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【発明の名称】 軸受用潤滑油
【発明者】 【氏名】川原 康行

【氏名】辻本 真也

【氏名】平林 与志子

【氏名】石橋 義宏

【要約】 【課題】本発明は、低粘度、高粘度指数、耐熱性、潤滑性、低温流動性などの基本要求特性をバランスよく兼ね備えた有機酸エステルを含有する軸受用潤滑油を提供すること。

【解決手段】下記一般式(1)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表される脂肪族カルボン酸モノエステルを含有する潤滑油であって、40℃における動粘度が5〜15mm/s、粘度指数が100以上であることを特徴とする軸受用潤滑油。
【化1】


[式中、Rは炭素数7〜11の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を表し、R2は炭素数1〜13の直鎖状若しくは分岐鎖状の飽和アルキル基を表す。Xは、炭素数2〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基を表し、nは1〜5の整数を表す。なお、nが2以上の場合、n個のXは同一であっても相異なっていてもよい。]
【請求項2】
が炭素数4〜6の直鎖状アルキル基若しくは炭素数8〜13の分岐鎖状アルキル基である請求項1に記載の軸受用潤滑油。
【請求項3】
が、n−ウンデシル基であり、Xが炭素数2又は3の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基であり、かつ、nが1〜3の整数である請求項1又は2に記載の軸受用潤滑油。
【請求項4】
が、1−エチルペンチル基又は2,4,4−トリメチルペンチル基であり、Xが、炭素数2又は3の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基であり、かつ、nが4又は5の整数である請求項1又は2に記載の軸受用潤滑油。
【請求項5】
さらに、脂肪族二塩基酸ジエステル及びポリオールエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の軸受用潤滑油。
【請求項6】
さらに、酸化防止剤、潤滑性向上剤、防錆剤、金属不活性剤、及び粘度指数向上剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の軸受用潤滑油。
【請求項7】
40℃における動粘度が6〜10mm/s、粘度指数が120以上であり、流動点が−30℃以下、かつ、引火点が200℃以上である請求項1〜6のいずれかに記載の軸受用潤滑油。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、軸受用潤滑油に関し、より詳しくは広い温度領域に対して低粘度であり、低温流動性、耐酸化性のバランスに優れた有機酸エステルを含有する軸受用潤滑油に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の地球温暖化問題に対して、自動車、家電、電子情報機器、工業用機械など様々な産業分野で機器の高効率化が検討されている。これらの機器に使用される潤滑油についても高効率化のために種々の改良が要求されており、その効果的な改良方法の一つとして、粘性摩擦によるエネルギー損失を低減するために、潤滑油の低粘度化が進められている。
【0003】
従来、潤滑油としては安価で入手容易な鉱物油が主に使用されてきたが、耐熱性を始めとする諸性能が乏しいため最近では基本要求特性が厳しい用途においては、目的に適した分子設計が可能な合成炭化水素や有機酸エステル類等の合成潤滑油が主に用いられている。
【0004】
合成炭化水素油としては、1−デセンから誘導されるポリ−α−オレフィンが例示される。また、有機酸エステルとしては、脂肪族モノカルボン酸と一価アルコールの反応から得られるモノエステル(以下、「モノエステル」という。)、脂肪族二塩基酸と一価アルコールの反応から得られるジエステル(以下、「脂肪族二塩基酸ジエステル」という。)、多価アルコールと脂肪族カルボン酸との反応から得られるエステル(以下、「ポリオールエステル」という。)、及び多価アルコール、多塩基酸、脂肪族モノカルボン酸(及び/又は脂肪族一価アルコール)との反応から得られる複合エステル(以下、「ポリオール型複合エステル」という。)等が開示されている(特許文献1〜10)。
【0005】
軸受用潤滑油に求められる性能としては、耐熱性(耐酸化性、耐揮発性、粘度変化が小さいこと)に優れること、広い温度範囲で使用できること、潤滑性に優れること等が挙げられる。中でも、軸受に対する負荷増大による温度の上昇が大きい点で、耐熱性が非常に重要視されている。又、最近では、より低温環境での使用が必要とされており、低温特性に優れること、即ち、低温粘度が低く、良好な低温流動性を有することが強く求められている。従来から使用されている上記合成炭化水素油及び有機酸エステル類は、高い耐熱性、なかでも、良好な耐酸化性、及び優れた低温特性をバランスよく兼ね備えているとは言い難く、更なる改善が要望されている。
【0006】
【特許文献1】特開昭60−161485号公報
【特許文献2】特開平4−249593号公報
【特許文献3】特開平11−172267号公報
【特許文献4】特開平3−200895号公報
【特許文献5】特開平7−224289号公報
【特許文献6】特開平3−128991号公報
【特許文献7】特開平3−128992号公報
【特許文献8】特開平3−200896号公報
【特許文献9】特開平5−331474号公報
【特許文献10】特表平7−508783号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、低粘度、粘度指数、潤滑性、低温流動性、耐熱性などの基本要求特性をバランスよく兼ね備えた有機酸エステルを含有する軸受用潤滑油を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記の知見を得た。(1)脂肪族カルボン酸と脂肪族アルコールから得られるモノエステルは、低粘度、高粘度指数に優れるが、耐熱性と低温流動性をバランス良く満たすことが困難であること。(2)アルコール成分として、エーテル結合を有した特定のエーテルアルコールを用いたモノエステルは、低粘度、高粘度指数、低温流動性、及び耐熱性に優れていること。(3)更に、特定炭素数の脂肪酸と特定のエーテルアルコールから得られるモノエステルは、低粘度、粘度指数、低温流動性、及び耐熱性のバランスに特に優れ、軸受用潤滑油として優れた性能を発揮すること。
【0009】
即ち、本発明は、以下の軸受用潤滑油を提供するものである。
【0010】
(項1) 下記一般式(1)で表される脂肪族カルボン酸モノエステルを含有する潤滑油であって、40℃における動粘度が5〜15mm/s、粘度指数が100以上であることを特徴とする軸受用潤滑油。
【化1】


[式中、Rは炭素数7〜11の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を表し、Rは炭素数1〜13の直鎖状若しくは分岐鎖状の飽和アルキル基を表す。Xは、炭素数2〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基を表し、nは1〜5の整数を表す。なお、nが2以上の場合、n個のXは同一であっても相異なっていてもよい。]
【0011】
(項2) Rが炭素数4〜6の直鎖状アルキル基若しくは炭素数8〜13の分岐鎖状アルキル基である上記項1に記載の軸受用潤滑油。
【0012】
(項3) Rが、n−ノニル基又はn−ウンデシル基(好ましくはウンデシル基)であり、Xが炭素数2又は3の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基であり、かつ、nが1〜3の整数である上記項1又は2に記載の軸受用潤滑油。
【0013】
(項4) Rが、1−エチルペンチル基又は2,4,4−トリメチルペンチル基であり、Xが、炭素数2又は3の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基であり、かつ、nが4又は5の整数である上記項1又は2に記載の軸受用潤滑油。
【0014】
(項5) さらに、脂肪族二塩基酸ジエステル及びポリオールエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する上記項1〜4のいずれかに記載の軸受用潤滑油。
【0015】
(項6) さらに、酸化防止剤、潤滑性向上剤、防錆剤、金属不活性剤、及び粘度指数向上剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する上記項1〜5のいずれかに記載の軸受用潤滑油。
【0016】
(項7) 40℃における動粘度が6〜10mm/s、粘度指数が120以上であり、流動点が−30℃以下、かつ、引火点が200℃以上である上記項1〜6のいずれかに記載の軸受用潤滑油。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、低粘度、高粘度指数、潤滑性、低温流動性、耐酸化性、耐熱性(耐揮発性、耐酸化性等)などの基本要求特性をバランスよく兼ね備えた脂肪族モノカルボン酸エステルを含有する潤滑油を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の潤滑油に係る脂肪族モノカルボン酸エステルは、一般式(1)で表され、例えば、分子内にエーテル結合を含有するアルコール成分と所定の酸成分とから、従来公知の方法、好ましくは窒素等の不活性ガス雰囲気中、常圧又は減圧下において、エステル化触媒の存在下又は無触媒下で加熱撹拌しながらエステル化することにより調製することができる。
【0019】
[(A)酸成分] 本エステルを構成する酸成分としては、炭素数8〜12の直鎖状若しくは分岐鎖状の飽和脂肪族モノカルボン酸が例示される。従って、一般式(1)においてRで表されるアルキル基は、当該飽和脂肪族モノカルボン酸からカルボキシル基を除いて得られる残基に相当する。直鎖状の飽和脂肪族モノカルボン酸としては、n−オクタン酸、n−ノナン酸、n−デカン酸、n−ウンデカン酸、n−ドデカン酸およびそれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。分岐鎖状の飽和脂肪族モノカルボン酸としては、イソオクタン酸、イソノナン酸、イソデカン酸、イソウンデカン酸、イソドデカン酸およびそれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。これらは、夫々単独で又は2種以上を適宜組み合わせてエステル化に供することができる。尚、エステル形成性誘導体としては飽和脂肪族モノカルボン酸の、無水物、塩化物、炭素数1〜2の低級アルコールとのエステル、又はアリールエステル等との活性エステル等が例示される。
【0020】
これらの中でも、高粘度指数に優れる点でn−ドデカン酸が好ましく、低温流動性と耐酸化性に優れる点で2−エチルヘキサン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸が好ましい。
【0021】
[(B)アルコール成分] 本エステルを構成するアルコール成分としては、下記一般式(2)で表される分子内にエーテル結合を含有する一価アルコールが例示される。
【化2】


[式中、Rは炭素数1〜13の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を表し、Xは炭素数2〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基を表す。nは1〜5の整数を表し、nが2以上のとき、n個のXは同一でも相異なっていてもよい。]
【0022】
で表される炭素数1〜13の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキルのなかでも、高粘度指数に優れる点で炭素数4〜12の直鎖状アルキル基が好ましく、特に炭素数4〜6の直鎖状アルキル基は低温流動性とのバランスに優れる点でより好ましい。又、低温流動性に優れる点で炭素数3〜13の分岐鎖状アルキル基が好ましく、さらに炭素数8〜13の分岐鎖状アルキル基は耐熱性とのバランスに優れる点でより好ましく、特に、2−エチルヘキシル基、イソデシル基、イソトリデシル基が好ましい。
【0023】
Xとしては、エチレン基、直鎖状及び分岐鎖状のプロピレン基、直鎖状及び分岐鎖状のブチレン基が例示される。なかでも、高粘度指数に優れる点で、直鎖状のアルキレン基、具体的には、エチレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基が好ましい。低温流動性に優れる点で、分岐鎖状のアルキレン基、具体的には、1,2−プロピレン基、1,2−ブチレン基、1,3−ブチレン基が好ましい。なお、nが2以上の場合、n個のXは同一であっても、相異なっていてもよく、さらに、Xが分岐状のアルキレン基の場合、分枝のアルキル基の位置は特に限定されない。
【0024】
上記アルコール成分は、夫々単独で又は2種以上を適宜組み合わせてエステル化に供することができる。
【0025】
[エステル化反応]
エステル化反応を行うに際し、アルコール成分としては、例えば、酸成分1モルに対して1.0〜1.5モル、好ましくは1.01〜1.2モル用いられる。
【0026】
エステル化触媒としては、ルイス酸類、アルカリ金属類、スルホン酸類等が挙げられ、具体的にルイス酸としては、アルミニウム誘導体、錫誘導体、チタン誘導体が例示され、アルカリ金属類としては、ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシド等が例示され、更にスルホン酸類としてはパラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、硫酸等が例示される。触媒の使用量としては、例えば、原料である酸成分及びアルコール成分の総重量に対して0.05〜1.0重量%程度用いられる。
【0027】
エステル化反応は、通常100〜250℃、好ましくは120〜210℃の反応温度で、不活性ガス雰囲気中、常圧又は減圧下のいずれでも行うことができる。また、反応時間としては、通常3〜30時間である。必要に応じて、生成してくる水をベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン等の非水溶性溶剤(水同伴剤)を用いて系外に共沸留去させてもよい。
【0028】
エステル化反応終了後、過剰の原料を減圧下または常圧下にて留去する。引き続き、慣用の精製方法、例えば、中和、水洗、液液抽出、減圧蒸留、活性炭等の吸着剤精製を用いて、本エステルを精製することができる。
【0029】
特に、エステル化反応により得られたエステル化反応生成物を、そのまま或いは未反応のアルコール成分(水同伴剤を使用した場合は、水同伴剤)を留去した後、アルカリ洗浄に供するのが好ましい。これにより、残存する未反応の酸、末端にカルボキシル基を有する不純物、触媒等が除去され、耐熱性等に優れたエステルを得ることができる。
【0030】
アルカリ洗浄に使用する洗浄液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩等のアルカリの水溶液が例示でき、その濃度は特に限定されないが、0.5〜20重量%程度が好ましい。アルカリ水溶液の使用量は反応終了後の反応生成物の全酸価に対して当量又は過剰となる量とするのが好ましい。アルカリ洗浄後の生成物は、中性となるまで水洗するのが好ましい。
【0031】
本エステルの全酸価としては、通常0.1mgKOH/g以下、好ましくは0.05mgKOH/g以下である。全酸価が0.1mgKOH/g以下のときには耐熱性が向上する。全酸価が0.1mgKOH/gを超える場合は、適当な中和剤で全酸価を低減させることもできる。
【0032】
本エステルの水酸基価(JIS−K−0070)としては、通常5mgKOH/g以下、好ましくは3mgKOH/g以下、更に好ましくは1mgKOH/g以下である。水酸基価が5mgKOH/g以下のときには耐熱性が向上する。水酸基価は、残存する水酸基を反応工程で十分に低減するか、精製工程で蒸留除去することにより調整可能である。
【0033】
本エステルの硫酸灰分(JIS−K−2272.5)としては、通常30ppm以下、好ましくは10ppm以下である。硫酸灰分が30ppm以下のときには耐熱性が向上する。硫酸灰分は、本エステルの原料となる酸及び/又はアルコールとして硫酸灰分が低いもの(例えば、30ppm以下のもの)を用い、又、触媒として金属触媒を使用した場合、触媒自身及び触媒由来の有機金属化合物を中和、水洗、吸着精製により十分に除去することで調整可能である。
【0034】
本エステルのヨウ素価(JIS−K−1525)としては、通常1.0以下、好ましくは0.5以下、更に好ましくは0.1以下である。ヨウ素価が1.0以下のときは耐熱性が向上する。ヨウ素価は、本エステルの原料となる酸成分及び/又はアルコール成分のヨウ素価が低いもの(例えば、0.3以下のもの)を用いることにより調整可能である。また、ヨウ素価が1以上の本エステルを水素還元することでも調整可能である。
【0035】
本エステルの中でも、流動点(JIS−K−2269)が−20℃以下であるものが好ましく、より低温での使用に適する点で−30℃以下、更には−40℃以下であるものが好ましく、−60℃以下であるものが最も好ましい。
【0036】
本エステルの中でも、粘度指数(JIS−K−2283)が100以上のものが好ましく、より好ましくは120以上、さらに好ましくは140以上、特に好ましくは150以上が推奨される。粘度指数が100以上であるエステルは、広範囲の温度領域で低粘度であり、耐揮発性にも優れる上、低温流動性及び耐酸化性とのバランスにも優れる。
【0037】
本エステルの中でも、40℃における動粘度が6〜10mm/sであり、粘度指数が120以上、流動点が−30℃以下、且つ引火点が200℃以上であるエステルが好ましく、要求される物性により適宜選択される。特に低温流動性が要求される場合には、40℃における粘度指数が6〜10mm/sであり、粘度指数が120以上、且つ流動点が−60℃以下であるエステルが好ましく、より高い粘度指数が求められる場合には、40℃における動粘度が6〜10mm/sであり、粘度指数140以上、且つ流動点が−30℃以下であるエステルが好ましい。
【0038】
又、本エステルの中でも、耐熱性に優れる点で、分子量が350以上が好ましく、特に370以上であるものが好ましい。また、流動性、低温粘度などの点からは、分子量が500以下が好ましく、特に450以下であるものが好ましい。
【0039】
[好ましい本エステル]
本エステルの中でも、高粘度指数と低温流動性のバランスに優れる点で、炭素数10〜12、好ましくは炭素数10又は12の直鎖状の飽和脂肪酸と、オキシエチレン基を1乃至3個、好ましくは1又は2個有するアルコールとのエステルが好ましく、特に下記一般式(3)で表される脂肪族カルボン酸モノエステルが好ましい。
【化3】


[式中、Rは炭素数3〜13の分岐鎖状のアルキル基を表す。pは1〜3(特に1〜2)の整数を表す]
【0040】
一般式(3)で表される好ましい本エステルとして具体的には、n−ドデカン酸とエチレングリコールモノイソプロピルエーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とエチレングリコールモノイソブチルエーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とエチレングリコールモノイソペンチルエーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とエチレングリコールモノイソヘキシルエーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とエチレングリコールモノイソヘプチルエーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とエチレングリコールモノイソオクチルエーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とエチレングリコールモノ(2−エチルヘキシル)エーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とエチレングリコールモノイソノニルエーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とエチレングリコールモノイソデシルエーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とエチレングリコールモノイソウンデシルエーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とエチレングリコールモノイソドデシルエーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とエチレングリコールモノイソトリデシルエーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とジエチレングリコールモノイソプロピルエーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とジエチレングリコールモノイソブチルエーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とジエチレングリコールモノイソペンチルエーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とジエチレングリコールモノイソヘキシルエーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とジエチレングリコールモノイソヘプチルエーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とジエチレングリコールモノイソオクチルエーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とジエチレングリコールモノ(2−エチルヘキシル)エーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とジエチレングリコールモノイソノニルエーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とジエチレングリコールモノイソデシルエーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とジエチレングリコールモノイソウンデシルエーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とジエチレングリコールモノイソドデシルエーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とジエチレングリコールモノイソトリデシルエーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とトリエチレングリコールモノイソプロピルエーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とトリエチレングリコールモノイソブチルエーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とトリエチレングリコールモノイソペンチルエーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とトリエチレングリコールモノイソヘキシルエーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とトリエチレングリコールモノイソヘプチルエーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とトリエチレングリコールモノイソオクチルエーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とトリエチレングリコールモノ(2−エチルヘキシル)エーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とトリエチレングリコールモノイソノニルエーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とトリエチレングリコールモノイソデシルエーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とトリエチレングリコールモノイソウンデシルエーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とトリエチレングリコールモノイソドデシルエーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とトリエチレングリコールモノイソトリデシルエーテルとのモノエステルが例示される。なかでも、n−ドデカン酸とエチレングリコールモノ(2−エチルヘキシル)エーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とエチレングリコールモノイソデシルエーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とエチレングリコールモノイソトリデシルエーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とジエチレングリコールモノ(2−エチルヘキシル)エーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とジエチレングリコールモノイソデシルエーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とジエチレングリコールモノイソトリデシルエーテルとのモノエステルが特に好ましい。
【0041】
又、本エステルの中でも、高粘度指数と低温流動性のバランスに優れる点で、炭素数10〜12、好ましくは炭素数10又は12の直鎖状の飽和脂肪酸と、オキシプロピレン基基を1乃至3個、好ましくは1又は2個有するアルコールとのエステルが好ましく、特に下記一般式(4)で表される脂肪族カルボン酸モノエステルが好ましい。
【化4】


[式中、Rは炭素数4〜6の直鎖状のアルキル基を表す。R及びRは互いに異なって水素原子又はメチル基を表す。qは1〜3(特に1〜2)の整数を表す。]
【0042】
一般式(4)で表される本エステルとして具体的にはn−ドデカン酸とプロピレングリコールモノ(n−ブチル)エーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とプロピレングリコールモノ(n−ペンチル)エーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とプロピレングリコールモノ(n−ヘキシル)エーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とジプロピレングリコールモノ(n−ブチル)エーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とジプロピレングリコールモノ(n−ペンチル)エーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とジプロピレングリコールモノ(n−ヘキシル)エーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とトリプロピレングリコールモノ(n−ブチル)エーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とトリプロピレングリコールモノ(n−ペンチル)エーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とトリプロピレングリコールモノ(n−ヘキシル)エーテルとのモノエステルが例示される。なかでも、n−ドデカン酸とジプロピレングリコールモノ(n−ブチル)エーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とジプロピレングリコールモノ(n−ペンチル)エーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とジプロピレングリコールモノ(n−ヘキシル)エーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とトリプロピレングリコールモノ(n−ブチル)エーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とトリプロピレングリコールモノ(n−ペンチル)エーテルとのモノエステル、n−ドデカン酸とトリプロピレングリコールモノ(n−ヘキシル)エーテルとのモノエステルが特に好ましい。
【0043】
又、高粘度指数及び低温流動性のバランスに優れる点で、下記一般式(5)で表される脂肪族カルボン酸モノエステルが好ましい。
【化5】


[式中、Rは炭素数7又は8の分岐鎖状のアルキル基を表し、Rは炭素数4〜6の直鎖状のアルキル基を表す。rは、4又は5(特に4)の整数を表す。]
【0044】
一般式(5)で表される本エステルとして具体的には、2−エチルヘキサン酸とテトラエチレングリコールモノ(n−ブチル)エーテルとのモノエステル、2−エチルヘキサン酸とテトラエチレングリコールモノ(n−ペンチル)エーテルとのモノエステル、2−エチルヘキサン酸とテトラエチレングリコールモノ(n−ヘキシル)エーテルとのモノエステル、2−エチルヘキサン酸とペンタエチレングリコールモノ(n−ブチル)エーテルとのモノエステル、2−エチルヘキサン酸とペンタエチレングリコールモノ(n−ペンチル)エーテルとのモノエステル、2−エチルヘキサン酸とペンタエチレングリコールモノ(n−ヘキシル)エーテルとのモノエステル、3,5,5−トリメチルヘキサン酸とテトラエチレングリコールモノ(n−ブチル)エーテルとのモノエステル、3,5,5−トリメチルヘキサン酸とテトラエチレングリコールモノ(n−ペンチル)エーテルとのモノエステル、3,5,5−トリメチルヘキサン酸とテトラエチレングリコールモノ(n−ヘキシル)エーテルとのモノエステル、3,5,5−トリメチルヘキサン酸とペンタエチレングリコールモノ(n−ブチル)エーテルとのモノエステル、3,5,5−トリメチルヘキサン酸とペンタエチレングリコールモノ(n−ペンチル)エーテルとのモノエステル、3,5,5−トリメチルヘキサン酸とペンタエチレングリコールモノ(n−ヘキシル)エーテルとのモノエステルが例示される。なかでも、2−エチルヘキサン酸とテトラエチレングリコールモノ(n−ブチル)エーテルとのモノエステル、2−エチルヘキサン酸とテトラエチレングリコールモノ(n−ペンチル)エーテルとのモノエステル、2−エチルヘキサン酸とテトラエチレングリコールモノ(n−ヘキシル)エーテルとのモノエステル、3,5,5−トリメチルヘキサン酸とテトラエチレングリコールモノ(n−ブチル)エーテルとのモノエステル、3,5,5−トリメチルヘキサン酸とテトラエチレングリコールモノ(n−ペンチル)エーテルとのモノエステル、3,5,5−トリメチルヘキサン酸とテトラエチレングリコールモノ(n−ヘキシル)エーテルとのモノエステルが特に好ましい。
【0045】
[軸受用潤滑油] 本発明の軸受用潤滑油は、本エステルを潤滑油基油として含む潤滑油であるか、又は本エステルと他の基油(以下、「併用基油」という。)との混合物を基油として含む潤滑油である。本発明に係る潤滑油基油が、本エステルと併用基油とからなる場合、該潤滑油基油に対して、本エステルの少なくとも1種を、30〜100重量%、好ましくは50〜100重量%、更に好ましくは60〜100重量%、特に好ましくは70〜100重量%含有する。
【0046】
上記併用基油としては、鉱物油(石油の精製によって得られる炭化水素油)、ポリ−α−オレフィン、ポリブテン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、脂環式炭化水素油、フィッシャートロプシュ法(Fischer-Tropsch process)によって得られる合成炭化水素の異性化油などの合成炭化水素油、動植物油、本エステル以外の有機酸エステル、ポリアルキレングリコール、ポリビニルエーテル、ポリフェニルエーテル、アルキルフェニルエーテル、シリコーン油が例示され、係る併用基油の少なくとも1種を適宜併用することができる。
【0047】
鉱物油としては、溶剤精製鉱油、水素化精製鉱油、ワックス異性化油が挙げられるが、通常、100℃における動粘度が1.0〜25mm/s、好ましくは2.0〜20.0mm/sの範囲にあるものが用いられる。
【0048】
ポリ−α−オレフィンとしては、炭素数2〜16のα−オレフィン(例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1ーヘキサデセン等)の重合体又は共重合体であって、100℃における動粘度が1.0〜25mm/s、粘度指数が100以上のものが例示され、特に100℃における動粘度が1.5〜20.0mm/sで、粘度指数が120以上のものが好ましい。
【0049】
ポリブテンとしては、イソブチレンを重合したもの、イソブチレンをノルマルブチレンと共重合したものがあり、一般に100℃の動粘度が2.0〜40mm/sの広範囲のものが挙げられる。
【0050】
アルキルベンゼンとしては、炭素数1〜40の直鎖又は分岐のアルキル基で置換された、分子量が200〜450であるモノアルキルベンゼン、ジアルキルベンゼン、トリアルキルベンゼン、テトラアルキルベンゼン等が例示される。
【0051】
アルキルナフタレンとしては、炭素数1〜30の直鎖又は分岐のアルキル基で置換されたモノアルキルナフタレン、ジアルキルナフタレン等が例示される。
【0052】
動植物油としては、牛脂、豚脂、パーム油、ヤシ油、ナタネ油、ヒマシ油、ヒマワリ油等が例示される。
【0053】
本エステル以外の有機酸エステルとしては、脂肪酸モノエステル、脂肪族直鎖二塩基酸ジエステル、ポリオールエステル及びその他のエステルが例示される。
【0054】
脂肪酸モノエステルとしては、炭素数5〜22の脂肪族直鎖状又は分岐鎖状モノカルボン酸と炭素数3〜22の直鎖状又は分岐鎖状の飽和若しくは不飽和の脂肪族アルコールとのエステルが挙げられる。
【0055】
脂肪族二塩基酸ジエステルとしては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナメチレンジカルボン酸、1,10−デカメチレンジカルボン酸等脂肪族二塩基酸及びこれらの無水物から選ばれる少なくとも1種と、炭素数3〜22の直鎖状又は分岐鎖状の飽和若しくは不飽和の脂肪族アルコールの1種又は2種以上とのフルエステルが挙げられる。
【0056】
ポリオールエステルとしては、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチルプロパンジオール、2−ブチル−2−エチルプロパンジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等のネオペンチル型構造のポリオール、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,4−ブタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、2−メチル−1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,6−ヘキサンジオール、1,6−ヘプタンジオール、2−メチル−1,7−ヘプタンジオール、3−メチル−1,7−ヘプタンジオール、4−メチル−1,7−ヘプタンジオール、1,7−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、3−メチル−1,8−オクタンジオール、4−メチル−1,8−オクタンジオール、1,8−ノナンジオール、2−メチル−1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,9−ノナンジオール、4−メチル−1,9−ノナンジオール、5−メチル−1,9−ノナンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、グリセリン、ポリグリセリン、ソルビトール等の非ネオペンチル型構造のポリオールから選ばれる少なくとも1種と、炭素数3〜22の直鎖状若しくは分岐鎖状の飽和若しくは不飽和の脂肪酸の1種又は2種以上とのフルエステルが例示される。
【0057】
その他のエステルとしては、ダイマー酸、水添ダイマー酸などの重合脂肪酸、或いは、縮合ヒマシ油脂肪酸、水添縮合ヒマシ油脂肪酸などのヒドロキシ脂肪酸と炭素数3〜22の直鎖状若しくは分岐鎖状の飽和又は不飽和の脂肪族アルコールとのエステルが挙げられる。
【0058】
ポリアルキレングリコールとしては、アルコールと炭素数2〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレンオキサイドの開環重合体が例示される。アルキレンオキサイドとしてはエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドが挙げられ、これらの1種を用いた重合体、若しくは2種以上の混合物を用いた共重合体が使用可能である。又、片端又は両端の水酸基部分がエーテル化した化合物も使用可能である。重合体の動粘度としては、5.0〜1000mm/s(40℃)、好ましくは5.0〜500mm/s(40℃)である。
【0059】
ポリビニルエーテルとしては、ビニルエーテルモノマーの重合によって得られる化合物であり、モノマーとしてはメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、sec−ブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、2−メトキシエチルビニルエーテル、2−エトキシエチルビニルエーテル等が挙げられる。重合体の動粘度としては、5.0〜1000mm/s(40℃)、好ましくは5.0〜500mm/s(40℃)である。
【0060】
ポリフェニルエーテルとしては、2個以上の芳香環のメタ位をエーテル結合又はチオエーテル結合でつないだ構造を有する化合物が挙げられ、具体的には、ビス(m−フェノキシフェニル)エーテル、m−ビス(m−フェノキシフェノキシ)ベンゼン、及びそれらの酸素の1個若しくは2個以上を硫黄に置換したチオエーテル類(通称C−エーテル)等が例示される。
【0061】
アルキルフェニルエーテルとしては、ポリフェニルエーテルを炭素数6〜18の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基で置換した化合物が挙げられ、特に1個以上のアルキル基で置換したアルキルジフェニルエーテルが好ましい。
【0062】
シリコーン油としては、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーンのほか、長鎖アルキルシリコーン、フルオロシリコーン等の変性シリコーンが挙げられる。
【0063】
これらの併用基油の中でも、耐熱性及び潤滑性に優れる点で合成炭化水素油及び有機酸エステルが好ましく、具体的には、ポリ−α−オレフィン、脂肪酸モノエステル、脂肪族二塩基酸ジエステル、及びポリオールエステルがより好ましく、特に脂肪族二塩基酸ジエステル、ポリオールエステルが特に好ましい。
【0064】
好ましい脂肪酸モノエステルとしては、炭素数12〜18の脂肪族直鎖状モノカルボン酸と炭素数8〜10の脂肪族飽和直鎖状一価アルコール又は炭素数8〜13の脂肪族飽和分岐鎖状一価アルコールとのフルエステルが例示される。具体的には、n−ドデカン酸n−オクチル、n−ドデカン酸n−ノニル、n−ドデカン酸n−デシル、n−ドデカン酸2−エチルヘキシル、n−ドデカン酸イソオクチル、n−ドデカン酸イソノニル、n−ドデカン酸3,5,5−トリメチルヘキシル、n−ドデカン酸イソデシル、n−ドデカン酸イソウンデシル、n−ドデカン酸イソドデシル、n−ドデカン酸イソトリデシル、n−テトラデカン酸n−ノニル、n−テトラデカン酸n−デシル、n−テトラデカン酸2−エチルヘキシル、n−テトラデカン酸イソオクチル、n−テトラデカン酸イソノニル、n−テトラデカン酸3,5,5−トリメチルヘキシル、n−テトラデカン酸イソデシル、n−テトラデカン酸イソウンデシル、n−テトラデカン酸イソドデシル、n−テトラデカン酸イソトリデシル、n−ヘキサデカン酸n−ノニル、n−ヘキサデカン酸n−デシル、n−ヘキサデカン酸2−エチルヘキシル、n−ヘキサデカン酸イソオクチル、n−ヘキサデカン酸イソノニル、n−ヘキサデカン酸3,5,5−トリメチルヘキシル、n−ヘキサデカン酸イソデシル、n−ヘキサデカン酸イソウンデシル、n−ヘキサデカン酸イソドデシル、n−ヘキサデカン酸イソトリデシル、n−オクタデカン酸n−ノニル、n−オクタデカン酸n−デシル、n−オクタデカン酸2−エチルヘキシル、n−オクタデカン酸イソオクチル、n−オクタデカン酸イソノニル、n−オクタデカン酸3,5,5−トリメチルヘキシル、n−オクタデカン酸イソデシル、n−オクタデカン酸イソウンデシル、n−オクタデカン酸イソドデシル、n−オクタデカン酸イソトリデシルが好ましい。
【0065】
これらの中でも、混合油の低温流動性に優れ、かつ、低温粘度が低い点で、n−ドデカン酸2−エチルヘキシル、n−ドデカン酸イソオクチル、n−ドデカン酸イソノニル、n−ドデカン酸3,5,5−トリメチルヘキシル、n−ドデカン酸イソデシル、n−テトラデカン酸2−エチルヘキシル、n−テトラデカン酸イソオクチル、n−テトラデカン酸イソノニル、n−テトラデカン酸3,5,5−トリメチルヘキシル、n−テトラデカン酸イソデシルが最も好ましい。
【0066】
特に好ましい脂肪族二塩基酸ジエステルとしては、アジピン酸、アゼライン酸又はセバシン酸と、炭素数8〜10の脂肪族飽和直鎖状一価アルコール又は炭素数8〜13の脂肪族飽和分岐鎖状一価アルコールとのフルエステルが例示される。具体的には、アジピン酸ジ(n−オクチル)、アジピン酸ジ(n−ノニル)、アジピン酸ジ(n−デシル)、アジピン酸ジ(2−エチルヘキシル)、アジピン酸ジイソオクチル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジ(3,5,5−トリメチルヘキシル)、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジイソウンデシル、アジピン酸ジイソドデシル、アジピン酸ジイソトリデシル、アゼライン酸ジ(n−オクチル)、アゼライン酸ジ(n−ノニル)、アゼライン酸ジ(n−デシル)、アゼライン酸ジ(2−エチルヘキシル)、アゼライン酸ジイソオクチル、アゼライン酸ジイソノニル、アゼライン酸ジ(3,5,5−トリメチルヘキシル)、アゼライン酸ジイソデシル、アゼライン酸ジイソウンデシル、アゼライン酸ジイソドデシル、アゼライン酸ジイソトリデシル、セバシン酸ジ(n−オクチル)、セバシン酸ジ(n−ノニル)、セバシン酸ジ(n−デシル)、セバシン酸ジ(2−エチルヘキシル)、セバシン酸ジイソオクチル、セバシン酸ジイソノニル、セバシン酸ジ(3,5,5−トリメチルヘキシル)、セバシン酸ジイソデシル、セバシン酸ジイソウンデシル、セバシン酸ジイソドデシル、セバシン酸ジイソトリデシルが好ましい。
【0067】
これらの中でも、混合油の低温流動性に優れる点で、アジピン酸ジ(2−エチルヘキシル)、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジ(3,5,5−トリメチルヘキシル)、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジイソトリデシル、アゼライン酸ジ(2−エチルヘキシル)、アゼライン酸ジイソノニル、アゼライン酸ジ(3,5,5−トリメチルヘキシル)、アゼライン酸ジイソデシル、アゼライン酸ジイソトリデシル、セバシン酸ジ(2−エチルヘキシル)、セバシン酸ジイソノニル、セバシン酸ジ(3,5,5−トリメチルヘキシル)、セバシン酸ジイソデシル、セバシン酸ジイソトリデシルが最も好ましい。
【0068】
又、特に好ましいポリオールエステルとしては、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール及びジペンタエリスリトールから選ばれる少なくとも1種と、炭素数4〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪酸の1種又は2種以上とのフルエステルが例示される。具体的には、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール及びジペンタエリスリトールからなる群より選ばれる1種若しくは2種以上の多価アルコール、及びn−ブタン酸、n−ペンタン酸、n−ヘキサン酸、n−ヘプタン酸、n−オクタン酸、n−ノナン酸、n−デカン酸、イソブタン酸、イソペンタン酸、イソヘキサン酸、イソヘプタン酸、イソオクタン酸、2−エチルヘキサン酸、イソノナン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸及びイソデカン酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上の脂肪族モノカルボン酸から得られるフルエステルが好ましい。
【0069】
これらの中でも、混合油の低温流動性に優れる点で、ネオペンチルグリコール又は3−メチル−1,5−ペンタンジオールと炭素数5〜10の直鎖状及び/又は分岐鎖状の脂肪酸とのジエステルが最も好ましい。
【0070】
本発明の軸受用潤滑油には、本発明に係る軸受用基油(本エステルと必要に応じて用いられる併用基油)に加えて、酸化防止剤、潤滑性向上剤、防錆剤、金属不活性剤及び粘度指数向上剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤を含有することができる。
【0071】
酸化防止剤としては、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、4,4’−メチレンビス−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,2’−メチレンビス−4−メチル−6−tert−ブチルフェノール等のフェノール系、N−フェニル−α−ナフチルアミン、p,p’−ジオクチルジフェニルアミン、p,p’−ジノニルジフェニルアミン、混合ジアルキルジフェニルアミン等のアミン系、フェノチアジン等の硫黄系化合物等が例示され、特にフェノール系酸化防止剤が好ましい。これらの酸化防止剤は、単独で又は組合わせて用いてもよく、酸化防止剤を添加する場合、通常、軸受用潤滑油に対して0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜3重量%の割合で含有することが望ましい。
【0072】
潤滑性向上剤としては、油性剤、耐摩耗剤、極圧剤が例示される。油性剤としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸などの炭素数12〜22の脂肪族飽和及び不飽和モノカルボン酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸などの重合脂肪酸、リシノレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸などのヒドロキシ脂肪酸、ラウリルアルコール、オレイルアルコールなどの脂肪族飽和及び不飽和モノアルコール、ステアリルアミン、オレイルアミンなどの脂肪族飽和及び不飽和モノアミン、ラウリン酸アミド、オレイン酸アミドなどの脂肪族飽和及び不飽和モノカルボン酸アミド、バチルアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコールなどのグリセリンエーテル、ラウリルポリグリセリンエーテル、オレイルポリグリセリルエーテルなどのアルキル若しくはアルケニルポリグリセリルエーテル、ジ(2−エチルヘキシル)モノエタノールアミン、ジイソトリデシルモノエタノールアミンなどのアルキル若しくはアルケニルアミンのポリ(アルキレンオキサイド)付加物等が例示される。これらの油性剤は、単独で又は組合わせて用いてもよく、油性剤を使用する場合、通常、軸受用潤滑油に対して0.01重量%〜5重量%、好ましくは0.1重量%〜3重量%の割合で含有することが望ましい。
【0073】
摩耗防止剤・極圧剤としては、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、アルキルフェニルホスフェート類、トリブチルホスフェート、ジブチルホスフェート等のリン酸エステル類、トリブチルホスファイト、ジブチルホスファイト、トリイソプロピルホスファイト等の亜りん酸エステル類及びこれらのアミン塩等のリン系、硫化油脂、硫化オレイン酸などの硫化脂肪酸、ジベンジルジスルフィド、硫化オレフィン、ジアルキルジスルフィドなどの硫黄系、Zn−ジアルキルジチオフォスフェート、Zn−ジアルキルジチオフォスフェート、Mo−ジアルキルジチオフォスフェート、Mo−ジアルキルジチオカルバメートなどの有機金属系化合物等が例示される。これらの摩耗防止剤・極圧剤は、単独で又は組合わせて用いてもよく、摩耗防止剤・極圧剤を使用する場合、通常、軸受用潤滑基油に対して0.01重量%〜10重量%、好ましくは0.1重量%〜5重量%の割合で含有することが望ましい。
【0074】
防錆剤としては、ドデセニルコハク酸ハーフエステル、オクタデセニルコハク酸無水物、ドデセニルコハク酸アミドなどのアルキル又はアルケニルコハク酸誘導体、ソルビタンモノオレエート、グリセリンモノオレエート、ペンタエリスリトールモノオレエートなどの多価アルコール部分エステル、Ca−石油スルフォネート、Ca−アルキルベンゼンスルフォネート、Ba−アルキルベンゼンスルフォネート、Mg−アルキルベンゼンスルフォネート、Na−アルキルベンゼンスルフォネート、Zn−アルキルベンゼンスルフォネート、Ca−アルキルナフタレンスルフォネートなどの金属スルフォネート、ロジンアミン、N−オレイルザルコシンなどのアミン類、ジアルキルホスファイトアミン塩等が例示される。これらの防錆剤は、単独で又は組合わせて用いてもよく、防錆剤を使用する場合、通常、軸受用潤滑油に対して0.01重量%〜5重量%、好ましくは0.05〜2重量%の割合で含有することが望ましい。
【0075】
金属不活性剤としては、ベンゾトリアゾール系、チアジアゾール系、没食子酸エステル系の化合物等が例示される。これらの金属不活性剤の中でも色相、長期耐久性に優れる点で、没食子酸エステルが好ましい。没食子酸エステルとしては、具体的には炭素数3〜12のアルキル基を有する没食子酸アルキルエステルが例示される。これらの金属不活性剤は、単独で又は組合わせて用いてもよく、金属不活性剤を使用する場合、通常、軸受用潤滑油に対して0.01〜0.4重量%、好ましくは0.01〜0.2重量%の割合で含有することが望ましい。
【0076】
粘度指数向上剤としては、ポリアルキルメタクリレート、ポリアルキルスチレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸エステル共重合体などのオレフィン共重合体が例示される。これらの粘度指数向上剤は、単独で又は組合わせて用いてもよく、粘度指数向上剤を使用する場合、通常、軸受用潤滑油に対して0.1〜15重量%、好ましくは0.5〜7重量%の割合で含有することが望ましい。
【0077】
さらに、本発明の軸受用潤滑油には、その性能を向上させるために、その他の添加剤、より具体的には、金属清浄剤、無灰分散剤、流動点降下剤、消泡剤、加水分解抑制剤等の添加剤の1種又は2種以上を適宜配合することも可能である。これらの配合量は、所定の効果を奏する限り特に限定されるものではないが、その具体的な例を以下に示す。
【0078】
金属清浄剤としては、Ca−石油スルフォネート、過塩基性Ca−石油スルフォネート、Ca−アルキルベンゼンスルフォネート、過塩基性Ca−アルキルベンゼンスルフォネート、Ba−アルキルベンゼンスルフォネート、過塩基性Ba−アルキルベンゼンスルフォネート、Mg−アルキルベンゼンスルフォネート、過塩基性Mg−アルキルベンゼンスルフォネート、Na−アルキルベンゼンスルフォネート、過塩基性Na−アルキルベンゼンスルフォネート、Ca−アルキルナフタレンスルフォネート、過塩基性Ca−アルキルナフタレンスルフォネートなどの金属スルフォネート、Ca−フェネート、過塩基性Ca−フェネート、Ba−フェネート、過塩基性Ba−フェネートなどの金属フェネート、Ca−サリシレート、過塩基性Ca−サリシレートなどの金属サリシレート、Ca−フォスフォネート、過塩基性Ca−フォスフォネート、Ba−フォスフォネート、過塩基性Ba−フォスフォネートなどの金属フォスフォネート、過塩基性Ca−カルボキシレート等が例示される。これらの金属清浄剤は、単独で又は組合わせて用いてもよく、金属清浄剤を使用する場合、通常、軸受用潤滑油に対して1〜10重量%、好ましくは2〜7重量%の割合で含有することが望ましい。
【0079】
無灰分散剤としては、ポリアルケニルコハク酸イミド、ポリアルケニルコハク酸アミド、ポリアルケニルベンジルアミン、ポリアルケニルコハク酸エステル等が例示される。これらの無灰分散剤は、単独で又は組合わせて用いてもよく、無灰分散剤を使用する場合、通常、軸受用潤滑油に対して1〜10重量%、好ましくは2〜7重量%の割合で含有することが望ましい。
【0080】
流動点降下剤としては、塩素化パラフィンとアルキルナフタレンの縮合物、塩素化パラフィンとフェノールの縮合物、既述の粘度指数向上剤であるポリアルキルメタクリレート、ポリアルキルスチレン、ポリブテン等が例示される。これらの流動点降下剤は、単独で又は組合わせて用いてもよく、流動点降下剤を使用する場合、通常、軸受用潤滑油に対して0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%の割合で含有することが望ましい。
【0081】
消泡剤としては、液状シリコーンが適しており、消泡剤を使用する場合、その含有量は、通常、軸受用潤滑油に対して0.0005〜0.01重量%である。
【0082】
加水分解抑制剤としては、アルキルグリシジルエーテル類、アルキレングリコールグリシジルエーテル類、脂環式エポキシ類、フェニルグリシジルエーテルなどのエポキシ化合物、ジ−tert−ブチルカルボジイミド、1,3−ジ−p−トリルカルボジイミドなどのカルボジイミド化合物が使用可能であり、加水分解抑制剤を使用する場合、通常、軸受用潤滑油に対して0.05〜2重量%の割合で含有することが望ましい。加水分解抑制剤は、特に、酸成分として直鎖状の脂肪族モノカルボン酸を用いた本エステルの耐加水分解性を改善するのに好適である。
【0083】
本発明に係る軸受用潤滑油は、従来公知の潤滑油と比べて耐揮発性及び低温流動性が同等又はそれ以上であり、耐酸化性に優れる。
【0084】
又、本発明の軸受用潤滑油は、種々の材質の軸受に使用することができる。具体的には、鉄系軸受、銅系軸受、鉛系軸受などが例示されるが、特に鉄系軸受及び銅系軸受との適合性に優れる。
【0085】
本発明の潤滑油は、40℃における動粘度が6〜10mm/sであることが好ましく、省電力性の点で40℃における動粘度が6〜10mm/sであり、かつ、0℃における動粘度が15〜40mm/s、特に、15〜35mm/sであることが好ましい。
【実施例】
【0086】
以下に実施例を掲げて本発明を詳しく説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。また、各実施例及び比較例における潤滑油の物理特性及び化学特性は以下の方法により評価した。
【0087】
(a)全酸価 JIS K2501に準拠して測定した。
【0088】
(b)動粘度 JIS K2283に準拠して、0℃、40℃、100℃における動粘度を測定した。
【0089】
(c)粘度指数 JIS K2283に準拠して算出した。
【0090】
(d)低温流動性試験 JIS K2269に準拠して流動点を測定した。
【0091】
(e)引火点試験 JIS K2265.7(クリーブランド解放式)に準拠して測定した。
【0092】
(f)耐酸化性試験 50mL共栓付試験管に、前項と同様にして調整した潤滑油を約0.2g、長さ約2mmに切った鉄、銅、アルミニウムの針金を各1個入れた後、共栓の蓋が開かないように止め金を付けた。この試験管をオーブン中160℃で24時間加熱した。試験後の潤滑油の全酸価を測定した。全酸価の上昇が少ないものほど耐酸化性に優れる。
【0093】
[製造例1] 撹拌器、温度計、冷却管付き水分分留受器を備えた1リットルの四ツ口フラスコにn−ドデカン酸(新日本理化製、商品名「ラウリン酸P」)280.5g(1.4モル)、エチレングリコールモノ(2−エチルヘキシル)エーテル(協和発酵ケミカル製、商品名「キョウーワノールOX」)256.2g(1.47モル)、キシレン(酸及びアルコールの総量に対し5重量%)、及び触媒としてテトラ−n−ブチルチタネート(酸及びアルコールの総量に対し0.1重量%)を仕込み、窒素雰囲気下、減圧にて200℃まで昇温した。理論生成水量(25g)を目処にして留出してくる生成水を水分分留受器で除去しながらエステル化反応を約3時間行った。反応終了後、過剰のアルコール及びキシレンを蒸留により除去してエステル化粗物を得た。次いで、得られたエステル化粗物を反応終了後の全酸価に対して過剰の苛性ソーダ水溶液で中和後、中性になるまで水洗した。更に、得られたエステル化粗物を活性炭で処理後、濾過により活性炭を除去してエステルA[n−ドデカン酸とエチレングリコールモノ(2−エチルヘキシル)エーテルから得られるモノエステル]453gを得た。得られたエステルAの全酸価は0.01mgKOH/gであった。
【0094】
[製造例2] エチレングリコールモノ(2−エチルヘキシル)エーテルの代わりにジエチレングリコールモノ(2−エチルヘキシル)エーテル(協和発酵ケミカル製、商品名「キョーワノールOX20」)320.5g(1.47モル)を使用した以外は製造例1と同様の方法により、エステルB[n−ドデカン酸とジエチレングリコールモノ(2−エチルヘキシル)エーテルから得られるモノエステル]510gを得た。得られたエステルBの全酸価は0.01mgKOH/gであった。
【0095】
[製造例3] エチレングリコールモノ(2−エチルヘキシル)エーテルの代わりにトリプロピレングリコールモノ(n−ブチル)エーテル(日本乳化剤製、商品名「BFTG」、尚、プロピレングリコール単位のプロピレン基は、分岐状である。)365.1g(1.47モル)を使用した以外は製造例1と同様の方法により、エステルC[n−ドデカン酸とトリプロピレングリコールモノ(n−ブチル)エーテルから得られるモノエステル]541gを得た。得られたエステルCの全酸価は0.01mgKOH/gであった。
【0096】
[製造例4] n−ドデカン酸の代わりに2−エチルヘキサン酸(協和発酵ケミカル製、商品名「オクチル酸」)205.9g(1.43モル)を、エチレングリコールモノ(2−エチルヘキシル)エーテルの代わりにテトラエチレングリコールモノ(n−ブチル)エーテル(協和発酵ケミカル製、商品名「ブチセノール40」)350g(1.4モル)を使用し、反応時間を約10時間とした以外は製造例1と同様の方法により、エステルD[2−エチルヘキサン酸とテトラエチレングリコールモノ(n−ブチル)エーテルから得られるモノエステル]480gを得た。得られたエステルDの全酸価は0.01mgKOH/gであった。
【0097】
[製造例5] n−ドデカン酸の代わりに3,5,5−トリメチルヘキサン酸(協和発酵ケミカル製、商品名「キョーワノイックN」)224.4g(1.42モル)を、エチレングリコールモノ(2−エチルヘキシル)エーテルの代わりにテトラエチレングリコールモノ(n−ブチル)エーテル350g(1.4モル)を使用し、反応時間を約7時間とした以外は製造例1と同様の方法により、エステルE[3,5,5−トリメチルヘキサン酸とテトラエチレングリコールモノ(n−ブチル)エーテルから得られるモノエステル]493gを得た。得られたエステルEの全酸価は0.01mgKOH/gであった。
【0098】
[製造例6]
n−ドデカン酸163.8g(0.82モル)、エチレングリコールモノ(2−エチルヘキシル)エーテルの代わりに、青木油脂工業製、商品名「FINESURF D−35」を0.9kPa、220℃条件の下、蒸留精製し、純度99.0%のエチレングリコールモノ(イソデシル)エーテルを得た。
上記蒸留精製で得られたエチレングリコールモノ(イソデシル)エーテル161.9g(0.8モル)、触媒として酸化錫(酸及びアルコールの総量に対し0.1重量%)を使用した以外は製造例1と同様の方法により、エステルF[n−ドデカン酸とエチレングリコールモノ(イソデシル)エーテルから得られるモノエステル]263gを得た。得られたエステルFの全酸価は0.01mgKOH/gであった。
【0099】
[製造例7]
n−ドデカン酸の代わりにn−デカン酸140.6g(0.82モル)、エチレングリコールモノ(2−エチルヘキシル)エーテルの代わりに、青木油脂工業製、商品名「FINESURF D−35」を0.8kPa、250℃条件の下、蒸留精製し、純度93.5%のジエチレングリコールモノ(イソデシル)エーテルを得た。
上記蒸留精製で得られたジエチレングリコールモノ(イソデシル)エーテル197.1g(0.8モル)、触媒として酸化錫(酸及びアルコールの総量に対し0.1重量%)を使用した以外は製造例1と同様の方法により、エステルG[n−デカン酸とジエチレングリコールモノ(イソデシル)エーテルから得られるモノエステル]286gを得た。得られたエステルGの全酸価は0.01mgKOH/gであった。
【0100】
[製造例8]
n−ドデカン酸の代わりにn−デカン酸114.2g(0.66モル)、エチレングリコールモノ(2−エチルヘキシル)エーテルの代わりに、青木油脂工業製、商品名「FINESURF TD−30」を0.2kPa、245℃条件の下、蒸留精製し、純度98.0%のエチレングリコールモノ(トリデシル)エーテルを得た。
上記蒸留精製で得られたエチレングリコールモノ(トリデシル)エーテル158.9g(0.65モル)、触媒として酸化錫(酸及びアルコールの総量に対し0.1重量%)を使用した以外は製造例1と同様の方法により、エステルH[n−デカン酸とエチレングリコールモノ(トリデシル)エーテルから得られるモノエステル]221gを得た。得られたエステルHの全酸価は0.01mgKOH/gであった。
【0101】
[実施例1〜8] 製造例1〜8で得られたエステルA〜Hからなる軸受用潤滑油の動粘度、粘度指数、低温流動性試験及び引火点試験の結果を表1に示す。また、上記試験方法に記載の方法に従って、各エステルに酸化防止剤を配合した軸受用潤滑油の耐酸化性試験の結果もあわせて表1に示した。
【0102】
[実施例9] 製造例1で得られたエステルAとセバシン酸ジ(2−エチルヘキシル)(「DOS」と略記する。)を60:40(重量比)で混合してエステル配合油を調製した。このエステル配合油からなる軸受用潤滑油の粘度指数、低温流動性試験及び引火点試験の結果を表1に示す。また、上記試験方法に記載の方法に従って、エステル配合油に酸化防止剤を配合した軸受用潤滑油の耐酸化性試験の結果もあわせて表1に示した。
【0103】
[実施例10] 製造例2で得られたエステルCとネオペンチルグリコールの中鎖脂肪酸エステル(n−オクタン酸及びn−デカン酸との混合脂肪酸)(「ポリオールエステル」と略記する。)を70:30(重量比)で混合してエステル配合油を調製した。このエステル配合油からなる軸受用潤滑油の粘度指数、低温流動性試験及び引火点試験の結果を表1に示す。また、上記試験方法に記載の方法に従って、エステル配合油に酸化防止剤を配合した軸受用潤滑油の耐酸化性試験の結果もあわせて表1に示した。
【0104】
[実施例11] 製造例5で得られたエステルEに対して、ポリメタクリレート系粘度指数向上剤(三洋化成社製 商品名「アクルーブ504」)(「PMA」と略記する)2重量%を添加した配合油を調製した。このエステル配合油からなる軸受用潤滑油の粘度指数、低温流動性試験及び引火点試験の結果を表1に示す。また、上記試験方法に記載の方法に従って、エステル配合油に酸化防止剤を配合した軸受用潤滑油の耐酸化性試験の結果もあわせて表1に示した。
【0105】
[比較例1] n−ヘキサデカン酸2−エチルヘキシルの動粘度、粘度指数、低温流動性試験及び引火点試験の結果、並びに、上記試験方法の記載に準じて酸化防止剤配合したn−ヘキサデカン酸2−エチルヘキシルの耐酸化性試験の結果を表1に示す。
【0106】
[比較例2] 2−エチルヘキサン酸n−ヘキサデシルの動粘度、粘度指数、低温流動性試験及び引火点試験の結果、並びに上記試験方法の記載に準じて酸化防止剤配合した2−エチルヘキサン酸n−ヘキサデシルの耐酸化性試験の結果を表1に示す。
【0107】
[比較例3] オレイン酸2−(n−ブトキシ)エチルの動粘度、粘度指数、低温流動性試験及び引火点試験の結果、並びに、上記試験方法の記載に準じて酸化防止剤配合したオレイン酸2−(n−ブトキシ)エチルの耐酸化性試験の結果を表1に示す。
【0108】
【表1】


【0109】
表1から明らかなように、本発明の潤滑油は広範囲の温度に対して低い動粘度を有し、良好な低温流動性を示し、更に耐酸化性にも優れていることがわかり性能バランスに優れている。一方、脂肪酸アルキルエステルは、動粘度、低温流動性、耐酸化性のバランスに劣ることがわかる。又、長鎖脂肪酸であるオレイン酸とエーテル基を含有する一価アルコールから得られるエステルは、耐酸化性に劣ることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明に従い、一般式(1)で表されるモノエステルを軸受用潤滑油に含有することにより、低粘度、粘度指数、耐熱性、潤滑性、低温流動性、耐酸化性などの基本要求特性をバランスよく兼ね備えた潤滑油を得ることが出来る。本発明に係わる軸受用潤滑油は、軸受部における粘性摩擦の低減、更には機器の消費電力の削減に効果を有する。
【出願人】 【識別番号】000191250
【氏名又は名称】新日本理化株式会社
【出願日】 平成19年11月16日(2007.11.16)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−179773(P2008−179773A)
【公開日】 平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願番号】 特願2007−298058(P2007−298058)