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【発明の名称】 含水系潤滑油組成物及びそれに用いる性状安定化剤
【発明者】 【氏名】渡邊 彰

【氏名】阪田 祥子

【要約】 【課題】含水系潤滑油の長期の使用に亘り、そのメンテナンスを軽減することを可能とするpH安定化剤及び動粘度安定化剤などの性状安定化剤、並びにそれを含有し優れた性状安定性を有する含水系潤滑油組成物を提供する。

【解決手段】アミノ基の水素原子の代わりに炭素数1〜4のアルキル基又はアルカノール基を有していてもよいアミノテトラゾール系化合物又はその塩を有効成分とする含水系潤滑油用性状安定化剤、及びアミノ基の水素原子の代わりに炭素数1〜4のアルキル基又はアルカノール基を有していてもよいアミノテトラゾール系化合物又はその塩又はその塩を含有することを特徴とする含水系潤滑油組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)で表されるアミノテトラゾール系化合物又はその塩を有効成分とする含水系潤滑油用性状安定化剤。
【化1】


(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、R及びRは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基若しくはアルカノール基である。)
【請求項2】
一般式(1)で表されるアミノテトラゾール系化合物又はその塩を有効成分とする含水系潤滑油用pH安定化剤。
【請求項3】
一般式(1)で表されるアミノテトラゾール系化合物又はその塩を有効成分とする含水系潤滑油用動粘度安定化剤。
【請求項4】
一般式(1)のR、R及びRが全て水素原子である請求項1〜3のいずれかに記載の安定化剤。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のアミノテトラゾール系化合物又はその塩を含有することを特徴とする含水系潤滑油組成物。
【請求項6】
アミノテトラゾール系化合物又はその塩の配合量が、アミノテトラゾール系化合物量換算で、0.001〜1質量%の範囲である請求項5に記載の含水系潤滑油組成物。
【請求項7】
さらに、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物を含む請求項5又は6に記載の含水系潤滑油組成物。
【請求項8】
さらに、ポリオキシアルキレンポリオール又はそのアルキルエーテル誘導体を含む請求項5〜7のいずれかに記載の含水系潤滑油組成物。
【請求項9】
ポリオキシアルキレンポリオールが、エチレンオキサイド単独重合体、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合体、又は多価アルコールにエチレンオキサイド単独重合体、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体もしくはエチレンオキサイドと他のアルキレンオキサイドとの重合体を付加して得られる化合物である請求項8に記載の含水系潤滑油組成物。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、長期に亘り良好な性状安定性と優れた難燃性を併せ持った含水系潤滑油組成物、含水系潤滑油用pH安定化剤又は動粘度安定化剤等の含水系潤滑油用の性状安定化剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
油圧装置は産業界に広く取り入れられ、生産性の向上に貢献している。これらの油圧装置には油圧作動油が動力伝達媒体として使用されているが、高温の熱源付近や電気スパークが生じる機器の近くなどでは、防災への配慮から水−グリコール系作動液を始めとした各種の含水系作動油が用いられている。
【0003】
作動液には、熱やせん断に対して液性状の変化が少なく、長期に渡り性状を適正な範囲に保ち、その性能を維持し続けることが望まれている。
例えば、水−グリコール系作動液は優れた性能を有するが、その性能を維持するために濃縮液の補充等により、液のpH、動粘度(JIS K2234)等の液の性状を管理しながら使用することが一般的である。このため、水−グリコール系作動液の使用においては、そのメンテナンス・性能維持に手間、コストがかかることが課題とされ、液の長寿命化による労力の低減が求められている。
【0004】
含水系潤滑油の性能向上技術としては、例えば、特定構造のポリオキシアルキレングリコールジエーテル化合物、特定構造のポリオキシアルキレングリコールモノエーテル化合物、特定構造のポリオキシプロピレングリコールモノエーテル化合物及び特定構造の脂肪酸塩を含有する含水系潤滑油組成物(特許文献1参照)、グリセロールボレートと塩基との中和生成物を含有する水−グリコール系難燃性作動液(特許文献2参照)、特定構造の水溶性ポリエーテルを含有する水−グリコール系難燃性作動液(特許文献3参照)などが挙げられるが、これらの発明は潤滑性や耐摩耗性能等の持続に主眼がおかれたものである。
【0005】
また、水溶性の鉄用防錆剤としてアミノテトラゾールおよびその水溶性塩を使用することが提案されている(特許文献4参照)。しかし、この発明は、低濃度で錆の発生を防止する事を目的とした発明であり、又アルケニルコハク酸およびその誘導体を併用することを特徴とするというものであった。
【0006】
【特許文献1】特許第3233490号公報
【特許文献2】特許第2646308号公報
【特許文献3】特開平7−23391号公報
【特許文献4】特開2000−26982号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記従来技術の状況に鑑みてなされたものであり、含水系潤滑油の長期の使用に亘り、そのメンテナンスを軽減することを可能とするpH安定化剤及び動粘度安定化剤などの性状安定化剤、並びにそれを含有し優れた性状安定性を有する含水系潤滑油組成物を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、アミノテトラゾール系化合物又はその塩が、優れたpH安定化機能、優れた動粘度安定化機能などの優れた性状安定化機能を有することを見出し、本発明を完成するに至った。また、アミノテトラゾール系化合物又はその塩を配合することにより、長寿命の含水系潤滑油組成物を完成するに至った。
すなわち、本発明は、一般式(1)で表されるアミノテトラゾール系化合物又はその塩を有効成分とする含水系潤滑油用性状安定化剤を提供するものである。
【0009】
【化2】


【0010】
(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、R及びRは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基若しくはアルカノール基である。)
また、本発明は、一般式(1)で表されるアミノテトラゾール系化合物又はその塩を有効成分とする含水系潤滑油用pH安定化剤を提供するものである。
また、本発明は、一般式(1)で表されるアミノテトラゾール系化合物又はその塩を有効成分とする含水系潤滑油用動粘度安定化剤を提供するものである。
【0011】
また、本発明は、一般式(1)で表されるアミノテトラゾール系化合物又はその塩を含むことを特徴とする含水系潤滑油組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記含水系潤滑油組成物において、さらに、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物を含む含水系潤滑油組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記含水系潤滑油組成物において、ポリオキシアルキレンポリオール又はそのアルキルエーテル誘導体を含む含水系潤滑油組成物を提供するものである。
【0012】
また、本発明は、上記含水系潤滑油組成物において、ポリオキシアルキレンポリオールが、エチレンオキサイド単独重合体、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合体、又は多価アルコールにエチレンオキサイド単独重合体、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体もしくはエチレンオキサイドと他のアルキレンオキサイドとの共重合体を付加して得られる化合物である含水系潤滑油組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の含水系潤滑油組成物は、pH安定化性又は動粘度安定化性などの性状安定化性に優れており、長期の使用に亘り、そのメンテナンスを軽減することができる。なお、含水系潤滑油組成物として、前記の水グリコール系作動液以外に、W/Oエマルション型、O/Wエマルション型作動液、圧延油、鍛造油、引抜き油、及び切削油などにも同様の効果が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明において使用されるアミノテトラゾール系化合物又はその塩は、前記一般式(1)で表される化合物である。式中、Rは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。Rの例としては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、t−ブチル基が挙げられる。また、式中、R及びRは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はアルカノール基を示し、R及びRは同一であってもよいし、異なっていてもよい。R及びRの例としては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、t−ブチル基及びそれぞれのアルキル基のうち1個の水素原子が水酸基に置換したアルカノール基が挙げられる。
一般式(1)のR、R及びRのうち少なくとも1つは、水素原子であることが好ましく、2つ以上が水素原子であることがより好ましく、3つが水素原子であることが特に好ましい。また、一般式(1)のR、R又はRが炭素数1〜4のアルキル基又はアルカノール基である場合は、炭素数1〜3のアルキル基又はアルカノール基であることが好ましく、炭素数1〜2のアルキル基又はアルカノール基であることがより好ましく、炭素数1のアルキル基又はアルカノール基であることが特に好ましい。
【0015】
アミノテトラゾール系化合物塩の塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩等の金属塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、イソプロパノールアミン塩等のアルカノールアミン塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩等が挙げられる。
【0016】
アミノテトラゾール系化合物の含有量は、適宜選択すればよいが、好ましくは0.001〜1質量%であり、より好ましくは、0.05〜0.5質量%であり、特に好ましくは、0.02〜0.1質量%である。含有量が少ない場合には、充分な添加効果が得られないという不具合があり、1質量%を超えると添加量に見合う添加効果が得られなくなり、好ましくない。
また、アミノテトラゾール系化合物塩を使用する場合は、アミノテトラゾール系化合物の量が、上記量となるように、適宜、アミノテトラゾール系化合物塩を含有させればよい。
また、アミノテトラゾール系化合物とその塩を併用してもよく、その場合、含有量は、その合計量が、アミノテトラゾール系化合物の上記量となるように調整すればよい。
【0017】
上記含有量は、他の添加剤等の含有により、上記範囲において適量は異なるが、アミノテトラゾール系化合物又はその塩を含む含水系潤滑油組成物においては、JIS K2514(潤滑油酸化安定度試験方法)の第6項(回転ボンベ式酸化安定度試験方法)で規定される試験器を用いた寿命評価試験において、試験前後のpH、動粘度等の変化量が少なくなる添加量を選ぶことができる。なお、本試験の試験条件は、例えば、試験液量;80g、触媒;なし、試験温度;120℃、封入酸素圧;620kPa(@25℃)、試験時間;24Hrである。
上記試験条件を用いた場合、pH変化量が、試験前後で、±25%以内、好ましくは±15%以内、特に好ましくは±8%以内であり、又は、40℃動粘度変化量が、試験前後で、±25%以内、好ましくは±15%以内、特に好ましくは±5%以内であるように、添加されればよい。
上記のように、上記アミノテトラゾール系化合物又はその塩は、pH安定化剤、動粘度安定化剤などの性状安定加剤として、優れた性能を発揮する。
【0018】
また、本発明は、そのような試験結果を得ることができる、アミノテトラゾール系化合物又はその塩を含有する含水系潤滑油組成物である。
本発明の含水系潤滑油組成物は、種々の含水系潤滑油に適用できるが、水−グリコール系作動液に好適に適用できる。
水−グリコール系作動液等の含水系潤滑油は液中に水分を含む。水の含有量は、30〜50質量%であればよい。水−グリコール系作動液に含まれるグリコール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ジヘキシレングリコールなどのグリコール類およびこれらグリコール類のモノアルキルエーテルが挙げられる。ここで、モノアルキルエーテルにおけるアルキル基の炭素数は、1〜8が好ましい。これらのグリコール類は1種単独で用いても良いし、2種以上を混合使用してもよい。通常はプロピレングリコール又はジプロピレングリコールを用いることが好ましい。グリコール類の含有量は、20〜60質量%であればよく、好ましくは25〜50質量%である。
【0019】
本発明の含水系潤滑油組成物においては、さらにアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物を配合することが好ましく、特にアルカリ金属の水酸化物を配合することがより好ましい。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムが好ましく、ナトリウム、カリウムがより好ましい。アルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、バリウムが好ましく、カルシウムがより好ましい。
アミノテトラゾール系化合物又はその塩とこれらの成分の配合により、所望のpHに調整した作動液に対する優れたpH安定化性又は動粘度安定化性などの優れた性状安定化性を発揮することができる。
アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物の含有量は、0.05〜1質量%が好ましく、0.1〜0.5質量%が特に好ましい。
【0020】
本発明の含水系潤滑油組成物においては、上記のアミノテトラゾール系化合物又はアミノテトラゾール系化合物とアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物を配合することに加え、通常含水系潤滑油に用いられる成分は何れも使用することができる。
【0021】
本発明の含水系潤滑油組成物においては、増粘剤を配合することが好ましい。
増粘剤としては、水溶性のポリオキシアルキレンポリオールまたはそのアルキルエーテル誘導体を使用することができる。具体的には、水溶性のエチレンオキサイド(EO)単独重合体、EO/プロピレンオキサイド(PO)共重合体、多価アルコールにEO単独重合体、EOとPOとの共重合体又はEOと他のアルキレンオキサイド(例えば1,2−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、α−オレフィンオキサイドなど)との共重合体を付加して得られる化合物、もしくはそれらのアルキルエーテル誘導体が挙げられる。このアルキルエーテル誘導体中のアルキルエーテル基におけるアルキル基の炭素数は、1〜4が好ましく、1〜3が特に好ましい。
【0022】
水溶性のポリオキシアルキレンポリオール類の具体例としては、ポリオキシアルキレングリコール、ポリオキシアルキレントリオール、ポリオキシアルキレングリコールモノエーテル、ポリオキシアルキレングリコールジエーテル等が挙げられる。
EOと他のアルキレンオキサイドの共重合体、又は多価アルコールへの付加物としてEOと他のアルキレンオキサイドの共重合体を用いる場合には、他のアルキレンオキサイドがPOであることが好ましく、また、EO/他のアルキレンオキサイドのモル比が25/75〜80/20であることが望ましい。EOのモル比が少な過ぎると作動液への溶解性が不足する場合がある。また、EOと他のアルキレンオキサイド共重合体の付加様式は、ランダム付加であってもブロック付加であってもよい。
【0023】
水溶性のポリオキシアルキレンポリオール類の平均分子量は1,000〜20,000の範囲が好ましい。平均分子量が1,000より低い場合には、本来の目的である増粘効果が小さく配合量を増やす必要が生じることから、相対的にグリコール類の配合比が少なくなり、系の溶解性が変わるため好ましくない。また、分子量が20,000を超えると、増粘剤の熱やせん断に対する安定性が損なわれる恐れがあり、また増粘剤が分解した際の性状変化が大きくなることから好ましくない。
増粘剤の含有量は、5〜40質量%であればよく、好ましくは10〜30質量%である。
【0024】
本発明の含水系潤滑油組成物は、40℃動粘度が19.8〜74.8mm/secであることが好ましく、28.8〜50.6mm/secであることが特に好ましい。
本発明の含水系潤滑油組成物には、潤滑剤、液相防錆剤、気相防錆剤、金属不活性化剤、pH調整剤、消泡剤、着色剤、及びその他任意の添加剤が必要に応じて配合することができる。
潤滑剤としては、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などの飽和脂肪酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などの不飽和脂肪酸、芳香族脂肪酸、ダイマー酸などが挙げられる。また、これらの脂肪酸は1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合使用してもよい。
【0025】
液相あるいは気相防錆剤としては、モルホリン、メチルモルホリン、エチルモルホリンなどのアルキル化モルホリン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、3−アミノ−1−プロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、3−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、シクロヘキシルアミン、N-メチルエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、N-エチルエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、N-n-ブチルエタノールアミン、N-n-ブチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジブチルエタノールアミン、N-(β-アミノエチル)エタノールアミン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリン、ヒドロキシエチルピペラジン、2−メチルピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、2,6−ジメチルピペラジンなどの有機アミンおよびその誘導体、カルボン酸アルカリ金属塩などが挙げられる。これらの液相あるいは気相防錆剤は1種単独で用いても良いし、2種以上を混合使用してもよい。
【0026】
pH調整剤としては前記したアルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物に加え、前記の気相および液相防錆剤として挙げたものも使用することができる。これらpH調整剤の配合により、作動液のアルカリ性を所望のpHに調整することが好ましい。pHが低すぎると液中に存在する潤滑剤の溶解性が不足し、スラッジ化する恐れがある。また、pHが高すぎると作動液の耐摩耗性能の低下を生じる場合がある。
【0027】
金属不活性化剤としては、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾールおよびそれらのアルカリ金属塩又はアミン塩などのベンゾトリアゾール系化合物、メルカプトベンゾチアゾールおよびそのアルカリ金属塩等が挙げられる。
消泡剤としては、シリコーン化合物の乳化物などが、着色剤としてはアルコール系着色剤、金属系着色剤などが挙げられる。
【実施例】
【0028】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明をする。なお、本発明は、これらの例によって何ら制限されるものではない。
(作動液の評価)
作動液の安定性について、回転ボンベ式酸化安定度試験器を用いて寿命の評価を行った。この試験器は、JIS K2514(潤滑油酸化安定度試験方法)の第6項に規定されるものである。試験後液のpHおよび動粘度の変化により評価を行った。変化量が少ないほど作動液の安定性が優れる。
試験条件は下記のとおりである。
試験液量;80g
触媒 ;なし
試験温度;120℃
封入酸素圧;620kPa (@25℃)
試験時間;24Hr
【0029】
(実施例1〜9)
表1及び表2に示された成分を、表1及び表2に示された配合量で混合して含水系潤滑油組成物を調製した。その調製された含水系潤滑油組成物を用いて上記試験により、評価した。その評価結果を表1及び表2に示す。なお、本実施例において使用したアミノテトラゾールは前記一般式中のR、R及びRが全て水素原子である5−アミノ−1H−テトラゾールである。アミノテトラゾールをあらかじめ、10質量%水酸化カリウム水溶液に20質量%溶解したものを用いた.
【0030】
(比較例1〜2)
表3に示された成分を、表3に示された配合量で混合して含水系潤滑油組成物を調製した。その調製された含水系潤滑油組成物を用いて上記試験により、評価した。その評価結果を表3に示す。
【0031】
なお、表1〜3において、増粘剤、グリコール類、金属不活性化剤、潤滑剤は以下に示すものである。
増粘剤Aはポリオキシエチレン/オキシプロピレングリコールで、EO/POのモル比は75/25のランダム共重合体、平均分子量が15,000のものである。増粘剤Bはポリオキシエチレン/オキシプロピレングリコールで、EO/POのモル比は75/25のランダム共重合体、平均分子量が5,000のものである。増粘剤Cはポリオキシエチレン/オキシプロピレングリコールで、EO/POのモル比は50/50のランダム共重合体、平均分子量が1,750のものである。
【0032】
グリコール類はプロピレングリコールであり、潤滑剤はヤシ脂肪酸である。なお、金属不活性化剤としてベンゾトリアゾール誘導体を使用した。
それぞれの実施例、比較例について、アルカリ剤、プロピレングリコールおよび増粘剤の配合量により、pHを10.0に40℃動粘度を48.0mm/secになるよう調整した。
【0033】
【表1】


【0034】
【表2】


【0035】
表1及び表2に示した結果のとおり、本発明による全ての実施例において優れた安定性を示した。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明の含水系潤滑油組成物は、pH変化を長期間抑えることができ、また、動粘度変化を長期間抑えることができ、含水系潤滑油組成物のメンテナンスに要する労力を軽減することができるので、含水系潤滑油の分野において、極めて有用である。
【出願人】 【識別番号】398053147
【氏名又は名称】コスモ石油ルブリカンツ株式会社
【出願日】 平成19年1月23日(2007.1.23)
【代理人】 【識別番号】100095599
【弁理士】
【氏名又は名称】折口 信五


【公開番号】 特開2008−179658(P2008−179658A)
【公開日】 平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願番号】 特願2007−12240(P2007−12240)