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【発明の名称】 廃木材および/または廃竹材の炭化物、廃木材および/または廃竹材および廃油の処理方法および処理装置
【発明者】 【氏名】伊藤 憲昭

【氏名】池田 幹委

【要約】 【課題】廃棄処分が困難な廃木材および/または廃竹材と廃油とを、搬送性や流動性に優れた燃焼カロリーの高い燃料に加工すること。

【構成】廃木材6を加熱した廃油10中に浸漬することにより、廃木材6を乾留して炭化するとともに、生成した炭化物7に油分を吸着させる廃木材6および廃油10の処理方法である。この油分を吸着した炭化物7を粉砕することにより、流動性を有する燃焼カロリーの高い燃料に加工することができる。油分を吸着した炭化物の粉体は空気中に拡散し難いので、粉塵爆発の危険性が低いから取扱いが簡単である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃木材および/または廃竹材を加熱した廃油中に浸漬して乾留した油分を吸着してなる廃木材および/または廃竹材の炭化物。
【請求項2】
廃木材および/または廃竹材を加熱した廃油中に浸漬することにより、廃木材および/または廃竹材を乾留して炭化するとともに、生成した炭化物に油分を吸着させることを特徴とする廃木材および/または廃竹材と廃油の処理方法。
【請求項3】
油分を吸着した炭化物を粉砕して、流動性を有する燃焼カロリーの高い燃料に加工することを特徴とする請求項1に記載の廃木材および/または廃竹材と廃油の処理方法。
【請求項4】
満たされた廃油中に水平に配置された金網または格子を有する廃油を加熱する釜と、該釜を底から加熱する燃焼室と、切断された廃木材および/または廃竹材を上記釜の一端に供給する第1のコンベアと、上記釜の他端から処理された炭化物を掻き出す第2のコンベアとを具備することを特徴とする廃木材および/または廃竹材と廃油の処理装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、廃木材および/または廃竹材と廃油とを燃焼カロリーが高くて搬送性や流動性に優れた燃料に加工する廃木材および/または廃竹材と廃油の処理方法および処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
熱帯地方で栽培された椰子は、約20年で椰子油採取の寿命が尽きるので、現状では切り倒されて大量に放置されている。
【0003】
この寿命の尽きた椰子の木は、加工用木材に適ささないので、燃料として燃やしても燃焼カロリーが低く、チップ状に加工しても搬送性や流動性が悪く、取扱上の問題もあって、発電用ボイラーや高炉の燃料には適さない。また、建築廃材、森林の間伐材、竹林で間伐された竹材などにおいても同様の問題が存在する。
【0004】
一方、植物油や動物油などの食用油の廃食油、自動車エンジンの廃潤滑油などの廃油については、各種の再処理方法が提案されて処理しているが、最終的には燃焼により廃棄処分されている。しかし、低温度で燃焼すると、ダイオキシンを発生するので、高温度で燃焼しなければならない。
【0005】
そこで、廃木材を0.5〜10mm程度の大きさに粉砕して比表面積で表される燃焼性を高め、タール系油、石油系油、廃食油、廃潤滑油の何れかと混合して高炉用燃料とすることが下記特許文献1で提案されている。
【特許文献1】特開2002−20771号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような従来の廃木材および廃油の処理方法によると、廃木材を小さく粉砕してから廃油と混合しなければならないので、粉砕のために多くの動力や手間を要し、作業環境もよいものではない。
【0007】
そこで、この発明は、廃棄処分が困難な廃木材および/または廃竹材と廃油とを、搬送性や流動性に優れた燃焼カロリーの高い燃料に加工するために考えられたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の廃木材および/または廃竹材の炭化物は、廃木材および/または廃竹材を加熱した廃油中に浸漬して乾留し、油分を吸着させたものである。
【0009】
この発明の廃木材および/または廃竹材および廃油の処理方法は、廃木材を加熱した廃油中に浸漬することにより、廃木材および/または廃竹材を乾留して炭化するとともに、生成した炭化物に油分を吸着させる方法である。この油分を吸着した炭化物を粉砕して、流動性を有する燃焼カロリーの高い燃料に加工することができる。
【0010】
この発明の廃木材および/または廃竹材と廃油の処理装置は、満たされた廃油中に水平に配置された金網または格子を有する廃油を加熱する釜と、この釜を底から加熱する燃焼室と、切断された廃木材および/または廃竹材を上記釜の一端に供給する第1のコンベアと、上記釜の他端から処理された炭化物を掻き出す第2のコンベアとを具備することを特徴とする廃木材および廃油の処理装置。
【発明の効果】
【0011】
この発明の処理方法によると、廃棄処分が困難な廃木材および/または廃竹材と、植物油や動物油などの廃食油、自動車の廃潤滑油などの廃油とを同時に処理して、燃焼カロリーの高い燃料に加工できる。
【0012】
廃木材および/または廃竹材を廃油の中で乾留して炭化物とするので、灰分が発生することなく、廃木材および/または廃竹材を全て無駄なく炭化物とすることができる。
【0013】
このように加工した油分を吸着した炭化物を粉砕することにより、搬送性や流動性が良くなって、発電用ボイラーや高炉などの燃料に活用することができる。
【0014】
廃木材および/または廃竹材の乾留中に、生成した炭化物に油分を吸着させるので、炭化物に対する油分の吸着量が過不足のない最適量となり、粉砕してもべとつくことはないのである。
【0015】
通常、粉炭は乾燥しているので粉塵爆発の危険があるが、油分を吸着した炭化物の粉体は空気中に拡散し難いので、粉塵爆発の危険性が低いから取扱いが簡単である。
【0016】
この発明の処理装置を使用すると、炭焼きのようなバッチ処理ではなく、廃木材および/または廃竹材と廃油を連続的に処理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
この発明の廃木材の処理方法は、乾燥させた廃木材を一定長さに切断して高温度(250〜300℃)に加熱した廃油中に浸漬して、廃木材を乾留(空気を遮断して加熱分解)する。この乾留により廃木材中の木酢液・木タールを含む水分を脱水し、含有空気を排出するとともに、炭化させて油分を吸着させる。
【0018】
この処理により生成した油分を吸着させた炭化物を粉砕機により粉砕して、搬送性や流動性に優れた燃料とする方法である。
【0019】
この発明の廃木材の処理装置は、図1に示すように、廃油10を満たして加熱する釜1と、この釜1を底から加熱する燃焼室2と、釜1の廃油10の油面から蒸発する木酢液・木タールを含む水分および油分を冷却して復水する復水器3と、一定長さに切断された廃木材6を釜1の一端に供給する第1のコンベア4と、釜1の油面から処理された炭化物7を掻き出す他端の第2のコンベア5とを備えている。
【0020】
釜1には、投入された廃木材6および生成された炭化物7の沈降を妨げる金網または格子11が、油中に水平に配置されている。
【0021】
燃焼室2は、火格子21により上下の空間に区画され、上側の空間には、葉、切株、端材などの燃料が投入され、下側の空間には送風機23により空気が吹き込まれる。上側の空間から煙突に通じる煙道22が形成されている。
【0022】
復水器3は、釜1の廃油10の油面から蒸発した水分および発散した油分を冷却して復水するものであって、水とともに回収された油分は釜1に戻され、水分は廃棄または精製して木酢液・木タールに加工される。
【0023】
さらに、釜1には廃油10の温度を検知する温度計(図示せず)を設け、温度制御に利用するとともに、過熱状態になったときには警報を発するように構成されている。また、釜1の上には、火災発生時に炭酸ガスと窒素ガスを噴出する消火設備(図示せず)を備えている。
【0024】
以上で説明した実施の形態においては、主として廃木材の処理について説明したが、廃竹材の処理に適用しても、同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】この発明の廃木材および/または廃竹材の処理装置の実施形態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0026】
1 釜
10 廃油
11 金網または格子
2 燃焼室
21 火格子
22 煙道
23 送風機
3 復水器
4 第1のコンベア
5 第2のコンベア
6 廃木材
7 炭化物
【出願人】 【識別番号】506284692
【氏名又は名称】伊藤 憲昭
【識別番号】502189513
【氏名又は名称】池田 幹委
【出願日】 平成18年8月21日(2006.8.21)
【代理人】 【識別番号】100099254
【弁理士】
【氏名又は名称】役 昌明

【識別番号】100108729
【弁理士】
【氏名又は名称】林 紘樹

【識別番号】100139675
【弁理士】
【氏名又は名称】役 学


【公開番号】 特開2008−45084(P2008−45084A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−224009(P2006−224009)