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【発明の名称】 重質油の改質装置
【発明者】 【氏名】高橋 宏和

【氏名】稲毛 真一

【氏名】林 明典

【氏名】横田 修

【氏名】小久保 慎介

【氏名】西田 浩二

【要約】 【課題】本発明の目的は、反応容器の内部で水に対する重質油の溶解度を制御可能にして生成された軽質油とタールを効率良く分離できる重質油の改質装置を提供する。

【解決手段】本発明の重質油の改質装置は、重質油と水とを高温、高圧の条件下で水熱反応させる反応容器を備え、反応容器で水熱反応させて比重の重いタールと比重の軽い軽質油とを夫々生成させ、タールは反応容器の下部から抜出し、軽質油は反応容器の上部から抜出すように構成し、前記反応容器の下部に該反応容器の内部に存在する混合流体を加熱する加熱装置を設け、この反応容器の下部の混合流体の温度を検出する温度検出器を設け、この温度検出器で検出した検出温度に基づいて加熱装置による加熱量を制御する制御装置を設け、この制御装置によって加熱装置による加熱量を制御して前記反応容器の下部の混合流体を所望の温度範囲に調節するよう構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高温、高圧の重質油と高温、高圧の水とを外部から供給してこれらの重質油と水とを高温、高圧の条件下で水熱反応させる反応容器を備え、この反応容器の内部で水熱反応させて重質油から比重の重いタールと比重の軽い改質した軽質油とを夫々生成させ、比重の重いタールは反応容器の下部から抜出し、比重の軽い軽質油は反応容器の上部から抜出すように構成した重質油の改質装置において、前記反応容器の下部に該反応容器の内部に存在する混合流体を加熱する加熱装置を設け、前記反応容器の下部の該反応容器の内部に存在する混合流体の温度を検出する温度検出器を設け、この温度検出器で検出した検出温度に基づいて前記加熱装置による加熱量を制御する制御装置を設け、この制御装置によって加熱装置による加熱量を制御して前記反応容器の下部の該反応容器の内部に存在する混合流体を所望の温度範囲に調節するように構成したことを特徴とする重質油の改質装置。
【請求項2】
請求項1に記載の重質油の改質装置において、前記加熱装置によって反応容器の下部の該反応容器の内部に存在する混合流体の温度は、約390℃〜約450℃の温度範囲に調節されていることを特徴とする重質油の改質装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の重質油の改質装置において、前記加熱装置は反応容器の下部の反応容器の外周側に配設した加熱器であることを特徴とする重質油の改質装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の重質油の改質装置において、前記加熱装置は反応容器の下部の反応容器の内部に配設した加熱配管であり、この加熱配管には高温の熱媒体が流通するように構成されていることを特徴とする重質油の改質装置。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の重質油の改質装置において、前記加熱装置は反応容器の下部の反応容器の内部に配設した酸化剤の供給配管であり、この酸化剤の供給配管から重質油の一部を反応させる酸化剤を流出させるように構成されていることを特徴とする重質油の改質装置。
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載の重質油の改質装置において、前記反応容器の内部で生成された軽質油を該反応容器の上部から外部に流出させる軽質油配管に流出する軽質油の流量を検出する流量検出器を設け、この流量検出器で検出した軽質油の検出流量に基づいて前記制御装置によって前記加熱装置の加熱量を制御し、この反応容器の上部から外部に流出する軽質油の検出流量を所望の流量の範囲に調節するように構成したことを特徴とする重質油の改質装置。
【請求項7】
請求項6に記載の重質油の改質装置において、前記制御装置によって反応容器の上部から外部に流出する軽質油の流量は、反応容器に供給される重質油の流量の約75%〜約95%に調節されていることを特徴とする重質油の改質装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、高温高圧条件下の反応容器内で重質油と水とを混合させて水熱反応させて重質油から不純物を濃縮したタールとタール以外の軽質油とに分離し、比重の重いタールと比重の軽い軽質油を反応容器から外部に夫々抜出す重質油の改質装置に関する。
【背景技術】
【0002】
重質油と水との混合流体を高温高圧の水の超臨界または亜臨界の条件下で反応容器内にて水熱反応させて改質した軽質油を生成する技術が特開2005−53962号公報に記載されている。
【0003】
特開2005−53962号公報に記載の技術は、反応容器の上部より流入した重質油と、反応容器の下部から供給される蒸気とを高温高圧条件下で混合して、水に溶解する軽質油と、水に不溶なタールとに分離するものである。
【0004】
タールは密度が軽質油よりも小さいために反応容器の底部に滞留するので、反応容器の底部からタール抜出ラインを通じて外部に排出させる。
【0005】
また、重質油中に含有されるバナジウム等の重金属の不純物はこのタール中に元々多く含まれており、タールが選択的に反応容器下部に滞留するので、このタールを反応容器から外部に排出されることにより重質油に含有された不純物を除去できる。この結果、不純物を含まない軽質油は反応容器の上部から取り出すことが可能となる。
【0006】
【特許文献1】特開2005−53962号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特開2005−53962号公報に記載された技術では、高温高圧条件下で反応容器内の重質油と水との混合流体の温度を一定に保持した状態で水熱反応によって重質油中の軽質油分とタール分を分離している。
【0008】
この場合、重質油と水の溶解度は反応容器内の温度と圧力で一義的に決定されること、反応容器の容量が大きいほど重質油と水とを均一で急速に混合させることが困難であることから、反応容器内での水熱反応によって重質油から生成される軽質油分とタール分を明確に分離するのが困難となる可能性がある。
【0009】
特に、反応容器の内部の流体温度が低い場合や、低分子量物質の割合が低い重質な重質油の場合にはタールと軽質油の分離が困難となることも考えられる。
【0010】
タールと軽質油の分離が困難になった場合、反応容器で生成されて外部に取り出された軽質油の中にタールが混入して、該タールに含まれるバナジウム等の重金属が軽質油に混入してしまう。
【0011】
よって重金属が混入したこの軽質油をガスタービン用の燃料として使用することは困難となる問題があった。
【0012】
本発明の目的は、反応容器の内部で重質油と水の混合流体における水に対する重質油の溶解度を制御可能にして反応容器の内部で生成された軽質油とタールを効率良く分離できる重質油の改質装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の重質油の改質装置は、高温、高圧の重質油と高温、高圧の水とを外部から供給してこれらの重質油と水とを高温、高圧の条件下で水熱反応させる反応容器を備え、この反応容器の内部で水熱反応させて重質油から比重の重いタールと比重の軽い改質した軽質油とを夫々生成させ、比重の重いタールは反応容器の下部から抜出し、比重の軽い軽質油は反応容器の上部から抜出すように構成した重質油の改質装置において、前記反応容器の下部に該反応容器の内部に存在する混合流体を加熱する加熱装置を設け、前記反応容器の下部の該反応容器の内部に存在する混合流体の温度を検出する温度検出器を設け、この温度検出器で検出した検出温度に基づいて前記加熱装置による加熱量を制御する制御装置を設け、この制御装置によって加熱装置による加熱量を制御して前記反応容器の下部の該反応容器の内部に存在する混合流体を所望の温度範囲に調節するように構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、反応容器の内部で重質油と水の混合流体における水に対する重質油の溶解度を制御可能にして反応容器の内部で生成された軽質油とタールを効率良く分離できる重質油の改質装置が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施例である重質油の改質装置について図面を参照して以下に説明する。
【実施例1】
【0016】
図1は本発明の一実施例である重質油の改質装置1を示すものである。
【0017】
図1において、重質油の改質装置1は、350℃〜450℃に加熱した高温高圧の重質油32と、450℃〜450℃に加熱したの高温高圧の水33とを混合した混合流体31に対して、更にプレヒートして380℃〜455℃にした高温高圧の混合流体31を混合流体配管41を通じて上部から供給される反応容器6が備えられている。
【0018】
この反応容器6は、内部に供給された高温高圧の混合流体31が水熱反応できるように、350℃〜455℃の高温の条件を維持でき、また圧力も水の臨界圧の近傍の25MPa〜20MPaとなる超臨界から亜臨界圧の範囲が維持できるように構成されている。
【0019】
反応容器6の下部の外周側には、反応容器6の下部温度を増大させる手段となる加熱器10が配設されている。
【0020】
前記した重質油の改質装置1の反応容器6では、350℃〜455℃の高温・高圧条件で、重質油と水との混合流体31を水熱反応させることによって、重質油から水に溶解した改質油となる軽質油3が生成されて反応容器6の内部に滞留する。
【0021】
反応容器6の上部からは外部から重質油と水との混合流体31が連続的に供給され、また反応容器6の内部で生成されて滞留した軽質油3は反応容器6の上部に配設した軽質油配管42を通じて反応容器6から改質した軽質油3として連続的に流出させて取り出される。
【0022】
反応容器6の内部の重質油と水の混合流体31を水熱反応させた際に分子量が大きい油成分が分離したタール液滴5は、反応容器6の内部に滞留した軽質油3の中を重力差で下降して反応容器6の底部に沈降し、滞留したタール4の液層を形成する。
【0023】
反応容器6の底部に滞留したタール4は反応容器6の底部に配設したタール抜出配管9を通じて反応容器6から外部に間歇的に取り出されて排出される。
【0024】
このタール抜出配管9にはタール4の抜出をON、OFF操作するタール抜出弁8と、タール4の抜出量を調節するタール抜出調節弁7とが夫々設置されている。
【0025】
反応容器6の下部には温度計測器11が設置されており、反応容器6の下部に滞留したタール4の温度を計測するようになっている。
【0026】
また、本実施例の重質油の改質装置1にはコントローラ12が設置されており、前記温度計測器11で検出した反応容器6の下部の該反応容器6の内部に存在する混合流体31の温度が所望の設定温度値となるように、反応容器6の下部の外周側に設置した加熱器10の加熱量を調節している。
【0027】
反応容器6の上部から軽質油3を流出させる軽質油配管42には、該軽質油配管42を流下して流出する軽質油3の流量を計測する流量計測器23が設置されており、この流量計測器23で検出された軽質油3の流量はコントローラ12に入力されるように構成されている。
【0028】
そして、このコントローラ12では流量計測器23で検出された軽質油3の流量に基づいて、補完的に反応容器6の下部の外周側に設置した加熱器10の加熱量を調節して反応容器6の下部の該反応容器6の内部に存在する混合流体31の温度を調節するように構成されている。
【0029】
次に、本実施例である重質油の改質装置1の運転方法について説明する。
【0030】
図1において、350℃〜450℃の高温高圧の重質油32と、350℃〜450℃の高温高圧の水33とが混合して380℃〜455℃にプリヒートされた高温高圧の混合流体31は、水の臨界圧近傍の25MPaから亜臨界圧の20MPaの範囲となるように圧力設定されて、反応容器6の上部に配設した混合流体配管41を通じて反応容器6の内部に流入する。
【0031】
反応容器6に流入した高温高圧の混合流体31は、反応容器6の内部にて温度を380℃〜455℃、圧力を水の臨界圧近傍の25MPaから亜臨界圧の20MPaの範囲に調節して水熱反応させすることによって、水に対する混合流体31中の重質油の溶解度を変化させて水に溶解した改質油となる軽質油3を生成させる。
【0032】
反応容器6の内部では、前記の高温・高圧条件下で、重質油と水との混合流体31を水熱反応させることによって、水に溶解した改質油となる軽質油3が生成されて反応容器6の内部に滞留する。
【0033】
また、反応容器6の内部では、混合流体31が反応容器6内を流れる過程で分子量が大きい油成分が分離したタール液滴5は、反応容器6の内部に滞留した軽質油分3の中を重力差で下降して反応容器6の底部に沈降し、滞留したタール4の液層を形成する。
【0034】
反応容器6の下部の該反応容器6の内部に存在する混合流体31の温度は、反応容器6の下部に設置された温度計測器11によって検出されるので、この混合流体31の温度が所望の設定温度となるようにコントローラ12によって反応容器6の下部の外周側に設置した加熱器10の加熱量を調節するように制御する。
【0035】
コントローラ12によって加熱器10による混合流体31に対する加熱量を制御すると、反応容器6の下部の混合流体31の温度を変化させることが出来る。
【0036】
コントローラ12により前記加熱器10で温度調節される反応容器6の下部の該反応容器6の内部に存在する混合流体31の温度は、約390℃〜約450℃の温度範囲が望ましい。
【0037】
また、反応容器6の上部から軽質油3を流出させる軽質油配管42に設置された流量計測器23によって反応容器6から流出する軽質油3の流量を計測されるが、この流量計測器23で検出された軽質油3の流量はコントローラ12に入力されて、軽質油3の流量が所望の流量の範囲となるように補完的に加熱器10による混合流体31に対する加熱量を制御している。
【0038】
コントローラ12による前記加熱器10の温度調節によって反応容器6の上部から外部に流出する軽質油3の流量は、反応容器6に供給される重質油32の流量の約75%〜約95%に調節されているのが望ましい。
【0039】
ところで、本実施例である重質油の改質装置1の反応容器6に供給されて改質される重質油32は、C重油であり、水33と重質油32との混合流体31を形成する水油比は質量比で水がC重油の半分の0.5のものを使用した。
【0040】
重質油32であるC重油は市販されている硫黄含有率が0.3%以下の低硫黄C重油であり、その組成は、重量%で、炭素(C)86%、水素(H)13.6%、窒素(N)0.3%、硫黄(S)0.2%、灰分:0.03%、バナジウム(V)0.9ppmである。
【0041】
図2は重質油のC重油と水について、翼軸に温度(℃)を、縦軸に密度(kg/m)をとって温度と密度との関係を示した特性図であり、重質油のC重油の特性カーブを破線で、水の特性カーブを実線で表している。
【0042】
この図2に示した特性図から理解できるように、実線で示す水と破線で示す重質油のC重質の密度が近接する温度T1を越えて温度を上昇させて、重質油と水の密度差が大きく、水の密度が低下して変化の勾配が最大になる温度T2近傍または温度T2以上となるように温度を調節させると、重質油と水との分離が促進されることが示されている
ここで、図2に示した温度T1は約360℃であり、温度T2は約400℃である。
【0043】
また、タール4の密度はこの図2に示したC重油のカーブに近似させることができ、また軽質油3の密度は軽質油が水に溶け込むので図2に示した水のカーブと良く似た傾向を示す。
【0044】
このことから明らかなように、反応容器6の内部に存在する混合流体31の温度を約390℃〜約450℃の温度範囲に調節すれば、反応容器6の内部に存在する混合流体31から形成されたタール4と軽質油3との分離が促進されることになる。
【0045】
つまり、本実施例の重質油の改質装置1においては、反応容器6の内部に存在する混合流体31の温度を約390℃〜約450℃の温度範囲に調節することによって、反応容器6の内部に流入した高温高圧の混合流体31に含まれる重質油32を構成する油成分の中で、分子量の大きい成分の分離が顕著となる。
【0046】
そして、反応容器6の下部の該反応容器6の内部に存在する混合流体31の温度を、コントローラ12による加熱器10の加熱量の制御によって約390℃〜約450℃の温度範囲に調節することによって、水熱反応を生じた混合流体31の分子量の大きい油成分が混合流体31から離脱して、混合流体31中の比重の重いタール分のタール液滴5と、比重の軽い軽質油3とに重力他の作用により分離される。
【0047】
このうち、分離したタール液滴5は反応容器6の内部に滞留した軽質油3の中を重力差で下降して反応容器6の下部に沈降して滞留し、反応容器6の底部にタール4の液層を形成する。
【0048】
また、タール4を離脱させた軽質油3と水分は、反応容器6の上部から軽質油配管42を通じて流出する軽質油3として外部に設置した図示していない所定の軽質油の保管場所に供給される。
【0049】
ところで、反応容器6の下部の反応容器6の内部に存在する混合流体31の温度は、反応容器6の下部に設置した温度計測器11によって検出されるが、この温度計測器11で検出した混合流体31の温度に基づいて、この混合流体31の温度が所望の設定温度である約390℃〜約450℃の温度範囲となるようにコントローラー12によって加熱器10の加熱量を調節する。
【0050】
反応容器6の下部の反応容器6の内部に存在する混合流体31の温度を約390℃〜約450℃の温度範囲に調節することによって、上述したように図2に示した水33の密度が重質油32に較べて小さくなって重質油32と水33との密度差が大となるので、同じような傾向を示す重質油32と軽質油3との分離が容易となる。
【0051】
尚、混合流体31の温度を約450℃を超えて加熱させるとコークスが生成してしまうので、その上限温度は約450℃となる。
【0052】
次に、図3に本実施例である重質油の改質装置1に備えられた反応容器6の内部で、重質油32と水33との混合流体31を、温度が350℃〜455℃、圧力が水の臨界圧の25MPaから亜臨界圧の20MPaに設定させた高温高圧の条件下で水熱反応して生成された軽質油3の回収率と反応容器6の下部である反応容器6の内部に存在する混合流体31の温度との関係を示す。
【0053】
改質した軽質油3の燃料回収率を縦軸に、反応容器6の下部の該反応容器6の内部に存在する混合流体31の温度を横軸にとって、燃料回収率と反応容器6の内部の温度との関係を図3に示したが、この図3からは以下のことが分かった。
【0054】
即ち、反応容器6の内部の混合流体31の温度が380℃から420℃までは軽質油3の燃料回収率は約90%以上を維持するが、前記混合流体31の温度が430℃からは燃料回収率が低下し始め、前記混合流体31の温度が440℃付近で燃料回収率が極小となる。
【0055】
ところが、反応容器6の内部の混合流体31の温度が440℃を越えると燃料回収率が上昇し始めて、前記混合流体31の温度が455℃で燃料回収率が90%に達した。
【0056】
反応容器6の下部の混合流体31の温度が低い条件では生成されたタール4と軽質油3との密度が図2に示した重質油と水の密度と同じような傾向となって、両者の密度が共に近くなるためにタール4と軽質油3の分離が困難であり、両者の大部分が軽質油分として反応容器6の上部から流出することになるので、燃料回収率は90%以上になる。
【0057】
反応容器6の下部の混合流体31の温度が上昇すると、温度の上昇に伴ってタール4と軽質油3との分離が向上するので軽質油の燃料回収率は一時的に極小値となるが、更に反応容器6の内部の混合流体31の温度を上昇させると軽質油分の燃料回収率も再び上昇させることができる。
【0058】
次に図4に本実施例である重質油の改質装置1に備えられた反応容器6の内部で、重質油32と水33との混合流体33を、温度が350℃〜455℃、圧力が水の臨界圧の25MPaから亜臨界圧の20MPaに設定させた高温高圧の条件下で水熱反応して生成された軽質油3の燃料回収率と、生成される軽質油3を含むガス成分の比率との関係を示す。
【0059】
図4において、反応容器6内で生成した軽質油3の燃料回収率を縦軸に、生成される軽質油3を含むガス成分の組成の違いをガス成分の比率として横軸に表してあり、ガス成分の比率が低い場合は、低分子量物質の割合が低いガスであることを示している。
【0060】
この図4の燃料回収率とガス成分の比率との関係を示した特性図からは以下のことが分かった。
【0061】
即ち、反応容器6の内部で改質した軽質油3を含むガス成分は混合流体31を構成するC重油である重質油32が反応容器6の内部で混合流体31を構成する水と水熱反応することにより生成する。
【0062】
この生成した軽質油3を含むガス成分の比率に含まれる軽質油3の燃料回収率は、ガス成分の比率が0.5%未満では90%以上となるが、ガス成分の比率が0.5%を越えると燃料回収率は低下し始め、ガス成分の比率が0.7%近傍で燃料回収率は極小(約55%)となる。
【0063】
ところが、ガス成分の比率が0.7%以上となると燃料回収率が上昇し始めて、ガス成分の比率が1.8%で燃料回収率は90%に達した。
【0064】
ここで、改質された軽質油3の燃料回収率を示す特性カーブが極小値を持つ原因を検討すると、図3及び図4に示された特性カーブの右端の位置で得られた軽質油3のバナジウム(V)濃度は0.1ppm未満であった。
【0065】
また、燃料回収率が80%未満に低下した反応容器6の内部の温度が430℃以上の条件の位置で得られた軽質油3でもV濃度の低下が見られた。
【0066】
これに対して、反応容器6の内部の混合流体31の温度が低い420℃以下の条件の位置で得られた軽質油3のV濃度は重質油のC重油と同等であり、Vは除去されていなかった。
【0067】
次に反応容器6の内部の混合流体31の温度が390℃と450℃との条件における反応容器6の内部の水熱反応で生成されたタール4の成分を重質油のC重油と比較して示すと図7の通りとなる。
【0068】
図7は本実施例で反応容器6の内部で異なる温度条件で生成したタールと重質油との成分を比較した図である。
【0069】
図7から明らかなように、反応容器6の内部の混合流体31の温度が390℃の条件ではC重油とタール4の成分には明確な差はないが、反応容器6の内部の混合流体31の温度が450℃の条件ではタール4の炭素(C)や硫黄(S)の濃度が濃く、水素(H)の濃度が低くなっていることから、反応容器6の内部の混合流体31の温度が430℃以上の条件では改質された軽質油3とタール4の成分に明確な差が生じている。
【0070】
以上のことから、反応容器6の内部の混合流体31の温度が420℃以下の条件では重質油32と水33との混合流体33は軽質油3とタール4とに分離せずにそのまま反応容器6から外部に流出する。
【0071】
反応容器6の内部の混合流体31の温度が430℃以上の条件では重質油32と水33との混合流体33は水熱反応によって軽質油3とタール4とに分離するが、反応容器6の内部の混合流体31の温度がタール4の生成量が多い440℃近傍の条件になると軽質油3の燃料回収率が低下して極小値を持つものとなる。
【0072】
また、反応容器6の内部の混合流体31の温度が420℃以下の条件で軽質油3とタール4とが明確に分離しなかった原因としては以下のことが考えられる。
【0073】
第一に、混合流体31の温度が420℃以下の条件では430℃以上の条件と比較して熱分解による高分子量の物質の生成量が少なく、高分子量の物質と改質された軽質油ガス等の低分子量の物質との密度差が小さいために重力分離できなかったものと考えられる。
【0074】
第二に、軽質油3を含む生成されたガス成分の比率が0.7%以上ではガス成分の比率が高くなるほど軽質油3の燃料回収率が高いことから、反応容器6の内部で熱分解等の反応によって改質された軽質油ガスが生成して、軽質油3の燃料回収率を増加させたものと考えられる。
【0075】
軽質油3を含むガス成分の比率の増加による燃料回収率の増加は、ガス成分の比率が0.7%から1.8%までの1.1%のガス成分の増加比率が、燃料回収率は極小値の55%からガス成分の比率1.8%の位置における燃料回収率90%までの35%の燃料回収率の増大分に較べて小さいため、前者による影響が大きいものと考えられる。
【0076】
ガス成分比率が低い場合はタールと軽質油分の密度が近いために両者の分離が困難であり、反応容器6で生成された大部分が軽質油分として反応容器6の上部から流出するため、燃料回収率は90%以上となる。
【0077】
反応容器6の下部の温度が低いほど加熱器10による加熱に要する熱量が少なくランニングコストを抑えることができるため容器温度は低い方が良いが、燃料性状によってはタールと軽質油の分離が不十分な場合や、軽質油の燃料回収率が低いことが考えられる。
【0078】
その場合は、流量計測器23によって反応容器6の上部から軽質油配管42を通じて流出する軽質油3の流量を測定し、軽質油の燃料回収率が所定の燃料回収率に達していない場合は、コントローラー12によって流量計測器23で検出した流量に基づいて加熱器10から反応容器6の下部に投入される熱量を増加させることで反応容器6の下部の混合流体31の温度を生成するタール4が軽質油3と分離し易い所望の温度範囲である約390℃〜約450℃に調節し、タール4と軽質油3との分離を促進して軽質油3の燃料回収率を高めれば良い。
【0079】
一方、加熱器10による投入熱量が多すぎて、反応容器6で生成される軽質油の燃料回収率が所定値の範囲より高い場合は、流量計測器23で検出する軽質油3の流量測定値が流量大となるため、検出される流量測定値、すなわち軽質油の燃料回収率が所定値の範囲になるようにコントローラー12により加熱器10から反応容器6の下部に投入される熱量を低下させれば良い。
【0080】
反応容器の上部から外部に流出する軽質油3の流量は、反応容器6に供給される重質油32の流量の約75%〜約95%に調節するようにするのが望ましい。
【0081】
この結果、加熱器10によって加熱された反応容器6の下部に存在する混合流体31の温度は所望の約390℃〜約450℃の温度範囲に調節されてタール4と軽質油3とが分離し易くなり、反応容器6から選択的にタール4を分離してタール抽出配管9を通じて外部に排出できるものとなる。
【0082】
即ち、図1に示した実施例では、高温・高圧条件の水33と重質油32との混合流体31は、反応容器6の上部から内部に供給される。
【0083】
反応容器6の内部に流入する混合流体31の温度、圧力条件は反応容器6の内部を水の亜臨界条件から超臨界条件となる近傍に維持することにより、反応容器6の内部で混合流体31は水に対する重質油の溶解度を変化させることができる。
【0084】
そして混合流体31が反応容器6に供給される過程において、反応容器6の下部の外周側に設置された加熱器10から加熱させることによって反応容器6の下部の混合流体31に入熱させ、混合流体31の温度を増大させる。
【0085】
特に、反応容器6の内部の混合流体31の温度を所望の約390℃〜約450℃の温度範囲となるように温度を増大させると水に対する重質油の溶解度が小さくなるが、重質油の溶解度が低下するのは重質油を構成する油成分の中で分子量の大きい成分が顕著である。
【0086】
そのため、反応容器6の内部の混合流体31の流体温度の増加に伴い、分子量の大きい油成分が混合流体31から離脱して比重の重い混合流体31中のタール分がタール液滴5となって分子量が小さく比重の軽い軽質油3と重力他の作用により分離し、このタール液滴5は反応容器6の下部に落下して反応容器6の底部に滞留してタール液層4を形成する。
【0087】
よってタール分が離脱した分子量が小さく比重の軽い軽質分3は、反応容器6の上部から外部に軽質油配管42を通じて流出させることができる。
【0088】
また、反応容器6の下部に滞留したタール4のみを選択的に分離させるために、反応容器6の下部に設けて反応容器6の内部に存在する混合流体31の温度を検出温度計測器11で検出し、コントローラー12では検出温度計測器11で検出した混合流体31の検出温度に基づいて加熱器10の加熱量を調節し、反応容器6の下部の混合流体31の温度を所望の約390℃〜約450℃の温度範囲に調節することによってタール4と軽質油3とを分離し易くするので、反応容器6から選択的にタール4を分離してタール抽出配管9を通じて外部に容易に排出できる。
【0089】
本実施例では、反応容器6の下部の混合流体31の温度を適切に管理することが可能となるので、水に対する重質油の溶解度を制御して反応容器6に流入した重質油と水の混合流体から、効率良く分子量の重いタール分を選択的に分離して外部に排出することができる。
【0090】
上記した本実施例によれば、反応容器の内部で重質油と水の混合流体における水に対する重質油の溶解度を制御可能にしてこの重質油と水とを効果的に水熱反応させ、生成された軽質油とタールを効率良く分離できる重質油の改質装置が実現できる。
【実施例2】
【0091】
図5は本発明の他の実施例である重質油の改質装置1を示すものである。
【0092】
図5に示した本実施例の重質油の改質装置1は図1に示した先の実施例である重質油の改質装置1と基本構成が共通しているので、本実施例では共通した構成の説明は省略して相違した構成についてのみ以下に説明する。
【0093】
図5において、本実施例では反応容器6の下部には、反応容器6の加熱手段として反応容器6の内部に加熱配管13を配設して、この加熱配管13に高温の熱媒体15を流通させて反応容器6の下部の混合流体31と熱交換して反応容器6の下部の混合流体31の温度を所望の約390℃〜約450℃の温度範囲に調節する構成である。
【0094】
反応容器6の外部に面するこの加熱配管13の部分には該加熱配管13に流通させる高温の熱媒体15の流量を調節する流量調節弁14が設置されており、反応容器6の下部に設けて反応容器6の内部に滞留する混合流体31の温度を検出する温度計測器11で検出した混合流体31の検出温度はコントローラ12に入力する。
【0095】
コントローラ12では温度計測器11で検出した混合流体31の検出温度に基づいて所望の約390℃〜約450℃の温度範囲となるような熱媒体15の流量を演算し、流量調節弁14に弁の開度指令信号を出力して該加熱配管13に流通させる高温の熱媒体15の流量を調節するものである。
【0096】
この結果、加熱配管13に高温の熱媒体15を流通させて加熱された反応容器6の下部に滞留する混合流体31の温度は所望の温度に調節されてタール4と軽質油3とが分離し易くなり、反応容器6から選択的にタール4を分離してタール抽出配管9を通じて外部に排出するものである。
【0097】
即ち、図5に示した実施例では、高温・高圧条件の水33と重質油32との混合流体31は、反応容器6の上部から内部に供給される。
【0098】
反応容器6の内部に流入する混合流体33の温度、圧力条件は反応容器6の内部を水の亜臨界条件から超臨界条件となる近傍に維持することにより、反応容器6の内部で混合流体31は水に対する重質油の溶解度を変化させることができる。
【0099】
そして混合流体31が反応容器6に供給される過程において、反応容器6の下部の反応容器6の内部に設置された加熱配管13に高温の熱媒体15を流通させることによって反応容器6の内部の混合流体31に入熱させ、混合流体31の温度を増大させる。
【0100】
特に、反応容器6の内部の混合流体31の温度を所定範囲となるように温度を増大させると水に対する重質油の溶解度が小さくなるが、重質油の溶解度が低下するのは重質油を構成する油成分の中で分子量の大きい成分が顕著である。
【0101】
そのため、反応容器6の内部の混合流体31の流体温度の増加に伴い、分子量の大きい油成分が混合流体31から離脱して比重の重い混合流体31中のタール分がタール液滴5となって、分子量が小さく比重の軽い軽質油3と重力他の作用により分離し、このタール液滴5は反応容器6の下部に落下して反応容器6の底部に滞留し、タール液層4を形成する。
【0102】
よってタール分が離脱した分子量が小さく比重の軽い軽質分3は、反応容器6の上部から外部に軽質油配管42を通じて流出させることができる。
【0103】
また、反応容器6の下部に滞留したタール4のみを選択的に分離させるために、反応容器6の下部に設けて反応容器6の内部に存在する混合流体31の温度を検出温度計測器11で検出し、コントローラー12では検出温度計測器11で検出した混合流体31の検出温度に基づいてこの混合流体31の温度が所望の約390℃〜約450℃の温度範囲となるように流量調節弁14の開度を調節して加熱配管13に流通させる高温の熱媒体15の流量及び温度を制御し、反応容器6の下部に存在する混合流体31の温度を所望の温度に調節してタール4と軽質油3とを分離し易くするので、反応容器6から選択的にタール4を分離してタール抽出配管9を通じて外部に容易に排出できる。
【0104】
本実施例によれば、反応容器の下部のタール分の温度を適切に管理することが可能となるので、水に対する重質油の溶解度を制御して反応容器に流入した重質油と水の混合流体から、効率良く分子量の重いタール分を選択的に分離して外部に排出することができる。
【0105】
しかも、本実施例によれば、図1の実施例に較べて反応容器の下部の容器内にタールを加熱する加熱配管13を配設すればよいので、改質装置の反応容器のサイズを小型化できる。
【0106】
上記した本実施例によっても、反応容器の内部で重質油と水の混合流体における水に対する重質油の溶解度を制御可能にしてこの重質油と水とを効果的に水熱反応させ、生成された軽質油とタールを効率良く分離できる重質油の改質装置が実現できる。
【実施例3】
【0107】
図6は本発明の更に他の実施例である重質油の改質装置1を示すものである。
【0108】
図6に示した本実施例の重質油の改質装置1は図1に示した先の実施例である重質油の改質装置1と基本構成が共通しているので、本実施例では共通した構成の説明は省略して相違した構成についてのみ以下に説明する。
【0109】
図5において、本実施例では反応容器6の下部には、反応容器6の加熱手段として反応容器6の内部に空気供給ノズル16を配設して、この空気供給ノズル16から酸化剤となる空気18を供給して反応容器6の内部に存在する混合流体31に含まれる重質油32の一部がこの酸化剤となる空気18と反応することにより熱を生じさせ、反応容器6の下部に滞留する混合流体31の温度を所望の温度に調節する構成である。
【0110】
反応容器6の外部に面するこの空気供給ノズル16の配管部分には該空気供給ノズル16に供給する空気18の流量を調節する流量調節弁14が設置されており、反応容器6の下部に設けて反応容器6の内部に存在する混合流体31の温度を検出する温度計測器11で検出した検出温度はコントローラ12に入力する。
【0111】
コントローラ12では温度計測器11で検出した混合流体31の検出温度に基づいて所望の約390℃〜約450℃の温度範囲となるような空気18の流量を演算し、流量調節弁14に弁の開度指令信号を出力して該空気供給ノズル16に供給する空気18の流量を調節するものである。
【0112】
この結果、空気供給ノズル16から空気18を供給して反応容器6の下部に存在する混合流体31に含まれる重質油32の一部がこの空気18と反応することにより熱を生じさせ、反応容器6の下部の混合流体31の温度は所望の温度に調節されてタール4と軽質油3とが分離し易くなり、反応容器6から選択的にタール4を分離してタール抽出配管9を通じて外部に排出するものである。
【0113】
即ち、図6に示した実施例では、高温・高圧条件の水33と重質油32との混合流体31は、反応容器6の上部から内部に供給される。
【0114】
反応容器6の内部に流入する混合流体33の温度、圧力条件は反応容器6の内部を水の亜臨界条件から超臨界条件となる近傍に維持することにより、反応容器6の内部で混合流体31は水に対する重質油の溶解度を変化させることができる。
【0115】
そして混合流体31が反応容器6に供給される過程において、反応容器6の下部の反応容器6の内に設置された空気供給ノズル16から空気18を供給させることによって反応容器6の内部に存在する混合流体31に含まれる重質油32の一部がこの空気18と反応することにより熱を生じさせ、混合流体31の温度を増大させる。
【0116】
特に、反応容器6の内部の混合流体31の温度を所望の約390℃〜約450℃の温度範囲となるように温度を増大させると水に対する重質油の溶解度が小さくなるが、重質油の溶解度が低下するのは重質油を構成する油成分の中で分子量の大きい成分が顕著である。
【0117】
そのため、反応容器6の内部の混合流体31の流体温度の増加に伴い、分子量の大きい油成分が混合流体31から離脱して比重の重い混合流体31中のタール分がタール液滴5となって、分子量が小さく比重の軽い軽質油3と重力他の作用により分離し、このタール液滴5は反応容器6の下部に落下して反応容器6の底部に滞留し、タール液層4を形成する。
【0118】
よってタール分が離脱した分子量が小さく比重の軽い軽質分3は、反応容器6の上部から外部に軽質油配管42を通じて流出させることができる。
【0119】
また、反応容器6の下部に滞留したタール4のみを選択的に分離させるために、反応容器6の下部に設けて反応容器6の内部の混合流体31の温度を検出温度計測器11で検出し、コントローラー12では検出温度計測器11で検出した混合流体31の検出温度に基づいてこの混合流体31の温度が所望の約390℃〜約450℃の温度範囲となるように流量調節弁14の開度を調節して空気供給ノズル16から供給する空気18の流量を制御し、反応容器6の下部の混合流体31の温度を所望の温度に調節してタール4と軽質油3とを分離し易くするので、反応容器6から選択的にタール4を分離してタール抽出配管9を通じて外部に容易に排出できる。
【0120】
本実施例によれば、反応容器の下部のタール分の温度を適切に管理することが可能となるので、水に対する重質油の溶解度を制御して反応容器に流入した重質油と水の混合流体から、効率良く分子量の重いタール分を選択的に分離して外部に排出することができる。
【0121】
しかも、本実施例によれば、図1及び図5の各実施例に較べて反応容器の下部の容器内に滞留したタールを加熱するための特定の熱源を必要としないので、改質装置の構造を簡素化できる。
【0122】
本実施例によれば、反応容器の内部で重質油と水の混合流体における水に対する重質油の溶解度を制御可能にしてこの重質油と水とを効果的に水熱反応させ、生成された軽質油とタールを効率良く分離できる重質油の改質装置が実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本発明は、高温高圧条件下の反応容器内で重質油と水とを水熱反応させて重質油から不純物を濃縮したタールとタール以外の軽質油とに分離し、比重の重いタールと比重の軽い軽質油を反応容器から外部に夫々抜出す重質油の改質装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】本発明の一実施例である反応容器を備えた重質油の改質装置を示す概略構成図。
【図2】重質油と水について温度と密度の関係を示した特性図。
【図3】図1に示した本発明の実施例における反応容器の内部の温度と燃料回収率との関係を示す特性図。
【図4】図1に示した本発明の実施例における反応容器の内部で生成した軽質油のガス成分比率と燃料回収率の関係を示す特性図。
【図5】本発明の他の実施例である反応容器を備えた重質油の改質装置を示す概略構成図。
【図6】本発明の更に他の実施例である反応容器を備えた重質油の改質装置を示す概略構成図。
【図7】図1に示した本発明の実施例における反応容器で生成したタールと重質油との成分の比較図。
【符号の説明】
【0125】
1:改質装置、3:軽質油、4:タール、5:タール液滴、6:反応容器、7:タール抜出調節弁、8:タール抜出弁、9:タール抜出配管、10:加熱器、11:温度計測器、12:コントローラー、13:加熱配管、14:流量調節弁、15:熱媒体、16:容器内に設置した空気供給ノズル、17:容器下部温度によりノズル16への空気の流量を制御するコントローラー、18:空気、19:重質油、20:蒸気、21:蒸気噴射ノズル、22:内筒、23:流量計測器、31:混合流体、32:重質油、33:水、41:混合流体配管、42:軽質油配管。
【出願人】 【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【出願日】 平成18年11月28日(2006.11.28)
【代理人】 【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人


【公開番号】 特開2008−133370(P2008−133370A)
【公開日】 平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願番号】 特願2006−320651(P2006−320651)