トップ :: C 化学 冶金 :: C11 動物性または植物性油,脂肪,脂肪性物質またはろう;それに由来する脂肪酸;洗浄剤;ろうそく

【発明の名称】 油脂類もしくは鉱油類の脱色剤
【発明者】 【氏名】羽田野 正志

【氏名】弭間 哲司

【氏名】上野 徹

【氏名】坂尾 一則

【要約】 【課題】優れたろ過性を有しているとともに、脱色性が高く且つオイルリテンション性が低い油脂類もしくは鉱油類の脱色剤を提供する。

【構成】ジオクタヘドラル型スメクタイト粘土鉱物の酸処理により得られた活性白土からなる油脂類もしくは鉱油類の脱色剤であって、前記活性白土は、レーザ回折散乱法による体積換算での平均粒径(D50)が20乃至30μmで且つ5μm以下の微粒子含有量が15体積%以下の範囲にあり、嵩密度が0.60乃至0.70g/ccの範囲にあり、窒素吸着法による細孔容積の測定において、17〜3000Åでの細孔径における細孔容積が0.35乃至0.40cc/gの範囲にあり、且つ前記嵩密度と前記細孔容積との比(嵩密度/細孔容積)が1.55乃至1.95の範囲にあることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジオクタヘドラル型スメクタイト粘土鉱物の酸処理により得られた活性白土からなる油脂類もしくは鉱油類の脱色剤であって、
前記活性白土は、レーザ回折散乱法による体積換算での平均粒径(D50)が20乃至30μmで且つ5μm以下の微粒子含有量が15体積%以下の範囲にあり、嵩密度が0.60乃至0.70g/ccの範囲にあり、窒素吸着法による細孔容積の測定において、17〜3000Åでの細孔径における細孔容積が0.35乃至0.40cc/gの範囲にあり、且つ前記嵩密度と前記細孔容積との比(嵩密度/細孔容積)が1.55乃至1.95の範囲にあることを特徴とする脱色剤。
【請求項2】
前記活性白土は、200乃至300m/gのBET比表面積を有している請求項1に記載の脱色剤。
【請求項3】
ジオクタヘドラル型スメクタイト粘土鉱物を粉砕及び分級し、レーザ回折散乱法による体積換算での平均粒径(D50)が20乃至30μmの範囲にある粉末を調製し、
前記粉末を、35乃至45重量%濃度の硫酸水溶液を使用し、該硫酸水溶液中に前記粉末を添加混合し、85℃以上の温度に加熱することにより酸処理を行い、
次いで、得られた酸処理物を洗浄し、且つ乾燥することを特徴とする脱色剤の製造方法。
【請求項4】
ジオクタヘドラル型スメクタイト粘土鉱物を粉砕及び分級し、レーザ回折散乱法による体積換算での平均粒径(D50)が20乃至30μmの範囲にある粉末を調製し、
30乃至45重量%濃度の硫酸水溶液に前記粉末を浸漬することにより、該粉末に硫酸水溶液を含浸せしめ、
次いで、ろ過を行い、硫酸及び水を含むろ過ケーキを得、
前記ろ過ケーキを、水を保持した状態を維持しつつ、80乃至150℃の温度に加熱することにより、酸処理を行い、
得られた酸処理物を洗浄し、乾燥することを特徴とする脱色剤の製造方法。
【請求項5】
前記粉末を、酸処理に先立って或いは酸処理後に、5μm以下の微粒子含有量が15体積%以下の範囲に粒度調整する請求項3または4に記載の脱色剤の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、油脂類もしくは鉱油類の脱色剤に関するものであり、より詳細には、活性白土からなる脱色剤に関する。
【背景技術】
【0002】
ジオクタヘドラル型スメクタイト粘土鉱物が脱色性能を有していることは古くから知られており、このような粘土鉱物は、英国ではフラーズアース或いはブリーチングアースとも呼ばれている。
【0003】
このようなジオクタヘドラル型スメクタイト粘土鉱物を酸処理することにより比表面積等を増大して活性化した活性白土を、油脂類や鉱油類の脱色剤として使用することも知られており、例えば、特許文献1には、ジオクタヘドラル型スメクタイト粘土鉱物を酸処理して得られ、結晶子サイズが所定の範囲に調整された活性白土を油脂類や鉱物油の脱色剤として用いることが提案されている。
【0004】
また、特許文献2には、ジオクタヘドラル型スメクタイト粘土鉱物に属するモンモリロナイト系粘土鉱物を酸処理することにより得られ、細孔の大半が細孔径30〜50Åの範囲にあるシャープな細孔分布を有する無機質多孔体が開示されている。
【0005】
さらに、特許文献3には、酸可溶性塩基性成分を含有するけい酸アルミナ質粘土を酸で処理して、活性白土或いは微粉シリカを製造するための、新規な乾式酸処理法が開示されている。
【特許文献1】特開平11−157829号公報
【特許文献2】特開平6−340413号公報
【特許文献3】特公昭45−11208号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、活性白土などを用いた油脂類や鉱油類の脱色剤に関しては、脱色処理後に廃棄の困難な廃白土が副生するために、可及的に少ない量で持続した脱色性能が得られることが求められているとともに、廃白土中に含まれる油分が少ないこと(即ち、オイルリテンションが低いこと)が要求され、さらには、ろ過性が高く、油分と廃白土とを速やかにろ過分離できることが要求される。
【0007】
しかしながら、上記で求められる特性のうち、特に脱色性とオイルリテンション性とは著しく密接した関係にあり、例えば脱色性を高めれば、オイルリテンション性が高くなり、廃白土に吸着保持される油分も多くなってしまい、この結果、高脱色性と低オイルリテンション性とを同時に満足させることは極めて困難であるのが実情である。例えば、前述した特許文献1で提案されている脱色剤では、脱色性は高いが、オイルリテンション性が満足し得るほど低下していないという問題があった。また、特許文献2で示されている極めてシャープな細孔分布を有する無機質多孔体においては、オイルリテンション性は低いものの、脱色性が低い。さらに、特許文献3で開示されている乾式酸処理法で得られた活性白土も、脱色性は高いが、オイルリテンション性が満足し得るほど低下していない。
【0008】
従って、本発明の目的は、優れたろ過性を有しているとともに、脱色性が高く且つオイルリテンション性が低い油脂類もしくは鉱油類の脱色剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は、活性白土の脱色性やオイルリテンション性について多くの実験を行った結果、ジオクタヘドラル型スメクタイト粘土鉱物について酸処理を行うに際し、硫酸処理条件を調整し、粒子表面を選択的に酸処理し、粒子内部の酸処理を抑制するときには、脱色性が高く、且つオイルリテンション性が低く、ろ過性にも優れた活性白土が得られるという新規知見を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
本発明によれば、ジオクタヘドラル型スメクタイト粘土鉱物の酸処理により得られた活性白土からなる油脂類もしくは鉱油類の脱色剤であって、
前記活性白土は、レーザ回折散乱法による体積換算での平均粒径(D50)が20乃至30μmで且つ5μm以下の微粒子含有量が15体積%以下の範囲にあり、嵩密度が0.60乃至0.70g/ccの範囲にあり、窒素吸着法による細孔容積の測定において、17〜3000Åでの細孔径における細孔容積が0.35乃至0.40cc/gの範囲にあり、且つ前記嵩密度と前記細孔容積との比(嵩密度/細孔容積)が1.55乃至1.95の範囲にあることを特徴とする脱色剤が提供される。
【0011】
本発明の脱色剤において、前記活性白土は、200乃至300m/gのBET比表面積を有していることが好ましい。
【0012】
本発明によれば、また、ジオクタヘドラル型スメクタイト粘土鉱物を粉砕及び分級し、レーザ回折散乱法による体積換算での平均粒径(D50)が20乃至30μmの範囲にある粉末を調製し、
前記粉末を、35乃至45重量%濃度の硫酸水溶液を使用し、該硫酸水溶液中に前記粉末を添加混合し、85℃以上の温度に加熱することにより酸処理を行い、
次いで、得られた酸処理物を洗浄し、且つ乾燥することを特徴とする脱色剤の製造方法(以下、湿式法と呼ぶ)が提供される。
【0013】
本発明によれば、さらに、ジオクタヘドラル型スメクタイト粘土鉱物を粉砕及び分級し、レーザ回折散乱法による体積換算での平均粒径(D50)が20乃至30μmの範囲にある粉末を調製し、
30乃至45重量%濃度の硫酸水溶液に前記粉末を浸漬することにより、該粉末に硫酸水溶液を含浸せしめ、
次いで、ろ過を行い、硫酸及び水を含むろ過ケーキを得、
前記ろ過ケーキを、水を保持した状態を維持しつつ、80乃至150℃の温度に加熱することにより、酸処理を行い、
得られた酸処理物を洗浄し、乾燥することを特徴とする脱色剤の製造方法(以下、半乾式法と呼ぶ)が提供される。
【0014】
上述した湿式法及び半乾式法にかかる本発明の製造方法においては、前記粉末を、酸処理に先立って或いは酸処理後に、5μm以下の微粒子含有量が15体積%以下の範囲に粒度調整することが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の脱色剤は、活性白土からなるものであるが、かかる活性白土は、前記のように、所定の粒度に調整された原料粉末(ジオクタヘドラル型スメクタイト粘土鉱物の粉末)を使用し、硫酸を用いての酸処理条件を調整し、前記湿式法或いは半乾式法により酸処理を行うことにより得られるものであり、粒子表面が選択的に酸処理され、粒子内部の酸処理が抑制されている。即ち、酸処理は細孔容積の増大と嵩密度の低下をもたらすが、本発明では、酸処理が粒子表面に止められ、粒子内部では抑制されているため、嵩密度が0.60乃至0.70g/ccの比較的大きな範囲にあり、且つ窒素吸着法による細孔容積の測定において、17〜3000Åでの細孔径における細孔容積が0.35乃至0.40cc/gの範囲にあるが、前記嵩密度と前記細孔容積との比(嵩密度/細孔容積)が1.55乃至1.95の範囲にある。例えば、粒子内部まで均一に酸処理されている場合には、細孔容積の増大とともに、嵩密度の大きな低下をもたらすため、嵩密度/細孔容積比が上記範囲よりも低くなる。また、酸処理が有効に行われていない場合には、細孔容積が増大せず、且つ嵩密度の低下も生じないため、嵩密度/細孔容積比は、上記範囲よりも高くなってしまう。
【0016】
上記のような物性を有している本発明の活性白土は、後述する実施例の実験結果からも理解されるように、優れた脱色性を示すと同時に、オイルリテンション性が低く、且つろ過性にも優れている。即ち、本発明においては、酸処理により形成される細孔が粒子表面部分に選択的に分布しており、このような粒子表面部分の細孔によって、クロロフィル等の色素に対する吸着性が高められる。一方、粒子内部には、このような細孔が抑制されているため、吸着油分の保持性、即ち、オイルリテンション性の増大を回避される。この結果、本発明では、低いオイルリテンション性を維持しつつ、優れた脱色性を確保することができるのである。
【0017】
また、上記のように製造される本発明の活性白土においては、5μm以下の微粒子含有量が15体積%以下に抑制されているため、優れたろ過性と低オイルリテンション性を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
<活性白土の製造>
本発明において脱色剤として用いる活性白土は、ジオクタヘドラル型スメクタイト粘土鉱物を使用し、これを粉砕、分級して所定の粒度の粉末に調整、この粉末を所定の条件で酸処理することにより製造される。
【0019】
原料粘土として用いるジオクタヘドラル型スメクタイト粘土鉱物は、火山岩や溶岩等が海水の影響下で変性したものと考えられており、SiO四面体層−AlO八面体層−SiO四面体層からなり、且つこれらの四面体層と八面体層が部分的に異種金属で同型置換された三層構造を基本構造(単位層)としており、このような三層構造の積層層間には、Ca,K,Na等の陽イオンや水素イオンとそれに配位している水分子が存在している。また、基本三層構造の八面体層中のAlの一部がMgやFe(II)に置換し、四面体層中のSiの一部がAlに置換しているため、結晶格子はマイナスの電荷を有しており、このマイナスの電荷が基本層間に存在する金属陽イオンや水素イオンにより中和されている。このようなスメクタイト系粘土には、酸性白土、ベントナイト、フラーズアースなどがあり、金属層間に存在する金属陽イオンの種類や量、及び水素イオン量などによってそれぞれ異なる特性を示す。例えば、ベントナイトでは、基本層間に存在するNaイオン量が多く、このため、水に懸濁分散させた分散液のpHが高く、一般に高アルカリサイドにあり、また、水に対して高い膨潤性を示し、さらにはゲル化して固結するという性質を示す。一方、酸性白土では、基本層間に存在する水素イオン量が多く、このため、水に懸濁分散させた分散液のpHが低く、一般に酸性サイドにあり、また、水に対して膨潤性を示すものの、ベントナイトと比較すると、その膨潤性は総じて低く、ゲル化には至らない。
【0020】
本発明で用いるジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土は、特に限定されるものではなく、上述した各種の何れをも使用することができる。また、かかる原料粘土は、粘土の成因、産地及び同じ産地でも埋蔵場所(切羽)等によっても相違するが、一般的には、酸化物換算で以下のような組成を有している。
SiO;50乃至70重量%
Al;14乃至25重量%
Fe;2乃至20重量%
MgO;3乃至7重量%
CaO;0.1乃至3重量%
NaO;0.1乃至3重量%
O;0.1乃至3重量%
その他の酸化物(TiOなど);1重量%以下
Ig−loss(1050℃);5乃至10重量%
【0021】
本発明においては、上記のジオクタヘドラル型スメクタイト粘土鉱物を、必要により石砂分離、浮力選鉱、磁力選鉱、水簸、風簸等の精製操作に賦した後、酸処理を行うが、酸処理に先立って粒度調整し、体積換算での平均粒径(D50)が20乃至30μmとなるように粒度調整して粉末とすることが必要である。また、かかる粉末においては、特に粒径が104μm以上の粗粒分が5体積%以下となるように粒度調整を行うことが好適である。即ち、このような微粒の粉末を酸処理に付することにより、粒子の表面部分が選択的に酸処理されて活性化され、粒子内部にまで酸処理が浸透しておらず、後述する特性を有する粒子を得ることが可能となる。例えば、平均粒径が上記範囲よりも粗大な粒子を酸処理に付したときには、表面部分を選択的に酸処理したとしても、酸処理物を微粒化したときに、酸処理が全くされていない粒子が多量に生成してしまい、この結果、所望の細孔容積等の物性を確保することができず、脱色性能などが低下してしまうこととなる。
【0022】
尚、本発明において、原料粘土の粒度は、エタノール等の非水系の分散媒に原料粘土を懸濁分散させ、レーザ回折散乱法により測定することができる。また、上記のような粒度調整は、原料粘土を粉砕し、ボールミル等により微粉砕し、篩により分級することにより行うことができる。
【0023】
上記の原料粘土の粉末は、さらに粒度調整し、粒径が5μm以下の微粒子の含有量が15体積%以下に調整しておくこともできる。即ち、微粒分を一定量以下に調整することにより、得られる酸処理物も、同様に微粒分が排除されたものとなり、ろ過性の低下を回避し、さらには、オイルリテンション性を低下させる上でも有利となる。尚、このような微粒分の除去は、以下に述べる酸処理後に行うことも可能である。
【0024】
本発明においては、上記のように粒度調整された原料粘土の粉末を酸処理に付するが、かかる酸処理は、以下に述べる湿式法或いは半乾式法によって行なわれる。
【0025】
(1)湿式法
湿式法においては、濃度が35乃至45重量%、好ましくは37乃至43重量%の硫酸水溶液を使用し、このような硫酸水溶液中に、前述した原料粘土の粉末を投入して酸処理が行われる。即ち、従来は、かかる範囲よりも低濃度の硫酸を用いて酸処理を行っていたが、このような低濃度の硫酸を用いたときには、酸処理時間が長くなってしまうため、特に本発明のように原料粘土を粉末状にして酸処理する場合、硫酸が粒子の内部まで浸透してしまい、粒子の表面部分を選択的に酸処理により活性化することが困難となってしまい、後述する特性の粒子を得ることができなくなってしまうからである。また、45重量%を超えた高濃度の硫酸を用いた場合には、原料粘土に特有の層状構造までもが破壊されたり、或いは装置に負荷がかかり、装置の寿命低下などを引き起こすおそれもある。
【0026】
さらに、かかる湿式法では、上記のような比較的高濃度の硫酸を用いての処理は、85℃以上、特に85乃至95℃の温度で行うことも重要である。即ち、酸処理を低温で行うと、所定の細孔が形成され、活性化されるまでに要する時間が長くなってしまい、この結果、粒子の内部まで硫酸が浸透し、後述する嵩密度、細孔容積、嵩密度/細孔容積比などの物性を有する活性化粒子を得ることができなくなってしまうからである。また、必要以上に高温にすると、活性化が急激に進行してしまうため、活性化を粒子表面に限定させることが困難となるおそれがあり、従って、温度の上限値は、上記のように95℃とすることが好適である。
【0027】
既に述べたように、本発明においては上記のような酸処理を、粒子表面に限定的に行い、粒子内部まで酸が浸透して粒子内部が活性化しないようにしなければならない。従って、かかる酸処理は、極めて短時間である。このような酸処理時間は、処理すべき原料粘土粉末の量や酸濃度、酸処理温度によっても異なり、一概に規定することはできないが、一般的には、1乃至3時間であり、条件毎に、得られる活性化粒子の物性を測定し、後述する物性が得られるような処理時間を予め設定しておくことが好ましい。
【0028】
上記のような酸処理は、処理槽に所定の濃度の硫酸水溶液を張り込み、そこに原料粘土粉末を投入し、所定の温度で攪拌することにより行われるが、酸処理の終了は、例えば加熱を停止すると同時に、室温の水を処理装置に大量供給し、洗浄することにより行うことができる。
【0029】
(2)半乾式法
本発明において、半乾式法により酸処理を行う場合には、30乃至45重量%、特に30乃至40重量%の濃度の硫酸水溶液を使用し、含浸及びろ過の前処理を行った後、得られたろ過ケーキについて酸処理が行われる。即ち、この方法は、必要最小限の量の硫酸を用い、ろ過ケーキ中の粒子間隙に浸透した硫酸(一部は粒子が有している細孔中にも浸透している)により酸処理を行うことにより、粒子表面を選択的に酸処理し、粒子内部の酸処理を抑制するものである。
【0030】
かかる半乾式法において、特に、45重量%を超えた濃度の硫酸を用いた場合には、粒子内部に均一に硫酸が浸透しないため、本発明の嵩密度/細孔容積比が得られず、脱色性能は低下する。また、用いる硫酸水溶液の濃度が30重量%より低い場合には、後述する浸漬及びろ過により、ろ過ケーキの粒子間隙等に存在する硫酸量が不十分となってしまい、この結果、粒子表面部分での酸処理が有効に行われず、やはり、脱色性能は低下してしまう。
【0031】
また、かかる方法では、原料粉末の水分が少ない場合、浸漬処理に先だって吸湿処理を行い、粉末の水分量を10重量%以上に調整しておくことが好ましい。これにより、スメクタイトの基本層構造の層間が拡大し、硫酸による粉末粒子内部への浸透が均等に行われる。このような吸湿処理は、特に限定されるものではないが、例えば室温下で大気中に粉末を適度な時間(通常、10時間以上)放置しておくことにより行われる。勿論、相対湿度の高い雰囲気下に放置する場合には、この時間を短縮することができる。
【0032】
上記のように水分量が調節された原料粉末は、前述した所定濃度の硫酸水溶液中に浸漬され、次いで常法によりろ過を行い、硫酸が水と共に含浸したろ過ケーキが得られる。このような浸漬は、40℃以下の温度(通常は、室温)で行なうことが好ましい。これよりも高温で行なうと、この段階で多量の硫酸によって酸処理が進行し、粒子内部まで酸処理が進行してしまい、後述する物性の活性白土を得ることが困難となってしまい、例えばオイルリテンション性の増大を生じてしまう。
【0033】
このような浸漬は、粒子間隙及び粒子が有する細孔中に十分な量の硫酸及び水が浸透するまで行われ、通常、1時間以上行われ、かかる浸漬に際しては、スメクタイト粒子が有しているNaイオン等のイオン交換は行なわれるが、三層構造を構成している金属成分を溶出させるほどの酸処理は行われない。また、ろ過に際しては、必要により減圧ろ過や加圧ろ過などを行なってもよい。用いる硫酸水溶液の濃度や原料粘土の種類(産地等)によっても多少異なるが、このような浸漬及びろ過により、硫酸水溶液の含浸量(硫酸+水)は、原料粘土粉末100g(乾燥物として)当り、70〜95ml程度である。
【0034】
本発明においては、上記のようにして得られたろ過ケーキを酸処理に付する。この酸処理は、80乃至150℃、好ましくは85乃至150℃の加熱下で、粒子間隙等に存在する水を保持した状態で行われる。即ち、水を保持した状態での固液反応により酸処理が進行することにより、硫酸が粒子の表面から内部に徐々に浸透して酸処理が行われることとなる。この場合、水を保持しないような条件下で加熱した場合には、硫酸が粒子表面から内部に移行せず、この結果、酸処理が不十分となり、後述する物性を有する活性白土を得ることが困難となり、例えば脱色性能の低下を生じてしまう。また、水が保持された状態での加熱により、粒子の内部まで酸処理が進行するが、かかる方法では、硫酸量が粒子間隙(一部は細孔内)に制限されているため、粒子の表面部分に限定して酸処理が行われ、粒子の内部への酸処理は有効に抑制されることとなる。
【0035】
本発明において、水を保持した状態での加熱は、具体的には、オーブンやオートクレーブ等の密閉容器中でろ過ケーキを所定温度に加熱することにより行なわれる。但し、開放された系で加熱を行なう場合には、加熱に伴って水が揮散してしまい(この場合は、乾燥と同じになってしまう)、この結果、十分な酸処理が行われず、前述したように、脱色性の低下を生じてしまう。また、還流下での加熱を行なうことも可能であるが、液化した水が過熱されている粒子と再び接触して、粒子間隙に有効に移行しないおそれがあり、結果として、水を保持しない状態での加熱と同様になり、脱色性の低下を生じるおそれがあるため、あまり好適ではない。
【0036】
また、加熱温度が上記範囲よりも高温の場合には、装置に負担がかかる上に、水の揮散を防止するための特別な対策が必要となる。加熱温度が上記範囲よりも低い場合には、活性化に要する時間が長くなり、工業的に極めて不利となる。
【0037】
本発明において、上記のような酸処理は、ケーキの粒子間隙等に存在する硫酸が完全に消費されるまで行われ、通常、1乃至20時間程度である。このような酸処理時間は、通常、予めラボ実験を行い、滴定法等により未反応の硫酸を測定し、それがゼロになる時間を把握しておくことにより設定することができる。
【0038】
酸処理後は、必要により、ろ過ケーキを希薄な酸に懸濁分散させて洗浄し、次いで水洗した後、ろ過、乾燥に付せられ、これにより、目的とする本発明の活性白土を得ることができる。この場合、得られた活性白土は、ケーキ状であるが、容易にほぐすことができ、前述した粒度分布を有する粉末となる。
【0039】
前述した湿式法では、工業的に量産する場合、酸処理の停止(即ち、冷却)を所定のタイミングで行うことが必須であるが、上記の半乾式法では、粒子間隙等に存在する硫酸が消費された時点で自動的に酸処理が終了するため、酸処理の停止の問題がなく、従って、安定した物性の活性白土を得る上で、工業的に極めて有利である。
【0040】
本発明において、上述した湿式法或いは半乾式法による酸処理の後には、得られた活性白土を、水に懸濁分散された状態で静置して水簸を行い、前述した粒径が5μm以下の微粒子の含有量が15体積%以下となるように、微粒分を除去することが好適である。即ち、このような微粒分の除去は、酸処理に先立って行うこともできるが、酸処理後では、水簸により微粒分を容易に除去することができ(微粒分が浮遊するため、沈降分離によって容易に微粒分が除かれる)、生産性の点で極めて有利である。酸処理前では、原料粘土が膨潤するため、水簸を利用することはできないが、酸処理後では、得られた活性白土が水膨潤性を有していないため、水簸を利用することが可能である。
【0041】
上記のようにして得られた活性白土の乾燥は、一般に、従来の活性白土と同様、80乃至500℃、特に100乃至300℃の温度で0.5乃至10時間、特に0.7乃至5時間程度行われ、これにより、表面シラノール基の濃度が減少し、吸湿性、膨潤性などが低減され、ろ過性を一層高めることができる。
【0042】
<活性白土>
以上のような酸処理によって得られた活性白土の粉末は、原料粘土粉末と同様、体積換算での平均粒径(D50)が20乃至30μmの範囲にあり、且つ5μm以下の微粒子含有量が15体積%以下の範囲にあり、さらに好ましくは、粒径が104μm以上の粗粒分が5体積%以下の範囲にある。尚、このような粒度分布は、この活性白土粉末を、水に懸濁分散させてレーザ回折散乱法によって測定することができる。即ち、得られた活性白土は、非膨潤性であるため、分散媒として水を使用して測定を行うことができる。
【0043】
このような粒度分布を有する活性白土は、微粒分が除去されているため、極めてろ過性に優れている。
【0044】
また、上述した酸処理によって得られる本発明の活性白土は、一般に、酸化物換算で、下記の化学組成を有している。
SiO;60乃至80重量%
Al;8乃至13重量%
Fe;1乃至10重量%
MgO;1乃至3重量%
CaO;0.1乃至2重量%
NaO;0.1乃至1重量%
O;0.1乃至1重量%
その他の酸化物(TiOなど);1重量%以下
Ig−loss(1050℃);4乃至8重量%
【0045】
また、かかる活性白土は、17〜3000Åでの細孔径における細孔容積(窒素吸着法による)が0.35乃至0.40cc/gの範囲にあり、嵩密度が0.60乃至0.70g/cc、特に0.63乃至0.67g/ccとかなり大きく、さらには、細孔が粒子内部には形成されておらず、粒子の表面部分に限定的に分布しているため、嵩密度/細孔容積比が1.55乃至1.95、特に1.60乃至1.90の範囲にある。即ち、酸処理が粒子内部まで行われてしまい、細孔が粒子内部に形成されているものでは、嵩密度/細孔容積比は、上記範囲よりも低く、また酸処理が有効に行われず、十分な量の細孔が粒子表面部分に形成されていないものでは、嵩密度/細孔容積比が、上記範囲よりも大きくなっている。
【0046】
上記のような物性を有する本発明の活性白土は、優れたろ過性を示すと同時に、脱色性に優れ且つオイルリテンション性が低いという脱色剤として優れた特性を示す。
【0047】
即ち、クロロフィル等の色素は、油脂類中に分子が会合した状態で存在しており、このため、酸処理により形成された粒子表面部分の比較的大きな細孔内に吸着保持されるが、本発明では、このような細孔が粒子表面部分に選択的に形成されているため、後述する実施例に示されているように、優れた脱色性を示すのである。
【0048】
また、本発明の活性白土では、細孔が粒子表面部分に限定的に分布しており、粒子内部での細孔が少ない。この結果として、後述する実施例に示されているように、オイルリテンション性がかなり低いという性質を示す。例えば、前述した特許文献1に記載されているような活性白土(比較例4)は、粒子内部まで細孔が形成されているため、その嵩密度は小さく、17〜3000Åでの細孔径における細孔容積が大きく、そのためオイルリテンション性は極めて高いのである。
【0049】
本発明の活性白土は、上述した粒度分布と細孔容積を有していることにも関連して、そのBET比表面積は、比較的大きく、一般に、200乃至300m/gの範囲にあり、このような大きな比表面積も、優れた脱色性の一因となっている。
【0050】
以上の説明から理解されるように、上述した活性白土は、脱色性に優れ且つオイルリテンション性が低いことから、油脂類或いは鉱物油の脱色剤、特に油脂類の脱色剤として使用される。
【0051】
脱色処理する油脂類としては、植物油脂、動物油脂及び鉱物油の少なくとも1種が挙げられる。原料の油脂は、天然の動植物界に広く存在し、脂肪酸とグリセリンとのエステルを主成分とするものであり、例えばサフラワー油、大豆油、菜種油、パーム油、パーム核油、べに花油、綿実油、ヤシ油、米糠油、ゴマ油、ヒマシ油、亜麻仁油、オリーブ油、桐油、椿油、落花生油、カポック油、カカオ油、木蝋、ヒマワリ油、コーン油などの植物性油脂及びイワシ油、ニシン油、イカ油、サンマ油などの魚油、肝油、鯨油、牛脂、牛酪脂、馬油、豚脂、羊脂などの動物性油脂の単独またはそれらを組み合わせたものが挙げられる。
【0052】
一方、鉱物油としては、各種潤滑油、例えばスピンドル油、冷凍機油、ダイナモ油、タービン油、マシン油、船用内燃機関潤滑油、ガソリンエンジン潤滑油、ディーゼルエンジン潤滑油、シリンダー油、マリンエンジン油、ギヤー油、切削油、絶縁油、自動変速機油、圧縮機油、油圧作動油、圧延油等が挙げられる。
【0053】
脱色処理に際しては、脱色すべき油脂或いは鉱物油に、前述した粒度分布を有する活性白土の粉末を添加し、両者を均一に撹拌することにより、油脂或いは鉱物油中に含有される着色成分や不純物成分を白土粒子中に吸着させる。脱色処理後に分離される白土中には、用いた白土の吸油量に近い量の油脂或いは鉱物油が保持されることになるが、本発明では、このオイルリテンションを小さくすることができる。
【0054】
油脂類或いは鉱物油類の脱色処理は、それ自体公知の条件であり、例えば油脂或いは鉱物油当たり重量基準で5%以下の脱色剤を添加し、90乃至130℃の温度で5乃至30分間、両者の組成物を攪拌することにより、脱色処理を完了することができる。
【0055】
脱色処理を終えた混合物は、これを任意のろ過機、例えばフィルタープレス、ベルトフィルター、オリバフィルター、アメリカンフィルター、遠心ろ過機等の減圧乃至は加圧式ろ過機に供給して、脱色された油脂或いは鉱物油と使用済みの脱色剤である所謂廃白土とに分離される。本発明の脱色剤では、この廃白土中のオイルリテンションを低減させることができる。
【0056】
(実施例)
本発明を、次の実施例で説明する。なお、実施例における測定方法は、以下の通りである。
【0057】
(1)平均粒径(D50)及び粒子含有量
Malvern社製Mastersizer2000を使用して、レーザ回折散乱法で測定した。
なお、原料粘土は溶媒にエタノールを用い、本発明品(実施例)及び比較例で示した脱色剤は溶媒に水を用いて測定した。
【0058】
(2)BET比表面積
Micromeritics社製Tri Star 3000を用いて窒素吸着法により測定を行い、BET法により解析した。
【0059】
(3)細孔容積
Micromeritics社製Tri Star 3000を用いて窒素吸着法により測定を行い、脱離データから、BJH法により細孔径17〜3000Åまでの細孔容積を求めた。
【0060】
(4)嵩密度
JIS K 6220−1 7.7:2001に準拠して測定を行い、次式により水分換算した嵩密度を求めた。
嵩密度(g/cc)= G(1−(M/100))
G :嵩密度実測値(g/cc)
M :試料の110℃乾燥水分(%)
【0061】
(5)吸油量
予め110℃で乾燥した試料をJIS K 5101−13−2:2004に準拠して測定した。
【0062】
(6)脱色試験法
脱色剤の性能を試験するには図1に示す脱色試験機を用いる。詳しくは、化学と工業4,126(1951)を参照。脱色試験機には8本の硬質ガラス製大型試験管(容量200ml)が油浴にセットできる。各試験管には、下端が丸くなった波形の撹拌棒を入れ、その下端は試験管の底部に常に接触するようにゴム管で調節する。8本の撹拌棒は中央の親歯車から分かれた子歯車によって回転するので、その回転速度は全く等しく保たれる。中央の親歯車の下には油浴を撹拌する撹拌羽根がついていて、油浴内の温度を均一に保っている。脱色試験は最大8個まで、任意の数で試験できる。各試験管に脱酸処理済みの菜種油を50gずつ採取し、各脱色剤サンプルを0.5gずつ(油に対して1%)加えて脱色試験用の撹拌棒でよく混ぜる。各試験管を110℃に保たれた前記の脱色試験機にセットし、20分間撹拌を行った後脱色試験機から取り出し、油と脱色剤の混合スラリーをろ過することにより各脱色油を得る。各脱色油の白色光線透過率(蒸留水の透過率を100%としたときの相対値)を(株)平間理化研究所製光電比色計2C型で測定し、その数値をもって各脱色剤の脱色能とする。透過率の数値が高いほど用いた脱色剤の脱色能も高いことを表している。
【0063】
(7)ろ過速度及びオイルリテンション測定法
大豆油150g±0.1gを300mlビーカーに秤採る。ビーカーを95±3℃に設定された加熱式マグネチックスターラーの上に乗せ、油を撹拌する。油が95±3℃に昇温した後、試料15g±0.01gを添加し、95±3℃に保ちながら15分間撹拌する。予め加温しておいたステンレス製ブフナーロートに濾紙をセットし、真空ポンプのスイッチを入れる。撹拌を終了した試料と油の混合物をロートに注ぎ入れ、直ちにストップウォッチをスタートさせる。ろ過の間、真空度(差圧)は300mmHg、油の温度は95±3℃に保たなければならない。ろ過ケーキ表面全体が見えた時点でストップウォッチを止め、このろ過時間をろ過速度とする。
ろ過速度を測定後、油滴がろ過ケーキから落下する間隔が60秒を超えるまでろ過を継続する。落下間隔が60秒を超えたら、ろ過ケーキ+濾紙の合量を測定し、次式によりオイルリテンションを算出する。
A(%)=[100(W−Wo)−15(100−M)]/(W−Wo)
A:オイルリテンション
W:ろ過ケーキ+濾紙(g)
Wo:濾紙(g)
M:試料の110℃乾燥水分(%)
【0064】
(実施例1)
新潟県胎内市産のジオクタヘドラル型スメクタイト粘土鉱物を原料として用い、この原料を粗砕、混練し5mm径に造粒した。この造粒物を110℃で乾燥した後ボールミルで粉砕し、篩と風簸を組み合わせて分級した。得られた原料粘土粉末は、エタノールを溶媒として測定した平均粒径(D50)が26.5μm、5μm以下の微粒子含有量が12.5体積%、104μm以上の粗粒分が3.2体積%であった。ビーカーに40重量%硫酸水溶液800mlを採り、この原料粘土粉末360gを攪拌下で分散させ、ヒーター上で攪拌しながら90℃で2時間酸処理を行った。酸処理終了後、酸処理物に水を加えてデカンテーション法により洗浄した後ろ過し、ろ過ケーキを110℃で乾燥して活性白土粉末を得た。物性測定を行い、その結果を表1に示す。
【0065】
(実施例2)
実施例1において40重量%硫酸水溶液に変えて、45重量%硫酸水溶液を用いる他は、実施例1と同様にして行い活性白土粉末を得た。物性測定を行い、その結果を表1に示す。
【0066】
(実施例3)
実施例1において40重量%硫酸水溶液に変えて、35重量%硫酸水溶液を用い、90℃で3時間酸処理する他は、実施例1と同様にして行い活性白土粉末を得た。物性測定を行い、その結果を表1に示す。
【0067】
(実施例4)
実施例1と同様のジオクタヘドラル型スメクタイト粘土鉱物を粗砕、混練し5mm径に造粒した。この造粒物を110℃で乾燥した後ボールミルで粉砕し、篩により粗粒分のみを除去した。得られた原料粘土粉末は、エタノールを溶媒として測定した平均粒径(D)が21.3μm、5μm以下の微粒子含有量が16.4体積%、104μm以上の粗粒分が2.0体積%であった。ビーカーに40重量%硫酸水溶液800mlを採り、この原料粘土粉末360gを攪拌下で分散させ、ヒーター上で攪拌しながら90℃で2時間酸処理を行った。酸処理終了後、酸処理物に水を加えて静置し、水簸により微粒子を除去した。微粒子を除去した酸処理物をデカンテーション法により洗浄した後ろ過し、ろ過ケーキを110℃で乾燥して活性白土粉末を得た。物性測定を行い、その結果を表1に示す。
【0068】
(実施例5)
実施例1と同様のジオクタヘドラル型スメクタイト粘土鉱物を粗砕、混練し5mm径に造粒した。この造粒物を110℃で乾燥した後ボールミルで粉砕し、篩と風簸を組み合わせて分級した。得られた原料粘土粉末は、エタノールを溶媒として測定した平均粒径(D50)が26.9μm、5μm以下の微粒子含有量が10.1体積%、104μm以上の粗粒分が0.8体積%、水分が10.5%であった。ビーカーに35重量%硫酸水溶液1200gを採り、この原料粘土粉末360gを懸濁分散させた。1時間後この懸濁液をろ過し、得られたろ過ケーキをガラス製容器に入れ、緩く蓋をして、120℃のオーブン中で2時間酸処理を行った。酸処理終了後、酸処理物に1%硫酸を加えて懸濁分散させ、デカンテーション法で洗浄した。次いで、水で洗浄した後ろ過し、ろ過ケーキを110℃で乾燥して活性白土粉末を得た。物性測定を行い、その結果を表1に示す。
【0069】
(実施例6)
実施例5において120℃のオーブンに変えて、120℃のオートクレーブ中で2時間酸処理する他は、実施例5と同様にして行い活性白土粉末を得た。物性測定を行い、その結果を表1に示す。
【0070】
(実施例7)
実施例5において120℃のオーブンに変えて、150℃のオーブン中で90分間酸処理する他は、実施例5と同様にして行い活性白土粉末を得た。物性測定を行い、その結果を表1に示す。
【0071】
(実施例8)
実施例5において120℃のオーブンに変えて、85℃のオーブン中で20時間酸処理する他は、実施例5と同様にして行い活性白土粉末を得た。物性測定を行い、その結果を表1に示す。
【0072】
(実施例9)
実施例5において35重量%硫酸水溶液に変えて、45重量%硫酸水溶液を用い、85℃のオーブン中で20時間酸処理する他は、実施例5と同様にして行い活性白土粉末を得た。物性測定を行い、その結果を表1に示す。
【0073】
(比較例1)
実施例1において40重量%硫酸水溶液に変えて、25重量%硫酸水溶液800mlを用いる他は、実施例1と同様にして活性白土粉末を得た。物性測定を行い、その結果を表2に示す。
【0074】
(比較例2)
実施例1と同様のジオクタヘドラル型スメクタイト粘土鉱物を水に分散させ、水簸により粗粒分を除去した後ろ過し、110℃で乾燥した。ビーカーに15重量%硫酸水溶液920gを採り、この乾燥粘土360gを加え、ヒーター上で攪拌しながら70℃で12時間酸処理を行った。酸処理終了後、酸処理物に水を加えてデカンテーション法により洗浄した後ろ過し、ろ過ケーキを110℃で乾燥、粉砕、分級して活性白土粉末を得た。物性測定を行い、その結果を表2に示す。
【0075】
(比較例3)
比較例2において15重量%硫酸水溶液に変えて、35重量%硫酸水溶液を用い、70℃で9時間酸処理する他は、比較例2と同様にして行い活性白土粉末を得た。物性測定を行い、その結果を表2に示す。
【0076】
(比較例4)
実施例1と同様のジオクタヘドラル型スメクタイト粘土鉱物を粗砕、混練し5mm径に造粒し、この造粒物1500gを処理槽に充填した。そこに30重量%硫酸水溶液2000mlを循環させ酸処理を行った。その時の処理温度は90℃、処理時間は5時間であった。酸処理終了後、酸処理物に洗浄水を循環して水洗を行った後110℃で乾燥、粉砕、分級して活性白土粉末を得た。物性測定を行い、その結果を表2に示す。
【0077】
(比較例5)
実施例1と同様のジオクタヘドラル型スメクタイト粘土鉱物を粗砕して、原料粘土とする。水分36%を含む原料粘土600gに、98%硫酸138gを添加混合し、十分混練した後5mm径に造粒する。この造粒物をガラス製容器に入れ、緩く蓋をして、120℃のオーブン中で2時間酸処理を行った。酸処理終了後、酸処理物に1%硫酸を加えて可溶性塩類を抽出し(この時造粒物は懸濁分散せず)、次いで、水を加えて水洗を行った後110℃で乾燥、粉砕、分級して活性白土粉末を得た。物性測定を行い、その結果を表2に示す。
【0078】
(比較例6)
実施例5において35重量%硫酸水溶液に変えて、25重量%硫酸水溶液を用いる他は、実施例5と同様にして行い活性白土粉末を得た。物性測定を行い、その結果を表2に示す。
【0079】
【表1】


【0080】
【表2】


【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】脱色試験機の断面を示す図。
【符号の説明】
【0082】
A 親歯車
B 子歯車
C 電動機連結用プーリー
D ゴム管
E 温度計
F ガラス撹拌棒
G 試験管
H 油浴
I 油浴攪拌機
J 電熱器
【出願人】 【識別番号】000193601
【氏名又は名称】水澤化学工業株式会社
【出願日】 平成19年1月26日(2007.1.26)
【代理人】 【識別番号】100075177
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 尚純

【識別番号】100113217
【弁理士】
【氏名又は名称】奥貫 佐知子


【公開番号】 特開2008−31411(P2008−31411A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2007−15807(P2007−15807)