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【発明の名称】 液体燃料精製方法及び液体燃料精製システム
【発明者】 【氏名】市川 浩之

【要約】 【課題】燃料電池に好適な液体燃料を精製することが可能な液体燃料精製方法及び液体燃料精製システムを提供する。

【構成】金属除去部108−1乃至108−4は、液体燃料原液としてのメタノールから金属成分を除去し、超純水供給部113は、メタノールの濃度を調整し、精製タンク110−1及び110−2には、中間燃料液としてのメタノールが貯蔵される。金属除去部118−1及び118−2は、精製タンク110−1及び110−2に貯蔵された中間燃料液としてのメタノールから金属成分を除去し、燃料電池に好適な液体燃料としてのメタノールを得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体燃料原液から、金属成分が除去されて燃料濃度の調整された中間燃料液を生成し、該中間燃料液をタンクに貯蔵する第1の工程と、
前記タンクから送出される前記中間燃料液から金属成分を更に除去して液体燃料を精製する第2の工程とを有することを特徴とする液体燃料精製方法。
【請求項2】
前記第1の工程は、
前記液体燃料原液から金属成分を除去する金属成分除去工程と、
前記金属成分が除去された液体燃料原液を希釈して前記中間燃料液を生成する中間燃料液生成工程とを有することを特徴とする請求項1に記載の液体燃料精製方法。
【請求項3】
前記金属除去工程は、前記液体燃料原液に粒子の状態で存在する金属成分と、イオンの状態で存在する金属成分とを除去することを特徴とする請求項2に記載の液体燃料精製方法。
【請求項4】
前記第1の工程は、金属成分除去後の前記液体燃料原液の金属成分濃度が所定値以上である場合に、更に、前記液体燃料原液から金属成分を除去することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の液体燃料精製方法。
【請求項5】
液体燃料原液から、金属成分が除去されて燃料濃度の調整された中間燃料液を生成し、該中間燃料液をタンクに貯蔵させる第1の設備と、
前記タンクから送出される前記中間燃料液から金属成分を更に除去して液体燃料を精製する第2の設備とを有することを特徴とする液体燃料精製システム。
【請求項6】
前記第1の設備は、金属成分除去後の前記液体燃料原液に含まれる金属成分濃度が所定値以上である場合に、更に、前記液体燃料原液から金属成分を除去することを特徴とする請求項5に記載の液体燃料精製システム。
【請求項7】
前記第1の設備は、
並列に接続され、前記液体燃料原液から金属成分を除去する複数の第1の金属除去部と、
前記複数の第1の金属除去部のうち、前記金属成分の除去に使用するものを切り替える第1の切り替え手段と、
並列に接続され、前記中間燃料液を貯蔵する複数の前記タンクと、
前記複数のタンクのうち、前記中間燃料液の貯蔵に使用するものを切り替える第2の切り替え手段とを有することを特徴とする請求項5又は6に記載の液体燃料精製システム。
【請求項8】
前記第2の設備は、
並列に接続され、前記タンクから送出される前記中間燃料液から金属成分を更に除去して液体燃料を精製する複数の第2の金属除去部と、
前記複数の第2の金属除去部のうち、前記金属成分の除去に使用するものを切り替える第3の切り替え手段とを有することを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の液体燃料精製システム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池に用いられるメタノール等の液体燃料を精製する液体燃料精製方法及び液体燃料精製システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機や自動車の電源として燃料電池が実用化されつつある。このような燃料電池には液体燃料としてのメタノールが用いられる。ところで、メタノールに不純物、特に金属が含まれていると、燃料電池内の触媒に影響を及ぼし、起電力が低下する等の問題が発生する。このため、例えば、特許文献1では、メタノールを精製することが記載されている。
【特許文献1】特開2006−127851号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上述した特許文献1では、燃料電池に好適な液体燃料としてのメタノールをどのような手法で精製するのかについて、具体的な手法が明らかでない。
【0004】
本発明は従来の問題を解決するためになされたもので、燃料電池に好適な液体燃料を精製することが可能な液体燃料精製方法及び液体燃料精製システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の液体燃料精製方法は、液体燃料原液から、金属成分が除去されて燃料濃度の調整された中間燃料液を生成し、該中間燃料液をタンクに貯蔵する第1の工程と、前記タンクから送出される前記中間燃料液から金属成分を更に除去して液体燃料を精製する第2の工程とを有することを特徴とする。
【0006】
この構成によれば、第1の工程において、液体燃料原液について、金属成分の除去と濃度調整がなされた中間燃料液が得られて貯蔵され、更に、第2の工程において、中間燃料液から金属成分が除去されて燃料電池に好適な液体燃料が得られる。また、中間燃料液を得る第1の工程と、最終的な液体燃料を得るための第2の工程とが分けられているため、例えば、予め第1の工程において中間燃料液を生成、貯蔵しておけば、液体燃料を燃料電池に供給するための燃料カートリッジを製造する時には、第2の工程のみを行うことで、当該燃料カートリッジに対して燃料電池に好適な液体燃料を充填することができる。
【0007】
また、本発明の液体燃料精製方法は、前記第1の工程が、前記液体燃料原液から金属成分を除去する金属成分除去工程と、前記金属成分が除去された液体燃料原液を希釈して前記中間燃料液を生成する中間燃料液生成工程とを有するようにしてもよい。
【0008】
また、本発明の液体燃料精製方法は、前記金属除去工程が、前記液体燃料原液に粒子の状態で存在する金属成分と、イオンの状態で存在する金属成分とを除去するようにしてもよい。
【0009】
また、本発明の液体燃料精製方法は、前記第1の工程が、金属成分除去後の前記液体燃料原液の金属成分濃度が所定値以上である場合に、更に、前記液体燃料原液に含まれる金属成分を除去するようにしてもよい。
【0010】
この構成によれば、液体燃料原液から金属成分を除去した後も、なお当該金属濃度が高い場合には、再度、第1の工程において金属成分の除去を行い、濃度を所定値にさせることが可能となる。
【0011】
本発明の液体燃料精製システムは、液体燃料原液から、金属成分が除去されて燃料濃度の調整された中間燃料液を生成し、該中間燃料液をタンクに貯蔵させる第1の設備と、前記タンクから送出される前記中間燃料液から金属成分を更に除去して液体燃料を精製する第2の設備とを有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の液体燃料精製システムは、前記第1の設備が、金属成分除去後の前記液体燃料原液の金属成分濃度が所定値以上である場合に、更に、前記液体燃料原液から金属成分を除去するようにしてもよい。
【0013】
また、本発明の液体燃料精製システムは、前記第1の設備が、並列に接続され、前記液体燃料原液から金属成分を除去する複数の第1の金属除去部と、前記複数の第1の金属除去部のうち、前記金属成分の除去に使用するものを切り替える第1の切り替え手段と、並列に接続され、前記中間燃料液を貯蔵する複数の前記タンクと、前記複数のタンクのうち、前記中間燃料液の貯蔵に使用するものを切り替える第2の切り替え手段とを有するようにしてもよい。
【0014】
この構成によれば、複数の第1の金属除去部やタンクの一方が交換等によって使用不可となる場合にも、他方の第1の金属除去部や貯蔵部により精製処理を継続することが可能となる。
【0015】
また、本発明の液体燃料精製システムは、前記第2の設備が、並列に接続され、前記タンクから送出される前記中間燃料液から金属成分を更に除去して液体燃料を精製する複数の第2の金属除去部と、前記複数の第2の金属除去部のうち、前記金属成分の除去に使用するものを切り替える第3の切り替え手段とを有するようにしてもよい。
【0016】
この構成によれば、複数の第2の金属除去部の一方が交換等によって使用不可となる場合にも、他方の第2の金属除去部により精製処理を継続することが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、第1の工程において、金属成分の除去と濃度調整がなされた中間燃料液が得られて貯蔵され、更に、第2の工程において、金属成分が除去されて燃料電池に好適な液体燃料を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態の液体燃料精製方法について、図面を用いて説明する。図1は、燃料電池に対する液体燃料としてのメタノールの供給に用いられる、燃料カートリッジの製造工程を示す図である。図1に示すように、燃料カートリッジの製造工程は、容器内異物除去工程10、容器組立工程20、メタノール精製工程30、充填密封工程40、充填量検査工程50、密封検査工程60、巻き締め工程70及び包装工程80からなる。
【0019】
容器内異物除去工程10では、ボトル内の異物を吸引すること等により、当該異物をボトル内から除去する。容器組立工程20では、容器内異物除去工程10を経たボトルをハードケースに収容した容器が組み立てられる。
【0020】
メタノール精製工程30では、液体燃料原液としてのメタノールを受け入れ、金属を除去するとともに、水により濃度が調整され、液体燃料としてのメタノールが精製される。本発明の実施の形態の液体燃料精製方法は、このメタノール精製工程30に対応する。
【0021】
図2は、液体燃料精製システムの構成を示す図である。図2に示す液体燃料精製システムは、第1の工程を担当する第1の設備に対応する受け入れボックス102、フィルタ104、地下貯蔵タンク106、金属除去部108−1乃至108−4、精製タンク110−1及び110−2、超純水供給部112、金属濃度検出部113、還流経路114、バルブ151乃至173、ポンプ181、182、183−1及び183−2と、第2の工程を担当する第2の設備に対応する金属除去部118−1及び118−2、ヘッドタンク120、バルブ174乃至177により構成される。これらのうち、金属除去部108−1乃至108−4が第1の金属除去部に対応し、バルブ155乃至162が第1の切り替え手段に対応し、精製タンク110−1及び110−2が貯蔵部に対応し、バルブ163、166、169及び171が第2の切り替え手段に対応する。また、金属除去部118−1及び118−2が第2の金属除去部に対応し、バルブ174乃至177が第3の切り替え手段に対応する。
【0022】
受け入れボックス102には、バルブ151を介して、液体燃料原液としてのメタノールが投入される。ここで、液体燃料原液としてのメタノールに含まれる金属の濃度は80乃至150[ppb]程度と高く、燃料電池の液体燃料として用いることはできない。
【0023】
フィルタ104は、ポンプ181及びバルブ152を介して、受け入れボックス102の後段に接続される。ポンプ181が受け入れボックス102内のメタノールを送り出すと、フィルタ104は、供給されるメタノールを濾過することによって、当該メタノールに含まれる異物を除去する。異物が除去されたメタノールは、バルブ153を介してフィルタ104の後段に接続された地下貯蔵タンク106に貯蔵される。この地下貯蔵タンク106は、内壁面に電解研磨が施されており、当該内壁面の部材がメタノールに溶出することが防止される。例えば、地下貯蔵タンク106の容量は、20[t]である。
【0024】
地下貯蔵タンク106の後段には、バルブ154及びポンプ182を介して、バルブ155、金属除去部108−1及びバルブ157と、バルブ156、金属除去部108−2及びバルブ158とが並列に接続され、更に、バルブ159、金属除去部108−3及びバルブ161と、バルブ160、金属除去部108−4及びバルブ152とが並列に接続されている。
【0025】
金属除去部108−1乃至108−4は、図示しないタンク、濾過器、及び、タンクの内壁面に形成されるイオン交換樹脂層により構成される。ポンプ182が地下貯蔵タンク106内のメタノールを送り出すと、金属除去部108−1及び108−2は、供給されるメタノールを濾過することによって、当該メタノール内に粒子の状態で存在する金属成分を除去する。また、金属除去部108−3及び108−4は、メタノール内にイオンの状態で存在する金属成分をイオン交換樹脂に吸着させることによって当該イオンの状態で存在する金属成分を除去する。
【0026】
これら金属除去部108−1及び108−2は、並列に接続されているため、一方が交換作業等によって使用不可となっても、他方によって金属成分の除去を継続することができる。例えば、金属除去部108−1を交換する場合には、バルブ155及び157を閉鎖し、バルブ156及び158を開放することによって、金属除去部108−2による金属成分の除去が行われる。
【0027】
同様に、金属除去部108−3及び108−4は、金属除去部108−1及び108−2の少なくとも一方から供給されるメタノールを濾過することによって、当該メタノール内に粒子の状態で存在する金属成分を除去する。また、金属除去部108−3及び108−4は、メタノール内にイオンの状態で存在する金属成分をイオン交換樹脂に吸着させることによって当該イオンの状態で存在する金属成分を除去する。これら金属除去部108−3及び108−4は、並列に接続されているため、一方が交換作業等によって使用不可となっても、他方によって金属除去を継続することができる。例えば、金属除去部108−3を交換する場合には、バルブ159及び161を閉鎖し、バルブ160及び162を開放することによって、金属除去部108−4による金属成分の除去が行われる。
【0028】
金属除去部108−1乃至108−4による金属成分の除去が行われることによって、例えば、メタノールに含まれる金属の濃度は20[ppb]程度まで低減される。
【0029】
バルブ161及び162の後段には、バルブ163、精製タンク110−1及びバルブ169と、バルブ166、精製タンク110−2及びバルブ171とが並列に接続されている。また、これら精製タンク110−1及び110−2には、超純水供給部112がそれぞれバルブ164及び165を介して接続されるとともに、濃度検出部113が接続されている。更に、精製タンク110−1及び110−2には、内部の液体を抜くためのバルブ168及び170が接続されている。
【0030】
精製タンク110−1及び110−2は、金属除去部108−1乃至108−4によって金属成分が除去されたメタノールを貯蔵する。これら精製タンク110−1及び110−2の内壁面には電解研磨が施されており、当該内壁面の部材がメタノールに溶出することが防止される。例えば、精製タンク110−1及び110−2の容量は、3[t]である。
【0031】
濃度検出部113は、精製タンク110−1及び110−2内のメタノールに含まれる金属成分の濃度(金属成分濃度)を検出する。検出された金属成分濃度は、例えば、濃度検出部113が接続されたパーソナルコンピュータのモニタ等に表示され、作業者が認識することができる。検出された金属成分濃度が所望する値よりも大きい場合には、前段の金属除去部108−1乃至108−4による金属成分の除去が十分に行われなかったということである。この場合には、バルブ168及びバルブ170が閉鎖され、バルブ169及び171が開放された状態で、バルブ169及び171の後段に接続されたポンプ183−1による精製タンク110−1及び110−2内のメタノールの送り出しが行われ、更に、ポンプ183−1の後段に接続されたバルブ172が開放されることによって、還流経路114を介して、精製タンク110−1及び110−2内のメタノールが金属除去部108−1及び108−2に還流され、再度、金属除去部108−1乃至108−4による金属成分の除去が行われる。
【0032】
一方、検出された金属成分濃度が所望する値以下である場合には、超純水供給部112は、精製タンク110−1及び110−2に、バルブ164及び165を介して超純水を供給する。ここで、超純水は、金属濃度が所定値まで低減されたものが用いられる。超純水の供給により、これら精製タンク110−1及び110−2内のメタノールが希釈され、所定の濃度、例えば、法律で劇物であるとみなされない濃度に調整された中間燃料液としてのメタノールが得られ、貯蔵される。
【0033】
その後は、バルブ169及び171が閉鎖され、バルブ168及びバルブ170が開放された状態で、バルブ168及びバルブ170の後段に接続されたポンプ183−2による精製タンク110−1及び110−2内の中間燃料液としてのメタノールの送り出しが行われ、更に、ポンプ183−2の後段に接続されたバルブ173が開放されることによって、中間燃料液としてのメタノールがバルブ173の後段に送り出される。バルブ173の後段には、バルブ174、金属除去部118−1及びバルブ176と、バルブ175、金属除去部118−2及びバルブ177とが接続されている。金属除去部118−1乃至118−2は、図示しないタンク及び濾過器により構成され、精製タンク110−1及び110−2の少なくとも一方からから供給される中間燃料液としてのメタノールを濾過することによって、当該メタノール内に粒子の状態で存在する金属成分を除去する。これら金属除去部118−1及び118−2は、並列に接続されているため、一方が交換作業等によって使用不可となっても、他方によって金属除去を継続することができる。例えば、例えば、金属除去部118−1を交換する場合には、バルブ174及び176を閉鎖し、バルブ175及び177を開放することによって、金属除去部118−2による金属成分の除去が行われる。金属除去部118−1乃至118−2による金属除去が行われることによって、例えば、メタノールに含まれる金属の濃度は1[ppb]以下程度まで低減される。
【0034】
このようにしてメタノールの精製が行われ、液体燃料として好適なメタノールが得られた後、図1に示す充填密封工程40に移行する。図2において、バルブ176及び177の後段には、ヘッドタンク120が接続されている。ヘッドタンク120は、金属除去部118−1乃至118−2から供給されるメタノールを貯蔵する。このヘッドタンク120の内壁面は、不動態化処理が施されており、当該内壁面の部材がメタノールに溶出することが防止される。更に、ヘッドタンク120の後段には、定量シリンダ122が接続されている。定量シリンダ122は、容器200の1本分のメタノールをヘッドタンク120から受け入れ、テフロン(登録商標)チューブ124を介して、ボトルに充填する。この定量シリンダ122の内壁面は、PEEK(ポリ・エーテル・エーテル・ケトン)樹脂により形成されており、当該内壁面の部材がメタノールに溶出することが防止される。
【0035】
更に、充填密封工程40では、容器200の口部にカップラーが配置され、当該口部に挿入される。その後、カップラーの有無が検査される。カップラーが容器200に取り付けられている場合には、当該カップラーにコンテナノズルが被せられる。その後、コンテナノズルと容器200のハードケースとが仮締めされ、更に本締めされる。これにより、容器200、カップラー及びコンテナノズルからなる燃料カートリッジ本体が完成する。
【0036】
図3は、燃料カートリッジ本体の拡大断面図である。ボトル210がハードケース215に収容されることで容器200が構成され、当該ボトル210の口部先端には、バルブ220が配置される。バルブホルダ230は、環状の部材であり、バルブ220の下部を挿入するバネ250の下端を支持する。カートリッジベース240は、環状の部材であり、バルブホルダ230を嵌合して支持するとともに、バルブ220を、当該バルブ220の上部との間にわずかな隙間が生じるように収容する。バネ250は、バルブ220の下部を挿入し、下端がバルブホルダ230により支持されることによって、バルブ220を上方に付勢する。
【0037】
Oリング260は、ゴムによって形成された環状部材であり、バルブホルダ230の側面に形成された凸部234とボトル210の上端との間に挿入され、バルブホルダ230を固定する。Oリング270は、同様にゴムによって形成された環状部材であり、下部がバネ250によって上方に付勢されたバルブ220の側面に形成された凸部222に当接し、上部がカートリッジベース240に当接することによってバルブ220を固定する。
【0038】
カップラーは、上述したバルブ220、バルブホルダ230、カートリッジベース240、バネ250、Oリング260及びOリング270によって構成される。コンテナノズル202は、ハードケース215に巻き締められることによって、カップラーを固定する。
【0039】
燃料カートリッジ本体は、通常は、バルブ220がバネ250によって口部の先端の側に付勢されているため、Oリング270とバルブ220の凸部222との間に隙間が生じず、ボトル210の内部は、密封された状態となる。一方、燃料電池にメタノールが供給される場合には、燃料電池側に設けられた凸部によって、バルブ220は先端とは反対の側(図3の下方)に押圧され、バルブホルダ230の底部232に当接するまで移動する。この際、Oリング270とバルブ220の凸部222との間に隙間が生じる。これによって、ボトル210の内部と外部とが通気した状態となり、ボトル210の内部に充填されたメタノールが燃料電池に流れ込むことになる。
【0040】
再び、図1に戻って説明する。充填量検査工程50では、メタノールが充填された燃料カートリッジ本体の重量が測定され。重量が予め定められた範囲内にない燃料カートリッジ本体は、充填されたメタノールに過不足があるものとみなされ、不良品として排出される。
【0041】
燃料カートリッジ本体の重量が予め定められた範囲内である場合には、密封検査工程60に移行する。この密封検査工程60では、燃料カートリッジ本体をチャンバ内の密閉された空間(密閉空間)に収容し、当該密閉空間の空気の吸引が行われ、更に、所定の装置によって密閉空間の気圧が検出される。この際、燃料カートリッジ本体を構成するボトル210の内部が密封された状態であれば、密閉空間の気圧は所定値に維持される。一方、ボトル210とカップラーとの間に隙間が生じていたり、ボトル210に穴が開いていること等によって、ボトル210に漏れが生じている場合には、ボトル210の内部と密閉空間とが通気した状態となり、ボトル210の内部の気体の漏れによって密閉空間の気圧が増加する。従って、密閉空間の気圧が維持されていれば、燃料カートリッジ本体は良品であると判定され、気圧が増加すれば、燃料カートリッジ本体は不良品であると判定される。
【0042】
なお、密封検査工程60では、所定の装置によって密閉空間に漏洩したメタノールを検出してもよい。この場合には、メタノールが検出された場合には、当該メタノールはボトル210の内部から漏洩したものであるから、不良品であると判定される。
【0043】
ボトル210の内部が密封された状態でない、すなわち、燃料カートリッジ本体が不良品である場合には、当該燃料カートリッジは排出される。一方、ボトル210の内部が密封された状態である、すなわち、燃料カートリッジ本体が良品である場合には、キャップ巻き締め工程70に移行する。キャップ巻き締め工程70では、容器200の口部にキャップが被せられる。その後、キャップの有無が検査される。キャップが口部に被せられている場合には、当該キャップとコンテナノズル290とが仮締めされ、更に本締めされる。その後、包装工程80では、燃料カートリッジ本体300の底部への印字、側面へのステッカの貼付等が行われて、燃料カートリッジが完成し、更に、当該燃料カートリッジの箱詰めが行われる。
【0044】
このように、本実施形態では、第1の工程を担当する第1の設備が、液体燃料原液としてのメタノールに対して、金属成分の除去と濃度調整とを行って得た中間燃料液としてのメタノールを貯蔵し、更に、第2の工程を担当する第2の設備が、中間燃料液としてのメタノールから金属成分を除去し、液体燃料として好適なメタノールを得る。また、中間燃料液としてのメタノールを得る第1の工程と、最終的な液体燃料としてのメタノールを得るための第2の工程とが分けられているため、例えば、予め第1の工程において中間燃料液としてのメタノールを貯蔵しておけば、液体燃料を充填した燃料カートリッジを製造する時には、第2の工程のみを行うことで、好適な液体燃料としてのメタノールを充填することができる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
以上のように、本発明に係る液体燃料精製方法及び液体燃料精製システムによれば、燃料電池に好適な液体燃料の精製が可能であり、液体燃料精製方法等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】メタノールを充填したボトルの製造工程を示す図である。
【図2】液体燃料精製システムに構成を示す図である。
【図3】燃料カートリッジ本体の拡大断面図である。
【符号の説明】
【0047】
102 受け入れボックス
104 フィルタ
106 地下貯蔵タンク
108−1乃至108−4、118−1及び118−2 金属除去部
110−1、110−2 精製タンク
112 超純水供給部
113 金属濃度検出部
114 還流経路
120 ヘッドタンク
151乃至177 バルブ
181、182、183−1、183−2 ポンプ
【出願人】 【識別番号】000003768
【氏名又は名称】東洋製罐株式会社
【出願日】 平成18年8月15日(2006.8.15)
【代理人】 【識別番号】100097205
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 正樹


【公開番号】 特開2008−45021(P2008−45021A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−221376(P2006−221376)