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【発明の名称】 トラクションドライブ用流体
【発明者】 【氏名】吉田 幸生

【氏名】坪内 俊之

【氏名】井戸 元久

【氏名】古賀 英俊

【要約】 【課題】高温トラクション係数が高く、かつ低温における粘度が低い低温流動性が改良された自動車用のトラクションドライブ用流体を提供する。

【解決手段】総炭素数14〜17で、粘度指数が0以上である一般式(1)又は(2)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
総炭素数14〜17で、粘度指数が0以上である下記一般式(1)又は(2)
【化1】


(式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R2は第4級炭素を少なくとも1個有する炭素数7〜10の分岐状アルキル基またはシクロペンタン環を有する炭素数7〜10のアルキル基を示し、a、b、cは0〜2の整数を示す。)
で表されるビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体を含有することを特徴とするトラクションドライブ用流体。
【請求項2】
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体を少なくとも5質量%含有する請求項1記載のトラクションドライブ用流体。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明はトラクションドライブ用流体に関する。
さらに詳しくは、本発明は、自動車用CVT(無段変速機)の実用上重要な高温トラクション係数が高く、かつ低温始動性において重要な低温における粘度の低い低温流動性が改良された自動車用のトラクションドライブ用流体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車用トラクション式CVT(無段変速機)は、トルク伝達容量が大きく、また使用条件も過酷なため、使用するトラクションオイルのトラクション係数は、使用温度範囲での最低値すなわち高温(140℃)でのトラクション係数がCVTの設計値よりも十分に高いことが必須である。
一方、例えば、北米・北欧などの寒冷地での低温始動性のために、−40℃でも低い粘度が要求されているが、高温トラクション係数と低温始動性とは相反する関係にあり、両者を高い次元で満足するトラクションオイル基油が求められていた。
さらに、実用上、低粘度であることと、粘度温度特性も良好であることが必須である。
【0003】
このような事情のもとで、本発明者らは、先に、従来にない高温及び低温性能に優れる高性能トラクションオイル基油を見出した(特許文献1)。
このトラクションオイル基油は、市販基油の2,4−ジシクロヘキシル−2−メチルペンタンよりも高温トラクション係数が高く、かつ低温粘度も大幅に低いという好ましい性質を有しているが、低温始動性をさらに改良するために、より一層の低温粘度特性の向上が望まれていた。
また、これらの高性能トラクションオイル基油に配合して、高温トラクション係数を損なわずに低温流動性を改善する低粘度基材として、本発明者らが以前発明したビシクロ[2.2.1]ヘプタン炭化水素化合物(特許文献2)を改良した、粘度指数が0以上である特定構造の化合物群を見出した。
【0004】
【特許文献1】特開2000−17280号公
【特許文献2】特公平5−63519号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような状況下で、自動車用CVTの実用上重要な高温トラクション係数が高く、かつ低温始動性において重要な低温における粘度が低い低温流動性が改良された自動車用のトラクションドライブ用流体を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、トラクションドライブ用流体について、高温トラクション係数を低下させることなく、低温粘度特性を改良すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明者らが先に見出した特定構造の橋かけ環式炭化水素化合物に、特定の構造及び動粘度を有する低粘度炭化水素化合物を混合することにより、前記目的を達成し得ることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
【0007】
すなわち、本発明は、
1.総炭素数14〜17で、粘度指数が0以上である下記一般式(1)又は(2)
【化1】


(式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R2は第4級炭素を少なくとも1個有する炭素数7〜10の分岐状アルキル基またはシクロペンタン環を有する炭素数7〜10のアルキル基を示し、a、b、cは0〜2の整数を示す。)
で表されるビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体を含有することを特徴とするトラクションドライブ用流体、
2.ビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体を少なくとも5質量%含有する上記1記載のトラクションドライブ用流体
を提供するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の第一発明のトラクションドライブ用流体においては、主要基油である(A)成分として、(A)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン環、ビシクロ〔3.2.1〕オクタン環、ビシクロ〔3.3.0〕オクタン環及びビシクロ〔2.2.2〕オクタン環の中から選ばれた有橋環2個を有する炭化水素化合物が用いられる。
【0009】
このような有橋環2個を有する炭化水素化合物としては、ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン環化合物、ビシクロ〔3.2.1〕オクタン環化合物、ビシクロ〔3.3.0〕オクタン環化合物、ビシクロ〔2.2.2〕オクタン環化合物の中から選ばれる少なくとも一種の脂環式化合物の二量体の水素化物から好ましく、選択することができる。
なかでも、ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン環化合物の二量体の水素化物、すなわち一般式(XI)
【化2】


(式中、R12及びR13は、それぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基、R14は側鎖にメチル基若しくはエチル基が置換していてもよいメチレン基、エチレン基又はトリメチレン基を示し、p及びqは、それぞれ0〜3の整数、rは0又は1である。)
で表される化合物がさらに好ましい。
【0010】
上記脂環式化合物の二量体の水素化物の好ましい製造方法としては、例えば、アルキル基が置換していてもよい下記オレフィンを二量化、水素化、蒸留の順に処理を行えばよい。
上記の原料のアルキル基が置換していてもよいオレフィンとしては、例えば、ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン;ビニル置換あるいはイソプロペニル置換ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン等のアルケニル置換ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン;メチレン置換,エチリデン置換あるいはイソプロピリデン置換ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン等のアルキリデン置換ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン;ビニル置換あるいはイソプロペニル置換ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン等のアルケニル置換ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン;メチレン置換,エチリデン置換あるいはイソプロピリデン置換ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン等のアルキリデン置換ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン;ビシクロ〔3.2.1〕オクテン;ビニル置換あるいはイソプロペニル置換ビシクロ〔3.2.1〕オクテン等のアルケニル置換ビシクロ〔3.2.1〕オクテン;メチレン置換,エチリデン置換あるいはイソプロピリデン置換ビシクロ〔3.2.1〕オクテン等のアルキリデン置換ビシクロ〔3.2.1〕オクテン;ビニル置換あるいはイソプロペニル置換ビシクロ〔3.2.1〕オクタン等のアルケニル置換ビシクロ〔3.2.1〕オクタン;メチレン置換,エチリデン置換あるいはイソプロピリデン置換ビシクロ〔3.2.1〕オクタン等のアルキリデン置換ビシクロ〔3.2.1〕オクタン;ビシクロ〔3.3.0〕オクテン;ビニル置換あるいはイソプロペニル置換ビシクロ〔3.3.0〕オクテン等のアルケニル置換ビシクロ〔3.3.0〕オクテン;メチレン置換,エチリデン置換あるいはイソプロピリデン置換ビシクロ〔3.3.0〕オクテン等のアルキリデン置換ビシクロ〔3.3.0〕オクテン;ビニル置換あるいはイソプロペニル置換ビシクロ〔3.3.0〕オクタン等のアルケニル置換ビシクロ〔3.3.0〕オクタン;メチレン置換,エチリデン置換あるいはイソプロピリデン置換ビシクロ〔3.3.0〕オクタン等のアルキリデン置換ビシクロ〔3.3.0〕オクタン;ビシクロ〔2.2.2〕オクテン;ビニル置換あるいはイソプロペニル置換ビシクロ〔2.2.2〕オクテン等のアルケニル置換ビシクロ〔2.2.2〕オクテン;メチレン置換,エチリデン置換あるいはイソプロピリデン置換ビシクロ〔2.2.2〕オクテン等のアルキリデン置換ビシクロ〔2.2.2〕オクテン;ビニル置換あるいはイソプロペニル置換ビシクロ〔2.2.2〕オクタン等のアルケニル置換ビシクロ〔2.2.2〕オクタン;メチレン置換,エチリデン置換あるいはイソプロピリデン置換ビシクロ〔2.2.2〕オクタン等のアルキリデン置換ビシクロ〔2.2.2〕オクタンなどを挙げることができる。
なかでも、前記一般式(XI)で表されるビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン環化合物の二量体の水素化物が好ましいので、対応する原料オレフィンとしては、例えば、ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン;2−メチレンビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン;2−メチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン;2−メチレン−3−メチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン;2,3−ジメチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン;2−メチレン−7−メチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン;2,7−ジメチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン;2−メチレン−5−メチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン;2,5−ジメチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン;2−メチレン−6−メチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン;2,6−ジメチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン;2−メチレン−1−メチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン;1,2−ジメチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン;2−メチレン−4−メチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン;2,4−ジメチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン;2−メチレン−3,7−ジメチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン;2,3,7−トリメチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン;2−メチレン−3,6−ジメチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン;2−メチレン−3,3−ジメチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン;2,3,6−トリメチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン;2−メチレン−3−エチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン;2−メチル−3−エチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エンなどを挙げることができる。
なお、前記の二量化とは、同種のオレフィンの二量化のみならず、異種の複数のオレフィンの共二量化をも意味する。
上述のオレフィンの二量化は、通常触媒の存在下で必要に応じて溶媒を添加して行う。
【0011】
この二量化に用いる触媒としては、通常、酸性触媒が使用される。具体的には、フッ化水素酸、ポリリン酸等の鉱酸類、トリフリック酸等の有機酸、塩化アルミニウム,塩化第二鉄,塩化第二スズ,三フッ化ホウ素,三フッ化ホウ素錯体,三臭化ホウ素,臭化アルミニウム,塩化ガリウム,臭化ガリウム等のルイス酸、トリエチルアルミニウム,塩化ジエチルアルミニウム,二塩化エチルアルミニウム等の有機アルミニウム化合物などを挙げることができるが、なかでも三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体,三フッ化ホウ素1.5水錯体,三フッ化ホウ素アルコール錯体などの三フッ化ホウ素錯体が好ましい。
これらの触媒の使用量は、特に制限されないが、通常は原料オレフィンに対して0.1〜100重量%、好ましくは1〜20重量%の範囲である。この二量化にあたっては、溶媒は必ずしも必要としないが、反応時の原料オレフィンや触媒の取り扱い上あるいは反応の進行を調節する上で用いることもできる。
このような溶媒としては、各種ペンタン,各種ヘキサン,各種オクタン,各種ノナン,各種デカン等の飽和炭化水素、シクロペンタン,シクロヘキサン,メチルシクロサン,デカリン等の脂環式炭化水素、ジエチルエーテル,テトラヒドロフラン等のエーテル化合物、塩化メチレン,ジクロルエタン等のハロゲン含有化合物、ニトロメタン,ニトロベンゼン等のニトロ化合物などを挙げることができる。
これら触媒等の存在下で二量化反応を行うが、その反応温度としては、一般に−70〜100℃、好ましくは−30〜60℃の範囲である。その温度範囲で触媒の種類や添加剤等により適当な条件が設定されるが、反応圧力は通常常圧であり、反応時間については、通常0.5〜10時間である。
【0012】
次に、このようにして得られた原料オレフィンの二量体を水素化し、目的とする二量体の水素化物とする。
なお、水素化は別々に別の原料オレフィンを使用して二量化した二量体を適度に混合したものについて行ってもよい。
この水素化反応も、通常は触媒の存在下行うが、その触媒としては、ニッケル,ルテニウム,パラジウム,白金,ロジウム,イリジウム等の水添用触媒を挙げることができる。
一般に、上記金属は通常、ケイソウ土,アルミナ,活性炭,シリカアルミナ等の担体に担持されたものが使用される。
また、必要により水素化反応の助触媒としてゼオライト等の固体酸を使用してもよい。
上記の触媒のなかで、生成した水素化物の物性の点からして、ニッケル/ケイソウ土が特に好ましい。
この触媒の使用量は、上記二量化生成物に対して0.1〜100重量%、好ましくは1〜20重量%の範囲である。
また、この水素化反応は、前記二量化反応と同様に、無溶媒下でも進行するが、溶媒を用いることもでき、その場合、溶媒としては、各種ペンタン,各種ヘキサン,各種オクタン,各種ノナン,各種デカン等の飽和炭化水素やシクロペンタン,シクロヘキサン,メチルシクロヘキサン,デカリン等の脂環式炭化水素などを挙げることができる。
反応温度としては、通常100〜300℃、好ましくは200〜300℃であり、反応圧力については、常圧から20MPa・G、好ましくは常圧から10MPa・Gの範囲で行うことができる。
水素圧でいうと、0.5〜9MPa・G、好ましくは1〜8MPa・Gである。
反応時間は、通常1〜10時間である。なお、生成した水素化物は、別の工程で別の原料オレフィンから生成した水素化物と混合してもよい。
【0013】
本発明の第一発明においては、(A)成分の基油として、このようにして得られた有橋環2個を有する化合物を一種用いてもよく、二種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明の第一発明においては、前記(A)成分基油の物性としては、通常、40℃における動粘度が10〜25mm2/s、粘度指数が60以上、流動点が−40℃以下、20℃における密度が0.93g/cm3以上、引火点が140℃以上及び140℃におけるトラクション係数(後述の二円筒摩擦試験機による方法で得られた値)が0.063以上である。
本発明の第一発明においては、(B)成分の基油として、四級炭素及び/又は環構造をもつ温度40℃の動粘度が10mm2/s以下の低粘度炭化水素化合物が用いられる。
この(B)成分の40℃動粘度が10mm2/sを超えるものでは、低温粘度特性に優れるトラクションドライブ用流体が得られず、本発明の目的が達せられない。
この40℃の動粘度は、好ましくは9mm2/s以下、より好ましくは8.5mm2/s以下である。下限については特に制限はないが、通常2mm2/s以上である。
本発明においては、この(B)成分の低粘度炭化水素化合物として、下記の(a)〜(h)に示すものを好ましく用いることができる。
【0014】
(a)炭化水素化合物:
この(a)炭化水素化合物は、少なくとも2つのgem−ジメチル構造をもつ炭素数15〜24のイソパラフィンである。
ここで、gem−ジメチル構造とは、一つの炭素原子にメチル基が2個結合している構造を指す。上記イソパラフィンとしては、例えば、2,2,4,4,6,8,8−ヘプタメチルノナン、2,4,4,6,6,8,8−ヘプタメチルノナン、2,4,4,6,8,8,10,10−ノナメチルウンデカンなどを挙げることができる。
これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0015】
(b)炭化水素化合物:
この(b)炭化水素化合物は、一般式(I)及び/又は一般式(II)
【化3】


(式中、R1はメチル分岐を有していてもよいメチレン基、R2及びR3は、それぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基を示し、k,m及びnは、それぞれ0〜3の整数であり、かつm+nは0〜4の整数である。)
で表される炭素数13〜16の炭化水素化合物である。
この一般式(I)及び(II)において、R2及びR3で示される炭素数1〜3のアルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基及びイソプロピル基が挙げられる。
上記一般式(I)で表される化合物としては、例えば、エチルジシクロヘキシル、(メチルシクロヘキシルメチル)シクロヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルシクロヘキシルエタン、トリメチルジシクロヘキシル、ジエチルジシクロヘキシルなどを挙げることができる。
また、上記一般式(II)で表される化合物としては、例えばエチルビフェニル、ベンジルトルエン、フェニルトリルエタン、トリメチルビフェニル、ジエチルビフェニルなどを挙げることができる。
これらの炭化水素化合物は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0016】
(c)炭化水素化合物:
この(c)炭化水素化合物は、一般式(III)及び/又は一般式(IV)
【化4】


(式中、R4は炭素数1〜7のアルキル基、R5はアルキル分岐及び/又はシクロペンタン環を有していてもよい炭素数8〜10のアルキル基を示し、a及びbは、それぞれ0〜3の整数であり、かつa+bは1〜4の整数である。)
で表される炭素数13〜24の炭化水素化合物である。
上記一般式(III)及び(IV)において、R4で示される炭素数1〜7のアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、このようなものとしては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基及び各種のブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基が挙げられる。また、R5で示されるアルキル分岐及び/又はシクロペンタン環を有していてもよい炭素数8〜10のアルキル基としては、例えば各種のオクチル基、ノニル基、デシル基、さらにはジメチルシクロペンチルメチル基、メチルシクロペンチルエチル基、ジメチルシクロペンチルエチル基、トリメチルシクロペンチル基、トリメチルシクロペンチルメチル基などが挙げられる。
上記一般式(III)で表される炭化水素化合物としては、例えば1,4−ビス(1,5−ジメチルヘキシル)シクロヘキサン、ドデシルシクロヘキサン、オクチルシクロヘキサンなどを挙げることができる。
また、上記一般式(IV)で表される炭化水素化合物としては、例えばドデシルベンゼン、オクチルトルエン、オクチルベンゼン、ノニルベンゼンなどを挙げることができる。
これらの炭化水素化合物は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0017】
(d)炭化水素化合物:
この(d)炭化水素化合物は、一般式(V)及び/又は一般式(VI)
【化5】


(式中、R6及びR7は、それぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基を示し、c及びdは、それぞれ0〜3の整数であり、かつc+dは1〜6の整数である。)
で表される炭素数12〜16の炭化水素化合物である。
上記一般式(V)及び(VI)において、R6及びR7で示される炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基及びイソプロピル基が挙げられる。
上記一般式(V)で表される炭化水素化合物としては、例えばイソプロピルデカリン、ジイソプロピルデカリン、ジエチルデカリンなどを挙げることができる。
また、上記一般式(VI)で表される炭化水素化合物としては、例えばイソプロピルナフタレン、ジイソプロピルナフタレン、ジエチルナフタレンなどを挙げることができる。
これらの炭化水素化合物は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0018】
(e)炭化水素化合物:
この(e)炭化水素化合物は、一般式(VII)
【化6】


(式中、e及びfは、それぞれ0〜2の整数である。)
で表される炭素数16〜18の炭化水素化合物である。
上記一般式(VII)で表される炭化水素化合物としては、例えばジシクロオクチル、ジメチルジシクロオクチルなどを挙げることができる。
これらの炭化水素化合物は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0019】
(f)炭化水素化合物:
この(f)炭化水素化合物は、一般式(VIII)及び/又は一般式(IX)
【化7】


(式中、R8及びR9は、それぞれ独立にメチル基又はエチル基を示し、g及びhは、それぞれ0〜3の整数であり、かつg+hは0〜4の整数である。)
で表される炭素数13〜17の炭化水素化合物である。
上記一般式(VIII)で表される化合物としては、例えば(メチルシクロヘキシル)ジメチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、シクロヘキシルジメチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、(メチルシクロヘキシル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、(ジメチルシクロヘキシル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、(メチルシクロヘキシル)メチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプタンなどを挙げることができる。
また、一般式(IX)で表される炭化水素化合物としては、例えば(メチルフェニル)ジメチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、フェニルジメチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプタンなどを挙げることができる。
これらの炭化水素化合物は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0020】
(g)炭化水素化合物:
この(g)炭化水素化合物は、一般式(X)
【化8】


(式中、R10はメチル基又はエチル基、R11はアルキル分岐及び/又はシクロペンタン環を有していてもよい炭素数6〜13のアルキル基を示し、i及びjは、それぞれ0〜3の整数であり、かつi+jは1〜4の整数である。)
で表される炭素数13〜20の炭化水素化合物である。
上記一般式(X)において、R11で示されるアルキル分岐及び/又はシクロペンタン環を有していてもよい炭素数6〜13のアルキル基としては、例えば各種のヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、さらにはシクロペンチルメチル基、メチルシクロペンチルメチル基、ジメチルシクロペンチルメチル基などが挙げられる。
上記一般式(X)で表される炭化水素化合物としては、例えば2−(1,5−ジメチルヘキシル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、2−オクチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、2−ヘキシルビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、オクチル−2,3−ジメチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、(メチルシクロペンチルメチル)ジメチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、(ノニル)メチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプタンなどを挙げることができる。
これらの炭化水素化合物は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0021】
(h)炭化水素化合物:
この(h)炭化水素化合物としては、ナフテン系鉱物油が用いられる。
本発明の第一発明においては、(B)成分の低粘度炭化水素化合物として、前記(a)〜(h)の炭化水素化合物のいずれか一つを用いてもよく、また、適当に組み合わせて用いてもよい。
【0022】
本発明の第一発明のトラクションドライブ用流体は、前記(A)成分基油と(B)成分基油を含むものであって、−40℃における粘度が4万mPa・s以下で、かつ引火点が140℃以上である。
−40℃における粘度が4万mPa・sを超えると低温特性の改良効果が充分に発揮されず、本発明の目的が達せられない。
−40℃における好ましい粘度は3.5万mPa・s以下であり、特に3万mPa・s以下が好ましい。
下限については特に制限はないが、通常5千mPa・s以上である。また、引火点が140℃未満では引火のおそれがあり、好ましい引火点は145℃以上であり、特に150℃以上が好ましい。
【0023】
本発明の第一発明のトラクションドライブ用流体における(A)成分と(B)成分の含有割合は、前記性状を有するトラクションドライブ用流体が得られるのであれば、特に制限はないが、一般的には、(B)成分の含有量は1〜50重量%、好ましくは2〜40重量%、さらに好ましくは3〜30重量%の範囲で選定される。
本発明の第一発明のトラクションドライブ用流体には、前記(A)成分及び(B)成分の基油と共に、高温トラクション係数や低温特性などの本発明の目的が損なわれない範囲で、所望によりポリα−オレフィン油、ジエステルなどの低粘度基油、ジシクロペンタジエン系水添石油樹脂などの高温トラクション係数改良基材などを配合することができる。
【0024】
本発明の第二発明のトラクションドライブ用流体は、総炭素数14〜17で、粘度指数が0以上である前記一般式(1)又は(2)で表されるビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体を含有するものである。
総炭素数は14〜17であり、13以下であると、引火点が低く、また揮発性も高くなり、一方、18以上であると、粘度が高くなり好ましくない。
また、粘度指数が0以上であり、0未満であると、粘度温度特性が悪くなり好ましくない。
【0025】
以下、本発明の第二発明において、一般式(1)で表されるビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体を化合物1といい、一般式(2)で表されるビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体を化合物2ということにする。
化合物1において、R1は炭素数1〜4のアルキルを示し、具体的にはメチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチル基,sec−ブチル基,tert−ブチル基を挙げることができる。
なかでも、メチル基が好ましい。
化合物1の好ましいものとして、メチルシクロヘキシル−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン、シクロヘキシル−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン、メチルシクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ジメチルシクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ジメチルシクロヘキシル−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン、エチルシクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、エチルシクロヘキシル−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン、メチルシクロヘキシル−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタンなどを挙げることができる。
【0026】
化合物2において、R2は第4級炭素を少なくとも1個有する炭素数7〜10の分岐状アルキル基またはシクロペンタン環を有する炭素数7〜10のアルキル基を示し、具体的には、2,4,4−トリメチルペンチル基、ネオペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2,2,4,4,−テトラメチルペンチル基、メチルシクロペンチルメチル基,シクロペンチルメチル基などを挙げることができる。
なかでも、2,4,4−トリメチルペンチル基およびメチルシクロペンチルメチル基が好ましい。
化合物2の好ましいものとして、2,3−ジメチル−2−(2,4,4−トリメチルペンチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2−メチル−2−(2,4,4−トリメチルペンチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2−メチル−2−(2,2,4,4,−テトラメチルペンチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、メチルシクロペンチルメチル−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン,シクロペンチルメチル−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタンなどを挙げることができる。
【0027】
次いで、上記化合物1及び化合物2の好ましい製造方法について説明する。
先ず、化合物1については、メチル基が1個あるいは2個置換していてもよい下記オレフィンと、炭素数1〜4のアルキル基が置換していてもよい下記芳香族化合物とを、フリーデル−クラフツアルキル化をさせた後、水素化して得られる。
上記の原料のメチル基が1個あるいは2個置換していてもよいオレフィンとして、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、メチレンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、メチレンビシクロ[2.2.1]ヘプタンを挙げることができる。
また、上記の原料の炭素数1〜4のアルキル基が置換していてもよい芳香族化合物として、ベンゼン,トルエン,o−キシレン,m−キシレン,p−キシレン,エチルベンゼン,キュメン,シメン,sec−ブチルベンゼン,tert−ブチルベンゼンを挙げることができる。
【0028】
上記のフリーデル−クラフツアルキル化の触媒として、ゼオライト,活性白土等の固体酸、フッ化水素酸,ポリリン酸,硫酸,塩酸等の鉱酸類、トリフリック酸,p−トルエンスルホン酸,メタンスルホン酸等の有機酸、塩化アルミニウム,塩化第二鉄,塩化第二スズ,三フッ化ホウ素,三フッ化ホウ素錯体,三臭化ホウ素,臭化アルミニウム,塩化ガリウム,臭化ガリウム等のルイス酸、トリエチルアルミニウム,塩化ジエチルアルミニウム,二塩化エチルアルミニウム等の有機アルミニウム化合物などを使用することができる。
これらの触媒の使用量は、特に制限されないが、通常は原料オレフィン100質量部に対して0.1〜100質量部の範囲である。
上記の触媒の存在下でアルキル化反応を行うが、その温度としては、一般に200℃以下である。好ましくは、異性化を抑えるために100℃以下である。
なお、反応が進行すれば下限温度は特にないが、経済的には、好ましくは−70℃以上、さらに好ましくは−30℃以上である。また、反応圧力は通常常圧であり、反応時間については、通常0.5〜10時間である。
【0029】
上記の水素化触媒として、担体(ケイソウ土、シリカアルミナ、活性炭等)に担持されたニッケル,ルテニウム,パラジウム,白金,ロジウム,イリジウム等の水素化用触媒やラネーニッケル等を用いることができる。
なかでも、ニッケル/ケイソウ土、ニッケル/シリカアルミナ等の担持型ニッケル触媒が好ましい。この触媒の使用量は、通常上記アルキル化物100質量部に対して0.1〜100質量部の範囲である。
上記の触媒の存在下で、上記のアルキル化物の水素化反応を行うが、反応温度については、通常50〜300℃の範囲である。
50℃より低いと、水素化が十分に起こらない可能性があり、また300℃より高いと、分解反応により収率が低下する。
用いる触媒により一概には決められないが、100〜280℃の範囲が好ましい。
反応圧力については、通常常圧〜20MPa・Gの範囲で行うことができる。好ましくは、常圧〜10MPa・Gの範囲である。
反応時間は、通常1〜10時間である。
【0030】
次に、化合物2については、メチル基が1個あるいは2個置換していてもよい下記オレフィンと、ジイソブチレン等の第4級炭素を少なくとも1個有する炭素数7〜10の分岐状オレフィンとを共二量化後、水素化して得られる。あるいは、メチル基が最大2個置換してもよいシクロペンタジエンと、ジイソブチレン、トリイソブチレン等の第4級炭素を少なくとも1個有する炭素数7〜12の分岐状オレフィンとをディールス−アルダー反応させた後、水素化して得られる。また,シクロペンタン環を有する化合物2については,メチル基が1個あるいは2個置換していても良い下記オレフィンの二量体を,レトロディールスアルダー反応させた後,水素化して得られる。
上記のレトロディールスアルダー反応の条件については,原料のオレフィン二量体をオートクレーブに入れ,通常200〜400℃,好ましくは250〜350℃で,自圧で1〜30時間反応させれば良い。
上記の原料のメチル基が1個あるいは2個置換していてもよいオレフィンとしては、化合物1の製造で使用したものと同様なものを使用することができる。
上記の共二量化反応の触媒と反応条件については、化合物1の製造で述べたアルキル化反応と同様である。
上記のディールス−アルダー反応の条件については、原料のシクロペンタジエン類とオレフィン類をオートクレーブに入れ、通常50〜350℃、好ましくは100〜300℃で、自圧で0.5〜20時間反応させればよい。なお、シクロペンタジエン類の代わりに、対応する二量体であるジシクロペンタジエン類を使用し、シクロペンタジエン類に熱分解しながら反応させてもよい。
上記の水素化反応の触媒と反応条件については、化合物1の製造で述べたアルキル化反応と同様である。
【0031】
このようにして製造された一般式(1)又は(2)で表されるビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体は、必要により他のトラクションドライブ用流体と混合して用いることができる。
この場合は、少なくとも5質量%、好ましくは30質量%以上のビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体を含有するように調整することが望ましい。他のトラクションドライブ用流体は、特に限定されるものではない。
また、本発明のトラクションドライブ用流体には、必要により酸化防止剤、防錆剤、清浄分散剤、流動点降下剤、粘度指数向上剤、極圧剤、耐摩耗剤、油性剤、消泡剤、腐食防止剤などの各種添加剤を適量配合することができる。
【実施例】
【0032】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各例におけるトラクション係数の測定は、二円筒摩擦試験機にて行った。
【0033】
<トラクション係数の測定>
接している同じサイズの円筒(直径52mm、厚さ6mmで被駆動側は曲率半径10mmのタイコ型、駆動側はクラウニングなしのフラット型)の一方を一定速度で、他方の回転速度を連続的に変化させ、両円筒の接触部分に錘により98.0Nの荷重を与えて、両円筒間に発生する接線力、即ちトラクション力を測定し、トラクション係数を求めた。
この円筒は軸受鋼SUJ−2鏡面仕上げでできており、平均周速6.8m/s、最大ヘルツ接触圧は1.23GPaであった。
また、流体温度(油温)140℃でのトラクション係数を測定するにあたっては、油タンクをヒーターで加熱することにより、油温を40℃から140℃まで昇温させ、すべり率5%におけるトラクション係数を求めた。
【0034】
比較例1
2リットルのステンレス鋼製オートクレーブに,クロトンアルデヒド561g(8モル)及びジシクロペンタジエン352g(2.67モル)を入れ,170℃で3時間反応させた。
冷却後,ラネーニッケル触媒(川研ファインケミカル(株)製「M−300T」)18gを入れ,水素圧0.9MPa、反応温度150℃で4時間水素化を行った。冷却後,触媒を濾別し,濾液を減圧蒸留することにより,105℃/2670Pa留分565gを得た。
マススペクトル,及び核磁気共鳴スペクトルでの分析により,この留分は,2−ヒドロキシメチル−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタンであると同定した。
次に,外径20mm,長さ500mmの石英ガラス製流通式常圧反応管に,γ−アルミナ20g(日揮化学(株)製「N612N」)を入れ,反応温度285℃,重量空間速度(WHSV)1.1hr-1で脱水反応を行い,2−メチレン−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン,及び2,3−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンを含有する2−ヒドロキシメチル−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタンの脱水反応生成物490gを得た。
1リットル四つ口フラスコに三弗化硼素ジエチルエーテル錯体10g,及び上記で得たオレフィン化合物490gを入れ,10℃で攪拌しながら,5時間二量化反応を行った。
この反応混合物を希NaOH水溶液と飽和食塩水で洗浄した後、1リットルオートクレーブに水添用ニッケル/ケイソウ土触媒(日揮化学(株)製,「N−113」)15gを加え,水素化を行った(水素圧3MPa、反応温度250℃,反応時間5時間)。
反応終了後,濾過により触媒を除き,濾液を減圧で蒸留することにより,目的とする二量体の水素化物340g(流体A)を得た。
この二量体水素化物の性状およびトラクション係数を測定した結果を第1表に示す。
【0035】
比較例2
還流冷却器、攪拌装置および温度計を備えた500ミリリットルの四つ口フラスコに活性白土(水澤化学工業(株)製「ガレオンアースNS」)4g、ジエチレングリコールモノエチルエーテル10g及びα−メチルスチレン200gを入れ、反応温度105℃に加熱し、4時間攪拌した。
反応終了後、生成液をガスクロマトグラフィーで分析して、転化率70%、目的物α−メチルスチレン線状二量体の選択率95%、副生成物α−メチルスチレン環状二量体の選択率1%、三量体等の高沸点物選択率4%であることが分かった。
この反応混合物を比較例1と同様に水添、減圧蒸留を行うことにより、99%純度のα−メチルスチレン線状二量体水素化物、すなわち2,4−ジシクロヘキシル−2−メチルペンタン125g(流体B)を得た。
この二量体水素化物の性状およびトラクション係数を測定した結果を第1表に示す。
【0036】
実施例1
2,2,4,4,6,8,8−ヘプタメチルノナン(東京化成工業(株)製,流体1)を、含有量が全流体中10重量%になるように比較例1の流体Aに混合した。
この流体の性状およびトラクション係数を測定した結果を第1表に示す。
【0037】
実施例2
イソパラフィン系炭化水素(出光石油化学(株)製「IPソルベント2028」)1リットルの精密蒸留を行って,沸点235℃〜250℃留分350g(流体2)を得た。
この流体2を比較例1の流体Aに、含有量が全流体中10重量%になるように混合した流体の性状およびトラクション係数を測定した結果を第1表に示す。
【0038】
実施例3
エチルビフェニル(新日鉄化学(株)製「サームエス600」,流体3)を、含有量が全流体中10重量%になるように比較例1の流体Aに混合した。
この流体の性状およびトラクション係数を測定した結果を第1表に示す。
【0039】
実施例4
エチルビフェニル(新日鉄化学(株)製「サームエス600」,流体3)1200gと水添用ニッケル/ケイソウ土触媒(日揮化学(株)製「N−113」)30gを2リットルオートクレーブに入れ,水素圧2MPa,反応温度200℃で4時間水素化を行った。
反応終了後,濾過により触媒を除き,目的とするエチルビフェニルの水素化物1200g(流体4)を得た。
このエチルジシクロヘキシルを,含有量が全流体中10重量%になるように比較例1の流体Aに混合した。
この流体の性状およびトラクション係数を測定した結果を第2表に示す。
【0040】
実施例5
ベンジルトルエン(綜研化学(株)製「NeoSKオイル1300」,流体5)を,含有量が全流体中10重量%になるように比較例1の流体Aに混合した。
この流体の性状およびトラクション係数を測定した結果を第2表に示す。
【0041】
実施例6
ベンジルトルエン(綜研化学(株)製「NeoSKオイル1300」,流体5)1200gと水添用ニッケル/ケイソウ土触媒(日揮化学(株)製,「N−113」)30gを2リットルオートクレーブに入れ,水素圧2MPa,反応温度200℃で4時間水素化を行った。
反応終了後,濾過により触媒を除き,減圧蒸留することにより目的とするベンジルトルエンの水素化物1000g(流体6)を得た。
この(メチルシクロヘキシルメチル)シクロヘキサンを含有量が全流体中10重量%になるように比較例1の流体Aに混合した。
この流体の性状およびトラクション係数を測定した結果を第2表に示す。
【0042】
実施例7
3リットル四つ口フラスコにトルエン1074g,濃硫酸76gを入れ,10℃で攪拌しながら,スチレン450gを2時間かけて滴下しアルキル化反応を行った。
この反応混合物を希NaOH水溶液と飽和食塩水で洗浄した後、未反応トルエンを留去して,2リットルオートクレーブに水添用ニッケル/ケイソウ土触媒(日揮化学(株)製,「N−113」)20gと共に加え,水素化を行った(水素圧3MPa,反応温度200℃,反応時間4時間)。
反応終了後,濾過により触媒を除き,濾液を減圧で蒸留することにより,目的とする1−シクロヘキシル−1−メチルシクロヘキシルエタン420g(流体7)を得た。
この1−シクロヘキシル−1−メチルシクロヘキシルエタンを、含有量が全流体中10重量%になるように比較例1の流体Aに混合した。
この流体の性状およびトラクション係数を測定した結果を第2表に示す。
【0043】
実施例8
3リットル四つ口フラスコにo−キシレン880g,濃硫酸900gを入れ,5℃で攪拌しながら,2−メチルシクロヘキサノール465gとo−キシレン440gの混合物を5時間かけて滴下しアルキル化反応を行った。
この反応混合物を希NaOH水溶液と飽和食塩水で洗浄した後、未反応o−キシレンを留去して,2リットルオートクレーブに水添用ニッケル/ケイソウ土触媒(日揮化学(株)製,「N−113」)70gと共に加え,水素化を行った(水素圧3MPa,反応温度200℃,反応時間6時間)。
反応終了後,濾過により触媒を除き,濾液を減圧で蒸留することにより,目的とするトリメチルジシクロヘキシル230g(流体8)を得た。
このトリメチルジシクロヘキシルを、含有量が全流体中10重量%になるように比較例1の流体Aに混合した。
この流体の性状およびトラクション係数を測定した結果を第3表に示す。
【0044】
実施例9
ドデシルベンゼン(東京化成工業(株)製,ハードタイプ,流体9)を、含有量が全流体中10重量%になるように比較例1の流体Aに混合した。
この流体の性状およびトラクション係数を測定した結果を第3表に示す。
【0045】
実施例10
3リットル四つ口フラスコにトルエン1232g,濃硫酸200gを入れ,10℃で攪拌しながら,ジイソブチレン500gを3時間かけて滴下しアルキル化反応を行った。
この反応混合物を希NaOH水溶液と飽和食塩水で洗浄した後、未反応トルエンを留去し,減圧蒸留して沸点70〜77℃/200Pa留分の目的とするジイソブチレンのトルエンへのアルキル化物305g(流体10)を得た。
この流体10を、含有量が全流体中10重量%になるように比較例1の流体Aに混合した。
この流体の性状およびトラクション係数を測定した結果を第3表に示す。
【0046】
実施例11
イソプロピルナフタレン(綜研化学(株)製「KSKオイル260」,流体11)を、含有量が全流体中10重量%になるように比較例1の流体Aに混合した。
この流体の性状およびトラクション係数を測定した結果を第3表に示す。
【0047】
実施例12
イソプロピルナフタレン(綜研化学(株)製「KSKオイル260」,流体11)1200gと水添用ニッケル/ケイソウ土触媒(日揮化学(株)製,「N−113」)30gを2リットルオートクレーブに入れ,水素圧4MPa,反応温度200℃で5時間水素化を行った。
反応終了後,濾過により触媒を除き,減圧蒸留することにより目的とするイソプロピルナフタレンの水素化物1000g(流体12)を得た。
このイソプロピルデカリンを含有量が全流体中10重量%になるように,比較例1の流体Aに混合した。
この流体の性状およびトラクション係数を測定した結果を第4表に示す。
【0048】
実施例13
1リットル四つ口フラスコに三弗化硼素1.5水錯体100g,ヘプタン200ミリリットルを入れ,20℃で攪拌しながらシクロオクテン450gを4時間で滴下して,二量化反応を行った。
この反応混合物を希NaOH水溶液と飽和食塩水で洗浄して,ヘプタンを留去した後、1リットルオートクレーブに水添用ニッケル/ケイソウ土触媒(日揮化学(株)製,「N−113」)15gと共に加え,水素化を行った(水素圧3MPa,反応温度200℃,反応時間3時間)。
反応終了後,濾過により触媒を除き,濾液を減圧で蒸留することにより,目的とする二量体の水素化物210g(流体13)を得た。
この二量体水素化物を、含有量が全流体中10重量%になるように比較例1の流体Aに混合した。
この流体の性状およびトラクション係数を測定した結果を第4表に示す。
【0049】
実施例14,15
ミルセン730gとジシクロペンタジエン88gを2リットルオートクレーブに入れ,240℃で3時間攪拌してディールスアルダー反応を行った。
反応終了後,ロータリーエバポレータで未反応のミルセンを留去して,再び2リットルオートクレーブに反応混合物727gと水添用ニッケル/ケイソウ土触媒(日揮化学(株)製,「N−113」)25gとを入れ,水素化を行った(水素圧2MPa,反応温度200℃,反応時間3時間)。
反応終了後,濾過により触媒を除き,蒸留することにより沸点118〜124℃/670Pa留分(流体14)312gと沸点147〜152℃/670Pa留分(流体15)297gを得た。
分析した結果,流体14は2−(1,5−ジメチルヘキシル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンであり,流体15は1,4−ビス(1,5−ジメチルヘキシル)シクロヘキサンであることが分かった。
流体14を含有量が全流体中10重量%になるように、比較例1の流体Aに混合したのを実施例14として,流体15を、比較例1の流体Aに混合したものを実施例15として,性状およびトラクション係数を測定した結果を第4表に示す。
【0050】
実施例16
1−デセン700gとジシクロペンタジエン83gを2リットルオートクレーブに入れ,240℃で3時間攪拌してディールスアルダー反応を行った。
反応終了後,ロータリーエバポレータで未反応の1−デセンを留去して,1リットルオートクレーブに反応混合物258gと水添用ニッケル/ケイソウ土触媒(日揮化学(株)製,「N−113」)8gとを入れ,水素化を行った(水素圧3MPa,反応温度200℃,反応時間3時間)。
反応終了後,濾過により触媒を除き,蒸留することにより沸点119〜123℃/670Pa留分(流体16)175gを得た。
分析した結果,流体16は2−オクチルビシクロ[2.2.1]ヘプタンであることが分かった。
流体16を、含有量が全流体中10重量%になるように比較例1の流体Aに混合した。
性状およびトラクション係数を測定した結果を第5表に示す。
【0051】
実施例17
実施例16で1−デセン700gの代わりに1−オクテン700gを用いた以外は実施例16と同様に操作して、2−ヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプタン(流体17)160gを得た。
流体17を、含有量が全流体中10重量%になるように比較例1の流体Aに混合した。
性状およびトラクション係数を測定した結果を第5表に示す。
【0052】
実施例18
2リットルのステンレス鋼製オートクレーブに,クロトンアルデヒド561g(8モル)及びジシクロペンタジエン352g(2.67モル)を入れ,170℃で3時間反応させた。
冷却後,ラネーニッケル触媒(川研ファインケミカル(株)製「M−300T」)18gを入れ,水素圧0.9Ma,反応温度150℃で4時間水素化を行った。
冷却後,触媒を濾別し,濾液を減圧蒸留することにより,105℃/2670Pa留分565gを得た。マススペクトル,及び核磁気共鳴スペクトルでの分析により,この留分は,2−ヒドロキシメチル−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタンであった。
次に,外径20mm,長さ500mmの石英ガラス製流通式常圧反応管に,γ−アルミナ20g(日揮化学(株)製「N612N」)を入れ,反応温度285℃,重量空間速度(WHSV)1.1hr-1で脱水反応を行い,2−メチレン−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン,及び2,3−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンを含有する2−ヒドロキシメチル−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタンの脱水反応生成物490gを得た。
5リットル四つ口フラスコにヘプタン400g,三弗化硼素ジエチルエーテル錯体200gを入れ,上記で得たオレフィン化合物980gとジイソブチレン900gの混合物を,10℃で攪拌しながら,6時間で滴下した。
この反応混合物を希NaOH水溶液と飽和食塩水で洗浄した後、減圧蒸留を行って沸点130〜133℃/1070Pa留分630gを得た。
分析した結果,流体18は原料オレフィンの共二量体であることが分かった。2リットルオートクレーブに,この共二量体と水添用ニッケル/ケイソウ土触媒(日揮化学(株)製,「N−113」)19gを加え,水素化を行った(水素圧3MPa、反応温度250℃,反応時間5時間)。
反応終了後,濾過により触媒を除き,目的とする共二量体の水素化物620g(流体18)を得た。
流体18を、含有量が全流体中10重量%になるように比較例1の流体Aに混合した。
性状およびトラクション係数を測定した結果を第5表に示す。
【0053】
実施例19
3リットル四つ口フラスコにトルエン644g,濃硫酸53gを入れ,5℃で攪拌しながら,2−メチレン−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン,及び2,3−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンを主成分とする2−ヒドロキシメチル−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタンの脱水反応生成物428gを3時間かけて滴下しアルキル化反応を行った。
この反応混合物を希NaOH水溶液と飽和食塩水で洗浄した後、未反応トルエンを留去して,2リットルオートクレーブに水添用ニッケル/ケイソウ土触媒(日揮化学(株)製,「N−113」)18gと共に加え,水素化を行った(水素圧2MPa,反応温度250℃,反応時間8時間)。
反応終了後,濾過により触媒を除き,濾液を減圧で蒸留することにより,目的とする(メチルシクロヘキシル)ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン580g(流体19)を得た。
流体19を、含有量が全流体中20重量%になるように比較例1の流体Aに混合した。
性状およびトラクション係数を測定した結果を第5表に示す。
【0054】
実施例20
実施例19の水素化原料を減圧で蒸留することにより,(メチルフェニル)ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン590g(流体20)を得た。流体20を、含有量が全流体中30重量%になるように比較例1の流体Aに混合した。
性状およびトラクション係数を測定した結果を第6表に示す。
【0055】
実施例21
実施例19においてトルエン644gの代りにベンゼン820gを用いたこと以外は,実施例19と同様に操作して,シクロヘキシルジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン210g(流体21)を得た。
流体21を、含有量が全流体中10重量%になるように比較例1の流体Aに混合した。
性状およびトラクション係数を測定した結果を第6表に示す。
【0056】
実施例22
3リットル四つ口フラスコにトルエン644g,濃硫酸53gを入れ,5℃で攪拌しながら,ノルボルネン330gを3時間かけて滴下しアルキル化反応を行った。
この反応混合物を希NaOH水溶液と飽和食塩水で洗浄した後、未反応トルエンを留去して,2リットルオートクレーブに水添用ニッケル/ケイソウ土触媒(日揮化学(株)製,「N−113」)18gと共に加え,水素化を行った(水素圧3MPa,反応温度250℃,反応時間5時間)。
反応終了後,濾過により触媒を除き,濾液を減圧で蒸留することにより,目的とする(メチルシクロヘキシル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン450g(流体22)を得た。
流体22を、含有量が全流体中10重量%になるように比較例1の流体Aに混合した。
性状およびトラクション係数を測定した結果を第6表に示す。
【0057】
実施例23
実施例22においてトルエン644gの代りに混合キシレン750gを用いたこと以外は,実施例22と同様に操作して,(ジメチルシクロヘキシル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンを主成分とする流体470g(流体23)を得た。
流体23を、含有量が全流体中10重量%になるように比較例1の流体Aに混合した。
性状およびトラクション係数を測定した結果を第6表に示す。
【0058】
実施例24
比較例1で得られた,2−メチレン−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン,及び2,3−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンを主成分とするオレフィンの二量体1500gを,2リットルオートクレーブに入れ,攪拌しながら300℃で7時間加熱した。
冷却後,水添用ニッケル/ケイソウ土触媒(日揮化学(株)製,「N−113」)30gを加えて,水素化を行った(水素圧3Ma,反応温度250℃,反応時間5時間)。
反応終了後,濾過により触媒を除き,濾液を減圧で精密蒸留することにより,沸点127〜130℃/9060Pa留分である(メチルシクロペンチルメチル)−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン155g(流体24)を得た。
流体24を、含有量が全流体中10重量%になるように比較例1の流体Aに混合した。
性状およびトラクション係数を測定した結果を第7表に示す。
【0059】
実施例25
ナフテン系鉱物油(「NA35」,流体25)を,含有量が全流体中10重量%になるように比較例1の流体Aに混合した。
性状およびトラクション係数を測定した結果を第7表に示す。
【0060】
比較例3
1−デセンの二量体水素化物(「出光PAO−5002」,流体C)を,含有量が全流体中10重量%になるように比較例1の流体Aに混合した。
性状およびトラクション係数を測定した結果を第7表に示す。
第7表から分かるように,低温粘度は改良されたもののトラクション係数が大幅に低下した。
【0061】
比較例4
実施例4に用いた流体4を,含有量が全流体中10重量%になるように比較例2の流体Bに混合した。
性状およびトラクション係数を測定した結果を第7表に示す。
第7表から分かるように,低温粘度が高い。
【0062】
比較例5
イソパラフィン系炭化水素(出光石油化学(株)製「IPソルベント2835」,流体D)を,含有量が全流体中10重量%になるように比較例1の流体Aに混合した。
性状およびトラクション係数を測定した結果を第8表に示す。
第8表から分かるように,低温粘度の改良が不十分である。
【0063】
比較例6
比較例5の流体Dを,含有量が全流体中10重量%になるように比較例2の流体Bに混合した。
性状およびトラクション係数を測定した結果を第8表に示す。
第8表から分かるように,低温粘度が高く,トラクション係数も低い。
【0064】
実施例26
2リットルのステンレス製オートクレーブに、クロトンアルデヒド561g(8モル)及びジシクロペンタジエン352g(2.67モル)を仕込み、170℃で3時間攪拌して反応させた。
反応溶液を室温まで冷却した後、ラネーニッケル触媒(川研ファインケミカル社製、M−300T)18gを加え、水素圧0.88MPa・G、反応温度150℃で4時間水素化を行った。
冷却後、触媒を濾別した後、濾液を減圧蒸留し、105℃/2.67kPa留分565gを得た。
この留分をマススペクトル,核磁気共鳴スペクトルで分析した結果、この留分は2−ヒドロキシメチル−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタンであることが確認された。
次いで、外径20mm,長さ500mmの石英ガラス製流通式常圧反応管に、γ−アルミナ(日揮化学社製、N612〕20gを入れ、反応温度285℃,重量空間速度(WHSV)1.1hr-1で脱水反応を行い、2−メチレン−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン及び2,3−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンを含有する2−ヒドロキシメチル−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタンの脱水反応生成物490gを得た。
5リットルの四つ口フラスコにn−ヘプタン400g、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体200gを入れ、上記で得られたオレフィン化合物980gとジイソブチレン900gの混合物を、10℃で攪拌しながら、6時間で滴下した。
この反応混合物を希苛性ソーダ水溶液と飽和食塩水で洗浄した後、減圧蒸留を行って沸点130〜133℃/1.07kPa留分630gを得た。
分析した結果、この留分は原料オレフィンの共二量体であることがわかった。
次いで、2リットルオートクレーブに、この共二量体と水素化用ニッケル/ケイソウ土触媒(日揮化学社製、N−113)19gを加え、水素化を行った(水素圧29.4MPa・G、反応温度250℃、反応時間5時間)。
反応終了後、濾過により触媒を除去し、目的とする共二量体の水素化物620gを得た。
性状及びトラクション係数を測定した結果を第9表に示す。
なお、粘度指数は100℃における動粘度が2mm2/s以上でないと適用できないが、参考のために計算値を記載した。
【0065】
実施例27
3リットルの四つ口フラスコにトルエン644g、濃硫酸53gを入れ、5℃で攪拌しながら、2−メチレン−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン及び2,3−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンを主成分とする2−ヒドロキシメチル−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタンの脱水反応生成物428gを3時間かけて滴下しアルキル化反応を行った。
この反応混合物を希苛性ソーダ水溶液と飽和食塩水で洗浄した後、未反応トルエンを留去して、2リットルオートクレーブに水素化用ニッケル/ケイソウ土触媒(日揮化学社製、N−113)18gと共に加え、水素化を行った(水素圧2MPa、反応温度250℃、反応時間8時間)。
反応終了後、濾過により触媒を除去し、濾液を減圧で蒸留することにより、目的とするメチルシクロヘキシル−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン580gを得た。
性状及びトラクション係数を測定した結果を第9表に示す。
【0066】
実施例28
実施例27において、トルエン644gの代わりにベンゼン820gを用いたこと以外は同様な操作をして、シクロヘキシル−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン210gを得た。
性状及びトラクション係数を測定した結果を第9表に示す。
【0067】
実施例29
3リットルの四つ口フラスコにトルエン644g、濃硫酸53gを入れ、5℃で攪拌しながら、ノルボルネン330gを3時間かけて滴下しアルキル化反応を行った。
この反応混合物を希苛性ソーダ水溶液と飽和食塩水で洗浄した後、未反応トルエンを留去して、2リットルオートクレーブに水素化用ニッケル/ケイソウ土触媒(日揮化学社製、N−113)18gと共に加え、水素化を行った(水素圧3MPa、反応温度250℃、反応時間5時間)。
反応終了後、濾過により触媒を除去し、濾液を減圧で蒸留することにより、目的とするメチルシクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン450gを得た。
性状及びトラクション係数を測定した結果を第9表に示す。
なお、粘度指数は100℃における動粘度が2mm2/s以上でないと適用できないが、参考のために計算値を記載した。
【0068】
実施例30
実施例29において、トルエン644gの代わりに混合キシレン750gを用いたこと以外は同様な操作をして、ジメチルシクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンを主成分とする留分470gを得た。
性状及びトラクション係数を測定した結果を第9表に示す。
なお、粘度指数は100℃における動粘度が2mm2/s以上でないと適用できないが、参考のために計算値を記載した。
【0069】
実施例31
実施例26と同様に,2−メチレン−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン,及び2,3−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンを含有する2−ヒドロキシメチル−3−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタンの脱水反応生成物を2200g得た後,5L四つ口フラスコに入れ三弗化硼素ジエチルエーテル錯体45gと共に,10℃で攪拌しながら,5時間二量化反応を行った。
この反応混合物を希NaOH水溶液と飽和食塩水で洗浄した後,未反応オレフィンを留去して原料オレフィンの二量体反応混合物を得た。
このオレフィンの二量体1500gを,2Lオートクレーブに入れ,攪拌しながら300℃で7時間加熱した。
冷却後,水添用ニッケル/ケイソウ土触媒(日揮化学(株)製,N−113)30gを加えて,水素化を行った(水素圧 30kg/cm2,反応温度 250℃,反応時間 5時間)。
反応終了後,濾過により触媒を除き,濾液を減圧で精密蒸留することにより,沸点127〜130℃/68mmHG留分であるメチルシクロペンチルメチル−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン155gを得た。
性状およびトラクション係数を測定した結果を第9表に示す。
【0070】
比較例7
1リットルの四つ口フラスコに、溶媒兼原料のm−キシレン500ミリリットル、触媒として濃硫酸90gを仕込み0.5時間攪拌した。
次に、25℃でカンフェン200.6gとm−キシレン50ミリリットルの混合溶液を1時間攪拌しながら滴下した。
このときの反応液の温度は35℃になっていた。
20分間そのまま攪拌した後、分液ロートに反応液を移し、硫酸層を分離、除去した。
有機層を、10質量%炭酸水素ナトリウム水溶液300ミリリットルで2回、飽和食塩水200ミリリットルで2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。
一夜放置の後、乾燥剤を濾別し、ロータリーエバポレーターで溶媒及び未反応の原料を回収し、残りの反応液225gを得た。
次に、これを減圧蒸留し、沸点128〜134℃/2.67daPaの留分176gを得た。
ガスクロマトグラフィー−質量分析器(GC−MS)及び水素炎(FID)型ガスクロマトグラフィー(GC)により、このものはm−キシレンにカンフェンが付加した炭素数18の成分が99質量%以上であることがわかった。
この留分175gと水素化用5質量%ルテニウム/活性炭触媒(日本エンゲルハルド社製)18gを1リットルオートクレーブに仕込み、水素圧8.33MPa・G、反応温度160℃で7時間水素化を行った。
冷却後、触媒を濾別して分析したところ、水素化率は99%以上であった。
このものの性状及びトラクション係数を測定した結果を第9表に示す。
【0071】
比較例8
2リットルの四つ口フラスコに、ナフタレン263.8g、溶媒として四塩化炭素1,020g、触媒として濃硫酸101.7gを仕込み、アイスバスで4℃に保持して0.5時間攪拌した。
次に、カンフェン160.5gと四塩化炭素60.4gの混合溶液を4.5時間で滴下した。
このときの反応液の温度は8℃になっていた。この反応液を分液ロートに移し、硫酸層を分離、除去し、有機層を、10質量%炭酸水素ナトリウム水溶液300ミリリットルで2回、飽和食塩水200ミリリットルで2回洗浄した後、無水塩化カルシウムで乾燥させた。
一夜放置の後、乾燥剤を濾別し、ロータリーエバポレーターで溶媒及び未反応の原料を回収し、残りの反応液203gを得た。
次に、これを減圧蒸留し、沸点164〜182℃/2.67daPaの留分142gを得た。
GC−MS及びGC(FID)により、このものはナフタレンにカンフェンが付加した炭素数20の成分が99質量%以上であることがわかった。
この留分140gと水素化用5質量%ルテニウム/活性炭触媒(日本エンゲルハルド社製)15gを1リットルオートクレーブに仕込み、水素圧8.83MPa・G、反応温度165℃で6時間水素化を行った。
冷却後、触媒を濾別して分析したところ、水素化率は99%以上であった。
このものの性状及びトラクション係数を測定した結果を第9表に示す。第9表から、実施例は比較例と比較して、トラクション係数は殆ど同じにもかかわらず、低粘度で、特に低温流動性が優れていることがわかる。
【0072】
【表1】


【0073】
【表2】


【0074】
【表3】


【0075】
【表4】


【0076】
【表5】


【0077】
【表6】


【0078】
【表7】


【0079】
【表8】


【0080】
【表9】


【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明の第一発明によれば、自動車用CVTの実用上重要な高温トラクション係数が高く、かつ低温始動性において重要な低温における粘度が極めて低い自動車用のトラクションドライブ用流体を提供することができる。
これにより、北米・北欧などの寒冷地から炎天下の砂漠地帯まで、全世界でトラクションドライブ式CVTが自動車に適用可能になる。
また、本発明の第二発明のトラクションドライブ用流体は、粘度温度特性が改良され、低粘度化と合わせて低温流動性も改良されたものであり、高温トラクション係数を損なわずに低温流動性を改善する低粘度基材として、寒冷地から高温地帯まで、全世界でトラクションドライブ式CVT油として実用的に利用することができる。
【出願人】 【識別番号】000183646
【氏名又は名称】出光興産株式会社
【出願日】 平成20年6月24日(2008.6.24)
【代理人】 【識別番号】100078732
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 保

【識別番号】100081765
【弁理士】
【氏名又は名称】東平 正道


【公開番号】 特開2008−260951(P2008−260951A)
【公開日】 平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願番号】 特願2008−164391(P2008−164391)