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消化ガス中のシロキサン類の除去装置及び方法 - 特開2008−1811 | j-tokkyo
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【発明の名称】 消化ガス中のシロキサン類の除去装置及び方法
【発明者】 【氏名】西澤 正俊

【氏名】小松 英幸

【氏名】松井 徹

【氏名】山田 昭捷

【氏名】伊藤 勝啓

【要約】 【課題】消化ガス中の有機シリカ化合物の成分が多く含まれても、ほぼ100%除去することができる消化ガス中のシロキサン類の除去装置及び方法を提供すること。

【構成】本発明のシロキサン類の除去装置及び方法は、シロキサン類を含有する消化ガスを、吸着剤を充填した充填塔を通過させて前記シロキサン類を前記吸着剤により吸着除去処理するシロキサン類の除去装置及び方法において、前記吸着剤が、比表面積500m2/g以上であり、細孔分布ピークが10〜30Åの範囲にあり、かつアルカリ処理された活性炭であることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シロキサン類を含有する消化ガスを、吸着剤を充填した充填塔を通過させて前記シロキサン類を前記吸着剤により吸着除去処理するシロキサン類の除去装置において、
前記吸着剤が、比表面積500m2/g以上であり、細孔分布ピークが10〜30Åの範囲にあり、かつアルカリ処理された活性炭であることを特徴とする消化ガス中のシロキサン類の除去装置。
【請求項2】
シロキサン類を含有する消化ガスを、吸着剤を充填した充填塔を通過させて前記シロキサン類を前記吸着剤により吸着除去処理するシロキサン類の除去装置において、
前記吸着剤が、比表面積500m2/g以上であり、細孔分布ピークが10〜30Åの範囲にあり、かつpHが8.0以上12.0以下の活性炭であることを特徴とする消化ガス中のシロキサン類の除去装置。
【請求項3】
シロキサン類を含有する消化ガスを、吸着剤と接触させて前記シロキサン類を前記吸着剤により吸着除去処理するシロキサン類の除去方法において、
前記吸着剤が、比表面積500m2/g以上であり、細孔分布ピークが10〜30Åの範囲にあり、かつアルカリ処理された活性炭であることを特徴とする消化ガス中のシロキサン類の除去方法。
【請求項4】
シロキサン類を含有する消化ガスを、吸着剤と接触させて前記シロキサン類を前記吸着剤により吸着除去処理するシロキサン類の除去方法において、
前記吸着剤が、比表面積500m2/g以上であり、細孔分布ピークが10〜30Åの範囲にあり、かつpHが8.0以上12.0以下の活性炭であることを特徴とする消化ガス中のシロキサン類の除去方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は下水汚泥、都市ごみ、またはし尿汚泥、生ごみ等を嫌気性醗酵させて発生したバイオガスなどからなる消化ガスをガスエンジンやボイラなどに有効利用する場合において、バイオガスを精製し、燃料として利用することができる消化ガス中のシロキサン類の除去装置及び方法に関し、詳しくは、例えばメタン醗酵バイオガスなどの消化ガス中のシロキサン類(有機シリカ化合物)の成分が多く含まれても、ほぼ100%を除去することができ、長期にわたって高い効率を保つことができる消化ガス中のシロキサン類の除去装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エネルギー資源の有効利用を図る観点から、下水汚泥、都市ごみ、またはし尿汚泥、生ごみ等を嫌気性醗酵させて発生したバイオガスの積極的な利用が進められており、バイオガスをボイラ燃料に利用したり、エンジンに使用して発電したりする技術の開発が進められている。
【0003】
しかしながら、バイオガス中、特に下水汚泥消化工程から発生するバイオガス中には、シリコーンの構成物質であるシロキサン類がガス状で存在し、バイオガスに同伴することから、ガスの燃焼により固体の酸化ケイ素となり、エンジン室の弁などにシリカ結晶物として付着し、弁の開閉を妨げ異常燃焼を起こしたり、あるいは潤滑油中に混入して、シリンダーの磨耗を早めるなどエンジンの耐久性に支障をきたし、メンテナンスに必要な期間が短くなったり、補修費用の増加を招いたりする問題があった。
【0004】
またガスエンジンには、一般にNOx対策として三元触媒、卑金属系触媒などによる脱硝設備が設けられている。シロキサン類、または燃焼によって生成した、ヒューム状の酸化ケイ素は、この触媒に作用し、触媒細孔内や表面で酸化し、SiO2が触媒細孔内部や触媒表面を覆うことから、急速な触媒の劣化を招く問題があった。
【0005】
したがって、消化ガスの有効利用においては、これらの問題を解決する必要があり、そのためには、バイオガス中のシロキサン類の確実な除去が求められる。
【0006】
バイオガス中のシロキサン類の除去技術としては、活性炭による吸着技術が知られている(特許文献1−7)。
【特許文献1】特開平2002−371083号公報 細孔径10〜20Å、細孔容積0.1cc/g以上、比表面積500m2/g以上の活性炭。
【特許文献2】特開平2002−58996号公報 細孔径10〜20Åの細孔容積0.1cc/g以上、比表面積500m2/g以上の活性炭。
【特許文献3】特開平2002−60767号公報 細孔径10〜20Åの細孔容積0.1cc/g以上、比表面積500m2/g以上の活性炭。
【特許文献4】特開平2005−61597号公報 細孔径平均7〜20Åの細孔容積0.2cc/g以上、比表面積500m2/g以上の活性炭。
【特許文献5】特開平2003−225525号公報 細孔径20〜40Å、10Å以下の細孔容積0.2cc/g以上の活性炭。
【特許文献6】特開平2005−177737号公報 細孔径平均24〜35Å、細孔容積0.65〜1.4cc/g以上の活性炭。
【特許文献7】特開平2005−46755号公報 細孔径20〜40Å、細孔径10Å以下の細孔容積0.2cc/g以上の活性炭。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1−7は、シロキサンの吸着容量が大きなものを選択使用する観点で、活性炭の細孔径と細孔容積を評価要素として規定している。
【0008】
しかし、本発明者は、活性炭の従来の評価要素に加え、吸着容量の高い吸着剤の選定の要素として、吸着剤のpHの影響について研究を継続したところ、特定pH範囲を有する活性炭を使用することにより、消化ガス中の有機シリカ化合物の成分をほぼ100%除去することができることを見出し、本発明に至ったものである。
【0009】
そこで、本発明の課題は、消化ガス中の有機シリカ化合物の成分が多く含まれても、ほぼ100%除去することができる消化ガス中のシロキサン類の除去装置及び方法を提供することにある。
【0010】
また本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
【0012】
(請求項1)
シロキサン類を含有する消化ガスを、吸着剤を充填した充填塔を通過させて前記シロキサン類を前記吸着剤により吸着除去処理するシロキサン類の除去装置において、前記吸着剤が、比表面積500m2/g以上であり、細孔分布ピークが10〜30Åの範囲にあり、かつアルカリ処理された活性炭であることを特徴とする消化ガス中のシロキサン類の除去装置。
【0013】
(請求項2)
シロキサン類を含有する消化ガスを、吸着剤を充填した充填塔を通過させて前記シロキサン類を前記吸着剤により吸着除去処理するシロキサン類の除去装置において、前記吸着剤が、比表面積500m2/g以上であり、細孔分布ピークが10〜30Åの範囲にあり、かつpHが8.0以上12.0以下の活性炭であることを特徴とする消化ガス中のシロキサン類の除去装置。
【0014】
(請求項3)
シロキサン類を含有する消化ガスを、吸着剤と接触させて前記シロキサン類を前記吸着剤により吸着除去処理するシロキサン類の除去方法において、前記吸着剤が、比表面積500m2/g以上であり、細孔分布ピークが10〜30Åの範囲にあり、かつアルカリ処理された活性炭であることを特徴とする消化ガス中のシロキサン類の除去方法。
【0015】
(請求項4)
シロキサン類を含有する消化ガスを、吸着剤と接触させて前記シロキサン類を前記吸着剤により吸着除去処理するシロキサン類の除去方法において、前記吸着剤が、比表面積500m2/g以上であり、細孔分布ピークが10〜30Åの範囲にあり、かつpHが8.0以上12.0以下の活性炭であることを特徴とする消化ガス中のシロキサン類の除去方法。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、アルカリ処理された活性炭を使用したことにより、物理吸着作用に加えて化学吸着作用を相乗的に利用して、消化ガス中の有機シリカ化合物の成分が多く含まれても、ほぼ100%除去することができる消化ガス中のシロキサン類の除去装置及び方法を提供することができる。
【0017】
本発明によると、pH8.0以上12.0以下の活性炭を使用したことにより、物理吸着作用に加えて化学吸着作用を相乗的に利用して、消化ガス中の有機シリカ化合物の成分が多く含まれても、ほぼ100%除去することができる消化ガス中のシロキサン類の除去装置及び方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0019】
本発明において、消化ガスは、下水汚泥、都市ごみ、またはし尿汚泥、生ごみ等を嫌気性醗酵させて発生したバイオガスなどからなり、これらの消化ガス中に含まれるにはシロキサン類(有機シリカ化合物)としては、シロキサン結合(Si−O−Si)を有する鎖状または環状の化合物があり、鎖状化合物としては、例えば、メトキシトリメチルシラン、ジメトキシジメチルシラン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、およびドデカメチルペンタシロキサンなどが挙げられ、環状化合物としては、例えばヘキサメチルシクロトリシロキサン(D3体)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4体)、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5体)、およびドデカメチルシクロヘキサシロキサン(D6体)などが挙げられる。
【0020】
バイオガス中に含まれるシロキサン類は、主に環状シロキサンであり、鎖状のシロキサン類は少ないことが分かっており、この中でもオクタメチルシクロシロキサン(D4体)、デカメチルシクロシロキサン(D5体)の含有量が多い。
【0021】
活性炭の吸着能力の因子としては、従来から比表面積、細孔分布、細孔容積などがあげられているが、これらは吸着作用において吸着される物質(吸着質)が吸着質の構造をほぼ保ったまま吸着する、いわゆる物理吸着を想定したものである。
【0022】
本発明において、活性炭の比表面積は500m2/g以上おいて、好ましくは800m2/g以上である。比表面積はBET法による測定値である。比表面積が500m2/g以上と大きいために、バイオガス中に含まれるガス状のシロキサン類の活性炭による吸着量は大きい。
【0023】
また本発明では、細孔分布は対象とする吸着質の分子径の2〜3倍が好ましい点に着目して、シロキサン類の径が10Å弱であることから、シロキサン類の吸着には、細孔分布ピークが10〜30Åの範囲にある活性炭を使用している。本発明において、細孔分布の測定はBJH法による。本発明において好ましいのは、細孔分布ピークが15〜30Åの範囲にある活性炭を用いることである。
【0024】
本発明において使用している活性炭は、上記の物理的な特性に加えて、pHによる吸着容量の変化に着目し、調査した結果、アルカリ処理された活性炭、あるいはpHが高い活性炭がその吸着容量が大きいことがわかった。
【0025】
本発明において、アルカリ処理とは、活性炭にアルカリ物質を添着したり、あるいはアルカリ物質を含浸させたりすることである。アルカリには水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物や塩やマグネシウムやカルシウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物や塩、アンモニウム塩などを用いることができる。
【0026】
本発明においては、上記アルカリ物質から吸着質(目的)に適合する物質を選択する。
【0027】
本発明において、活性炭のpHは8.0以上12.0以下であり、好ましくは8.5以上12.0以下であり、さらに好ましくは9.0以上12.0以下である。pHの測定方法は、JISK1474による。
【0028】
活性炭のpHは8.0以上12.0以下にするには、活性炭にアルカリ物質を添着したり、あるいはアルカリ物質を含浸させたりすることにより実現できる。
【0029】
かかるアルカリ物質の存在により、吸着質と何らかの化学反応を伴いながら、吸着を起こしていることから、吸着量が高いものと考えられる。すなわち、物理吸着作用に加えて化学吸着作用を相乗的に利用して吸着能力を更に向上させたものと考えられる。
【0030】
活性炭による吸着容量が向上すれば、装置のコンパクト化、ランニングコストの低下を可能にする。
【0031】
本発明の消化ガス中のシロキサン類の除去方法は、活性炭とシロキサン類が接触できれば格別限定されず、活性炭吸着塔による接触でもよいし、バグフィルターなどを用いた接触でもよい。活性炭吸着塔を用いる場合、固定床式でも流動床式でもよい。接触の仕方は向流方式でも並流方式でもよい。
【実施例】
【0032】
以下、実施例によって本発明の効果を例証する。
【0033】
実施例1
<活性炭試料の作製>
同種の活性炭(原料、比表面積、細孔分布ピーク)を用い、苛性ソーダによるアルカリ処理をすることによって、pHの異なる活性炭を複数作製した。
【0034】
<消化ガスサンプル>
2ガスにD4、D5を含むシロキサン類を消化ガスサンプルとした。
【0035】
<試験方法>
消化ガスサンプルを活性炭吸着塔に通過させ、通過前後のサンプルを、有機溶剤に流通し、FIDガスクロマトグラフで有機溶媒中のD4、D5を測定し、供給量と通過量から、吸着量を算出した。
【0036】
吸着率=吸着量÷活性炭量×100
【0037】
(1)活性炭物性
活性炭物性を表1に示す。
【0038】
【表1】


【0039】
(2)テスト条件
テスト条件を表2に示す。
【0040】
【表2】


【0041】
(3)テスト結果
活性炭AのpHと吸着量の関係を図1に示す。また活性炭BのpHと吸着量の関係を図2に示す。
【0042】
(4)考察
図1からわかるように、活性炭Aでは活性炭のpHが8以上でシロキサンの吸着量が高くなり、pHが9以上では急激に上昇している。また図2からわかるように、活性炭Bでも同様に活性炭のpHが8以上でシロキサンの吸着量が高くなり、pHが9以上では急激に上昇している。またこの結果はアルカリ処理された活性炭A、Bが急激にシロキサンの吸着量を高くしていることを表わしている。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】活性炭AのpHと吸着量の関係を示すグラフ
【図2】活性炭BのpHと吸着量の関係を示すグラフ
【出願人】 【識別番号】592141927
【氏名又は名称】三造環境エンジニアリング株式会社
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
【出願日】 平成18年6月22日(2006.6.22)
【代理人】 【識別番号】100101340
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 英一


【公開番号】 特開2008−1811(P2008−1811A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−173019(P2006−173019)