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【発明の名称】 潤滑油添加剤および潤滑油組成物
【発明者】 【氏名】由岐 剛

【要約】 【課題】せん断安定性と粘度指数向上能および耐摩耗性に優れた潤滑油添加剤を提供する。

【解決手段】一般式(1)で示される化合物(a)の存在下で炭素数1〜36のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(b)を必須単量体として重合してなる共重合体(A)を含む潤滑油添加剤。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)で示される化合物(a)の存在下で炭素数1〜36のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(b)を必須単量体として重合してなる共重合体(A)を含む潤滑油添加剤。
【化1】


[式中、Xは酸素原子または硫黄原子;Zは−SH以外の極性基;Qは化合物(a)からm個のHS−(C=X)k−およびn個のZを除いたm+n価の有機残基;kは0または1、mは1〜3、nは1〜100の整数を表し、n個のZは同一でも異なっていてもよい。]
【請求項2】
一般式(1)におけるZが1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、アミド基、水酸基およびカルボキシル基からなる群から選ばれる1種以上の極性基である請求項1記載の潤滑油添加剤。
【請求項3】
一般式(1)におけるkが0、mが1およびnが1もしくは2である請求項1または2記載の潤滑油添加剤。
【請求項4】
全単量体の重量に基づく前記化合物(a)の重量が0.1〜20重量%である請求項1〜3のいずれか記載の潤滑油添加剤。
【請求項5】
前記共重合体(A)の重量平均分子量が3,000〜500,000である請求項1〜4のいずれか記載の潤滑油添加剤。
【請求項6】
前記共重合体(A)が、構成単量体として、(A)の重量に基づいて、0〜60重量%の炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(b1)、5〜100重量%の炭素数8〜17のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートおよび炭素数18〜24の直鎖アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1種以上の単量体(b2)並びに0〜85重量%の炭素数18〜36の分岐アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートから選ばれる1種以上の単量体(b3)を含む共重合体である請求項1〜5のいずれか記載の潤滑油添加剤。
【請求項7】
前記共重合体(A)が油溶性である請求項1〜6のいずれか記載の潤滑油添加剤。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか記載の潤滑油添加剤および基油を含有し、基油が2〜10mm2/sの100℃での動粘度と160℃以上の引火点を有し、潤滑油組成物の重量に基づいて前記共重合体(A)を0.1〜30重量%含むことを特徴とする潤滑油組成物。
【請求項9】
さらに、下記一般式(2)〜(5)のいずれかで示される有機燐化合物(P)の1種以上を含有する請求項8記載の潤滑油組成物。
O=P(OR4a(OH)3-a (2)
O=P(OR5b(OH)3-b・NHc63-c (3)
P(OR7a(OH)3-a (4)
P(OR8b(OH)3-b・NHc93-c (5)
[式中、aは1〜3の整数;bおよびcは各々1または2の整数;R4〜R9は各々炭素数4〜24のアルキル基、アルケニル基、アリール基またはアルキル置換アリール基であり、R4〜R9は同一でも相異なったものでもよい。]
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、潤滑油添加剤および潤滑油組成物に関する。詳しくは、特定の化合物の存在下でアルキル(メタ)アクリレートを必須単量体として重合してなる共重合体を含む潤滑油添加剤およびそれを含む潤滑油組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境保護の気運が高まり、自動車の省燃費性がより一層要求されてきている。そのために、潤滑油に求められる性能もより高度なものとなっている。特に潤滑油の低粘度化は省燃費の有効な手段であり、潤滑油添加剤には粘度指数向上能やせん断安定性が求められていた。このような潤滑油添加剤として、ポリアルキルメタクリレート系粘度指数向上剤(特許文献−1〜4)が知られている。
【特許文献−1】特開平7−48421号公報
【特許文献−2】特開平7−70247号公報
【特許文献−3】特開平7−509023号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、潤滑油を低粘度化すると耐摩耗性や耐疲労性にも問題があるため、粘度指数向上能や、せん断安定性だけでなく、摩耗や疲労も改善する潤滑油添加剤を得ることが課題であった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、鋭意検討した結果、粘度指数およびせん断安定性に優れかつ耐摩耗性にも優れた潤滑油添加剤を見いだし、本発明に到達した。
すなわち本発明は、一般式(1)で示される化合物(a)の存在下で炭素数1〜36のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(b)を必須単量体として重合してなる共重合体(A)を含む潤滑油添加剤および該添加剤を含む潤滑油組成物である。
【化2】


式中、Xは酸素原子または硫黄原子;Zは−SH以外の極性基;Qは化合物(a)からm個のHS−(C=X)k−およびn個のZを除いたm+n価の有機残基;kは0または1、mは1〜3、nは1〜100の整数を表し、n個のZは同一でも異なっていてもよい。
【発明の効果】
【0005】
本発明の粘度指数向上剤は、せん断安定性と粘度指数向上能および耐摩耗性に優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の潤滑油添加剤は共重合体(A)を含有し、(A)は一般式(1)で示される化合物(a)の存在下で(b)を必須単量体として重合して得られる共重合体である。
一般式(1)における[HS−(C=X)k−]mは、ラジカル重合における連鎖移動作用を有する基であって、kは0または1であって、kが0の場合はメルカプト基、kが1でXが酸素原子の場合はチオカルボン酸基、kが1でXが硫黄原子の場合はジチオカルボン酸基である。
mは1〜3の整数であって、好ましくは1である。
一般式(1)におけるZは、−SH以外の極性基であって、例えば1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、第4級アンモニウム塩基、アミド基、ニトロ基、ニトリル基、ウレタン基およびウレア基などの窒素原子含有極性基、硼酸エステル基などの硼素原子含有極性基、硫酸エステル基およびスルホン酸基などの硫黄原子含有極性基、リン酸エステル基およびホスホン酸エステル基などのリン原子含有極性基、水酸基、アルデヒド基並びにカルボキシル基などが挙げられる。
Zのうち好ましいのは、得られる重合体(A)の金属表面への吸着のし易さの観点から、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、アミド基、水酸基およびカルボキシル基である。
nは1〜100の整数であって、好ましくは1〜6、さらに好ましくは1または2である。nが2〜100の場合の複数のZは同一であっても異なっていてもよい。
一般式(1)におけるQは化合物(a)からm個のHS−(C=X)k−およびn個のZを除いたm+n価の有機残基である。
m+nは2〜103、好ましくは2〜8、さらに好ましくは2または3である。
Qとしては、m+n価の炭化水素基並びにエーテル基、エステル基および/またはアミド基などの官能基を介在したm+n価の炭化水素基が挙げられる。
【0007】
炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基および芳香族炭化水素基などが挙げられる。
2価の脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜24のアルキレン基およびアルケニレン基などが挙げられ、アルキレン基としてはエチレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、1,2−ブチレン基、1,4−ブチレン基、1,2−ヘキシレン基、1,2−ドデシレン基および1,2−オクタデシレン基などが挙げられる。
2価の芳香族炭化水素基としては、フェニレン基、アルキルフェニレン基およびフェニルアルキレン基などが挙げられる。
アルキルフェニレン基としては、メチルフェニレン基、エチルフェニレン基およびノニルフェニレン基などの炭素数1〜12のアルキル基を有するものが挙げられ、フェニルアルキレン基としては、メチレンフェニル基、エチレンフェニル基およびブチレンフェニル基などが挙げられる。
3価の脂肪族炭化水素基としては、炭素数2〜24の1,1,2−エタントリイル基、1,2,3−プロパントリイル基、1,2,12−ドデカントリイル基および1,2,3,4−ブタンテトライル基などが挙げられる。
【0008】
一般式(1)における有機残基Qを与える化合物としては、以下の(Q1)〜(Q5)の化合物などが挙げられる。
(Q1)2〜100価の多価アルコール;
2価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−もしくは1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールおよび環状基を有する炭素数5〜10のジオールなど);
3価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンおよびヘキサントリオールなど)、4〜6価アルコール{ペンタエリスリトール、メチルグリコシド、ジグリセリン、ペンチトール(アドニトール、アラビトールおよびキシリトールなど)、ヘキシトール(ソルビトール、マンニトール、イジトール、タリトールおよびズルシトールなど)、ショ糖、単糖類(グルコース、マンノース、フラクトースおよびソルボースなど)、少糖類(クレハロース、ラクトースおよびラフィノースなど)、グルコシド(グリコール、グリセリン、トリメチロールプロパンおよびヘキサントリオールなどのアルカンポリオールのグルコシドなど)、ポリアルカンポリオール(トリグリセリンおよびテトラグリセリンなどのポリグリセリン)、ポリペンタエリスリトール(ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトールなど)並びにシクロアルカンポリオール(テトラキス−ヒドロキシメチル−シクロヘキサノールなど)が挙げられる。また、重合度100までのポリビニルアルコールをあげることができる。
【0009】
(Q2)2〜100価のアミノ基含有アルコール;
ジ−もしくはトリエタノールアミンなどが挙げられる。
(Q3)ポリアミン;
炭素数2〜6のアルキレンジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミンおよびヘキサメチレンジアミンなど)、ポリアルキレンポリアミン(ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンおよびテトラエチレンペンタミンなど)、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジアミノトルエン、キシリレンジアミン、メチレンジアニリンおよびジフェニルエーテルジアミンなど)、脂環式ジアミン(イソホロンジアミン、シクロヘキシレンジアミンおよびジシクロヘキシルメタンジアミンなど)、複素環式ジアミン(アミノエチルピペラジンなど)並びにこれらのアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
(Q4)多価フェノール;
単環多価フェノール(ピロガロール、ハイドロキノンおよびフロログルシンなど)、ビスフェノール類(ビスフェノールAおよびビスフェノールSなど)、フェノールとホルムアルデヒドとの縮合物(ノボラック)並びにポリフェノールなどが挙げられる。
(Q5)多価カルボン酸;
2価カルボン酸および3価以上のカルボン酸が挙げられる。
2価カルボン酸としては、炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、アゼライン酸、メサコン酸、シトラコン酸およびグルタコン酸など)、炭素数8〜20の脂環式ジカルボン酸(シクロヘキサンジカルボン酸およびメチルメジック酸など)、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トルエンジカルボン酸およびナフタレンジカルボン酸など)並びに側鎖に炭素数4〜35の炭化水素基を有するアルキルもしくはアルケニルコハク酸(イソドデセニルコハク酸およびn−ドデセニルコハク酸など)が挙げられる。3価以上のカルボン酸としては、炭素数7〜20の脂肪族ポリカルボン酸[1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタンおよび1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸など]、炭素数9〜20の脂環式ポリカルボン酸(1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸など)並びに炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸およびベンゾフェノンテトラカルボン酸など)などがあげられる。さらに重合度100までの不飽和多価カルボン酸の重合物があげられる。
【0010】
化合物(a)の具体例としては以下の(a1)〜(a5)などが挙げられる。
(a1)k=0であってm+n=2:
(a1−1)Zが1級アミノ基:
1級アミノアルキルチオール(2−アミノエタンチオール、3−アミノプロパンチオールおよび4−アミノブタンチオールなど)並びに1級アミノチオフェノール(2−アミノチオフェノール、3−アミノチオフェノールおよび4−アミノチオフェノールなど);
(a1−2)Zが2級アミノ基:
2級アミノアルキルチオール(2−メチルアミノエタンチオール、3−メチルアミノプロパンチオールおよび4−エチルアミノブタンチオールなど)並びに2級アミノチオフェノール(2−メチルアミノチオフェノール、3−メチルアミノチオフェノールおよび4−エチルアミノチオフェノールなど);
(a1−3)Zが3級アミノ基:
3級アミノアルキルチオール(2−ジメチルアミノエタンチオール、3−ジメチルアミノプロパンチオールおよび4−ジエチルアミノブタンチオールなど)並びに3級アミノチオフェノール(2−ジメチルアミノチオフェノール、3−ジメチルアミノチオフェノールおよび4−ジエチルアミノチオフェノールなど);
(a1−4)Zがアミド基:
2−メルカプトプロピオンアミドおよび3−メルカプトプロピオンアミドなど;
(a1−5)Zが水酸基:
ヒドロキシアルキルチオール(2−ヒドロキシエタンチオール、2−ヒドロキシプロパンチオールおよび3−ヒドロキシプロパンチオールなど)並びにヒドロキシアルキルチオフェノール(p−ヒドロキシメチルチオフェノールなどのヒドロキシアルキルチオフェノール);
(a1−6)Zがカルボキシル基:
脂肪族メルカプトカルボン酸(メルカプト酢酸およびメルカプトプロピオン酸など)並びに芳香族メルカプトカルボン酸(メルカプト安息香酸など);
(a1−7)Zが硼酸エステル基:
3−メルカプトフェニルボロン酸および4−メルカプトフェニルボロン酸などが挙げられる。
【0011】
(a2)k=0であってm+n=3〜6または7〜103:
(a2−1)Zが1級、2級もしくは3級アミノ基:
エチレンジアミンもしくはポリエチレンポリアミンのアルキレンオキサイド付加物の水酸基を−SHに変換したものおよびポリエチレンポリアミンのアルキレンスルフィド付加物など;
(a2−2)Zが水酸基:
3〜6価の多価アルコールの水酸基のうちの1〜2個が−SHに変換された化合物[2,3−ジヒドロキシプロパンチオール、2,2’−ジメチロールブタンチオール、2,2’,2’’−トリメチロールエタンチオール、ジ(3−メルカプト−1,2−ジヒドロキシプロピル)エーテルおよびポリグリセリンの1個以上の水酸基を−SHに変換したものなど];
(a2−3)Zがカルボキシル基:
チオリンゴ酸(1,2−ジカルボキシルエタンチオール)および1,2,3−トリカルボキシルプロパンチオールなど;
が挙げられる。
【0012】
(a3)k=1であってXが酸素原子:
β−ヒドロキシチオプロピオン酸など、
(a4)k=1であってXが硫黄原子:
β−ヒドロキシジチオプロピオン酸など、
が挙げられる。
(a)のうちで好ましいものは、耐摩耗性の観点から(a1−1)、(a1−5)、(a2−1)、(a2−2)および(a2−3)であり、さらに好ましいものは、(a1−1)、(a2−2)および(a2−3)、特に好ましいものは、(a−1)である。
【0013】
化合物(a)の製造方法としては以下の方法が例示できる。
【0014】
一般式(1)における有機残基Qを与える化合物の水酸基を−SHに変換する方法としては、
(i)水酸基を、酸もしくは塩基触媒を用いて硫化水素を反応させる方法、
(ii)酸性条件下でチオ尿素と反応させ、アルカリ性で加水分解する方法、
(iii)水酸基をハロゲン化(5塩化リン、塩化チオニルなどのハロゲン化剤を使用)した後、水硫化ナトリウムもしくは水硫化カリウムと反応させる方法、
(vi)同様にハロゲン化した後、ジチオカルバミン酸ナトリウムを反応させ、生成したジチオカルバミン酸エステルを塩基性で加水分解する方法、
(v)同様にハロゲン化した後Grignard試薬とし、硫黄と反応させる方法、などが挙げられる。
【0015】
一般式(1)における有機残基Qを与える化合物のカルボキシル基を−SHに変換する方法としては、カルボキシル基を還元剤(リチウムアルミニウムハイドライド)などで水酸基に還元した後、上記と同様に−SHに変換方法が挙げられる。
【0016】
本発明における(A)を構成する全単量体の重量に基づく(a)の使用量は、耐摩耗性の観点から好ましくは0.1〜20%、さらに好ましくは0.2〜10%、特に好ましくは0.5〜2%である。
上記および以下において特に規定しない限り、%は重量%を表す。
化合物(a)の存在下に得られる共重合体(A)が粘度指数およびせん断安定性に優れているだけでなく耐摩耗性にも優れている理由は、(a)が高い連鎖移動作用を有する[HS−(C=X)k−]m基を有するために、共重合体(A)の末端に(a)が導入されやすく、その結果、末端基として極性基−(Z)nが存在する共重合体となり、これらの極性基が金属表面への高い吸着作用を有するため金属表面に共重合体が吸着配向した状態になりやすいことに依るものと推定される。
【0017】
(A)の必須構成単量体である(b)としては、直鎖もしくは分岐の炭素数1〜36のアルキル基を有する(メタ)アクリレートであれば特に限定されない。
(b)のうち粘度指数効果の観点から好ましいのは、炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(b1)、炭素数8〜17のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートおよび炭素数18〜24の直鎖アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1種以上の単量体(b2)、炭素数18〜36の分岐アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートから選ばれる1種以上の単量体(b3)である。
【0018】
(b1)には、メチル、エチル、n−もしくはイソ−プロピルおよびn−、イソ−、sec−もしくはtert−ブチル(メタ)アクリレートが含まれる。
(b1)のうちで好ましいものは、粘度指数の観点から、メチル(メタ)アクリリレート、特にメチルメタクリレートである。
【0019】
(b2)には、炭素数8〜17の直鎖もしくは分岐アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(b21)および炭素数18〜24の直鎖アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(b22)が含まれる。
【0020】
(b21)には、直鎖C8-17(炭素数8−17を表す場合C8-17と表し、以下において同様の表現を用いる)アルキル(メタ)アクリレート(b211)および分岐C8-17アルキル(メタ)アクリレート(b212)が含まれる。
(b211)としては、例えばn−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシルもしくはn−オクタデシルメタクリレートおよびn−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−トリデシルもしくはn−ペンタデシルメタクリレートなどが挙げられ、さらにこれらに対応するアクリレート、例えばn−ドデシルアクリレートなどおよびチーグラーアルコールの(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(b212)としては、例えばイソオクチル、2−エチルヘキシル、イソノニル、イソデシル、イソドデシル、2−メチルウンデシル、イソトリデシル、2−メチルドデシル、イソテトラデシル、2−メチルトリデシル、イソペンタデシルもしくは2−メチルテトラデシル(メタ)アクリレートが挙げられる。
(b21)としてはさらに、直鎖C8-17アルコールおよび分岐C8-17アルコールの混合物の(メタ)アクリレート(b213)が挙げられる。
(b211)と(b212)の混合物としては、例えばオキソアルコールの(メタ)アクリレートが挙げられ、オキソアルコールとしては、「ネオドール23」および「ネオドール45」(シェル化学株式会社製)並びに「オキソコール1213」および「オキソコール1415」(日産化学株式会社製)などが挙げられる。
(b21)のうちで好ましいのは、粘度指数および低温粘度の観点から、C12-17(さらにC12-15)アルキル(メタ)アクリレート、特に直鎖C12-17(さらにC12-15)アルキル(メタ)アクリレートである。
【0021】
(b22)には、直鎖C18-24アルキル(メタ)アクリレート、例えばn−オクタデシル(メタ)アクリレート、n−ノナデシル(メタ)アクリレート、n−エイコシルメタクリレート、n−エイコシルアクリレート、n−ドコシル(メタ)アクリレートおよびn−テトラコシル(メタ)アクリレートが含まれる。(b22)のうち、粘度指数および低温粘度の観点から好ましいのはn−オクタデシル(メタ)アクリレートである。
【0022】
(b3)のアルキル基として、以下の基が挙げられる。
1)C15-16のポリメチレン基を有する基:
例えば、1−C1-18アルキル−ヘキサデシル基(例えば1−オクチルヘキサデシル基)および2−C1-16アルキル−オクタデシル基(例えば2−エチルオクタデシル、2−テトラデシルオクタデシルおよび2−ヘキサデシルオクタデシル基);
2)C13-14のポリメチレン基を有する基:
例えば、1−C1-20アルキル−テトラデシル基(例えば1−ヘキシルテトラデシル基、1−デシルテトラデシル基および1−ウンデシルトリデシル基)並びに2−C1-18アルキル−ヘキサデシル基(例えば2−エチルヘキサデシル基および2−ドデシルヘキサデシル基);
3)C10-12のポリメチレン基を有する基:
例えば1−C1-22アルキル−ドデシル基(例えば1−オクチルドデシル基)、2−C1-22アルキル−ドデシル基(例えば2−ヘキシルドデシル基および2−オクチルドデシル基)並びに2−C1-20アルキル−テトラデシル基(例えば2−ヘキシルテトラデシル基および2−デシルテトラデシル基);
4)C6-9のポリメチレン基を有する基:
例えば、2−C1-24アルキル−デシル基(例えば2−オクチルデシル基)および2,4−ジC1-23アルキル−デシル基(例えば2−エチル−4−ブチル−デシル基);
5)C1-5のポリメチレン基を有する基:
例えば、2−(3−メチルヘキシル)−7−メチル−デシルおよび2−(1,4,4−トリメチルブチル)−5,7,7−トリメチル−オクチル基;
6)分岐アルキル基の2個またはそれ以上の混合物:
例えば、プロピレンオリゴマー(6量体〜11量体)、エチレン/プロピレンオリゴマー(モル比16/1〜1/11)、イソブテンオリゴマー(5〜8量体)およびC5-17のα−オレフィンオリゴマー(2〜6量体)などに対応するオキソアルコールのアルキル残基。2−イソオクチルイソドデシル基(『日産化学工業製:ファインオキソコール2000』の水酸基を除いた残基)、2−イソウンデシルイソペンタデシル基(『日産化学工業製:ファインオキソコール2600』の水酸基を除いた残基)。
【0023】
これらのうちで好ましいのは、2−直鎖C8-10アルキル−直鎖C12-14アルキル基である

【0024】
好ましい(b3)の具体例としては、2−オクチルドデシルメタクリレート、2−デシルテトラデシルメタクリレート;1−オクチルドデシル、2−ヘキシルドデシル、2−ヘキシルテトラデシル、1−ヘキシルテトラデシル、1−デシルテトラデシル、1−ウンデシルトリデシル、2−エチルヘキサデシル、2−ドデシルヘキサデシル、2−オクチルドデシルオキシエチルおよび2−デシルテトラデシルオキシエチルメタクリレート;並びに、これらに対応するアクリレート(例えば2−オクチルドデシルアクリレート、2−デシルテトラデシルアクリレートなど)が挙げられる。
これらのうちで好ましいのは2−オクチルドデシルおよび2−デシルテトラデシルアクリレート、2−オクチルドデシルメタクリレートおよび2−デシルテトラデシルメタクリレート、特に好ましくは、2−オクチルドデシルメタクリレートおよび2−デシルテトラデシルアクリレート、とりわけ好ましくは2−デシルテトラデシルアクリレートである。
【0025】
共重合体(A)は必須構成単量体(b)以外に、その他の単量体(c)〜(m)からなる群から選ばれる1種以上の単量体から構成されていてもよい。
【0026】
単量体(c)には、水酸基含有単量体(c1)、アミド基含有単量体(c2)およびカルボキシル基含有単量体(c3)が含まれる。
単量体(c1)としては以下の(c11)〜(c16)が挙げられる。
(c11)水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル:
(c111)一般式(6)で示される(メタ)アクリレート;
CH2=C(R1)−COO−(AO)r−H (6)
式中、R1およびAは一般式(1)におけると同じ、rは1〜20(好ましくは1)の整数である。(c111)としては、例えば2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下、HEMAと略記)、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートおよび2−ヒドロキシエトキシエチル(メタ)アクリレートなどのC2-4ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなど。
(c112)3〜8個の水酸基を含有する多価アルコールの(メタ)アクリレート;
多価アルコールとしては、例えばC3-12のアルカンポリオール、その分子内もしくは分子間脱水物および糖類など(例えばグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ジグリセリン、蔗糖およびメチルグルコシドなど)が挙げられ、それらの(メタ)アクリレートとしてはグリセリンモノ−もしくはジ−(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ−もしくはジ−(メタ)アクリレート並びに蔗糖(メタ)アクリレートなど。
(c12)C2-12のアルケノール;
ビニルアルコール(酢酸ビニル単位の加水分解により形成される)およびC3-12のアルケノール[(メタ)アリルアルコール、(イソ)プロペニルアルコール、クロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、1−ブテン−4−オール、1−オクテノール、1−ウンデセノールおよび1−ドデセノールなど]。
(c13)C4-12のアルケンジオール;
2−ブテン−1,4−ジオールなど。
(c14)C3-12のアルケニル基を有する水酸基含有アルケニルエーテル;
例えばC1-6ヒドロキシアルキルC3-12アルケニルエーテル[例えば2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル並びに(c112)で挙げた多価アルコールのC3-12アルケニルエーテル{トリメチロールプロパンモノ−もしくはジ−(メタ)アリルエーテルおよび蔗糖(メタ)アリルエーテルなど}]。
(c15)水酸基含有芳香族単量体;
o−、m−またはp−ヒドロキシスチレンなど。
(c16)単量体(c11)〜(c15)の(ポリ)オキシアルキレンエーテル;
(c11)〜(c15)の水酸基のうちの少なくとも1個が−O−(AO)r−A−O
Hで置換された単量体[但し、Aおよびrは一般式(6)と同じ]。
【0027】
(c1)のうちで好ましいのは、(c12)、(c14)、(c15)、(c16)および(c11)であり、さらに好ましくは(c111)、とりわけ好ましくはヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、最も好ましくはヒドロキシエチルメタクリレートである。
【0028】
単量体(c2)としては以下の(c21)および(c22)が挙げられる。
(c21)下記一般式(7)で示される(メタ)アクリルアミド類:
CH2=C(R1)−CO−N(R')−R” (7)
【0029】
式中、R1は水素原子またはメチル基、R’およびR”はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基および炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基から選ばれる基である。具体例としては以下の(c211)〜(212)が挙げられる。
(c211)非置換およびアルキル置換アクリルアミド;
例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−モノ−C1-4アルキル並びにN,N−ジ−C1-4アルキル−置換(メタ)アクリルアミド[(ジ)メチル、(ジ)エチル、(ジ)イソプロピル、(ジ)n−ブチルおよび(ジ)イソブチル(メタ)アクリルアミドなど]。
(c212)ヒドロキシアルキル置換アクリルアミド;
例えばN−モノ−C1-4ヒドロキシアルキル並びにN,N−ジ−C1-4ヒドロキシアルキル置換(メタ)アクリルアミド[N−ヒドロキシメチル、N,N−ジヒドロキシメチル、N,N−ジ−2−ヒドロキシエチルおよびN,N−ジ−4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミドなど]。
【0030】
(c22)N−ビニルカルボン酸アミド:
例えばアシル系N−ビニルカルボン酸アミド[N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−n−もしくはイソ−プロピオンアミドおよびN−ビニルヒドロキシアセトアミドなど]並びにN−ビニルラクタム[N−ビニルピロリドンなど]。
【0031】
(c2)のうちで好ましいのは、(c211)、特に(メタ)アクリルアミド、とりわけアクリルアミドである。
【0032】
単量体(c3)としては以下の(c31)〜(c33)が挙げられる。
(c31)不飽和モノカルボン酸[メタクリル酸、アクリル酸、(イソ)クロトン酸およびシンナミック酸など]。
(c32)不飽和ジカルボン酸[マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸およびメサコン酸など]。
(c33)不飽和ジカルボン酸のモノC1-8アルキルエステル[モノアルキルマレート、モノアルキルフマレートおよびモノアルキルイタコネートなど]。
【0033】
単量体(c)のうちで、粘度指数およびせん断安定性の観点から好ましいのは(c2)、特に(c1)である。
【0034】
単量体(d):(a)、(b1)および(b2)以外のアルキル(メタ)アクリレート、(d1)C5-7アルキル(メタ)アクリレート[n−、ネオ−もしくはイソ−ペンチルおよびn−もしくはイソ−ヘキシル(メタ)アクリレートなど];
(d2)17個以上の炭素数のポリメチレン基を有する分岐C18-36アルキル(メタ)アクリレート[2−メチル−ノナデシルメタクリレート(以下、M−NMと略記)など]。
【0035】
単量体(e):C2-20の不飽和炭化水素、
(e1)不飽和脂肪族C2-20炭化水素[C2-20アルケン(エチレン、プロピレン、イソブテン、ブテン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセンおよびオクタデセンなど)、C4-12アルカジエン(ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘプタジエンおよび1,7−オクタジエンなど)];
(e2)不飽和脂環式C5-20炭化水素[シクロアルケン(シクロヘキセンなど)、ジシクロアルカジエン(シクロペンタジエンおよびジシクロペンタジエンなど)、環式テルペン(ピネンおよびリモネンなど)、ビニル(ジ)シクロアルケン(ビニルシクロヘキセンなど)、エチリデン(ジ)シクロアルケン(エチリデンビシクロヘプテンおよびエチリデンノルボルネンなど)並びに芳香環含有シクロアルケン(インデンなど)];
(e3)不飽和芳香族炭化水素[スチレンおよびその誘導体、例えばC1-20ハイドロカルビル置換スチレン(α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、4−エチルスチレン、4−イソプロピルスチレン、4−ブチルスチレン、4−フェニルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ベンジルスチレンおよび4−クロチルベンゼンなど)並びにC2-10アルケニルナフタレン(2−ビニルナフタレンなど)]。
【0036】
単量体(f):ビニルケトン[C1-10アルキルまたはC6-8アリールビニルケトン(メチルビニルケトン、エチルビニルケトンおよびフェニルビニルケトンなど]。
【0037】
単量体(g):エポキシ基含有不飽和単量体[エポキシ基含有アクリル系単量体{グリシジル(メタ)アクリレートなど}およびエポキシ基含有C2-10アルケニル(好ましくはC3-6アルケニル)エーテル{グリシジル(メタ)アリルエーテルなど}など]。
【0038】
単量体(h):ハロゲン原子含有不飽和単量体[ビニルまたはビニリデンハロゲン化物(塩化ビニル、臭化ビニルおよび塩化ビニリデンなど)、C3-6アルケニルハロゲン化物{塩化(メタ)アリルなど}並びにハロゲン置換スチレン{(ジ)クロロスチレンなど}など]。
【0039】
単量体(i):アルキルアルケニルエーテル、
1-10アルキルC2-10アルケニルエーテル[アルキルビニルエーテル(メチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテルおよびエチルビニルエーテルなど)、アルキル(メタ)アリルエーテル並びに(イソ)プロペニルエーテル(メチルアリルエーテルおよびエチルアリルエーテルなど)など];
【0040】
単量体(j):アルケニルカルボキシレート、
2-10アルケニルC1-20カルボキシレート(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、ヘプタン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニルおよびn−オクタン酸ビニルなど)。(j)のうちで好ましいのは酢酸ビニルおよびプロピオン酸ビニルである。
【0041】
単量体(k):(c2)以外の窒素原子含有不飽和単量体、
(k1)少なくとも1個の1級、2級および3級アミノ基を含むアミノ基含有単量体、
(k11)アミノ基含有脂肪族単量体、
(k111)一般式D−NHD1で示されるモノ−およびジ−アルケニルアミン(但し、式中D1は水素原子またはD、DはC2-10、好ましくはC3-6のアルケニル基)[例えば(ジ)(メタ)アリルアミンおよび(イソ)クロチルアミンなど];
(k112)アミノ基含有アクリル系単量体、
アミノ基含有(メタ)アクリレート[(モノ−C1-4アルキル)アミノC2-6アルキル(メタ)アクリレート{アミノエチル、アミノプロピル、メチルアミノエチル、エチルアミノエチル、ブチルアミノエチルもしくはメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなど}、ジ−C1-4アルキルアミノC2-6アルキル(メタ)アクリレート{ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよびジブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなど}など]並びにこれらの(メタ)アクリレートに対応するアミノ基含有(メタ)アクリルアミドなど;
(k12)アミノ基含有複素環式単量体、
アミノ基含有複素環式アクリル系単量体[モルホリノ−C2-4アルキル(メタ)アクリレート{モルホリノエチル(メタ)アクリレートなど}など]、ビニル置換複素環式アミン[ビニルピリジン(4−もしくは2−ビニルピリジン)など]、N−ビニルピロール並びにN−ビニルピロリジンなど;。
(k13)アミノ基含有芳香族単量体、
アミノスチレン類[アミノスチレンおよび(ジ)メチルアミノスチレンなど]。
(k14)(k11)〜(k13)の塩[塩酸塩、リン酸塩およびC1-8のカルボン酸塩];
【0042】
(k2)第4級アンモニウム塩基含有単量体、
(k11)〜(k13)の4級化によって得られる第4級アンモニウム塩であって、4級化剤としてはC1-8アルキルハロゲン化物(メチルクロライドなど)、ベンジルハライド(塩化ベンジルなど)、ジC1-2アルキルサルフェート(ジメチルサルフェートおよびジエチルサルフェート)並びにジC1-2アルキルカーボネート(ジメチルカーボネートなど)が使用できる。
また、(k2)には、1種または2種以上のC2-4アルキレンオキサイド(エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドなど)で(k14)を4級化することにより得られ第4級アンモニウム塩も含まれる。
【0043】
(k3)ニトリルまたはニトロ基含有単量体[(メタ)アクリロニトリルおよびニトロスチレンなど]。
【0044】
単量体(m):不飽和ジカルボン酸ジアルキルエステル、
不飽和ジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸、イタコン酸およびシトラコン酸など)ジC1-40(好ましくはC1-20)ハイドロカルビル(アルキル、シクロアルキルおよびアラルキル)エステル[ジメチル、ジエチルもしくはジオクチルマレート並びに対応するフマレートおよびイタコネートなど]。
【0045】
共重合体(A)は、粘度指数、せん断安定性および低温粘度の観点から、構成単量体として、(A)の重量に基づいて0〜60%の(b1)、5〜100%の(b2)および0〜85%の(b3)を含む共重合体であることが好ましい。
さらに好ましい共重合体は、構成単量体として、(A)の重量に基づいて、下記表1に示した%の単量体の単位を含有する。
【0046】
【表1】


【0047】
共重合体(A)は、油溶性である。ここで言う油溶性とは、25℃の鉱物油100部に、少なくとも0.5部、好ましくは少なくとも2部、更に好ましくは少なくとも30部溶解することを言う。
【0048】
共重合体(A)の重量平均分子量は(以下Mwと略す)通常3,000〜500,000である。
Mwが3,000未満では、粘度指数向上能に乏しい。500,000を越えるとせん断安定性に乏しくなる。なお、Mwは、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーによって測定されるものであり、ポリスチレンに換算して求めたものである。
【0049】
基油の種類および(A)の添加の目的によって異なるが、粘度指数向上能とせん断安定性の観点から、(A)のMwは好ましくは下記表2に記載の範囲である。(A)のMwは、重合時の温度、単量体濃度(溶媒濃度)、触媒量、(a)の使用量、および/またはその他の連鎖移動剤の量などにより調整できる。
【0050】
【表2】


【0051】
(A)は、公知の製造方法によって得ることができる。例えば前記の単量体および(a)を溶剤中で重合触媒存在下にラジカル重合することにより得られる。
【0052】
溶剤としては、例えば、トルエン、キシレンまたはC9-10のアルキルベンゼンなどの芳香族溶剤、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンおよびオクタンなどの脂肪族C6-18炭化水素、2−プロパノール、1−ブタノールまたは2−ブタノールなどのC3-8のアルコール系溶剤、メチルエチルケトンなどのケトン系溶剤並びに鉱物油などが使用できる。好ましいのは鉱物油である。
重合触媒としては、アゾ系触媒[例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(以下、ADVNと略記)およびジメチル2,2−アゾビスイソブチレート]並びに過酸化物系触媒[例えば、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジブチルパーオキシトリメチルアジペート、ベンゾイルパーオキシド、クミルパーオキシドおよびラウリルパーオキシド]が使用できる。
さらに、必要により(a)以外の連鎖移動剤[例えば、C2-20のアルキルメルカプタンなど]を使用することもできる。(a)以外の連鎖移動剤の使用量は、全単量体の重量に基づいて好ましくは0.9%以下、さらに好ましくは0.5%以下であり、(a)よりも少ないことが好ましい。
反応温度としては、50〜140℃、好ましくは60〜120℃である。また、上記の溶液重合の他に、塊状重合、乳化重合または懸濁重合により得ることもできる。
さらに、共重合体の重合様式としては、ランダム付加重合または交互共重合のいずれでもよく、また、グラフト共重合またはブロック共重合のいずれでもよい。
【0053】
本発明の潤滑油添加剤は、共重合体(A)の他に、稀釈溶剤を含有していてもよい。
共重合体(A)のみでは粘稠であっても、稀釈溶剤を含有させることによって、基油に添加する際に容易に溶解できる点で好ましい。
潤滑油添加剤が希釈溶剤を含む場合、稀釈溶剤の含有量は、潤滑油添加剤の重量に基づいて90%以下、好ましくは80%以下、さらに好ましくは10〜60%である。
希釈溶剤の比率が高いほうが基油に容易に溶解する点で好ましいが、あまり多いのは経済的ではない。
稀釈溶剤としては、前述の重合工程で使用できる溶剤をそのまま使用してもよく、新たに加えてもよい。
希釈溶剤としては、脂肪族溶剤[C6-18の脂肪族炭化水素(ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、オクタン、デカリンおよび灯油など)];芳香族溶剤{C7-15の芳香族溶剤[トルエン、キシレン、エチルベンゼン、C9の芳香族混合溶剤(トリメチルベンゼンおよびエチルトルエンなどの混合物)、C10-11の芳香族混合溶剤など]、鉱物油[例えば、溶剤精製油、パラフィン油、イソパラフィンを含有する高粘度指数油、水素化分解による高粘度指数油およびナフテン油]並びに合成潤滑油[炭化水素系合性潤滑油(ポリαオレフィン系合成潤滑油)、エステル系合成潤滑油、GTL基油およびワックス異性化基油]などであり、これらのうち好ましいものは鉱物油である。
【0054】
稀釈溶剤として好ましいのは120℃以上、さらに好ましくは130℃以上、特に好ましくは150℃以上、とりわけ好ましくは160℃以上の引火点を有する稀釈溶剤である。稀釈溶剤の引火点が120℃以上であると、稀釈溶剤を含む粘度指数向上剤を高温でも安全に取り扱うことができる。
引火点が120℃以上の稀釈溶剤としては、 『SK Corporation製;YUBASE 2』(引火点:160℃)、『SKCorporation製;YUBASE3』(引火点:194℃)および『SK Corporation製;YUBASE 4』(引火点:230℃)などが挙げられる。
【0055】
本発明の潤滑油組成物は、上記の粘度指数向上剤と基油からなり、基油が2〜10mm2/sの100℃での動粘度と160℃以上の引火点を有し、潤滑油組成物の重量に基づいて共重合体(A)を0.1〜30%含む。
【0056】
基油としては前述の鉱物油および合成潤滑油などが挙げられる。
これらのうち好ましくは、イソパラフィンを含有する高粘度指数油、水素化分解による高粘度指数油、ポリαオレフィン系合成潤滑油およびエステル系合成潤滑油である。これらは単独でも2種以上を併用してもよい。
【0057】
基油の100℃での動粘度は、潤滑油組成物の用途に応じて異なるが、好ましくは2〜10mm2/sである。
基油の動粘度が2mm2/s未満であると油膜切れを生じて焼きつけを起こし易い。また10mm2/sを超えると粘度指数が低下する。
また、基油の引火点は、通常160℃以上、好ましくは180℃以上、さらに好ましくは190℃以上、特に好ましくは200℃以上である。引火点が160℃未満の基油を使用すると、潤滑油組成物の引火点が低くなり、火災の危険性が高く、安全に使用できない。
【0058】
また、基油の粘度指数は好ましくは80以上、さらに好ましくは100以上、特に好ましくは105〜180である。このような基油を使用すると、粘度指数がさらに高くなり省燃費性がさらに良好となる。
【0059】
また、基油の曇点(JIS K2269−1993年)は−5℃以下が好ましい。さらに好ましくは−15℃〜−60℃である。基油の曇点がこの範囲であるとワックスの析出量が少なく低温粘度が良好である。
【0060】
潤滑油組成物の重量に基づく共重合体(A)の含有量は通常0.1〜30%であり、潤滑油組成物の用途に応じて表3に示した好ましい範囲がある。
【0061】
【表3】


【0062】
本発明の潤滑油組成物は、さらに一般式(2)〜(5)のいずれかで示される有機燐化合物(P)の1種以上を含有していてもよい。
O=P(OR4a(OH)3-a (2)
式中、aは1〜3の整数;R4は各々炭素数4〜24でアルキル基、アルケニル基、アリール基またはアルキル置換アリール基であり、a個のR4は同一でも異なっていてもよい。
一般式(2)で示される有機リン化合物としては、モノアルキルホスフェート、ジアルキルホスフェート、トリアルキルホスフェートおよびこれらに相当するアリールエステルなどが挙げられる。
【0063】
O=P(OR5b(OH)3-b・NHc63-c (3)
式中、bおよびcは各々1または2の整数;R5およびR6は各々炭素数4以上でアルキル基、アルケニル基、アリール基またはアルキル置換アリール基であり、R5およびR6は同一でも相異なったものでもよい。
一般式(3)で示される有機リン化合物としては、例えばモノアルキルホスフェート、モノアリールホスフェート、ジアルキルホスフェートおよびジアリールホスフェートなどと、モノアルキルアミンまたはジアルキルアミンとの塩が挙げられる。
【0064】
P(OR7a(OH)3-a (4)
式中、aは1〜3の整数;R7は各々炭素数4以上でアルキル基、アルケニル基、アリール基またはアルキル置換アリール基である。
一般式(4)で示される有機リン化合物としては、例えばモノアルキルホスファイト、ジアルキルホスファイト、トリアルキルホスファイトおよびこれらに相当するアリールホスファイトが挙げられる。
【0065】
P(OR8b(OH)3-b・NHc93-c (5)
式中、bおよびcは各々1または2の整数;R8およびR9は各々炭素数4以上のアルキル基、アルケニル基、アリール基またはアルキル置換アリール基であり、R8およびR9は同一でも相異なったものでもよい。
一般式(5)で示される有機リン化合物の具体例としては、例えばモノアルキルホスファイト、モノアリールホスファイト、ジアルキルホスファイトおよびジアリルアリールホスファイトなどと、モノアルキルアミンまたはジアルキルアミンとの塩が挙げられる。
【0066】
一般式(2)〜(5)におけるR4〜R9で各々示される基の具体例としては、ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル基およびオレイル基などの炭素数4〜30もしくはそれ以上、好ましくは4〜20のアルキル基もしくはアルケニル基;フェニルなどのアリール基;並びにトルイル基などのアルキル置換アリール基が挙げられる。
有機燐化合物(P)として例示したもののうちで好ましいものは一般式(2)で示されるもののうちのアルキル基の炭素数4〜18のアルキルホスフェートである。
【0067】
有機燐化合物(P)の含有量は、潤滑油組成物の重量に基づいて、好ましくは0.01〜5%、さらに好ましくは0.1〜3%である。
【0068】
本発明の潤滑油組成物は、さらに、前述の(A)以外のアルキル(メタ)アクリレート系共重合体(B)を含有してもよい。
(B)は前述の(a)非存在下で(b1)、(b2)、(b3)、および(c)〜(m)からなる群から選ばれる2種以上の単量体を重合して得られる共重合体である。
【0069】
(B)のうち、好ましいのは(b1)と(b2)の共重合体[共重合モル比(b1)/(b2)=0.01/99.99〜40/60]および(b2)のうちの2種以上の共重合体であり、さらに好ましいのは(b2)のうちの2種以上からなる共重合体であり、特に好ましいのは使用される2種以上の(b2)のアルキル基の平均炭素数(モル平均、以下、Cavと略記)が12.0以上13.0未満である共重合体(B1)および2種以上の(b2)のアルキル基のCavが13.0〜15.0である共重合体(B2)であり、とりわけ好ましいのは、直鎖アルキル基が70モル%以上(さらに好ましくは90モル%以上、特に100モル%)の(b2)からなる(B1)および(B2)である。
(B)としては(B1)と(B2)の併用、または(B1)もしくは(B2)の単独使用のいずれでもよいが、好ましいのは併用である。
(B1)と(B2)の具体例としては、n−ドデシルメタクリレート/n−オクタデシルメタクリレート(モル比=60/40〜90/10、Cav=12.5〜14.0)、n−ドデシルメタクリレート/n−ヘキサデシルメタクリレート(モル比=50/50〜90/10、Cav=12.3〜13.8)、n−ドデシルメタクリレート/n−テトラデシルメタクリレート(モル比=30/70〜90/10、Cav=12.2〜13.4)およびn−ドデシルアクリレート/n−ドデシルメタクリレート(モル比=10/90〜40/60、Cav=12)の共重合体などが挙げられる。
【0070】
(B)のMwは、好ましくは10,000〜500,000、さらに好ましくは15,000〜370,000である。
【0071】
(B)の添加量は潤滑油組成物の重量に基づいて、好ましくは0〜20%、さらに好ましくは0.1〜5%、特に好ましくは0.1〜1%である。
また、(B)が(B1)と(B2)の併用の場合の重量比率は、通常1/99〜99/1、好ましくは20/80〜80/20、さらに好ましくは30/70〜70/30である。
(B)は上記の(A)と同様の方法で製造できる。
【0072】
本発明の潤滑油組成物はさらに従来から公知の添加剤を含有してもよい。
添加剤としては、以下のものが使用できる。
分散剤(D):ポリアルケニルコハク酸イミド(ビス−もしくはモノ−ポリブテニルコハク酸イミド類)、マンニッヒ縮合物およびボレート類;
清浄剤(E):塩基性、過塩基性または中性の金属塩[スルフォネート(石油スルフォネート、アルキルベンゼンスルフォネートおよびアルキルナフタレンスルフォネートなど)の過塩基性またはアルカリ土類金属塩など]、サリシレート類、フェネート類、ナフテネート類、カーボネート類、フォスフォネート類並びにこれらの混合物;
酸化防止剤(F):ヒンダードフェノール類および芳香族2級アミン類;
消泡剤(G):シリコン油、金属石けん、脂肪酸エステルおよびフォスフェート化合物など;
油性向上剤(H):長鎖脂肪酸およびそれらのエステル(オレイン酸およびオレイン酸エステルなど)並びに長鎖アミンおよびそれらのアミド(オレイルアミンおよびオレイルアミドなど);
摩擦摩耗調整剤(I):モリブデン系または亜鉛系化合物(モリブデンジチオフォスフェート、モリブデンジチオカーバメートおよびジンクジアルキルジチオフォスフェートなど);
極圧剤(J):硫黄系化合物(モノ−もしくはジ−スルフィド、スルフォキシドおよび硫黄フォスファイド化合物)、フォスファイド化合物および塩素系化合物(塩素化パラフィン)など;
抗乳化剤(K):第4級アンモニウム塩(テトラアルキルアンモニウム塩など)、硫酸化油およびフォスフェート(ポリオキシエチレン含有非イオン性界面活性剤のフォスフェートなど)など;
腐食防止剤(L):窒素原子含有化合物(ベンゾトリアゾールおよび1,3,4−チオジアゾリル−2,5−ビスジアルキルジチオカーバメートなど)など。
【0073】
これらの添加剤は、以下の表4記載の量(%、但し消泡剤はppm)を潤滑油組成物の重量に基づいて使用することができる。
【0074】
【表4】


【0075】
添加剤合計の添加量は潤滑油組成物の重量に基づいて、30%以下、好ましくは10〜20%である。
【0076】
本発明の潤滑油組成物の100℃での動粘度は、潤滑油組成物の用途に応じて表5に示した好ましい範囲がある。潤滑油組成物の動粘度がこれらの範囲にあると、漏れや焼き付きを起こしにくくなり、また、粘性抵抗が少なくなり、エネルギーロスを起こしにくくなる。
本発明の潤滑油組成物は従来の潤滑油組成物に比べ、低い動粘度であるため、省燃費性に優れる。
【0077】
【表5】


【0078】
本発明の潤滑油組成物は、ギア油[デファレンシャル油、マニュアルトランスミッション油(以下、MTFと略記)]、オートマチックトランスミッション油(以下、ATFと略記)、ベルト−CVTFおよびトロイダルCVT油などの駆動系潤滑油、ショックアブソーバー油、パワーステアリング油、建設機械用作動油および工業用作動油などの作動油、トラクション油並びにエンジン油などに好適に用いられる。これらのうち好ましいのはデファレンシャル油、MTF、ATF、ベルト−CVTFおよびエンジン油であり、さらに好ましくはMTF、ATFおよびベルト−CVTF、特に好ましくはMTFおよびATFである。
【0079】
本発明の潤滑油組成物はせん断安定性が良好である。せん断安定性はCEC L45−45−A−99で規定された方法に従い試験時間を20時間として試験した場合の潤滑油組成物の粘度低下率で評価できる。本発明の潤滑油組成物の粘度低下率は、好ましくは20%以下、さらに好ましくは15%以下、特に好ましくは6%以下、最も好ましくは3%以下である。
【0080】
<実施例>
以下に実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、製造例、実施例、比較例中の部は重量部を表す。
(GPCによる重量平均分子量の測定法)
装置 : 東洋曹達製 HLC−802A
カラム : TSK gel GMH6 2本
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.5%のテトラヒドロフラン(以下THFと略記)溶液
溶液注入量 : 200μl
検出装置 : 屈折率検出器
標準 : ポリスチレン
【0081】
(低温粘度の試験方法)
JPI−5S−26−85の方法で−40℃の粘度を測定した。
(粘度指数の試験方法)
JIS−K−2283の方法で行った。
(せん断安定性の試験方法)
CEC L45−45−A−99の方法に従い試験時間を20時間とした。
(引火点の試験法)
JIS K2265のクリーブランド開放式で行った。
(耐摩耗性の測定法)
SRVを用い、ボールオンディスクでボールの摩耗痕径を測定した。
摩耗痕経:ボールの摩耗痕の縦と横の直径の平均値
装置:オプチモール SRV試験機(日本パーカライジング製)
ボール:直径10mm
ディスク:直径24mm×厚さ7.9mm
荷重:200N
ストローク幅:2mm
振動数:50Hz
試験時間:10分間
【0082】
製造例1〜3;
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、滴下ロートおよび窒素吹き込み管を備えた反応容器に、THF25部を仕込み、別のガラス製ビーカーに、表6に記載の単量体を合計100部、化合物(a)およびドデシルメルカプタン(DMと略記)を表6に記載の量、THF20部およびラジカル重合開始剤としての2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル:ADVNと略記)0.5部を仕込み、20℃で撹拌、混合して単量体溶液を調製し滴下ロートに仕込んだ。反応容器の気相部の窒素置換を行った後に密閉下65℃で3時間かけて単量体溶液を滴下し、滴下終了から4時間、65℃で熟成した後、130℃、3時間、減圧下(減圧度10トール)でTHFと揮発性モノマーを除去し、鉱物油(高粘度指数油:引火点=164℃)66.7部を加え、さらに1時間撹拌して均一に溶解後、濃度60%の共重合体溶液(A−1)〜(A−3)を得た。得られた重合体のMwを表6に示す。
【0083】
製造例4、5および比較製造例1〜3;
製造例1と同様の反応容器に、鉱物油(高粘度指数油:引火点=164℃)25部を仕込み、別のガラス製ビーカーに、表6に記載の単量体を合計100部、連鎖移動剤としてのDMを表6に記載の量およびラジカル重合開始剤としてADVNを表6に記載の量仕込み、20℃で撹拌、混合して単量体溶液を調製し、滴下ロートに仕込んだ。反応容器の気相部の窒素置換を行った後に密閉下85℃で4時間かけて単量体溶液を滴下し、滴下終了から2時間、85℃で熟成した後、130℃、3時間、減圧下(減圧度10トール)で揮発性モノマーを除去し、鉱物油(高粘度指数油:引火点=164℃)41.7部加え、さらに1時間撹拌して均一に溶解後、濃度60%の共重合体溶液(B−1)、(B−2)、(X−1)、(X−2)および(X−3)を得た。得られた重合体のMwを表6に示す。
尚、(B−1)の平均炭素数は12.2、(B−2)の平均炭素数は13.9であった。
【0084】
【表6】


【0085】
MMA:メチルメタクリレート
BMA:n−ブチルメタクリレート
nHM:n−ヘキサデシルメタクリレート
nOM:n−オクタデシルメタクリレート
nDM:n−ドデシルメタクリレート
nTM:n−テトラデシルメタクリレート
DTM:2−デシルテトラデシルメタクリレート
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
MSA:チオリンゴ酸
MGL:2,3−ジヒドロキシプロパンチオール
AET:2−アミノエタンチオール
【0086】
実施例1〜4、比較例1〜3
撹拌混合装置の付いたステンレス製容器に、共重合体(A−1)〜(A−3)、(B−1)、(B−2)および(X−1)〜(X−3)を表7記載の重量部仕込み、高粘度指数油(100℃動粘度=4.2mm2/s、粘度指数=121、引火点=230℃)を共重合体と高粘度指数油の合計が100部になるように加え、混合溶解し、実施例1〜4および比較例1〜3の潤滑油組成物を得た。
得られた潤滑油組成物の耐摩耗性、−40℃での低温粘度、粘度指数、せん断安定性及び動粘度の測定結果を表7に示す。
【0087】
【表7】


【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明の潤滑油組成物は、輸送用機器の駆動系潤滑油[ギア油(デファレンシャル油およびMTFなど)、自動変速機油(ATF、ベルト−CVTFおよびトロイダルCVT油など)]、作動油[ショックアブソーバー油、パワーステアリング油および建設機械の作動油など]、トラクション油、エンジン油[ガソリン用およびディーゼル用など]に好適に用いることができる。
【出願人】 【識別番号】000002288
【氏名又は名称】三洋化成工業株式会社
【出願日】 平成19年12月21日(2007.12.21)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−179792(P2008−179792A)
【公開日】 平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願番号】 特願2007−329540(P2007−329540)