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【発明の名称】 樹脂用グリース組成物
【発明者】 【氏名】林 健司

【要約】 【課題】樹脂摺動部における樹脂摩耗混入によるグリース硬化防止性に優れた樹脂用グリース組成物を提供する。

【構成】ポリグリコール類又はポリグリコールエーテル類を少なくとも20質量%以上、固体潤滑剤を2〜30質量%以上配合し、増ちょう剤として金属石けん系増ちょう剤、複合体金属石けん系増ちょう剤及びポリウレアの中から選ばれる少なくとも1種以上を含有することを特徴とする樹脂用グリース組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
必須成分として式(1)で表されるポリグリコール類又はポリグリコールエーテル類を20質量%以上、固体潤滑剤を2〜30質量%、及び増ちょう剤として金属石けん系増ちょう剤、複合体金属石けん系増ちょう剤、ポリウレア及びN置換テレフタラミン酸金属塩の中から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする樹脂摺動部に使用される樹脂用グリース組成物。
−O−(AO)−R (1)
(式中、R及びRは水素原子又は炭素数1〜26の炭化水素基であり、(AO)はエチレンオキサイドと炭素数3又は4のアルキレンオキサイドのブロック又はランダム共重合体基であり、エチレンオキサイドと炭素数3又は4のアルキレンオキサイドのモル比が8:2〜1:9であり、nは6〜200である。)
【請求項2】
増ちょう剤がリチウム石けん系増ちょう剤、複合体リチウム石けん系増ちょう剤、ポリウレア及びN置換テレフタラミン酸金属塩の中から選ばれる少なくとも1種以上である請求項1に記載の樹脂用グリース組成物。
【請求項3】
樹脂摺動部がポリテトラフルオロエチレン樹脂又は高密度ポリエチレン樹脂を使用している摺動部である請求項1又は2に記載の樹脂用グリース組成物。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂を使用した軸受、ギヤ等の樹脂摺動部の潤滑箇所へ適用できるグリースの硬化防止性に優れた樹脂用グリース組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂を使用した軸受やギヤ等の樹脂摺動部に適用するグリース組成物には、潤滑膜を形成するZnDTP硫黄系及びリン系等の極圧添加剤を配合しても、金属表面と反応する等して潤滑効果が期待できないため、通常、固体潤滑剤を配合している。このような樹脂用グリース組成物に使用される固体潤滑剤としてはポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEという。)粉末が最も多く用いられており、このPTFE粉末をベースとして更なる潤滑性の向上が試みられている(特許文献1、特許文献2参照。)。
【0003】
樹脂はその種類により摺動特性が異なるが、PTFE樹脂や高密度ポリエチレン樹脂(以下、高密度PE樹脂という。)は、特に低摩擦性に優れているため、低摩擦を目的とする摺動部に使用されている。そして、これらの樹脂は、摩擦時に分子配向をとった後、表面層が小片として剥離(摩耗)することにより低摩擦性を示す機構になっている。しかしながら、この剥離した摩耗粉が増えすぎると、グリースを硬化させ、本来の性能を充分に発揮できなくなる可能性がある。したがって、このような樹脂を使用する箇所では、耐摩耗性に加え、摩耗粉混入時におけるグリース硬化防止性のより一層優れた樹脂用グリース組成物が要望されている。
【0004】
【特許文献1】特開2001−89778号公報
【特許文献2】特開2005−247971号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、樹脂摺動部に適用する際に、摩耗粉混入によるグリースの硬化防止性に優れたグリース組成物を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、固体潤滑剤と特定の増ちょう剤が配合されたグリースに、特定の構造を有するポリグリコール類又はポリグリコールエーテル類を配合することで、樹脂の摩耗粉によるグリースの硬化防止性が著しく向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
【発明の効果】
【0007】
本発明の樹脂用グリース組成物は、樹脂摺動部に適用する際に、摩耗粉混入によるグリースの硬化防止性に優れている。従って、本発明の樹脂用グリース組成物は、実用上極めて有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明において使用されるポリグリコール類又はポリグリコールエーテル類は、式(1)で表される。
−O−(AO)−R (1)
(式中、R及びRは水素原子又は炭素数1〜26の炭化水素基であり、(AO)はエチレンオキサイドと炭素数3又は4のアルキレンオキサイドのブロック又はランダム共重合体基であり、エチレンオキサイドと炭素数3又は4のアルキレンオキサイドのモル比が8:2〜1:9であり、nは6〜200である。)
【0009】
式(1)において、R及びRは水素原子又は炭素数1〜26の炭化水素基、好ましくは水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基であり、より好ましくは水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基である。炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリールアルキル基、アリール基などが挙げられる。R、Rの炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ベンジル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。炭化水素基が26より大きくなると、グリース潤滑寿命が低下する傾向にある。
【0010】
式(1)において、(AO)nは、エチレンオキサイドと炭素数3又は4のアルキレンオキサイドのブロック又はランダム共重合体基である。エチレンオキサイドと炭素数3又は4のアルキレンオキサイドのモル比は8:2〜1:9であり、好ましくは7:1〜2:8であり、より好ましくは8:2〜3:7である。エチレンオキサイドと炭素数3又は4のアルキレンオキサイドの比率が上記範囲から外れると摩耗粉混入時の硬化防止性が向上しない傾向にある。
【0011】
式(1)のnは6〜200であり、好ましくは8〜60であり、より好ましくは10〜40である。nが大きすぎるとグリース組成物の低温流動性に影響する場合がある。nが小さすぎると耐熱性や蒸発性に影響する場合がある。
式(1)のポリグリコール類又はポリグリコールエーテル類の質量平均分子量は、好ましくは280〜15000であり、より好ましくは360〜7000であり、さらに好ましくは450〜6000であり、特に好ましくは550〜5000である。質量平均分子量が大きすぎると低温流動性に影響する場合がある。質量平均分子量が小さすぎると耐熱性や低蒸発性に影響する場合がある。
【0012】
式(1)のポリグリコール類又はポリグリコールエーテル類の含有量は、樹脂用グリース組成物の全量に対し20質量%以上であり、より好ましくは40質量%以上であり、さらに好ましくは60質量%以上である。ポリグリコール類又はポリグリコールエーテル類の含有量が少なすぎると、摩耗粉混入時のグリース硬化防止効果が現れない傾向にある。
【0013】
本発明では、所定の性能を損なわない範囲で他の基油を混合してもよい。使用する基油としては、通常グリースに使用される鉱油系潤滑油基油、合成系潤滑油基油又はこれらの混合系のものなどの種々の潤滑油基油が用いられるが、40℃における動粘度の値が、1〜2000mm/sが好ましく、より好ましくは5〜1500mm/s、特に好ましくは10〜1500mm/sである。動粘度が、あまり小さすぎると耐摩耗性が低くなる傾向にある。動粘度が大きすぎると流動性が悪くなり、グリース本来の性能が出にくくなる傾向にある。
【0014】
鉱油系潤滑油基油としては、例えば原油の潤滑油留分を溶剤精製、水素化精製など適宜組み合わせて精製したものが挙げられる。
合成系潤滑油基油としては、例えば炭素数3〜12のα−オレフィンの重合体であるα−オレフィンオリゴマー、2−エチルヘキシルセバケート、ジオクチルセバケートを始めとするセバケート、アゼレート、アジペートなどの炭素数4〜12のジアルキルジエステル類、1−トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールと炭素数3〜12の一塩基酸から得られるエステルを始めとするポリオール類、炭素数9〜40のアルキル基を有するアルキルベンゼン類、約2〜5個のエーテル連鎖及び約3〜6個のフェニル基を有するポリフェニルエーテルなどのフェニルエーテル類、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーンなどのシリコーン油が挙げられる。
【0015】
上記鉱油系潤滑油基油及び合成系潤滑油基油は1種単独であるいは2種以上を混合して使用することができるが、グリースを使用する摺動部の樹脂の種類によっては、基油により樹脂自体の強度を低下させる可能性があるため、樹脂用グリースとしてはαオレフィンオリゴマーまたはシリコーン油を使用することが好ましい。
【0016】
本発明に使用される固体潤滑剤としては、通常、グリースに使用されるものを使用することができる。具体例としては、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、黒鉛、フッ化黒鉛、雲母、MCA(Melamine Cyanuric Acid)、窒化ホウ素、シリカ、PTFE、遷移金属ジカルコゲナイドのインカレーション化合物等の粉末が挙げられる。この中でも、耐摩耗性に優れる黒鉛とMCAの粉末が好ましいものとして挙げられる。ここで、MCAとはメラミンとシアヌル酸の付加物から成る微粉末であり、MCA中のメラミンとシアヌル酸の割合は、0.7:1.3〜1.3〜0.7(モル比)が好ましい。また、黒鉛は、天然黒鉛であっても人造黒鉛であってもよいが、好ましいものは天然黒鉛である。さらに鱗片状黒鉛と鱗状黒鉛が特に好ましいものとして挙げられる。
【0017】
固体潤滑剤の粉末の平均粒径は、0.1〜25μmが好ましく、2.1〜20μmがより好ましく、2.2〜15μmが特に好ましい。
固体潤滑剤の粉末のうち、特に、MCAの平均粒径は、0.1〜3μmが好ましく、0.5〜3μmが特に好ましい。また、黒鉛の平均粒径は、1〜15μmが好ましく、2.1〜10μmが特に好ましい。特に、麟片状黒鉛及び鱗状黒鉛の平均粒径は、2.1〜10μmが好ましく、2.1〜8μmが特に好ましい。
固体潤滑剤の好ましい配合量は2〜30質量%、さらに好ましくは3〜25質量%、特に好ましくは5〜20質量%である。配合量が少なすぎると所定の耐摩耗性が得られず、配合量が多すぎても効果が飽和してしまう傾向にある。
【0018】
本発明のグリース組成物において使用される増ちょう剤は、金属石けん系増ちょう剤、複合体金属石けん系増ちょう剤、ポリウレア及びN置換テレフタラミン酸金属塩から選ばれる1種以上である。これらの増ちょう剤を組み合わせることにより、十分なグリースの硬化防止性の効果を得ることができる。
金属石けん系増ちょう剤としては、カルシウム石けん、リチウム石けん等を用いることができる。
【0019】
リチウム石けん系増ちょう剤としては、リチウム−12−ヒドロキシステアレート等の水酸基を有する脂肪族カルボン酸リチウム塩、リチウム−ステアレート等の脂肪族カルボン酸リチウム塩またはそれらの混合物などが挙げられる。
複合体金属石けん系増ちょう剤としては、複合体リチウム石けんが挙げられる。
複合体リチウム石けん系増ちょう剤としては、前述の脂肪族カルボン酸リチウム塩と二塩基酸リチウム塩とのコンプレックス等が挙げられる。ここで、好適な二塩基酸としては、コハク酸、マロン酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等が挙げられる。特に好適なものはアゼライン酸、セバシン酸である。
【0020】
ポリウレアとしては下記式(2)のものがあげられる、
3-NH-(CONH-R4-NHCONH-R5NH)y-CONH-R4-NHCONH-R6 (2)
(式中、yは0〜3の整数で、R、R、R及びRは炭素数1〜30の炭化水素基である。)
式(2)において、yは0〜3の整数であり、好ましくは0又は1、より好ましくは0である。R、Rは、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基又はそれらの組み合わせであり、好ましい炭素数は1〜30であり、さらに好ましくは3〜22、より好ましくは6〜18である。Rは、1〜30個の炭素原子を有する炭化水素であり、Rは1〜30個の炭素原子を有する炭化水素である。式(2)のポリウレアは、通常はジアミンとジイソシアネートの反応により得られる。
【0021】
上記増ちょう剤は1種単独でも、2種以上を組み合わせても使用することができる。
N−置換テレフタラミン酸金属塩は、式(3)で表されるものである。
【化1】


【0022】
式(3)において、R7は炭素数4〜22の炭化水素基であり、その炭素数は好ましくは8〜22、より好ましくは12〜22、特に好ましくは14〜20である。炭素数が少なすぎると増ちょう剤が基油に分散しにくく、基油が分離する傾向が生じる。また、炭素数が大きすぎるとせん断安定性が悪くなる傾向がある。Rの例としてはデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。
【0023】
Mは、金属であるが、その例としては周期律I族、II族、III族、及びIV族の金属が挙げられる。Mの具体例としては、例えばリチウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム、鉛などが挙げられる。特に好ましいのはナトリウム、バリウム、リチウム、カリウムであり、なかでもナトリウムが最も好ましい。xは、Mの価数と同一の整数である。
【0024】
本発明のグリース組成物において使用される増ちょう剤は、本発明にちょう度を付与させるもので、好ましい配合量は3〜40質量%、より好ましくは5〜20質量%である。配合量が少なすぎると、グリース状にならずに所定のちょう度が得られない傾向にある。また、多すぎると、製品グリースの潤滑性が低下する傾向にある。
増ちょう剤としては、上記いずれの増ちょう剤を用いても良好な性能を得ることができるが、このうち、特にリチウム石けん系増ちょう剤、複合体リチウム石けん系増ちょう剤、ポリウレア系増ちょう剤のいずれか1種、または2種以上の組み合わせを使用することで、硬化性能の一層の向上を図ることができる。
【0025】
また、本発明のグリース組成物は、上記各成分の基油と増ちょう剤を配合するものであるが、必要に応じて、各種添加剤を適宜配合することができる。
添加剤としては、例えば、アルカリ土類金属スルホネート、アルカリ土類金属フェネート、アルカリ土類金属サリシレートなどの金属系清浄剤;アルケニルこはく酸イミド、アルケニルこはく酸イミド硼素化変性物、ベンジルアミン、アルキルポリアミンなどの分散剤、亜鉛系、硫黄系、リン系、アミン系、エステル系などの各種摩耗防止剤;ポリメタクリレート系、エチレンプロピレン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体の水素化物あるいはポリイソブチレン等の各種粘度指数向上剤;2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールなどのアルキルフェノール類、4,4’−メチレンビス−(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)などのビスフェノール類、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェノール)プロピオネートなどのフェノール系化合物、ナフチルアミン類やジアルキルジフェニルアミン類などの芳香族アミン化合物などの各種酸化防止剤;硫化オレフィン、硫化油脂、メチルトリクロロステアレート、塩素化ナフタレン、ヨウ素化ベンジル、フルオロアルキルポリシロキサン、ナフテン酸鉛などの極圧剤、ステアリン酸などのカルボン酸、ジカルボン酸、金属石鹸、カルボン酸アミン塩、重質スルホン酸の金属塩、多価アルコールのカルボン酸部分エステルなどの各種錆止め剤;ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾールなどの各種腐食防止剤、シリコーン油などの各種消泡剤などが挙げられる。添加剤は、1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0026】
本発明の樹脂用グリース組成物は、種々の樹脂に適用できるが、摩擦時に分子配向をとった後、表面層が小片として剥離(摩耗)することにより低摩擦性を示す性状を有する樹脂に好ましく適用でき、特にPTFE樹脂、高密度PE樹脂に好適に適用できる。
【実施例】
【0027】
次に、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0028】
(実施例1〜7 及び比較例1〜5)
実施例及び比較例では、以下に示す*1〜*17成分を表1〜2に示した配合量(質量部)の割合で含有させたグリース組成物を調製した。*1〜*17のうちの増ちょう剤は、その増ちょう剤の原料を基油に混合して、基油中でその原料を反応させて増ちょう剤にして、結果として*1〜*17の各成分を含有するグリース組成物を調製した。なお、グリース組成物は、*1〜*17の各成分を適宜混合し、ミル処理を行ってグリース中に増ちょう剤を均一に分散させ、調製した。
得られたグリース組成物は、それぞれグリースの硬化防止性試験の評価を行った。
【0029】
*1:リチウム−12−ヒドロキシステアレート(耐熱容器に表中の各基油とリチウム−12−ヒドロキシステアレート(堺化学製;商品名;S7000H)を投入して加熱し、約200℃付近で溶解させ、基油で冷却を行い、ミル処理を行うことによりリチウムー12−ヒドロキシステアレートの結晶を最適なものとし、基油中に混合分散させたグリースを調製した。)
【0030】
*2:リチウム−ステアレート(耐熱容器に表中の各基油とリチウムーヒドロキシステアレート(堺化学製;商品名;S7000)を投入して加熱し、約200℃付近で溶解させ、基油で冷却を行い、ミル処理を行うことによりリチウム−ステアレートの結晶を最適なものとし、基油中に混合分散させたグリースを調製した。
【0031】
*3:複合体リチウム石けん(耐熱容器に表中の各基油と12−ヒドロキシステアレートを投入し加熱する。次に、水酸化リチウム水溶液を約80℃付近で添加し、けん化反応によりリチウム−12−ヒドロキシステアレートを生成させる。さらに、約90℃付近で水酸化リチウムとアゼライン酸を加え約2時間反応させ、リチウムコンプレックス石けんを生成させる。その後、これを加熱し、半溶融させた後急冷を行うことによって、リチウムコンプレックス石けんの結晶を最適なものとし、得られた、基油中に均一に混合分散させたリチウム−12−ヒドロキシステアレート/アゼライン酸複合体リチウム石けん)
【0032】
*4:脂肪族ジウレア(耐熱容器に表中の各基油とジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネートを投入し、加熱し、次に、オクチルアミンを約60℃付近で添加し、約40分間反応させ、その後、撹拌しながら170℃に加熱し、基油で冷却を行い、ミル処理を行うことによりジウレアの結晶を最適なものとし、基油中に混合分散させたグリースを調製した。)
*5:脂環式ジウレア(耐熱容器に表中の各基油とジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネートを投入し、加熱し、次に、シクロヘキシルアミンを約60℃付近で添加し、約40分間反応させ、その後、撹拌しながら110℃に加熱し、基油で冷却を行い、ミル処理を行うことによりジウレアの結晶を最適なものとし、基油中に混合分散させたグリースを調製した。)
【0033】
*6:N−置換テレフタラミン酸ナトリウム(耐熱容器に基油とN−オクタデシルテレフタラミン酸のメチルエステルを入れ、加熱溶解し、その後、100℃以下に冷却して50質量%水酸化ナトリウム水溶液を加え、よく撹拌しながら徐々に加熱し、充分に鹸化を行い、鹸化終了後150℃において更に基油を加え最高温度180℃まで加熱し、その後60℃まで冷却して得られたN−オクタデシルテレフタラミン酸ナトリウム)
【0034】
*7:ポリアルキレングリコールA(エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの比が3:1で、質量平均分子量が1400、式(1)におけるR、Rが水素原子、nが30、ランダム共重合体であるポリアルキレングリコール)
*8:ポリアルキレングリコールB(エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの比が1:1で、質量平均分子量が1750、式(1)におけるR、Rが水素原子、nが34、ランダム共重合体であるポリアルキレングリコール)
【0035】
*9:ポリプロピレングリコール(質量平均分子量が1300、両末端は水素原子であるポリプロピレングリコール)
*10:ポリエチレングリコール(質量平均分子量が1450、両末端は水素原子であるポリエチレングリコール)
*11:PAO(40℃の動粘度:60mm/sのポリアルファオレフィン)
*12:シリコーン油(40℃動粘度:380mm/sのジメチルシリコーン)
*13:鉱油(40℃動粘度:100mm/sの水素化精製鉱油)
【0036】
*14:平均粒径5μmの鱗状黒鉛
*15:PTFE(ダイキン社製:ルブロンL5F、平均粒径0.5μm)
*16:MCA(三菱化学社製:MCA、平均粒径1μm)
*17:ジフェニルアミン
【0037】
(測定方法)
グリースの硬化防止性試験
試験は、ビーカーにグリース20gを採取し、ここへPTFEの摩耗紛を模した平均粒径5μmのPTFEパウダーを内割りで40質量%混合し、攪拌棒で約5分間攪拌後のちょう度変化を測定した。ちょう度変化の数値が小さい方が、グリースの硬化防止性に優れている。
【0038】
【表1】


【0039】
【表2】


【出願人】 【識別番号】398053147
【氏名又は名称】コスモ石油ルブリカンツ株式会社
【出願日】 平成18年7月27日(2006.7.27)
【代理人】 【識別番号】100095599
【弁理士】
【氏名又は名称】折口 信五


【公開番号】 特開2008−31249(P2008−31249A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−204642(P2006−204642)