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薄片状芳香剤 - 特開2008−138150 | j-tokkyo
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【発明の名称】 薄片状芳香剤
【発明者】 【氏名】坂本 博宣

【氏名】坂本 悦夫

【氏名】福家 義人

【要約】 【課題】保香性に優れ、かつ温度変化に係らず安定に香料成分が揮散する薄片状芳香剤を提供する。

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
香料を含む配合ワックスを主たる成分とした薄片状芳香剤であって、該薄片状芳香剤の重量あたりの表面積が45cm/g〜500cm/gであることを特徴とする薄片状芳香剤。
【請求項2】
該配合ワックスがエチレン系共重合体を含む請求項1記載の薄片状芳香剤。
【請求項3】
請求項1記載の薄片状芳香剤作成用の成形体。
【請求項4】
該配合ワックスがエチレン系共重合体を含む請求項3記載の薄片状芳香剤作成用の成形体。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯用、室内用、トイレ用、下駄箱用、自動車用、衣装ダンス用等に用いる薄片状芳香剤、特に香りの発散性に優れた芳香剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の芳香剤としては、型抜きした厚紙や不織布に香料成分を含浸させたもの、素焼きやゼオライト等に浸み込ませたもの、香料成分をゲル化剤でゲル状物にしたものに配合したもの、パラフィンワックスを主成分とするワックスに香料成分を配合した厚み3mm〜5mm程度のチップ状の芳香剤等が知られている。また、ワックス成分、繊維成分および香料成分等の油性有効成分を含有する固型除放剤組成物などが特開平8−53305号に提案されている。
【特許文献1】特開平8−53305号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
香料成分を厚紙や不織布に含浸させたり、素焼きやゼオライト等に浸み込ませた芳香剤は、毛細管現象を利用した香料の保持手段を利用したものである。しかし過剰に香料成分を添加すると、香料成分の滲み出しによる包装資材等の汚染や、高温化における初期の香料の急激な揮散により香料の持続性に問題があった。また、ゲル状物に香料を配合したものは、高温下と低温下では香料成分の揮散性に大きな差を生じやすく安定した香料の揮散が期待できない。さらに、ワックスの優れた保香性を利用したワックス製のチップ状芳香剤は、優れた保香性ゆえに、香料成分の揮散が緩慢であり、しかも香料成分が残存してしまうという問題があった。
特許文献1に開示された固型除放剤組成物は、ワックス成分中に封入された香料成分の揮散速度を繊維成分の種類や使用量で調整する必要があった。
【課題を解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、保香性に優れ、かつ温度変化に係らず安定に香料成分が揮散する薄片状芳香剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち、本発明は香料を含む配合ワックスを主成分とする薄片状芳香剤であって、重量あたりの表面積が45cm/g〜500cm/gであることを特徴とする薄片状芳香剤である。
【0006】
本発明は該配合ワックスがエチレン系共重合体を含む薄片状芳香剤である。また、本発明は薄片状芳香剤作成用の成形体であり、さらにまた、本発明は該配合ワックスがエチレン系共重合体を含む成形体である。また、本発明の薄片状芳香剤は、香料を保香性に優れたワックスを主たる成分に配合することで保香性に優れ、かつ薄片状にすることにより重量あたりの表面積を増加させて香料成分の揮散性を高め、芳香剤としての優れた効果を発揮する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の薄片状芳香剤は、保香性に優れたワックスを主成分としている。さらにワックスの香料成分の揮散速度の緩慢さを、薄片状にすることで、重量あたりの表面積を格段に増加させ、揮散速度を速めることができる。安定的な香料成分の揮散を可能にするため重量あたりの表面積は、通常45cm/g〜500cm/gが適当である。45cm/g未満であれば薄片状とは言えず、香料成分の効果的な揮散速度が期待できない。500cm/gを超えると、薄片状芳香剤の厚みが0.045mm以下となり、製造が困難である。また芳香剤の強度も低下する。好ましくは100cm/g〜300cm/gである。薄片状とすることで芳香剤がカール状に形成される。多数のカール状の芳香剤を容器や袋に収納しても、芳香剤が重なり合わないため確実に香料成分を揮散させることができる。また容器内に収容した多数のカール状芳香剤は意匠的に好ましいものである。
【0008】
さらには、厚みにより重量あたりの表面積の加減が容易であり、香料成分の揮散速度の加減も容易となる。
【0009】
ワックスの保香性は、結晶粒界に香料成分が封じ込められることにより奏されると考えられており、例えば結晶が大きいパラフィンワックスは揮散速度が比較的大きく、結晶が細かいマイクロクリスタリンワックスは揮散速度が小さくなる。したがって、両者の配合比率を調節することにより揮散速度が容易に調整できる。さらに例えばポリエチレンワックス等を配合することで更に結晶を小さくして揮散速度を小さくすることも容易である。
【0010】
本発明の薄片状芳香剤は、香料の芳香効果が優れている割には軽量である。またワックスを主成分としているため廃棄が容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の薄片状芳香剤の主たる成分となる配合ワックスは、例えば、天然ワックスとしては、木ロウなどの植物系ワックス、蜜蝋などの動物系ワックス、パラフィンワックスやマイクロクリスタリンワックスなどの石油系ワックス、モンタンワックスなどの鉱物系ワックスなどを用いることができ、また、合成ワックスとしては、例えば、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどの合成炭化水素系ワックス、モンタンワックス誘導体などの変性ワックス、硬化ひまし油などの水素化ワックス、あるいは脂肪酸系や脂肪酸エステル系などの合成ワックスを用いることができ、さらに熱軟化点や融点が低過ぎたり、軟らかすぎたり、硬すぎたりと使用目的に沿わない際に、使用目的に合わせてエチレン系共重合体を配合できる。
【0012】
例えば、汎用性の高いパラフィンワックスに、汎用性の高いエチレン酢酸ビニル共重合体を適当量配合することにより、脆さを改善することができ、ポリエチレンワックス、ポリエチレンを適当量配合することにより、熱軟化点、融点を引き上げることができる。
さらに、車用芳香剤や携帯用芳香剤などの実用性の高い芳香剤として具備すべき条件として、夏場の車中の高温に耐えられる高い軟化点、融点及び剛性、柔軟性などの機械的強度などがある。
例えば、高融点を有するが、硬くて脆いポリエチレンワックスにエチレン酢酸ビニル共重合体を適当量配合することで機械的強度を付与でき、エチレン酢酸ビニル共重合体の配合比率を高めてゆくことで、さらに柔軟性、弾力性、低温特性等を付与させることができる。
なお、エチレン酢酸ビニル共重合体やエチレンエチルアクリル酸共重合体などのエチレン系共重合体は、複数種類のエチレン系共重合体を所定比率で配合しても良いし、エチレン系共重合体の酢酸ビニルあるいはエチルアクリル酸含量の多少、重合度、分子量の多少などの多様なグレードのものが選択でき、汎用性が高く配合するに都合の良い素材であるといえる。
【0013】
エチレン系共重合体は、公知の各種エチレン系共重合体が使用でき、天然ワックスあるいは合成ワックスとの相溶性が良好であれば、特に限定されない。エチレン系共重合体の配合量が多くなれば、脆さがなくなり柔軟性、耐衝撃特性や低温特性などを向上させることができる。エチレン系共重合体の一種であり廉価で各種グレードの豊富さより汎用性の高い、例えばエチレン酢酸ビニル共重合体は、酢酸ビニルが含量(以下VA%と略す)とメルトフローレート(以下MFRと略す)によって概ね特性が決まり、VA%は、約3〜60重量%程度、好ましくは10〜45重量%程度であり、またMFRは、高くなるにつれ溶融粘度が低下するため、配合ワックスへの配合比率を増加させることができる一方で、物理強度の低下や熱軟化点、融点を低下させる傾向にある。このことより、MFRが約10〜10000程度のものが使用可能であるが、注型等の成形の際の低溶融粘度あるいは適正な溶融粘度の確保上、約100〜5000程度、好ましくは約1000〜3000程度のものである。
また、エチレン系共重合体の融点範囲は、配合される天然ワックスや合成ワックスの融点との兼ね合いで、薄片状成形体の使用雰囲気温度等を考慮して選択すればよく、通常、70以上、好ましくは80以上、さらに好ましくは100以上である。
さらには、配合されるエチレン系共重合体としては、例えばエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)とエチレンエチルアクリル酸共重合体(EEA)などの複数種類のエチレン系共重合体を所定比率で配合してもよいし、同一のエチレン系共重合体の異なるグレードのものを複数混合して使用することもできる。
【0014】
また、エチレン系共重合体のグレードの選定や配合比率は、配合成分である天然ワックスや合成ワックスの特性を考慮して決定されればよい。例えばポリエチレンワックスなどの合成ワックスは硬く脆い反面、低溶融特性に優れており、エチレン系共重合体は、溶融粘度が大きい反面、配合割合を増すにつれ成形体に耐衝撃等の機械特性を付与することができることと、成形の難易を考慮して決定すれば良い
さらには、薄片状成形体の形状、大きさ等、さらに成形体の想定される使用雰囲気温度、要求される耐衝撃等の機械的性能等により決定されれば良い。本発明の薄片状芳香剤の製造方法は、特に限定されないが、例えば溶融させた配合ワックスを金属性の浅皿上に薄く広げ、固化させ、その後裁断してもよいし、溶融させた配合ワックスを型に流し入れ予め成形した板状物をカンナ等で薄く削って作成しても良い。カンナ等で適度に薄く削った芳香剤1は図2に示すようにカール状になる。容器内に多数のカール状の芳香剤を収容しても、芳香剤が重なり合わないため確実に香料成分を揮散させることができる。また意匠的にも優れている。
さらにまた、溶融させた配合ワックスより得られた、特に形状に限定されないが、例えば板状、棒状、直方体状など薄片状芳香剤作成用の成形体を使用時にカッター、ナイフ等で薄片状に削り芳香剤として使用する形態とすれば、使用者が所望する量の薄片状芳香剤を自らが作成し、所望する時に香りを楽しむことができる。例えば、香りの異なる薄片状芳香剤作成用の成形体を薄片状に削り、適当にブレンドして使用者の好みに合わせた香りの芳香剤とすることもできるし、棒状、例えば鉛筆形状の薄片状芳香剤作成用の成形体と市販の鉛筆削りをセットにすれば、鉛筆を削るように、例えばフリル形状の薄片状芳香剤とすることができ、面白みと手軽な形態で香りを楽しむことができる。
上記の薄片状芳香剤作成用の成形体の製造方法で低溶融粘度を有する方が都合の良い場合は、ワックス配合比率を20〜70重量%、好ましくは30〜60重量%と大きくし、機械特性を要求される場合はエチレン系共重合体の配合比率を30〜90重量%、好ましくは40〜80重量%と大きくすることが望ましい。
【0015】
改質の目的でポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンなどを配合しても良い。
【0016】
香料としては、レモン油、ラベンダー油、などの天然香料、バニラなどの合成香料、さらに天然香料と合成香料との配合香料が使用できる。
【0017】
また、染料、顔料等の着色剤、酸化防止剤、耐候安定剤、ロジン系やテルペン系等の天然樹脂あるいは石油樹脂類、ポリエチレン等の合成樹脂、炭酸カルシウム、タルク等のフィラー、蛍光剤、蓄光剤、可塑剤、オイル、などを添加することもできる。
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1ないし実施例4及び比較例1ないし比較例2: 実施例1は、フレキシビリティー、耐油性に優れた、エチレン酢酸ビニル共重合体をパラフィンワックスに配合した市販の配合ワックスを70程度で溶融させ、市販ローズ香料を5%相当量添加し、均一に混和させ、ステンレスバットに厚み0.5mmになるように流し入れ、薄く広げ成形したものとした。
【0018】
実施例2は厚みが0.2mmであり、それ以外の条件は実施例1と同様の条件で成形を行った。
【0019】
比較例1は厚みが0.7mmであり、それ以外の条件は実施例1と同様の条件で成形を行った。
【0020】
実施例3は、合成ワックスとして市販のポリエチレンワックスを20重量%及び市販のエチレン酢酸ビニル共重合体を80重量%を溶融混和させた配合ワックスに、市販のラベンダー香料を5重量%相当量を添加し、均一に混和させた後、型に注型し、たて10mm、横50mm、高さ100mmの板状の成形体を得た。次に、その成形体を市販のカンナを用いて厚み0.1mmの薄片状のカール形状をした削り片とした。
【0021】
実施例4は、厚みが0.05mmであり、それ以外の条件は実施例3と同様の条件で成形を行った。
【0022】
比較例2は、厚みが0.03mmであり、それ以外の条件は実施例3と同様の条件で成形を行った。
【0023】
香料揮散効果は、容量100mlのガラス製ビーカーに、実施例及び比較例の成形片をそれぞれ5gずつ入れ、10名の被験者が香りを嗅ぎ、評価を行った。
【0024】
成形片の厚み及び評価結果を表1に示す。
【0025】
【表1】


【0026】
比較例1は、成形は容易であり、厚みが0.7mmと強度も十分であるが、香料の揮散効果が十分でなく、比較例2は香料の揮散効果は十分であるが、成形するに薄すぎて成形片を得るのが困難であった。
【0027】
実施例1は、成形容易であり、香料の揮散効果に多少の物足りなさがあったが、良好な芳香剤となった。さらに、実施例2及び実施例3は、成形容易であり、かつカール状の成形片という意匠上の面白みもあり、香料の揮散効果も十分満足の行く評価を得た。さらにまた、実施例4は、香料の揮散効果は十分満足の行く評価結果であったが、削るに多少の歩留まりの悪さがあったが、良好な芳香剤となった。
【0028】
さらに実施例5は、市販のエチレン酢酸ビニル共重合体60重量%と市販のポリエチレンワックス40重量%を130に溶融混和させ鉛筆状の薄片状芳香剤作成用の成形体を得た。次に市販のハンディタイプの鉛筆削りで削り薄片状芳香剤を得た。
【0029】
実施例5は、通常の鉛筆を削るごとく手軽に厚み0.15mm程度の薄片状芳香剤となり、その形状もフリル状の面白みもあり、香りの効果も量加減で十分満足の行くものであった。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、ワックスの有する保香性と、薄片にすることで重量あたりの表面積を増加させ香料の揮散効果を高めた芳香剤であり、携帯用、室内用、トイレ用、下駄箱用、自動車用、衣装ダンス用等の芳香剤に用いることができる。
さらに、本発明の芳香剤は香りの発散性に優れているため、重量を少なくすることができまたワックス製であるため焼却可能で、廃棄も容易である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】 厚みと重量あたりの表面積との関係を示すグラフである。
【図2】 本発明の薄片状芳香剤の斜視図の一例である。
【図3】 本発明の薄片状芳香剤作成用の成形体と市販の鉛筆削りで削った薄片状芳香剤の斜視図の一例である。
【符号の説明】
1・・カール状の薄片状芳香剤
2・・薄片状芳香剤作成用の成形体
3・・フリル状の薄片状芳香剤
【出願人】 【識別番号】593121782
【氏名又は名称】ペガサスキヤンドル株式会社
【出願日】 平成18年11月29日(2006.11.29)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−138150(P2008−138150A)
【公開日】 平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願番号】 特願2006−350586(P2006−350586)