トップ :: C 化学 冶金 :: C10 石油,ガスまたはコ−クス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭

【発明の名称】 ガス化ガスの浄化方法及び浄化装置
【発明者】 【氏名】栗田 雅也

【要約】 【課題】ガス化ガス中の高沸点炭化水素化合物の吸着によって活性炭の吸着能力が低下したとしても、その吸着能力を効率的に回復させて、装置のガス浄化能力を持続させることのできるガス化ガスの浄化方法及び浄化装置を提供すること。

【解決手段】有機性廃棄物又は石炭等の固体有機物を熱分解して得られたガス化ガスを活性炭式吸着塔1に通し、活性炭にガス化ガス中のダイオキシン及び常温常圧で液体若しくは固体である高沸点炭化水素化合物を吸着させるガス化ガスの浄化方法において、活性炭式吸着塔1を移動層又は流動層とし、この活性炭式吸着塔1から活性炭を連続的に切り出し、切り出した活性炭を別途設置した再生塔5で再生した後に、活性炭式吸着塔1に戻すようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機性廃棄物又は石炭等の固体有機物を熱分解して得られたガス化ガスを活性炭式吸着塔に通し、活性炭にガス化ガス中のダイオキシン及び常温常圧で液体若しくは固体である高沸点炭化水素化合物を吸着させるガス化ガスの浄化方法において、活性炭式吸着塔を移動層又は流動層とし、この活性炭式吸着塔から活性炭を連続的に切り出し、切り出した活性炭を別途設置した再生塔で再生した後に、活性炭式吸着塔に戻すことを特徴とするガス化ガスの浄化方法。
【請求項2】
再生塔を移動層又は流動層とする請求項1に記載のガス化ガスの浄化方法。
【請求項3】
再生塔における活性炭の再生に蒸気を使用する請求項1又は2に記載のガス化ガスの浄化方法。
【請求項4】
有機性廃棄物又は石炭等の固体有機物を熱分解して得られたガス化ガスを活性炭式吸着塔に通し、活性炭にガス化ガス中のダイオキシン及び常温常圧で液体若しくは固体である高沸点炭化水素化合物を吸着させるガス化ガスの浄化装置において、活性炭式吸着塔を移動層又は流動層とし、この活性炭式吸着塔から活性炭を連続的に切り出す切り出し装置と、この切り出し装置によって切り出した活性炭を再生する再生塔と、この再生塔で再生した活性炭を活性炭式吸着塔に戻す活性炭搬送装置とを設けたことを特徴とするガス化ガスの浄化装置。
【請求項5】
活性炭式吸着塔に、複数の活性炭吸着層をガス化ガスの流れ方向に直列に設けた請求項4に記載のガス化ガスの浄化装置。
【請求項6】
再生塔が移動層又は流動層である請求項4又は5に記載のガス化ガスの浄化装置。
【請求項7】
再生塔が活性炭の再生に蒸気を使用するものである請求項4〜6のいずれかに記載のガス化ガスの浄化装置。
【請求項8】
切り出し装置がスクリューコンベア又はロータリーバルブである請求項4〜7のいずれかに記載のガス化ガスの浄化装置。
【請求項9】
活性炭式吸着塔と再生塔との間に、活性炭式吸着塔から切り出された活性炭を一時的に貯留するバッファタンクを設けた請求項4〜8のいずれかに記載のガス化ガスの浄化装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、廃プラスチックやバイオマス等の有機性廃棄物又は石炭等の固体有機物を熱分解して得られたガス化ガスの浄化方法及び浄化装置に関し、とくに活性炭充填塔を用いたガス化ガスの浄化方法及び浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境保全とくに地球温暖化防止の一環として、エネルギーの有効利用が改めて注目されるなかで、廃プラスチックやバイオマス等の有機性廃棄物の持つエネルギーを有効利用する方法として、有機性廃棄物を熱分解し可燃性ガスを得る、いわゆるガス化が注目を集めている。
【0003】
ところが、ガス化によって得られた可燃性ガス、すなわちガス化ガスには有機性廃棄物に含まれる塩素分に起因するダイオキシンが含まれているので、ガス化ガスの利用にあたってはダイオキシンの除去が必要である。また、有機性廃棄物のガス化ガスにはダイオキシンのほか、タール分や軽質油分等の常温常圧で液体若しくは固体である高沸点炭化水素化合物(本願明細書では単に「高沸点炭化水素化合物」という。ここで、「高沸点炭化水素化合物」の沸点は概ね60℃以上である。)が含まれている。
【0004】
これらの高沸点炭化水素化合物は、沸点以下の温度でも高い蒸気圧を持ち、冷却等によって除去することが難しく、ガス中に残存する高沸点炭水素化合物は、ガス化ガスの温度が低下すると凝縮し、ガス配管やその付帯設備に付着して設備トラブルを引き起こす原因となる。したがって、ダイオキシンと共にガス化ガス中から除去する必要がある。
【0005】
従来、ガス中のダイオキシンを除去する技術として、特許文献1には、ダイオキシンを触媒層により分解し、残分のダイオキシンを活性炭層により吸着するという技術が開示されている。しかし、この特許文献1の技術は、おもに可燃性物質を燃焼させた後の燃焼排ガスを処理対象とするものであり、特許文献1の技術を有機性廃棄物のガス化ガスの処理に適用すると、触媒層ではダイオキシン以外の炭化水素ガスも分解され煤が発生するので、すぐに閉塞し失活する。また、活性炭層ではダイオキシン以外に上述の高沸点炭化水素化合物が吸着され、活性炭の活性を持続させることができない。持続させるためには、常に新しい活性炭を使用する必要があり、運転費が高くなる。
【0006】
また、特許文献2には、バグフィルター等の集塵装置を設け、その上流側で粉末状の活性炭を吹き込み、バグフィルターのろ布表面上に活性炭層を形成し、その活性炭にダイオキシンを吸着させるという技術が開示されている。しかし、この特許文献2の技術においても、これを有機性廃棄物のガス化ガスの処理に適用すると、ガス化ガスに含まれる上述の高沸点炭化水素化合物によって目詰まり等のトラブルが発生し、安定的な運転を継続することができない。
【0007】
一方、特許文献3及び特許文献4には、排気ガス中の溶剤等の炭化水素、軽質油分を除去するために活性炭を用いた浄化技術が開示されている。しかし、活性炭により有機性廃棄物のガス化ガスに含まれる軽質油分を除去する場合には、ガスの原料が廃棄物であることから原料の性状が安定しないのでガス浄化の制御が難しく、また、ガス化ガス中には軽質油分だけでなくタール分が含まれるので、タール分を含むガスを活性炭で浄化すると、タール分が活性炭から離脱しにくいため、活性炭の寿命が短くなる。
【0008】
また、特許文献5及び特許文献6には、バイオマスを熱分解して得られたバイオマスガス(ガス化ガス)を活性炭を用いて浄化する技術が開示されている。しかし、この技術ではガス処理温度が高く、分子量が大きくて沸点の高いタール分を吸着除去することは可能であるが、分子量が小さくて沸点が比較的低く、高揮発性であって、常温常圧で液状の炭化水素化合物、いわゆる軽質油分を吸着除去することはできない。
【0009】
軽質油分はガス利用の際に、配管中で冷却され、ドレン化する。このドレンは揮発性のきわめて高い引火性油であるため取り扱いが難しい。また、性状の均一なバイオマス以外を原料としたガス化ガスの場合、タール分の発生量及び性状が変化し、活性炭吸着層が閉塞したり、軽質油分がガス利用設備に流れ、トラブルとなる可能性がある。とくに廃プラスチック、石炭等の化石燃料、あるいは化石燃料を原材料とする固体有機物をガス化する場合には、タール分及び軽質油分の量が多く、上記技術による手法では十分な浄化を行うことができない。
【0010】
このように、従来、活性炭を用いてガスを浄化する技術は種々提案されているが、高沸点炭化水素化合物とくにタール分及び軽質油分を多く含むガス化ガスを浄化する場合、上述のような問題があり、活性炭を用いたガス化ガスの浄化技術は確立されていない。
【0011】
これに対して、活性炭を用いないガス化ガスの浄化技術も提案されている。例えば特許文献7には、有機性廃棄物をガス化後、酸素及び水蒸気と反応させ、1100℃程度の高温での改質反応により、ガス化ガス中のタール分や軽質油分を低減させる技術が提案されている。しかし、このような改質反応を用いたガスの浄化技術では、改質反応に必要な熱源を得るためにガス化ガスの部分燃焼が必要となり、ガス化ガスの持つエネルギーを消費されガスカロリーが低下するという問題がある。また、改質反応に用いる酸素の製造にエネルギーを多く必要とし、廃棄物処理に必要な総エネルギーが大きくなりすぎる。
【0012】
他のガス洗浄技術としては、コークス炉ガスの浄化技術に見られるように、低温下でガスを油で洗浄し、ガス中のタール分及び軽質油分等を除去する技術がある。しかし、この技術では、低温下で洗浄を行うにあたり冷熱源を得るためにエネルギーが必要である。また、洗浄後の排水に高度な処理が必要となり、さらに油を再生する工程等が必要となり、再生時に発生するガスの処理等、設備が複雑になる傾向にある。また、ガスの洗浄によってはダイオキシンを除去することはできない。
【0013】
このように、ガス中のダイオキシン及びタール分、軽質油分等の高沸点炭化水素化合物を同時に除去してガスを浄化するには、やはり活性炭を用いて乾式処理することが有用かつ簡便であり、活性炭を用いたガス化ガスの浄化技術の確立が望まれている。
【0014】
一方で、有機物を熱分解し可燃性のガス化ガスを得る場合、ガス化ガスの利用にあたってはメタン等の炭化水素ガスを残し、ガスのカロリーを高く保つことが望ましい。但し、その場合、タール分及び軽質油分が副生しガス利用の妨げとなる。したがって、この点からもガス化ガス中のタール分及び軽質油分を除去する浄化技術の確立が望まれている。
【特許文献1】特開2003−112012号公報
【特許文献2】特開平11−230529号公報
【特許文献3】特開平9−215908号公報
【特許文献4】特開2005−66503号公報
【特許文献5】特開2006−16469号公報
【特許文献6】特開2006−16470号公報
【特許文献7】特開2004−238535号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明が解決しようとする課題は、総括的には、活性炭を用いたガス化ガスの浄化技術を確立し、利用可能な高カロリーガスを得ることにある。
【0016】
具体的には、ガス化ガス中の高沸点炭化水素化合物の吸着によって活性炭の吸着能力が低下したとしても、その吸着能力を効率的に回復させて、装置のガス浄化能力を持続させることのできるガス化ガスの浄化方法及び浄化装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、有機性廃棄物又は石炭等の固体有機物を熱分解して得られたガス化ガスを活性炭式吸着塔に通し、活性炭にガス化ガス中のダイオキシン及び常温常圧で液体若しくは固体である高沸点炭化水素化合物を吸着させるガス化ガスの浄化方法において、活性炭式吸着塔を移動層又は流動層とし、この活性炭式吸着塔から活性炭を連続的に切り出し、切り出した活性炭を別途設置した再生塔で再生した後に、活性炭式吸着塔に戻すことを特徴とする。
【0018】
本発明では、代表的には有機性廃棄物として廃プラスチック、又は固体有機物として石炭をガス化する。
【0019】
有機性廃棄物又は固体有機物のガス化ガス中には、ダイオキシン及び高沸点炭化水素化合物が含まれる。また、高沸点炭化水素化合物としては、ナフタレン、アントラセン等のタール分(炭素原子数が10以上の高分子炭化水素化合物)とベンゼン、トルエン、キシレン等の軽質油分(炭素原子数が10未満の低分子炭化水素化合物)が含まれる。これらのダイオキシン及び高沸点炭化水素化合物は、ガス化ガスの有効利用にあたり除去する必要があるが、本発明では、上述のように、ガス化ガスを活性炭式吸着塔に通すことによって、ガス化ガス中に可燃性ガスと共に含まれるダイオキシン及び高沸点炭化水素化合物を除去する。
【0020】
すなわち、活性炭式吸着塔に充填されている活性炭には表面に無数の細孔が開いており、この細孔にダイオキシン及び高分子炭化水素化合物の分子が入り込むことで吸着されガス化ガスから除去される。
【0021】
ここで、活性炭式吸着塔に充填されている活性炭の吸着能力は、ダイオキシン及び高分子炭化水素化合物の吸着に伴い徐々に低下する。このため、従来一般的には、活性炭式吸着塔を並列に複数設置し、吸着に使用する活性炭式吸着塔と再生する活性炭式吸着塔を順次切り替えて使用するようにしていた。これに対して、本発明では、活性炭式吸着塔を移動層又は流動層とし、この活性炭式吸着塔から活性炭を連続的に切り出し、切り出した活性炭を別途設置した再生塔で再生した後に、活性炭式吸着塔に戻すようにしたので、活性炭式吸着塔を吸着に使用しながら同時に活性炭の再生も行うことができる。したがって、従来のように、複数の活性炭式吸着塔を設置することなく連続運転が可能であり、設備のレイアウトをコンパクトにすることができる。
【0022】
このガス化ガスの浄化方法を実施するため、本発明の浄化装置では、有機性廃棄物又は石炭等の固体有機物を熱分解して得られたガス化ガスを活性炭式吸着塔に通し、活性炭にガス化ガス中のダイオキシン及び常温常圧で液体若しくは固体である高沸点炭化水素化合物を吸着させるガス化ガスの浄化装置において、活性炭式吸着塔を移動層又は流動層とし、この活性炭式吸着塔から活性炭を連続的に切り出す切り出し装置と、この切り出し装置によって切り出した活性炭を再生する再生塔と、この再生塔で再生した活性炭を活性炭式吸着塔に戻す活性炭搬送装置とを設ける。
【0023】
本発明では、活性炭式吸着塔に複数の活性炭吸着層をガス化ガスの流れ方向に直列に設けることが好ましい。有機性廃棄物又は固体有機物のガス化ガスには種々の大きさの分子量を持つ高沸点炭化水素化合物が多量に含有されている。そのため、活性炭式吸着塔に複数の活性炭吸着層をガス化ガスの流れ方向に直列に設け、そこにガス化ガスを通すと、上流側の活性炭吸着層でより多くの高沸点炭化水素化合物が吸着され、かつ分子量の大きな高沸点炭化水素化合物が選択的に吸着される。
【0024】
したがって、上流側の活性炭吸着層では再生のための活性炭の切り出し速度(単位時間あたりの切り出し量)を大きくして短時間で再生できるようにし、一方、下流側の活性炭吸着層では活性炭の切り出し速度は遅くするなどの対応が可能となる。また、必要に応じて再生塔を上流側の活性炭吸着層用とそれ以外に分け、上流側の活性炭吸着層の活性炭の再生温度のみを高くするといった対応も可能となる。また、上流側の活性炭吸着層をプレフィルターとして使用することもできる。
【0025】
このように、活性炭式吸着塔に複数の活性炭吸着層をガス化ガスの流れ方向に直列に設けると、活性炭の使用状況に応じて、それぞれに適切な再生条件の設定が可能となり、ランニングコストを低減することができる。これに対して、活性炭吸着層が1つのみである場合、分子量の小さい軽質油分と分子量の大きいタール分の両方が1つの活性炭吸着層に吸着される。そうすると、活性炭の再生条件としては、活性炭から離脱しにくいタール分を離脱させるために、活性炭の切り出し速度や再生温度を一律に高くする必要があり、ランニングコストが高くなる。
【0026】
また、本発明において活性炭を再生する再生塔は、移動層又は流動層とすることが好ましい。再生塔が固定層の場合、再生塔による活性炭の再生はバッチ式となるが、再生塔を移動層又は流動層とすることで、活性炭の再生を連続式とすることができる。また、ガス化ガスには、上述のとおり高沸点炭化水素化合物が多く含まれており、活性炭にはこの高沸点炭化水素が多く吸着されている。
【0027】
したがって、この活性炭を再生塔にて例えば蒸気を通ガスすることで再生する場合、多量の蒸気が必要であり、再生塔が固定層、すなわちバッチ処理式であると、再生の切り替え時に蒸気消費量が大きく変動し、他に蒸気を使用する機器、例えば蒸気タービン等の負荷変動につながり、効率が低下する。これに対して、再生塔を移動層又は流動層とすれば、再生を連続式で行うことができるため、負荷変動も抑制される。
【0028】
また、本発明においては、切り出し装置としてスクリューコンベア又はロータリーバルブを使用することが好ましい。このように切り出し装置としてスクリューコンベア又はロータリーバルブを使用することで、活性炭で活性炭式吸着塔内のガス化ガスをシールし、活性炭式吸着塔内のガス化ガスが系外へ流出することを防止できると共に、外気側の酸素が活性炭式吸着塔内に侵入し、爆発性の予混合ガスを生成することを防止できる。
【0029】
さらに、スクリューコンベア又はロータリーバルブを2段直列に設置し、その間に窒素等の不活性ガスを注入して内圧を外気圧よりも高めることで、活性炭式吸着塔内のガス化ガスの漏洩及び活性炭式吸着塔内への外気の侵入をより確実に防止できる。
【0030】
さらに、本発明においては、活性炭式吸着塔と再生塔との間に、活性炭式吸着塔から切り出された活性炭を一時的に貯留するバッファタンクを設けることができる。活性炭式吸着塔内における活性炭の吸着能力(活性)の低下の度合いは、活性炭式吸着塔におけるガス化ガスの処理量、すなわちガス化炉の負荷に応じて変化する。このため、ガス化炉の負荷に応じて活性炭式吸着塔からの活性炭の切り出し量を調整することが好ましいが、一方で、再生塔における活性炭の再生処理は極力一定条件で実施することが好ましい。そこで、活性炭式吸着塔と再生塔との間にバッファタンクを設けることで、負荷変動を吸収し、活性炭の再生条件を一定に保つことが可能となる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、ガス化ガス中の高沸点炭化水素化合物の吸着によって吸着能力の低下した活性炭式吸着塔内の活性炭を連続的に切り出し、再生後に再度活性炭式吸着塔に戻すようにしているので、活性炭式吸着塔を吸着に使用しながら同時に活性炭の再生も行うことができ、1つの活性炭式吸着塔を備えるだけで、吸着能力を維持しつつ連続運転を行うことができる。
【0032】
また、ガス化ガス中のタール分及び軽質油分を安定的に除去できるので、ガス化温度、改質温度を下げた運転が可能となり、高カロリーのガス化ガスを安定的に得ることができる。そして、ガス温度を上昇させるために必要なエネルギー、酸素量等を減らすことが可能で、より安価に高カロリーのガス化ガスを得ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、図面に示す実施例に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【実施例1】
【0034】
図1は本発明の第1実施例を示す装置構成図である。
【0035】
図1において、活性炭式吸着塔1は流動層式の活性炭吸着層1aを1つ備えており、有機性廃棄物をガス化するガス化炉2で得られたガス化ガスは、活性炭式吸着塔1にその下部から導入され、活性炭吸着層1aを通過後、上部から排出される。その過程で、ガス化ガス中のダイオキシン及び高沸点炭化水素化合物は活性炭吸着層1aの活性炭に吸着される。
【0036】
活性炭式吸着塔1の底部には、活性炭の切り出し装置としてロータリーバルブ3が設けられており、このロータリーバルブ3によって活性炭式吸着塔1の底部から活性炭が連続的に切り出される。切り出された活性炭は活性炭搬送装置4によって搬送され、再生塔5の頂部から連続的に再生塔5内に投入される。
【0037】
再生塔5には、その頂部から活性炭再生用の蒸気が導入されるようになっており、この蒸気によって活性炭に吸着していた高沸点炭化水素化合物が気化離脱し廃蒸気として蒸気側に吐き出されることで活性炭が再生される。一方、高沸点炭化水素化合物を含む廃蒸気あるいは廃蒸気が凝縮した廃ドレンは、再生塔5の下部から排出される。
【0038】
再生された活性炭は、再生塔5の底部から連続的に排出され、活性炭搬送装置6によって搬送され、活性炭式吸着塔1の頂部から活性炭式吸着塔1内に戻される。実施例では、活性炭搬送装置6の先端に活性炭投入装置としてロータリーバルブ7を設け、このロータリーバルブ7によって活性炭を活性炭式吸着塔1内に戻すようにしている。
【0039】
このように、本実施例では、活性炭式吸着塔1内の活性炭を連続的に切り出し、再生後に再度活性炭式吸着塔1に戻すようにしているので、活性炭式吸着塔1を吸着に使用しながら同時に活性炭の再生も行うことができ、1つの活性炭式吸着塔1を備えるだけで、吸着能力を維持しつつ連続運転を行うことができる。
【0040】
また、本実施例では、活性炭式吸着塔1の活性炭吸着層1aを流動層としているので、活性炭吸着層1a全体が均一となり、活性炭吸着層1a内のガス化ガスの流れも均一になるので、性状の安定したガス化ガスが得られやすい。
【0041】
また、再生塔5は、活性炭を連続的に再生する移動層となっているので、活性炭の再生を効率的に行うことができると共に、バッチ式のように再生の切り替え時に蒸気消費量が大きく変動することもないので、他に蒸気を使用する機器、例えば蒸気タービン等の負荷に影響を及ぼすこともない。
【実施例2】
【0042】
図2は本発明の第2実施例を示す装置構成図である。この実施例では、活性炭式吸着塔1は、流動層式の3つの活性炭吸着層1a〜1cを備えており、これらの活性炭吸着層1a〜1cはガス化ガスの流れ方向に直列に設けられている。
【0043】
本実施例では、活性炭吸着層1a〜1cを移動層としているので、活性炭吸着層1a〜1cにおいて活性炭は高沸点炭化水素化合物等を吸着しながら下方に移動する。したがって、活性炭式吸着塔1の底部からは高沸点炭化水素化合物等を十分に吸着した活性炭が排出され、再生塔5に送られるため、活性炭の能力を十分に引き出すことができ、その結果、活性炭の使用量を低く抑えることができる。
【実施例3】
【0044】
図3は本発明の第3実施例を示す装置構成図である。この実施例は、先の第2実施例の変形例で、上流側の活性炭吸着層1aから切り出された活性炭を第1の活性炭搬送装置4aで搬送して第1の再生塔5aで再生し、下流側の活性炭吸着層1b、1cから切り出された活性炭を第2の活性炭搬送装置4bで搬送して第2の再生塔5bで再生し、第1の再生塔5aで再生した活性炭は第1の活性炭搬送装置6aによって再度上流側の活性炭吸着層1aに戻し、第2の再生塔5bで再生した活性炭は第2の活性炭搬送装置6bによって再度下流側の活性炭吸着層1b、1cに戻すようにしたものである。
【0045】
上述のとおり、ガス化ガスには種々の大きさの分子量を持つ高沸点炭化水素化合物が多量に含有されているため、活性炭吸着層1a〜1cをガス化ガスの流れ方向に直列に設け、そこにガス化ガスを通すと、上流側の活性炭吸着層1aでより多くの高沸点炭化水素化合物が吸着され、かつ分子量の大きな高沸点炭化水素化合物(タール分)が選択的に吸着される。一方、下流側の活性炭吸着層1b、1cには残った分子量の小さな高沸点炭化水素化合物(軽質油分)が吸着される。したがって、上流側の活性炭吸着層1aの活性炭と下流側の活性炭吸着層1b、1cの活性炭を区別して切り出し、別々の再生塔5a、5bで再生処理を行うようにすることで、活性炭の使用状況に応じて、それぞれ適正な再生処理を行うことができる。
【0046】
例えば、上流側の活性炭吸着層1aの活性炭には、高沸点炭化水素化合物が多く、かつ活性炭から離脱しにくいタール分が多く吸着されているので、活性炭吸着層1aの活性炭を再生する第1の再生塔5aに使用する蒸気の温度を第2の再生塔5bに使用する蒸気の温度よりも高くするといった対応を行うことができる。同様に、活性炭吸着層1aからの活性炭の切り出し速度と活性炭吸着層1aよりも大きくすることもできる。また、上流側の活性炭吸着層1aではタール分の吸着に適した細孔の大きい活性炭を使用し、下流側の活性炭吸着層1b、1cでは軽質油分の吸着に適した細孔の小さい活性炭を使用することもできる。
【実施例4】
【0047】
図4は本発明の第4実施例を示す装置構成図である。この実施例は、図2に示した第2実施例の装置構成において、活性炭の切り出し装置としてロータリーバルブの代わりにスクリューコンベア8を使用したものである。
【0048】
このように、活性炭式吸着塔1からの活性炭の切り出し装置としてスクリューコンベア又はロータリーバルブを使用することで、活性炭で活性炭式吸着塔1内のガス化ガスをシールし、活性炭式吸着塔1内のガス化ガスが系外へ流出することを防止できると共に、外気側の酸素が活性炭式吸着塔内に侵入し、爆発性の予混合ガスを生成することを防止できる。
【0049】
さらに、図5に示すように、活性炭式吸着塔1からの活性炭の切り出し装置としてロータリーバルブ3を2段直列に設置し、その間に窒素等の不活性ガスを注入して内圧を外気圧よりも高めることで、活性炭式吸着塔1内のガス化ガスの漏洩及び活性炭式吸着塔1内への外気の侵入をより確実に防止できる。
【実施例5】
【0050】
図6は本発明の第5実施例を示す装置構成図である。この実施例は、図4に示した第4実施例の装置構成において、活性炭式吸着塔1と再生塔5との間に、活性炭式吸着塔1から切り出された活性炭を一時的に貯留するバッファタンク9を設けたものである。
【0051】
このように、バッファタンク9を設けることで、ガス化炉2の負荷変動に伴い、活性炭式吸着塔1を通過するガス化ガスの量や性状が変化し、それに対応するため、活性炭式吸着塔1からの活性炭の切り出し量を変化させたとしても、その負荷変動を吸収し、再生塔5における活性炭の再生条件を一定に保つことが可能となる。なお、この実施例では、バッファタンク9から活性炭を切り出し、再生塔5に投入するためにロータリーバルブ10を使用している。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1実施例を示す装置構成図である。
【図2】本発明の第2実施例を示す装置構成図である。
【図3】本発明の第3実施例を示す装置構成図である。
【図4】本発明の第4実施例を示す装置構成図である。
【図5】活性炭式吸着塔から活性炭を切り出す切り出し装置の好ましい構成例を示す。
【図6】本発明の第5実施例を示す装置構成図である。
【符号の説明】
【0053】
1 活性炭式吸着塔
1a〜1c 活性炭吸着層
2 ガス化炉
3 ロータリーバルブ
4 活性炭搬送装置
4a 第1の活性炭搬送装置
4b 第2の活性炭搬送装置
5 再生塔
5a 第1の再生塔
5b 第2の再生塔
6 活性炭搬送装置
6a 第1の活性炭搬送装置
6b 第2の活性炭搬送装置
7 ロータリーバルブ
8 スクリューコンベア
9 バッファタンク
10 ロータリーバルブ
【出願人】 【識別番号】306022513
【氏名又は名称】新日鉄エンジニアリング株式会社
【出願日】 平成19年3月13日(2007.3.13)
【代理人】 【識別番号】100082164
【弁理士】
【氏名又は名称】小堀 益

【識別番号】100105577
【弁理士】
【氏名又は名称】堤 隆人


【公開番号】 特開2008−222867(P2008−222867A)
【公開日】 平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願番号】 特願2007−63433(P2007−63433)