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潤滑油組成物 - 特開2008−179738 | j-tokkyo
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【発明の名称】 潤滑油組成物
【発明者】 【氏名】中川 明

【氏名】馬渕 豊

【要約】 【課題】摩擦係数を大幅に低減し、更なる燃費の向上を実現し得る潤滑油組成物を提供すること。

【解決手段】潤滑油組成物は、潤滑油基油と、含酸素有機化合物と、ダイヤモンドナノ粒子と、ダイヤモンドナノ粒子用分散剤とを含有し、ダイヤモンドナノ粒子の含有量が0.01〜3.0%である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
潤滑油基油と、含酸素有機化合物と、ダイヤモンドナノ粒子と、ダイヤモンドナノ粒子用分散剤と、を含有する潤滑油組成物であって、
上記ダイヤモンドナノ粒子の含有量が0.01〜3.0%であることを特徴とする潤滑油組成物。
【請求項2】
上記ダイヤモンドナノ粒子用分散剤が、エーテル系界面活性剤とリン系界面活性剤とを含有することを特徴とする請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項3】
上記ダイヤモンドナノ粒子用分散剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸とを含有することを特徴とする請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項4】
上記ダイヤモンドナノ粒子用分散剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸とから成り、該ポリオキシエチレンアルキルエーテルの含有量が5〜15%であり、該ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸の含有量が85〜95%であることを特徴とする請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項5】
上記ダイヤモンドナノ粒子用分散剤が、ポリオキシエチレンジアルキルフェニルエーテルとポリオキシエチレンジアルキルフェニルエーテルリン酸とを含有することを特徴とする請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項6】
上記ダイヤモンドナノ粒子用分散剤が、ポリオキシエチレンジアルキルフェニルエーテルとポリオキシエチレンジアルキルフェニルエーテルリン酸とから成り、該ポリオキシエチレンジアルキルフェニルエーテルの含有量が10〜15%であり、該ポリオキシエチレンジアルキルフェニルエーテルリン酸の含有量が85〜90%であることを特徴とする請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項7】
上記ダイヤモンドナノ粒子用分散剤が、ソルビタントリオレートであることを特徴とする請求項1に記載の潤滑油組成物。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、潤滑油組成物に係り、更に詳細には、ダイヤモンドナノ粒子を含有し、自動車用内燃機関や動力伝達装置の部品の摺動部位などに適用され、摩擦係数を大幅に低減し得る潤滑油組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
地球全体の温暖化、オゾン層の破壊など地球規模で環境問題が大きくクローズアップされている。とりわけ、地球全体の温暖化に大きな影響があるといわれているCO排出量の削減は大きな関心事である。CO排出量の削減に対して、自動車の燃費を向上させることは大きな貢献の一つであり、これまで内燃機関の機械損失を低減するなど様々な技術開発が進められてきている。
【0003】
潤滑油による機械損失の低減の方策として、[1]低粘度化によって、流体潤滑領域における粘性抵抗及びエンジン内の撹拌抵抗を低減すること、[2]最適な摩擦調整剤と各種添加剤の配合によって、混合及び境界潤滑領域下での摩擦損失を低減すること、が提言されており、摩擦調整剤としてはジチオカルバミン酸モリブデン(MoDTC)やジチオリン酸モリブデン(MoDTP)といった有機モリブデン化合物を中心に多くの研究がなされており、従来の鋼材料から成る摺動面においては、使用開始初期に優れた低摩擦係数を示す有機モリブデン化合物を配合した潤滑油が適用され、ある程度の効果をあげている(特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平8−20786号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載された潤滑油においても、最近の更なる燃費の向上の要求に対しては、その効果が十分ではなかった。
【0005】
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、摩擦係数を大幅に低減し、更なる燃費の向上を実現し得る潤滑油組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねたところ、潤滑油基油に、含酸素有機化合物と所定量のダイヤモンドナノ粒子とダイヤモンドナノ粒子用分散剤とを添加することなどにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明の潤滑油組成物は、潤滑油基油と、含酸素有機化合物と、ダイヤモンドナノ粒子と、ダイヤモンドナノ粒子用分散剤とを含有し、該ダイヤモンドナノ粒子の含有量が0.01〜3.0%であることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の潤滑油組成物の第1の好適形態は、ダイヤモンドナノ粒子用分散剤が、エーテル系界面活性剤とリン系界面活性剤とを含有することを特徴とする。
【0009】
更に、本発明の潤滑油組成物の第2の好適形態は、ダイヤモンドナノ粒子用分散剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸とを含有することを特徴とする。
【0010】
更にまた、本発明の潤滑油組成物の第3の好適形態は、ダイヤモンドナノ粒子用分散剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸とから成り、該ポリオキシエチレンアルキルエーテルの含有量が5〜15%であり、該ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸の含有量が85〜95%であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の潤滑油組成物の第4の好適形態は、ダイヤモンドナノ粒子用分散剤が、ポリオキシエチレンジアルキルフェニルエーテルとポリオキシエチレンジアルキルフェニルエーテルリン酸とを含有することを特徴とする。
【0012】
更に、本発明の潤滑油組成物の第5の好適形態は、ダイヤモンドナノ粒子用分散剤が、ポリオキシエチレンジアルキルフェニルエーテルとポリオキシエチレンジアルキルフェニルエーテルリン酸とから成り、該ポリオキシエチレンジアルキルフェニルエーテルの含有量が10〜15%であり、該ポリオキシエチレンジアルキルフェニルエーテルリン酸の含有量が85〜90%であることを特徴とする。
【0013】
更にまた、本発明の潤滑油組成物の第6の好適形態は、ダイヤモンドナノ粒子用分散剤が、ソルビタントリオレートであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、潤滑油基油に、含酸素有機化合物と所定量のダイヤモンドナノ粒子とダイヤモンドナノ粒子用分散剤とを添加することなどとしたため、摩擦係数を大幅に低減し、更なる燃費の向上を実現し得る潤滑油組成物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の潤滑油組成物について説明する。なお、本明細書及び特許請求の範囲において濃度や含有量などについての「%」は、特記しない限り質量百分率を表すものとする。
上述の如く、本発明の潤滑油組成物は、潤滑油基油と、含酸素有機化合物と、ダイヤモンドナノ粒子と、ダイヤモンドナノ粒子用分散剤とを含有し、ダイヤモンドナノ粒子の含有量が0.01〜3.0%であるものであって、ダイヤモンドナノ粒子がダイヤモンドナノ粒子用分散剤により分散され、これと含酸素有機化合物とが相乗効果を発揮することによって、例えば自動車用内燃機関や動力伝達装置の部品の摺動部位などに適用された場合に、摩擦係数を大幅に低減し、燃費の向上を実現し得る。
また、適用される鋼やアルミニウム合金等の構造部品に対して、特殊な表面処理を施すことが必須でないことなどといった副次的な利点もある。
【0016】
ここで、潤滑油基油は、潤滑油組成物の主成分であり、特定性状の鉱油及び合成油のいずれか一方又は双方から成ることが望ましい。
【0017】
上記鉱油としては、具体的には、原油を常圧蒸留及び減圧蒸留して得られた潤滑油留分を溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、水素化精製、ワックス異性化、硫酸清浄、白土処理などの精製処理を1つ以上組み合わせて精製したパラフィン系又はナフテン系の油やノルマルパラフィンなどを挙げることができる。
【0018】
上記合成油としては、具体的には、アルキルナフタレン、アルキルベンゼン、ポリブテン又はその水素化物;1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー等のポリ−α−オレフィン又はその水素化物;ジトリデシルグルタレート、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジオクチルセバケート等のジエステル;トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール−2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールペラルゴネート等のポリオールエステル;これらの混合物などが例示できる。
【0019】
潤滑油基油は、鉱油又は合成油を単独又は混合して用いる以外に、2種類以上の鉱油、又は2種類以上の合成油の混合物でも差し支えない。また、上記混合物における2種類以上の基油の混合比も特に限定されず任意に選ぶことができる。
【0020】
潤滑油基油の全芳香族含有量は、特に制限されるものではないが、15%以下であることが好ましく、より好ましくは10%以下、更に好ましくは8%以下である。潤滑油基油の全芳香族含有量が15%を超える場合には、酸化安定性が劣るため好ましくない。
また、高度水素化分解鉱油又は1−デセンオリゴマー水素化物など、潤滑油基油の全芳香族含有量が2%以下、又は0%であっても摩擦低減効果の高い潤滑油組成物を得ることができるが、例えば、脂肪酸エステル系無灰摩擦調整剤の含有量が1%を超える場合には、貯蔵安定性に劣る可能性があるため、必要に応じて溶剤精製鉱油やアルキルベンゼン等を配合することにより潤滑油基油の全芳香族含有量を調整する(例えば、2%以上とする。)ことが好ましい。
ここで、全芳香族含有量とは、ASTM D 2549に準拠して測定した芳香族留分含有量を意味し、通常この芳香族留分には、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、アントラセン、フェナントレン、これらのアルキル化物、四環以上のベンゼン環が縮合した化合物、又はピリジン類、キノリン類、フェノール類、ナフトール類等のヘテロ芳香族を有する化合物等が含まれる。
【0021】
上記ポリ−α−オレフィン系の合成油を含有する潤滑油基油の全芳香族含有量は、5%以下であることが好ましく、3%以下であることがより好ましく、2%以下であることが更に好ましい。
【0022】
潤滑油基油の動粘度は、特に制限されるものではないが、内燃機関用潤滑油組成物として使用する場合には、100℃における動粘度は、2mm/s以上であることが好ましく、より好ましくは3mm/s以上であり、一方、その動粘度は20mm/s以下であることが好ましく、10mm/s以下、特に8mm/s以下であることが好ましい。
潤滑油基油の100℃における動粘度を2mm/s以上とすることによって油膜形成が十分であり、潤滑性に優れ、また、高温条件下での基油の蒸発損失がより小さい潤滑油組成物を得ることができる。一方、100℃における動粘度を20mm/s以下とすることによって、流体抵抗が小さくなるため潤滑箇所での摩擦抵抗のより小さい潤滑油組成物を得ることができる。
【0023】
また、潤滑油基油の粘度指数は、特に制限されるものではないが、80以上であることが好ましく、内燃機関用潤滑油組成物として使用する場合には、100以上であることが好ましく、120以上であることが特に好ましい。潤滑油基油の粘度指数が高いものを選択することにより低温粘度特性に優れるだけでなく、摩擦低減効果に優れた潤滑油組成物を得ることができる。
【0024】
また、含酸素有機化合物は、分子中に酸素を含有する有機化合物であれば特に制限はない。例えば、炭素、水素及び酸素から成る含酸素有機化合物であってもよいし、分子中にこれら以外の元素、例えば、窒素、硫黄、ハロゲン(フッ素、塩素等)、リン、ホウ素、金属等を含有して成る含酸素有機化合物であってもよい。
特に、摺動部材がなす摺動面の摩擦をより低減する観点からは、ヒドロキシル基を有し、炭素、水素及び酸素から成る含酸素有機化合物やその誘導体が好適である。
また、ヒドロキシル基は2つ以上有することがより好ましい。
上記と同様の理由で、硫黄含有量の少ない、又は硫黄を含有しない含酸素有機化合物であることがより好ましい。
なお、ここでいう「誘導体」とは、代表的には、炭素、水素及び酸素から成る含酸素有機化合物に、例えば、窒素含有化合物、リン含有化合物、硫黄や硫黄含有化合物、ホウ素含有化合物、ハロゲン元素やハロゲン元素含有化合物、金属元素や金属含有化合物等(有機、無機を問わない。)を反応させて得られる化合物等が挙げられ、特に制限はない。
【0025】
より具体的には、(I)アルコール類、(II)カルボン酸類、(III)エステル類、(IV)エーテル類、(V)ケトン類、(VI)アルデヒド類、(VII)カーボネート類又はこれらの誘導体、及びこれらの任意の組み合わせに係る混合物が挙げられる。
【0026】
ここで、(I)アルコール類は、次の一般式(1)
【0027】
R−(OH)…(1)
【0028】
で表される含酸素有機化合物であり、ヒドロキシル基を1つ又は2つ以上有する化合物が例示できる。
【0029】
アルコール類(I)としては、具体的に、例えば1価アルコール類(I−1)、2価のアルコール類(I−2)、3価以上のアルコール類(I−3)、上記3種のアルコール類のアルキレンオキサイド付加物(I−4)、上記4種のアルコール類から選ばれる1種又は2種以上の混合物(I−5)が挙げられる。
【0030】
上記1価アルコール類(I−1)は、ヒドロキシル基を分子中に1つ有するものであり、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール(1−プロパノール、2−プロパノール)、ブタノール(1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール)、ペンタノール(1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール)、ヘキサノール(1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、4−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2,3−ジメチル−1−ブタノール、2,3−ジメチル−2−ブタノール、3,3−ジメチル−1−ブタノール、3,3−ジメチル−2−ブタノール、2−エチル−1−ブタノール、2,2−ジメチルブタノール)、ヘプタノール(1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、2−メチル−1−ヘキサノール、2−メチル−2−ヘキサノール、2−メチル−3−ヘキサノール、5−メチル−2−ヘキサノール、3−エチル−3−ペンタノール、2,2−ジメチル−3−ペンタノール、2,3−ジメチル−3−ペンタノール、2,4−ジメチル−3−ペンタノール、4,4−ジメチル−2−ペンタノール、3−メチル−1−ヘキサノール、4−メチル−1−ヘキサノール、5−メチル−1−ヘキサノール、2−エチルペンタノール)、オクタノール(1−オクタノール、2−オクタノール、3−オクタノール、4−メチル−3−ヘプタノール、6−メチル−2−ヘプタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、2−プロピル−1−ペンタノール、2,4,4−トリメチル−1−ペンタノール、3,5−ジメチル−1−ヘキサノール、2−メチル−1−ヘプタノール、2,2−ジメチル−1−ヘキサノール)、ノナノール(1−ノナノール、2−ノナノール、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、3−エチル−2,2−ジメチル−3−ペンタノール、5−メチルオクタノール等)、デカノール(1−デカノール、2−デカノール、4−デカノール、3,7−ジメチル−1−オクタノール、2,4,6−トリメチルヘプタノール等)、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノール(ステアリルアルコール等)、ノナデカノール、エイコサノール、ヘンエイコサノール、トリコサノール、テトラコサノール等の炭素数1〜40の1価アルキルアルコール類(これらアルキル基は直鎖状であっても分枝状であってもよい。);エテノール、プロペノール、ブテノール、ヘキセノール、オクテノール、デセノール、ドデセノール、オクタデセノール(オレイルアルコール等)等の炭素数2〜40の1価アルケニルアルコール類(これらアルケニル基は直鎖状であっても分枝状であってもよく、また、二重結合の位置も任意である。);シクロペンタノール、シクロヘキサノール、シクロヘプタノール、シクロオクタノール、メチルシクロペンタノール、メチルシクロヘキサノール、ジメチルシクロヘキサノール、エチルシクロヘキサノール、プロピルシクロヘキサノール、ブチルシクロヘキサノール、ジメチルシクロヘキサノール、シクロペンチルメタノール、シクロヘキシルメタノール(1−シクロヘキシルエタノール、2−シクロヘキシルエタノール等)、シクロヘキシルエタノール、シクロヘキシルプロパノール(3−シクロヘキシルプロパノール等)、シクロヘキシルブタノール(4−シクロヘキシルブタノール等)、ブチルシクロヘキサノール、3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキサノール等の炭素数3〜40の1価(アルキル)シクロアルキルアルコール類(これらアルキル基は直鎖状であっても分枝状であってもよく、また、アルキル基、ヒドロキシル基の置換位置も任意である。);フェニルアルコール、メチルフェニルアルコール(o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール)、クレオソール、エチルフェニルアルコール、プロピルフェニルアルコール、ブチルフェニルアルコール、ブチルメチルフェニルアルコール(3−メチル−6−tert−ブチルフェニルアルコール等)、ジメチルフェニルアルコール、ジエチルフェニルアルコール、ジブチルフェニルアルコール(2,6−ジ−tert−ブチルフェニルアルコール、2,4−ジ−tert−ブチルフェニルアルコール等)、ジブチルメチルフェニルアルコール(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニルアルコール等)、ジブチルエチルフェニルアルコール(2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェニルアルコール等)、トリブチルフェニルアルコール(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェニルアルコール等)、ナフトール(α−ナフトール、β−ナフトール等)、ジブチルナフトール(2,4−ジ−tert−ブチル−α−ナフトール等)等の(アルキル)アリールアルコール類(これらアルキル基は直鎖状であっても分枝状であってもよく、また、アルキル基、ヒドロキシル基の置換位置も任意である。)等;6−(4−オキシ−3,5−ジ−tert−ブチル−アニリノ)−2,4−ビス−(n−オクチル−チオ)−1,3,5−トリアジン等;これらの混合物などが挙げられる。
【0031】
これら1価アルコール類においては、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)コーティング摺動部材(A)と摺動部材(B)から成る摺動面の摩擦をより低減できる観点、及び揮発性が低く高温条件(例えば内燃機関等の摺動条件)においても摩擦低減効果を発揮できる観点から、オレイルアルコール、ステアリルアルコール等の炭素数12〜18の直鎖又は分枝のアルキルアルコール類やアルケニルアルコール類を使用するのがより好ましい。
【0032】
また、上記2価アルコール(I−2)は、具体的には、ヒドロキシル基を分子中に2つ有するものであり、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,15−ヘプタデカンジオール、1,16−ヘキサデカンジオール、1,17−ヘプタデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,19−ノナデカンジオール、1,20−イコサデカンジオール等の炭素数2〜40のアルキル又はアルケニルジオール類(これらアルキル基又はアルケニル基は直鎖状でも分枝状でもよく、アルケニル基の二重結合の位置は任意であり、ヒドロキシル基の置換位置も任意である。);シクロヘキサンジオール、メチルシクロヘキサンジオール等の(アルキル)シクロアルカンジオール類(アルキル基は直鎖状でも分枝状でもよく、アルキル基、ヒドロキシル基の置換位置は任意である。)、ベンゼンジオール(カテコール等)、メチルベンゼンジオール、エチルベンゼンジオール、ブチルベンゼンジオール(p−tert−ブチルカテコール等)、ジブチルベンゼンジオール(4,6−ジ−tert−ブチル−レゾルシン等)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−tert−ブチル−フェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−tert−ブチル−フェノール)、2,2−メチレンビス−(4−メチル−6−tert−ブチル−フェノール)、2,2’−チオビス−(4,6−ジ−tert−ブチル−レゾルシン)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチル−フェノール)、4,4’−メチレンビス−(2,6−ジ−tert−ブチル−フェノール)、2,2’−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ)プロパン、4,4’−シクロヘキシリデンビス−(2,6−ジ−tert−ブチル−フェノール)等の炭素数2〜40の2価(アルキル)アリールアルコール類(アルキル基は直鎖状でも分枝状でもよく、アルキル基、ヒドロキシル基の置換位置は任意である。)等;p−tert−ブチルフェノールとホルムアルデヒドとの縮合物、p−tert−ブチルフェノールとアセトアルデヒドとの縮合物等;これらの混合物などが挙げられる。
【0033】
これら2価アルコール類においては、DLCコーティング摺動部材(A)と摺動部材(B)から成る摺動面の摩擦をより低減できる観点から、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール等を使用するのが好ましい。
また、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジル)フェニルアルコール等の分子量300以上、好ましくは400以上の高分子量のヒンダードアルコール類は、高温条件(例えば内燃機関等の摺動条件)においても揮発しにくく耐熱性に優れ、摩擦低減効果を発揮できると共に、優れた酸化安定性をも付与できる点で好ましい。
【0034】
更に、3価以上のアルコール類(I−3)は、具体的には、ヒドロキシル基を3つ以上有するものであり、通常3〜10価、好ましくは3〜6価の多価アルコールが用いられる。
具体例としては、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン等のトリメチロールアルカン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3,4−ブタンテトロール、ソルビトール、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール、これらの重合体又は縮合物(例えば、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリンなどのグリセリンの2〜8量体等、ジトリメチロールプロパンなどのトリメチロールプロパンの2〜8量体等、ジペンタエリスリトールなどのペンタエリスリトールの2〜4量体等、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物などの縮合化合物(分子内縮合化合物、分子間縮合化合物又は自己縮合化合物)等)が挙げられる。
【0035】
また、キシロース、アラビトール、リボース、ラムノース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、ソルボース、セロビオース、マントース、イソマルトース、トレハロース、スクロース等の糖類も使用可能である。
【0036】
これら3価以上のアルコール類においては、グリセリン、トリメチロールアルカン(例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン。)、ペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3,4−ブタンテトロール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール等の3〜6価の多価アルコール、これらの混合物がより好ましく、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビタン及びこれらの混合物が更に好ましく、酸素含有量が20%以上である多価アルコール類であることが好ましく、30%以上である多価アルコール類であることがより好ましく、40%以上である多価アルコール類であることが特に好ましい。
なお、6価を超える多価アルコールの場合、粘度が高くなりすぎる。
【0037】
更にまた、アルキレンオキサイド付加物(I−4)は、上記アルコール類(I−1〜3)のアルキレンオキサイド付加物であり、具体的には、当該アルコール類に炭素数2〜6、好ましくは炭素数2〜4のアルキレンオキサイド、その重合体又は共重合体を付加させ、アルコール類のヒドロキシル基をハイドロカルビルエーテル化又はハイドロカルビルエステル化したものが挙げられる。
炭素数2〜6のアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−エポキシブタン(α−ブチレンオキサイド)、2,3−エポキシブタン(β−ブチレンオキサイド)、1,2−エポキシ−1−メチルプロパン、1,2−エポキシヘプタン、1,2−エポキシへキサン等が挙げられる。
これらの中では、低摩擦性に優れる観点から、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドが好ましく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドがより好ましい。
【0038】
なお、2種以上のアルキレンオキサイドを用いた場合には、オキシアルキレン基の重合形式に特に制限はなく、ランダム共重合していても、ブロック共重合していてもよい。また、ヒドロキシル基を2〜6個有する多価アルコールにアルキレンオキサイドを付加させる際、全てのヒドロキシル基に付加させてもよいし、一部のヒドロキシル基のみに付加させてもよい。
【0039】
また、カルボン酸類(II)は、次の一般式(2)
【0040】
R−(COOH)…(2)
【0041】
で表される含酸素有機化合物であり、カルボキシル基を1つ又は2つ以上有する化合物が例示できる。
【0042】
上記カルボン酸類(II)としては、具体的には、例えば、脂肪族モノカルボン酸類(脂肪酸類)(II−1)、脂肪族多価カルボン酸類(II−2)、炭素環カルボン酸類(II−3)、複素環式カルボン酸類(II−4)、上記4種のカルボン酸類から選ばれる2種以上の混合物(II−5)が挙げられる。
【0043】
上記脂肪族モノカルボン酸類(脂肪酸類)(II−1)は、具体的には、カルボキシル基を分子中に1つ有する脂肪族モノカルボン酸類であり、例えばメタン酸、エタン酸(酢酸)、プロパン酸(プロピオン酸)、ブタン酸(酪酸、イソ酪酸等)、ペンタン酸(吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸等)、ヘキサン酸(カプロン酸等)、ヘプタン酸、オクタン酸(カプリル酸等)、ノナン酸(ペラルゴン酸等)、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸(ラウリン酸等)、トリデカン酸、テトラデカン酸(ミリスチン酸等)、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸(パルミチン酸等)、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸(ステアリン酸等)、ノナデカン酸、イコサン酸、ヘンイコサン酸、ドコサン酸、トリコサン酸、テトラコサン酸、ペンタコサン酸、ヘキサコサン酸、ヘプタコサン酸、オクタコサン酸、ノナコサン酸、トリアコンタン酸等の炭素数1〜40の飽和脂肪族モノカルボン酸(これら飽和脂肪族は直鎖状でも分枝状でもよい。);プロペン酸(アクリル酸等)、プロピン酸(プロピオール酸等)、ブテン酸(メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸等)、ペンテン酸、ヘキセン酸、ヘプテン酸、オクテン酸、ノネン酸、デセン酸、ウンデセン酸、ドデセン酸、トリデセン酸、テトラデセン酸、ペンタデセン酸、ヘキサデセン酸、ヘプタデセン酸、オクタデセン酸(オレイン酸等)、ノナデセン酸、イコセン酸、ヘンイコセン酸、ドコセン酸、トリコセン酸、テトラコセン酸、ペンタコセン酸、ヘキサコセン酸、ヘプタコセン酸、オクタコセン酸、ノナコセン酸、トリアコンテン酸等の炭素数2〜40の不飽和脂肪族モノカルボン酸(これら不飽和脂肪族は直鎖状でも分枝状でもよく、また不飽和結合の位置も任意である。)等が挙げられる。
【0044】
また、上記脂肪族多価カルボン酸類(II−2)としては、エタン二酸(シュウ酸)、プロパン二酸(マロン酸等)、ブタン二酸(コハク酸、メチルマロン酸等)ペンタン二酸(グルタル酸、エチルマロン酸等)、ヘキサン二酸(アジピン酸等)、ヘプタン二酸(ピメリン酸等)、オクタン二酸(スベリン酸等)、ノナン二酸(アゼライン酸等)、デカン二酸(ゼバシン酸等)、プロペン二酸、ブテン二酸(マレイン酸、フマル酸等)、ペンテン二酸(シトラコン酸、メサコン酸等)ヘキセン二酸、ヘプテン二酸、オクテン二酸、ノネン二酸、デセン二酸等の炭素数2〜40の飽和又は不飽和脂肪族ジカルボン酸(これら飽和脂肪族又は不飽和脂肪族は直鎖状でも分枝状でもよく、また不飽和結合の位置も任意である。);プロパントリカルボン酸、ブタントリカルボン酸、ペンタントリカルボン酸、ヘキサントリカルボン酸、ヘプタントリカルボン酸、オクタントリカルボン酸、ノナントリカルボン酸、デカントリカルボン酸等の飽和又は不飽和脂肪族トリカルボン酸(これら飽和脂肪族又は不飽和脂肪族は直鎖状でも分枝状でもよく、また不飽和結合の位置も任意である。);飽和又は不飽和脂肪族テトラカルボン酸(これら飽和脂肪族又は不飽和脂肪族は直鎖状でも分枝状でもよく、また不飽和結合の位置も任意である。)等が挙げられる。
【0045】
更に、上記炭素環カルボン酸類(II−3)は、具体的には、炭素環にカルボキシル基を分子中に1つ又は2つ以上有するカルボン酸類であり、例えば、シクロヘキサンモノカルボン酸、メチルシクロヘキサンモノカルボン酸、エチルシクロヘキサンモノカルボン酸、プロピルシクロヘキサンモノカルボン酸、ブチルシクロヘキサンモノカルボン酸、ペンチルシクロヘキサンモノカルボン酸、ヘキシルシクロヘキサンモノカルボン酸、ヘプチルシクロヘキサンモノカルボン酸、オクチルシクロヘキサンモノカルボン酸、シクロヘプタンモノカルボン酸、シクロオクタンモノカルボン酸、トリメチルシクロペンタンジカルボン酸(ショウノウ酸等)等の炭素数3〜40の炭素環カルボン酸、ナフテン環を有するモノ、ジ、トリ又はテトラカルボン酸(アルキル基、アルケニル基を置換基として有する場合、それらは直鎖状でも分枝状でもよく、二重結合の位置も任意であり、また、その置換数、置換位置も任意である。);ベンゼンカルボン酸(安息香酸)、メチルベンゼンカルボン酸(トルイル酸等)、エチルベンゼンカルボン酸、プロピルベンゼンカルボン酸、ベンゼンジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等)、ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸等)、ベンゼンテトラカルボン酸(ピロメリット酸等)、ナフタリンカルボン酸(ナフトエ酸等)、等の炭素数7〜40の芳香族モノカルボン酸類、フェニルプロパン酸(ヒドロアトロパ酸)、フェニルプロペン酸(アトロパ酸、ケイ皮酸等)、サリチル酸、炭素数1〜30のアルキル基を1つ又は2つ以上有するアルキルサリチル酸等の炭素数7〜40のアリール基を有するモノ、ジ、トリ又はテトラカルボン酸(アルキル基、アルケニル基を置換基として有する場合、それらは直鎖状でも分枝状でもよく、二重結合の位置も任意であり、また、その置換数、置換位置も任意である。)等が挙げられる。
【0046】
更にまた、上記複素環式カルボン酸類(II−4)は、具体的には、カルボキシル基を分子中に1つ又は2つ以上有する複素環式カルボン酸類であり、例えば、フランカルボン酸、チオフェンカルボン酸、ピリジンカルボン酸(ニコチン酸、イソニコチン酸等)等、炭素数5〜40の複素環式カルボン酸類が挙げられる。
【0047】
また、エステル類(III)は、次の一般式(3)
【0048】
R−(COO−R’)…(3)
【0049】
で表される含酸素有機化合物であり、エステル結合を1つ又は2つ以上有する化合物が例示できる。
【0050】
上記エステル類(III)としては、具体的には、例えば脂肪族モノカルボン酸類(脂肪酸類)のエステル(III−1)、脂肪族多価カルボン酸類のエステル(III−2)、炭素環カルボン酸類のエステル(III−3)、複素環式カルボン酸類のエステル(III−4)、アルコール類又はエステル類のアルキレンオキサイド付加物(III−5)、上記5種のエステル等から選ばれる任意の混合物(III−6)が挙げられる。
なお、上記III−1〜5に挙げたエステル類は、ヒドロキシル基又はカルボキシル基が全てエステル化された完全エステルでもよく、ヒドロキシル基又はカルボキシル基が一部残存した部分エステルであってもよい。
【0051】
上記脂肪酸モノカルボン酸類(脂肪酸類)のエステル(III−1)としては、上述の脂肪酸モノカルボン酸(II−1)から選ばれる1種又は2種以上と、上述の1価、2価又は3価以上のアルコール類(I−1〜3)から選ばれる1種又は2種以上とのエステルなどが挙げられる。また、脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、具体的には、グリセリンモノオレート、グリセリンジオレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタンジオレートなどが挙げられる。
【0052】
他のエステル(III−1)としては、炭素数1〜5又は炭素数31〜40の直鎖状又は分枝状の炭化水素基を有する脂肪酸エステルが挙げられ、かかる炭化水素基を有する脂肪酸と脂肪族1価アルコール又は脂肪族多価アルコールとから成るエステルなどを例示できる。
これらのうち、100℃における動粘度が1〜100mm/sのものは潤滑油基油として使用することができ、通常、脂肪酸エステル系無灰摩擦調整剤と区別することができる。
これらの例としては、例えば、トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール−2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールペラルゴネート等の、炭素数3〜40、好ましくは炭素数4〜18、特に好ましくは4〜12の3価以上のポリオール類、特にネオペンチル構造を有する3価以上のポリオール類と、炭素数1〜40、好ましくは炭素数4〜18、特に好ましくは6〜12のモノカルボン酸から選ばれる1種又は2種以上との単一エステル類又はコンプレックスエステル類等のポリオールエステル類及びこれらの混合物、又は、更にアルキレンオキサイドを付加させたもの等が挙げられる。
これらはヒドロキシル基又はカルボキシル基が全てエステル化された完全エステルでもよく、ヒドロキシル基又はカルボキシル基が一部残存した部分エステルでもよいが、完全エステルであることが好ましく、そのヒドロキシル基価は通常100mgKOH/g以下、より好ましくは50mgKOH/g以下、特に好ましくは10mgKOH/g以下である。
また、これら潤滑油基油の100℃における動粘度は、好ましくは2〜60mm/s、特に好ましくは3〜50mm/sである。
【0053】
また、脂肪族多価カルボン酸類のエステル(III−2)としては、上述の脂肪族多価カルボン酸類(II−2)から選ばれる1種又は2種以上と、上述の1価、2価又は3価以上のアルコール類(I−1〜3)から選ばれる1種又は2種以上とのエステル等を挙げることができる。
具体的には、例えば、ジブチルマレエート、ジトリデシルグルタレート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート等の炭素数2〜40、好ましくは炭素数4〜18、特に好ましくは6〜12のジカルボン酸類から選ばれる1種又は2種以上の多価カルボン酸類と、炭素数4〜40、好ましくは炭素数4〜18、特に好ましくは6〜14の1価アルコール類から選ばれる1種又は2種以上とのジエステル類、これらジエステル類(例えばジブチルマレエート等)と炭素数4〜16のポリαオレフィン等との共重合体、無水酢酸等にαオレフィンを付加した化合物と炭素数1〜40のアルコール類とのエステル等が挙げられる。これらのうち、100℃における動粘度が1〜100mm/sのものは潤滑油基油として使用することができる。
【0054】
更に、炭素環カルボン酸類のエステル(III−3)としては、上述の炭素環カルボン酸類(II−3)から選ばれる1種又は2種以上と、上述の1価、2価又は3価以上のアルコール類(I−1〜3)から選ばれる1種又は2種以上とのエステル等が挙げられる。
具体的には、例えば、フタル酸エステル類、トリメリット酸エステル類、ピロメリット酸エステル類、サリチル酸エステル類等の芳香族カルボン酸エステル類が挙げられる。
これらのうち、100℃における動粘度が1〜100mm/sのものは潤滑油基油として使用することができる。
【0055】
更にまた、複素環式カルボン酸類のエステル(III−4)としては、上述の複素環式カルボン酸類(II−4)から選らばれる1種又は2種以上と、上述の1価、2価又は3価以上のアルコール類(I−1〜3)から選ばれる1種又は2種以上とのエステル類が挙げられる。
これらのうち、100℃における動粘度が1〜100mm/sのものは潤滑油基油として使用することができる。
【0056】
また、アルコール類又はエステル類のアルキレンオキサイド付加物(III−5)としては、上述の1価、2価又は3価以上のアルコール類(I−1〜3)から選ばれる1種又は2種以上にアルキレンオキサイドを付加してエステル化したものや、上述の(III−1〜4)エステルにアルキレンオキサイドを付加したもの等が挙げられる。
これらのうち、100℃における動粘度が1〜100mm/sのものは潤滑油基油として使用することができる。
【0057】
また、エーテル類(IV)は、次の一般式(4)
【0058】
R−(O−R’)…(4)
【0059】
で表される含酸素有機化合物であり、エーテル結合を1つ又は2つ以上有する化合物が例示できる。
【0060】
上記エーテル類(IV)としては、具体的には、例えば、飽和又は不飽和脂肪族エーテル(IV−1)、芳香族エーテル類(IV−2)、環式エーテル類(IV−3)、上記3種エーテル類から選ばれる2種以上の混合物(IV−4)が挙げられる。
【0061】
飽和又は不飽和脂肪族エーテル類(IV−1)としては、具体的には、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジ−n−アミルエーテル、ジイソアミルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル、ジオクチルエーテル、ジノニルエーテル、ジデシルエーテル、ジウンデシルエーテル、ジドデシルエーテル、ジトリデシルエーテル、ジテトラデシルエーテル、ジペンタデシルエーテル、ジヘキサデシルエーテル、ジヘプタデシルエーテル、ジオクタデシルエーテル、ジノナデシルエーテル、ジイコシルエーテル、メチルエチルエーテル、メチル−n−プロピルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、メチルイソブチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、メチル−n−アミルエーテル、メチルイソアミルエーテル、エチル−n−プロピルエーテル、エチルイソプロピルエーテル、エチルイソブチルエーテル、エチル−tert−ブチルエーテル、エチル−n−アミルエーテル、エチルイソアミルエーテル、ジビニルエーテル、ジアリルエーテル、メチルビニルエーテル、メチルアリルエーテル、エチルビニルエーテル、エチルアリルエーテル等の炭素数2〜40の飽和又は不飽和脂肪族エーテル類(これら飽和又は不飽和脂肪族は直鎖状でも分枝状でもよく、不飽和結合の位置は任意である。)が挙げられる。
【0062】
また、芳香族エーテル類(IV−2)としては、具体的には、例えば、アニソール、フェネトール、フェニルエーテル、ベンジルエーテル、フェニルベンジルエーテル、α−ナフチルエーテル、β−ナフチルエーテル、ポリフェニルエーテル、パーフルオロエーテル等が挙げられ、これらは飽和又は不飽和脂肪族基を有していてもよい(これら飽和又は不飽和脂肪族は直鎖状でも分枝状でもよく、不飽和結合の位置は任意であり、また、その置換位置も数も任意である。)。これらはその使用条件、特に常温において液状であることが好ましい。
【0063】
更に、環式エーテル類(IV−3)としては、具体的には、例えば、酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化トリメチレン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン、グリシジルエーテル類等の炭素数2〜40の環式エーテル類が挙げられ、これらは飽和又は不飽和脂肪族基、炭素環、飽和又は不飽和脂肪族基を有する炭素環を有していてもよい(これら飽和又は不飽和脂肪族は直鎖状でも分枝状でもよく、不飽和結合の位置は任意であり、また、その置換位置も数も任意である。)。
【0064】
また、ケトン類(V)は、次の一般式(5)
【0065】
R−(CO−R’)…(5)
【0066】
で表される含酸素有機化合物であり、カルボニル結合を1つ又は2つ以上有する化合物が例示できる。
【0067】
上記ケトン類(V)としては、具体的には、飽和又は不飽和脂肪族ケトン類(V−1)、炭素環ケトン類(V−2)、複素環ケトン類(V−3)、ケトンアルコール類(V−4)、ケトン酸類(V−5)、上記5種のケトン類等から選ばれる2種以上の混合物(V−6)が挙げられる。
【0068】
飽和又は不飽和脂肪族ケトン類(V−1)としては、具体的には、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、ピナコロン、ジエチルケトン、ブチロン、ジイソプロピルケトン、メチルビニルケトン、メシチルオキシド、メチルフェプテノン等の炭素数1〜40の飽和又は不飽和脂肪族ケトン類(これら飽和又は不飽和脂肪族は直鎖状でも分枝状でもよく、不飽和結合の位置は任意である。)等が挙げられる。
【0069】
また、炭素環ケトン類(V−2)としては、具体的には、例えば、シクロブタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、アセトフェノン、プロピオフェノン、ブチロフェノン、バレロフェノン、ベンゾフェノン、ジベンジルケトン、2−アセトナフトン等の炭素数4〜40の炭素環ケトン類が挙げられ、これらは飽和又は不飽和脂肪族基を有していてもよい(これら飽和又は不飽和脂肪族は直鎖状でも分枝状でもよく、不飽和結合の位置は任意であり、また、その置換位置も数も任意である。)。
【0070】
更に、複素環ケトン類(V−3)としては、具体的には、例えば、2−ピロリジノン、カプロラクタム等の炭素数4〜40の複素環ケトン類が挙げられ、これらは飽和又は不飽和脂肪族基を有していてもよい(これら飽和又は不飽和脂肪族は直鎖状でも分枝状でもよく、不飽和結合の位置は任意であり、また、その置換位置も数も任意である。)。
【0071】
更にまた、ケトンアルコール(ケトール)類(V−4)としては、具体的には、例えば、アセトール、アセトイン、アセトエチルアルコール、ジアセトンアルコール、フェナシルアルコール、ベンゾイン等の炭素数3〜40のケトンアルコール類が挙げられ、これらは炭素環、複素環を有していてもよく、また、飽和又は不飽和脂肪族基を有する炭素環、複素環を有していてもよい(これら飽和又は不飽和脂肪族は直鎖状でも分枝状でもよく、不飽和結合の位置は任意であり、また、その置換位置も数も任意である。)。
【0072】
また、ケトン酸類(V−5)としては、具体的には、例えば、ピルビン酸、ベンゾイルギ酸、フェニルピルビン酸等のα−ケトン酸類、アセト酢酸、プロピオニル酢酸、ベンゾイル酢酸等のβ−ケトン酸類、レブリン酸、β−ベンゾイルプロピオン酸等のγ−ケトン酸類等の炭素数1〜40のケトン酸類が挙げられる。
【0073】
アルデヒド類(VI)は、次の一般式(6)
【0074】
R−(CHO)…(6)
【0075】
で表される含酸素有機化合物であり、アルデヒド基を1つ又は2つ以上を有する化合物が例示できる。
【0076】
上記アルデヒド類(VI)としては、具体的には、飽和又は不飽和脂肪族アルデヒド類(VI−1)、炭素環アルデヒド類(VI−2)、複素環アルデヒド類(VI−3)、上記3種のアルデヒド類から選ばれる2種以上の混合物(VI−4)等が挙げられる。
【0077】
飽和又は不飽和脂肪族アルデヒド類(VI−1)としては、具体的には、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、ピバリンアルデヒド、カプロンアルデヒド、ヘプトアルデヒド、カプリルアルデヒド、ペラルゴンアルデヒド、カプリンアルデヒド、ウンデシルアルデヒド、ラウリンアルデヒド、トリデシルアルデヒド、ミリスチンアルデヒド、ペンタデシルアルデヒド、パルミチンアルデヒド、マルガリンアルデヒド、ステアリンアルデヒド、アクロレイン、クロトンアルデヒド、プロピオールアルデヒド、グリオキサール、スクシンジアルデヒド等の炭素数1〜40の飽和又は不飽和脂肪族アルデヒド類(これら飽和又は不飽和脂肪族は直鎖状でも分枝状でもよく、不飽和結合の位置は任意である。)等が挙げられる。
【0078】
また、炭素環アルデヒド類(VI−2)としては、具体的には、例えば、ベンズアルデヒド、o−トルアルデヒド、m−トルアルデヒド、p−トルアルデヒド、サリチルアルデヒド、シンナムアルデヒド、α−ナフトアルデヒド、β−ナフトアルデヒド等の炭素数1〜40の炭素環アルデヒド類等が挙げられ、これらは飽和又は不飽和脂肪族基を有していてもよい(これら飽和又は不飽和脂肪族は直鎖状でも分枝状でもよく、不飽和結合の位置は任意であり、また、置換位置も数も任意である。)。
【0079】
更に、複素環アルデヒド類(VI−3)としては、具体的には、例えば、フルフラール等の炭素数1〜40の複素環アルデヒド類等が挙げられ、これらは飽和又は不飽和脂肪族基を有していてもよい(これら飽和又は不飽和脂肪族は直鎖状でも分枝状でもよく、不飽和結合の位置は任意であり、また、置換位置も数も任意である。)。
【0080】
カーボネート類(VII)は、次の一般式(7)
【0081】
R−(O−COO−R’)…(7)
【0082】
で表される含酸素有機化合物であり、カーボネート結合を1つ又は2つ以上有する化合物が例示できる。
【0083】
上記カーボネート類(VII)としては、具体的には、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、ジn−ブチルカーボネート、ジイソブチルカーボネート、ジ−tert−ブチルカーボネート、ジペンチルカーボネート、ジヘキシルカーボネート、ジヘプチルカーボネート、ジオクチルカーボネート、ジノニルカーボネート、ジデシルカーボネート、ジウンデシルカーボネート、ジドデシルカーボネート、ジトリデシルカーボネート、ジテトラデシルカーボネート、ジペンタデシルカーボネート、ジヘキサデシルカーボネート、ジヘプタデシルカーボネート、ジオクタデシルカーボネート、ジフェニルカーボネート等の炭素数1〜40の飽和又は不飽和脂肪族、炭素環、飽和又は不飽和脂肪族を有する炭素環、炭素環を有する飽和又は不飽和脂肪族等を有するカーボネート類(これら飽和又は不飽和脂肪族は直鎖状でも分枝状でもよく、不飽和結合の位置は任意であり、また、置換位置も数も任意である。)等、又はこれらカーボネート類にアルキレンオキサイドを付加したヒドロキシ(ポリ)オキシアルキレンカーボネート類等が挙げられる。
【0084】
また、上記含酸素有機化合物I〜VIIの誘導体としては、例えば、上記含酸素有機化合物に、窒素含有化合物、リン含有化合物、硫黄や硫黄含有化合物、ホウ素含有化合物、ハロゲン元素やハロゲン元素含有化合物、金属元素や金属含有化合物等(有機、無機を問わない。)を反応させて得られる化合物等が挙げられるが、特にこれらに制限されない。
なお、誘導体を得る際に用いる上記化合物は、通常添加剤として用いられるものであるが、基油として用いられる場合においてもその効果は特に限定されるものではない。
【0085】
一方、一般式(1)〜(7)におけるR及びR’は、それぞれ個別に、アルキル基、アルケニル基、アルキレン基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基等の炭化水素基(これら炭化水素基は、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基、エステル結合、エーテル結合から選ばれる1種又は2種以上の基又は結合を更に有していてもよく、炭素、水素及び酸素以外の元素、例えば、窒素や硫黄(例えば複素環化合物。)、ハロゲン(フッ素、塩素等)、リン、ホウ素、金属等を含有していてもよい。)を示す。
なお、上記炭化水素基は、その炭素数に何ら制限はないが、好ましくは炭素数1〜40、より好ましくは炭素数2〜30、特に好ましくは炭素数3〜20である。
また、上記炭化水素基と共にヒドロキシ基やカルボキシル基を有する場合は、これら含有量は、特に制限はないが、組成物全量基準で、10〜1000ppmであることが好ましい。
【0086】
上記アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、直鎖又は分枝のペンチル基、直鎖又は分枝のヘキシル基、直鎖又は分枝のヘプチル基、直鎖又は分枝のオクチル基、直鎖又は分枝のノニル基、直鎖又は分枝のデシル基、直鎖又は分枝のウンデシル基、直鎖又は分枝のドデシル基、直鎖又は分枝のトリデシル基、直鎖又は分枝のテトラデシル基、直鎖又は分枝のペンタデシル基、直鎖又は分枝のヘキサデシル基、直鎖又は分枝のヘプタデシル基、直鎖又は分枝のオクタデシル基、直鎖又は分枝のノナデシル基、直鎖又は分枝のイコシル基、直鎖又は分枝のヘンイコシル基、直鎖又は分枝のドコシル基、直鎖又は分枝のトリコシル基、直鎖又は分枝のテトラコシル基等の炭素数1〜40のアルキル基等が挙げられ、好ましくは炭素数2〜30のアルキル基、特に好ましくは炭素数3〜20のアルキル基である。
【0087】
また、上記アルケニル基としては、ビニル基、直鎖又は分枝のプロペニル基、直鎖又は分枝のブテニル基、直鎖又は分枝のペンテニル基、直鎖又は分枝のヘキセニル基、直鎖又は分枝のヘプテニル基、直鎖又は分枝のオクテニル基、直鎖又は分枝のノネニル基、直鎖又は分枝のデセニル基、直鎖又は分枝のウンデセニル基、直鎖又は分枝のドデセニル基、直鎖又は分枝のトリデセニル基、直鎖又は分枝のテトラデセニル基、直鎖又は分枝のペンタデセニル基、直鎖又は分枝のヘキサデセニル基、直鎖又は分枝のヘプタデセニル基、直鎖又は分枝のオクタデセニル基、直鎖又は分枝のノナデセニル基、直鎖又は分枝のイコセニル基、直鎖又は分枝のヘンイコセニル基、直鎖又は分枝のドコセニル基、直鎖又は分枝のトリコセニル基、直鎖又は分枝のテトラコセニル基等の炭素数2〜40のアルケニル基等が挙げられ、好ましくは炭素数2〜30のアルケニル基、特に好ましくは炭素数3〜20のアルケニル基である。
【0088】
更に、上記シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の炭素数3〜40のシクロアルキル基等が挙げられ、好ましくは炭素数3〜20のシクロアルキル基、特に好ましくは炭素数5〜8のシクロアルキル基である。
更にまた、上記アルキルシクロアルキル基としては、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基(全ての構造異性体を含む。)、メチルエチルシクロペンチル基(全ての構造異性体を含む。)、ジエチルシクロペンチル基(全ての構造異性体を含む。)、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基(全ての構造異性体を含む。)、メチルエチルシクロヘキシル基(全ての構造異性体を含む。)、ジエチルシクロヘキシル基(全ての構造異性体を含む。)、メチルシクロヘプチル基、ジメチルシクロヘプチル基(全ての構造異性体を含む。)、メチルエチルシクロヘプチル基(全ての構造異性体を含む。)、ジエチルシクロヘプチル基(全ての構造異性体を含む。)等の炭素数4〜40のアルキルシクロアルキル基等が挙げられ、好ましくは炭素数5〜20のアルキルシクロアルキル基、特に好ましくは炭素数6〜12のアルキルシクロアルキル基である。
【0089】
また、上記アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等、炭素数6〜20のアリール基、好ましくは炭素数6〜10のアリール基が挙げられる。
更に、上記アルキルアリール基としては、トリル基(全ての構造異性体を含む。)、エチルフェニル基(全ての構造異性体を含む。)、直鎖又は分枝状のプロピルフェニル基(全ての構造異性体を含む。)、直鎖又は分枝状のブチルフェニル基(全ての構造異性体を含む。)、直鎖又は分枝のペンチルフェニル基(全ての構造異性体を含む。)、直鎖又は分枝のヘキシルフェニル基(全ての構造異性体を含む。)、直鎖又は分枝のヘプチルフェニル基(全ての構造異性体を含む。)、直鎖又は分枝のオクチルフェニル基(全ての構造異性体を含む。)、直鎖又は分枝のノニルフェニル基(全ての構造異性体を含む。)、直鎖又は分枝のデシルフェニル基(全ての構造異性体を含む。)、直鎖又は分枝のウンデシルフェニル基(全ての構造異性体を含む。)、直鎖又は分枝のドデシルフェニル基(全ての構造異性体を含む。)のような1置換フェニル基;キシリル基(全ての構造異性体を含む。)、ジエチルフェニル基、ジプロピルフェニル基、2−メチル−6−tert−ブチルフェニル基、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル基、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ベンジル)フェニル基等のような同一又は異なる直鎖又は分枝のアルキル基を2つ以上有するアリール基(アルキル基は、更にアリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基を含んでもよく、全ての構造異性体を含む。)等のアルキルアリール基等が挙げられ、炭素数7〜40のアルキルアリール基、好ましくは炭素数7〜20のアルキルアリール基、特に好ましくは炭素数7〜12のアルキルアリール基である。
【0090】
更に、アリールアルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、(プロピル基の異性体を含む。)、フェニルブチル基(ブチル基の異性体を含む。)、フェニルペンチル基(ペンチル基の異性体を含む。)、フェニルヘキシル基(ヘキシル基の異性体を含む。)等の炭素数7〜40のアリールアルキル基、好ましくは炭素数7〜20のアリールアルキル基、特に好ましくは炭素数7〜12のアリールアルキル基が挙げられる。
【0091】
以上説明した含酸素有機化合物は、それらの誘導体であっても同様に使用できる。具体的には、例えば、上記アルコール類、カルボン酸類、エステル類、エーテル類、ケトン類、アルデヒド類及びカーボネート類から選ばれる1種を硫化した化合物や、ハロゲン化(フッ化、塩化等)した化合物や、硫酸、硝酸、硼酸、リン酸及びこれらの酸のエステル類又は金属塩類との反応生成物や、金属、金属含有化合物又はアミン化合物との反応生成物等が挙げられる。
これらの中では、アルコール類、カルボン酸類及びアルデヒド類並びにこれらの誘導体から選ばれる1種又は2種以上と、アミン化合物との反応生成物(例えばマンニッヒ反応生成物、アシル化反応生成物、アミド等。)が好ましい例として挙げられる。
【0092】
上記アミン化合物としては、アンモニア、モノアミン、ジアミン、ポリアミンが挙げられる。
より具体的には、アンモニア;メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、ステアリルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、ジウンデシルアミン、ジドデシルアミン、ジトリデシルアミン、ジテトラデシルアミン、ジペンタデシルアミン、ジヘキサデシルアミン、ジヘプタデシルアミン、ジオクタデシルアミン、メチルエチルアミン、メチルプロピルアミン、メチルブチルアミン、エチルプロピルアミン、エチルブチルアミン、及びプロピルブチルアミン等の炭素数1〜30のアルキル基(これらのアルキル基は直鎖状でも分枝状でもよい。)を有するアルキルアミン;エテニルアミン、プロペニルアミン、ブテニルアミン、オクテニルアミン、及びオレイルアミン等の炭素数2〜30のアルケニル基(これらのアルケニル基は直鎖状でも分枝状でもよい。)を有するアルケニルアミン;メタノールアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン、ペンタノールアミン、ヘキサノールアミン、ヘプタノールアミン、オクタノールアミン、ノナノールアミン、メタノールエタノールアミン、メタノールプロパノールアミン、メタノールブタノールアミン、エタノールプロパノールアミン、エタノールブタノールアミン、及びプロパノールブタノールアミン等の炭素数1〜30のアルカノール基(これらのアルカノール基は直鎖状でも分枝状でもよい。)を有するアルカノールアミン;メチレンジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、及びブチレンジアミン等の炭素数1〜30のアルキレン基を有するアルキレンジアミン;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等のポリアミン;ウンデシルジエチルアミン、ウンデシルジエタノールアミン、ドデシルジプロパノールアミン、オレイルジエタノールアミン、オレイルプロピレンジアミン、ステアリルテトラエチレンペンタミン等の上記モノアミン、ジアミン、ポリアミンに炭素数8〜20のアルキル基又はアルケニル基を有する化合物やN−ヒドロキシエチルオレイルイミダゾリン等の複素環化合物;これらの化合物のアルキレンオキシド付加物;及びこれらの混合物等が例示できる。
これら窒素化合物の中でもデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、オレイルアミン及びステアリルアミン等の炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニル基を有する脂肪族アミン(これらは直鎖状でも分枝状でもよい)が好ましい例として挙げることができる。
これら含酸素有機化合物の誘導体の中でも、オレイン酸アミドのような炭素数8〜20のカルボン酸アミド類が好ましい例として挙げられる。
【0093】
含酸素有機化合物の含有量は、特に制限されるものではないが、0.001%以上であることが好ましく、0.05%以上であることがより好ましく、0.1%以上であることが更に好ましい。なお、3.0%を超えて含有させてもよい。
また、好ましくは50%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましく、10%以下であることが更に好ましく、特に好ましくは5%以下であり、0.1〜2%程度の少量の添加であっても優れた低摩擦特性を発揮することができる。
【0094】
また、必要に応じて、粘度指数向上剤、流動点降下剤、磨耗防止剤、極圧剤、摩擦調製剤、清浄分散剤、酸化防止剤、防錆剤、金属不活性化剤、界面活性剤、抗乳化剤、シール膨張剤、増ちょう剤、粘着剤、固体潤滑剤、構造安定剤、消泡剤及び着色剤等から選ばれる1種又は2種以上の添加剤を配合することができる。
【0095】
上記粘度指数向上剤としては、具体的には、各種メタクリル酸又はこれらの任意の組み合わせに係わる共重合体やその水添物等のいわゆる非分散型粘度指数向上剤、及び更に窒素化合物を含む各種メタクリル酸エステルを共重合させたいわゆる分散型粘度指数向上剤等が例示できる。また、非分散型又は分散型エチレン−α−オレフィン共重合体(α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテンなど。)及び水素化物、ポリイソブチレン及びその水添物、スチレン−ジエン水素化共重合体、スチレン−無水マレイン酸エステル共重合体、並びにポリアルキルスチレンなども例示できる。
これら粘度指数向上剤の分子量は、せん断安定性を考慮して選定することが必要である。具体的には、粘度指数向上剤の数平均分子量は、例えば分散型及び非分散型ポリメタクリレートでは5000〜1000000、好ましくは100000〜800000がよく、ポリイソブチレン又はその水素化物では800〜5000、エチレン−α−オレフィン共重合体及びその水素化物では800〜300000、好ましくは10000〜200000がよい。また、かかる粘度指数向上剤は、単独で又は複数種を任意に組み合わせて含有させることができるが、通常その含有量は、潤滑油組成物基準で0.1〜40.0%であることが望ましい。
【0096】
本発明の潤滑油組成物においては、上記のうちポリメタクリレート系の粘度指数向上剤の使用が、低摩擦特性を維持する上で特に好ましい。
【0097】
更に、ダイヤモンドナノ粒子は、トリニトロトルエン、ヘキソーゲン等の酸素欠乏型爆薬を爆発させて得られた炭素質煤を回収し、異物を分離し、硝酸や硫酸、過マンガン酸カリウムなどで化学的酸化処理し、ボールミルで粉砕して得たもので、一次粒子径が平均径約5nmの単結晶である。
【0098】
更に、ダイヤモンドナノ粒子の含有量は、潤滑油組成物全量基準で0.01〜3.0%であることを要し、0.05%〜1.0%であることが好ましく、0.05〜0.15%であることがより好ましい。
ダイヤモンドナノ粒子の含有量が、0.01%未満である場合や3.0%を超える場合には、省燃費効果を発揮できない。
【0099】
更にまた、ダイヤモンドナノ粒子用分散剤は、上述したダイヤモンドナノ粒子を油中に分散できれば特に限定されるものではないが、潤滑油組成物に負の影響を及ぼさない、非イオン性であり、界面活性を示す、非イオン性界面活性剤であることが望ましい。
具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンジアルキルフェノールエーテル、アルキルグリコシド、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミドが挙げられる。
【0100】
そのなかでも、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸を含有するものが望ましく、ポリオキシエチレンアルキルエーテル5〜15%、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸85%〜95%から構成されているダイヤモンドナノ粒子用分散剤が特に望ましい。
【0101】
また、ポリオキシエチレンジアルキルフェニルエーテルとポリオキシエチレンジアルキルフェニルエーテルリン酸を含有するものも望ましく、ポリオキシエチレンジアルキルフェニルエーテル10〜15%、ポリオキシエチレンジアルキルフェニルエーテルリン酸85%〜90%から構成されているダイヤモンドナノ粒子用分散剤が特に望ましい。
更に、ソルビタントリオレートから成るダイヤモンドナノ粒子用分散剤が特に望ましい。
【0102】
本発明の潤滑油組成物は、密閉式、循環式等のシステムに供給し、運転することにより、省燃費効果を発揮できる。
【0103】
本発明の潤滑油組成物は、対向して相対的に運動する接触面を備えたシステム、例えば、4サイクルや2サイクルエンジン等の内燃機関、具体的には、動弁系、ピストン、ピストンリング、ピストンスカート、シリンダライナ、コンロッド、クランクシャフト、ベアリング、軸受け、メタル、ギヤー、チェーン、ベルト、オイルポンプ等を始め、駆動系伝達機構、例えば、ギヤー、ジョイント等や、ハードディスクドライブの接触面を有する駆動部、その他摩擦条件が厳しく、低摩擦性が要求される様々な接触面を有するシステムに使用できる。
【実施例】
【0104】
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0105】
(実施例1)
潤滑油基油としてのポリ−α−オレフィンに、含酸素有機化合物としてGMOを1%、粒径5nmのダイヤモンドナノ粒子を0.01%、ダイヤモンドナノ粒子用分散剤として非イオン性界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル5%、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸95%)を1%含有するように調製して、本例の潤滑油組成物を得た。仕様の一部を表1に示す。
なお、表1中の分散性とは、ダイヤモンドナノ粒子の分散性を外観により判定した結果であり、「○」はダイヤモンドナノ粒子が完全溶解(液が透明)し、分散していること、「△」はダイヤモンドナノ粒子がやや溶解(液が白濁)し、分散していること、「×」はダイヤモンドナノ粒子が不溶解(液が白濁及びナノダイヤが沈降)し、分散していないこと、を示す。
【0106】
(実施例2〜7及び比較例1〜4)
表1に示すように分散剤の組成や種類を変更した以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、各例の潤滑油組成物を得た。
【0107】
【表1】


【0108】
[性能評価]
(SRV摩擦試験)
低摩擦運動システムの接触面の一例として、オプチモール社製SRV摩擦試験機用の試験片を作製した。試験片はSUJ2熱処理材からディスク材料、円筒材料に研磨加工後、ラッピングテープを用いた研磨によって所定の表面粗さ(Ra=0.2μm以下)に仕上げた。オプチモール社製SRV試験機にセットし、各例の潤滑油組成物を試験片に滴下し、下記の試験条件にて10分から20分までの摩擦係数を測定した。得られた結果を表1に併記する。
なお、試験開始後10分から20分までが最も安定した摩擦係数を示すことから、当該摩擦係数を評価した。
また、摩擦係数を測定するに際し、各例の潤滑油組成物としては、ダイヤモンドナノ粒子を撹拌・混合してから1週間経たものを用いた。
【0109】
(試験条件)
・温度 :80℃
・荷重 :400N
・振幅 :3mm
・周波数 :50Hz
【0110】
表1より、本発明の範囲に属する実施例1〜7の潤滑油組成物は、本発明外の比較例1〜4の潤滑油組成物よりも、摩擦係数を低減でき、安定した摩擦低減効果を示すことが分かった。
これは、ダイヤモンドナノ粒子が分散していない比較例1〜4の潤滑油組成物が、摺動部位において摩耗や焼き付きを起こし易いためと考えられる。
また、顔料やカーボンブラックを分散する高分子系分散剤が、ダイヤモンドナノ粒子を分散させ難いことが分かる。
更に、現時点では、ダイヤモンドナノ粒子の金属表面への吸着性の向上の観点から、実施例1、2、3、4、7が最も良好な結果をもたらすものと思われる。
【出願人】 【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
【出願日】 平成19年1月26日(2007.1.26)
【代理人】 【識別番号】100102141
【弁理士】
【氏名又は名称】的場 基憲


【公開番号】 特開2008−179738(P2008−179738A)
【公開日】 平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願番号】 特願2007−15796(P2007−15796)