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【発明の名称】 潤滑油組成物
【発明者】 【氏名】永仮 光洋

【氏名】金子 弘

【氏名】馬場 善治

【要約】 【課題】潤滑油組成物、中でも精製度の高い基油を用いた、工業用潤滑油全般、特に機械油、タービン油、コンプレッサー油、油圧作動油、歯車油、擦動面油、軸受油、キャリブレーション油において、良好な防錆性と、高いスラッジ抑制性を持ち、また省エネ性に優れた潤滑油組成物を得ようとする。

【解決手段】高度精製基油や合成油の硫黄分含有量が300ppm以下の基油に、添加剤としてアスパラギン酸誘導体と、エポキシ化エステル化合物を加えることによって、良好な防錆性と、高いスラッジ抑制性を持ち、油圧作動油などの工業用潤滑油として好適な潤滑油組成物を得ることができる。また、添加剤としてさらに脂肪族アミンを加えることによって、一層スラッジの生成が少なく、かつ摩擦係数を低くして省エネルギー性の優れた潤滑油組成物を得ることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉱油及び/または合成油から選ばれる少なくとも1種の硫黄分含有量300ppm以下の基油と、添加剤としてアスパラギン酸誘導体と、エポキシ化エステル化合物を含有することを特徴とする潤滑油組成物。
【請求項2】
上記アスパラギン酸誘導体の酸価が10〜250mgKOH/gであることを特徴とする請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項3】
上記エポキシ化エステル化合物は、動物油脂及び/または植物油脂由来のエポキシ化脂肪酸エステルである請求項1または2に記載の潤滑油組成物。
【請求項4】
上記アスパラギン酸誘導体及びエポキシ化エステル化合物の各配合量が0.01〜5重量%である請求項1〜3のいずれかに記載の潤滑油組成物。
【請求項5】
添加剤としてさらに脂肪族アミンを含有する請求項1〜4のいずれかに記載の潤滑油組成物。
【請求項6】
上記脂肪族アミンの脂肪族が炭素数8〜24である請求項5に記載の潤滑油組成物。
【請求項7】
上記基油が、合成油であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の潤滑油組成物。
【請求項8】
上記合成油が、ポリαオレフィンであることを特徴とする請求項7に記載の潤滑油組成物。
【請求項9】
上記合成油が、GTLであることを特徴とする請求項7に記載の潤滑油組成物。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、潤滑油組成物に関し、その中でも精製度の高い基油を用いた、工業用潤滑油全般に関し、特に機械油、油圧作動油、タービン油、コンプレッサー油、歯車油、擦動面油、軸受油、キャリブレーション油として使用される潤滑油組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
機械設備に使用する潤滑油には、その性能を維持するために本質的に防錆性が必要とされている。これは、機械装置におけるタンク内の潤滑油温度は使用条件により上下し、そのためタンク内の潤滑油は凝縮水が混入することがあること、また冷却水配管からの漏水により水分が混入することがあること、等によるものである。
【0003】
また、機械設備に使用する潤滑油は、スラッジ発生をできるだけ抑える必要がある。熱劣化などによりスラッジが多量に発生すると、オイルフィルターの目詰まりを引き起こし、充分な潤滑油の供給ができなくなることから故障の原因となる。また発生したスラッジが軸受部に蓄積したり、軸受部にてラッカーが発生することにより、充分な油膜が形成できなくなり、軸受損傷の原因になる。更に油圧装置においては、スラッジがサーボ弁といった油圧回路の一部を閉塞させ、装置故障の原因となる。そのためスラッジの発生が少ないことが潤滑油に求められている。
【0004】
さらに近年、工業用潤滑油組成物には良好な摩擦特性が要求されている。これは、低い摩擦係数(μ)を有することによって、効率的に、機械装置における摩擦損失を低減し、高い省エネルギー性を達成することが求められているためである。また、建設用機械等において油圧装置が多用されているが、油圧作動油として使用される潤滑油の摩擦係数が高い場合、油圧シリンダーの往復動パッキングのしゅう動部において、微小スティックスリップ現象が発生し、シリンダーのビビリ、振動、鳴き、異音発生などの現象を引き起こし、油圧装置を精度良く制御できなくなる(特許文献1)。そこで、油圧シリンダーが正確かつスムーズに移動するようにするためには、潤滑油の摩擦係数を低下させることが必要となっている。
【特許文献1】特開平9−111277号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、優れた防錆性を有すると共に、スラッジ発生量が少ない潤滑油組成物を得ようとするものである。しかしながら防錆性向上を目的として添加する防錆剤は、熱劣化によりスラッジの原因物質になることがある。そのため防錆効果を保持しながら、スラッジ抑制性のバランスを取ることは重要な課題である。
【0006】
更に潤滑油の示す摩擦係数を低くし、高い省エネ性を持つ工業油潤滑油を得ることも重要な課題である。こうした課題を解決した潤滑油組成物を油圧装置における油圧作動油として使用した場合に、油圧シリンダーのビビリ、振動、鳴き、異音発生などの現象を引き起こすことなく、油圧装置を精度良く制御できるようになる。本発明は、錆やスラッジの発生を抑制し、かつ省エネルギー性に富んだ、作動効率の良い潤滑油組成物を得ようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、高度精製基油や合成油の硫黄分含有量が300ppm以下の基油に、添加剤としてアスパラギン酸誘導体と、エポキシ化エステル化合物を加えることによって、油圧作動油などの工業用潤滑油として好適な潤滑油組成物を得ることができる。また、添加剤としてさらに脂肪族アミンを加えることによって、一層スラッジ生成が少なく、かつ省エネルギー性の優れた潤滑油組成物を得ることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、錆とスラッジの発生を抑制する潤滑油組成物を得ることができる。さらに、各種工業用の装置で発生する摩擦損失を効果的に減らすことができ、省エネルギー化を図ることができる。また油圧作動油として使用した場合に、摩擦係数を低減させることにより、油圧シリンダーのビビリ、振動、鳴き、異音発生などの現象を引き起こすことなく、油圧装置を精度良く制御することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本潤滑油組成物の基油には、高度精製基油と呼ばれる鉱油、合成油を使用することができ、特に、API(American Petroleum Institute,米国石油協会)基油カテゴリーでグループ2、グループ3、グループ4などに属する基油を、単独または混合物として使用することができる。ここで使用する基油は、硫黄元素分が300ppm以下、好ましくは200ppm以下、より好ましくは100ppm以下、最も好ましくは50ppm以下がよい。また密度は0.8〜0.9、好ましくは0.8〜0.865、より好ましくは0.81〜0.83がよい。アロマ分は3%未満、好ましくは2%未満、より好ましくは0.1未満がよい。
【0010】
グループ2基油には、例えば、原油を常圧蒸留して得られる潤滑油留分に対して、水素化分解、脱ろうなどの精製手段を適宜組合せて適用することにより得られたパラフィン系鉱油がある。ガルフ社法などの水素化精製法により精製されたグループ2基油は、全イオウ分が10ppm未満、アロマ分が5%以下であり、本発明に好適である。これらの基油の粘度は特に制限されないが、粘度指数は80〜120、好ましくは100〜120がよい。40℃における動粘度は、好ましくは2〜680mm/s、より好ましくは8〜220mm/sである。また全硫黄分は300ppm未満、好ましくは200ppm未満、更に好ましくは10ppm未満がよい。全窒素分も10ppm未満、好ましくは1ppm未満がよい。さらにアニリン点は80〜150℃、好ましくは100〜135℃のものを使用するのがよい。
【0011】
グループ3基油及びグループ2プラス基油には、例えば、原油を常圧蒸留して得られる潤滑油留分に対して高度水素化精製により製造されるパラフィン系鉱油や、脱ろうプロセスにて生成されるワックスをイソパラフィンに変換・脱ろうするISODEWAXプロセスにより精製された基油や、モービルWAX異性化プロセスにより精製された基油も好適である。これらの基油の粘度は特に制限されないが、粘度指数は95〜145、好ましくは100〜140がよい。40℃における動粘度は、好ましくは2〜680mm/s、より好ましくは8〜220mm/sである。また全硫黄分は、0〜100ppm、好ましくは10ppm未満がよい。全窒素分も10ppm未満、好ましくは1ppm未満がよい。さらにアニリン点は80〜150℃、好ましくは110〜135℃のものを使用するのがよい。
【0012】
天然ガスの液体燃料化技術のフィッシャートロプッシュ法により合成されたGTL(ガストゥリキッド)は、原油から精製された鉱油基油と比較して、硫黄分や芳香族分が極めて低く、パラフィン構成比率が極めて高いため、酸化安定性に優れ、蒸発損失も非常に小さいため、本発明の基油として好適である。GTL基油の粘度性状は特に制限されないが、通例粘度指数は130〜180、より好ましくは140〜175である。また40℃における動粘度は、2〜680mm/s、より好ましくは5〜120mm/sである。また通例全硫黄分は10ppm未満、全窒素分1ppm未満である。そのようなGTL基油商品の一例として、SHELL XHVI(登録商標)がある。
【0013】
合成油としては、例えば、ポリオレフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、エステル、ポリオキシアルキレングリコール、ポリフェニルエーテル、ジアルキルジフェニルエーテル、含フッ素化合物(パーフルオロポリエーテル、フッ素化ポリオレフィン等)、シリコーン油などが挙げられる。
【0014】
上記ポリオレフィンには、各種オレフィンの重合物又はこれらの水素化物が含まれる。オレフィンとしては任意のものが用いられるが、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、炭素数5以上のα−オレフィンなどが挙げられる。ポリオレフィンの製造にあたっては、上記オレフィンの1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。特にポリαオレフィン(PAO)と呼ばれているポリオレフィンが好適であり、これはグループ4基油である。
これら合成基油の粘度は特に制限されないが、40℃における動粘度は、好ましくは2〜680mm/s、より好ましくは8〜220mm/sである。
【0015】
本発明の潤滑油組成物における上記基油の含有量は特に制限されないが、潤滑油組成物の全量基準で60重量%以上、好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上、更に好ましくは95重量%以上である。
【0016】
アスパラギン酸誘導体は、一般式1に示すものである。
【化1】


【0017】
上記一般式1中、X及びXは各々水素又は3〜6の同一または異なったアルキル基、若しくはヒドロキシアルキル基であり、より好ましくはそれぞれが2−メチルプロピル基やターシャリーブチル基がよい。Xは1〜30個の炭素原子からなるアルキル基、若しくはエーテル結合を有するアルキル基、若しくはヒドロキシアルキル基である。例えば、オクタデシル基、アルコキシプロピル基、3−(C6〜C18)ヒドロカーボンオキシ(C3〜C6)アルキル基、更に好ましくは、シクロヘキシルオキシプロピル基、3−オクチルオキシプロピル基、3−イソオクチルオキシプロピル基、3−デシルオキシプロピル基、3−イソデシルオキシプロピル基、3−(C12〜C16)アルコキシプロピル基がよい。Xは1〜30個の炭素原子から成る飽和、若しくは不飽和カルボン酸基、若しくは1〜30個の炭素原子から成るアルキル基、若しくはアルケニル基、若しくはヒドロキシアルキル基である。例えばプロピオン酸基や、プロピオニル酸基がよい。
【0018】
上記アスパラギン酸誘導体は、JIS K2501で定める酸価が10〜200mgKOH/gのもの、より好ましくは50〜150mgKOH/gのものがよい。アスパラギン酸誘導体は、潤滑油組成物中に約0.01〜5重量%程度、好ましくは約0.05〜2重量%程度で用いられる。
【0019】
エポキシ化エステル化合物は、菜種油、大豆油、アマニ油、ヒマシ油、ヤシ油、パーム油、パーム核油、ひまわり油、米ぬか油、サフラワー油、牛脂、豚脂等のエステルをエポキシ化して製造されたもので、エポキシ化菜種油エステル、エポキシ化大豆油エステル、エポキシ化アマニ油エステル、エポキシ化ヒマシ油エステル、エポキシ化サフラワー油エステル等、およびエポキシステアリン酸メチル、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸オクチル等のオレイン酸エステルをエポキシ化して製造されたものが挙げられる。
またエステルのアルコール残基は、アルキル基、若しくはエーテル結合を有するアルキル基、若しくはヒドロキシアルキル基であり、より好ましくはブチル基、イソブチル基、2エチルヘキシル基である。
一例として、エポキシ化菜種脂肪酸イソブチルエステル、エポキシ化菜種脂肪酸2エチルヘキシルエステル、エポキシ化亜麻仁油脂肪酸ブチルエステルなどが挙げられる。なお一般的な菜種脂肪酸の主成分はオレイン酸63%、リノール酸20%、リノレン酸8%の炭素数18の脂肪酸であり、亜麻仁脂肪酸の主成分は、オレイン酸21%、リノール酸13%、リノレン酸57%の炭素数18の脂肪酸である。
【0020】
これらのエポキシ化エステル化合物は、ゴムやプラスチックの可塑剤、安定剤として知られているが、エポキシ化エステル化合物の潤滑油中の配合量は、0.01から5重量パーセント、より好ましくは0.01〜2重量パーセント、更に好ましくは0.01〜1重量パーセントがよい。
【0021】
この潤滑油組成物中には、脂肪族アミン化合物を更に配合することができ、こうした脂肪族アミン化合物としては、一般式(2)、一般式(3)に示される一級アミン、および一般式(4)に示される二級アミンが挙げられる。
【0022】
(式2)
N−X (2)

上記一般式2中、Xは1〜30個の炭素原子からなる飽和または不飽和のアルキル基である。例えば、ラウリルアミン、ココナットアミン、n−トリデシルアミン、ミリスチルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−パルミチルアミン、n−ヘプタデシルアミン、n−ステアリルアミン、イソステアリルアミン、n−ノナデシルアミン、n−エイコシルアミン、n−ヘンエイコシルアミン、n−ドコシルアミン、n−トリコシルアミン、n−ペンタコシルアミン、オレイルアミン、牛脂アミン、水素化牛脂アミン、大豆アミン等が挙げられる。好ましくはXの炭素数は8〜24、更に好ましくは12〜18がよい。またXは直鎖脂肪族でも、分岐脂肪族でも、三級アルキル基でもよい。
【0023】
(式3)
N−X−NH (3)

上記一般式3中、Xは1〜30個の炭素原子からなる飽和または不飽和のアルキレン基である。例えば、ラウリルエチレンジアミン、ココナットエチレンジアミン、n−トリデシルエチレンジアミン、n−ミリスチルエチレンジアミン、n−ペンタデシルエチレンジアミン、n−パルミチルエチレンジアミン、n−ヘプタデシルエチレンジアミン、n−ステアリルエチレンジアミン、イソステアリルエチレンジアミン、n−ノナデシルエチレンジアミン、n−エイコシルエチレンジアミン、n−ヘンエイコシルエチレンジアミン、n−ドコシルエチレンジアミン、n−トリコシルエチレンジアミン、n−ペンタコシルエチレンジアミン、オレイルエチレンジアミン、牛脂エチレンジアミン、水素化牛脂エチレンジアミン、大豆エチレンジアミン等のエチレンジアミン類がある。好ましくはXの炭素数は8〜24、更に好ましくは12〜18がよい。
【0024】
(式4)
−NH−X (4)

上記一般式4中、XおよびXは1〜30個の炭素原子からなる飽和または不飽和のアルキル基である。例えば、ジラウリルアミン、ジココナットアミン、ジn−トリデシルアミン、ジn−ミリスチルアミン、ジn−ペンタデシルアミン、ジn−パルミチルアミン、ジn−ヘプタデシルアミン、ジn−ステアリルアミン、ジイソステアリルアミン、ジn−ノナデシルアミン、ジn−エイコシルアミン、ジn−ヘンエイコシルアミン、ジn−ドコシルアミン、ジn−トリコシルアミン、ジn−ペンタコシルアミン、ジオレイルアミン、ジ牛脂アミン、ジ水素化牛脂アミン、ジ大豆アミン等が挙げられる。好ましくはXおよびXの炭素数は8〜24、更に好ましくは12〜18がよい。XおよびXは同一でも、異なっていてもよい。
【0025】
これらの脂肪族アミンは、潤滑油組成物中に上記した群から選ばれた少なくとも1種を約0.005〜5重量%程度、好ましくは約0.01〜1重量%程度で用いるとよい。
【0026】
上記した成分のほかに更に性能を向上させるため、必要に応じて種々の添加剤を適宜使用することができる。これらのものとしては、酸化防止剤、金属不活性剤、極圧剤、油性向上剤、消泡剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、清浄分散剤、防錆剤、抗乳化剤等や、その他の公知の潤滑油添加剤を挙げることができる。
【0027】
本発明において使用する酸化防止剤としては、潤滑油に使用されるものが実用的には好ましく、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤を挙げることができる。これらの酸化防止剤は、基油100重量部に対して、0.01〜5重量部の範囲で単独又は複数組み合わせて使用できる。
【0028】
前記アミン系酸化防止剤としては、p,p’−ジオクチル−ジフェニルアミン(精工化学社製:ノンフレックスOD−3)、p,p’−ジ−α−メチルベンジル−ジフェニルアミン、N−p−ブチルフェニル−N−p’−オクチルフェニルアミンなどのジアルキル−ジフェニルアミン類、モノ−t−ブチルジフェニルアミン、モノオクチルジフェニルアミンなどのモノアルキルジフェニルアミン類、ジ(2,4−ジエチルフェニル)アミン、ジ(2−エチル−4−ノニルフェニル)アミンなどのビス(ジアルキルフェニル)アミン類、オクチルフェニル−1−ナフチルアミン、N−t−ドデシルフェニル−1−ナフチルアミンなどのアルキルフェニル−1−ナフチルアミン類、1−ナフチルアミン、フェニル−1−ナフチルアミン、フェニル−2−ナフチルアミン、N−ヘキシルフェニル−2−ナフチルアミン、N−オクチルフェニル−2−ナフチルアミンなどのアリール−ナフチルアミン類、N,N’−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミンなどのフェニレンジアミン類、フェノチアジン(保土谷化学社製:Phenothiazine)、3,7−ジオクチルフェノチアジンなどのフェノチアジン類などが挙げられる。
【0029】
硫黄系酸化防止剤としては、ジドデシルサルファイド、ジオクタデシルサルファイドなどのジアルキルサルファイド類、ジドデシルチオジプロピオネート、ジオクタデシルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ドデシルオクタデシルチオジプロピオネートなどのチオジプロピオン酸エステル類、2−メルカプトベンゾイミダゾールなどが挙げられる。
【0030】
フェノール系酸化防止剤としては、2−t−ブチルフェノール、2−t−ブチル−4−メチルフェノール、2−t−ブチル−5−メチルフェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、2−t−ブチル−4−メトキシフェノール、3−t−ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン(川口化学社製:アンテージDBH)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノールなどの2,6−ジ−t−ブチル−4−アルキルフェノール類、2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エトキシフェノールなどの2,6−ジ−t−ブチル−4−アルコキシフェノール類がある。
また、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプト−オクチルアセテート、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(吉富製薬社製:ヨシノックスSS)、n−ドデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2’−エチルヘキシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ベンゼンプロパン酸3,5−ビス(1,1−ジメチル−エチル)−4−ヒドロキシ−C7〜C9側鎖アルキルエステル(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製:IrganoxL135)などのアルキル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート類、2,6−ジ−t−ブチル−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)(川口化学社製:アンテージW−400)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(川口化学社製:アンテージW−500)などの2,2’−メチレンビス(4−アルキル−6−t−ブチルフェノール)類がある。
さらに、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)(川口化学社製:アンテージW−300)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)(シェル・ジャパン社製:Ionox220AH)、4,4’−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2−(ジ−p−ヒドロキシフェニル)プロパン(シェル・ジャパン社製:ビスフェノールA)、2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−シクロヘキシリデンビス(2,6−t−ブチルフェノール)、ヘキサメチレングリコールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製:IrganoxL109)、トリエチレングリコールビス[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート](吉富製薬社製:トミノックス917)、2,2’−チオ−[ジエチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製:IrganoxL115)、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル}2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン(住友化学:スミライザーGA80)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)(川口化学社製:アンテージRC)、2,2’−チオビス(4,6−ジ−t−ブチル−レゾルシン)などのビスフェノール類がある。
そして、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製:IrganoxL101)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン(吉富製薬社製:ヨシノックス930)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(シェル・ジャパン社製:Ionox330)、ビス−[3,3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、2−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル−4−(2”,4”−ジ−t−ブチル−3”−ヒドロキシフェニル)メチル−6−t−ブチルフェノール、2,6−ビス(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチル−ベンジル)−4−メチルフェノールなどのポリフェノール類、p−t−ブチルフェノールとホルムアルデヒドの縮合体、p−t−ブチルフェノールとアセトアルデヒドの縮合体などのフェノールアルデヒド縮合体などが挙げられる。
【0031】
リン系酸化防止剤として、トリフェニルフォスファイト、トリクレジルフォスファイトなどのトリアリールフォスファイト類、トリオクタデシルフォスファイト、トリデシルフォスファイトなどのトリアルキルフォスファイト類、トリドデシルトリチオフォスファイトなどが挙げられる。
【0032】
本発明の組成物と併用できる金属不活性剤としては、ベンゾトリアゾール、4−メチル−ベンゾトリアゾール、4−エチル−ベンゾトリアゾールなどの4−アルキル−ベンゾトリアゾール類、5−メチル−ベンゾトリアゾール、5−エチル−ベンゾトリアゾールなどの5−アルキル−ベンゾトリアゾール、1−ジオクチルアミノメチル−2,3−ベンゾトリアゾールなどの1−アルキル−ベンゾトリアゾール類、1−ジオクチルアミノメチル−2,3−トルトリアゾールなどの1−アルキル−トルトリアゾール類等のベンゾトリアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール、2−(オクチルジチオ)−ベンゾイミダゾール、2−(デシルジチオ)−ベンゾイミダゾール、2−(ドデシルジチオ)−ベンゾイミダゾールなどの2−(アルキルジチオ)−ベンゾイミダゾール類、2−(オクチルジチオ)−トルイミダゾール、2−(デシルジチオ)−トルイミダゾール、2−(ドデシルジチオ)−トルイミダゾールなどの2−(アルキルジチオ)−トルイミダゾール類等のベンゾイミダゾール誘導体がある。
また、インダゾール、4−アルキル−インダゾール、5−アルキル−インダゾールなどのトルインダゾール類等のインダゾール誘導体、ベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール誘導体(千代田化学社製:チオライトB−3100)、2−(ヘキシルジチオ)ベンゾチアゾール、2−(オクチルジチオ)ベンゾチアゾールなどの2−(アルキルジチオ)ベンゾチアゾール類、2−(ヘキシルジチオ)トルチアゾール、2−(オクチルジチオ)トルチアゾールなどの2−(アルキルジチオ)トルチアゾール類、2−(N,N−ジエチルジチオカルバミル)ベンゾチアゾール、2−(N,N−ジブチルジチオカルバミル)−ベンゾチアゾール、2−(N,N−ジヘキシルジチオカルバミル)−ベンゾチアゾールなど2−(N,N−ジアルキルジチオカルバミル)ベンゾチアゾール類、2−(N,N−ジエチルジチオカルバミル)トルチアゾール、2−(N,N−ジブチルジチオカルバミル)トルチアゾール、2−(N,N−ジヘキシルジチオカルバミル)トルチアゾールなどの2−(N,N−ジアルキルジチオカルバミル)−トルゾチアゾール類等のベンゾチアゾール誘導体がある。
さらに、2−(オクチルジチオ)ベンゾオキサゾール、2−(デシルジチオ)ベンゾオキサゾール、2−(ドデシルジチオ)ベンゾオキサゾールなどの2−(アルキルジチオ)−ベンゾオキサゾール類、2−(オクチルジチオ)トルオキサゾール、2−(デシルジチオ)トルオキサゾール、2−(ドデシルジチオ)トルオキサゾールなどの2−(アルキルジチオ)トルオキサゾール類等のベンゾオキサゾール誘導体、2,5−ビス(ヘプチルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(ノニルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(ドデシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(オクタデシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾールなどの2,5−ビス(アルキルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール類、2,5−ビス(N,N−ジエチルジチオカルバミル)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(N,N−ジブチルジチオカルバミル)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(N,N−ジオクチルジチオカルバミル)−1,3,4−チアジアゾールなどの2,5−ビス(N,N−ジアルキルジチオカルバミル)−1,3,4−チアジアゾール類、2−N,N−ジブチルジチオカルバミル−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−N,N−ジオクチルジチオカルバミル−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾールなどの2−N,N−ジアルキルジチオカルバミル−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール類等のチアジアゾール誘導体、1−ジ−オクチルアミノメチル−2,4−トリアゾールなどの1−アルキル−2,4−トリアゾール類等のトリアゾール誘導体などが挙げられる。これらの金属不活性剤は、基油100重量部に対して、0.01〜0.5重量部の範囲で単独又は複数組み合わせて使用できる。
【0033】
本発明の潤滑油組成物に対して、耐摩耗性や極圧性を付与するために、リン化合物を添加することもできる。本発明に適したリン化合物としては、例えば、リン酸エステル、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルのアミン塩、塩素化リン酸エステル、亜リン酸エステル、ホスフォロチオネート、ジチオリン酸亜鉛、ジチオリン酸とアルカノール又はポリエーテル型アルコールとのエステルあるいはその誘導体、リン含有カルボン酸、リン含有カルボン酸エステルが挙げられる。これらのリン化合物は、基油100重量部に対して、0.01〜2重量部の範囲で単独又は複数組み合わせて使用できる。
【0034】
上記リン酸エステルとしては、例えば、トリブチルホスフェート、トリペンチルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、トリヘプチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリノニルホスフェート、トリデシルホスフェート、トリウンデシルホスフェート、トリドデシルホスフェート、トリトリデシルホスフェート、トリテトラデシルホスフェート、トリペンタデシルホスフェート、トリヘキサデシルホスフェート、トリヘプタデシルホスフェート、トリオクタデシルホスフェート、トリオレイルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリス(iso−プロピルフェニル)ホスフェート、トリアリルフォスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、及びキシレニルジフェニルホスフェートなどが挙げられる。
【0035】
上記酸性リン酸エステルの具体例としては、モノブチルアシッドホスフェート、モノペンチルアシッドホスフェート、モノヘキシルアシッドホスフェート、モノヘプチルアシッドホスフェート、モノオクチルアシッドホスフェート、モノノニルアシッドホスフェート、モノデシルアシッドホスフェート、モノウンデシルアシッドホスフェート、モノドデシルアシッドホスフェート、モノトリデシルアシッドホスフェート、モノテトラデシルアシッドホスフェート、モノペンタデシルアシッドホスフェート、モノヘキサデシルアシッドホスフェート、モノヘプタデシルアシッドホスフェート、モノオクタデシルアシッドホスフェート、モノオレイルアシッドホスフェート、ジブチルアシッドホスフェート、ジペンチルアシッドホスフェート、ジヘキシルアシッドホスフェート、ジヘプチルアシッドホスフェート、ジオクチルアシッドホスフェート、ジノニルアシッドホスフェート、ジデシルアシッドホスフェート、ジウンデシルアシッドホスフェート、ジドデシルアシッドホスフェート、ジトリデシルアシッドホスフェート、ジテトラデシルアシッドホスフェート、ジペンタデシルアシッドホスフェート、ジヘキサデシルアシッドホスフェート、ジヘプタデシルアシッドホスフェート、ジオクタデシルアシッドホスフェート、及びジオレイルアシッドホスフェートなどが挙げられる。
【0036】
上記酸性リン酸エステルのアミン塩としては、前記酸性リン酸エステルのメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、及びトリオクチルアミンなどのアミンとの塩などが挙げられる。
【0037】
上記亜リン酸エステルとしては、ジブチルホスファイト、ジペンチルホスファイト、ジヘキシルホスファイト、ジヘプチルホスファイト、ジオクチルホスファイト、ジノニルホスファイト、ジデシルホスファイト、ジウンデシルホスファイト、ジドデシルホスファイト、ジオレイルホスファイト、ジフェニルホスファイト、ジクレジルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリペンチルホスファイト、トリヘキシルホスファイト、トリヘプチルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリノニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリウンデシルホスファイト、トリドデシルホスファイト、トリオレイルホスファイト、トリフェニルホスファイト、及びトリクレジルホスファイトなどが挙げられる。
【0038】
上記ホスフォロチオネートとしては、具体的には、トリブチルホスフォロチオネート、トリペンチルホスフォロチオネート、トリヘキシルホスフォロチオネート、トリヘプチルホスフォロチオネート、トリオクチルホスフォロチオネート、トリノニルホスフォロチオネート、トリデシルホスフォロチオネート、トリウンデシルホスフォロチオネート、トリドデシルホスフォロチオネート、トリトリデシルホスフォロチオネート、トリテトラデシルホスフォロチオネート、トリペンタデシルホスフォロチオネート、トリヘキサデシルホスフォロチオネート、トリヘプタデシルホスフォロチオネート、トリオクタデシルホスフォロチオネート、トリオレイルホスフォロチオネート、トリフェニルホスフォロチオネート、トリクレジルホスフォロチオネート、トリキシレニルホスフォロチオネート、クレジルジフェニルホスフォロチオネート、キシレニルジフェニルホスフォロチオネート、トリス(n−プロピルフェニル)ホスフォロチオネート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフォロチオネート、トリス(n−ブチルフェニル)ホスフォロチオネート、トリス(イソブチルフェニル)ホスフォロチオネート、トリス(s−ブチルフェニル)ホスフォロチオネート、トリス(t−ブチルフェニル)ホスフォロチオネート等が挙げられる。また、これらの混合物も使用できる。
【0039】
上記したジチオリン酸亜鉛としては、一般に、ジアルキルジチオリン酸亜鉛、ジアリールジチオリン酸亜鉛、アリールアルキルジチオリン酸亜鉛等が挙げられる。例えば、ジアルキルジチオリン酸亜鉛のアルキル基は、炭素数3〜22の第1級又は第2級のアルキル基、炭素数3〜18のアルキル基で置換されたアルキルアリール基を有するジアルキルジチオリン酸亜鉛が使用される。 ジアルキルジチオリン酸亜鉛の具体例としては、ジプロピルジチオリン酸亜鉛、ジブチルジチオリン酸亜鉛、ジペンチルジチオリン酸亜鉛、ジヘキシルジチオリン酸亜鉛、ジイソペンチルジチオリン酸亜鉛、ジエチルヘキシルジチオリン酸亜鉛、ジオクチルジチオリン酸亜鉛、ジノニルジチオリン酸亜鉛、ジデシルジチオリン酸亜鉛、ジドデシルジチオリン酸亜鉛、ジプロピルフェニルジチオリン酸亜鉛、ジペンチルフェニルジチオリン酸亜鉛、ジプロピルメチルフェニルジチオリン酸亜鉛、ジノニルフェニルジチオリン酸亜鉛、ジドデシルフェニルジチオリン酸亜鉛、ジドデシルフェニルジチオリン酸亜鉛等が挙げられる。
【0040】
本発明の潤滑油組成物に対して、油性を向上させる目的で多価アルコールの脂肪酸エステルを配合することができる。例えば、グリセロール、ソルビトール、アルキレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、キシリトール等の多価アルコールの炭素数1〜24の飽和または不飽和脂肪酸の部分または完全エステルを用いることができる。
例えば、グリセロールエステルとして、グリセロールモノラウリレート、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノパルミテート、グリセロールモノオレート、グリセロールジラウリレート、グリセロールジステアレート、グリセロールジパルミテート、グリセロールジオレート等がある。ソルビトールエステルとしては、ソルビトールモノラウリレート、ソルビトールモノパルミテート、ソルビトールモノステアレート、ソルビトールモノオレート、ソルビトールジラウリレート、ソルビトールジパルミテート、ソルビトールジステアレート、ソルビトールジオレート、ソルビトールトリステアレート、ソルビトールトリラウリレート、ソルビトールトリオレート、ソルビトールテトラオレート等が挙げられる。
アルキレングリコールエステルとしては、エチレングリコールモノラウリレート、エチレングリコールモノステアレート、エチレングリコールモノオレート、エチレングリコールジラウリレート、エチレングリコールジステアレート、エチレングリコールジオレート、プロピレングリコールモノラウリレート、プロピレングリコールモノステアレート、プロピレングリコールモノオレート、プロピレングリコールジラウリレート、プロピレングリコールジステアレート、プロピレングリコールジオレート等がある。 ネオペンチルグリコールエステルとしては、ネオペンチルグリコールモノラウリレート、ネオペンチルグリコールモノステアレート、ネオペンチルグリコールモノオレート、ネオペンチルグリコールジラウリレート、ネオペンチルグリコールジステアレート、ネオペンチルグリコールジオレート等が挙げられる。
トリメチロールプロパンエステルとしては、トリメチロールプロパンモノラウリレート、トリメチロールプロパンモノステアレート、トリメチロールプロパンモノオレート、トリメチロールプロパンジラウリレート、トリメチロールプロパンジステアレート、トリメチロールプロパンジオレート、ペンタエリスリトールモノラウリレート等がある。 ペンタエリスリトールエステルとしては、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールモノオレート、ペンタエリスリトールジラウリレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールジオレート、ジペンタエリスリトールモノオレート等がある。こうした多価アルコールの脂肪酸エステルとしては、好ましくは多価アルコールと不飽和脂肪酸との部分エステルを用いるとよい。
【0041】
本発明の潤滑油組成物に対して、低温流動性や粘度特性を向上させるために、流動点降下剤や粘度指数向上剤を添加してもよい。粘度指数向上剤としては、例えばポリメタクリレート類やエチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ジエン共重合体、ポリイソブチレン、ポリスチレンなどのオレフィンポリマー類等の非分散型粘度指数向上剤や、これらに含窒素モノマーを共重合させた分散型粘度指数向上剤等が挙げられる。その添加量は、基油100重量部に対して、0.05〜20重量部の範囲で使用できる。
流動点降下剤としては、例えばポリメタクリレート系のポリマーが挙げられる。その添加量は、基油100重量部に対して、0.01〜5重量部の範囲で使用できる。
【0042】
本発明の潤滑油組成物に対して、消泡性を付与するために、消泡剤を添加してもよい。本発明に適した消泡剤として、例えばジメチルポリシロキサン、ジエチルシリケート、フルオロシリコーン等のオルガノシリケート類、ポリアルキルアクリレート等の非シリコーン系消泡剤が挙げられる。その添加量は、基油100重量部に対して、0.0001〜0.1重量部の範囲で単独又は複数組み合わせて使用できる。
【0043】
本発明に適した抗乳化剤として、通常潤滑油添加剤として使用される公知のものが挙げられる。その添加量は、基油100重量部に対して、0.0005〜0.5重量部の範囲で使用できる。
【実施例】
【0044】
以下本発明について、実施例及び比較例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例及び比較例の調製にあたり、下記の組成材料を用意した。
1.基油
(1−1) 基油1:原油を常圧蒸留して得られた潤滑油留分に対して、水素化分解、脱ろうなどの精製手段を適宜組み合わせて適用することにより得られたパラフィン系鉱油で、API(米国石油協会)基油分類によりグループ2(Gp2)に分類されるもの。(特性:100℃における動粘度;5.35mm/s、40℃における動粘度;31.4mm/s、粘度指数;103、15℃密度;0.864、硫黄分含有量(硫黄元素換算値);10ppm未満、窒素分含有量(窒素元素換算値);1ppm未満、アニリン点;110℃、ASTM D3238法による環分析のパラフィン分;62%、同ナフテン分;38%、同アロマ分;1%未満、ASTM D5480法によるガスクロ蒸留による初留点温度;312℃)
(1−2) 基油2:原油を常圧蒸留して得られた潤滑油留分に対して、水素化分解、脱ろうなどの精製手段を適宜組み合わせて適用することにより得られたパラフィン系鉱油で、API(米国石油協会)基油分類によりグループ3(Gp3)に分類されるもの。(特性:100℃における動粘度;6.57mm/s、40℃における動粘度;37.5mm/s、粘度指数;130、15℃密度;0.823、硫黄分含有量(硫黄元素換算値);10ppm未満、窒素分含有量(窒素元素換算値);1ppm未満、アニリン点;130℃、ASTM D3238法による環分析のパラフィン分;78%、同ナフテン分;22%、同アロマ分;1%未満、IP346法による多環芳香族分;0.2%)
(1−3) 基油3:フィッシャートロプッシュ法により合成されたGTL基油で、API(米国石油協会)基油分類によりグループ3に分類されるもの。(特性:100℃における動粘度;5.10mm/s、40℃における動粘度;23.5mm/s、粘度指数;153、15℃密度;0.821、硫黄分含有量(硫黄元素換算値);10ppm未満、窒素分含有量(窒素元素換算値);1ppm未満、ASTM D3238法による環分析のアロマ分:1%未満)
(1−4) 基油4:合成油のポリαオレフィン(PAO)、一般名称PAO6で、API(米国石油協会)基油分類によりグループ4に分類されるもの。(特性:100℃における動粘度;5.89mm/s、40℃における動粘度;31.2mm/s、粘度指数;135、15℃密度;0.827、硫黄分含有量(硫黄元素換算値);10ppm未満、窒素分含有量(窒素元素換算値);1ppm未満、アニリン点;128℃、ASTM D3238法による環分析のアロマ分;1%未満、ASTM D5480法によるガスクロ蒸留による初留点温度;403℃)
(1−5) 基油5:原油を常圧蒸留して得られた潤滑油留分に対して、脱ろうなどの精製手段を適宜組み合わせて適用することにより得られたパラフィン系鉱油で、API(米国石油協会)基油分類によりグループ1(Gp1)に分類されるもの。(特性:100℃における動粘度;4.60mm/s、40℃における動粘度;24.6mm/s、粘度指数;101、15℃密度;0.866、硫黄分含有量(硫黄元素換算値);460ppm、窒素分含有量(窒素元素換算値);20ppm、ASTM D3238法による環分析のパラフィン分;66%、同ナフテン分;31%、同アロマ分;3%、アニリン点;99℃、IP346法による多環芳香族分;0.8%、ASTM D5480法によるガスクロ蒸留による初留点温度;331℃)
【0045】
2.添加剤
(2−1) 添加剤A1:アスパラギン酸誘導体:キング社製K−CORR100、JIS K2501法による酸価;100mgKOH/g
(2−2) 添加剤A2:アスパラギン酸誘導体:ユニケマ社製MONACOR39、JIS K2501法による酸価;60mgKOH/g
(2−3) 添加剤B1:エポキシ化菜種脂肪酸イソブチルエステル
(2−4) 添加剤B2:エポキシ化菜種脂肪酸2エチルヘキシルエステル
(2−5) 添加剤B3:エポキシ化亜麻仁脂肪酸ブチルエステル
(2−6) 添加剤B4:エポキシ化大豆油
(2−7) 添加剤C1:ココナットアミン(主成分はドデシルアミン);1級アルキルの1級アミン化合物、 JIS K2501法による塩基価;390mgKOH/g
(2−8) 添加剤C2:オレイルアミン;1級アルキルの1級アミン化合物、 JIS K2501法による塩基価;215mgKOH/g。
(2−9) 添加剤C3:牛脂アミン(主成分はオレイルアミン、ステアリルアミン、パルミチルアミン);1級アルキルの1級アミン化合物、 JIS K2501法による塩基価;215mgKOH/g。
(2−10) 添加剤C4:C18三級アルキル基の一級アミン;3級アルキルの1級アミン化合物、 JIS K2501法による塩基価;155mgKOH/g。
(2−11) 添加剤C5:ココナットジアミン(主成分はドデシルジアミン);1級アルキルの1級ジアミン化合物、 JIS K2501法による塩基価;440mgKOH/g。
(2−12) 添加剤C6:ココナット2級アミン(主成分はジドデシルアミン);1級アルキルの2級アミン化合物、 JIS K2501法による塩基価;160mgKOH/g。
(2−13) その他添加剤:以下に示す化合物を混合したものである。ジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、ベンゼンプロパン酸3,5−ビス(1,1−ジメチル−エチル)−4−ヒドロキシ−C7〜C9側鎖アルキルエステル、N,N−ビス(2−エチルヘキシル)−(4又は5)−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−メチルアミン、トリアリルフォスフェート、3−(ジ−イソブトキシ−チオホスホリルスルファニル)−2−メチル−プロピオン酸、ペンタエリスリトールエステル、ポリメタクリレート系流動点降下剤、ジメチルポリシロキサン系消泡剤、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコール系抗乳化剤。
【0046】
(実施例1〜21、比較例1〜7)
上記した組成材料を用いて、表1〜表7に示す組成により実施例1〜21、比較例1〜7の潤滑油組成物を調製した。
【0047】
(試験)
実施例1〜21及び比較例1〜7の潤滑油組成物について、その性能を見るために以下の錆止め性試験、熱安定性試験を行った。また、実施例10〜21及び比較例1〜5については、更に、振り子試験・摩擦係数についての試験を行った。
【0048】
(錆止め性試験)
JIS K2510に準拠し、恒温槽内に設置した容器に、試験油300mlを採取し、毎分1000回転で攪拌し、60℃になったときに鉄製の試験片を試験油中に挿入し、更に人工海水を30ml加え、60℃に保ったまま24時間攪拌を続ける。その後試験片を取り出し、試験片の錆の発生有無を目視で評価し、錆が発生しなかった場合を合格とした。
【0049】
(熱安定性試験)
CINCINNATI MILACRON社のTHERMAL STABILITY TEST PROCEDURE“A”に準拠し、恒温槽内に設置した容器に、試験油200mlを採取し、銅触媒および鉄触媒との共存下、135℃で168時間放置した。その後室温まで冷却後、5ミクロンのフィルターによりスラッジを集積し、発生したスラッジ重量を秤量した。なお表中の数値は試験油200mlあたりのスラッジ量(mg/200ml)である。
試験の評価は次の基準によって行った。
スラッジ発生量が2.0mg未満・・・・・・・◎(優)
スラッジ発生量が2.0〜10.0mg未満・・○(良)
スラッジ発生量が10.0mg以上・・・・・・×(不可)
【0050】
(振り子試験・摩擦係数)
神鋼造機株式会社製の曽田式振子型油性試験機により25℃における摩擦係数を測定した。この試験は、振子支点の摩擦部分に試験油を与え、振子を振動させ、振動の減衰から摩擦係数を求めるものである。
試験の評価は次の基準によって行った。
摩擦係数が0.135以下・・・・・・・・・◎(優)
摩擦係数が0.136〜0.150未満・・・○(良)
摩擦係数が0.150以上・・・・・・・・×(不可)
【0051】
(試験結果)
各試験の結果を表1〜表7に示す。
【0052】
(考察)
表1、表2及び表6に示す試験結果から明らかなように、比較例2のアスパラギン酸誘導体(添加剤A1)を添加したものでは充分な防錆性を有するものの、熱安定性試験においてスラッジ発生が多い。しかし実施例1〜3、実施例8に示すようにエポキシ化エステル化合物(添加剤B1又はB2)を併用することにより、充分な防錆性を有すると共にスラッジ量を減少させることができる。また、実施例1〜3に示すようにエポキシ化エステル化合物(添加剤B1)の配合量を増すと、スラッジ量が減少し、スラッジ抑制効果が顕著になる。更に、実施例1〜6に示すように、高度に精製された基油1〜基油4のいずれの基油を使用した潤滑油組成物においてもスラッジ量は少なく、特に実施例4〜6で示す高度精製基油を使用したものでは、スラッジ量は著しく少なく(◎:優良)、スラッジ抑制性が一層優れている。
【0053】
実施例7(表2)と比較例3(表6)との間においても同様に、基油にアスパラギン酸誘導体(添加剤A2)とエポキシ化エステル化合物(添加剤B1)を併用することによって優れた防錆性、優れたスラッジ抑制性が得られている。また実施例9(表2)を見ると、上記アスパラギン酸誘導体とエポキシ化エステル化合物の組み合わせによる優れた防錆性、優れたスラッジ抑制性は、その他添加剤と併用しても効果があることを示している。
【0054】
実施例10〜13(表3)は、基油にアスパラギン酸誘導体とエポキシ化エステル化合物を加え、更に脂肪族アミン化合物(添加剤C1)を併用することにより、スラッジ抑制性が一層向上し、しかも比較例1〜6(表6)と比較して著しく摩擦係数が低いことから、優れた低摩擦性が得られることを示している。特に基油3(実施例12)および基油4(実施例13)を使用した場合、これらの添加剤の組み合わせにより、摩擦係数を著しく低減させることができ(◎:優良)、これにより優れた省エネ性を潤滑油組成物に付与することができる。
また実施例14(表4)で使用したアスパラギン酸誘導体(添加剤A2)においても、実施例15〜16(表4)で使用したエポキシ化エステル化合物(添加剤B2又はB3)においても同様に、優れた防錆性、優れたスラッジ抑制性、優れた低摩擦性が得られることを示している。
【0055】
実施例17〜21(表5)には、各種の脂肪族アミン化合物(添加剤C2〜6)においても、アスパラギン酸誘導体とエポキシ化エステル化合物との組み合わせにより、優れた防錆性、優れたスラッジ抑制性、優れた低摩擦性が得られることを示している。特に脂肪族アミン化合物(添加剤C4)を使用した実施例19では、著しいスラッジ抑制性効果が得られている。また脂肪族アミン化合物(添加剤C2、C3、C5)を使用した実施例17、18、20では、摩擦係数を著しく低減(◎:優良)させることができ、これによって優れた省エネ性を潤滑油組成物に付与することができる。
【0056】
比較例6に示す硫黄分含有量が多い基油5では、アスパラギン酸誘導体とエポキシ化エステル化合物を併用しても、スラッジ抑制性は乏しいことが判る。また比較例7が示すように、エポキシ化合物でもエステル化されていないものは、スラッジ抑制性は乏しいことが判った。
【0057】
【表1】


【0058】
【表2】


【0059】
【表3】


【0060】
【表4】


【0061】
【表5】


【0062】
【表6】


【0063】
【表7】


【出願人】 【識別番号】000186913
【氏名又は名称】昭和シェル石油株式会社
【出願日】 平成18年12月19日(2006.12.19)
【代理人】 【識別番号】100081547
【弁理士】
【氏名又は名称】亀川 義示


【公開番号】 特開2008−150531(P2008−150531A)
【公開日】 平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願番号】 特願2006−341553(P2006−341553)