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【発明の名称】 潤滑油組成物
【発明者】 【氏名】竹島 茂樹

【氏名】星野 耕治

【要約】 【課題】コーキング防止性に優れる潤滑油組成物、特にディーゼルエンジン等の内燃機関用潤滑油として好適な潤滑組成物を提供すること。

【解決手段】ガスクロ蒸留における400℃留出量が5〜30%、30%点が400〜440℃であり、NOACK蒸発量が20質量%以下である潤滑油組成物を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスクロ蒸留における400℃留出量が5〜30%、30%点が400〜440℃であり、NOACK蒸発量が20質量%以下である潤滑油組成物。
【請求項2】
NOACK蒸発量が10質量%以下の基油と、20質量%を超える基油を含有し、潤滑油組成物のNOACK蒸発量が20質量%以下であることを特徴とする潤滑油組成物。
【請求項3】
前記潤滑油組成物のガスクロ蒸留における400℃留出量が12〜25%、30%点が400〜440℃、80%点が500℃以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の潤滑油組成物。
【請求項4】
前記潤滑油組成物が、少なくとも金属系清浄剤、無灰分散剤、オレフィンコポリマー系粘度指数向上剤及びポリメタクリレート系流動点降下剤を、潤滑油組成物全量基準で、それぞれ0.1質量%以上、かつ合計量として5〜25質量%含有し、硫酸灰分量が0.1〜1.5質量%であることを特徴とする請求項1〜3に記載の潤滑油組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかの項に記載の潤滑油組成物を内燃機関に使用することを特徴とする内燃機関のコーキング抑制方法。
【請求項6】
潤滑油組成物のガスクロ蒸留における400℃留出量が5〜30%、30%点が400〜440℃、NOACK蒸発量が20質量%以下となるように、1種又は2種以上の潤滑油基油と、1種又は2種以上の潤滑油添加剤を配合してなることを特徴とする潤滑油組成物の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、潤滑油組成物に関し、詳しくは内燃機関、特にディーゼルエンジンに好適な潤滑油組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
環境問題を背景に世界各国の排出ガス規制は年々厳しくなってきており、特にディーゼルエンジンからの排ガスについては、NOxや粒子状物質(SPM)の低減が急務となっている。従来からこれらの排ガスを低減させるために、ディーゼルエンジンには、例えば、高圧噴射、排ガス再循環システム(EGR)、酸化触媒、ディーゼルパティキュレートフィルター(DPF)、あるいはNOx吸蔵還元触媒などの排ガス低減手段の導入が検討されている。排ガス低減手段の中で、特に排ガス後処理装置の酸化触媒、NOx吸蔵還元触媒、及びDPFについては使用する潤滑油の組成によってその寿命が早まることが知られている。例えば、摩耗防止剤、あるいは酸化防止剤(過酸化物分解剤)として有効なジアルキルジチオリン酸亜鉛(以下、ZnDTPという。)を含む潤滑油を用いた場合には、ZnDTP中の亜鉛分が燃焼過程において酸化物、或いはリン酸塩を形成し、触媒表面やフィルター内に堆積することで、これら排ガス後処理装置の浄化性能を損なう恐れがある。従って上記のような排ガス後処理装置を装着したエンジン用潤滑油にはZnDTPを添加しないか、使用してもその添加量を少量に抑えることが望ましい。また、金属系清浄剤や硫黄分についても硫酸塩や酸化物が灰分として堆積することにより上述した問題を生じやすい。高温清浄性を高めるために配合される金属系清浄剤を低減すると、高温清浄性やコーキング防止性が悪化するため、潤滑油基油や添加剤処方の最適化が必要となってくる。このような観点から、低灰型の内燃機関用潤滑油が検討されている(例えば特許文献1〜3参照)。
【0003】
また、ディーゼルエンジン用潤滑油は、ディーゼルエンジンの特性(高温燃焼、すす混入、高負荷等)からオイル消費量が多く、そのためオイル消費を抑制することが必要である。オイル消費を抑制するためには使用する潤滑油の蒸発性を低く抑える必要があり、例えば、NOACK値として、JASO(日本自動車規格会議) DH−2規格では18.0質量%以下、ACEA(ヨーロッパ自動車工業会) E6、E7規格では13質量%以下、API CI−4規格では15質量%と規定されている。従って、これらの規格に合致する潤滑油を処方するには、通常NOACK値が20質量%以下の低蒸発性の潤滑油基油が使用され、そのようなエンジン油としては、ピストン周辺部に生成するデポジットの抑制、耐摩耗性、蒸発特性に優れるものが知られている(特許文献4参照)。
【0004】
なお、これらの特許文献1〜4には、潤滑油基油として、蒸発性の低いSAE10〜30グレード相当あるいはそれ以上の重質基油が配合される。また、さらに蒸発性の低い基油としては、水素化分解基油やポリα−オレフィン系基油等の高性能基油が知られている。しかしながら、これらの文献には、潤滑油あるいは潤滑油基油の蒸留性状の最適化によるコーキング特性の改善やオイル消費の抑制に関する検討は一切なされていない。
【特許文献1】特開平7−102273号公報
【特許文献2】特開平9−111275号公報
【特許文献3】特開2000−256690号公報
【特許文献4】特開平10−147790号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、潤滑油あるいは潤滑油基油の蒸留性状に着目し、これを最適化することでコーキング防止性に優れる潤滑油組成物を提供することを課題とする。また、本発明は、従来内燃機関用に用いられなかった潤滑油を用いて内燃機関のコーキングを抑制する方法を提供することをも課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の蒸留性状を有するとともに、特定の蒸発特性を有する潤滑油組成物、あるいは特定の蒸留性状を有するとともに、特定の蒸発特性を有する2種類の基油を組み合わせて用いた潤滑油組成物を用いることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
本発明の潤滑油組成物は、内燃機関用潤滑油として、従来使用されていなかった蒸発性が高い基油を敢えて使用することでコーキング特性を改善でき、ピストンのトップランドのカーボン堆積を抑制することができることを見出した。そして、ピストンのトップランドのカーボン堆積を抑制することで、ピストン、ピストンリングあるいはシリンダーのスカッフィングを抑制できる結果、蒸発性が低くてもコーキング特性の悪いものを使用した場合よりもむしろオイル消費が低減されることを見出した。
【0008】
すなわち、本発明の潤滑油組成物は、
ガスクロ蒸留における400℃留出量が5〜30%、30%点が400〜440℃であり、NOACK蒸発量が20質量%以下である潤滑油組成物にある。
【0009】
また、本発明の潤滑油組成物は、NOACK蒸発量が10質量%以下の基油と、20質量%を超える基油を含有し、潤滑油組成物のNOACK蒸発量が20質量%以下であることを特徴とする潤滑油組成物にある。
【0010】
また、前記潤滑油組成物は、ガスクロ蒸留における400℃留出量が12〜25%、30%点が400〜440℃、80%点が500℃以下であることが好ましい。
【0011】
また、前記潤滑油組成物が、少なくとも金属系清浄剤、無灰分散剤、オレフィンコポリマー系粘度指数向上剤及びポリメタクリレート系流動点降下剤を、潤滑油組成物全量基準で、それぞれ0.1質量%以上、かつ合計量として5〜25質量%含有し、硫酸灰分量が0.1〜1.5質量%であることが好ましい。
【0012】
また、本発明は、上記各潤滑油組成物を内燃機関に使用することを特徴とする内燃機関のコーキング抑制方法にある。
【0013】
さらに本発明は、潤滑油組成物のガスクロ蒸留における400℃留出量が5〜30%、30%点が400〜440℃、NOACK蒸発量が20質量%以下となるように、1種又は2種以上の潤滑油基油と、1種又は2種以上の潤滑油添加剤を配合してなることを特徴とする潤滑油組成物の製造方法にある。
【発明の効果】
【0014】
本発明の潤滑油組成物は、内燃機関用潤滑油、特にディーゼルエンジン油として使用した場合、コーキング特性を改善でき、ピストンのトップランドのカーボン堆積を抑制することができる。その結果、ピストンのトップランドのカーボン堆積を抑制することで、ピストン、ピストンリングあるいはシリンダーのスカッフィングを抑制でき、蒸発性が低くてもコーキング特性の悪いものを使用した場合よりもむしろオイル消費の低減が期待される。本発明のこのような作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための最良の形態から明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明について詳述する。
【0016】
本発明の潤滑油組成物は、ガスクロ蒸留における400℃における留出量が5〜30%、30%点が400〜440℃であり、NOACK蒸発量が20質量%以下であり、蒸発特性に優れ、コーキング防止性を高めることができる。なお、この規定は、潤滑油基油に、各種添加剤を配合してなる潤滑油組成物の性状として規定するものである。
【0017】
ここに、「ガスクロ蒸留」とは、JIS K2254(1998)石油製品−蒸留試験方法 6.ガスクロマトグラフ法蒸留試験方法に基づいて行う測定をいう。また、「NOACK蒸発量」とは、ASTM D−5800に準拠して測定された蒸発量をいう。
【0018】
本発明の潤滑油組成物のガスクロ蒸留における400℃における留出量は5〜30%であり、好ましくは8〜25%、より好ましくは12〜20%、特に好ましくは14〜18%である。
【0019】
また、本発明の潤滑油組成物のガスクロ蒸留における30%点(30%留出点:以下において「T30」ということがある。)は400〜440℃であり、好ましくは405〜435℃、より好ましくは405〜430℃である。
【0020】
また、本発明の潤滑油組成物のガスクロ蒸留における10%点(10%留出点:以下において「T10」ということがある。)は特に制限はないが、好ましくは330〜420℃、より好ましくは350〜400℃、さらに好ましくは360〜395℃である。
【0021】
また、本発明の潤滑油組成物のガスクロ蒸留における50%点(50%留出点:以下において「T50」ということがある。)は特に制限はないが、好ましくは420〜480℃、より好ましくは425〜470℃、さらに好ましくは430〜460℃である。
【0022】
また、本発明の潤滑油組成物のガスクロ蒸留における80%点(80%留出点:T80)は特に制限はないが、好ましくは440〜530℃であり、より好ましくは450〜500℃、さらに好ましくは460〜495℃である。本発明の潤滑油組成物は、T80を特に500℃以下とすることが望ましい。
【0023】
また、本発明の潤滑油組成物のNOACK蒸発量は、20質量%以下であることが必要であり、好ましくは5〜18質量%、より好ましくは10〜16質量%、特に好ましくは11〜14質量%である。
【0024】
また、本発明の潤滑油組成物の100℃における動粘度は、好ましくは5〜25mm/s、より好ましくは8〜16.3mm/s、特に好ましくは9.3〜12.5mm/sである。
【0025】
また、本発明の潤滑油組成物の硫酸灰分量は、好ましくは0.1〜1.5質量%であり、より好ましくは0.4〜1.2質量%であり、特に好ましくは0.8〜1.2質量%である。硫酸灰分量を0.1質量%以上とすることでコーキング防止性や高温清浄性を高め、1.5質量%以下とすることで、コーキング防止性を高めるとともに、酸化触媒、NOx吸蔵還元触媒、及びDPF等の排ガス後処理装置への影響を緩和し、その性能を長期にわたり維持することができる。
【0026】
本発明の潤滑油組成物は、コーキング防止性をより高めるために、1種又は2種以上の潤滑油基油に、1種又は2種以上の各種潤滑油添加剤を配合してなる潤滑油組成物であり、少なくとも金属系清浄剤、無灰分散剤、粘度指数向上剤及び流動点降下剤を配合してなることが好ましく、粘度指数向上剤としては、オレフィンコポリマー系粘度指数向上剤、流動点降下剤としてはポリメタクリレート系流動点降下剤を用いることが望ましい。
【0027】
本発明の潤滑油組成物における潤滑油基油については特に制限はなく、通常の潤滑油に使用される鉱油系基油及び/又は合成系基油が使用できる。
【0028】
鉱油系基油としては、具体的には、原油を常圧蒸留して得られる常圧残油を減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、水素化精製等の処理を1つ以上行って精製したもの、あるいはワックス異性化鉱油、フィッシャートロプシュプロセス等により製造されるGTLWAX(ガストゥリキッドワックス)を異性化する手法で製造される潤滑油基油等が例示できる。
【0029】
合成系基油としては、具体的には、ポリブテン又はその水素化物;1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー等のポリα−オレフィン又はその水素化物;ジトリデシルグルタレート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート等のジエステル;トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール−2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールペラルゴネート等のポリオールエステル;マレイン酸ジブチル等のジカルボン酸類と炭素数2〜30のα−オレフィンとの共重合体;アルキルナフタレン、アルキルベンゼン、芳香族エステル等の芳香族系合成油又はこれらの混合物等が例示できる。
【0030】
本発明では、潤滑油組成物の上記規定を満たす限りにおいて、潤滑油基油として、鉱油系基油、合成系基油又はこれらの中から選ばれる2種以上の潤滑油の任意混合物等が使用できる。例えば、1種以上の鉱油系基油、1種以上の合成系基油、1種以上の鉱油系基油と1種以上の合成系基油との混合油等を挙げることができる。
【0031】
本発明における潤滑油基油としては、100℃における動粘度は、好ましくは4〜20mm/s、より好ましくは5〜9mm/sに調整してなることが望ましい。潤滑油基油の100℃での動粘度が20mm/sを超える場合は、低温粘度特性が悪化し、一方、その動粘度が4mm/s未満の場合は、潤滑箇所での油膜形成が不十分であるため潤滑性に劣り、また潤滑油基油の蒸発損失が大きくなるため、それぞれ好ましくない。潤滑油基油の粘度指数は特に制限はないが、低温から高温まで優れた粘度特性が得られるようにその値は好ましくは80以上であり、より好ましくは90以上であり、更に好ましくは95以上、特に好ましくは115以上である。粘度指数の上限については特に制限はなく、通常250以下である。
【0032】
また、本発明における潤滑油基油としては、NOACK蒸発量を好ましくは20質量%以下、より好ましくは5〜18質量%、さらに好ましくは10〜16質量%、さらに好ましくは11〜15質量%に調製してなることが望ましい。
【0033】
また、本発明における潤滑油基油の全芳香族分は、好ましくは0〜50質量%、より好ましくは3〜45質量%、さらに好ましくは6〜40質量%、さらに好ましくは9〜35質量%である。なお、上記全芳香族分とは、ASTM D2549に準拠して測定した芳香族留分(aromatic fraction)含有量を意味する。通常この芳香族留分には、アルキルベンゼン、アルキルナフタレンの他、アントラセン、フェナントレン、これらのアルキル化物、ベンゼン環が四環以上縮合した化合物、及びピリジン類、キノリン類、フェノール類、ナフトール類等のヘテロ芳香族を有する化合物等が含まれる。
【0034】
本発明の潤滑油基油の%Cは、好ましくは60以上、より好ましくは70以上であり、%Cは、好ましくは40以下、より好ましくは35以下であり、%Cは、好ましくは10以下、より好ましくは3以下である。%Cを高くし、%Cと%Cが小さいほど酸化安定性により優れ、コーキング防止性にも優れる組成物を得ることができる。なお、本発明でいう%C、%C及び%Cとは、それぞれASTM D3238−85に準拠した方法(n−d−M環分析)により求められる、パラフィン炭素数の全炭素数に対する百分率、ナフテン炭素数の全炭素数に対する百分率、及び芳香族炭素数の全炭素数に対する百分率を意味する。つまり、上述した%C、%C及び%Cの好ましい範囲は上記方法により求められる値に基づくものであり、例えばナフテン分を含まない潤滑油基油であっても、上記方法により求められる%Cが0を超える値を示すことがある。
【0035】
本発明において、好ましい潤滑油基油としては、より詳しくは以下の潤滑油基油を挙げることができ、潤滑油組成物の上記規定を満たす限りにおいて、下記(A1)及び(A2)の潤滑油基油から選ばれる1種又は2種以上を混合することができ、中でも、(A1)及び(A2)を併用することが好ましい。
(A1)NOACK蒸発量が20質量%を超える潤滑油基油
(A2)NOACK蒸発量が20質量%以下、好ましくは10質量%以下の潤滑油基油
【0036】
潤滑油基油(A1)としては、例えば下記(A1a)及び(A1b)から選ばれる1種又は2種以上の基油が挙げられる。
(A1a):NOACK蒸発量が20質量%を超え30質量%未満、好ましくは21〜25質量%の潤滑油基油
(A1b):NOACK蒸発量が30〜90質量%、好ましくは50〜85質量%の潤滑油基油
【0037】
また、潤滑油基油(A1)の100℃における動粘度は、好ましくは1〜5mm/s、より好ましくは1.5〜4.5mm/sであり、(A1a)の場合は、好ましくは3.5〜4.5mm/sであり、(A1b)の場合は、好ましくは1.8〜3.5mm/s、さらに好ましくは1.8〜2.8mm/sである。また、潤滑油基油(A1)の粘度指数は、好ましくは80以上、より好ましくは90以上であり、好ましくは150以下、より好ましくは120以下、さらに好ましくは105以下である。また、潤滑油基油(A1)の全芳香族分は、好ましくは0〜40質量%、好ましくは5〜30質量%、さらに好ましくは10〜25質量%、特に好ましくは15〜25質量%である。
【0038】
また、潤滑油基油(A1)のガスクロ蒸留における10%点(10%留出点:T10)は、好ましくは250〜400℃であり、(A1a)の場合は、好ましくは330〜390℃、より好ましくは350〜380℃であり、(A1b)の場合は、好ましくは250〜330℃、より好ましくは260〜310℃、さらに好ましくは270〜300℃である。また、潤滑油基油(A1)のガスクロ蒸留における50%点(50%留出点:T50)は、好ましくは300〜450℃であり、(A1a)の場合は、好ましくは360〜440℃、より好ましくは400〜430℃であり、(A1b)の場合は、好ましくは300〜360℃、より好ましくは310〜350℃、さらに好ましくは320〜340℃である。また、潤滑油基油(A1)のガスクロ蒸留における90%点(90%留出点:T90)は、好ましくは340〜480℃であり、(A1a)の場合は、好ましくは420〜470℃、より好ましくは440〜465℃であり、(A1b)の場合は、好ましくは340〜420℃、より好ましくは350〜400℃、さらに好ましくは360〜390℃である。また、潤滑油基油(A1)のT90−T10の値は、好ましくは50〜120℃、より好ましくは60〜100℃、さらに好ましくは70〜90℃である。
【0039】
潤滑油基油(A2)としては、例えば下記(A2a)及び(A2b)から選ばれる1種又は2種以上の基油が挙げられる。
(A2a):NOACK蒸発量が10質量%を超え20質量%以下、好ましくは12〜18質量%の潤滑油基油
(A2b):NOACK蒸発量が10質量%以下、好ましくは2〜9質量%、より好ましくは4〜7.5質量%の潤滑油基油
【0040】
また、潤滑油基油(A2)の100℃における動粘度は、好ましくは3.5〜50mm/sであり、(A2a)の場合は、より好ましくは3.8mm/s以上5.5mm/s未満、さらに好ましくは3.9〜4.5mm/sであり、(A2b)の場合は、より好ましくは5.5〜12mm/s、さらに好ましくは6〜8mm/sである。また、潤滑油基油(A2)の粘度指数は、好ましくは80以上、より好ましくは90以上、より好ましくは120以上であり、好ましくは150以下である。
【0041】
また、潤滑油基油(A2)のガスクロ蒸留における10%点(10%留出点:T10)は、好ましくは350〜500℃であり、(A2a)の場合は、好ましくは360〜410℃、より好ましくは370〜400℃であり、(A2b)の場合は、好ましくは380〜440℃、より好ましくは390〜430℃、さらに好ましくは400〜420℃である。また、潤滑油基油(A2)のガスクロ蒸留における50%点(50%留出点:T50)は、好ましくは400〜520℃であり、(A2a)の場合は、好ましくは400〜450℃、より好ましくは410〜440℃であり、(A2b)の場合は、好ましくは430〜500℃、より好ましくは440〜490℃、さらに好ましくは450〜485℃である。また、潤滑油基油(A2)のガスクロ蒸留における90%点(90%留出点:T90)は、好ましくは440〜550℃であり、(A2a)の場合は、好ましくは440〜490℃、より好ましくは450〜480℃であり、(A2b)の場合は、好ましくは460〜550℃、より好ましくは480〜540℃、さらに好ましくは500〜540℃である。また、潤滑油基油(A2)のT90−T10の値は、好ましくは50〜140℃、より好ましくは70〜130℃、さらに好ましくは90〜120℃、特に好ましくは105〜120℃である。
【0042】
さらに潤滑油基油(A2)の全芳香族分は、好ましくは0〜50質量%、好ましくは2〜45質量%、さらに好ましくは4〜40質量%である。
【0043】
本発明の潤滑油基油としては、潤滑油基油(A1)と潤滑油基油(A2)から選ばれる1種、又は2種以上を含有するものであるが、上述の(A1a)、(A1b)、(A2a)及び(A2b)から選ばれる2種以上を含有することが好ましく、少なくとも(A2b)を含有し、(A1a)及び/又は(A1b)を含有することがより好ましく、(A2a)及び(A2b)と、(A1a)及び/又は(A1b)とを含有することがさらに好ましく、(A2a)及び(A2b)と、(A1a)とを含有することがさらに好ましい。
【0044】
上記潤滑油基油(A1)と潤滑油基油(A2)を使用する場合、その混合割合は特に制限はないが、(A1)の混合割合は、潤滑油基油全量基準で、好ましくは2〜50質量%、好ましくは4〜30質量%であり、(A2)の混合割合は、潤滑油基油全量基準で、好ましくは50〜98質量%、より好ましくは30〜96質量%である。
【0045】
本発明の潤滑油組成物には、コーキング防止性をより高めるために、上述の潤滑油基油に加え、各種添加剤、潤滑油基油に、各種添加剤を配合してなり、少なくとも金属系清浄剤、無灰分散剤、粘度指数向上剤及び流動点降下剤を配合してなることが好ましく、粘度指数向上剤としては、オレフィンコポリマー系粘度指数向上剤、流動点降下剤としてはポリメタクリレート系流動点降下剤を用いることが望ましい。
【0046】
金属系清浄剤としては、特に制限はなく、公知のアルカリ金属又はアルカリ土類金属スルホネート系清浄剤、アルカリ金属又はアルカリ土類金属フェネート系清浄剤、アルカリ金属又はアルカリ土類金属サリシレート系清浄剤、アルカリ金属又はアルカリ土類金属ナフテネート系清浄剤、アルカリ金属又はアルカリ土類金属ホスホネート系清浄剤及びこれらの2種以上の混合物(コンプレックスタイプも含む。)等が挙げられる。これらの中では、アルカリ土類金属スルホネート系清浄剤、アルカリ土類金属フェネート系清浄剤及びアルカリ土類金属サリシレート系清浄剤から選ばれる1種又は2種以上の金属系清浄剤を使用することが好ましく、アルカリ土類金属スルホネート系清浄剤及びアルカリ土類金属フェネート系清浄剤からなる金属系清浄剤、アルカリ土類金属サリシレート系清浄剤からなる金属系清浄剤、アルカリ土類金属サリシレートと、アルカリ土類金属スルホネート系清浄剤及びアルカリ土類金属フェネート系清浄剤からなる金属系清浄剤を使用することが好ましい。本発明においては、コーキング防止性に特に優れる点で、少なくともアルカリ土類金属サリシレート系清浄剤を含有する金属系清浄剤が好ましく、アルカリ土類金属サリシレート系清浄剤からなる金属系清浄剤が特に好ましい。
【0047】
ここでいうアルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム等が挙げられ、アルカリ土類金属としては、カルシウム、マグネシウム、バリウム等が挙げられ、アルカリ土類金属であることが好ましく、カルシウム又はマグネシウムであることが特に好ましい。なお、これら金属系清浄剤の全塩基価及び添加量は要求される潤滑油の性能に応じて任意に選択することができる。
【0048】
なお、上記金属系清浄剤には、中性の金属系清浄剤だけでなく、(過)塩基性金属系清浄剤も含まれるが、本発明においては、炭酸カルシウム及び/又はホウ酸カルシウムを有する(過)塩基性金属系清浄剤であることが好ましい。
【0049】
金属系清浄剤の塩基価は、特に制限はないが、通常0〜500mgKOH/gであることが好ましく、より好ましくは150〜450mgKOH/g、特に好ましくは200〜400mgKOH/gである。なお、ここでいう塩基価とは、JIS K2501「石油
製品及び潤滑油−中和価試験法」の7.に準拠して測定される過塩素酸法による塩基価を意味する(以下同じ)。
【0050】
本発明において、金属系清浄剤の含有量は特に制限はないが、組成物全量基準で、通常、0.1質量%以上であり、好ましくは1〜10質量%であるが、本発明においては、排ガス後処理装置への影響を緩和し、コーキング防止性にも優れる点とのバランスから、硫酸灰分量が0.1〜1.5質量%、好ましくは0.4〜1.2質量%、さらに好ましくは0.9〜1.2質量%となるように調製することが望ましい。
【0051】
本発明の潤滑油組成物には、潤滑油に用いられる任意の無灰分散剤を用いることができるが、例えば、炭素数40〜400の直鎖若しくは分枝状のアルキル基又はアルケニル基を分子中に少なくとも1個有する含窒素化合物又はその誘導体が挙げられる。ここでいう含窒素化合物としては、例えば、コハク酸イミド、ベンジルアミン、ポリアミン、マンニッヒ塩基等が挙げられ、その誘導体としては、これら含窒素化合物にホウ酸、ホウ酸塩等のホウ素化合物、(チオ)リン酸、(チオ)リン酸塩等のリン化合物、有機酸、ヒドロキシ(ポリ)オキシアルキレンカーボネート等を作用させた誘導体等が挙げられる。本発明においては、これらの中から任意に選ばれる1種類あるいは2種類以上を配合することができる。
【0052】
このアルキル基又はアルケニル基の炭素数は40〜400、好ましくは60〜350である。アルキル基又はアルケニル基の炭素数が40未満の場合は化合物の潤滑油基油に対する溶解性が低下し、一方、アルキル基又はアルケニル基の炭素数が400を超える場合は、潤滑油組成物の低温流動性が悪化するため、それぞれ好ましくない。このアルキル基又はアルケニル基は、直鎖状でも分枝状でもよいが、好ましいものとしては、具体的には、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン等のオレフィンのオリゴマーやエチレンとプロピレンのコオリゴマーから誘導される分枝状アルキル基や分枝状アルケニル基等が挙げられる。
【0053】
本発明において、無灰分散剤を配合する場合の含有量は、特に制限はないが、通常組成物全量基準で0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜4質量%、さらに好ましくは1〜3質量%である。無灰分散剤の含有量が上記未満の場合硫酸中和速度が十分でない傾向にあり、また、上記範囲を超える場合、含有量に見合う効果が得られないばかりか、ピストンリング溝の清浄性が悪化する傾向にある。
【0054】
なお、本発明における無灰分散剤としては、高温清浄性の点からモノタイプ及び/又はビスタイプのコハク酸イミド系無灰分散剤、特にビスタイプのコハク酸イミド系無灰分散剤が好ましく、また、コハク酸イミド系無灰分散剤としては、ホウ素を含有していても、含有していなくても良いが、耐焼付き性の点でホウ素を含有しているものであることが好ましく、スラッジ分散性、高温清浄性能の維持性及び経済性に優れる点で、ホウ素を含有しない無灰分散剤を使用することがより好ましい。
【0055】
粘度指数向上剤としては、ポリメタクリレート系粘度指数向上剤、オレフィンコポリマー系粘度指数向上剤、スチレン−ジエン共重合体系粘度指数向上剤、スチレン−無水マレイン酸エステル共重合体系粘度指数向上剤又はポリアルキルスチレン系粘度指数向上剤等が挙げられる。これら粘度指数向上剤の重量平均分子量は、通常800〜1,000,000、好ましくは100,000〜900,000である。また、これら粘度指数向上剤のPSSIは、特に制限はないが、好ましくは1〜60、より好ましくは10〜40、さらに好ましくは20〜30である。ここで、PSSI(永久せん断安定性指数:Permanent Shear Stability Index)とは、せん断安定性試験(ASTM D6278)試験前後の100℃における動粘度、基油の100℃における動粘度を用い、以下の計算式により算出される指数を意味する。
【0056】
PSSI(%)=
{1−(せん断後の動粘度−基油の動粘度)/(せん断前の動粘度−基油の動粘度)}×100
これらの中では、コーキング防止性に優れることからオレフィンコポリマー系粘度指数向上剤、中でもエチレン−プロピレン共重合体系粘度指数向上剤を使用することが望ましい。また、粘度指数向上剤の含有量は、組成物全量基準で通常0.1〜20質量%である。
【0057】
流動点降下剤としては、各種の公知の流動点降下剤を使用することができるが、本発明においては、ポリメタクリレート系流動点降下剤を使用することが望ましい。流動点降下剤の含有量は、組成物全量基準で、通常0.1〜1質量%である。
【0058】
本発明の潤滑油組成物は、上記金属系清浄剤、無灰分散剤、粘度指数向上剤及び流動点降下剤を組成物全量基準で、それぞれ0.1質量%以上含有し、その合計量として好ましくは5〜25質量%、より好ましくは10〜20質量%含有することが望ましい。
【0059】
また、本発明の潤滑油組成物には、上記以外の各種添加剤配合することが可能である。配合可能な各種添加剤としては、例えば摩耗防止剤(又は極圧剤)、摩擦調整剤、酸化防止剤、腐食防止剤、抗乳化剤、金属不活性化剤、消泡剤、着色剤等の公知の添加剤が挙げられる。
【0060】
摩耗防止剤(又は極圧剤)としては、潤滑油に用いられる任意の摩耗防止剤が使用できる。例えば、硫黄系、リン系、硫黄−リン系の極圧剤等が使用でき、具体的には、亜リン酸エステル類、チオ亜リン酸エステル類、ジチオ亜リン酸エステル類、トリチオ亜リン酸エステル類、リン酸エステル類、チオリン酸エステル類、ジチオリン酸エステル類、トリチオリン酸エステル類、これらのアミン塩、これらの金属塩、これらの誘導体、ジチオカーバメート、ジサルファイド類、ポリサルファイド類、硫化オレフィン類、硫化油脂類等が挙げられる。
【0061】
本発明の潤滑油組成物において、これらの摩耗防止剤(又は極圧剤)を使用する場合、その含有量は、特に制限はないが、組成物全量基準で、通常0.01〜5質量%である。
【0062】
摩擦調整剤としては、脂肪酸エステル系、脂肪族アミン系、脂肪酸アミド系等の無灰摩擦調整剤、モリブデンジチオカーバメート、モリブデンジチオホスフェート等の金属系摩擦調整剤等が挙げられる。これらの含有量は、組成物全量基準で、通常0.01〜5質量%である。
【0063】
酸化防止剤としては、フェノール系、アミン系等の無灰酸化防止剤等あるいは金属系酸化防止剤が挙げられる。これらの中では高温清浄性能の維持性の点でアミン系酸化防止剤が好ましい。これらの含有量は、組成物全量基準で、通常0.1〜5質量%、好ましくは0.5〜2質量%である。
【0064】
腐食防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、トリルトリアゾール系、チアジアゾール系、又はイミダゾール系化合物等が挙げられる。
【0065】
防錆剤としては、例えば、石油スルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、ジノニルナフタレンスルホネート、アルケニルコハク酸エステル、又は多価アルコールエステル等が挙げられる。
【0066】
抗乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、又はポリオキシエチレンアルキルナフチルエーテル等のポリアルキレングリコール系非イオン系界面活性剤等が挙げられる。
【0067】
金属不活性化剤としては、例えば、イミダゾリン、ピリミジン誘導体、アルキルチアジアゾール、メルカプトベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール又はその誘導体、1,3,4−チアジアゾールポリスルフィド、1,3,4−チアジアゾリル−2,5−ビスジアルキルジチオカーバメート、2−(アルキルジチオ)ベンゾイミダゾール、又はβ−(o−カルボキシベンジルチオ)プロピオンニトリル等が挙げられる。
【0068】
消泡剤としては、例えば、シリコーンオイル、アルケニルコハク酸誘導体、ポリヒドロキシ脂肪族アルコールと長鎖脂肪酸のエステル、メチルサリシレートとo−ヒドロキシベンジルアルコール、アルミニウムステアレート、オレイン酸カリウム、N−ジアルキル−アリルアミンニトロアミノアルカノール、イソアミルオクチルホスフェートの芳香族アミン塩、アルキルアルキレンジホスフェート、チオエーテルの金属誘導体、ジスルフィドの金属誘導体、脂肪族炭化水素のフッ素化合物、トリエチルシラン、ジクロロシラン、アルキルフェニルポリエチレングリコールエーテルスルフィド、フルオロアルキルエーテル等が挙げられる。
【0069】
これらの添加剤を本発明の潤滑油組成物に含有させる場合には、その含有量は組成物全量基準で、腐食防止剤、防錆剤、抗乳化剤ではそれぞれ通常0.005〜5質量%、金属不活性化剤では通常0.005〜1質量%、消泡剤では通常0.0005〜1質量%の範囲から選ばれる。
【実施例】
【0070】
以下、本発明の内容を実施例及び比較例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0071】
(実施例1〜3、比較例1〜5)
表2に示す基油を用い、表1に示す組成の本発明の潤滑油組成物(実施例1〜3)及び比較用の潤滑油組成物(比較例1〜4)をそれぞれ調製した。得られた組成物及び市販のCD級ディーゼルエンジン油(比較例5)について、100℃における動粘度、ガスクロ蒸留における400℃留出量、10%点、30%点、50%点、80%点、及びNOACK蒸発量を測定した。なお、実施例1〜3及び比較例1〜4については、潤滑油添加剤としては、DIパッケージ添加剤として、JASO DH−2級性能添加剤(金属系清浄剤、ジチオリン酸亜鉛、無灰分散剤、酸化防止剤等を含む)を組成物の硫酸灰分が0.9〜1.1質量%となるように配合し、併せて粘度指数向上剤及び流動点降下剤を配合した。比較例5の組成物はCD級ディーゼルエンジン油添加剤が配合されたものであり、組成物中の硫酸灰分は1.6質量%であった。
【0072】
これらの組成物について、以下に示すパネルコーキング試験と一部の組成物についてエンジン試験を行った。得られた結果を表1に併記した。
【0073】
(パネルコーキング試験)
メイテック社製四連式装置(25B19−4型)を用い、日本テストパネル工業(株)製テストピース(アルミムウム版サンドブラスト仕上げ、3.4¢,6.1×37.1×87.6mm)を用い、パネル温度330℃、油温100℃で、スプラッシュ時間5秒、停止時間55秒のサイクルで3時間試験した。試験終了後、パネルを石油エーテルで洗浄、脱油し、乾燥後、付着したコーキング物を評価した。コーキング評点は、パネル表面を4×2の8区分に分け、各区分において、全く付着物も着色もない状態を0、真っ黒な付着物が区分全体に付着している状態を10として、その合計を評価した(最良=0点、最悪=80点)。本発明においては、コーキング評点が60点未満の場合、コーキング防止性に優れていると判断され、50点以下の場合は、コーキング防止性が大幅に優れていることを意味する。
【0074】
(エンジン試験)
実施例3、比較例2、4及び5の組成物について、JASO M 354に準拠して、ディーゼルエンジン試験を行った。本試験は20時間毎にオイル消費量を測定し、その都度消費された量のオイルを補給して運転を160時間継続するものであり、試験終了後(160時間後)のピストンのトップランド評点(清浄=10)と、160時間までのオイル消費量の総量(g)を評価した。
【0075】
【表1】


【0076】
【表2】


【0077】
表1の結果から明らかなとおり、本発明における実施例1〜3の潤滑油組成物は、パネルコーキング評点が60点未満であり、コーキング防止性に優れている。特に潤滑油基油として上記(A1b)と(A2b)とを併用した実施例2の潤滑油組成物や、上記(A1a)、(A2a)及び(A2b)を併用した実施例3の潤滑油組成物では、特に優れたコーキング防止性を示す。なお、実施例3の潤滑油組成物は、NOACK蒸発量が比較例2、4及び5の潤滑油組成物に比べ高くオイル消費量が多くなると予想されるところ、エンジン試験の結果では、予想に反してオイル消費量が少なく、また、ピストンのトップランド評点が優れていた。この結果から、ピストンのトップランドのカーボン堆積を抑制することで、ピストン、ピストンリングあるいはシリンダーのスカッフィングを抑制でき、その結果としてオイル消費を抑制できるものと推定される。
【0078】
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う潤滑油組成物もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
【出願人】 【識別番号】000004444
【氏名又は名称】新日本石油株式会社
【出願日】 平成19年3月30日(2007.3.30)
【代理人】 【識別番号】100108800
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 哲郎

【識別番号】100101203
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 昭彦

【識別番号】100104499
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 達人


【公開番号】 特開2008−248139(P2008−248139A)
【公開日】 平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願番号】 特願2007−92710(P2007−92710)