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【発明の名称】 オクタン価の喪失が少ない分解ガソリンの深度脱硫方法
【発明者】 【氏名】アレキサンドル ニコラオス

【氏名】フロラン ピカール

【氏名】カンタン デビュイシェール

【氏名】アニック プッチ

【要約】 【課題】オクタン価の喪失が少ない分解ガソリンの深度脱硫方法を提供する。

【解決手段】本発明の硫黄含有炭化水素フラクションの処理方法は、a)前記炭化水素フラクションを水素化脱硫して、硫黄が激減した流出物を生じさせる工程であって、水素と混合された前記炭化水素フラクションを、少なくとも1種の水素化脱硫触媒上に通すことからなる、工程と、b)過剰に導入された水素並び工程a)において形成されたHSから部分的に脱硫された炭化水素フラクションを分離する工程と、c)硫黄化合物を収集する工程であって、工程b)に由来する部分的に脱硫された炭化水素フラクションを吸着剤と接触させることからなり、該吸着剤は、ニッケルを含むものであり、該吸着剤は、水素の不存在下に40〜300℃の温度で還元された形態で使用され、吸着剤の還元された形態中のニッケルの含有量は、約40重量%である、工程とを包含する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
硫黄含有炭化水素フラクションの処理方法であって、
a) 前記炭化水素フラクションを水素化脱硫して、硫黄が激減した流出物を生じさせる工程であって、水素と混合された前記炭化水素フラクションを、少なくとも1種の水素化脱硫触媒上に通すことからなる、工程と、
b) 過剰に導入された水素並び工程a)において形成されたHSから部分的に脱硫された炭化水素フラクションを分離する工程と、
c) 硫黄化合物を収集する工程であって、工程b)に由来する部分的に脱硫された炭化水素フラクションを吸着剤と接触させることからなり、該吸着剤は、ニッケルを含むものであり、該吸着剤は、水素の不存在下に40〜300℃の温度で還元された形態で使用され、吸着剤の還元された形態中のニッケルの含有量は、約40重量%である、工程と
を包含する方法。
【請求項2】
炭化水素フラクションは、オレフィン化合物を含有するガソリンである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
吸着剤は、金属酸化物をベースとする担体または金属酸化物をベースとするバインダーを含み、該金属酸化物は、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、並びにゼオライトの系統によって構成される群から選ばれる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
水素化脱硫工程a)は、水素化脱硫を行うのに適した1種以上の触媒を含有する連続する1以上の水素化脱硫反応器において、処理されるべきガソリンを水素と接触させることからなる、請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
水素化脱硫工程の操作圧力は、1または複数の反応器において、0.5〜5MPaであり、温度は、1または複数の反応器において、200〜400℃である、請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
水素化脱硫工程a)が連続する複数の反応器において行われる場合に、水素化脱硫工程の各反応器の平均操作温度は、先行する反応器の操作温度より少なくとも5℃高い、請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
水素化脱硫工程において用いられる触媒(単数種または複数種)は、アルミナ、炭化ケイ素、シリカ、シリカ−アルミナ、酸化チタンおよび酸化マグネシウム(これらの最後の2種の酸化物は、単独でまたはアルミナまたはシリカ−アルミナと混合されて用いられる)によって構成される群から選ばれる無定形かつ多孔質の鉱物担体を含み、担体の比表面積は200m/g未満であり、硫化前の触媒の多孔度は、それが20nmより大きい平均細孔径を有するようにされ、触媒は、第VI族からの少なくとも1種の金属および/または第VIII族の少なくとも1種の金属を前記担体上に含有し、第VI族からの金属の表面密度は担体の面積(m)当たり前記金属の酸化物2×10−4〜4.0×10−3gである、請求項4〜6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
工程b)において、反応混合物は80℃未満の温度に冷却されて炭化水素が凝縮させられ、気相および液相は、分離フラスコにおいて分離され、脱硫ガソリン並びに一部の溶解されたHSを含有する液体フラクションは、ストリッピングセクションに送られ、主として水素によって構成され、かつ、HSの大部分を含有する気体フラクションは、精製セクションに送られる、請求項1〜7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
ストリッピングは、残留痕跡量のHSを含み、凝縮させられ得ない軽質化合物を頂部で回収することを可能にする蒸留塔においてガソリンを加熱することによって行われる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
工程c)の前に、工程b)に由来する部分的に脱硫されたガソリンは、硫黄を含有する別のガソリンと混合される、請求項2〜9に記載の方法。
【請求項11】
工程c)の前に、炭化水素フラクションは、軽質フラクションと重質フラクションの2つのフラクションに蒸留され、重質フラクションのみが、水素化脱硫工程a)によって処理され、軽質および重質フラクションは、HS分離工程b)の前または後に再混合され、軽質および重質フラクションは、収集工程c)において一緒に処理される、請求項1〜10のいずれか1つに記載の方法。
【請求項12】
炭化水素フラクションは、工程a)の前に、チオールタイプの軽質飽和硫黄化合物をより重質の硫黄化合物に転化することからなる第1の工程において処理される、請求項1〜11のいずれか1つに記載の方法。
【請求項13】
生じた炭化水素フラクションは、軽質留分、中間留分および重質留分の3つの留分に蒸留され、中間留分および重質留分のそれぞれは、水素化脱硫工程(工程a)、次いで、分離工程(工程b)において別々に処理され、硫黄化合物を収集する工程(工程c)が、工程b)の流出物またはそれらの混合物について行われる、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、高オクタン価を保ちかつ水素消費を最小限にしながら、一般的には炭化水素中の、より特定的にはガソリン中の、好ましくは分解ガソリン中の硫黄含有量を低減させることを可能にする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車燃料の規格は、これらの燃料、特にガソリンの硫黄含有量の相当な低減を規定する。この低減は、自動車の排気ガスの硫黄および窒素酸化物含有量を特に制限することを目的とする。欧州の法規は、ガソリン燃料の規格を規定しており、それは、2005年から硫黄が50ppmであり、2009年には硫黄が10ppmに低減させられることになる。これらの規格を達成するために、それらの硫黄含有量を低減させるようにガソリンを処理することが必要である。
【0003】
ガソリンベースにおける第1の硫黄源は、いわゆる分解ガソリンであり、主として、原油の常圧または真空蒸留の残油の接触分解の方法に由来するガソリンフラクションである。平均でガソリンベースの40%の割合を占める接触分解に由来するガソリンフラクションは、実際に、ガソリン中の硫黄の90%超の割合を占める。したがって、低硫黄ガソリンの製造には、接触分解ガソリンの脱硫の工程が必要である。他の硫黄リッチなガソリン源の中で、コークスまたはビスブレーキガソリン、または、それほどではないが、常圧蒸留またはスチームクラッキングからのガソリンも言及され得る。
【0004】
ガソリンの硫黄含有量は、低硫黄原油を精油所に供給することによって低減させられ得るが、原油の高まる希少性によって、精油所は、高硫黄原油を購入するようになってきている。低硫黄燃料を製造するための可能な代替ルートの中で、非常に広く適用されているものは、水素の存在下の水素化脱硫法によって高硫黄ガソリンベースを特別に処理することからなる。従来の方法は、非選択的な方法でガソリンを脱硫しており、モノオレフィンの大部分を水素化していた。これは、オクタン価の大幅な喪失および高い水素消費の結果となる。最新の方法、例えば、Prime G+(商標)法は、モノオレフィンの水素化を依然として制限し、その結果として、オクタン喪失および高い水素消費を制限しながらオレフィンリッチな分解ガソリンを脱硫することを可能にする。このような方法は、例えば、特許文献1および2に記載されている。それにもかかわらず、分解ガソリンが高深度に脱硫されなければならない場合、分解ガソリン中に存在する或る程度のオレフィンが一方では水素化され、他方ではHSと再結合してチオールを形成する。
【0005】
モノオレフィンを含有する分解ガソリンの水素化脱硫は、水素と混合された処理されるべき装入材料を金属硫化物タイプの触媒上に通して、硫黄を硫化水素(HS)に還元する反応を促進することからなる。次いで、反応混合物は冷却されて、ガソリンが凝結させられる。過剰の水素およびHSを含有する気相は分離され、脱硫ガソリンが回収される。
【0006】
脱硫ガソリン中に概して存在する残留硫黄化合物は、2つの別の系統に分離され得る:一方では装入材料中に存在する非水素化硫黄化合物、他方では再結合反応と呼ばれる二次反応によって反応器内で形成される硫黄化合物である。硫黄化合物のこの後者の系統の中で、化合物の大部分は、反応器内で形成されたHSの、装入材料中に存在するモノオレフィンへの付加からのチオールである。化学式R−SH(ここで、Rは、アルキル基である)のチオールはまた、再結合チオールと呼ばれ、一般的には、脱硫ガソリン中の残留硫黄の重量で20〜80%の割合を占める。
【0007】
再結合チオール含有量は、接触水素化脱硫によって低減させられ得るが、これは、ガソリン中に存在するモノオレフィンの大部分の水素化を伴い、このことは、ガソリンのオクタン価の著しい低減並びに余分な水素の消費を意味する。硫黄含有量が低くなる程、水素化脱硫工程の間のモノオレフィンの水素化に関連してオクタン価の喪失も大きくなることも知られている;すなわち、装入材料中に存在する硫黄化合物を徹底的に取り除くことが求められている。
【0008】
これらの理由のために、それ故に、分解ガソリン中に当初から存在しており転化されていない硫黄化合物および再結合チオールが同時に、オクタン価を保つために、存在するモノオレフィンを水素化することなく除去されることを可能にするであろう賢明に選ばれた吸着技術によってこの部分的に水素化脱硫されたガソリンを処理することが好ましい。
【0009】
種々の解決法が、吸着タイプの方法を用いてまたは水素化脱硫および吸着工程の組合せによって分解ガソリンを脱硫することについての文献に記載されている。
【0010】
例えば、特許文献3には、第1の水素化脱硫工程においてガソリンを処理し、次いで、最終工程の間にそこからチオールタイプの化合物を除去することによってオレフィンガソリンを脱硫する方法が記載されている。この最終工程は、主として、溶媒により洗浄することによってチオールを抽出することからなる。
【0011】
特許文献4には、処理されるべき混合物を、周期律表の第IB族、IIB族、IIIA族から選ばれた還元金属上に通し、37℃以下の温度で行われることによってオレフィン留分中に含まれる単体硫黄およびチオールを収集する解決法が提案されている。
【0012】
特許文献5には、ガソリン中に存在する硫黄または部分的に脱硫されたガソリン中に存在する残留硫黄を収集することを目的とする方法であって、コバルト並びに第VI族の金属を含有する固体の使用に基づく方法が示されている。
【0013】
特許文献6には、吸着によるガソリンの脱硫方法並びに吸着剤を再生する方法が示されている。考慮される吸着剤は、あらゆる水素化処理触媒、より特定的には、第VIII族の金属のみを含有するか、または第VI族の金属を有し、2〜20%の第VIII族金属を含む混合物における固体である。
【特許文献1】欧州特許第1077247号明細書(特開2001−55584号公報)
【特許文献2】欧州特許第1174485号明細書(特開2002−47497号公報)
【特許文献3】米国特許出願公開第2003/0188992号明細書
【特許文献4】米国特許第5866749号明細書
【特許文献5】米国特許第6579444号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2003/0226786号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、オクタン価の喪失が少ない分解ガソリンの深度脱硫方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するため、本発明の硫黄含有炭化水素フラクションの処理方法は、
a) 前記炭化水素フラクションを水素化脱硫して、硫黄が激減した流出物を生じさせる工程であって、水素と混合された前記炭化水素フラクションを、少なくとも1種の水素化脱硫触媒上に通すことからなる、工程と、
b) 過剰に導入された水素並び工程a)において形成されたHSから部分的に脱硫された炭化水素フラクションを分離する工程と、
c) 硫黄化合物を収集する工程であって、工程b)に由来する部分的に脱硫された炭化水素フラクションを吸着剤と接触させることからなり、該吸着剤は、ニッケルを含むものであり、該吸着剤は、水素の不存在下に40〜300℃の温度で還元された形態で使用され、吸着剤の還元された形態中のニッケルの含有量は、約40重量%である、工程と
を包含する。
【0016】
炭化水素フラクションは、オレフィン化合物を含有するガソリンであることが好ましい。
【0017】
吸着剤は、金属酸化物をベースとする担体または金属酸化物をベースとするバインダーを含み、該金属酸化物は、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、並びにゼオライトの系統によって構成される群から選ばれることが好ましい。
【0018】
水素化脱硫工程a)は、水素化脱硫を行うのに適した1種以上の触媒を含有する連続する1以上の水素化脱硫反応器において、処理されるべきガソリンを水素と接触させることからなることが好ましい。
【0019】
水素化脱硫工程の操作圧力は、1または複数の反応器において、0.5〜5MPaであり、温度は、1または複数の反応器において、200〜400℃であることが好ましい。
【0020】
水素化脱硫工程a)が連続する複数の反応器において行われる場合に、水素化脱硫工程の各反応器の平均操作温度は、先行する反応器の操作温度より少なくとも5℃高いことが好ましい。
【0021】
水素化脱硫工程において用いられる触媒(単数種または複数種)は、アルミナ、炭化ケイ素、シリカ、シリカ−アルミナ、酸化チタンおよび酸化マグネシウム(これらの最後の2種の酸化物は、単独でまたはアルミナまたはシリカ−アルミナと混合されて用いられる)によって構成される群から選ばれる無定形かつ多孔質の鉱物担体を含み、担体の比表面積は200m/g未満であり、硫化前の触媒の多孔度は、それが20nmより大きい平均細孔径を有するようにされ、触媒は、第VI族からの少なくとも1種の金属および/または第VIII族の少なくとも1種の金属を前記担体上に含有し、第VI族からの金属の表面密度は担体の面積(m)当たり前記金属の酸化物2×10−4〜4.0×10−3gであることが好ましい。
【0022】
工程b)において、反応混合物は80℃未満の温度に冷却されて炭化水素が凝縮させられ、気相および液相は、分離フラスコにおいて分離され、脱硫ガソリン並びに一部の溶解されたHSを含有する液体フラクションは、ストリッピングセクションに送られ、主として水素によって構成され、かつ、HSの大部分を含有する気体フラクションは、精製セクションに送られることが好ましい。
【0023】
ストリッピングは、残留痕跡量のHSを含み、凝縮させられ得ない軽質化合物を頂部で回収することを可能にする蒸留塔においてガソリンを加熱することによって行われることが好ましい。
【0024】
工程c)の前に、工程b)に由来する部分的に脱硫されたガソリンは、硫黄を含有する別のガソリンと混合されることが好ましい。
【0025】
工程c)の前に、炭化水素フラクションは、軽質フラクションと重質フラクションの2つのフラクションに蒸留され、重質フラクションのみが、水素化脱硫工程a)によって処理され、軽質および重質フラクションは、HS分離工程b)の前または後に再混合され、軽質および重質フラクションは、収集工程c)において一緒に処理されることが好ましい。
【0026】
炭化水素フラクションは、工程a)の前に、チオールタイプの軽質飽和硫黄化合物をより重質の硫黄化合物に転化することからなる第1の工程において処理されることが好ましい。
【0027】
生じた炭化水素フラクションは、軽質留分、中間留分および重質留分の3つの留分に蒸留され、中間留分および重質留分のそれぞれは、水素化脱硫工程(工程a)、次いで、分離工程(工程b)において別々に処理され、硫黄化合物を収集する工程(工程c)が、工程b)の流出物またはそれらの混合物について行われることが好ましい。
【発明の効果】
【0028】
本発明は、硫黄含有炭化水素フラクションの処理工程であって、
a) 硫黄が激減した流出物を生じさせるための前記炭化水素フラクションの水素化脱硫工程であって、水素と混合された前記炭化水素フラクションを少なくとも1種の水素化脱硫触媒上に通すからことからなる、工程と、
b)過剰に導入された水素並びに工程a)において形成されたHSから部分的に脱硫された炭化水素フラクションを分離する工程と、
c)硫黄化合物を収集する工程であって、工程b)に由来する部分的に脱硫された炭化水素フラクションを、第VIII、IB、IIBおよびIVA族の元素によって構成される群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む吸着剤と接触させることからなり、吸着剤は、還元された形態で、水素の不存在下に、40℃未満の温度で用いられ、吸着剤の還元された形態での金属含有量は25重量%超である、工程とを包含するものに関するものであり、本発明により、高オクタン価を保ちかつ水素消費を最小限にしながら、一般的には炭化水素中の、より特定的にはガソリン中の、好ましくは分解ガソリン中の硫黄含有量を低減させることができる。また、水素化脱硫工程の下流の収集工程に起因して、水素化脱硫の操作条件は、はるかに緩やかであり(例えば、操作温度および/または圧力の相当な低減)、これは、水素化脱硫工程の触媒の耐用期間並びにエネルギー消費の向上につながる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明は、硫黄含有炭化水素フラクションの処理方法であって、
a) 前記炭化水素フラクションを水素化脱硫して、硫黄が激減した流出物を生じさせる工程であって、水素と混合された前記炭化水素フラクションを、少なくとも1種の水素化脱硫触媒上に通すことからなる、工程と、
b) 部分的に脱硫された炭化水素フラクションを、過剰に導入された水素並びに工程a)において形成されたHSから分離する工程と、
c) 硫黄化合物を収集する工程であって、工程b)に由来する部分的に脱硫された炭化水素フラクションを吸着剤と接触させることからなり、該吸着剤は、第VIII族、IB族、IIB族およびIVA族(CAS分類による第VIII族、IB族、IIB族およびIVA族は、それぞれ、CRC Press(D.R.Lide編集長)によって出版されたCRC Handbook of Chemistry and Physics、第81版、2000−2001による新IUPAC分類の、第VIII族については第8〜10族の金属、第IB族については第11族の金属、第IIB族については第12族の金属および第IVA族については第14族の金属に対応する)の元素によって構成される群から選ばれる少なくとも1種の元素を含むものであり、吸着剤は、還元された形態で、水素の不存在下に、40℃超の温度で用いられ、吸着剤の還元形態の金属の含有量は20重量%超である、工程と
を包含する方法に関する。
【0030】
水素化脱硫工程の下流の収集工程に起因して、水素化脱硫の操作条件は、はるかに緩やかであり(例えば、操作温度および/または圧力の相当な低減)、これは、水素化脱硫工程の触媒の耐用期間並びにエネルギー消費の向上につながる。
【0031】
元素周期律表の第VIII族、IB族、IIB族またはIVA族に属する1種の金属または複数種の金属の組合せを、特に、第1の水素化脱硫工程に由来する種々の残留硫黄化合物を吸着により収集するための条件で用いることが可能であることが発見された。これらの金属は、担体上に担持され、使用前に還元される。それらは、次いで、十分に高い温度が用いられる条件、少なくとも40℃超、好ましくは50℃超、より好ましくは75℃超、最も好ましくは100℃超で、化学吸着によって硫黄化合物、例えば、チオールおよび同時に、未転化化合物、例えばチオフェンを捕捉し得る。一旦、吸着剤が硫黄により飽和すると、新しい還元された吸着剤によって置き換えられ得る。それ故に、硫黄吸着装置は、一般的に、連続的な操作を可能にするために1以上の反応器を含む。
【0032】
それ故に、本発明は、炭化水素留分、好ましくはガソリンの深度脱硫方法を提案し、オレフィンを含有する分解ガソリンの処理に特に適している。本発明は、処理されるべきガソリンのオクタン喪失を制限するために再結合チオールと未転化硫黄化合物を同時に収集すること目的として少なくとも1回の接触水素化脱硫およびその後の少なくとも1回の吸着による脱硫工程を関連させることからなる。
【0033】
(装入材料の説明)
処理済みの硫黄を含有する炭化水素フラクションは、好ましくは、オレフィン化合物を含有するガソリンである。
【0034】
処理されるべき炭化水素化留分は、ガソリン留分、より特定的には、接触分解法に由来するガソリン留分であり得る。あらゆる分解法に由来するあらゆるガソリンが装入材料として用いられ得る。これらのガソリンは、オレフィン化合物を含有し、これらのガソリンを脱硫しながらそれらのオクタン価を依然として保つことが必要である。
【0035】
処理された炭化水素フラクションの沸点は、一般的には350℃未満、好ましくは300℃未満、より好ましくは250℃未満である。
【0036】
(接触水素化脱硫工程(工程a)の説明)
水素化脱硫工程は、処理されるべき炭化水素フラクションの硫黄含有量を低減させるために用いられる。その使用は、脱硫されるべき装入材料が100重量ppm超の硫黄、より一般的には50重量ppm超の硫黄を含有する場合に特に必要である。
【0037】
水素化脱硫工程は、水素化脱硫を行うのに適した1種以上の触媒を含む連続する1以上の水素化脱硫反応器において、処理されるべきガソリンを水素と接触させることからなる。
【0038】
本発明の好ましい実施形態によると、工程a)は、選択的な方法で、すなわち、モノオレフィンの水素化レベルが80%未満、好ましくは70%未満、一層より好ましくは60%未満で水素化脱硫を行うために用いられることになる。
【0039】
この工程の操作圧力は、一般的に0.5〜5MPa、好ましくは1〜3MPaである。温度は、一般的には200〜400℃、好ましくは220〜380℃である。連続する複数の反応器において水素化脱硫工程a)が行われる場合、各反応器の平均の操作温度は、先行する反応器の操作温度より一般的に少なくとも5℃、好ましくは少なくとも10℃、最も好ましくは少なくとも15℃高い。
【0040】
各反応器において用いられる触媒の量は、一般的には、触媒の体積(m)に対する、標準条件下の毎時の体積(m)で表される、処理されるべきガソリンの流量の比(空間速度とも呼ばれる)が、0.5〜20h−1、好ましくは1〜15h−1になるようにされる。最も好ましくは、第1反応器は、2〜8h−1の空間速度で操作されることになる。
【0041】
水素流量は、標準条件下での毎時の体積(m)で表される水素流量(Nm/h)と標準条件下での毎時の体積(m)で表される処理されるべき装入材料の流量との比が、一般的には50〜1000Nm/m、好ましくは70〜800Nm/mであるようにされる。
【0042】
この水素化脱硫工程の間に達成される脱硫率は、一般的には50%超、好ましくは70%超である。脱硫率は、処理されるべき装入材料の硫黄含有量によって決まるが、それは、工程a)に由来する産物が、100重量ppm未満の硫黄、好ましくは50重量ppm未満の硫黄を含有するようにされる。
【0043】
水素の存在下に有機硫黄をHSに転換する反応を促進させるための当業者に知られるあらゆる触媒が、本発明の枠組み内で用いられ得る。しかしながら、本発明の特定の実施形態によると、水素化脱硫反応に対して良好な選択性を有する触媒の使用が好ましい。例えば、アルミナ、炭化珪素、シリカ、酸化チタン、酸化マグネシウム(これらの2つの最後の酸化物は、単独で用いられるか、アルミナまたはシリカ−アルミナと混合される)によって構成される群から選ばれる無定形かつ多孔質の鉱物担体を含む触媒を用いることが可能である。好ましくは、それはシリカおよび遷移アルミナおよびシリカ−アルミナの族によって構成される群から選ばれる。最も好ましくは、担体は、少なくとも1種の遷移アルミナによって実質的に構成され、すなわち、それは、少なくとも51重量%、好ましくは少なくとも60重量%、最も好ましくは少なくとも80重量%、さらには少なくとも90重量%の遷移アルミナを含む。それは、場合によっては、遷移アルミナのみによって構成され得る。担体の比表面積は、一般的には200m/g未満、好ましくは150m/g未満である。硫化前の触媒の多孔度は、その触媒が、一般的には20nm超、好ましくは25nm超、さらには30nm超、頻繁には20〜140nm、好ましくは20〜100nm、最も好ましくは25〜80nmの平均細孔径を有するようにされる。細孔径は、標準ASTM D4284−92による水銀ポロシメータによって、140°のぬれ角で測定される。
【0044】
水素化脱硫触媒は、一般的に、少なくとも1種の第VIB族金属および/または少なくとも1種の第VIII族金属を担体上に含有する(CAS分類による第VIB族および第VIII族は、それぞれ、CRC Press(チーフ編集者D.R.Lide)によって出版されたCRC Handbook of Chemistry and Physics,第81版,2000−2001による新IUPAC分類の第6族および第8〜10族金属に対応する)。第VIB族からの金属は、一般にモリブデンまたはタングステンであり、第VIII族からの金属は、一般にニッケルまたはコバルトである。第VIB族からの金属の表面密度は、一般に、本発明によると、担体の面積(m)当たり前記金属の酸化物2×10−4〜4.0×10−3g、好ましくは担体の面積(m)当たり前記金属の酸化物4×10−4〜1.6×10−3gである。
【0045】
最も好ましくは、特許出願US20060000751A1に記載されたもののような触媒または触媒の配列が用いられることになる。これらは、担体、例えば、耐火性酸化物(アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、酸化マグネシウム等)から選ばれるもの(これらは、単独でまたは互いの混合物で用いられる)と、第VIB族からの金属(好ましくはモリブデンまたはタングステン)とを含む触媒であり、このものは、第VIII族からの金属、好ましくはコバルトまたはニッケルによって促進されるかまたは促進されない。これらの触媒は、22nmより大きい平均細孔径を有する。触媒の配列の可能な場合には、方法は、一連の水素化脱硫工程を含み、1つの工程(n+1)の触媒活性が工程nの触媒活性の1〜90%であるようにされる。
【0046】
(水素およびHSの分離工程(工程b))
この工程は、炭化水素フラクションの過剰の水素並びにHSを分離するために行われる。
【0047】
例として、工程b)は、好ましくは、以下のように行われる。水素化脱硫工程a)の後、反応混合物は、一般的には80℃未満、好ましくは60℃未満の温度に冷却されて、炭化水素が凝結させられる。分離フラスコにおいて気相と液相とが分離される。脱硫ガソリン並びに一部の溶解HSを含有する液体フラクションがストリッピングセクションに送られ、水素によって主として構成され、HSの大部分を含有する気体フラクションが精製セクションに送られる。ストリッピングは、蒸留塔において炭化水素フラクションを加熱して、液体フラクション中の溶解によって同伴される軽質化合物並びに溶解した残留HSを頂部で抽出することによって行われ得る。塔の足部で回収されるストリッピングされたガソリンの温度は、一般的に120〜250℃である。
【0048】
工程b)は、好ましくは、ガソリン中に残るHSの形態の硫黄が、吸着工程c)の前に、処理された炭化水素フラクション中に存在する総硫黄の少なくとも30%さらには20%さらには10%の割合を占めるように行われる。
【0049】
(吸着による脱硫工程(工程c))
接触水素化脱硫(工程a)後および水素、HS等の気体の分離(工程b)後に得られたガソリンは、吸着工程(工程c)に送られる。この吸着工程は、生じた炭化水素を、脱硫されるべき分解ガソリン中に既に存在するチオフェン化合物等の未転化硫黄化合物および接触水素化脱硫工程の間に生じた再結合チオールの両方について強い親和性を有する吸着固体と共に置くことによって行われる。
【0050】
吸着剤は、第VIII、IB、IIBおよびIVA族の元素によって構成される群から選ばれる少なくとも1種の元素、好ましくは、ニッケルまたは鉄(第VIII族)、銅(第IB族)、亜鉛(第IIB族)および鉛(第IVA族)によって構成される群から選ばれる少なくとも1種の元素を含み、最も好ましくは、吸着剤は、ニッケルを少なくとも含有する。吸着剤は、還元された形態で用いられる。
【0051】
吸着剤の還元体金属の含有量は、好ましくは25重量%超、最も好ましくは40重量%超である。吸着剤の還元体金属含有量は次のように計算される:
還元金属含有量=[(還元体金属の組成物)/(吸着剤の組成物)]×100
吸着剤は、金属酸化物をベースとする担体または金属酸化物をベースとするバインダーを含み得、金属酸化物は、以下の系統によって構成される群から選ばれる:シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ並びにゼオライト。好ましくは、アルミナが選ばれる。前記アルミナのBET表面積は、一般的には、装入材料と固体との間の接触を促進するために可及的に大きい。担体のBET表面積は、好ましくは100m/g超、より好ましくは125m/g超、最も好ましくは150m/g超である。
【0052】
吸着による脱硫は、担体上の硫黄分子の化学吸着を必要とし、この現象は、寄与されるべき活性化エネルギーを必要とする。したがって、操作温度は、一般的には40℃超、好ましくは50℃超、より好ましくは約75℃超、最も好ましくは100℃超である。装入材料は、好ましくは、液体のままである必要があり、これは、装入材料の気化圧力より大きい十分な圧力を必要とする。
【0053】
吸着剤は、一般的には、水素の不存在下に、40℃超または40〜300℃、好ましくは100〜250℃、より好ましくは130〜240℃、一層より好ましくは140〜240℃の温度で用いられる。
【0054】
毎時空間速度(HSV)は、用いられた吸着剤の容積当たりの装入材料の入来流量として規定され、好ましくは、0.1〜20h−1、より好ましくは0.5〜15h−1、最も好ましくは0.5〜10h−1である。
【0055】
固体を用いる前に、集合組成物中に含まれる金属を還元することが必要である。この還元工程を行うために複数の解決策が想定され得る。金属は、ケトン、アルデヒド、アルコール、カルボン酸等の酸化された有機化合物(これは、熱処理後に、還元剤として機能することになる)の含浸によって還元され得る(仏国特許出願FR2642670(特開平2−261551号公報)参照)。この還元方法はまた、ハロゲン化された添加剤の存在下に用いられ得る(仏国特許出願FR2680703参照)。金属はまた、還元金属を形成するように水素流速下に還元され得る。最終の還元温度は、150℃超である必要があるだろうが、好ましくは250℃超、より好ましくは400℃超である。最も好ましくは、目標は、結晶の表面上に分布した金属の30%超さらには40%超さらには50%超の還元である。
【0056】
さらに、還元金属は、酸素に対するそれらの反応性に起因して、それらが空気中で操作される時に暖まる傾向にあることが知られている。したがって、依然として本発明の範囲を維持しながら、表面不動態化工程を経た還元組成物を用いることが有利であり得る。表面不動態化工程は、可逆的処理によって空気の酸素による固体の反応性を中和する工程を意味する。最も広く知られた不動態化方法は、空気中で金属の部分的および表面の酸化を行うこと、あるいは、二酸化炭素の吸着によって金属を不動態化すること、または、保護層を構成するパラフィン中に固体をコーティングすることからなる。
【0057】
(本発明の骨組み内で用いられ得る計略)
本発明の骨組み内に依然として維持しながら、より低いコストで脱硫ガソリンを生じさせるために種々の計略が用いられ得る。最適な計略の選択は、処理されるべきおよび生じさせられるべきガソリンの特徴並びに各精製業者に特有の制約によって決まる。
【0058】
制限的でない例として、本発明の骨組み内に依然として維持しながら、以下の計略が考えられ得る。
【0059】
第1の変形例によると、収集工程c)は、分離工程b)と連続して直接的に行われ得る。特に、収集工程c)の操作温度に匹敵する操作温度で分離工程b)が行われる場合、工程b)に由来する流出物は、工程c)に直接的に送られることになる。工程b)とc)との間の温度を調節するための熱交換器の使用も考えられ得る。
【0060】
第2の変形例によると、工程b)に由来するガソリンを、硫黄収集工程c)の前に、硫黄を含有する別のガソリン、例えば、原油蒸留ガソリン、あらゆる分解法に由来するガソリン(例えば、熱分解、コーキングまたは水素化分解器法に由来するガソリン等)と混合することも考えられ得る。
【0061】
第3の変形例によると、処理されるべき炭化水素フラクションを複数のフラクションに蒸留し、各フラクションを別々に処理することが有利であり得る。例えば、本発明の骨組み内に依然として維持しながら、処理されるべき炭化水素フラクションを、軽質フラクションと重質フラクションの2つのフラクションに蒸留し、重質フラクションのみを水素化脱硫工程a)において処理し、HS分離工程b)の前または後に軽質および重質フラクションを再混合することおよび軽質および重質フラクションを収集工程c)において一緒に処理することが可能である。この計略は、オレフィンを豊富に含むが一般的には硫黄に乏しい軽質フラクションを水素化処理しないという利点を有し、これは、全体的に、オクタン価の喪失を制限することを可能にし得る。
【0062】
第4の変形例によると、チオールタイプの軽質飽和硫黄化合物をより重質の硫黄化合物に転化するからなる第1工程において硫黄含有炭化水素フラクションを処理することが可能である。このタイプの処理は、当業者に知られるチオールのジスルフィドへの酸化の方法または特許出願EP−A−1077247(特開平2001−55584号公報)に記載されるようなマイルドな条件下での水素による処理方法のいずれかによって行われ得る。こうして生じた炭化水素フラクションは、少なくとも2つの留分、好ましくは3つの留分:軽質留分、中間留分および重質留分に蒸留され得る。3つの留分の場合、中間および重質留分のそれぞれは、水素化脱硫工程(工程a)、次いで分離工程(工程b)において別々に処理され、硫黄化合物を収集する工程(工程c)は、工程b)の流出物またはそれらの混合物について用いられる。
【0063】
結論として、本発明は、硫黄含有炭化水素フラクションの処理方法であって、
a) 前記炭化水素フラクションを水素化脱硫して、硫黄が激減した流出物を生じさせる工程であって、水素と混合された前記炭化水素フラクションを、少なくとも1種の水素化脱硫触媒上に通過させることからなる、工程と、
b) 部分的に脱硫された炭化水素フラクションを、過剰に導入された水素並びに工程a)において形成されたHSから分離する工程と、
c) 硫黄化合物を収集する工程であって、工程b)に由来する部分的に脱硫された炭化水素フラクションを吸着剤と接触させることからなり、該吸着剤は、第VIII、IB、IIBおよびIVA族の元素によって構成される群から選ばれる少なくとも1種の元素を含むものであり、該吸着剤は、還元された形態で、水素の不存在下に、40℃超の温度で、水素の不存在下に、好ましくは40〜300℃で用いられ、吸着剤の還元形態における金属含有量は、25重量%超、好ましくは40重量%超である、工程と
を包含する方法に関する。
【0064】
好ましい実施形態によると、炭化水素フラクションは、オレフィン化合物を含有するガソリンである。
【0065】
好ましくは、吸着剤は、ニッケルまたは鉄(第VIII族)、銅(第IB族)、亜鉛(第IIB族)および鉛(第IVA族)によって構成される群から選ばれる元素を含み、より好ましくは、吸着剤は、ニッケルを含む。
【0066】
好ましくは、吸着剤は、金属酸化物をベースとする担体または金属酸化物をベースとするバインダーを含み、金属酸化物は、以下の系統によって構成される群から選ばれる:シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、並びに、ゼオライト。
【0067】
(実施例1:従来技術による)
水素化脱硫触媒αは、七モリブデン酸アンモニウムおよび硝酸ニッケルの形態のモリブデンおよびコバルトを含有する水溶液による、130m/gの比表面積、0.9mL/gの細孔容積を有するビーズ状形態の遷移アルミナの「過剰な溶液なしの」含浸によって得られる。次いで、触媒は、乾燥させられ、空気中において500℃で焼成される。このサンプルのコバルトおよびモリブデンの含有量は、CoOが3重量%、MoOが10重量%である。
【0068】
100mLの触媒αが固定床管状水素化脱硫反応器中に置かれる。第1に、触媒は、4時間の、3.4MPaの圧力下、350℃での、n−ヘプタン中のジメチルスルフィド形態の2重量%の硫黄によって構成される装入材料との接触における処理によって硫化される。
【0069】
処理された装入材料は、その初留点が50℃であり終留点が225℃である接触分解ガソリンであり、そのガソリンのMONは80.6であり、RONは92.5である。その硫黄含有量は、1650重量ppmであり、その臭素価(IBr)は、69g/100gであり、これは、36重量%のオレフィンにほぼ対応する。
【0070】
この装入材料は、触媒α上で、1.5MPaの圧力下に、300L/Lの処理されるべき装入材料に対する水素の容積比(H/HC)、3h−1のHSVで処理される。処理の後、ガソリン−水素の混合物は冷却され、HSを豊富に含む水素は、液体ガソリンから分離され、ガソリンは、水素流束の注入によるストリッピング処理に付され、ガソリンに溶解した残留痕跡量のHSが収集される。
【0071】
表1は、脱硫およびオレフィン飽和の率についての温度の影響を示す。
【0072】
【表1】


【0073】
このタイプのガソリンにより10ppmの硫黄に達するのに必要とされる操作温度は高い。これらの条件において、99%超の脱硫率に達するのが可能であるが、その時のオレフィンの飽和率は非常に高くなる(55%超,水素化脱硫ガソリンA4を参照)。
【0074】
(実施例2:収集組成物の影響)
硫黄の種々の収集組成物の性能を比較するために実施例1に記載されたようなガソリンA1が用いられる。使用前に、これらの3種の組成物のそれぞれは50mLの前記組成物を含む管状反応器において水素下に還元される。3種の収集組成物が評価された:
・参照番号LD341の元でAxenes社によって販売される組成物β1:これは、アルミナをベースとする担体と、20重量%未満のニッケルとから構成される。還元後、組成物β1は、21重量%未満の還元ニッケルを含有する。この組成物は、25%未満の還元ニッケルを含有するので本発明の範囲に入らない。
【0075】
・参照番号AX746の元でAxens社によって販売される組成物β2:これは、25〜30重量%のニッケルを、アルミナをベースとする多孔質鉱物担体上に含有する。還元の後、組成物β2は、25重量%超の還元ニッケルを含有する。
【0076】
・参照番号LD746の元でAxens社によって販売される組成物β3:これは、50重量%超のニッケルを、シリカ−アルミナをベースとする多孔質担体上に含有する。還元の後、組成物β3は、40重量%超の還元ニッケルを含有する。
【0077】
各組成物について、管状反応器中の50mLのサンプルが、水素の不存在下に160℃に加熱される(還元の間に用いられた水素を一掃するために中間的な窒素掃引が行われる)。31.2重量ppmのチオール形態の硫黄を含む55.6重量ppmの硫黄を含有するガソリンA1が、150mL/hの流量で2MPaの圧力下に反応器に注入される。
【0078】
24時間、次いで、400時間の操作の後、処方サンプルが回収され分析される。
【0079】
【表2】


【0080】
評価された3種の組成物は、24時間の終了時に60%超の硫黄が保存されることを可能にする:しかしながら、本発明による組成物β2およびβ3のみが、400時間の操作の後に50%超の硫黄が収集されることを可能にする。
【0081】
(実施例3:収集温度の影響)
実施例1に由来する31.2重量ppmのチオールを含む55.6重量ppmの硫黄を含有するガソリンA1が、150mL/hの流量、2MPaの圧力で、50mLの組成物β3により満たされた管状反応器に注入される。温度は、35℃、100℃、次いで160℃に設定される。24.7重量ppmのチオールを含む30重量ppmの硫黄を含有するガソリンA2から開始して同一の実験が行われる。各温度において、産物のサンプルが取られ、分析された。表3は、このようにして測定された硫黄およびチオールの含有量を示す。
【0082】
【表3】


【0083】
ガソリンA11、A12およびA13は、組成物β3上でのガソリンA1の処理に由来する。
【0084】
ガソリンA21、A22およびA23は、組成物β3上での水素化脱硫ガソリンA2の処理に由来する。
【0085】
この例を踏まえれば、35℃での収集組成物の使用は、100℃および160℃でのその使用に比べて大量の硫黄が収集されることを可能にしないことは明らかである。他方、100℃および一層より良好には160℃で収集組成物を操作することによって、35℃で収集組成物を操作する時に生じさせられたものと比べて低硫黄含有量を有するガソリンを生じさせることが可能である。温度が160℃である場合、組成物は、チオールのほぼ全部および他の硫黄化合物の大部分を収集する。
【0086】
(実施例1および3の比較)
ガソリンA13およびA23が、それらを実施例1からのガソリンA3およびA4と比較するために詳細に分析された。表4は、これらの分析の結果を要約する。
【0087】
【表4】


【0088】
ガソリンA3およびA13は、類似の総硫黄含有量を有する。他方、ガソリンA13は、はるかに少ないチオールの割合を含有し、これは、それに、明らかにより少ない腐食特性を与える。さらに、ガソリンA13についてのオクタン価(RONまたはMON)の喪失は、ガソリンA3についてのオクタン価の喪失よりもはるかに少ない。より良好なオクタン価を有するガソリンA13は、それ故に、より良好な品質のものである。
【0089】
同様に、ガソリンA4およびA23は、類似の総硫黄含有量を有する。他方、ガソリンA23は、より少ないチオールの割合を含有し、それ故に、非常に小さい腐食特性を有する。さらに、ガソリンA23についてのオクタン価の喪失は、ガソリンA4についてのオクタン価の喪失よりはるかに少ない。より良好なオクタン価をさらに有するガソリンA23は、それ故に、より良好な品質のものである。
【0090】
この例は、水素化脱硫工程並びに本発明による吸着剤上でおよび本発明による操作条件下で硫黄化合物を収集する補完工程を含む配列の使用が、水素化脱硫法のみによる処理と比較してどのようにガソリンの品質が大きく向上させられることを可能にするかを示す。さらに、収集工程の使用に起因して、水素化脱硫工程の操作温度は、大幅に低減させられ、これは、水素化脱硫工程の触媒の使用期間およびエネルギー消費量の改善を可能にする。
【出願人】 【識別番号】591007826
【氏名又は名称】イエフペ
【出願日】 平成19年11月16日(2007.11.16)
【代理人】 【識別番号】100083149
【弁理士】
【氏名又は名称】日比 紀彦

【識別番号】100060874
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 瑛之助

【識別番号】100079038
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 彰

【識別番号】100106091
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直都


【公開番号】 特開2008−127569(P2008−127569A)
【公開日】 平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願番号】 特願2007−297387(P2007−297387)