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ガス成分の簡易分離方法と装置 - 特開2008−45049 | j-tokkyo
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【発明の名称】 ガス成分の簡易分離方法と装置
【発明者】 【氏名】市村 直也

【要約】 【課題】

【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引した気体試料を用いて直径100マイクロメーター(μm)以下の微小な泡を液体流中に発生できるマイクロバブル発生器と、そのマイクロバブル発生器を装填した吸収液槽と、吸収液槽から吸収液を引き出す配管と、その配管につなげた液体ポンプと、その液体ポンプからマイクロバブル発生器に接続する配管から構成される装置であって、吸収液槽には分離目的の気体成分に対して吸着性・結合性・親和性のある液体または液体と固体を充填し、液体ポンプで吸収液槽内の液体を循環させて、マイクロバブル発生器に気体試料を吸引させ、マイクロバブル発生器が発生する微小な泡を吸収液槽に通じることにより、気体試料中の気体成分を吸収液槽内の液体に溶解させる、または、吸収液槽内の固体に吸着させる、または、吸収液槽内の液体に溶解させ吸収液槽内の固体に吸着させることにより、目的とする気体成分の分離・回収と、その気体成分が除外された気体試料を回収する方法および、その方法を実施するための装置。

【請求項2】
対象とする気体試料にメタン、二酸化炭素、硫化水素、酸素、窒素、一酸化炭素、水素、水蒸気、有機酸、ベンゼンの組成の少なくとも1種類の組成を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法および装置

【請求項3】
吸収液槽の吸収液が水であることを特徴とする請求項1に記載の方法および装置

【請求項4】
請求項1に記載の装置であって、吸収液槽から吸収液を引き出す配管に、吸収液に溶解した気体成分を吸収液から分離する装置または貯水槽・施設を組み込んだ装置

【請求項5】
請求項1に記載の装置を2つ以上並列に配置し、装置運転を順次切替えて、気体試料から目的とする気体成分の分離・回収・除去と、その分離・回収した気体成分を吸収液槽に充填した液体または固体または液体と固体両方から放出・除去を行う方法および、その装置システム。


【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、簡易な装置構成で気体試料の組成の分離・除去・濃度調製・濃縮を行うものであって、有機廃棄物や下水汚泥の嫌気発酵処理により回収されるメタンを含むバイオガスや、地下ガス田から回収されるメタンガスや石炭層に内在するコールベットメタンガスなどの気体試料に含まれる二酸化炭素の分離・除去・濃度低減などに適用できる処理方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
食品・飲料加工工場や下水処理施設、畜産施設などから排出される有機性廃棄物は嫌気的発酵処理を行いバイオガスとして回収し、エネルギー資源として発電・熱利用され始めている。
【0003】
バイオガス中には、二酸化炭素や硫化水素など発電・熱利用を行うために支障になる成分が含まれている。
【0004】
また、回収したバイオガスを吸着貯蔵する消化ガスの貯蔵方法等の技術研究されているが、やはり、メタン以外の成分が問題となっている。
【0005】
このようなことから、バイオガスからメタン以外の成分を除去することが検討されてきており、その方法としては、例えば、二酸化炭素を対象とする場合は、金属酸化物や活性炭やゼオライトなどの二酸化炭素の吸着剤を充填した吸着塔に気体試料を通す方法や多孔質中空糸を用いて分離する方法や気体分離膜を用いて真空で脱気する方法、PSA処理法などが挙げられる。
【0006】
上述の従来の方法は、いずれも課題を有している。
【0007】
吸着剤を充填した吸着塔では、装置が大きいことや、吸着剤の入れ替え・充填が必要などにより初期コストおよび運転コストが高い課題がある。
【0008】
気体分離膜を用いて真空で脱気法やPSA法では、気体試料の吸引・圧縮などの処理が必要であり、装置に気密性と耐圧が要求され、非常に高額が装置・設備が必要である。
【0009】
また、圧力容器となるので点検業務が発生することや、運転での消費電力が大きいことなど、運転コストも高い。
【0010】
上記の装置・設備のコストの問題に対しては、液体への吸収を利用する方法が検討されており、多孔質中空糸を用いて分離する方法がある。
【0011】
中空糸モジュールの内側に吸収液を流しながら気体の除去を行うものであるが、中空糸モジュールが多段になり、装置が大型化し装置コストが上昇してしまうことや、大量の吸収液が必要であることなどの課題がある。
【0012】
この課題に対して、特許2002-363582に例示されているように、吸収液を水とし、吸収液の中空糸モジュールへの接触方法改良による検討がされているが、中空糸の多孔穴を閉塞させないように、吸収液に夾雑物の混入を防止し、雑菌などの繁殖も防止するなど吸収液の品質を維持するための装置設備とメンテナンスの手間が必要であるので、コストを抑えることが難しい。
【0013】
また、運転による中空糸モジュールの閉塞の発生は避けがたいものであるので、中空糸モジュールの交換の必要も発生し、コストを上げる要因となる。
【0014】
本発明は、気体試料からの気体成分の分離・回収・濃縮を簡便な設備で実現できる方法であり、気体成分の分離・回収・濃縮に液体、または液体と固体を用いることができる方法であり、吸収液中の夾雑物の混入防止や雑菌などの繁殖防止の吸収液の品質を維持するための装置設備とメンテナンスの手間が軽微な方法により、気体試料から目的とする気体成分の分離・回収と、その気体成分が除外された気体試料を回収する方法および装置を提供することを目的とする。
【特許文献1】特開2002-363582号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
簡易な装置構成で気体試料に含まれる成分の分離を行う方法および装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、気体試料1を吸引し液体流中に微小な泡として発生できるマイクロバブル発生器10と、そのマイクロバブル発生器10を装填した吸収液槽11、吸収液槽から吸収液を引き出す配管8と、その配管につなげた液体ポンプ7、その液体ポンプからマイクロバブル発生器に接続する配管9から構成される。
【0017】
吸収液槽には、分離目的の気体に対して、吸着性・結合性・親和性のある液体または液体と固体を充填し、液体ポンプで吸収液槽の液体を循環させる。液体は、水であってもよく、水の他に気体に吸着性・親和性のある液体成分であってもよい。
【0018】
マイクロバブル発生器は、直径100マイクロメーター(μm)以下の微細な泡を発生させ、特に、直径20マイクロメーター(μm)以下の微細な泡を発生させることにより、吸収液槽内の液体、または、吸収液槽内の固体、または、吸収液槽内の液体と固体に効率よく泡に含まれる気体成分を接触させ、液体または固体または液体と固体に気体成分を溶解・吸着させる。
【0019】
液体ポンプによりマイクロバブル発生器に注入された液体は、微細な泡を含みながらマイクロバブル発生器から排出され、その液体で吸収液槽内の液体を循環・混合する。
【0020】
マイクロバブル発生器に接続するポンプは、通常の低圧液体ポンプでよいが、高圧の液体ポンプであってもかまわない。

【0021】
マイクロバブル発生器は、高速旋回流方式やベンチェリー管方式やキャビテーション方式などの いずれのマイクロバブル発生の機構を持つ発生器であってもよい。
【0022】
ポンプは、吸収液槽上部に設置してもよく、マイクロバブル発生器に内蔵してもよい。
【0023】
マイクロバブル発生器の液体方向・バブル吹き出し方向は、吸収液槽内の下面、側面、あるいは、斜め下、斜め上を向いていてもよく、また、槽底から水面への方向を向いていてもよい。
【0024】
マイクロバブル発生器は、吸収液槽内の底部、中央部、または 上層部のいずれに設置してもよく、それらの組み合わせの位置に設置してもよい。
【0025】
また、マイクロバブル発生器は、吸収液槽内の壁面または底面に設置しても良い。
【0026】
気体試料をマイクロバブル発生器へ吸引させ、吸収液槽に通じることにより、吸収液槽内の液体に溶解させる、または、吸収液槽内の固体に吸着させる、または、吸収液槽内の液体に溶解させ吸収液槽内の固体に吸着させることにより、目的とする気体成分の分離・回収と、その気体成分が除外された気体試料を回収する。
【0027】
吸収液槽内から 吸収液 を引き抜くラインと液体ポンプの間に、 吸収液に溶解した気体組成を回収する装置を配置し、溶解した気体組成を吸収液から分離、回収を行ってもよい。
【0028】
吸収液槽内から吸収液を引き抜き、吸収液を貯留槽または貯留タンクに貯留して、吸収液に溶解した気体成分を貯留槽内で蒸散させたり、化合物などを用いて吸収・沈殿させたり、貯留槽または貯留タンク内に添加・棲息させている微生物に吸収・資化・分解させたりすることにより、吸収液から溶解した気体成分を除去して、液体ポンプにて、貯留槽または貯留タンクから引き抜いて、吸収液槽に、マイクロバブル発生器を介して、戻す構成でもよい。
【0029】
上述の装置を2つ以上、並列に設置して、切替運転をしながら、気体試料からの気体成分の回収・除去・濃縮を行い、切り替えた装置からは、回収した気体成分の脱着をおこなうシステムとしてもよい。
【0030】
本発明の装置構成は、天然ガス田や石炭層貯留層から回収されるガスに対応する規模から、有機性廃棄物の嫌気処理設備、下水処理場、食品飲料加工工場など規模に適用でき、また、小型化することもできて、工場の排気や、住宅・集合ビル・商用施設・浴室・病院の生活居住空間の空気や排気、自動車車内の空気などを処理することもできる。
【0031】
さらに、小型化して、小型燃料電池においてメタノールやグルコースなどの有機物から造られる水素燃料ガスに含まれる微量の不純気体成分の除去にも用いることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、簡略な装置構成により気体試料から気体組成を溶解・吸着除去し、除去されない気体組成を濃縮した気体を供給できる。
【0033】
膜交換の欠点である微細孔の閉塞などの問題がないので、用いる液体の取り扱い・種類に制限が少なく、かつ、ランニングコストを低減できる。
【0034】
本発明では、マイクロバブル発生器を用いているので、気体を溶解させる槽が垂直方向に高くする必要がなく、設備設置の制約が少なく、かつ、装置コストが安価になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
本発明の例示を以下に示すが、対象とする気体成分は例示に示す成分に限定されることはない。
【実施例1】
【0036】
図1は、本発明の一実施形態を示す概略構成図である。ここに例示した装置では、吸収液槽11に、気体成分を溶解させる吸収液12と気体成分を吸着させる固体13が充填され、液体ポンプ7により、液体の流れ方向14の方向で吸収液槽内の吸収液を循環させ、吸収液槽に戻る際に、マイクロバブル発生器に送りこまれ、マイクロバブル発生器は、接続された気体供給配管3を通じて、気体試料1が吸引され、微小な泡を形成しながら、吸収液を吸収液槽に放出する。マイクロバブル発生器から出る吸収液は、吸収液槽内の吸収液を攪拌する。
【0037】
マイクロバブル発生器で100マイクロメーター(μm)以下の径の微小な泡となった気体試料に含まれる気体成分のうち、吸収液に溶解する気体成分は速やかに吸収液に溶解し、吸収液槽内に充填した固体に吸着される成分は、速やかに固体に吸着する。溶液に溶解した気体成分と、固体に吸着した気体成分が、マイクロバブル発生器に送り込まれた気体試料から除かれて吸収液槽から引き出され、溶解・吸着しなかった気体成分が濃縮される。
【0038】
上記装置の気体試料としては、メタンと二酸化炭素と硫化水素を含むメタン発酵で得られる消化ガスや、メタンと二酸化炭素を含み、かつ、取り出す際に、酸素および窒素を含む空気と混合され回収される石炭層に貯留したガスや、メタンと二酸化炭素を含む天然ガスのガス田から回収される天然ガスなどを用いることができる。
【0039】
また、工場の排気や、住宅・集合ビル・商用施設・浴室・病院の生活居住空間の空気や排気、自動車車内の空気などを用いることもできる。
【0040】
例えば、気体試料として消化ガスを用いる場合は、硫化水素の吸着のために、鉄粉、粘土等でペレット・固形状にした固体でもよく、また、二酸化炭素の溶解のために、吸収液は、水でよい。
【0041】
その用いる水は、河川水、井戸水、雨水、工業用水または水道水や、工場や処理場での再生循環水でもよい。
【0042】
二酸化炭素の溶解効率を上げるために、吸収液である水に、ナトリウムイオン、カリウムイオン、または、カルシウムイオンなどのアルカリ成分を添加してもよい。
【0043】
空気由来の酸素や電気分解・酸化還元反応由来の酸素が気体試料に含まれ、酸素を除外したい場合であれば、固体として、人工血液成分に用いられているフッ素化合物を用いてもよい。
【実施例2】
【0044】
実施例1で例示した装置に加えて、マイクロバブル発生器に接続している配管途中に、溶解した気体成分の取り出し器15を配置した装置構成を図2に示した。
【0045】
溶解した気体成分の取り出し器15からは、吸収液に溶解している気体組成を引き抜く機能があり、溶解している気体組成を取り出すことができる。溶解している気体成分を除外した吸収液は、液体ポンプにより、マイクロバブル発生器に送られる。本装置構成により、本発明装置による連続処理が可能となる。
【実施例3】
【0046】
本発明は、図3に例示するように、吸収液槽内に固体がない形態でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の装置は、天然ガス、消化ガス、バイオガスなどを対象として、組成の調製や単位体積あたりの熱量の調製や二酸化炭素成分の除去や硫黄成分の除去が簡易にでき、メタンガスを組成とする燃料の利用用途拡大、付加価値向上、燃焼利用効率の向上ができる。
【0048】
また、装置を小型化することもできて、工場の排気や、住宅・集合ビル・商用施設・浴室・病院の生活居住空間の空気や排気、自動車車内の空気などを処理することもでき、人の生活空間の空気を対象として、浄化・品質維持・臭気成分の除去ができる。
【0049】
さらに、小型化して、小型燃料電池の燃料となる気体試料中の不要成分の除去に適用して、携帯電話・ノートパソコンなどの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】マイクロバブル発生器を用いたガス成分の簡易分離装置を示した説明図である。(実施例1)
【図2】マイクロバブル発生器を用いたガス成分の簡易分離装置を示した説明図である。(実施例2)
【図3】マイクロバブル発生器を用いたガス成分の簡易分離装置を示した説明図である。(実施例3)
【符号の説明】
【0051】
1 気体試料
2 調節バルブ
3 気体供給配管
4 調節バルブ
5 気体引き出し配管
6 吸収液槽から引き出した気体
7 液体ポンプ
8 吸収液を引き出す配管
9 マイクロバブル発生器に接続する配管
10 マイクロバブル発生器
11 吸収液槽
12 吸収液
13 吸着固体
14 液体流の方向
15 溶解した気体成分の取り出し器
16 取り出した気体




【出願人】 【識別番号】591167430
【氏名又は名称】株式会社KRI
【出願日】 平成18年8月17日(2006.8.17)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−45049(P2008−45049A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−222652(P2006−222652)