕粒子であっても良い。
【0052】
本発明の親油性成分含有粉末は、荷重を加えても親油性成分が染み出し難いので、押出造粒、ブリケット、打錠等により、顆粒や錠剤等の成型体とすることも可能である。
【0053】
本発明の親油性成分含有粉末は、例えば親油性成分が揮散し易い香料の場合、製造時の揮散を抑えることで香料ロスが少なく、香気持続性に大変優れたものとなり、衣料用洗剤、自動食器洗い用洗剤、入浴剤等のトイレタリー製品への添加に適したものである。また、親油性成分が農薬活性剤の場合、単独又は肥料等と混合することで、溶解・分散性に優れた散布液を容易に得ることできる。更には、本発明の親油性成分含有粉末は、親油性成分が染み出し難いので、顆粒化や錠剤化することも容易であり、製品形態の多様化への対応性が高い。例示すると、化粧品としてのファンデーション、農薬製剤としてペレット型肥料やジャンボ剤、固形成型入浴剤等が挙げられる。
【0054】
本発明の打錠物は、本発明の親油性成分含有粉末を含む粉末を打錠することにより得られる。本発明の打錠物中に含まれる親油性成分の含有量は、親油性成分の持つ機能が発揮される量に合わせて任意に配合すればよく、親油性成分含有粉末単独であっても良い。
打錠物中の親油性成分含有粉末以外の成分としては、例えば固形成型入浴剤では実施例に示す様なものが好ましい。また、打錠は生産性から回転式打錠機で行うのが好ましい。
【実施例】
【0055】
以下の例中で用いられる%は、特記しない限り重量%である。また、以下の例において、各物性の測定及び評価は以下の方法で行った。
【0056】
<親油性成分含有粉末の平均粒径>
レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA-920(堀場製作所(株)製)を用いて測定したメジアン径を粉末の平均粒径とした。分散溶媒には、アセトンを使用した。測定においては、攪拌を中位(具体的には、測定装置LA-920の7段階の4)とし、サンプルを添加して所定濃度に調整後、中位レベル(具体的には、測定装置LA-920の7段階の4)の超音波を1分間照射し、各々の径を測定した。
【0057】
<親油性成分含有粉末の油滴保持径>
作製した粉末をメスで割断し、割断面の電子顕微鏡写真から、無作為に30個を選び、その油滴保持径を求めた。
【0058】
<乳化液の吸光度>
レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA-920では乳化油滴径は検出下限値を下回ったので、検出できなかった。作製した乳化物を直接セル(GLサイエンス(株)製 AB10−UV1.0)に入れ、UV計(島津製作所(株)製 UV−1700)にて600nmでの吸光度を測定した。尚、対照は同一のセルにイオン交換水を入れたものとした。吸光度が低いほど、乳化油滴が微細で光散乱による光透過の阻害が少ないことを示している。
【0059】
<打錠試験1>
作製した粉末が顆粒化や錠剤化といった加工性が高いことを示すための試験として、粉末30gを油性マジックで印をつけたろ紙を敷いて、打錠機((株)理研商会製)のセルに入れ、20MPaの圧力で圧縮した際のマジックのにじみを観察した。マジックのにじみが少ない方が、顆粒化や錠剤化といった工程で、杵に親油性成分と粉の付着で生ずるプリンティング等のトラブルを回避するのに好ましい。
【0060】
<打錠試験2>
親油性成分含有粉末中の(A)成分と(B)成分の合計含有量が多い場合には、打錠試験2で耐打錠性を評価した。打錠機((株)理研商会製)のセルに、打錠セルの大きさに切り取ったNo.5Cの定量ろ紙を重ねて二枚入れ、更に30℃に保温した粉末31gを入れ、10MPaの圧力で圧縮打錠を行った。打錠後、粉末に直接接しない側のろ紙の重量を測定し、予め測定しておいた試験前のろ紙の重量を差し引き、親油性成分の打錠後染み出し量として算出した。この染み出し量の少ない方が、顆粒化や錠剤化といった工程で、杵に親油性成分と粉の付着で生ずるプリンティング等のトラブルを回避するのに好ましく、目安としては、100mg以下が好ましい。
【0061】
<浴槽溶解試験>
作製粉末5.0gを、炭酸ナトリウム(セントラル硝子(株)製)15.0g、炭酸水素ナトリウム(東ソー(株)製)15.0g、フマル酸(日本触媒(株)製)31.0g、ポリエチレングリコール6000(花王(株)製)6.5g、柑橘系香料0.5g、黄色4号0.015g、青色1号0.005gと混合し、20MPaの圧力にて打錠した。本打錠物を、40℃の湯を満たした150L浴槽に投入して、溶解後の外観を観察した。
【0062】
実施例1
イオン交換水2250gに、ECTD-6NEX(日光ケミカルズ(株)製 ポリオキシエチレン(6)トリデシルエーテル酢酸ナトリウム)41.3gを投入した。その後、50℃まで加熱し、H−PDX(松谷化学工業(株)製 還元水あめ)1609gを投入して分散/溶解して水相を調製した。親油性成分としてISIS(高級アルコール工業(株)製 イソステアリン酸イソステアリル)550gとエキセパールIPP(花王(株)製 パルミチン酸イソプロピル)220gとエマルゲン306P(花王(株)製 ポリオキシエチレンステアリルエーテル、HLB9.7)110gとニッコールGO−440(日光ケミカルズ(株)製 テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット HLB12.5)220gを仕込み、分散/溶解して油相を調製した。得られた水相に、油相を添加し、ディスパー攪拌翼を用いて3000r/minにて、30分間攪拌操作を行い、乳化物を得た(50℃)。得られた乳化物はやや青白く透明で、600nmのUV吸光度は0.0415ABSであった。
【0063】
上記の乳化操作で得られた乳化物を、噴霧乾燥機(坂本技研(株)製 スプレードライヤー)を用い、乳化物供給量7000g/hr、送風温度120℃、排風温度72℃の条件で噴霧乾燥し、エステル油含有粉末を得た。
【0064】
上記操作で得られたエステル油含有粉末について、打錠試験1及び浴槽溶解試験を行った。その結果、加圧後のマジックのにじみはわずかであった。又、溶解後の湯は、親油性成分が分散しているにもかかわらず非常に透明であった。溶解後に浴槽表面に泡が残った。
作製した粉末の割断面を電子顕微鏡にて観察したところ、図1に示す様に、親油性成分の油滴が非常に微細に保持されていた。その保持径は0.05μm〜0.2μmであった。
【0065】
実施例2
イオン交換水2000gに水酸化ナトリウム(キシダ化学(株)製純度96%)2.69gを投入し、80℃以上にした後、ルナックS−98(花王(株)製 ステアリン酸)10gとルナックBA(花王(株)製 ベヘニン酸)10gを投入し、中和した。その後、70℃まで冷却し、ECTD-6NEX(日光ケミカルズ(株)製 ポリオキシエチレン(6)トリデシルエーテル酢酸ナトリウム)45gとH−PDX(松谷化学工業(株)製 還元水あめ)1290gとトレハ(林原(株)トレハロース)430gを投入して分散/溶解して水相を調製した。親油性成分としてISIS(高級アルコール工業(株)製 イソステアリン酸イソステアリル)600gとエキセパールIPP(花王(株)製 パルミチン酸イソプロピル)240gにルナックSO−90L(花王(株)製 オレイン酸)15gとエマルゲン306P(花王(株)製 ポリオキシエチレンステアリルエーテル、HLB9.7)120gとニッコールGO−440(日光ケミカルズ(株)製 テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット HLB12.5)240gを仕込み、分散/溶解して油相を調製した。得られた水相に、油相を添加し、ディスパー攪拌翼を用いて3000r/minにて、30分間攪拌操作を行い乳化物を得た(50℃)。得られた乳化物は非常に透明で、600nmのUV吸光度は0.0105ABSであった。
【0066】
上記の乳化操作で得られた乳化物を、噴霧乾燥機(坂本技研(株)製 スプレードライヤー)を用い、乳化物供給量7000g/hr、送風温度150℃、排風温度95℃の条件で噴霧乾燥し、エステル油含有粉末を得た。
【0067】
上記操作で得られたエステル油含有粉末について、打錠試験1及び浴槽溶解試験を行った。その結果、加圧後のマジックのにじみは無く、親油性成分の染み出しは全く観察されなかった。又、溶解後の湯は、親油性成分が分散しているにもかかわらず非常に透明であった。更に、溶解後に浴槽表面に泡が残らなかった。
作製した粉末の割断面を電子顕微鏡にて観察したところ、図2に示す様に、親油性成分の油滴が非常に微細に保持されていた。その保持径は0.05μm〜0.2μmであった。
【0068】
実施例3
イオン交換水2000gに水酸化ナトリウム(キシダ化学(株)製純度96%)2.69gを投入し、80℃以上にした後、ルナックS−98(花王(株)製 ステアリン酸)10gとルナックBA(花王(株)製 ベヘニン酸)10gを投入し、中和した。その後、70℃まで冷却し、ECTD-6NEX(日光ケミカルズ(株)製 ポリオキシエチレン(6)トリデシルエーテル酢酸ナトリウム)90gとH−PDX(松谷化学工業(株)製 還元水あめ)1491gとグラニュMG(大日本明治製糖(株)グラニュー糖)184gを投入して分散/溶解して水相を調製した。親油性成分としてISIS(高級アルコール工業(株)製 イソステアリン酸イソステアリル)600gとエキセパールIPP(花王(株)製 パルミチン酸イソプロピル)240gにルナックSO−90L(花王(株)製 オレイン酸)15gとエマルゲン306P(花王(株)製 ポリオキシエチレンステアリルエーテル、HLB9.7)120gとニッコールGO−440(日光ケミカルズ(株)製 テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット HLB12.5)240gを仕込み、分散/溶解して油相を調製した。得られた水相に、油相を添加し、ディスパー攪拌翼を用いて3000r/minにて、30分間攪拌操作を行い、乳化物を得た(50℃)。得られた乳化物は非常に透明で、600nmのUV吸光度は0.0057ABSであった。
【0069】
上記の乳化操作で得られた乳化物を、噴霧乾燥機(坂本技研(株)製 スプレードライヤー)を用い、乳化物供給量7000g/hr、送風温度150℃、排風温度96℃の条件で噴霧乾燥し、エステル油含有粉末を得た。
【0070】
上記操作で得られたエステル油含有粉末について、打錠試験1及び浴槽溶解試験を行った。その結果、加圧後のマジックのにじみは無く、親油性成分の染み出しは全く観察されなかった。又、溶解後の湯は、親油性成分が分散しているにもかかわらず非常に透明であった。更に、溶解後に浴槽表面に泡が残らなかった。
作製した粉末の割断面を電子顕微鏡にて観察したところ、図3に示す様に、親油性成分の油滴が非常に微細に保持されていた。その保持径は0.05μm〜0.2μmであった。
【0071】
比較例1
イオン交換水2250gに水酸化ナトリウム(キシダ化学(株)製純度96%)6.02gを投入し、80℃以上にした後、ルナックS−98(花王(株)製 ステアリン酸)41.25gを投入し、中和した。その後、70℃まで冷却し、H−PDX(松谷化学工業(株)製 還元水あめ)1595gを投入して分散/溶解して水相を調製した。親油性成分としてISIS(高級アルコール工業(株)製 イソステアリン酸イソステアリル)550gとエキセパールIPP(花王(株)製 パルミチン酸イソプロピル)220gにルナックSO−90L(花王(株)製 オレイン酸)13.75gとエマルゲン306P(花王(株)製 ポリオキシエチレンステアリルエーテル、HLB9.7)110gとニッコールGO−440(日光ケミカルズ(株)製 テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット HLB12.5)220gを仕込み、分散/溶解して油相を調製した。得られた水相に、油相を添加し、ディスパー攪拌翼を用いて3000r/minにて、30分間攪拌操作を行い、乳化物を得た(50℃)。得られた乳化物はやや青白く透明で、600nmのUV吸光度は0.0343ABSであった。
【0072】
上記の乳化操作で得られた乳化物を、噴霧乾燥機(坂本技研(株)製 スプレードライヤー)を用い、乳化物供給量7000g/hr、送風温度120℃、排風温度73℃の条件で噴霧乾燥し、エステル油含有粉末を得た。
【0073】
上記操作で得られたエステル油含有粉末について、打錠試験1及び浴槽溶解試験を行った。その結果、加圧後のマジックのにじみが非常に多く、親油性成分の染み出しが観察された。又、溶解後の湯は、親油性成分が分散しているにもかかわらず非常に透明であった。更に、溶解後に浴槽表面に泡が残らなかった。
作製した粉末の割断面を電子顕微鏡にて観察したところ、図4に示す様に、親油性成分の油滴が非常に大きく保持されていた。その保持径は0.5μm〜5μmであった。
【0074】
比較例2
イオン交換水2250gに、アミソフトHS21P(味の素(株)製 N-ステアロイル-L-グルタミン酸ナトリウム)55gを投入した。その後、40℃まで加熱し、H−PDX(松谷化学工業(株)製 還元水あめ)1595gを投入して分散/溶解して水相を調製した。親油性成分としてISIS(高級アルコール工業(株)製 イソステアリン酸イソステアリル)550gとエキセパールIPP(花王(株)製 パルミチン酸イソプロピル)220gとエマルゲン306P(花王(株)製 ポリオキシエチレンステアリルエーテル、HLB9.7)110gとニッコールGO−440(日光ケミカルズ(株)製 テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット HLB12.5)220gを仕込み、分散/溶解して油相を調製した。得られた水相に、油相を添加し、ディスパー攪拌翼を用いて3000r/minにて、30分間攪拌操作を行い、乳化物を得た(40℃)。得られた乳化物は非常に透明で、600nmのUV吸光度は0.0010ABSであった。
【0075】
上記の乳化操作で得られた乳化物を、噴霧乾燥機(坂本技研(株)製 スプレードライヤー)を用い、乳化物供給量7000g/hr、送風温度120℃、排風温度75℃の条件で噴霧乾燥し、エステル油含有粉末を得た。
【0076】
上記操作で得られたエステル油含有粉末について、打錠試験1及び浴槽溶解試験を行った。その結果、加圧後のマジックのにじみが多かった。又、溶解後の湯は、泡立ちが多く濁りが生じた。また、経時的に油浮きが認められた。
作製した粉末の割断面を電子顕微鏡にて観察したところ、図5に示す様に、親油性成分の油滴が大きく保持されていた。その保持径は0.2μm〜0.5μmであった。
【0077】
比較例3
イオン交換水2250gに、TCP-5(日光ケミカルズ(株)製 トリPOE(5)セチルエーテルリン酸)16.5gを投入した。その後、60℃まで加熱し、H−PDX(松谷化学工業(株)製 還元水あめ)1633.5gを投入して分散/溶解して水相を調製した。親油性成分としてISIS(高級アルコール工業(株)製 イソステアリン酸イソステアリル)550gとエキセパールIPP(花王(株)製 パルミチン酸イソプロピル)220gとエマルゲン306P(花王(株)製 ポリオキシエチレンステアリルエーテル、HLB9.7)110gとニッコールGO−440(日光ケミカルズ(株)製 テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット HLB12.5)220gを仕込み、分散/溶解して油相を調製した。得られた水相に、油相を添加し、ディスパー攪拌翼を用いて3000r/minにて、30分間攪拌操作を行ったが、安定な乳化液が得られなかったため、更に剪断力の強いホモミキサーを用いて10000r/minにて30分間処理を行い乳化物を得た(60℃)。得られた乳化物はやや白濁しておりで、600nmのUV吸光度は0.708ABSであった。
【0078】
上記の乳化操作で得られた乳化物を、噴霧乾燥機(坂本技研(株)製 スプレードライヤー)を用い、乳化物供給量7000g/hr、送風温度120℃、排風温度72℃の条件で噴霧乾燥し、エステル油含有粉末を得た。
【0079】
上記操作で得られたエステル油含有粉末について、打錠試験1及び浴槽溶解試験を行った。その結果、加圧後のマジックのにじみが多かった。又、溶解後の湯は、泡立ちが多く濁りが生じた。また、経時的に油浮きが認められた。
作製した粉末の割断面を電子顕微鏡にて観察したところ、図6に示す様に、親油性成分の油滴が大きく保持されていた。その保持径は0.2μm〜0.7μmであった。
【0080】
比較例4
イオン交換水2250gに水酸化ナトリウム(キシダ化学(株)製純度96%)1.84gを投入し、60℃以上にした後、DDP-8(日光ケミカルズ(株)製 ジPOE(8)C12-C15アルキルエーテルリン酸)を41.25g投入し、中和した。その後、H−PDX(松谷化学工業(株)製 還元水あめ)1608.8gを投入して分散/溶解して水相を調製した。親油性成分としてISIS(高級アルコール工業(株)製 イソステアリン酸イソステアリル)550gとエキセパールIPP(花王(株)製 パルミチン酸イソプロピル)220gとエマルゲン306P(花王(株)製 ポリオキシエチレンステアリルエーテル、HLB9.7)110gとニッコールGO−440(日光ケミカルズ(株)製 テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット HLB12.5)220gを仕込み、分散/溶解して油相を調製した。得られた水相に、油相を添加し、ディスパー攪拌翼を用いて3000r/minにて、30分間攪拌操作を行ったが、安定な乳化液が得られなかったため、更に剪断力の強いホモミキサーを用いて10000r/minにて30分間処理を行い、乳化物を得た(60℃)。得られた乳化物はやや白濁しておりで、600nmのUV吸光度は0.180ABSであった。
【0081】
上記の乳化操作で得られた乳化物を、噴霧乾燥機(坂本技研(株)製 スプレードライヤー)を用い、乳化物供給量7000g/hr、送風温度120℃、排風温度74℃の条件で噴霧乾燥し、エステル油含有粉末を得た。
【0082】
上記操作で得られたエステル油含有粉末について、打錠試験1及び浴槽溶解試験を行った。その結果、加圧後のマジックのにじみが多かった。又、溶解後の湯は、泡立ちが多く濁りが生じた。また、経時的に油浮きが認められた。
作製した粉末の割断面を電子顕微鏡にて観察したところ、図7に示す様に、親油性成分の油滴が大きく保持されていた。その保持径は0.2μm〜0.5μmであった。
【0083】
実施例1〜3及び比較例1〜4で得られた粉末の組成、乳化物の性状、粉末の平均粒径、粉末の油滴保持径、打錠試験1及び浴槽溶解試験の結果をまとめて表1に示す。
【0084】
【表1】


【0085】
表1の結果から、実施例1で得られた乳化物は親油性成分を容易に微小油滴にでき、乳化物を噴霧乾燥法により粉末化したものは耐打錠性に優れ、非常に透明で湯浴の外観が非常に優れることが判った。更に、実施例2と3で得られた乳化物は親油性成分を容易に微小油滴にでき、乳化物を噴霧乾燥法により粉末化したものは耐打錠性に非常に優れ、湯浴の外観が非常に透明であり、泡残りもなかった。
【0086】
実施例4
イオン交換水1500gに、ECTD-6NEX(日光ケミカルズ(株)製 ポリオキシエチレン(6)トリデシルエーテル酢酸ナトリウム)56.3gを投入した。その後、50℃まで加熱し、水相を調製した。
親油性成分としてISIS(高級アルコール工業(株)製 イソステアリン酸イソステアリル)562.5gとエキセパールIPP(花王(株)製 パルミチン酸イソプロピル)225gとエマルゲン306P(花王(株)製 ポリオキシエチレンステアリルエーテル、HLB9.7)112.5gとニッコールGO−440(日光ケミカルズ(株)製 テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット HLB12.5)225gを投入した。その後、50℃まで昇温を行い、分散/溶解して油相を調製した。
上記水相に、油相を添加し、ディスパー攪拌翼を用いて3000r/minにて、10分間攪拌操作を行った(50℃)。更に、H−PDX(松谷化学工業(株)製 還元水あめ)1068.8gを投入して分散/溶解して乳化物を調製した。得られた乳化物はやや青白く透明であった。
【0087】
上記の乳化操作で得られた乳化物を、噴霧乾燥機(坂本技研(株)製 スプレードライヤー)を用い、乳化物供給量7000g/hr、送風温度150℃、排風温度90℃の条件で噴霧乾燥し、エステル油含有粉末を得た。
【0088】
上記操作で得られたエステル油含有粉末について、打錠試験2及び浴槽溶解試験を行った。その結果、加圧後染み出し量は、12mgであった。又、溶解後の湯は、親油性成分が分散しているにもかかわらず非常に透明であった。溶解後に浴槽表面に泡が残った。
作製した粉末の割断面を電子顕微鏡にて観察したところ、図8に示す様に、親油性成分の油滴が非常に微細に保持されていた。その保持径は0.05μm〜0.2μmであった。
【0089】
実施例5
イオン交換水1687.5gに、ECTD-6NEX(日光ケミカルズ(株)製 ポリオキシエチレン(6)トリデシルエーテル酢酸ナトリウム)51.6gを投入した。その後、50℃まで加熱し、水相を調製した。
親油性成分としてISIS(高級アルコール工業(株)製 イソステアリン酸イソステアリル)515.7gとエキセパールIPP(花王(株)製 パルミチン酸イソプロピル)206.2gとエマルゲン306P(花王(株)製 ポリオキシエチレンステアリルエーテル、HLB9.7)103.1gとニッコールGO−440(日光ケミカルズ(株)製 テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット HLB12.5)206.2gを投入した。更に、ルナックBA(花王(株)製 ベヘニン酸)15.4gを投入し、その後、65℃まで昇温を行い、分散/溶解させた後、50℃まで冷却を行い、油相を調製した。
上記水相に、油相を添加し、ディスパー攪拌翼を用いて3000r/minにて、10分間攪拌操作を行った(50℃)。更に、H−PDX(松谷化学工業(株)製 還元水あめ)964.3gを投入して分散/溶解して乳化物を調製した。得られた乳化物はやや青白く透明であった。
【0090】
上記の乳化操作で得られた乳化物を、噴霧乾燥機(坂本技研(株)製 スプレードライヤー)を用い、乳化物供給量7000g/hr、送風温度150℃、排風温度90℃の条件で噴霧乾燥し、エステル油含有粉末を得た。
【0091】
上記操作で得られたエステル油含有粉末について、打錠試験2及び浴槽溶解試験を行った。その結果、加圧後染み出し量は、58mgであった。又、溶解後の湯は、親油性成分が分散しているにもかかわらず非常に透明であった。溶解後に浴槽表面に泡残りは見られなかった。
作製した粉末の割断面を電子顕微鏡にて観察したところ、図9に示す様に、親油性成分の油滴が非常に微細に保持されていた。その保持径は0.05μm〜0.2μmであった。
【0092】
実施例6
イオン交換水1500gに、ECTD-6NEX(日光ケミカルズ(株)製 ポリオキシエチレン(6)トリデシルエーテル酢酸ナトリウム)56.3gを投入した。その後、50℃まで加熱し、水相を調製した。
親油性成分としてISIS(高級アルコール工業(株)製 イソステアリン酸イソステアリル)562.5gとエキセパールIPP(花王(株)製 パルミチン酸イソプロピル)225gとエマルゲン306P(花王(株)製 ポリオキシエチレンステアリルエーテル、HLB9.7)112.5gとニッコールGO−440(日光ケミカルズ(株)製 テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット HLB12.5)225gを投入した。更に、ルナックS−98(花王(株)製 ステアリン酸)11.3gとルナックBA(花王(株)製 ベヘニン酸)11.3gを投入し、65℃まで昇温を行い、分散/溶解させた後、50℃まで冷却を行い、油相を調製した。
上記水相に、油相を添加し、ディスパー攪拌翼を用いて3000r/minにて、10分間攪拌操作を行った(50℃)。更に、H−PDX(松谷化学工業(株)製 還元水あめ)1046.3gを投入して分散/溶解して乳化物を調製した。得られた乳化物はやや青白く透明であった。
【0093】
上記の乳化操作で得られた乳化物を、噴霧乾燥機(坂本技研(株)製 スプレードライヤー)を用い、乳化物供給量7000g/hr、送風温度150℃、排風温度90℃の条件で噴霧乾燥し、エステル油含有粉末を得た。
【0094】
上記操作で得られたエステル油含有粉末について、打錠試験2及び浴槽溶解試験を行った。その結果、加圧後染み出し量は、64mgであった。又、溶解後の湯は、親油性成分が分散しているにもかかわらず非常に透明であった。溶解後に浴槽表面に泡残りは見られなかった。
作製した粉末の割断面を電子顕微鏡にて観察したところ、図10に示す様に、親油性成分の油滴が非常に微細に保持されていた。その保持径は0.05μm〜0.2μmであった。
【0095】
実施例7
イオン交換水1500gに、ECTD-6NEX(日光ケミカルズ(株)製 ポリオキシエチレン(6)トリデシルエーテル酢酸ナトリウム)56.3gを投入した。その後、50℃まで加熱し、水相を調製した。
親油性成分としてISIS(高級アルコール工業(株)製 イソステアリン酸イソステアリル)562.5gとエキセパールIPP(花王(株)製 パルミチン酸イソプロピル)225gとレオドールTWS106V(花王(株)製 モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、HLB9.6)112.5gとニッコールGO−440(日光ケミカルズ(株)製 テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット HLB12.5)225gを投入し、50℃まで昇温を行い、分散/溶解して油相を調製した。
上記水相に、油相を添加し、ディスパー攪拌翼を用いて3000r/minにて、10分間攪拌操作を行った(50℃)。更に、H−PDX(松谷化学工業(株)製 還元水あめ)1068.8gを投入して分散/溶解して乳化物を調製した。得られた乳化物はやや青白く透明であった。
【0096】
上記の乳化操作で得られた乳化物を、噴霧乾燥機(坂本技研(株)製 スプレードライヤー)を用い、乳化物供給量7000g/hr、送風温度150℃、排風温度90℃の条件で噴霧乾燥し、エステル油含有粉末を得た。
【0097】
上記操作で得られたエステル油含有粉末について、打錠試験2及び浴槽溶解試験を行った。その結果、加圧後染み出し量は、5mgであった。又、溶解後の湯は、親油性成分が分散しているにもかかわらず非常に透明であった。溶解後に浴槽表面に泡が残った。
作製した粉末の割断面を電子顕微鏡にて観察したところ、図11に示す様に、親油性成分の油滴が非常に微細に保持されていた。その保持径は0.05μm〜0.2μmであった。
【0098】
実施例8
イオン交換水1500gに、ECTD-6NEX(日光ケミカルズ(株)製 ポリオキシエチレン(6)トリデシルエーテル酢酸ナトリウム)56.3gを投入した。その後、50℃まで加熱し、水相を調製した。
親油性成分としてISIS(高級アルコール工業(株)製 イソステアリン酸イソステアリル)562.5gとエキセパールIPP(花王(株)製 パルミチン酸イソプロピル)225gとレオドールSP-S10V(花王(株)製 モノステアリン酸ソルビタン、HLB4.7)112.5gとニッコールGO−440(日光ケミカルズ(株)製 テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット HLB12.5)225gを投入し、50℃まで昇温を行い、分散/溶解して油相を調製した。
上記水相に、油相を添加し、ディスパー攪拌翼を用いて3000r/minにて、10分間攪拌操作を行った(50℃)。更に、H−PDX(松谷化学工業(株)製 還元水あめ)1068.8gを投入して分散/溶解して乳化物を調製した。得られた乳化物はやや青白く透明であった。
【0099】
上記の乳化操作で得られた乳化物を、噴霧乾燥機(坂本技研(株)製 スプレードライヤー)を用い、乳化物供給量7000g/hr、送風温度150℃、排風温度90℃の条件で噴霧乾燥し、エステル油含有粉末を得た。
【0100】
上記操作で得られたエステル油含有粉末について、打錠試験2及び浴槽溶解試験を行った。その結果、加圧後染み出し量は、3mgであった。又、溶解後の湯は、親油性成分が分散しているにもかかわらず非常に透明であった。溶解後に浴槽表面に泡残りはなかった。
作製した粉末の割断面を電子顕微鏡にて観察したところ、図12に示す様に、親油性成分の油滴が非常に微細に保持されていた。その保持径は0.05μm〜0.2μmであった。
【0101】
実施例9
イオン交換水1500gに、ECTD-6NEX(日光ケミカルズ(株)製 ポリオキシエチレン(6)トリデシルエーテル酢酸ナトリウム)56.3gを投入した。その後、50℃まで加熱し、水相を調製した。
親油性成分としてISIS(高級アルコール工業(株)製 イソステアリン酸イソステアリル)562.5gとエキセパールIPP(花王(株)製 パルミチン酸イソプロピル)225gとレオドールSP-P10(花王(株)製 モノパルミチン酸ソルビタン、HLB6.7)112.5gとニッコールGO−440(日光ケミカルズ(株)製 テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット HLB12.5)225gを投入、50℃まで昇温を行い、分散/溶解して油相を調製した。
上記水相に、油相を添加し、ディスパー攪拌翼を用いて3000r/minにて、10分間攪拌操作を行った(50℃)。更に、H−PDX(松谷化学工業(株)製 還元水あめ)1068.8gを投入して分散/溶解して乳化物を調製した。得られた乳化物はやや青白く透明であった。
【0102】
上記の乳化操作で得られた乳化物を、噴霧乾燥機(坂本技研(株)製 スプレードライヤー)を用い、乳化物供給量7000g/hr、送風温度150℃、排風温度90℃の条件で噴霧乾燥し、エステル油含有粉末を得た。
【0103】
上記操作で得られたエステル油含有粉末について、打錠試験2及び浴槽溶解試験を行った。その結果、加圧後染み出し量は、12mgであった。又、溶解後の湯は、親油性成分が分散しているにもかかわらず非常に透明であった。溶解後に浴槽表面に泡残りはなかった。
作製した粉末の割断面を電子顕微鏡にて観察したところ、図13に示す様に、親油性成分の油滴が非常に微細に保持されていた。その保持径は0.05μm〜0.2μmであった。
【0104】
比較例5
親油性成分として、ISIS(イソステアリン酸イソステアリル 高級アルコール工業(株)製)660gとエキセパールIPP(パルミチン酸イソプロピル 花王(株)製)264gにエマルゲン306P(ポリオキシエチレンステアリルエーテル、HLB9.7 花王(株)製)132gとニッコールGO−440(テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット HLB12.5 ニッコーケミカル(株)製)264gとルナックS−98(ステアリン酸:花王(株)製)66.0gを仕込み、分散/溶解して油相を調製し、40℃に保温した。イオン交換水1760gに水酸化ナトリウム(キシダ化学(株)製純度96%)9.8gを投入し、40℃まで昇温した。撹拌状態の油相に水相を添加した後、H−PDX(松谷化学工業(株)製 水添デキストリン)1243.4gを投入した。得られた乳化物は乳白色であった。
【0105】
上記の乳化操作で得られた乳化物を、噴霧乾燥機(坂本技研(株)製 スプレードライヤー)を用い、乳化物供給量7100g/hr、送風温度170℃、排風温度90℃の条件で噴霧乾燥した。しかし、粉末化せず、ペースト状であった。このペーストについて粉末同様の打錠試験2を行ったところ、染み出し量は120mg以上であった。粉末平均粒径および油滴保持径は、ペースト状のため測定できなかった。
【0106】
実施例4〜9で得られた粉末及び比較例5で得られたペーストの組成、粉末の平均粒径及び油滴保持径、打錠試験2及び浴槽溶解試験の結果をまとめて表2に示す。
【0107】
【表2】


【0108】
表2の結果から、実施例4〜9で得られた乳化物は親油性成分を容易に微小油滴にでき、乳化物を噴霧乾燥法により粉末化したものは耐打錠性に優れ、非常に透明で湯浴の外観が非常に優れることが判った。更に、実施例5,6,8,9で得られた粉末は浴槽溶解試験後に浴槽表面に泡残りがなかった。
【0109】
実施例1〜9に示したように、本発明の(B)成分及び(C)成分を含有する場合、その製剤化物が溶解する際に、自己乳化により親油性成分を微細に分散させることができ、透明な外観を呈することが可能であり、油性薬効成分や農薬活性成分の効能を高めることも可能となる。又、噴霧乾燥法により粉末化したものは圧密に対しても親油性成分の染み出しが少なく、加工性に優れた粉末である。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】実施例1で得られた親油性成分含有粉末の割断面の電子顕微鏡写真である。
【図2】実施例2で得られた親油性成分含有粉末の割断面の電子顕微鏡写真である。
【図3】実施例3で得られた親油性成分含有粉末の割断面の電子顕微鏡写真である。
【図4】比較例1で得られた親油性成分含有粉末の割断面の電子顕微鏡写真である。
【図5】比較例2で得られた親油性成分含有粉末の割断面の電子顕微鏡写真である。
【図6】比較例3で得られた親油性成分含有粉末の割断面の電子顕微鏡写真である。
【図7】比較例4で得られた親油性成分含有粉末の割断面の電子顕微鏡写真である。
【図8】実施例4で得られた親油性成分含有粉末の割断面の電子顕微鏡写真である。
【図9】実施例5で得られた親油性成分含有粉末の割断面の電子顕微鏡写真である。
【図10】実施例6で得られた親油性成分含有粉末の割断面の電子顕微鏡写真である。
【図11】実施例7で得られた親油性成分含有粉末の割断面の電子顕微鏡写真である。
【図12】実施例8で得られた親油性成分含有粉末の割断面の電子顕微鏡写真である。
【図13】実施例9で得られた親油性成分含有粉末の割断面の電子顕微鏡写真である。
【出願人】 【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
【出願日】 平成19年12月10日(2007.12.10)
【代理人】 【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡

【識別番号】100076680
【弁理士】
【氏名又は名称】溝部 孝彦

【識別番号】100091845
【弁理士】
【氏名又は名称】持田 信二

【識別番号】100098408
【弁理士】
【氏名又は名称】義経 和昌


【公開番号】 特開2008−179776(P2008−179776A)
【公開日】 平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願番号】 特願2007−318324(P2007−318324)