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【発明の名称】 金属加工油剤組成物、金属加工方法及び金属加工品
【発明者】 【氏名】後藤 孝一

【氏名】武田 和好

【氏名】丹羽 栄次

【要約】 【課題】潤滑性、防錆性に優れ、鋳鉄、スチール、ステンレス、非鉄金属(Al合金、Mg合金)等の金属材料を、極微量油剤供給型の金属加工法により加工するのに適した油剤組成物、金属加工方法及び金属加工品を提供すること。

【構成】天然油脂、その誘導体及び合成エステル油からなる群から選ばれる基油及びソルビタン脂肪酸エステル及びリン脂質を含む極微量油剤供給型の金属加工法に用いる油剤組成物、これを使用した金属加工方法及び金属加工品。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
極微量油剤供給型の金属加工法に用いる金属加工油剤組成物であって、ソルビタン脂肪酸エステル及びリン脂質を含むことを特徴とする油剤組成物。
【請求項2】
極微量油剤供給型の金属加工法に用いる金属加工油剤組成物であって、(I)天然油脂、その誘導体及び合成エステル油からなる群から選ばれる基油、(II)ソルビタン脂肪酸エステル及びリン脂質からなる防錆剤を含むことを特徴とする油剤組成物。
【請求項3】
ソルビタン脂肪酸エステルが、ソルビタンモノオレート、ソルビタンセスキオレート、ソルビタンジオレート及びソルビタントリオレートからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1または2記載の油剤組成物。
【請求項4】
リン脂質が、卵黄レシチン及び大豆レシチン等からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1〜3のいずれか1項記載の油剤組成物。
【請求項5】
リン脂質が、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン及びホスファチジルイノシトールの混合物を含有する請求項1〜4のいずれか1項記載の油剤組成物。
【請求項6】
ソルビタン脂肪酸エステルの配合量が0.1〜40質量%である請求項1〜5のいずれか1項記載の油剤組成物。
【請求項7】
リン脂質の配合量が0.1〜40質量%である請求項1〜6のいずれか1項記載の油剤組成物。
【請求項8】
極微量油剤供給型の金属加工法が、表面が油膜で覆われた水滴を圧縮流体により供給しながら金属材料を加工する方法である請求項1〜7のいずれか1項記載の油剤組成物。
【請求項9】
極微量油剤供給型の金属加工法が、金属加工油剤をミスト化し圧縮流体にて供給しながら金属材料を加工する方法である、請求項1〜7のいずれか1項記載の油剤組成物。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項記載の組成物を使用して金属材料を加工する、極微量油剤供給型の金属加工方法。
【請求項11】
請求項1〜9のいずれか1項記載の組成物で覆われた水滴を圧縮流体により供給しながら金属材料を加工する、請求項10記載の金属加工方法。
【請求項12】
請求項1〜9のいずれか1項記載の組成物をミスト化し圧縮流体にて供給しながら金属材料を加工する、請求項10記載の金属加工方法。
【請求項13】
請求項10〜12のいずれか1項記載の金属加工方法により得られた金属加工品。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、金属加工油剤組成物に関し、さらに詳細には、極微量油剤供給型の金属加工法に用いる油剤であって、切削加工、研削加工、転造加工、プレス加工、塑性加工等の金属加工に広く適用できる油剤組成物に関するものである。本発明はさらに、その油剤組成物を用いた金属加工方法、及び該金属加工方法により得られた金属加工品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に切削・研削加工においては切削・研削油剤が使用されている。切削・研削油剤の最も重要な機能としては潤滑作用と冷却作用が挙げられ、これらの作用により、加工に用いられる工具の寿命延長、被加工物の仕上げ面精度の向上、生産能率の向上等、生産性を向上する事ができる。
従来より切削、研削加工においては比較的大量の切削・研削油剤が加工箇所に供給されている。しかしながら、生産性向上に有効な切削・研削油剤も、近年の環境問題に対する関心の高まりから、廃棄物、環境衛生、省エネルギーと言った問題を指摘されている。そこで環境に優しい金属加工方法として、近年、切削、研削加工のドライ化の研究が進められている。切削、研削加工をドライ化した場合、上記の環境に対する問題は軽減されるが、切削・研削油剤に求められている潤滑性、冷却性という性能は得られない。
【0003】
このため、加工点を冷却する必要があり、例えば、圧縮した冷却空気等を噴射して加工点を冷却している。しかし、このような方法を用いても、工具−被削材間の潤滑性は得られない為、極微量の潤滑油が供給されている。加工方法としては、非鉄金属の加工方法(例えば、特許文献1参照)などがあるが、従来公知の金属加工油剤組成物(例えば、特許文献2参照)は、鉄系材料に使用した場合、近傍に水分があると結露を生じ錆が発生するなどの問題があり、冷風加工あるいはミスト切削等の加工にそのまま適用することはできない。そこで防錆性に優れる金属加工油剤組成物(例えば、特許文献3参照)が提案されている。また、ホスファチジルコリン系を添加した金属加工液も知られている(特許文献4参照)。
しかし、生産性の向上や省エネルギーの観点から、常に、加工性を更に向上させ、工具寿命の延長、給油量の低減ができる新たな金属加工油剤が要望されている。
【0004】
【特許文献1】特開2001−239437
【特許文献2】特開2000−256688
【特許文献3】特開2004−300317
【特許文献4】特開平9−57537
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、鋳鉄、スチール、ステンレス、非鉄金属(Al合金、Mg合金)等の金属加工に適した、特に極微量の油剤を供給しながら行う金属加工法に適した金属加工油剤組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、鋳鉄、スチール、ステンレス、非鉄金属(Al合金、Mg合金)等の金属加工の際に潤滑性、防錆性に優れる金属加工油剤組成物を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、鋳鉄、スチール、ステンレス、非鉄金属(Al合金、Mg合金)等の金属加工方法及び金属加工品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意研究の結果、天然油脂、その誘導体及びエステル油からなる群から選ばれる基油及びソルビタンオレート及びリン脂質を含む油剤組成物が潤滑性及び防錆性に優れ、鋳鉄、スチール、ステンレス、非鉄金属等の金属材料の極微量油剤供給型の金属加工に適しているとの知見を得、本発明を完成させた。
【0007】
本発明は以下に示す金属加工油剤組成物、金属加工方法及び金属加工品を提供するものである。
1.極微量油剤供給型の金属加工法に用いる金属加工油剤組成物であって、ソルビタン脂肪酸エステル及びリン脂質を含むことを特徴とする油剤組成物。
2.極微量油剤供給型の金属加工法に用いる金属加工油剤組成物であって、(I)天然油脂、その誘導体及び合成エステル油からなる群から選ばれる基油、(II)ソルビタン脂肪酸エステル及びリン脂質からなる防錆剤を含むことを特徴とする油剤組成物。
3.ソルビタン脂肪酸エステルが、ソルビタンモノオレート(ソルビタンモノオレエート)、ソルビタンセスキオレート(ソルビタンセスキオレエート)、ソルビタンジオレート(ソルビタンジオレエート)及びソルビタントリオレート(ソルビタントリオレエート)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む上記1または2記載の油剤組成物。
4.リン脂質が、卵黄レシチン及び大豆レシチン等からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む上記1〜3のいずれか1項記載の油剤組成物。
5.リン脂質が、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン及びホスファチジルイノシトールの混合物を含有する上記1〜4のいずれか1項記載の油剤組成物。
6.ソルビタン脂肪酸エステルの配合量が0.1〜40質量%である上記1〜5のいずれか1項記載の油剤組成物。
7.リン脂質の配合量が0.1〜40質量%である上記1〜6のいずれか1項記載の油剤組成物。
8.極微量油剤供給型の金属加工法が、表面が油膜で覆われた水滴を圧縮流体により供給しながら金属材料を加工する方法である上記1〜7のいずれか1項記載の油剤組成物。
9.極微量油剤供給型の金属加工法が、金属加工油剤をミスト化し圧縮流体にて供給しながら金属材料を加工する方法である、上記1〜7のいずれか1項記載の油剤組成物。
10.上記1〜9のいずれか1項記載の組成物を使用して金属材料を加工する、極微量油剤供給型の金属加工方法。
11.上記1〜9のいずれか1項記載の組成物で覆われた水滴を圧縮流体により供給しながら金属材料を加工する、上記10記載の金属加工方法。
12.上記1〜9のいずれか1項記載の組成物をミスト化し圧縮流体にて供給しながら金属材料を加工する、上記10記載の金属加工方法。
13.上記10〜12のいずれか1項記載の金属加工方法により得られた金属加工品。
【発明の効果】
【0008】
本発明の金属加工油剤組成物、金属加工方法は、金属材料の切削加工、研削加工、転造加工、プレス加工、塑性加工等を効率的に行うことができる。また、油剤使用量も極微量であるため、経済的であり、環境に対する負荷の少ない加工を実現することができる。本発明の金属加工方法により得られた金属加工品は加工精度等が良好である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下本発明について詳細に説明する。
本発明は、極微量油剤供給型の金属加工法に用いる油剤組成物であって、ソルビタン脂肪酸エステル及びリン脂質を含むことを特徴とする。本発明はまた、(I)天然油脂、その誘導体及び合成エステル油からなる群から選ばれる基油、(II)ソルビタン脂肪酸エステル及びリン脂質からなる防錆剤を含むことを特徴とする。
本発明の油剤組成物に用いる基油は、天然油脂、その誘導体及び合成エステル油からなる群から選ばれる。
天然油脂としては、菜種油、大豆油、蓖麻子油、パーム油、ラードなどが挙げられる。また、天然油脂誘導体としては水添菜種油、水添大豆油、水添蓖麻子油、水添パーム油、水添ラードなどの水素添加物、及びアルキレンオキシドを付加した蓖麻子油などが挙げられる。合成エステル油としては、ポリオールエステルに代表されるエステル系合成油が挙げられる。
【0010】
本発明の基油には、ナフテン系及びパラフィン系の鉱物油、ポリα‐オレフィン、ポリブテンに代表される合成炭化水素油、アルキルジフェニルエーテル、ポリプロピレングリコールに代表されるエーテル系合成油、シリコン油、フッ素化油などを含有させることもできる。しかし、本発明の基油の主成分は天然油脂、その誘導体及び合成エステル油からなる群から選ばれるものであり、これらが、基油全体の70質量%以上、好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上を占めることが望ましい。潤滑性、新生面への吸着性の点から、エステル油が最も好ましい。エステル油は分子内に極性基を持っており、金属表面に潤滑性の良好な吸着膜を造る。
【0011】
本発明の油剤組成物に使用されるソルビタン脂肪酸エステルの脂肪酸成分としては、好ましくは炭素原子数8〜22の飽和又は不飽和脂肪酸、さらに好ましくは炭素原子数16〜20の飽和又は不飽和脂肪酸、最も好ましくは炭素原子数16〜20の不飽和脂肪酸が挙げられる。ソルビタン脂肪酸エステルの最も好ましい具体例としてはソルビタンオレートが挙げられ、さらに具体的には、ソルビタンモノオレート、ソルビタンセスキオレート、ソルビタントリオレートが挙げられる。ソルビタンモノオレート、ソルビタンセスキオレートが特に好ましい。
本発明の油剤組成物に使用するソルビタン脂肪酸エステルは、市場で一般に入手することができる。例えば、以下に示す市販品が挙げられる。ソルビタンモノオレートの市販品の例として、商品名ノニオン SO−80R(日本油脂株式会社製)、BLAUNON P−80(青木油脂工業株式会社製)、ソルボン S−80(東邦化学工業株式会社製)、イオネット S−80(三洋化成工業株式会社製)、レオドール SP−O10(花王株式会社製)等、ソルビタンセスキオレートの市販品の例として、商品名ノニオン OP−83RAT(日本油脂株式会社製)、ソルボン S−83L(東邦化学工業株式会社製)、レオドール AO−15(花王株式会社製)等、ソルビタントリオレートの市販品の例として、ノニオン OP−85R(日本油脂株式会社製)、イオネット S−85(三洋化成工業株式会社製)、レオドール SP−O30(花王株式会社製)、シルボン S−85(東邦化学工業株式会社製)等が挙げられる。
本発明の油剤組成物に使用されるソルビタン脂肪酸エステルの質量比率は、組成物全体に対して、好ましくは0.1〜40質量%、さらに好ましくは0.2〜20質量%、最も好ましくは0.5〜10質量%である。この範囲より、成分の量が少ないと期待する潤滑性及び防錆性能を得ることが困難になり、この範囲より多くても添加量の増加に伴う効果の向上はなく、逆に粘性や発泡性などに悪影響を及ぼし、また、不経済でもある。
【0012】
本発明の油剤組成物に使用されるリン脂質としては、卵黄レシチン、大豆レシチン等が挙げられる。卵黄レシチン、大豆レシチン等は、精製度の高い粉状のものと、精製度の低い液状のものが市販されており、一般的にレシチンと呼ばれているものは、ペースト状のものを指す。このレシチンは、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトールなどの各種リン脂質分子種とトリグリセリド(主に大豆油)との混合物である。
本発明の油剤組成物に使用するリン脂質は、どの様な形状のものでも良いが、ペースト状のものが基油に溶かしやすく、油剤の製造に適している。リン脂質は市場で一般に入手することができ、本発明では市販品を使用することができる。そのような市販品の例として、商品名JレシチンCL(味の素株式会社製)、レシチンDX(日清製油株式会社製)等がある。
【0013】
本発明の油剤組成物において、リン脂質の質量比率は、組成物全体に対して、好ましくは0.1〜40質量%、さらに好ましくは0.2〜20質量%、もっとも好ましくは0.5〜10質量%である。この範囲より、成分の量が少ないと期待する潤滑及び防錆性能を得ることが困難になる傾向があり、この範囲より多くても添加量の増加に伴う効果の向上はなく、逆に粘性が高くなるなど物性面に悪影響を及ぼし、また、不経済でもある。
【0014】
本発明の油剤組成物には、必要に応じて、油剤組成物の汎用成分である、耐荷重添加剤、防錆防食剤、金属不活性化剤、酸化防止剤等を別途添加してもよい。これらの添加量は、組成物全体の質量に対して10質量%以下が好ましい。
本発明の油剤組成物は、基油に、ソルビタン脂肪酸エステル、例えば、ソルビタンオレート、リン脂質及び他の任意成分を所定量配合することにより製造できる。
【0015】
本発明の方法を実施するための極微量油剤供給型の金属加工方法において、油剤組成物を極微量供給する形態としては、次に挙げる方法が好ましい。
(1)表面が油剤組成物に覆われた水滴を圧縮流体(例えばエアー)にて供給する方法。
(2)水と油剤組成物の混合ミストを圧縮流体(例えばエアー)にて供給する方法。
(3)水と油剤組成物をおのおの別系統にてミスト化し、圧縮流体(例えばエアー)にて同一箇所に供給する方法。
(4)油剤組成物をミスト化し圧縮流体(例えばエアー)にて供給する方法。
(1)の方法が最も好ましい。以下、本発明の方法を(1)についてさらに詳細に説明するが、本発明がこの方法に限定されるものではない。(1)の方法を実施するための供給装置としては、例えば特開2001−239437に開示されているものがある。供給装置の一例の概略的な構造を図1に示す。このような装置で、通常のスプレーと同様の原理を用いて、水滴の表面に油膜を形成した微粒子からなるミストとする。この時、エアーの吸入口側に近い側で油を吸込み、吐出口側に近い側で水を吸込むことにより、水滴上に効率良く油膜を付けることができる。
【0016】
本発明の油剤組成物を供給しながら金属材料を加工する方法の例としては、切削加工、研削加工、せん断加工、エンドミル加工、転造加工、プレス加工、塑性加工等が挙げられる。また金属材料の例としては、鋳鉄、スチール、ステンレス、非鉄金属(例えば、Al合金、Mg合金)等が挙げられる。
【0017】
本発明の油剤組成物の使用量はノズル1本につき、1時間当り0.5〜20mL、好ましくは1〜10mL程度の極微量で良く、環境負荷も少なく、経済的にも有利である。水の使用量はノズル1本につき、1時間当り500〜2000mL、好ましくは800〜1500mL、例えば、1000mL程度である。使用する水は水道水や、工業用水で良い。エアーの供給量は、1分間に25〜250L程度、好ましくは50〜100L程度が適当である。
さらに本発明の加工方法では、環境負荷の少ない本発明の油剤組成物を極少量使い切りで使用することが望ましい。こうすることにより、水溶性切削油剤を使用した従来の加工における問題、すなわち、水溶性切削油剤希釈液の腐敗、硬度上昇等による分離等の液劣化、これに起因した加工性能の低下、水溶性切削油剤希釈液の廃液の環境負荷問題等も軽減ないし解決することができる。
【0018】
以下、実施例によって本発明をさらに詳述するが、下記の実施例は本発明を制限するものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て本発明の技術範囲に包含される。
【実施例】
【0019】
表1から6に示す処方の油剤組成物を調製し、下記の条件で供給しながら切削試験を行い、その切削性を評価した。
【0020】
なお、比較例19の組成物は特開2004−300317号公報に記載の金属加工油剤組成物と同一組成である。
実施例1〜14及び比較例1〜26は、表面が油膜で覆われた水滴をエアーで供給した。油剤の供給量は10mL/H、水の供給量は1000mL/H、空気の供給量は100L/Hとした。
比較例27では、市販のエマルション型切削油剤(JIS K2241 A1種1号 エマルション型切削油剤)(5質量%)を吐出圧1kg/cm2、供給量6L/minで供給した。
【0021】
切削性評価
炭素鋼(S45C)の旋削加工により切削性の評価を行った。切削抵抗(N)は、送り方向に直角(工具押し付け力)とし、比較例19の油剤よりも低いものを合格とする。
切削条件
工具:超硬6枚刃,ねじれ角45度,すくい角14度,先端1R
被削材:SKD11(HRC53)(30×150×200mm)
切削速度:300m/min
送り:0.1mm/刃
半径切り込み:0.5mm
軸方向切り込み:10mm
【0022】
防錆性
鋳物材(FC200)及び炭素鋼(S45C)を#100の紙やすりで研磨し、更に#240の紙やすりで表面を平滑な新生面とする。そこに油剤組成物5.0g/m2を塗布し、水道水をスポイトで1滴ずつ16箇所滴下する。そのまま24時間常温にて静置後、発錆状況を観察する。
防錆性評価基準(○、□、△を合格とする)
○:優(発錆なし)
□:良(1〜4箇所で発錆あり)
△:可(5〜8箇所で発錆あり)
×:不可(9〜16箇所で発錆あり)
表1から6に、実施例及び比較例の配合処方と評価試験結果を示す。
【0023】
【表1】




【0024】
【表2】


【0025】
【表3】

















【0026】
【表4】


【0027】
【表5】









【0028】
【表6】


【0029】
表1から6の結果から、ソルビタン脂肪酸エステル及びリン脂質の両者を含む本発明の実施例1〜14の油剤組成物は、切削抵抗が低く潤滑性に優れ、且つ防錆性も良好である事がわかる。
これに対して、ソルビタン脂肪酸エステル及びリン脂質を含まない比較例1は、切削抵抗が高く、防錆性が不良である。
またソルビタン脂肪酸エステル及びリン脂質の一方を含まない比較例2〜8及び21〜26では切削抵抗は低いが、防錆性が不良である。
またソルビタン脂肪酸エステル及びリン脂質からなる組み合わせ以外の防錆剤を含む比較例9〜19では潤滑性及び防錆性の少なくともいずれかが劣る。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の方法において使用することができる、表面が油膜で覆われた水滴をエアーにより供給する装置の一例を示す概略図である。
【出願人】 【識別番号】000162423
【氏名又は名称】協同油脂株式会社
【出願日】 平成18年6月30日(2006.6.30)
【代理人】 【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男

【識別番号】100084009
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 信夫

【識別番号】100084663
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 篤

【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治

【識別番号】100114007
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 孝二


【公開番号】 特開2008−7700(P2008−7700A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−181501(P2006−181501)