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【発明の名称】 燃料油添加剤組成物及びこれを含有する燃料油組成物
【発明者】 【氏名】杉浦 由紀

【氏名】並木 直人

【要約】 【課題】良好な潤滑性・溶解性を持ち、未洗実在ガム量の少ない燃料油添加剤組成物、及びそれらの燃料油添加剤組成物を含有した燃料油組成物を提供する。

【構成】下記の一般式(1)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の一般式(1)
【化1】


(Rは炭素数6〜20の炭化水素基を表す。)
で表される化合物(A)と、下記の一般式(2)
【化2】


(R’及びR”はそれぞれ炭素数6〜20の炭化水素基を表す。)
で表される化合物(B)が、(A)/(B)=1/1〜9/1(質量比)の割合で含有していることを特徴とする燃料油添加剤組成物。
【請求項2】
前記一般式(1)及び(2)において、R,R’及びR”のいずれも炭素数8〜18の直鎖アルキル基であることを特徴とする請求項1に記載の燃料油添加剤組成物。
【請求項3】
請求項1または2に記載の燃料油添加剤組成物を0.001〜1質量%含有することを特徴とする燃料油組成物。
【請求項4】
燃料油がガソリンまたは軽油であることを特徴とする請求項3に記載の燃料油組成物。
【請求項5】
燃料油の硫黄含量が50質量ppm以下であることを特徴とする請求項3または4に記載の燃料油組成物。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、金属を含まず、良好な潤滑性・溶解性を持ち、未洗実在ガム量の少ない燃料油添加剤組成物、及びそれらの燃料油添加剤組成物を含有した燃料油組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車、船舶、航空機等のほとんどは、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関が使用されており、これらの内燃機関を動かす動力源として、ガソリン、軽油、重油、灯油等の燃料油が使用されている。しかしながら、地球温暖化に代表される環境問題への関心の高まりから、これらの内燃機関から排出される排気ガスが、大気汚染の要因の一つであると指摘され、排出量削減をはじめとした様々な規制が行われている。
【0003】
排気ガスの中には、二酸化炭素、窒素酸化物、硫黄酸化物等、環境に悪影響を与えると考えられる物質が数多く含まれている。こうした物質のいくつかは、例えば、自動車の排ガス触媒等によって取り除かれ、環境に放出されないようになっている。しかし、全ての物質を取り除くことはできず、且つ、排気ガスの絶対量が莫大な量であることから、排気ガスそのものを削減するというのが大きな課題であった。
【0004】
排気ガスを削減するために、例えば、有機モリブデン等の摩擦低減剤を潤滑油に添加することが知られている。これらは内燃機関の稼動部分の摩擦抵抗を下げることにより、エネルギー損失を少なくし、燃料の消費量を減らして排気ガスを削減するものである。また同様に、燃料油中に摩擦低減剤を添加して、同様の効果を引き出そうとするものもあった。
【0005】
こうした燃料油用の摩擦低減剤としては、例えば、エステル・アミド系の添加剤(例えば、特許文献1,2,3を参照)や、金属系の添加剤(例えば、特許文献4,5を参照)が知られている。しかし、エステル結合、及びアミド結合を持つ化合物は、ガソリン等の燃料に添加すると未洗実在ガムと呼ばれる残留物が多くなる場合があった。未洗実在ガムとは燃料の添加剤由来の蒸発残留物であり、未洗実在ガムが多いとフィルターやバルブ等の目詰まりの原因となる。更にエステル系の化合物は、劣化によって発生する脂肪酸により、金属を化学的に磨耗させる場合もあった。また、金属系の添加剤は燃焼により金属酸化物となり、排ガス触媒を被毒する場合や、屋外に放出されて環境に悪影響を与える場合があった。更に、こうした燃料油用の添加剤の中には、ガソリンへの溶解性が悪く、極低温下において析出してくる問題もあった。
【0006】
【特許文献1】特開平7−026276号公報
【特許文献2】特開平11−310783号公報
【特許文献3】特開2002−30927号公報
【特許文献4】特開2002−302686号公報
【特許文献5】特開2003−027073号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明が解決しようとする課題は、金属を含まず、良好な潤滑性・溶解性を有し、未洗実在ガム量の少ない燃料油組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで本発明者等は鋭意検討した結果、金属を含まず、良好な潤滑性・溶解性を有し、且つ未洗実在ガム量の少ない燃料油用の添加剤を見出し、本発明に至った。即ち、本発明は、下記の一般式(1)
【0009】
【化1】


【0010】
(Rは炭素数6〜20の炭化水素基を表す。)
で表される化合物(A)と、下記の一般式(2)
【0011】
【化2】


【0012】
(R’及びR”はそれぞれ炭素数6〜20の炭化水素基を表す。)
で表される化合物(B)が、(A)/(B)=1/1〜9/1(質量比)の割合で含有していることを特徴とする燃料油添加剤組成物である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の効果は、磨耗を低減させ、金属を含まず、良好な潤滑性・溶解性を有し、未洗実在ガム量の少ない燃料油組成物を提供したことにある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
前記一般式(1)及び一般式(2)において、R、R’及びR”はそれぞれ炭素数6〜20の炭化水素基を表わし、例えば、ヘキシル基、2級ヘキシル基、ヘプチル基、2級ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、2級オクチル基、ノニル基、2級ノニル基、デシル基、2級デシル基、ウンデシル基、2級ウンデシル基、ドデシル基、2級ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、2級トリデシル基、テトラデシル基、2級テトラデシル基、ヘキサデシル基、2級ヘキサデシル基、ステアリル基、エイコシル基等のアルキル基;ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、テトラデセニル基、オレイル基等のアルケニル基;フェニル基、トルイル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ベンジル基、フェネチル基、スチリル基、シンナミル基、ベンズヒドリル基、トリチル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基等のアリール基;メチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、メチルシクロペンテニル基、メチルシクロヘキセニル基、メチルシクロヘプテニル基等のシクロアルキル基等が挙げられる。
【0015】
これらの炭化水素基の中でも、未洗実在ガムの発生量が少ないことから、不飽和結合のないアルキル基やシクロアルキル基が好ましく、摩擦係数を下げる効果が高いことからアルキル基がより好ましく、アルキル基の中でも直鎖のアルキル基が更に好ましい。また、Rの炭素数は8〜18が好ましく、10〜18がより好ましく、12〜18が更に好ましい。炭素数が6未満の場合は摩擦係数を下げる効果に劣り、炭素数が20を超えると未洗実在ガムが大量に発生する場合や、燃料油への溶解性が悪化する場合がある。
【0016】
ここで未洗実在ガムについて詳しく説明する。燃料油は酸化劣化等によりガム状物質が生成し、燃料フィルターやバルブ等の目詰まりの原因になる等の問題を生じる場合がある。そこで燃料油から発生するガム量を規制するため、JISにより未洗実在ガム量は20mg/100ml以下と定められており、未洗実在ガムを発生しやすい化合物は多くの量を添加できない。実際、燃料油に添加剤を配合するときは、未洗実在ガム量に合わせて添加剤の添加量を定める場合が多い。こうした未洗実在ガムの原因となる物質のほとんどが燃料油に添加される添加剤であり、エステル結合やアミド結合、不飽和結合等の結合を持つ化合物や、分子量の大きい化合物は未洗実在ガムを発生させやすいことが知られ、特にエステル結合やアミド結合を持つ化合物は未洗実在ガムの発生量が多い。
【0017】
一般式(2)において、R’及びR”は炭素数6〜20の炭化水素基を表す。これらの炭化水素基としては、上記Rと同様の炭化水素基が挙げられ、これらの炭化水素基の中でも、未洗実在ガムの発生量が少ないことから、不飽和結合のないアルキル基やシクロアルキル基が好ましく、摩擦係数を下げる効果が高いことからアルキル基がより好ましく、アルキル基の中でも直鎖のアルキル基が更に好ましい。また、炭素数は8〜18が好ましく、10〜18がより好ましく、12〜18が更に好ましい。炭素数が6未満の場合は摩擦係数を下げる効果に劣り、炭素数が20を超えると未洗実在ガムが大量に発生する場合や、燃料油への溶解性が悪化する場合がある。また、合成上及びコスト上の理由からR’とR’’は同じ炭化水素基であってもよい。
【0018】
一般式(1)の化合物を製造する方法は既存の製造方法のいずれを使用してもよく、1,2−エポキシアルカンを低級脂肪酸でエステル化した後、加水分解する方法、アルカリ金属水酸化物若しくはカルボン酸のアルカリ金属塩を触媒として1,2−エポキシアルカンを加水分解する方法、1,2−エポキシアルカンをケトン又はアルデヒドで1,3−ジオキソラン化した後、加水分解する方法、亜臨界状態の水で1,2−エポキシアルカンを加水分解する方法、有機アミンの有機酸塩を触媒として1,2−エポキシアルカンを加水分解する方法等が挙げられる。これらの中でも、収率が高く比較的容易に製造できることから、1,2−エポキシアルカンを低級脂肪酸でエステル化した後、加水分解する方法が好ましい。
【0019】
一般式(2)の化合物を製造する方法は既存の製造方法のいずれを使用してもよく、例えば、2モルの1,2−アルカンジオールを脱水反応させる方法、1,2−エポキシアルカンと1,2−アルカンジオールを反応させる方法等が挙げられる。これらの中でも、反応が容易なことから、1,2−エポキシアルカンと1,2−アルカンジオールを反応させる方法が好ましい。なお、1,2−アルカンジオールを製造する方法は、上記の方法を用いればよい。
【0020】
本発明の燃料油添加剤組成物は、一般式(1)で表される化合物(A)と一般式(2)で表される化合物(B)が、(A)/(B)=1/1〜9/1(質量比)の割合で含有したものであるが、潤滑性及び燃料油への溶解性のバランスから、(A)/(B)=7/3〜9/1(質量比)の割合で含有したものが好ましい。(A)/(B)=1/1(質量比)より化合物(A)の含有割合が少ないと、配合した燃料油の潤滑性が劣り、(A)/(B)=9/1(質量比)より化合物(A)の含有割合が多いと、燃料油への溶解性に劣るため好ましくない。
【0021】
本発明の燃料油組成物は、燃料油に本発明の燃料油添加剤組成物を含有したものである。本発明の燃料油組成物に使用できる燃料油としては、内燃機関で燃料として使用できる液体の燃料油であればいずれでもよく、例えば、ガソリン、軽油、重油、灯油、ジェット燃料、脂肪酸メチルエステル等のバイオ燃料等が挙げられる。これらの中でも、自動車の燃料として使用されるガソリン又は軽油が好ましく、ガソリンがより好ましい。
【0022】
また、燃料油として使用するガソリンや軽油は近年、環境負荷の面から硫黄含量を低減させている場合があるが、硫黄元素は耐磨耗剤として働くことから、低硫黄燃料油を使用するとエンジン内部の磨耗が促進されるという問題がある。本発明の燃料油添加剤組成物をこうした低硫黄燃料油に添加すると、エンジン内部の磨耗を防ぐことができるので、低硫黄燃料油を本発明の燃料油組成物の燃料油として使用することは、耐磨耗という観点から大きな効果がある。本発明の燃料油添加剤組成物が耐磨耗剤として効果を発揮する低硫黄燃料油としては、硫黄含量が50質量ppm以下の燃料油が好ましく、30質量ppm以下の燃料油がより好ましい。更に、燃料油がガソリンの場合は、硫黄含量が10質量ppm以下のガソリンを使用することで、より顕著な効果を発揮する。
【0023】
本発明の燃料油添加剤組成物は、得られる燃料油組成物全体に対して、0.001〜1質量%含有することが好ましく、0.001〜0.5質量%がより好ましく、0.001〜0.1質量%が更に好ましい。添加量が0.001質量%未満になると、添加量が少なすぎて効果が表れない場合があり、添加量が1質量%を超えると、未洗実在ガムやスラッジの原因となってエンジン内部が汚れる場合があるため好ましくない。
【0024】
本発明の燃料油組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲内で他の成分を含有してもよい。その他の添加量は、0.001〜1質量%の範囲内で、0.01〜0.5質量%がより好ましい。その他の添加剤としては、例えば、テトラエチル鉛、テトラメチル鉛、ビスシクロペンタンジフェニル鉄等のアンチノック剤;メチルターシャリブチルエーテル、メチルターシャリアミルエーテル等のオクタン価向上剤;硝酸ヘプチル、硝酸オクチル、硝酸シクロヘキシル等のセタン価向上剤;トリブチルホスファイト、トリメチルホスファイト、トリクレジルホスフェート、トリシクロヘキシルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリメチルホスフェート、メチルフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルボロネート、ブチルジイソブチルボロネート等の表面着火防止剤;トリクレジルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリス(クロロエチル)ホスフェート、ポリブテン、ポリプロピレン等の堆積物改良剤;N,N'−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジオクチル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジターシャリブチルフェノール、2,6−ジターシャリブチル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−ターシャリブチルフェノール等の酸化防止剤;エチレンジアミン、N,N'−ジサリチリデン−1,2−ジアミノプロパン、N,N'−ジサリチリデン−2−シクロヘキサンジアミン、N,N'−ジサリチリデンエチレンジアミン、N,N'−ビス(ジメチルサリチリデン)エチレンジアミン、N,N'−ビス(ジメチルサリチリデン)エチレンテトラミン、サリチルアルドキシム等の金属不活性化剤;リン酸アミド、アミノアルカン類、アルキルアミンリン酸エステル、ポリエーテルアミン、ポリブテニルアミン等の清浄剤;氷結防止剤、腐食防止剤、微生物殺菌剤、帯電防止剤、流動性向上剤、染料等を適宜添加することができる。但し、これらの添加剤を添加する場合には、金属を含有した添加剤の使用をできる限り避けるのが好ましい。なお、これらのその他の添加剤は1種または2種以上を併用することができる。
【実施例】
【0025】
以下、本発明を実施例により本発明を更に具体的に説明する。尚、以下の実施例において、「%」及び「ppm」は、特に記載がない限り、質量基準である。
以下に示す添加剤を表1、表2に示す配合に従って、市販のレギュラーガソリンに配合して試験を実施した。
【0026】
<添加剤>
(A−1:本発明品)1,2−ドデカンジオール:50質量%
ビス(2−ヒドロキシドデシル)エーテル:50質量%
(A−2:本発明品)1,2−ドデカンジオール:80質量%
ビス(2−ヒドロキシドデシル)エーテル:20質量%
(A−3:本発明品)1,2−ドデカンジオール:90質量%
ビス(2−ヒドロキシドデシル)エーテル:10質量%
(A−4:本発明品)1,2−デカンジオール:80質量%
ビス(2−ヒドロキシデシル)エーテル:20質量%
(A−5:本発明品)1,2−テトラデカンジオール:80質量%
ビス(2−ヒドロキシテトラデシル)エーテル:20質量%
(A−6:本発明品)1,2−ヘキサデカンジオール:80質量%
ビス(2−ヒドロキシヘキサデシル)エーテル:20質量%
(A−7:本発明品)1,2−オクタデカンジオール:80質量%
ビス(2−ヒドロキシオクタデシル)エーテル:20質量%
【0027】
(B−1:比較品)モノドデシルグリセリルエステル
(B−2:比較品)モノオレイルグリセリルエステル
(B−3:比較品)モノオレイン酸ジエタノールアミド
(B−4:比較品)ビス(2−ヒドロキシドデシル)エーテル:100質量%
(B−5:比較品)1,2−ヘキサデカンジオール:100質量%
(B−6:比較品)1,2−ドデカンジオール:100質量%
(B−7:比較品)1,2−ドデカンジオール:20質量%
ビス(2−ヒドロキシドデシル)エーテル:80質量%
(B−8:比較品)1,2−ブタンジオール:80質量%
ビス(2−ヒドロキシブチル)エーテル:20質量%
(B−9:比較品)1,2−ドコサンジオール:80質量%
ビス(2−ヒドロキシドコシル)エーテル:20質量%
(B−10:比較品)1,2−ドデカンジオール:30質量%
ビス(2−ヒドロキシドデシル)エーテル:70質量%
(B−11:比較品)1,2−ドデカンジオール:95質量%
ビス(2−ヒドロキシドデシル)エーテル:5質量%
【0028】
<潤滑性試験1>
上記添加剤を表1に示す配合に従って、市販のレギュラーガソリンに配合して試験を実施した。配合した燃料油の潤滑性は、HFRR試験(PCSインスツルメンツ社製)により摩擦係数を測定した。
なお、試験に使用した燃料油は、オクタン価90、硫黄含量10質量ppmの市販レギュラーガソリンを使用した。
【0029】
試験機:HFRR試験機(PCSインスツルメンツ社製)
試験温度:25℃
荷重:200g
周波数:50Hz
ストローク長さ:1mm
試料量:0.2ml
【0030】
<潤滑性、未洗実在ガム量試験>
上記添加剤を表1に示した配合で調整し、JIS K2261の規定で定められた方法を用いて未洗実在ガム量を測定した。即ち、100mlのビーカーに試料油を入れ、このビーカーを155℃±5℃の蒸発浴に入れた。続いて、ここに空気噴射装置で160−165℃の熱風を30分間噴射し、試料を蒸発させ、デシケータで2時間以上放置して残渣物について秤量した。この結果を表1に示す。
【0031】
<溶解性試験>
潤滑性試験で使用した市販のレギュラーガソリンに上記添加剤を表2に示した各量で配合し、溶解性試験を行った。即ち、各添加剤を配合して25℃で1時間攪拌した後、10℃で1日静置し、目視で沈殿の有無を確認した。この結果を表2に示す。完全に溶解し、沈殿がなかったものには○、沈殿が生じたものについて×で示す。
【0032】
【表1】


【0033】
【表2】


【0034】
表1から、比較例であるエステル系及びアミド系の添加剤を添加したガソリン(B−1〜3)では、摩擦係数の低下はある程度見られるものの、未洗実在ガム量については本発明品である1,2−アルカンジオールと比較して大きな値を示すことがわかる。そして、エーテル系の添加剤を添加したガソリン(B−4)では100質量ppmでは摩擦係数の低下はほとんど見られない。また、1,2−アルカンジオール100質量%品(B−5,6)は、摩擦係数及び未洗実在ガム量共に良好な値を示すが、表2から、溶解性が悪いことがわかる。
【0035】
<潤滑性試験2>
燃料油の種類を変え、上記潤滑性試験1と同様の試験機器を使用して、同様の条件で試験を行い、試験片の磨耗痕を測定した。使用した燃料油は上記の市販ガソリン(硫黄含量10質量ppm)に、含硫黄化合物としてチオフェンを添加して、硫黄含量を30質量ppm、50質量ppm、70質量ppm、90質量ppmに調整したガソリンである。これらのガソリンにA−6の燃料油添加剤組成物を100質量ppm添加して試験を行い、A−6を添加した場合の磨耗痕径を、添加しなかった場合の磨耗痕で割って、添加したときの低減率を求めた。低減率が低いほど、添加剤が効果的に機能していることを表す。結果を表3に示す。
【0036】
【表3】


【0037】
以上のように、本発明の燃料油添加剤組成物を添加すると磨耗を低減させる効果が得られ、硫黄含量が低いほど(特に50質量ppm以下)その効果は顕著にあらわれる。
【出願人】 【識別番号】000000387
【氏名又は名称】株式会社ADEKA
【出願日】 平成18年8月4日(2006.8.4)
【代理人】 【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治

【識別番号】100084010
【弁理士】
【氏名又は名称】古川 秀利

【識別番号】100094695
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 憲七

【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順

【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏


【公開番号】 特開2008−37979(P2008−37979A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−212937(P2006−212937)