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【発明の名称】 ガス化発電システム
【発明者】 【氏名】福島 龍太郎

【氏名】田中 新吾

【氏名】堀内 秀昭

【要約】 【課題】バグフィルタの逆洗後におけるガスエンジン運転再開時の不具合の発生を防止し得るガス化発電システムを提供する。

【解決手段】ガス化炉1にて発生されたバイオマスガスをバグフィルタ2を介してガスエンジン3に導き、発電機4を駆動するガス化発電システムに設けられる上記バグフィルタ2の逆洗浄装置5を、逆洗用の窒素ガスボンベ21及び燃料ガスボンベ22と、窒素ガス供給管23及び燃料ガス供給管24と、これらガス供給管23,24により供給されるプロパンガス及び窒素ガスが混合されてなる混合ガスの単位発熱量がバイオマスガスの単位発熱量にほぼ等しくなるように、燃料ガス供給管24途中に設けられた第2電磁開閉弁26を制御する制御装置28とから構成したもの。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオマスからガスを発生させるガス化炉、このガス化炉にて発生されたバイオマスガス中の固形分を除去するバグフィルタ、このバグフィルタで固形分が除去されたバイオマスガスを導き動力を取り出すガスエンジン、このガスエンジンにより駆動される発電機および上記バグフィルタの逆洗浄装置を有するガス化発電システムにおいて、
上記逆洗浄装置を、逆洗用不活性ガスの供給源および燃料ガスの供給源と、これら各供給源からのガスをバグフィルタに供給する不活性ガス供給管および燃料ガス供給管と、これらガス供給管により供給された燃料ガスおよびバグフィルタに所定量でもって供給された不活性ガスが混合されてなる混合ガスの単位発熱量がバイオマスガスの単位発熱量にほぼ等しくなるように、燃料ガス供給管途中に設けられた電磁開閉弁を制御する制御装置とから構成したことを特徴とするガス化発電システム。
【請求項2】
制御装置に、下記の式に基づき燃料ガスの供給量を演算する燃料ガス供給量演算部と、この燃料ガス供給量演算部にて求められた供給量に基づき燃料ガス供給管途中に設けられた電磁開閉弁を開閉する燃料ガス供給量指示部とを具備させたことを特徴とする請求項1に記載のガス化発電システム。
=(H×G)/(H−H
但し、Hはバイオマスガスの単位発熱量、Hは燃料ガスの単位発熱量、Gは不活性ガスの供給量、Gは燃料ガスの供給量である。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオマスガスを用いたガス化発電システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、木質のバイオマス(生物資源)は、カーボンニュートラルな原料として注目されており、ガス化発電システムにも燃料として使い始められている。
このようなガス化発電システムには、主に、バイオマスからガスを発生させるガス化炉、このガス化炉にて発生されたバイオマスガス中の固形分を除去するためのバグフィルタ、このバグフィルタで固形分が除去されたバイオマスガスを導き動力を取り出すガスエンジンと、このガスエンジンにより駆動される発電機などが具備されている。
【0003】
ところで、バグフィルタには固形分が蓄積されて目詰まりを起こすため、必要に応じて(または、所定時間おきに)逆洗浄(逆洗ともいう)が行われており、この逆洗用気体としては窒素ガスが用いられたり、またはバイオマスガスそのものが用いられている。なお、逆洗時には、バイパス管によりバグフィルタがバイパスされて、バイオマスガスは直接ガスエンジンに供給され、また逆洗終了後には、バイパス管が閉じられるとともにバグフィルタに供給された逆洗用気体がそのままガスエンジンに供給されることになる。
【0004】
なお、逆洗用気体として窒素ガスを用いた場合には、バグフィルタ内の気体は殆ど窒素ガスとなりバイオマスガスの量が少なく、言い換えれば、発熱量が大きく減少しているため、ガスエンジンの運転を再開した場合、発熱量の不足により発電機の出力が低下したり、または逆洗回数が多い場合には、ガスエンジンが停止することになり、このような不具合を防止するために、逆洗用気体として可燃性ガスが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−37012号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述したように、逆洗用気体として、可燃性ガスを用いた場合には、窒素ガスを用いた場合とは逆に、ガスエンジンに供給される燃料量が増加してノッキングなどが発生し、場合によっては、やはり、ガスエンジンが停止するという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、バグフィルタの逆洗後におけるガスエンジン運転再開時の不具合の発生を防止し得るガス化発電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明のガス化発電システムは、バイオマスからガスを発生させるガス化炉、このガス化炉にて発生されたバイオマスガス中の固形分を除去するバグフィルタ、このバグフィルタで固形分が除去されたバイオマスガスを導き動力を取り出すガスエンジン、このガスエンジンにより駆動される発電機および上記バグフィルタの逆洗浄装置を有するガス化発電システムにおいて、
上記逆洗浄装置を、逆洗用不活性ガスの供給源および燃料ガスの供給源と、これら各供給源からのガスをバグフィルタに供給する不活性ガス供給管および燃料ガス供給管と、これらガス供給管により供給された燃料ガスおよびバグフィルタに所定量でもって供給された不活性ガスが混合されてなる混合ガスの単位発熱量がバイオマスガスの単位発熱量にほぼ等しくなるように、燃料ガス供給管途中に設けられた電磁開閉弁を制御する制御装置とから構成したものであり、
さらに、上記制御装置に、下記の式に基づき燃料ガスの供給量を演算する燃料ガス供給量演算部と、この燃料ガス供給量演算部にて求められた供給量に基づき燃料ガス供給管途中に設けられた電磁開閉弁を開閉する燃料ガス供給量指示部とを具備させたものである。
【0008】
=(H×G)/(H−H
但し、Hはバイオマスガスの単位発熱量、Hは燃料ガスの単位発熱量、Gは不活性ガスの供給量、Gは燃料ガスの供給量である。
【発明の効果】
【0009】
上記ガス化発電システムの構成によると、バグフィルタを逆洗浄する際に、不活性ガスに燃料ガスを加えた混合ガスを用いるとともに、この混合ガスの単位発熱量を本来の燃料であるバイオマスガスの単位発熱量にほぼ等しくなるように制御するので、逆洗浄後にガスエンジンの運転を再開する場合に、すなわちバグフィルタを通常の集塵作業(集塵ライン)に戻した場合でも、ガスエンジンに供給されるガスの燃焼能力が、バイオマスガスの燃焼能力とほぼ同一となり、したがってガスエンジンが停止したり、ガスエンジンの出力が変動するなどの不具合が発生するのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態に係るガス化発電システムを、図1および図2に基づき説明する。
【0011】
このガス化発電システムは、図1に示すように、主として、木質のバイオマス(生物資源)からガスを発生させる(ガス化する)ガス化炉(具体的には、ダウンドラフト型熱分解ガス化炉が用いられる)1と、このガス化炉1にて発生されたバイオマスガスを第1ガス移送管11を介して導くとともにバイオマスガス中の塵埃・未燃チャーなどの固形分を除去するバグフィルタ2と、このバグフィルタ2で固形分が除去されたバイオマスガスを第2ガス移送管12を介して導き燃焼させて動力を取り出すガスエンジン3と、このガスエンジン3により駆動される発電機4とが具備されるとともに、上記バグフィルタ2の逆洗浄装置5が具備されている。上記バグフィルタ2の逆洗浄(逆洗ともいう)時に、当該バグフィルタ2をバイパスさせるために第1ガス移送管11と第2ガス移送管12とに亘って開閉弁14を有するバイパス管13が設けられており、また上記各ガス移送管11,12には、バイオマスガスをバイパス管13に導くための開閉弁15,16がそれぞれ設けられている。さらに、第2ガス移送管12の開閉弁16の上流側には開閉弁18を有してバグフィルタ2側の圧力を調節するためのガス放出管17Aが設けられるとともに開閉弁16の下流側には誘引ファン19が設けられている。なお、上記ガス放出管17Aから放出されるガスはフレアスタック20に導かれ、また第2ガス移送管12の誘引ファン19とガスエンジン3との間にもガス放出管17Bが接続されており、やはり、余分なバイオマスガスがフレアスタック20に導かれ、ここで燃焼された後、大気に放出される。
【0012】
上記逆洗浄装置5は、窒素ガス(不活性ガスの一例)を蓄えた窒素ガスボンベ(供給源の一例で、ガスホルダともいう)21およびプロパンガス(燃料ガスの一例)を蓄えた燃料ガスボンベ(供給源の一例で、ガスホルダともいう)22と、これら各ボンベ21,22からのガスをそれぞれバグフィルタ2のガス取出用空間2a側に供給するための窒素ガス供給管23および燃料ガス供給管24と、これら各供給管23,24の途中に設けられた第1および第2電磁開閉弁25,26と、上記燃料ガス供給管24途中に設けられた流量計27と、この流量計27からの計測値を入力して逆洗に用いられた窒素ガスの供給量に応じてプロパンガスを導入する際に当該逆洗に用いられるこれらの混合ガス(混合気体)の単位発熱量がバイオマスガスの単位発熱量に等しくなるようにプロパンガスの供給量を決定し導入するための制御装置(図2参照)28とから構成されている。
【0013】
次に、上記制御装置28の構成について説明する。
この制御装置28は、図2に示すように、バグフィルタ2の入口部(例えば、第1ガス移送管の途中)および出口部(例えば、第2ガス移送管の途中)に設けられた圧力計31,32からの計測値を入力してその圧力差が設定値(勿論、逆洗が必要となる圧力差である)を超えた場合に逆洗を指示するとともに窒素ガスの供給量(具体的に言えば、供給すなわち吹き込みはパルスでもって行われるため、その吹き込み回数nにて決定される量である)の設定機能を有する逆洗指示部33と、この逆洗指示部33からの窒素ガスの供給量Gを入力するとともに予め設定されたバイオマスガスの単位発熱量Hを用いて下記(1)式に基づき供給すべきプロパンガスの供給量Gを演算する燃料ガス供給量演算部34と、この燃料ガス供給量演算部34で求められた演算値を入力するとともにプロパンガスの供給量が上記演算値となるように第2電磁開閉弁26を制御するための燃料ガス供給量指示部35とから構成されている。勿論、燃料ガス供給管24に設けられたガス流量計27からの計測値が入力されてガス供給量のフィードバック制御が行われている。
【0014】
上記逆洗指示部33を具体的に説明すると、図示しないが、圧力計31,32からの計測値を入力してその圧力差を求める圧力差演算部と、この圧力差演算部で求められた圧力差と予め設定されている設定値とを比較して圧力差が設定値を超えた場合に逆洗を行う指令を出力する逆洗判断部とが具備されている。
【0015】
なお、上記燃料ガス供給量演算部34で実行される演算式は下記(1)式にて表されるが、この演算式は、供給される窒素ガスにプロパンガスが加えられた混合ガスの単位発熱量がバイオマスガスの単位発熱量に等しくなるようにされた下記(2)式から求めることができる。また、この燃料ガス供給量演算部34には、バイオマスガスの単位発熱量を設定し得る単位発熱量設定部が具備されており、この単位発熱量は例えば実験などにより求められている。
【0016】
=(H×G)/(H−H)・・・(1)
={0(窒素ガスの単位発熱量)×G+H×G}/(G+G)・・・(2)
但し、Hはプロパンガスの単位発熱量である。
【0017】
次に、上記ガス化発電システムにおけるバグフィルタ2での逆洗作業について説明する。
例えば、バグフィルタ2の入口部および出口部に設けられた圧力計31,32による圧力差が設定値を超えると、逆洗指示部33により各ガス移送管11,12の開閉弁15,16が閉じられるとともにバイバス管13の開閉弁14が開かれ(つまり、逆洗中においては、バイパス管13を介して、ガス化炉1からのバイオマスガスがガスエンジン2に直接供給されることになる)、そして当該逆洗指示部33からの指示により、設定された回数だけ第1電磁開閉弁25が開かれて、所定量の窒素ガスがパルス状にバグフィルタ2内に供給されて逆洗が行われる。
【0018】
このとき、燃料ガス供給量演算部34では、逆洗指示部33から窒素ガスの供給量Gが入力されてバイオマスガスの単位発熱量Hおよびプロパンガスの単位発熱量H(予め与えられている)に基づき、供給すべきプロパンガスの供給量Gが求められる。
【0019】
そして、窒素ガスの供給、すなわち吹き込みが終了すると、燃料ガス供給量演算部34で求められた供給量が燃料ガス供給量指示部35に入力されるとともに、当該燃料ガス供給量指示部35により第2電磁開閉弁26が開かれて、上記求められた供給量Gのプロパンガスがバグフィルタ2内に供給される。
【0020】
このプロパンガスの供給により、逆洗時にバグフィルタ2に供給された混合ガスの単位発熱量が、バイオマスガスの単位発熱量とほぼ等しくされる。つまり、逆洗が終了した時点では、バグフィルタ2内のガスの燃焼能力(燃焼による発生熱量)が、逆洗を行う前の燃焼能力に等しくされる。
【0021】
したがって、この状態で、開閉弁14を閉じるとともに両開閉弁15,16を開いて、バグフィルタ2を集塵可能状態(通常の集塵ライン)に戻した場合、逆洗時に供給された混合ガスがガスエンジン3に導かれることになるが、この混合ガスの単位発熱量がバイオマスガスの単位発熱量にほぼ等しくされているため、ガスエンジン3での出力が殆ど変動することがなく、したがって安定した発電を行うことができる。
【0022】
なお、バグフィルタ2を集塵可能状態に戻す前にガス放出管17Aの開閉弁18が開かれて、集塵状態での圧力に低下される。
ところで、上記実施の形態においては、バグフィルタの逆洗を行う場合、出入口部に設けられた圧力計による圧力差を自動的に検出して逆洗の指示を行うように説明したが、例えば作業者が両圧力計の圧力差を読み取るとともに圧力差が設定値を超えている場合に、手動にて逆洗を開始するようにしてもよく、また窒素ガスの供給(パルスによる供給)についても、作業者が手動にて行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態に係るガス化発電システムの概略構成を示す模式図である。
【図2】同ガス化発電システムの制御装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0024】
1 ガス化炉
2 バグフィルタ
3 ガスエンジン
4 発電機
5 逆洗浄装置
11 第1ガス移送管
12 第2ガス移送管
13 バイパス管
21 窒素ガスボンベ
22 燃料ガスボンベ
23 窒素ガス供給管
24 燃料ガス供給管
25 第1電磁開閉弁
26 第2電磁開閉弁
27 流量計
28 制御装置
31 圧力計
32 圧力計
33 逆洗指示部
34 燃料ガス供給量演算部
35 燃料ガス供給量指示部
【出願人】 【識別番号】000005119
【氏名又は名称】日立造船株式会社
【出願日】 平成18年11月13日(2006.11.13)
【代理人】 【識別番号】100113859
【弁理士】
【氏名又は名称】板垣 孝夫

【識別番号】100068087
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 義弘

【識別番号】100096437
【弁理士】
【氏名又は名称】笹原 敏司

【識別番号】100100000
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 洋平


【公開番号】 特開2008−120912(P2008−120912A)
【公開日】 平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願番号】 特願2006−306081(P2006−306081)