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【発明の名称】 ガス化ガスの浄化装置及び浄化方法
【発明者】 【氏名】栗田 雅也

【要約】 【課題】ガス化ガス中のダイオキシン類及び高沸点炭化水素化合物を活性炭に効率的に吸着させるとともに、活性炭の再生時には吸着した高沸点炭化水素化合物を効率的に離脱させることのできるガス化ガスの浄化装置及び浄化方法を提供すること。

【解決手段】有機性廃棄物又は固体有機物を熱分解して得られたガス化ガス中のダイオキシン類及び常温常圧で液体若しくは固体である高沸点炭化水素化合物を吸着除去するために2つ以上の活性炭吸着塔1a、1bを並列に備える活性炭式吸着装置1を有し、2つ以上の活性炭吸着塔1a、1bを切り替えながら操業し、吸着除去に使用していない活性炭吸着塔については、蒸気等の酸素を含まない80℃以上の再生用ガスを通すことで吸着した物質を離脱させて活性炭を再生するガス化ガスの浄化装置において、活性炭吸着塔1a、1bの内壁面及び/又は活性炭を加熱又は冷却する伝熱手段12を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機性廃棄物又は石炭等の固体有機物を熱分解して得られたガス化ガス中のダイオキシン類及び常温常圧で液体若しくは固体である高沸点炭化水素化合物を吸着除去するために2つ以上の活性炭吸着塔を並列に備える活性炭式吸着装置を有し、前記2つ以上の活性炭吸着塔を切り替えながら操業し、吸着除去に使用していない活性炭吸着塔については、蒸気等の酸素を含まない80℃以上の再生用ガスを通すことで吸着した物質を離脱させて活性炭を再生するようにしたガス化ガスの浄化装置において、
活性炭吸着塔の内壁面及び/又は活性炭吸着塔の活性炭を加熱又は冷却する伝熱手段を設けたことを特徴とするガス化ガスの浄化装置。
【請求項2】
伝熱手段として、加熱媒体又は冷却媒体を通す伝熱管を活性炭吸着塔の壁面及び/又は活性炭吸着塔の内部に設置した請求項1に記載のガス化ガスの浄化装置。
【請求項3】
有機性廃棄物又は石炭等の固体有機物を熱分解して得られたガス化ガス中のダイオキシン類及び常温常圧で液体若しくは固体である高沸点炭化水素化合物を活性炭で吸着除去するガス化ガスの浄化装置において、
活性炭は複数の並列に配置された管内に充填され、管の入口及び出口はそれぞれ集合され、並列に配置された管群は鋼製の槽に収納されており、
活性炭の再生時に、活性炭の充填された管内に蒸気等の再生用ガスを通し、さらに管の外面を蒸気、熱風、排ガス等の加熱用ガスによって加熱するようにしたことを特徴とするガス化ガスの浄化装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のガス化ガスの浄化装置によるガス化ガスの浄化方法において、
活性炭吸着塔を吸着除去に使用しているときに、伝熱手段によって活性炭吸着塔の内壁面及び/又は活性炭吸着塔の活性炭を冷却することを特徴とするガス化ガスの浄化方法。
【請求項5】
請求項1又は2に記載のガス化ガスの浄化装置によるガス化ガスの浄化方法において、
活性炭吸着塔の活性炭の再生時に、伝熱手段によって活性炭吸着塔の内壁面及び/又は活性炭吸着塔の活性炭を加熱することを特徴とするガス化ガスの浄化方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、廃プラスチックやバイオマス等の有機性廃棄物又は石炭等の固体有機物を熱分解して得られたガス化ガスの浄化装置及び浄化方法に関し、とくに活性炭吸着塔を用いたガス化ガスの浄化装置及び浄化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境保全とくに地球温暖化防止の一環として、エネルギーの有効利用が改めて注目されるなかで、廃プラスチックやバイオマス等の有機性廃棄物の持つエネルギーを有効利用する方法として、有機性廃棄物を熱分解し可燃性ガスを得る、いわゆるガス化が注目を集めている。
【0003】
ところが、ガス化によって得られた可燃性ガス、すなわちガス化ガスには有機性廃棄物に含まれる塩素分に起因するダイオキシンが含まれているので、ガス化ガスの利用にあたってはダイオキシンの除去が必要である。また、有機性廃棄物のガス化ガスにはダイオキシンのほか、タール分や軽質油分等の常温常圧で液体若しくは固体である高沸点炭化水素化合物(本願明細書では単に「高沸点炭化水素化合物」という。ここで、「高沸点炭化水素化合物」の沸点は概ね60℃以上である。)が含まれている。これらの高沸点炭化水素化合物は、沸点以下の温度でも高い蒸気圧を持ち、冷却等によって除去することが難しく、ガス中に残存する高沸点炭水素化合物は、ガス化ガスの温度が低下すると凝縮し、ガス配管やその付帯設備に付着して設備トラブルを引き起こす原因となる。したがって、ダイオキシンとともにガス化ガス中から除去する必要がある。
【0004】
従来、ガス中のダイオキシンを除去する技術として、特許文献1には、ダイオキシンを触媒層により分解し、残分のダイオキシンを活性炭層により吸着するという技術が開示されている。しかし、この特許文献1の技術は、おもに可燃性物質を燃焼させた後の燃焼排ガスを処理対象とするものであり、特許文献1の技術を有機性廃棄物のガス化ガスの処理に適用すると、触媒層ではダイオキシン以外の炭化水素ガスも分解され煤が発生するので、すぐに閉塞し失活する。また、活性炭層ではダイオキシン以外に上述の高沸点炭化水素化合物が吸着され、活性炭の活性を持続させることができない。持続させるためには、常に新しい活性炭を使用する必要があり、運転費が高くなる。
【0005】
また、特許文献2には、バグフィルター等の集塵装置を設け、その上流側で粉末状の活性炭を吹き込み、バグフィルターのろ布表面上に活性炭層を形成し、その活性炭にダイオキシンを吸着させるという技術が開示されている。しかし、この特許文献2の技術においても、これを有機性廃棄物のガス化ガスの処理に適用すると、ガス化ガスに含まれる上述の高沸点炭化水素化合物によって目詰まり等のトラブルが発生し、安定的な運転を継続することができない。
【0006】
一方、特許文献3及び特許文献4には、排気ガス中の溶剤等の炭化水素、軽質油分を除去するために活性炭を用いた浄化技術が開示されている。しかし、活性炭により有機性廃棄物のガス化ガスに含まれる軽質油分を除去する場合には、ガスの原料が廃棄物であることから原料の性状が安定しないのでガス浄化の制御が難しく、また、ガス化ガス中には軽質油分だけでなくタール分が含まれるので、タール分を含むガスを活性炭で浄化すると、タール分が活性炭から離脱しにくいため、活性炭の寿命が短くなる。
【0007】
また、特許文献5及び特許文献6には、バイオマスを熱分解して得られたバイオマスガス(ガス化ガス)を活性炭を用いて浄化する技術が開示されている。しかし、この技術ではガス処理温度が高く、分子量が大きくて沸点の高いタール分を吸着除去することは可能であるが、分子量が小さくて沸点が比較的低く、高揮発性であって、常温常圧で液状の炭化水素化合物、いわゆる軽質油分を吸着除去することはできない。軽質油分はガス利用の際に、配管中で冷却され、ドレン化する。このドレンは揮発性のきわめて高い引火性油であるため取り扱いが難しい。
【0008】
また、性状の均一なバイオマス以外を原料としたガス化ガスの場合、タール分の発生量及び性状が変化し、活性炭吸着層が閉塞したり、軽質油分がガス利用設備に流れ、トラブルとなる可能性がある。とくに廃プラスチック、石炭等の化石燃料、あるいは化石燃料を原材料とする固体有機物をガス化する場合には、タール分及び軽質油分の量が多く、上記技術による手法では十分な浄化を行うことができない。
【0009】
さらに、活性炭を用いてガス化ガス中のタール分及び軽質油分を主体とする高沸点炭化水素化合物を安定的に除去するには、高沸点炭化水素化合物を吸着した活性炭から定期的に高沸点炭化水素化合物を離脱させて活性炭の吸着能力を回復・再生させる必要がある。この活性炭の再生は、通常、活性炭吸着塔に蒸気を通ガスすることによって行うが、活性炭吸着塔を通過することによって蒸気の温度が低下し、十分な再生効果が得られないことがある。また、活性炭吸着塔の内壁面に蒸気が結露することがある。結露が発生すると、とくに有機性廃棄物を原料としたガス化ガスにはHClが多く含まれるため、活性炭吸着塔の内壁面が腐食するおそれがある。
【0010】
このように、従来、活性炭を用いてガスを浄化する技術は種々提案されているが、高沸点炭化水素化合物とくにタール分及び軽質油分を多く含むガス化ガスを浄化する場合、上述のような問題があり、活性炭を用いたガス化ガスの浄化技術は確立されていない。
【0011】
これに対して、活性炭を用いないガス化ガスの浄化技術も提案されている。例えば特許文献7には、有機性廃棄物をガス化後、酸素及び水蒸気と反応させ、1100℃程度の高温での改質反応により、ガス化ガス中のタール分や軽質油分を低減させる技術が提案されている。しかし、このような改質反応を用いたガスの浄化技術では、改質反応に必要な熱源を得るためにガス化ガスの部分燃焼が必要となり、ガス化ガスの持つエネルギーを消費されガスカロリーが低下するという問題がある。また、改質反応に用いる酸素の製造にエネルギーを多く必要とし、廃棄物処理に必要な総エネルギーが大きくなりすぎる。
【0012】
他のガス洗浄技術としては、コークス炉ガスの浄化技術に見られるように、低温下でガスを油で洗浄し、ガス中のタール分等を除去する技術がある。しかし、この技術では、低温下で洗浄を行うにあたり冷熱源を得るためにエネルギーが必要である。また、洗浄後の排水に高度な処理が必要となり、さらに油を再生する工程等が必要となり、再生時に発生するガスの処理等、設備が複雑になる傾向にある。また、ガスの洗浄によってはダイオキシン及び軽質油分を除去することはできない。
【0013】
このように、ガス中のダイオキシン及びタール分、軽質油分等の高沸点炭化水素化合物を同時に除去してガスを浄化するには、やはり活性炭を用いて乾式処理することが有用かつ簡便であり、活性炭を用いたガス化ガスの浄化技術の確立が望まれている。
【0014】
一方で、有機物を熱分解し可燃性のガス化ガスを得る場合、ガス化ガスの利用にあたってはメタン等の炭化水素ガスを残し、ガスのカロリーを高く保つことが望ましい。但し、その場合、タール分及び軽質油分が副生しガス利用の妨げとなる。したがって、この点からもガス化ガス中のタール分及び軽質油分を除去する浄化技術の確立が望まれている。
【特許文献1】特開2003−112012号公報
【特許文献2】特開平11−230529号公報
【特許文献3】特開平9−215908号公報
【特許文献4】特開2005−66503号公報
【特許文献5】特開2006−16469号公報
【特許文献6】特開2006−16470号公報
【特許文献7】特開2004−238535号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明が解決しようとする課題は、総括的には、活性炭を用いたガス化ガスの浄化技術を確立することにある。
【0016】
具体的には、ガス化ガス中のダイオキシン類及び高沸点炭化水素化合物を活性炭に効率的に吸着させるとともに、活性炭の再生時には吸着した高沸点炭化水素化合物を効率的に離脱させることのできるガス化ガスの浄化装置及び浄化方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、有機性廃棄物又は石炭等の固体有機物を熱分解して得られたガス化ガス中のダイオキシン類及び常温常圧で液体若しくは固体である高沸点炭化水素化合物を吸着除去するために2つ以上の活性炭吸着塔を並列に備える活性炭式吸着装置を有し、前記2つ以上の活性炭吸着塔を切り替えながら操業し、吸着除去に使用していない活性炭吸着塔については、蒸気等の酸素を含まない80℃以上の再生用ガスを通すことで吸着した物質を離脱させて活性炭を再生するようにしたガス化ガスの浄化装置において、活性炭吸着塔の内壁面及び/又は活性炭吸着塔の活性炭を加熱又は冷却する伝熱手段を設けたことを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、上記のガス化ガスの浄化装置によるガス化ガスの浄化方法において、活性炭吸着塔を吸着除去に使用しているときに、伝熱手段によって活性炭吸着塔の内壁面及び/又は活性炭吸着塔の活性炭を冷却すること、あるいは活性炭吸着塔の活性炭の再生時に、伝熱手段によって活性炭吸着塔の内壁面及び/又は活性炭吸着塔の活性炭を加熱することを特徴とする。
【0019】
本発明では、代表的には有機性廃棄物として廃プラスチック、又は固体有機物として石炭をガス化する。
【0020】
有機性廃棄物又は固体有機物のガス化ガス中には、ダイオキシン及び高沸点炭化水素化合物が含まれる。また、高沸点炭化水素化合物としては、ナフタレン、アントラセン等のタール分(炭素原子数が10以上の高分子炭化水素化合物)とベンゼン、トルエン、キシレン等の軽質油分(炭素原子数が10未満の低分子炭化水素化合物)が含まれる。これらのダイオキシン及び高沸点炭化水素化合物は、ガス化ガスの有効利用にあたり除去する必要があるが、本発明では、上述のように、並列に設けた2つ以上の活性炭吸着塔からなる活性炭式吸着装置によって、有機性廃棄物又は固体有機物のガス化ガス中に可燃性ガスとともに含まれるダイオキシン及び高沸点炭化水素化合物を除去する。
【0021】
すなわち、活性炭吸着塔に充填されている活性炭には表面に無数の細孔が開いており、この細孔にダイオキシン及び高分子炭化水素化合物の分子が入り込むことで吸着されガス化ガスから除去される。
【0022】
そして、活性炭式吸着装置を構成する2つ以上の活性炭吸着塔のうち、高沸点炭化水素化合物の吸着によって吸着能力の低下した活性炭吸着塔についてはガス化ガスの通ガスを遮断し、蒸気等の酸素を含まない80℃以上のガスを通すことで、活性炭の細孔に吸着していた高沸点炭化水素化合物を気化離脱させて、活性炭を再生させ、吸着能力を回復させることができる。
【0023】
その後、吸着能力を回復させた活性炭吸着塔についてガス化ガスの通ガスを再開させる。この操作を繰り返し、前記2つ以上の活性炭吸着塔を切り替えながら操業するとことで、装置のガス浄化能力を持続させることができる。
【0024】
さらに本発明では、活性炭吸着塔の活性炭による高沸点炭化水素化合物等の吸着効率、及び活性炭からの高沸点炭化水素化合物の離脱効率を向上させるために、活性炭吸着塔の内壁面及び/又は活性炭吸着塔の活性炭を加熱又は冷却する伝熱手段を設ける。
【0025】
すなわち、活性炭吸着塔を吸着除去に使用しているときには、伝熱手段によって活性炭吸着塔の内壁面及び/又は活性炭吸着塔の活性炭を冷却する。これによって、活性炭吸着塔の活性炭による高沸点炭化水素化合物等の吸着効率を向上させることができる。この場合、活性炭吸着塔の使用中に活性炭の温度を計測しておき、その温度が高くなりすぎた場合(例えば80℃以上になった場合)に、伝熱手段によって活性炭吸着塔の内壁面及び/又は活性炭吸着塔の活性炭を冷却するようにすることができる。
【0026】
また、活性炭吸着塔の活性炭の再生時には、伝熱手段によって活性炭吸着塔の内壁面及び/又は活性炭吸着塔の活性炭を加熱する。これによって、活性炭からの高沸点炭化水素化合物の離脱効率を向上させることができるとともに、活性炭吸着塔の内壁面の結露を防止できる。
【0027】
伝熱手段としては、加熱媒体又は冷却媒体を通す伝熱管を活性炭吸着塔の壁面及び/又は活性炭吸着塔の内部に設置することができる。このように、伝熱手段を伝熱管から構成することで、その中に通す媒体あるいはその温度を変えるだけで、加熱及び冷却の両方を行うことができる。なお、活性炭吸着塔の内壁面の結露防止には、伝熱管を活性炭吸着塔の壁面に設置することが好ましい。また、活性炭吸着塔の活性炭の加熱・冷却には、伝熱管を活性炭吸着塔の内部に設置することが好ましい。最も好ましくは、伝熱管を活性炭吸着塔の内壁面と内部の両方に設置する。
【0028】
また、本発明においては、活性炭を複数の並列に配置された管内に充填し、管の入口及び出口をそれぞれ集合させ、並列に配置された管群を鋼製の槽に収納するようにし、活性炭の再生時に、活性炭の充填された管内に蒸気等の再生用ガスを通し、さらに管の外面を蒸気、熱風、排ガス等の加熱用ガスによって加熱するようにすることもできる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、活性炭吸着塔の活性炭による高沸点炭化水素化合物等の吸着効率、及び活性炭からの高沸点炭化水素化合物の離脱効率を向上させることができるとともに、活性炭吸着塔の内壁面の結露を防止できる。したがって、装置の操業効率の向上と操業の安定化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、図面に示す実施例に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【実施例】
【0031】
図1は本発明の一実施例を示す装置構成図である。
【0032】
図1において、活性炭式吸着装置1は2塔の活性炭吸着塔1a、1bからなる。有機性廃棄物をガス化するガス化炉2で得られたガス化ガスは、ガス化ガス供給本管3を通り、その後、それぞれ活性炭吸着塔1a、1bに通じるガス化ガス供給支管3a、3bを通り、活性炭吸着塔1a、1bにその下部から導入される。
【0033】
活性炭吸着塔1a、1bにガス化ガスが導入されると、ガス化ガス中のダイオキシン及び高沸点炭化水素化合物が活性炭吸着塔1a、1b内の活性炭に吸着され、その後、ガス化ガスは、活性炭吸着塔1a、1b上部に接続されたガス化ガス排出支管4a、4bから排出され、ガス化ガス排出本管4に合流し、ガス利用設備5まで搬送される。ガス化ガスの具体的な利用先としては、加熱炉、コークス炉等の工業炉用の燃料、ガスエンジンやガスタービン用の燃料、ボイラ燃料、熱風炉用の燃料等が挙げられる。
【0034】
ガス化ガス供給支管3a、3b及びガス化ガス排出支管4a、4bには、それぞれ開閉弁3c、3d及び開閉弁4c、4dが設けられている。また、それぞれの活性炭吸着塔1a、1bには、上部に蒸気供給本管6から分岐した蒸気供給支管6a、6bが接続され、下部に廃蒸気排出支管7a、7bが接続されている。蒸気供給支管6a、6b及び廃蒸気排出支管7a、7bには、それぞれ開閉弁6c、6d及び開閉弁7c、7dが設けられている。
【0035】
ガス化炉2としては、シャフト炉、ロータリーキルン炉、流動床炉、固定床炉、噴流炉等、各種の炉を使用することができる。また、ガス化炉2の加熱方式としては、生成したガス化ガスを一部燃焼させて熱源とする部分燃焼方式と、外部熱源を使用する外熱方式のいずれでもよいが、実施例では燃焼炉2aによる外熱方式を採用している。
【0036】
また、活性炭吸着塔1a、1bには、活性炭吸着塔1a、1bの内壁面及び活性炭吸着塔1a、1bの活性炭を加熱又は冷却する伝熱手段として伝熱管12が設置されている。
【0037】
図2は、伝熱管12による伝熱手段の構成例を示し、(a)は横断面図、(b)は要部の斜視図である。この例では、伝熱管12を鉄皮13を介して相互に溶接し、つなぎ合わせた、いわゆるメンブレンで活性炭吸着塔1a、1bの壁面を形成することによって、伝熱管12を活性炭吸着塔1a、1bの壁面に伝熱管12を設置している。
【0038】
図3は、伝熱管12による伝熱手段の他の構成例を示し、(a)は横断面図、(b)は縦断面図である。この例では、伝熱管12を活性炭吸着塔1a、1bの内部には放射状に設置している。
【0039】
このような構成において、伝熱管12に加熱媒体又は冷却媒体を通すことで、活性炭吸着塔1a、1bの内壁面及び活性炭吸着塔1a、1bの活性炭を加熱又は冷却することができる。加熱媒体としては蒸気を使用することができる。この場合、図4(a)に示すように伝熱管12と蒸気供給支管6a、6bとを直列に接続し、蒸気を伝熱管12から蒸気供給支管6a、6bへ流し、活性炭吸着塔1a、1bを通した後に、廃蒸気排出支管7a、7bから排出するようにすることができる。これによって、蒸気の使用量を削減できる。
【0040】
また、図4(b)に示すように伝熱管12と蒸気供給支管6a、6bとを並列、すなわち別系統とすることもできる。このように伝熱管12を別系統にすると伝熱管12に蒸気以外の加熱媒体を流すことができるとともに、冷却水等の冷却媒体を流すこともできるようになり、伝熱手段としての伝熱管12の機能を十分に発揮させることができる。
【0041】
図5には、ガス化ガス供給支管3a、3b及びガス化ガス排出支管4a、4bに設置する開閉弁の好ましい構成例を示す。同図に示す開閉弁14は、ハンドル14aを操作し、シャフト14bを介して弁体14cを動かすことにより管路を開閉する。また、駆動部となるシャフト14b部分のガスシールのためにグランドパッキン14dがグランド押さえ14eで押さえられた状態で装着されている。さらに、ガス化ガスがシャフト14b部分から漏洩するのを確実に防止するため、シャフト14b部分に窒素等の不活性ガスを圧入するようにしている。
【0042】
なお、ハンドル14aに代えてギアあるいはシリンダによって、シャフト14bを介して弁体14cを動かすようにしてもよい。また、ガス化ガス供給支管3a、3b及びガス化ガス排出支管4a、4bに設置する開閉弁部分からのガス化ガスの漏洩を防止するために、開閉弁を前後2段に設けることもできる。この場合、活性炭吸着塔に近い側の開閉弁を、メタルシートを使用したゲート弁又はバタフライ弁とし、活性炭吸着塔に遠い側の開閉弁を、フッ素樹脂シートを使用したバタフライ弁とすることが好ましい。このように高温になる活性炭吸着塔に近い側に耐熱性の高いメタルシートを使用し、活性炭吸着塔に遠い側にガス遮断性の高いフッ素樹脂シートを用いることで、耐熱性と遮断性の両方を満足させることが可能となる。さらに、2段の開閉弁の間に窒素等の常温の不活性ガスを注入することで、ガスの遮断性、耐熱性をさらに向上させることができる。
【0043】
以上の構成において、操業開始時には、両方の活性炭吸着塔1a、1bにガス化ガスを通ガスする。通ガス中には、先に説明した伝熱管12に冷却媒体を通すことで、活性炭吸着塔1a、1bの活性炭を冷却し、その吸着効率を向上させることができる。この場合、活性炭吸着塔1a、1bの使用中に活性炭の温度を計測しておき、その温度が高くなりすぎた場合(例えば80℃以上になった場合)に、伝熱管12に冷却媒体を通し、活性炭吸着塔の活性炭を冷却するようにすることができる。
【0044】
その後、いずれかの活性炭吸着塔の吸着能力が低下したら、あるいはガス化ガスの通ガスから所定の時間が経過したら、吸着能力の低下したいずれか一方の活性炭吸着塔へのガス化ガスの通ガスを遮断する。
【0045】
例えば、活性炭吸着塔1aへの通ガスを遮断する場合、ガス化ガス供給支管3aの開閉弁3c及びガス化ガス排出支管4aの開閉弁4cを閉にする。そして、蒸気供給支管6aの開閉弁6c及び廃蒸気排出支管7aの開閉弁7cを開にして、活性炭吸着塔1aに蒸気を通ガスして活性炭を再生させ吸着能力を回復させる。吸着能力が回復したら、蒸気供給支管6aの開閉弁6c及び廃蒸気排出支管7aの開閉弁7cを閉にするとともに、ガス化ガス供給支管3aの開閉弁3c及びガス化ガス排出支管4aの開閉弁4cを開にしてガス化ガスの通ガスを再開する。
【0046】
その後、もう一つの活性炭吸着塔1bの吸着能力が低下したら、活性炭吸着塔1aの場合と同様に、ガス化ガスの通ガスを遮断後、蒸気を通して吸着能力を回復させ、その後、ガス化ガスの通ガスを再開する。この実施例では、このような操作を繰り返すことで、吸着能力を維持しつつ連続的にガス化ガスの浄化処理を行うことができる。
【0047】
上述した活性炭吸着塔の活性炭の再生に際しては、先に説明した伝熱管12に加熱媒体を通すことで、活性炭吸着塔1a、1bの内壁面及び活性炭を加熱する。これによって、活性炭からの高沸点炭化水素化合物の離脱効率を向上させることができるとともに、活性炭吸着塔1a、1bの内壁面の結露による腐食を防止できる。
【0048】
活性炭吸着塔1a、1bの内壁面の耐食性をより向上させるために、活性炭吸着塔1a、1bの内壁面を樹脂でコーティングしてもよい。樹脂コーティングする場合、活性炭の再生に使用する蒸気の温度は150℃以下とする。ただし、再生能力を維持するために60℃以上、好ましくは80℃以上が必要である。使用する蒸気が高温の場合、樹脂が熱で変質する可能性があるが、その場合、活性炭吸着塔1a、1bの壁の温度を温水等で一定に保つことで変質を抑制することができる。
【0049】
また、活性炭吸着塔の活性炭の再生時には、活性炭から離脱した蒸気の通ガスによって活性炭に吸着していた高沸点炭化水素化合物が気化離脱し、廃蒸気として回収される。この高沸点炭化水素化合物を含む廃蒸気あるいは廃蒸気が凝縮した廃ドレンは、廃蒸気排出本管7を介して一旦、分離装置8に入れられ冷却等により廃蒸気は凝縮し、さらに高沸点炭化水素化合物は、水分から分離される。そして、分離装置8にて分離回収された高沸点炭化水素化合物は、液体の状態で貯留タンク9に一旦貯留され、その後、吹き込み用配管10を介して移送され、その先端の吹き込み装置11からガス化炉2又は燃焼炉2aに熱源として吹き込まれる。
【0050】
なお、図1では、ガス化炉2又は燃焼炉2aの両方に吹き込み装置11を記載しているが、実際にはいずれか一方のみとする。
【0051】
ここで、図1に示すガス化ガスの浄化装置の操業条件として、活性炭吸着塔1a、1bに導入するガス化ガスのガス温度は100℃以下としておくことが好ましい。ガス温度が100℃超ではガス化ガス中の高沸点炭化水素化合物の蒸気圧が高くなり、活性炭による吸着力よりも揮発力が高くなり、吸着能力が十分に確保できない。ガス温度は好ましくは60℃以下とする。ただし、ガス温度を20℃以下にしようとすると、例えば、ガス化ガスの冷却に必要な冷却水の温度を冷却塔等の一般的な設備で得ることができなくなり、冷凍機が必要となる。冷凍機の利用は設備コスト及びランニングコストにおいて大きな負担となるため好ましくない。また、活性炭吸着塔の吸着能力回復のために導入する蒸気の温度は、一般的には80〜300℃とする。
【0052】
以上の実施例では、伝熱手段を伝熱管によって構成したが、伝熱手段として活性炭充填塔をジャケット構造とし、そこに加熱媒体又は冷却媒体を通すようにしてもよい。
【0053】
図6は本発明において使用可能な活性炭吸着塔の他の例を示す一部破断斜視図である。同図に示す活性炭吸着塔1a、1bにおいて、活性炭aは並列に配置された複数の管15(φ30〜300mm程度)内に充填されており、これらの複数の管15(管群)は鋼製の槽16内に収納されている。そして、各管15の入口は槽16の下部に集合され、出口は槽16の上部に集合されている。また、槽16の下部にはガス化ガス導入口16aが設けられ、槽16の上部にはガス化ガス排出口16bが設けられている。さらに、槽16の上部には蒸気等の再生用ガスを導入する再生用ガス導入口16cが設けられ、槽16の下部には再生用ガス排出口16dが設けられている。またさらに、槽16の側面中央部分の一端には加熱用ガスを導入する加熱用ガス導入口16eが設けられ、他端には加熱用ガス排出口16fが設けられている。
【0054】
以上の構成において、活性炭吸着塔1a、1bによってガス化ガス中のダイオキシン類や高沸点炭化水素化合物を吸着除去する際には、ガス化ガスをガス化ガス導入口16aから槽16の下部に導入する。槽16の下部に導入されたガス化ガスは各管15を通って槽16の上部のガス化ガス排出口16bから排出される。これによって、ガス化ガス中のダイオキシン類や高沸点炭化水素化合物は各管15内の活性炭aに吸着し除去される。
【0055】
一方、活性炭吸着塔1a、1bの活性炭aを再生するには、ガス化ガスの通ガスを停止した上で、蒸気等の再生用ガスを槽16上部の再生用ガス導入口16cから導入し、この再生用ガスを各管15に通し、槽16下部の再生用ガス排出口16dから排出する。さらに、この活性炭aの再生時には、加熱用ガス導入口16eから加熱用ガスを導入し、各管15の外面を加熱用ガスによって加熱する。その後、加熱用ガスは加熱用ガス排出口16fから排出される。加熱用ガスとしては、蒸気のほか、バーナ等からの熱風や、図1の燃焼炉2aからの高温の排ガス等を利用できる。
【0056】
このように図6の例では、活性炭の再生時に、各管15に再生用ガス(蒸気)を通すのに加え、加熱用ガスで各管15を加熱するので、蒸気だけでは達成困難な高温での再生が可能となり、効率的に活性炭を再生できる。また、活性炭の温度が上がりやすく、全体の熱効率が高くなる。さらに、図1の燃焼炉2aからの排ガスを加熱用ガスとして利用することで、熱の有効利用が可能である。
【0057】
なお、図6に示す活性炭吸着塔1a、1bも、図1の例と同様に並列に2つ、あるいは2つ以上配置し、これらの活性炭吸着塔を切り替えながら操業し、吸着除去に使用していない活性炭吸着塔について、上述のとおり活性炭を再生するようにすることができることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の一実施例を示す装置構成図である。
【図2】図1において使用する、伝熱管による伝熱手段の構成例を示し、(a)は横断面図、(b)は要部の斜視図である。
【図3】図1において使用する、伝熱管による伝熱手段の他の構成例を示し、(a)は横断面図、(b)は縦断面図である。
【図4】図1において使用する伝熱手段としての伝熱管に、加熱媒体又は冷却媒体を供給するための構成例を示す。
【図5】図1において使用する開閉弁の好ましい構成例を示す。
【図6】本発明において使用可能な活性炭吸着塔の他の例を示す一部破断斜視図である。
【符号の説明】
【0059】
1 活性炭式吸着装置
1a、1b 活性炭吸着塔
2 ガス化炉
3 ガス化ガス供給本管
3a、3b ガス化ガス供給支管
3c、3d 開閉弁
4 ガス化ガス排出本管
4a、4b ガス化ガス排出支管
4c、4d 開閉弁
5 ガス利用設備
6 蒸気供給本管
6a、6b 蒸気供給支管
6c、6d 開閉弁
7 廃蒸気排出本管
7a、7b 廃蒸気排出支管
7c、7d 開閉弁
8 分離装置
9 貯留タンク
10 吹き込み用配管
11 吹き込み装置
12 伝熱管
13 鉄皮
14 開閉弁
14a ハンドル
14b シャフト
14c 弁体
14d グランドパッキン
14e グランド押さえ
15 管
16 槽
16a ガス化ガス導入口
16b ガス化ガス排出口
16c 再生用ガス導入口
16d 再生用ガス排出口
16e 加熱用ガス導入口
16f 加熱用ガス排出口
【出願人】 【識別番号】306022513
【氏名又は名称】新日鉄エンジニアリング株式会社
【出願日】 平成19年6月13日(2007.6.13)
【代理人】 【識別番号】100082164
【弁理士】
【氏名又は名称】小堀 益

【識別番号】100105577
【弁理士】
【氏名又は名称】堤 隆人


【公開番号】 特開2008−308536(P2008−308536A)
【公開日】 平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願番号】 特願2007−155992(P2007−155992)