Warning: copy(htaccessbak): failed to open stream: No such file or directory in /home/jtokkyo/public_html/header.php on line 10
自動変速機用潤滑油組成物 - 特開2008−179662 | j-tokkyo
トップ :: C 化学 冶金 :: C10 石油,ガスまたはコ−クス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭

【発明の名称】 自動変速機用潤滑油組成物
【発明者】 【氏名】志村 景子

【氏名】栃木 弘

【氏名】田谷 隆裕

【要約】 【課題】初期粘度を保持しつつ、省燃費性及び部品耐久性を両立させることができる自動変速機用潤滑油組成物を提供する。

【解決手段】(A)40℃における動粘度が9〜20mm/sの基油に、(B)重量平均分子量(ポリスチレン換算)が15,000〜70,000であるポリメタクリレート系粘度指数向上剤を0.5〜30質量%、及び、(C)重量平均分子量が100,000〜500,000のポリメタクリレート系粘度指数向上剤を0.5〜30質量%含有し、(D)(C)成分に対する(B)成分の含有比率が質量比で3〜10であり、(E)組成物の100℃における動粘度が5.2〜6.5mm/sであり、(F)粘度指数が180以上である自動変速機用潤滑油組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)40℃における動粘度が9〜20mm/sの基油に、
(B)重量平均分子量(ポリスチレン換算)が15,000〜70,000であるポリメタクリレート系粘度指数向上剤を0.5〜30質量%、及び
(C)重量平均分子量が100,000〜500,000のポリメタクリレート系粘度指数向上剤を0.5〜30質量%含有し、
(D)(C)成分に対する(B)成分の含有比率が質量比で3〜10であり、
(E)組成物の100℃における動粘度が5.2〜6.5mm/sであり、
(F)粘度指数が180以上である
ことを特徴とする自動変速機用潤滑油組成物。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、走行初期の摩耗に影響する初期粘度を保持しつつ、省燃費性及び部品耐久性を両立させることができる自動変速機用潤滑油組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の車両用潤滑油は、省燃費性を考慮し、攪拌抵抗を減らす為、従来粘度よりも低粘度化の方向にある。自動変速機用潤滑油においても、低粘度化することでトルクコンバータやオイルポンプ等の攪拌抵抗を低減させ、燃費向上に有効であるとされている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、自動変速機油の低粘度化は耐摩耗性や部品耐久性に影響を与える可能性があるため、その性能維持の役割を、分子量が小さい粘度指数向上剤が担っている場合が多い。例えば、重量平均分子量(Mw)が40,000以下の粘度指数向上剤を用いることで、粘度特性を長期にわたって維持したり(特許文献2参照。)、また、特定の分子量範囲の粘度調整剤を選択する事で、低温操作性に影響する低温粘度特性及び摩耗に影響する高温粘度を同時に改善している(特許文献3参照。)。
【0003】
現在、市場の自動変速機油は、100℃における動粘度が7.0mm/から9.0mm/sの間にあるものが一般的であり、多くの自動変速機はこの一般的な粘度の自動変速機油を使用することを想定して設計されている。これは、自動変速機油の高温粘度の確保が摩耗の抑制や部品耐久性を確保することが知られているので、多くの自動変速機においては、一般的粘度よりも大幅に低粘度化された自動変速機油の使用は耐摩耗性の悪化を生じる事が懸念されるためであると考えられる。特に摺動部分で比較的初期のなじみ段階で生じる初期摩耗の悪化が懸念されるため、初期のなじみ段階においては粘度がより高いことが望ましいと考えられている。
【0004】
一方で、高い初期粘度は初期のなじみ段階での省燃費性を低下させるため、自動変速機油には適切な初期粘度が求められる。さらに、初期のなじみ後には、より優れた省燃費性を速やかに発揮するために、自動変速機油は部品耐久性が確保される範囲で速やかに粘度低下することが望ましい。そして、長期的にその粘度を維持する事が必要である。
このように、多くの自動変速機に省燃費性能を付与する自動変速機油としては、初期なじみに対応し省燃費性を発揮する初期粘度の保持、初期なじみ後に高い省燃費性を発揮するための速やかで適切な粘度低下、長期的な部品耐久性を確保するための粘度の保持が求められる。しかし、これらを併せ持つ自動変速機油は得られていなかった。
【0005】
【特許文献1】特開2004−169025号公報
【特許文献2】特開2004−155873号公報
【特許文献3】特表2002−509182号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、適切な初期粘度を保持しつつ速やかに粘度低下を生じ、長期的にその粘度を維持することにより、市場の多くの自動変速機で省燃費性が得られる自動変速機油組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は上記状況に鑑み、鋭意研究を進めた結果、特定の性状を有する基油に2種類の特定の粘度指数向上剤を組み合わせて配合することにより、従来の自動変速機用潤滑油組成物では困難であった、初期粘度の保持と速やかな粘度低下による長期使用時の省燃費性及び部品耐久性を両立させることのできる自動変速機用潤滑油を得ることができることを見出した。
【0008】
すなわち、本発明は、(A)40℃における動粘度が9〜20mm/sの基油に、(B)重量平均分子量(ポリスチレン換算)が15,000〜70,000であるポリメタクリレート系粘度指数向上剤を0.5〜30質量%、及び、(C)重量平均分子量が100,000〜500,000のポリメタクリレート系粘度指数向上剤を0.5〜30質量%含有し、(D)(C)成分に対する(B)成分の含有比率が質量比で3〜10であり、(E)組成物の100℃における動粘度が5.2〜6.5mm/sであり、(F)粘度指数が180以上であることを特徴とする自動変速機用潤滑油組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の自動変速機用潤滑油組成物は、(A)成分としての基油および(B)成分、(C)成分として2種類のポリメタクリレート系粘度指数向上剤の相乗効果により、これまでは困難とされてきた走行初期の摩耗に影響する初期粘度の保持と、省燃費性及び部品耐久性を兼ね備えることができる。
また、本発明の自動変速機用潤滑油組成物をAT(Automatic Transmission、自動変速機)、CVT(Continuously
Variable Transmission、連続無断変速機)、その他の湿式クラッチを有する車両用自動変速機、パワーステアリング、一般作業用油圧作動装置、流体継手等多くの機械、特にせん断による粘度低下が発生する装置に用いることにより、初期使用時から長期使用時において、性能良好であり且つ環境負荷低減に寄与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明では、(A)成分として、40℃における動粘度が9〜20mm/sの基油を用いる。40℃における動粘度を9〜20mm/sにすることで、自動変速機用潤滑油として目的とする潤滑特性を得ることが可能である。40℃における動粘度は、より好ましくは9〜14mm/sである。
基油としては、鉱油系基油、合成系基油又はこれらの混合物が用いられる。
【0011】
鉱油系基油としては、上記の性状を満たすものであればどのような精製方法や処理を施されたものでもよく、製法に制限はないが、鉱油の水素化精製油、触媒異性化油などに溶剤脱蝋または水素化脱蝋などの処理を施した、高度に精製されたパラフィン系鉱油
(高粘度指数鉱油系潤滑油基油) が好ましく使用される。また、上記以外にも様々な製造法により得られた鉱物系基油が使用できるが、例えば、鉱油系潤滑油原料をフェノール、フルフラールなどの芳香族抽出溶剤を用いた溶剤精製により得られるラフィネート、シリカ−アルミナを担体とするコバルト、モリブデンなどの水素化処理触媒を用いた水素化処理により得られる水素化処理油などが挙げられ、例えば、100ニュートラル油、150ニュートラル油、500ニュートラル油などを挙げることができる。これらの鉱油系基油は、本願で規定した性状を満たす限りそれぞれ1種単独で用いてもよいし、2種以上を任意の割合で組み合わせ混合し使用してもよい。
【0012】
合成系潤滑油基油としては、例えば、メタン等の天然ガスを原料として合成されるイソパラフィン、ポリ−α−オレフィンオリゴマー、ポリブテン、アルキルベンゼン、ポリオールエステル、ポリグリコールエステル、二塩基酸エステル、リン酸エステル、シリコン油などを挙げることができる。
(A)成分の基油は、本願で規定した性状を満たす限り、鉱油系基油及び合成系基油のそれぞれ1種単独で用いてもよいし、2種以上を任意の割合で組み合わせ混合し用いてもよい。
【0013】
また、本発明の基油成分である(A)成分は、上記に記載した1種又は2種以上の鉱油系潤滑油基油に、1種又は2種以上の合成系潤滑油基油を混合し用いることができる。添加剤の溶解性の観点から(A)成分のうち鉱油系基油は少なくとも70質量%以上含まれていることが好ましい。
【0014】
本発明では、(B)成分として重量平均分子量(Mw)が15,000〜70,000であるポリメタクリレート系粘度指数向上剤(以下、PMA系粘度指数向上剤ということがある。)を用いる。本発明における重量平均分子量(Mw)とはゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定された分子量算定用標準ポリスチレン換算である。
【0015】
PMA系の粘度指数向上剤は、Mwが15,000〜70,000であれば、式(1)に例として示すような分散型でも、式(2)に例として示すような非分散型でも良く、特に制限されることなく選択される。また窒素化合物やポリアルキレングリコールエステルなどの極性モノマーの単位を含むものでも、炭化水素以外の元素成分を含むものでも良い。また、構造の一部がポリメタクリレート以外の高分子化合物であっても、ポリマーの大部分がポリメタクリレートであり、一般にPMA系粘度指数向上剤として使用されているもので、且つ本発明の目的を達成する特定の性状を有するものであれば、その商品分類に制限されることなく使用することができる。ポリマーの大部分がポリメタクリレートとは、メタクリレート単位の割合が、ポリマー全体の80モル%以上であることが好ましい。
【0016】
本発明におけるPMA系粘度指数向上剤のMwは、15,000〜70,000であれば目的とする性能を得ることができるが、好ましくは20,000〜60,000、より好ましくは20,000〜55,000である。Mwを15,000以上とすることで、自動変速機用潤滑油に必要な粘度指数向上効果が得られる。また、Mwを70,000以下とすることで、機械から受けるせん断に対して初期及び長期的に安定である。また(B)成分の含有量は、他の高分子添加剤の有無や含有量、目的とする潤滑油組成物の動粘度などにより最適な量を配合することができるが、好ましくは0.5〜30質量%、より好ましくは1〜25質量%、さらに好ましくは3〜20質量%である。0.5質量%未満であると、例え十分な粘度指数向上効果が得られる量の(C)成分を配合したとしても、初期・中期・長期のいずれにおいても機械から受けるせん断に対して不安定であるため、必要以上の粘度低下を生じ好ましくなく、30質量%を超えると、機械から受けるせん断に対して安定であるため、初期なじみ後に十分な粘度低下が生じない。
【0017】
【化1】


(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基である。kは1以上の整数である。)
【0018】
【化2】


(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基であり、RはH又はCHであり、Xはアミノ基、エステル基又はスルホン酸基である。m及びnは1以上の整数である。)
【0019】
本発明においては、(C)成分として重量平均分子量(Mw)が100,000〜500,000であるポリメタクリレート系粘度指数向上剤を用いる。PMA系の粘度指数向上剤は、Mwが100,000〜500,000であれば、式(1)に例として示すような分散型でも、式(2)に例として示すような非分散型でも良く、特に制限されることなく選択される。また窒素化合物やポリアルキレングリコールエステルなどの極性モノマーの単位を含むものでも、炭化水素以外の元素成分を含むものでも良い。また、構造の一部がポリメタクリレート以外の高分子化合物であっても、ポリマーの大部分がポリメタクリレートであり、一般にPMA系粘度指数向上剤として使用されているもので、且つ本発明の目的を達成する特定の性状を有するものであれば、その商品分類に制限されることなく使用することができる。
【0020】
本発明におけるPMA系粘度指数向上剤のMwは、100,000〜500,000であれば目的とする性能を得ることができるが、好ましくは120,000〜500,000、より好ましくは120,000〜450,000である。Mwを100,000以上とすることで、長期使用時における省燃費性能を付与することができる。また、Mwを500,000以下とすることで、基油に対する溶解性が良好である。
また、(C)成分の含有量は、他の高分子添加剤の有無や含有量、目的とする潤滑油組成物の動粘度などにより最適な量にすることができるが、好ましくは0.5〜30質量%、より好ましくは1〜25質量%、さらに好ましくは1〜15質量%である。0.5質量%未満であると、例え十分な粘度指数向上効果が得られる量の(B)成分を配合したとしても、中期・長期において望まれる適度な粘度低下が得られないため好ましくなく、30質量%を超えると、機械から受けるせん断の影響が生じやすく、長期使用時の粘度保持性が悪化する。
【0021】
(B)成分および(C)成分のPMA系粘度指数向上剤は、式(1)及び式(2)において、Rが炭素数1〜20のアルキル基の異なる各種アルキルメタクリレートの共重合体であってもよい。
また、(B)成分と(C)成分の原料モノマーや化学構造は、同じものでも、異なるものでも良いが、(B)成分と(C)成分の重量平均分子量(Mw)の差が30,000以上あるものが好ましく、より好ましくは40,000以上、最も好ましくは50,000以上である。また本発明に用いられる(B)成分および(C)成分のPMA系粘度指数向上剤は、本発明の目的を達成するためのポリメタクリレート系の構造を有するものであれば、上記の具体例に限定されることなく、一般に潤滑油用粘度指数向上剤(ポリマー)として用いられるものならば使用することができる。なお、粘度指数向上剤としては、エンジン油等でオレフィンコポリマー(OCP)も使用されているが、本発明では低温粘度が悪化するため使用できない。
(B)成分及び(C)成分であるPMA系年度指数向上剤はそれぞれ単独でも、2種以上を混合させても良い。
【0022】
本発明の自動変速機用潤滑油組成物は、該組成物の100℃における動粘度が5.2〜6.5mm/s、好ましくは5.8〜6.5mm/sであり、粘度指数が180以上である。動粘度が5.2mm/s未満であると、低粘度に起因する初期摩耗の悪化が懸念され好ましくない。一方、6.5mm/sを越えると、走行初期の省燃費性が得られず好ましくない。また、粘度指数が180未満では常温域での粘度が高まるため省燃費性が低下し好ましくない。粘度指数に上限はないが、実際には230以下になる場合が多い。また、低温時の応答性から−40℃でのBF粘度は、好ましくは20,000mPa・s以下、より好ましくは10,000mPa・s以下であり、−40℃でのBF粘度の下限は限定されないが、実際には5,000mPa・s以上が好ましい。
【0023】
また、本発明での(B)、(C)成分の合計量としては、1〜30質量%が好ましく、さらに好ましくは4〜20質量%であり、最も好ましくは5〜15質量%である。この範囲とすることで、より一層の摩耗防止性と省燃費性の両立効果が得られる。
本発明においては、(C)成分に対する(B)成分の含有比率、すなわち、(B)成分の含有量/(C)成分の含有量の比率が、質量比で3〜10であり、特に好ましくは4〜7である。この範囲とすることで、より一層の省燃費性と部品耐久性の両立効果が得られる。
【0024】
本発明の自動変速機用潤滑油は、上記(A)、(B)及び(C)成分のほかに、必要に応じて、公知の添加剤、例えば、無灰型分散剤、金属型清浄剤、油性剤、摩耗防止剤、極圧剤、さび止め剤、摩擦調整剤、酸化防止剤、腐食防止剤、金属不活性化剤、流動点降下剤、消泡剤、着色剤、自動変速機油用パッケージ添加剤、あるいはこれらのうち少なくとも1種を含有する各種潤滑油用パッケージ添加剤などを添加することができる。
【0025】
上記の無灰型分散剤としては、アルケニルコハク酸イミド、アルケニルコハク酸エステル、長鎖脂肪酸とポリアミンとのアミド(アミノアミド型)、あるいはこれらのホウ素化物誘導体などが挙げられる。金属型清浄剤としては、中性、塩基性、過塩基性のスルホネート、フェネート、サリシネート、ホスホネートなどが挙げられる。油性剤としては、オレイン酸、ステアリン酸、高級アルコール、アミン、エステル、硫化油脂、酸性リン酸エステル、酸性亜リン酸エステルなどが挙げられる。摩耗防止剤としては、ジチオリン酸金属塩、チオリン酸金属塩、硫黄化合物、リン酸エステル、亜リン酸エステル、酸性リン酸エステルやそのアミン塩などが挙げられる。極圧剤としては、炭化水素硫化物、硫化油脂、ジチオリン酸亜鉛、リン酸エステル、亜リン酸エステル、塩素化パラフィン、塩素化ジフェニルなどが挙げられる。
【0026】
さび止め剤としては、カルボン酸やそのアミン塩、エステル、スルホン酸塩、ホウ素化合物などが挙げられる。摩擦調整剤としては、有機モリブテン化合物、多価アルコール部分エステル、アミン、アミド、硫化エステル、リン酸エステル、酸性リン酸エステルやそのアミン塩などが挙げられる。酸化防止剤としては、アミン系、フェノール系、硫黄系の酸化防止剤などが挙げられる。腐食防止剤としては、ベンゾトリアゾール、アルケニルコハク酸エステルなどが挙げられる。流動点降下剤としては、ポリメタクリレート、ポリブテンなどが挙げられる。消泡剤としては、シリコン化合物、フルオロシリコン化合物、エステル系などが挙げられる。
本発明の自動変速機用潤滑油組成物は、上記(A)成分、(B)成分及び(C)成分、必要に応じて上記添加剤を配合し、混合することにより、製造することができる。
【実施例】
【0027】
次に、実施例及び比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0028】
(実施例1〜3)
下記の基油及び添加剤を表1に示された配合量で混合して自動変速機用潤滑油組成物を調製した。得られた自動変速機用潤滑油組成物の性能特性を表1に示す。なお、配合は組成物の100℃粘度が6.0〜6.4mm/sで、粘度指数が180以上となるよう実施した。
(比較例1〜5)
実施例と同様に、下記の基油及び添加剤を表2に示された配合量で混合して自動変速機用潤滑油組成物を調製した。得られた自動変速機用潤滑油組成物の性能特性を表2に示す。
【0029】
<基油>
基油A:水素化精製パラフィン系基油で40℃粘度が10mm/sのもの
基油B:水素化精製パラフィン系基油で40℃粘度が15mm/sのもの
基油C:高度精製鉱油系基油で40℃粘度が11mm/sのもの
基油D:高度精製鉱油系基油で40℃粘度が20mm/sのもの
基油E:ポリ−α−オレフィンで40℃粘度が17mm/sのもの
【0030】
<添加剤>
添加剤F:自動変速機油用パッケージ添加剤(実質的に粘度指数向上剤を含有しない)
添加剤G:重量平均分子量(Mw)が20,000である非分散型PMA系粘度指数向上剤
添加剤H:重量平均分子量(Mw)が52,000である非分散型PMA系粘度指数向上剤
添加剤I:重量平均分子量(Mw)が150,000である分散型PMA系粘度指数向上剤
添加剤J:重量平均分子量(Mw)が450,000である非分散型PMA系粘度指数向上剤
添加剤K:重量平均分子量(Mw)が400,000である分散型PMA系粘度指数向上剤
*なお、添加剤G、H、I、J、Kの分子量(Mw)は、分子量算定用標準ポリスチレン換算である。
【0031】
試験方法:
初期のなじみ段階、中期のなじみ後、長期使用時を想定したせん断安定性評価として、以下に示すせん断レベルの異なる3種類の試験方法で試験を実施した。
【0032】
(1)せん断安定性試験1:
JPI−5S−29−88に準拠して実施した。下記の試験条件で超音波照射し、100℃粘度の低下率を求めた。この試験は、3種類のせん断試験の中で最もせん断レベルが低く、初期なじみ段階での粘度低下の指標となる。100℃粘度低下率が少なければ少ないほど、走行初期時の粘度保持性が良好とした。
試験条件の超音波出力及び照射時間は、以下のようにした。
超音波出力:ASTM標準油Aに10分間超音波を照射して、40℃粘度を15%低下させる出力、
照射時間:30分間
【0033】
(2)せん断安定性試験2:
JASO M347−05に準拠して実施した。下記の試験条件で超音波照射し、100℃粘度の低下率を求めた。この試験は、3種類のせん断試験の中で中間のせん断レベルであり、なじみ後の中期使用時の粘度低下の指標となる。100℃粘度低下率が9〜15%を判断基準とした。粘度低下率が9%未満では、なじみ後の速やかな粘度低下が望めず、粘度低下率が15%を超えると、異常摩耗や部品損傷が懸念される。
試験条件の超音波出力及び照射時間は、以下のようにした。
超音波出力:ASTM標準油Aに10分間超音波を照射して、100℃粘度を30%低下させる出力、
照射時間:60分
【0034】
(3)せん断安定性試験3:
CEC−L−45−A−99に準拠して実施した。下記の試験条件で実施し、100℃粘度の低下率を求めた。この試験は、3種類のせん断試験の中で最もせん断レベルが高く、長期使用時の粘度低下の指標となる。100℃粘度低下率が9〜15%を判断基準とした。粘度低下率が9%未満では、十分な省燃費性が望めず、粘度低下率が15%を超えると異常摩耗や部品損傷が懸念される。
試験条件のモーター回転数、試験荷重、試験時間は、以下のようにした。
モーター回転数:1475rpm、
試験荷重:5000N、
試験時間:20時間
【0035】
【表1】


【0036】
【表2】


【0037】
上記の実施例は、せん断安定性試験1、2及び3のいずれも、優れた結果を示しており、初期粘度を保持しつつ、省燃費性及び部品耐久性を両立させるという、目標を満足することが明らかになった。
一方、(C)成分を含有しない比較例1及び5では、せん段安定性試験1でのせん断安定性に優れるが、せん断安定性試験2及び3での粘度低下率が小さく優れた省燃費性が発揮されない。逆に(B)成分を含有しない比較例2、3では、せん断安定性試験1での粘度低下率が大きく、初期なじみ段階での耐摩耗性に劣る。さらに、せん断安定性試験2及び3での粘度低下率も大きく、省燃費効果は期待されるが、長期使用時の異常摩耗や部品損傷が懸念される。
また、(C)成分に対する(B)成分の含有比率が本発明の範囲から低く外れている比較例4でも、せん断安定性試験1〜3での粘度低下率が大きく、初期摩耗及び長期使用時の異常摩耗や部品損傷が懸念される。
【出願人】 【識別番号】398053147
【氏名又は名称】コスモ石油ルブリカンツ株式会社
【出願日】 平成19年1月23日(2007.1.23)
【代理人】 【識別番号】100095599
【弁理士】
【氏名又は名称】折口 信五


【公開番号】 特開2008−179662(P2008−179662A)
【公開日】 平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願番号】 特願2007−12362(P2007−12362)