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【発明の名称】 無鉛ガソリン
【発明者】 【氏名】保泉 明

【氏名】大塩 敦保

【氏名】廣瀬 敏之

【要約】 【課題】十分に優れたIVD生成の抑制効果、及び自動車の始動性能の向上効果を示す無鉛ガソリンを提供すること。

【構成】ポリエーテルアミン系清浄剤とポリイソブテンアミン系清浄剤を容量比にて25:75〜50:50の割合で配合してなる清浄剤を50〜500容量ppm含有し、かつ、一定のリサーチ法オクタン価、モーター法オクタン価、リード蒸気圧、芳香族分含有量、オレフィン分含有量、ベンゼン含有量、硫黄分含有量、60℃における気液比を有し、更に一定の式で示される多環芳香族指数(Y)が6以下である無鉛ガソリン。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエーテルアミン(PEA)系清浄剤とポリイソブテンアミン(PIBA)系清浄剤を容量比にて25:75〜50:50の割合で配合してなる清浄剤を50〜500容量ppm含有し、かつ、以下の性状を満足することを特徴とする無鉛ガソリン。
(A)リサーチ法オクタン価(RON)が93〜103
(B)モーター法オクタン価(MON)が82〜90
(C)リード蒸気圧(RVP)が45〜93kPa
(D)芳香族分含有量が45容量%以下
(E)オレフィン分含有量が30容量%以下
(F)ベンゼン含有量が1容量%以下
(G)硫黄分含有量が10質量ppm以下
(H)60℃における気液比(V/L)が30〜70
(I)下記式(a)で表される多環芳香族指数(Y)が、6以下
Y=(0.002×3R-A)+(0.01×4R-A)+(0.07×5R-A)+(0.2×6R+-A)・・・ (a)
(式中、3R-Aは3環芳香族分量を表し、4R-Aは4環芳香族分量を表し、5R-Aは5環芳香族分量を表し、6R+-Aは6環以上の芳香族分量を表す。なお、該芳香族分量は何れもガソリン中の含有量で質量ppmを示す。)
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、無鉛ガソリンに関し、詳しくは特定された清浄剤、及び特定された成分組成を有し、自動車用燃料として環境に配慮し、かつ吸気バルブの清浄性、始動性に優れた無鉛ガソリンに関する。
【背景技術】
【0002】
環境改善に対する意識が高まる中、自動車から排出される排出ガスも環境汚染の一因とされ、それを改善するため、自動車の排出ガスの規制が年々強化されてきている。
このため、空燃比(A/F)等自動車のエンジン制御の精密化、及び排出ガス浄化触媒システムによる対応が進められている。
一般に、A/Fを精密に制御するエンジンに吸気バルブデポジット(IVD)が生成すると、A/Fの制御が乱れ、排出ガスが悪化することが知られている。
【0003】
これを回避するには、ガソリンに清浄剤を添加し、IVDの生成を抑制することが考えられる。清浄剤としては、ポリエーテルアミン(PEA)型化合物、又はポリイソブテンアミン(PIBA)型化合物が挙げられ、これら清浄剤のいずれか一つを含有し、特定の蒸留性状及び成分組成を有するもの(例えば、特許文献1参照)、あるいは、ポリイソブテンアミン(PIBA)系清浄剤のみを含有し、特定の成分組成を有するもの(例えば、特許文献2参照)が知られている。
また、ポリイソブテンアミン(PIBA)系清浄剤とポリエーテルアミン(PEA)系清浄剤の両方を一定の割合で含有したもの(例えば、特許文献3参照)、ポリエーテルアミン(PEA)系及び/又はポリイソブテンアミン(PIBA)系清浄剤に、特定のジアミン化合物を含有したもの(例えば、特許文献4参照)が知られている。
【0004】
【特許文献1】特開2000-282070号公報
【特許文献2】特開2000-265179号公報
【特許文献3】特開平7-179869号公報
【特許文献4】特開平7-188681号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の特定の蒸留性状、組成を規定し、ポリエーテルアミン(PEA)系あるいはポリイソブテンアミン(PIBA)系清浄剤のみを使用しているケース(特許文献1、2のケース)では、ガソリンの組成・性状を調整し、添加剤の効果を引き出すことを行っているが、清浄剤としてポリエーテルアミン(PEA)系あるいはポリイソブテンアミン(PIBA)系清浄剤のいずれか一方のみを使用しているため、吸気バルブへのデポジットの付着抑制効果は、十分とは言えない。
また、ポリイソブテンアミン(PIBA)系清浄剤とポリエーテルアミン(PEA)系清浄剤の両方を添加しているケース(特許文献3、4のケース)では、ガソリン自体の性状に関する規定がない。現状のガソリンにおいては、吸気バルブへのデポジットの付着抑制効果以外にも、自動車の始動性も引き上げる必要があるため、一層の改良が望まれている。
【0006】
本発明は、上記従来の状況に鑑みてなされたものであり、十分に優れたIVD生成の抑制効果、及び自動車の始動性の向上効果を示す無鉛ガソリンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ポリエーテルアミン(PEA)系清浄剤とポリイソブテンアミン(PIBA)系清浄剤を特定の容量比で配合することで、これらを個々に添加するよりも添加効果が優れたものとなり、更に特定成分の含有量を適正に規定することで、添加する清浄剤の効果を十分に引き出し、かつ、始動性の面でも向上された特性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は、上記目的を達成するために、以下の無鉛ガソリンを提供する。
(1)ポリエーテルアミン(PEA)系清浄剤とポリイソブテンアミン(PIBA)系清浄剤を容量比にて25:75〜50:50の割合で配合してなる清浄剤を50〜500容量ppm含有し、かつ、以下の性状を満足することを特徴とする無鉛ガソリン。
(A)リサーチ法オクタン価(RON)が93〜103
(B)モーター法オクタン価(MON)が82〜90
(C)リード蒸気圧(RVP)が45〜93kPa
(D)芳香族分含有量が45容量%以下
(E)オレフィン分含有量が30容量%以下
(F)ベンゼン含有量が1容量%以下
(G)硫黄分含有量が10質量ppm以下
(H)60℃における気液比(V/L)が30〜70
(I)下記式(a)で表される多環芳香族指数(Y)が、6以下
Y=(0.002×3R-A)+(0.01×4R-A)+(0.07×5R-A)+(0.2×6R+-A)・・・ (a)
(式中、3R-Aは3環芳香族分量を表し、4R-Aは4環芳香族分量を表し、5R-Aは5環芳香族分量を表し、6R+-Aは6環以上の芳香族分量を表す。なお、該芳香族分量は何れもガソリン中の含有量で質量ppmを示す。)
【発明の効果】
【0009】
本発明の無鉛ガソリンは、自動車のガソリンエンジンに好適に用いられるものであって、特定の清浄剤を組合せて使用し、かつ、ガソリンの性状・成分を適正に特定することで、環境保全に優れ、吸気バルブの清浄性や始動性に優れたものであり、優れた実用性能を維持しつつ環境保全が図れるものである。また、本発明の無鉛ガソリンでは、エンジン内のデポジット生成の原因となる多環芳香族分を環数の多いものほど含有量を順次低く制限することで、ガソリンの組成面からもエンジン内のデポジット生成、特に吸気バルブへのデポジットの付着の抑制を図り、ガソリンの性能を総合的に向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の内容を更に詳しく説明する。
本発明の無鉛ガソリンに用いられるポリエーテルアミン(PEA)系清浄剤は、ポリエーテル化合物の末端又は中間部分にアミン基を有する化合物等が挙げられ、ポリイソブテンアミン(PIBA)系清浄剤は、ポリイソブテン重合体の末端又は中間部分にアミン基を有する化合物等が挙げられるが、これらポリエーテルアミン(PEA)、ポリイソブテンアミン(PIBA)の製造方法は特に限定されるものではなく、一般的に製造される全てのポリエーテルアミン(PEA)系やポリイソブテンアミン(PIBA)系の清浄剤が使用可能である。好ましくは数平均分子量(Mn)が100〜1700及び多分散度(Mw/Mn)が4.3未満であるポリエーテルアミン(PEA)系の清浄剤や、数平均分子量(Mn)が100〜1300及び多分散度(Mw/Mn)が4.8未満であるポリイソブテンアミン(PIBA)系の清浄剤が良い。
本発明の無鉛ガソリンは、ポリエーテルアミン(PEA)系清浄剤とポリイソブテンアミン(PIBA)系清浄剤を容量比にて25:75〜50:50の割合で配合してなる清浄剤を50〜500容量ppm、好ましくは100〜400容量ppm、より好ましくは100〜300容量ppm含有しているものである。
ポリエーテルアミン(PEA)系清浄剤とポリイソブテンアミン(PIBA)系清浄剤の容量比が、上記範囲内であれば、それぞれ単独使用した時よりも清浄剤同士の相乗効果により優れた清浄性能を得ることができる。
また、清浄剤の添加量が上記範囲内であれば、高いIVD清浄性を維持することが可能となる。
【0011】
本発明の無鉛ガソリンのリサーチ法オクタン価(RON)は93〜103、好ましくは94〜103である。このRONを93以上とすることで高い運転性を維持することが可能となり、RONを103以下とすることで、芳香族系の高オクタン価基材の配合量が抑えられ、清浄性の低下を防ぐことができる。なお、このRONは、JIS K 2280に準拠して測定した値である。
【0012】
本発明の無鉛ガソリンのモーター法オクタン価(MON)は、82〜90、好ましくは83〜90である。このMONが82以上であれば高速走行時のアンチノック性の低下を防止することができる。MONが90以下であれば、センシティビティーの小さいパラフィン系基材の配合量が抑えられ、密度の低下を防ぐことができ好ましい。なお、このMONは、JIS K 2280に準拠して測定した値である。
【0013】
本発明の無鉛ガソリンのリード蒸気圧(RVP)は、45〜93kPa、好ましくは50〜90kPaである。RVPを93kPa以下にすることによって蒸発ガスの量を少なくすることができ、45kPa以上とすることで低温始動性、暖気性の低下を防ぐことができる。なお、このリード蒸気圧(RVP)は、JIS K 2258に準拠して測定した値である。
【0014】
本発明の無鉛ガソリンは、芳香族分含有量が45容量%以下、好ましくは5〜45容量%である。この芳香族分含有量が45容量%以内であれば、排出ガス中の有害成分の増加を防ぐことができる。そして、オレフィン分含有量が30容量%以下、好ましくは5〜27容量%である。このオレフィン分含有量が30容量%以内であれば、酸化安定性の低下を防ぐことができる。なお、これらの芳香族分及びオレフィン分は、石油学会法JPI-5S-33-90(ガスクロマトグラフ法)に準拠して測定した値である。
【0015】
本発明の無鉛ガソリンは、ベンゼン含有量が、1容量%以下、好ましくは0.8容量%以下である。このベンゼン含有量が1容量%以内であれば、大気中のベンゼン濃度の増加を防止し、環境汚染を低減できる可能性がある。なお、このベンゼン含有量は、石油学会法JPI-5S-33-90(ガスクロマトグラフ法)に準拠して測定した値である。
【0016】
本発明の無鉛ガソリンは、硫黄分含有量が、10質量ppm以下、好ましくは8質量ppm以下である。この硫黄分含有量が10質量ppm以内であれば、排出ガス浄化触媒の能力低下を防止し、排出ガス中のNOx、CO、THCの濃度上昇を防止できる可能性がある。なお、この硫黄分含有量は、JIS K 2541に準拠して測定した値である。
【0017】
本発明の無鉛ガソリンは、60℃における気液比(V/L)が、30〜70、好ましくは30〜60である。このV/Lを30以上とすることで、良好な始動性を確保することができる。また、V/Lを70以下とすることで、加速性、運転性の不具合が低減できる可能性がある。なお、このV/Lは、ASTM D 2533-93aに準拠して測定した値である。
【0018】
そして、本発明の無鉛ガソリンは、下記式(a)〔式中、3R-Aは3環芳香族分量を表し、4R-Aは4環芳香族分量を表し、5R-Aは5環芳香族分量を表し、6R+-Aは6環以上の芳香族分量を表す(何れの芳香族分量もガソリン中の含有量で質量ppmを示す)〕で表される多環芳香族指数(Y)が6以下、好ましくは5.7以下である。
Y=(0.002×3R-A)+(0.01×4R-A)+(0.07×5R-A)+(0.2×6R+-A)・・・ (a)
3環の芳香族分、4環の芳香族分、5環の芳香族分、6環以上の芳香族分は、他の炭化水素成分に比べ、燃焼性が悪く、炭化しやすいため、エンジン内にデポジットを生成し、デポジットとして蓄積される。デポジットが生成される割合としては、環数の多い芳香族分ほどその割合が高い傾向にあり、環数の違った複数の芳香族分からのデポジットの生成具合を総合的に表すためには、3環の芳香族分、4環の芳香族分、5環の芳香族分、6環以上の芳香族分の含有量全体を一つの値として取り扱う必要がある。そこで、3環の芳香族分、4環の芳香族分、5環の芳香族分、6環以上の芳香族分の含有量をそれぞれx1、x2・・・等の変数とし、吸気バルブに付着したデポジット(IVD)重量をyとして両者の関係を導いたものが多環芳香族指数(Y)である。上記式(a)中の係数はデポジット生成の割合を示しており、環の数が多いほどデポジット生成割合が高くなることを示している。
上記指数(Y)が6以下であれば、排出ガス中の有害成分の増加、及びエンジン内のデポジットの生成の増加を防ぐことができる。なお、これら多環芳香族分含有量は、以下に示すガスクロマトグラフ法により環数別の定量を行った値であり、定量法は環数別の代表的な標準試料による絶対検量線法とした。即ち、カラムには長さ30m、内径0.25mmであるジメチルシリコンのキャピラリーカラムを用い、検出器は水素イオン化検出器(FID)、キャリアガスは流量1.3ml/minのヘリウム、スプリットレス注入、注入口温度300℃、検出器温度350℃の条件において、カラム温度を初期温度50℃より終期温度350℃まで昇温させて測定した値である。
【0019】
本発明の上記のような性状を有する無鉛ガソリンを製造するために用いる基材については、特に制限はないが、例えば、下記のような各種留分を基材として用いることができる。
(イ)重質の直留ナフサなどを接触改質法(プラットフォーミング法、マグナフォーミング法、アロマイジング法、レニフォーミング法、フードリフォーミング法、ウルトラフォーミング法、パワーフォーミング法等)により、水素気流中で高温・加圧下で触媒(例えば、アルミナ担体に白金やロジウムと塩素とを担持したもの等)と接触処理して得られた改質ガソリンからベンゼン留分を蒸留により取り除いた脱ベンゼン接触改質ガソリン。
(ロ)上記接触改質法により接触処理して得られた改質ガソリンを蒸留により、軽質留分、ベンゼン留分、重質留分に分けた内の軽質留分(脱ベンゼン軽質接触改質ガソリン)及び重質留分(脱ベンゼン重質接触改質ガソリン)。
(ハ)灯・軽油から常圧残油に至る石油留分、好ましくは重質軽油や減圧軽油を、従来から知られている接触分解法、特に流動接触分解法(UOP法、シェル二段式法、フレキシクラッキング法、ウルトラオルソフロー法、テキサコ法、ガルフ法、ウルトラキャットクラッキング法、RCC法、HOC法等)により、固体酸触媒(例えば、シリカ・アルミナにゼオライトを配合したもの等)で分解して得られた接触分解ガソリン、またはそれを蒸留して得られる軽質接触分解ガソリン。
(ニ)イソブタンと低級オレフィン(ブテン、プロピレン等)を原料として、酸触媒(硫酸、フッ化水素、塩化アルミニウム等)の存在下で反応させて得られるアルキレート。
(ホ)原油や粗油等の常圧蒸留時、改質ガソリン製造時、あるいは分解ガソリン製造時等に蒸留して得られるブタン、ブテン類を主成分としたC4留分。
(ヘ)直鎖の低級パラフィン系炭化水素の異性化によって得られるアイソメレート、あるいはアイソメレートを精密蒸留して得られるイソペンタン、接触改質ガソリンから得られるトルエン、キシレン、あるいは炭素数9以上の芳香族を主体とする成分等。
【0020】
上記のような各種留分を、前記各性状を満たすように、該各種留分の性状等に応じて配合量を適宜選択して、適宜配合することにより本発明の無鉛ガソリンを製造することができる。
【0021】
さらに、本発明の無鉛ガソリンには、必要に応じて、各種の添加剤を適宜配合することができる。このような添加剤としては、フェノール系、アミン系等の酸化防止剤、チオアミド化合物等の金属不活性剤、有機リン系化合物等の表面着火防止剤、長鎖脂肪族エステル・アミン等の摩擦調整剤、多価アルコール及びそのエーテル等の氷結防止剤、有機酸のアルカリ金属やアルカリ土類金属塩、高級アルコールの硫酸エステル等の助燃剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤等の帯電防止剤、アルケニル琥珀酸エステル等の錆止め剤、及びアゾ染料等の着色剤等、公知の燃料添加剤が挙げられる。これらを1種または数種組み合わせて添加することができる。これら燃料添加剤の添加量は任意であるが、通常、その合計添加量が0.1質量%以下とすることが好ましい。
【実施例】
【0022】
以下に本発明の内容を実施例及び比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
【0023】
実施例1〜5
接触分解装置、接触改質装置又は常圧蒸留装置から生成するC4留分(ブタン、ブテン類)、表1に示す性状の脱ベンゼン接触改質ガソリン、脱ベンゼン軽質接触改質ガソリン、脱ベンゼン重質接触改質ガソリン、軽質接触分解ガソリン、接触分解ガソリン、及びアルキレートを表2に示す配合比で配合することにより、表2に記載する性状のガソリンを得た。
なお、実施例1〜5で得たガソリンには、市販されているポリエーテルアミン(PEA)系清浄剤(数平均分子量(Mn)が100〜1700、多分散度(Mw/Mn)が4.3未満)と、市販されているポリイソブテンアミン(PIBA)系清浄剤(数平均分子量(Mn)が100〜1300、多分散度(Mw/Mn)が4.8未満)の両方を、総添加量が200容量ppmになるように、50:50又は25:75の容量比で添加した。
【0024】
【表1】


【0025】
比較例1〜4
実施例1〜5と同様のC4留分(ブタン、ブテン類)、脱ベンゼン接触改質ガソリン、脱ベンゼン軽質接触改質ガソリン、脱ベンゼン重質接触改質ガソリン、軽質接触分解ガソリン、接触分解ガソリン、及びアルキレートを表3に示す配合比で配合することにより、表3に記載する性状のガソリンを得た。
なお、比較例1〜4で得たガソリンには、実施例1〜5で使用したポリエーテルアミン(PEA)系清浄剤とポリイソブテンアミン(PIBA)系清浄剤のいずれか一方又は両方を、総添加量が200容量ppmになるように添加し、両方を添加する場合は両者の容量比を50:50、25:75又は75:25とした。
【0026】
上記実施例と比較例で得られたガソリンを用いて、以下に述べる各種の性能評価試験を行った。
(a)吸気バルブデポジット(IVD)試験を、排気量1.5L、マルチポイントインジェクション(MPI)方式の車両を用い、シャシーダイナモにおいて、60−100km/hの加減速×1,500サイクル(8,000km走行)の条件で行った。
(b)始動性評価を、排気量2L、直接噴射方式(DI)、オートマチックトランスミッション(AT)の車両を用い、試験温度20℃、湿度50%の条件で行った。
【0027】
上記評価ないし試験方法における具体的評価方法を以下に記し、その評価結果を表2及び3に示す。
(IVD試験)
運転前後の吸気バルブ重量を秤量することにより得られる、吸気バルブに付着したデポジット(IVD)重量により評価した。
(始動性)
クランキング開始から完爆までの時間(エンジンが自力で回転が続けられるようになるまでの時間)で評価した。
【0028】
【表2】


【0029】
【表3】


【0030】
特許請求の範囲を全て満足している実施例はIVD量、始動性全ての面で良好な結果を示すが、本発明の構成を一つでも外した比較例では、これら性能の幾つかが実施例に比べて劣る結果となった。ガソリンを総合的に良好なものとするためには特許請求の範囲で規定するよう性状を調整する必要がある。
以上の結果から、本発明の無鉛ガソリンは、吸気バルブの清浄性や始動性に優れ、優れた実用性能を維持しつつ大気環境の保全が図れるものであることは明らかである。
【出願人】 【識別番号】000105567
【氏名又は名称】コスモ石油株式会社
【出願日】 平成18年9月5日(2006.9.5)
【代理人】 【識別番号】100105647
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 昌平

【識別番号】100105474
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 弘徳

【識別番号】100108589
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 利光


【公開番号】 特開2008−63376(P2008−63376A)
【公開日】 平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願番号】 特願2006−240184(P2006−240184)