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【発明の名称】 有機金属シリコン複合体の捕捉材としてのアルミナの利用
【発明者】 【氏名】クリストフ ネデ

【要約】 【課題】触媒の被毒や効率(活性および/または選択率)の早期低下を避けるために、ガスや液体の流れ中の有機金属シリコン複合体を効率よく捕捉する方法を提供する。

【解決手段】ガソリン留分中に存在する有機シリコン複合体を、該ガソリン留分と固体を接触させることで気相または液相において補足する方法であって、該固体は1000℃で焼成後にアルミナを少なくとも80重量%含んでおり、該アルミナは30ml/100gを超える全細孔体積を持ち、70Å以上の直径の細孔中に見出される細孔体積の部分が10ml/100gを超えであり、比表面積が10m/gを超えである方法である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガソリン留分中に存在する有機シリコン複合体を、該ガソリン留分と固体を接触させることで気相または液相において補足する方法であって、該固体は1000℃で焼成後にアルミナを少なくとも80重量%含んでおり、該アルミナは30ml/100gを超える全細孔体積を持ち、70Å以上の直径の細孔中に見出される細孔体積の部分が10ml/100gを超えであり、比表面積が10m/gを超えである方法。
【請求項2】
アルミナが45ml/100gを超える全細孔体積を持つ請求項1に記載の方法。
【請求項3】
アルミナが70Å以上の直径の細孔中に見出される細孔体積が25ml/100gを超えである請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
アルミナが20m/gを超える比表面積を有する請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
アルミナが70から200m/gの範囲の比表面積を有する請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
アルミナが70Å以上の直径の細孔中に見出される細孔体積が45ml/100gを超えである請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
アルミナがアルカリ、アルカリ土類および希土類からなるグループから選ばれた1種類または数種類の成分でドープされ、ドープ成分の全量が20重量%未満である請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
アルミナがナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムおよびランタンからなるグループから選ばれた1種類または数種類でドープされる請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ドープ剤がランタンである請求項8に記載の方法。
【請求項10】
アルミナがビーズまたは押出品の形態をなす請求項1から9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
アルミナが0.5mmから10mmの範囲の大きさのビーズである請求項10に記載の方法。
【請求項12】
アルミナが0.5から5mmの範囲の大きさの押出品である請求項10記載の方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は有機金属シリコン複合体を捕捉する材料を使用する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
そのような複合体は一般的に触媒に接して通過するガスや液体の流れの中に存在する。もし触媒が保護されていなければ、被毒し、効率(活性および/または選択率)が早期に低下する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、このような触媒の被毒や効率(活性および/または選択率)の早期低下を避けるために、ガスや液体の流れ中の有機金属シリコン複合体を効率よく捕捉する方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の方法では、ガソリン留分、好ましくはクラッキング装置から得られたガソリン留分、さらに好ましくは接触分解装置から主に得られるガソリンが供給される。処理されるガソリンは、様々な転化プロセス、コーキングやビスブレーキングプロセス、または石油製品の蒸留から直接得られるガソリンの混合物である。
【0005】
シリコンは多くの触媒の応用(水素化分解、Prime G+ 等)において第一の位置を占める。実験は一般的にシリコンのことをいうよりも、シリコンの異なったタイプの相違を明確にすることが必要であることを示した。
【0006】
・鉱物シリコンと呼ばれるシリコンは、しばしば、耐火ビーズの破片の存在の結果である。この存在は、問題の触媒の活性や選択率には影響を与えないようである。
【0007】
・有機シリコンと普通に呼ばれるシリコンは、有機金属複合体から由来し、下流にある触媒と反応し、非可逆的に被毒する。ポリシロキサンからなる消泡剤が上流で添加されることがこの現象の主要因と思われる。
【0008】
我々はアルミナを使用することで有機シリコン複合体を反応性吸着で表面に効果的に捕
捉することを見出した。そして、我々は特定のアルミナを使用するのが都合良く、それらが該複合体を捕捉する優れた能力があることを見出した。
【0009】
本明細書において、量は重量%と重量ppmで表される。
【0010】
即ち、本発明は1000℃で焼成したアルミナを少なくとも80重量%含む固体で気相や液相において有機シリコン複合体を捕捉する方法に関するものである。アルミナの全細孔体積(TPV)は30ml/100gを超え、好ましくは45ml/100gを超え、さらに好ましくは50ml/100gを超え、もっと好ましくは55ml/100gを超える。
【0011】
70Å以上の直径の細孔(複数)中に見出される細孔体積(これ以降V70Aと記す)の部分(fraction)は10ml/100gを超え、好ましくは15ml/100gを超え、さらに好ましくは25ml/100gを超え、もっと好ましくは35ml/100gを超え、最も好ましくは45ml/100gを超え、さらに55ml/100gを超えである。
【0012】
アルミナの比表面積は、10m/gを超え、好ましくは20m/gを超え、さらに好ましくは30m/gを超え、もっと好ましくは50m/gを超え、さらに70m/gを超えである。
【0013】
好ましくない重合から副生する樹脂生成物の問題は、ある触媒の操作条件において時々認められる。そしてまた保護する捕捉材にも認められる。この為に本発明の特定の実施においては、比表面積は300m/g未満、好ましくは200m/g未満、さらに好ましくは150m/g未満である。
【0014】
アルミナを作るための出発物質として使用される粉体は、ゲル沈殿法のような通常の方法や、ハイドラギライトのようなアルミナの水和物の急速脱水で得られる。そしてアルミナは乾燥工程を通り、さらに必要であれば焼成工程を通る。例えば焼成工程は200℃から1200℃の間の温度、好ましくは300℃から1000℃の間の温度で実施される。
【0015】
アルミナは、アルミナに精通している技術者に知られている普通のどんな形状(粉末、ビーズ、押出品、粉砕品、一枚岩的な物モノリス、など)でも良い。ビーズや押出品が好ましい。ビーズの大きさ(直径に相当する)は0.5から10mmの範囲、好ましくは0.7から8mmの範囲、さらに好ましくは0.8から5mmの範囲である。押出品の形状は、円柱状、多数の突出物があるもの、中が詰まったもの、中空のものである。それらの大きさ(長さに相当する)は0.5から5mmの範囲、好ましくは0.7から3mmの範囲である。“大きさ”という言葉はビーズの直径や押出品の長さを意味することに注意すべきである。より一般的に言えば、“大きさ”と言う言葉は対象にしている形状の最大の大きさを表している。
【0016】
使用するアルミナのビーズは、成形によって、または、有機相、水相および界面活性剤または乳化剤からなるエマルジョンの形で懸濁液またはアルミナの水分散液または塩基性アルミナ塩の溶液の液滴凝固によって、得られる。
【0017】
またアルミナビーズは、回転ペレタイザーや回転ドラムのような回転手法によりアルミナ粉末を塊状にすることで得られる。ビーズの大きさや細孔分布は、塊状にする段階で制御される。
【0018】
アルミナの押出品は、ハイドラルギライトの急速脱水および/または1種類または数種類のアルミナゲルの沈殿から得られるアルミナを主成分とする物質を粉砕し、押出して得られる。
【0019】
成形に続いて、アルミナは機械的性質を改善するためいろいろな操作を受ける。例えば、調整された湿度の雰囲気中にこれを保存して熟成し、その後に焼成する。次いで、場合によっては、1種類または数種類の無機および/または有機の酸の溶液をアルミナに含浸し、限定された雰囲気中で水熱反応処理をする。一般に処理後アルミナは乾燥され、焼成される。
【0020】
本発明の特定の実施においては、アルミナは、アルカリ、アルカリ土類および希土類からなるグループから選ばれた1種類または数種類の成分でドープされる。該ドープする成分の全含有量は20重量%未満、好ましくは10重量%未満、さらに好ましくは500ppm(重量)から5重量%の範囲である。ドープ剤は、成形操作の前、間、後のいずれにおいて添加しても良い。
【0021】
助触媒成分の累積量が5000ppm(重量)を超えてドープされた場合、吸着材の全細孔体積は30ml/100gを超え、さらに好ましくは35ml/100gを超え、比表面積は20m/gを超え、好ましくは30から300m/gの範囲、さらに好ましくは30から200m/gの範囲である。V70Aは10ml/100gを超え、好ましくは15ml/100gを超え、さらに好ましくは25ml/100gを超え、なおさらに好ましくは35ml/100gを超え、なおさらに好ましくは45ml/100gを超え、もっと好ましくは55ml/100gを超える。
【0022】
好ましいドープ剤はナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ランタンである。さらに好ましくは、ナトリウムとランタンである。特に好ましいのはランランである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
次に実施例を示すが、本発明はこの範囲に限ったものではない。
【0024】
実施例1
反応は、パラフィンで覆われた時計皿で周囲の雰囲気から保護された600mlのビーカーに実験する溶液を入れて行われた。固体は粉砕しないで実験に供し、マグネチックスターラーによる好ましくない摩耗を避けるため三脚の上のビーカー内に置いた。全ての実験は常圧、室温で行った。有機金属複合体はポリメチルハイドロシロキサン((CH33SiO[(CH3)HSiO]nSi(CH3)3)であり、シクロヘキサンに溶解された。
【0025】
反応は常圧、室温で、6.3gの固体、5000ppmのポリメチルハイドロシロキサンを含む200mlのシクロヘキサンで行われた。
【0026】
一つの実験に一致する各点で、該固体について添加法(addition method)を用いてICP(誘導結合プラズマ)分析を行った。
【0027】
ICPは以下のようにして行った。サンプルをH2SO4-H3PO4混合物を用いて熱板の上で急速な酸の攻撃により溶解した。ICP測定を行うために選んだピークはλ=288.158nmである。
【0028】
添加法は、分析すべき試料を同一条件の試料にすることと、分析すべき成分の増加する各濃度への添加とからなる。増加する検量線が、同じマトリックスで一定の最終体積の条件で得られる。試料を分析することで検量線が得られる。横軸(abscissa)と検量線との交点をこの軸(axis)の原点とし、結果としてそれを試料の成分の濃度とする。
【0029】
溶液の液定量(titer)も重量分析でモニターされた。得られた物質収支は一致していた。試験した固体試料を封管中で分解し、重量分析した結果は、ICPの結果とほとんど同じであった。
【0030】
シリコンの重量分析はフッ化水素酸の攻撃で行われる。余分なフッ化水素酸を含んだ溶液を蒸発させ、シリカの全てを除去し、シリコンの量が差から決められる。
【0031】
本実施例で使用したアルミナを表1に示す。得られた結果を図1と2に示す。
【表1】


【0032】
図1は溶液に曝された時間の関数として固体中のシリコン量(重量%)を示すものである。
【0033】
図2は反応3時間後の固体中のシリコン量(重量%)を示すものである。
【0034】
図2から捕捉材E(本発明に一致しない)は6.1ml/100gのV70Aであり、補足材AからD,F(本発明に一致する)に比べシリコンの捕捉が効果的でない。
【0035】
実施例2(アルミナのドープ)
アルミナGとHは、アルミナAを成形後、それぞれ水酸化ナトリウムと硝酸ランタンを乾式含浸させて得られた。450℃で焼成後、GとHはそれぞれNaOを2.1重量%ととLaを0.9重量%含んでいる。
【0036】
GとHは、他のアルミナ(実施例1)と同じ条件で試験され、3時間後の捕捉されたシリコンはそれぞれ0.75重量%と0.82重量%であった。
【0037】
アルミナIはアルミナFを成形後、水酸化ナトリウムで乾式含浸されて得られた。450℃で焼成したのちのIは1.7重量%のNaOを含んでいた。上で述べた他のアルミナと同じ条件(実施例1)で試験され、3時間後のIの捕捉シリコンは0.91重量%であった。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】時間と固体中のSi量(%)の関係を示すグラフである。
【図2】3時間後の固体中のSi量(%)を示すグラフである。
【出願人】 【識別番号】591007826
【氏名又は名称】イエフペ
【出願日】 平成19年10月15日(2007.10.15)
【代理人】 【識別番号】100083149
【弁理士】
【氏名又は名称】日比 紀彦

【識別番号】100060874
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 瑛之助

【識別番号】100079038
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 彰

【識別番号】100106091
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直都


【公開番号】 特開2008−101207(P2008−101207A)
【公開日】 平成20年5月1日(2008.5.1)
【出願番号】 特願2007−267388(P2007−267388)