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【発明の名称】 改質炉
【発明者】 【氏名】宮地 健

【氏名】片桐 学

【氏名】牛越 淳太郎

【氏名】木戸口 晃

【氏名】内山 泉

【要約】 【課題】ガス化炉で生成される生成ガスの回収率を向上させることができる改質炉を提供する。

【解決手段】矩形筒状の容器21と、容器21の対向する壁面間に渡して複数設けられた棒状の電熱線ヒーター23とを備え、容器21の両端にガス供給口25とガス排出口27を設けて構成されることにより、改質炉5内に導入された生成ガスは、電熱線ヒーター23に接触又は電熱線ヒーター23の近傍を通過して、生成ガスに含まれるタール分が熱分解して改質される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可燃性のガス化対象物をガス化炉内に入れて、ガス化対象物の一部を燃やして熱分解することによって生成される生成ガスを改質する改質炉において、
矩形筒状の容器と、該容器の対向する壁面間に渡して複数設けられた棒状の電熱線ヒーターとを備え、前記容器の両端にガス供給口とガス排出口を設けてなることを特徴とする改質炉。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、可燃性のガス化対象物を熱分解して生成される生成ガスを改質する改質炉に関する。
【背景技術】
【0002】
バイオマス、産業廃棄物、都市ごみ等を熱分解して生成される生成ガスを有効利用することが行なわれている。すなわち、ガス化対象物を炉内に投入して炉下部から酸化剤及び水蒸気を供給して部分燃焼させて、ガス化対象物をガス化させる移動床式のガス化炉が知られている。
【0003】
このようなガス化炉で生成される生成ガス中には、水素、一酸化炭素、炭酸ガス、水蒸気、炭化水素などが含まれているが、ガス化対象物中の炭素化合物が十分に熱分解されないと、生成ガスにタール分が含まれる場合がある。生成ガスにタール分が混入し、例えば、ガス化炉の後流側に設けられた湿式のガス冷却塔等においてタール分が凝縮すると、冷却水が汚染され、又は機器類に付着してトラブルの原因となるおそれがある。
【0004】
タール分による後流側への影響を低減するため、特許文献1には、ガス化炉から排出される生成ガスを改質する改質炉を設けることが提案されている。これによれば、生成ガスを燃料とするガスバーナによって生成ガスを加熱し、タール分を熱分解して低分子化することによって改質され、生成ガスからタール分を除去できる。
【0005】
【特許文献1】特開2006−231301号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、改質炉のバーナの燃料として生成ガスを用いることから回収できるガスの回収率が低下するという問題がある。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、ガス化炉で生成される生成ガスの回収率を向上させることができる改質炉を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明の改質炉は、可燃性のガス化対象物をガス化炉内に入れて、ガス化対象物の一部を燃やして熱分解することによって生成される生成ガスを改質する改質炉において、矩形筒状の容器と、該容器の対向する壁面間に渡して設けられた複数の棒状の電熱線ヒーターとを備え、前記容器の両端にガス供給口とガス排出口を設けてなることを特徴とする。
【0009】
このように構成されることから、ガス化炉において生成された生成ガスは改質炉内に導入され、電熱線ヒーターに接触又は電熱線ヒーターの近傍を通過することにより、生成ガスに含まれるタール分が加熱されて熱分解して改質される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、改質炉の燃料として生成ガスを用いないことから、ガス化炉で生成される生成ガスの回収率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態の改質炉の一部を破断した斜視図を示し、図2は、本発明の一実施形態の改質炉を適用したガス化プラントを示す。
【0012】
図2に示すように、ガス化プラントは、ガス化炉3の頂部からガス化対象物であるバイオマスが不燃ペレットと共に投入されて、下部から酸素又は空気と、水蒸気が供給され、ガス化炉3内でバイオマスの一部が燃焼され、その燃焼熱で熱分解と水性ガス反応が進み、ガスが生成される。ガス化炉3で生成された生成ガスは改質炉5に導入され、生成ガスに含まれるタール分が改質される。改質された生成ガスは、改質炉5からガス冷却洗浄塔7に通流して冷却洗浄され、吸着塔9を通ってコンプレッサー11によりガスホルダー13に貯蔵される。ガスホルダー13に貯蔵された生成ガスは、発電機17を駆動するガスエンジン15の燃料として供給される。緊急時にガスホルダー13で貯蔵できないガスは、フレアスタック19で燃焼される。
【0013】
改質炉5は、図1に示すように、矩形筒状の容器21と、容器21の対向する壁面間に渡して設けられた電熱線ヒーター23とを備えて構成されている。容器21は、両端にガス供給口25とガス排出口27を設けて形成されている。電熱線ヒーター23は、棒状に形成されて複数設けられている。
【0014】
このように構成されるガス化プラントの動作について、改質炉5を中心に説明する。ガス化炉3において生成された水蒸気を含む生成ガスはガス供給口25から改質炉5内に導入され、例えば900℃に加熱された電熱線ヒーター23に接触又は電熱線ヒーター23の近傍を通過する。その際に、生成ガスに含まれるタール分(C)が〔化1〕式のように熱分解して改質される。
【0015】
〔化1〕
+mHO→mCO+(m+n/2)H
この反応によりタール分が改質されるからガス冷却洗浄塔7や吸着塔9内のタール付着量や、冷却水の汚れが軽減される。
【0016】
上述したように、本実施形態によれば、改質炉5の燃料として生成ガスを用いないことから、ガス化炉3で生成される生成ガスの回収率を向上させることができる。
【0017】
また、本実施形態では、改質炉5を横型としているが縦型としてもよく、電熱線ヒーター23の形状も棒状に限らず板状としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態の改質炉の一部を破断した斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態の改質炉を適用したガス化プラントを示す図である。
【符号の説明】
【0019】
3 ガス化炉
5 改質炉
7 ガス冷却洗浄塔
9 吸着塔
11 コンプレッサー
13 ガスホルダー
15 ガスエンジン
17 発電機
19 フレアスタック
21 容器
23 電熱線ヒーター
25 ガス供給口
27 ガス排出口
【出願人】 【識別番号】000005902
【氏名又は名称】三井造船株式会社
【出願日】 平成19年1月12日(2007.1.12)
【代理人】 【識別番号】100098017
【弁理士】
【氏名又は名称】吉岡 宏嗣

【識別番号】100066979
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜沼 辰之


【公開番号】 特開2008−169320(P2008−169320A)
【公開日】 平成20年7月24日(2008.7.24)
【出願番号】 特願2007−4495(P2007−4495)