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【発明の名称】 芳香族炭化水素の製造方法
【発明者】 【氏名】鈴木 祐史

【氏名】朝野 剛

【要約】 【課題】炭素数が7以下の炭化水素を主成分とする軽質炭化水素を原料として、十分に高い収率にて芳香族炭化水素を製造する方法を提供する。

【構成】少なくともガリウム含有結晶性アルミノシリケートを含む触媒組成物に、炭素数2〜7の軽質炭化水素を主成分とする原料を接触させて芳香族炭化水素を製造する方法において、芳香族炭化水素への転化反応工程が、直列に配置された、前記触媒組成物からなる2個以上の反応層、および該反応層間または該反応層に設けられた加熱手段から少なくとも構成され、1段目反応層からの反応層流出物中の芳香族収率が0.5〜30質量%であることを特徴とする芳香族炭化水素の製造方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともガリウム含有結晶性アルミノシリケートを含む触媒組成物に、炭素数2〜7の軽質炭化水素を主成分とする原料を接触させて芳香族炭化水素を製造する方法において、芳香族炭化水素への転化反応工程が、直列に配置された、前記触媒組成物からなる2個以上の反応層、および該反応層間または該反応層に設けられた加熱手段から少なくとも構成され、1段目反応層からの反応層流出物中の芳香族収率が0.5〜30質量%であることを特徴とする芳香族炭化水素の製造方法。
【請求項2】
ガリウム含有結晶性アルミノシリケートが結晶性アルミノガロシリケートであることを特徴とする請求項1に記載の芳香族炭化水素の製造方法。
【請求項3】
ガリウム含有結晶性アルミノシリケートが、粒径0.05〜20μmの範囲の粒子含有率が80質量%以上であり、かつ骨格構造中にアルミニウム元素を0.1〜2.5質量%およびガリウム元素を0.1〜5.0質量%含有する結晶性アルミノガロシリケートであることを特徴とする請求項1に記載の芳香族炭化水素の製造方法。
【請求項4】
転化反応工程流出物から回収されたメタン及び/又はエタンを主成分とする軽質ガスを、転化反応工程に循環することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の芳香族炭化水素の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素数2〜7の炭化水素を主成分とする軽質炭化水素を原料として用い、これから芳香族炭化水素を製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、オクタン価の高いガソリンや芳香族炭化水素を得る方法として、白金/アルミナ系触媒による直留ナフサの接触改質が商業的に広く採用されている。この接触改質における原料ナフサとしては、自動車用ガソリン製造を目的とする場合には、主に沸点70〜180℃の留分が、またキシレン等の芳香族留分、いわゆるBTX製造の場合には、60〜150℃の留分が用いられている。しかし、原料炭化水素の炭素数の減少とともに芳香族への転化割合が低くなり、生成物のオクタン価も減少してしまうため、炭素数が7以下の炭化水素を主成分とする軽質炭化水素を原料として、従来の接触改質法で、高オクタン価ガソリンや芳香族炭化水素を高収率で製造することは困難であった。このため、こうした軽質炭化水素の用途は石油化学原料や都市ガス製造用原料などに限られていた。
【0003】
このような軽質炭化水素から芳香族炭化水素を製造する方法として、ガリウムを含有する結晶性シリケート触媒、例えば、結晶性ガロシリケート(特許文献1)、結晶性ガロアルミノシリケート(特許文献2)、水素型のMFI構造結晶性アルミノガロシリケート(特許文献3)等からなる触媒に、軽質炭化水素を接触させる方法が知られている。
ただし、このような接触改質反応は大きな吸熱反応であるために、反応層に効率的に熱を供給することができなければ、反応温度が低下し反応を十分に進めることができず、高収率で芳香族炭化水素が得られないという問題がある。
【0004】
ガソリン沸点範囲の炭化水素留分を水素の存在下に白金/アルミナ系などの従来公知の触媒を用いて接触的に改質する場合には、複数の触媒反応層を直列に配置し、その間に加熱手段を設ける方法が知られている(特許文献4)。しかしこれらガソリン留分の接触改質は、上記軽質炭化水素から芳香族を製造する技術とは原料組成、触媒系が異なる上、複数の触媒反応層の容量配分、各反応層流出物の組成等については開示がなく、またこれらの選択により転化反応生成物中の芳香族収率が大きく向上することの示唆もなされていない。また、特許文献5には、2つの改質ゾーンを設けることによるBTX増量接触改質法が開示されている。しかしこの方法では、2つの改質ゾーンで異なる触媒種を使用するためプロセスが煩雑となる。
このように、炭素数が7以下の炭化水素を主成分とする軽質炭化水素を原料とする芳香族炭化水素の製造においては、未だ十分に高い収率にて芳香族炭化水素が得られる方法が知られていないのが現状である。
【特許文献1】特開昭59−98020号公報
【特許文献2】特表昭60−501357号公報
【特許文献3】特開昭62−254847号公報
【特許文献4】米国特許第3992465号明細書
【特許文献5】特開平11−172261号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、炭素数が7以下の炭化水素を主成分とする軽質炭化水素を原料として、高い収率で芳香族炭化水素を製造する方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、転化反応工程における1段目反応層からの反応層流出物中の芳香族収率を0.5〜30質量%と制御することにより、全転化反応工程流出物中の芳香族炭化水素の収率を従来の方法に比較して大きく向上できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、少なくともガリウム含有結晶性アルミノシリケートを含む触媒組成物に、炭素数2〜7の軽質炭化水素を主成分とする原料を接触させて芳香族炭化水素を製造する方法において、芳香族炭化水素への転化反応工程が、直列に配置された、前記触媒組成物からなる2個以上の反応層、および該反応層間または該反応層に設けられた加熱手段から少なくとも構成され、1段目反応層からの反応層流出物中の芳香族収率が0.5〜30質量%であることを特徴とする芳香族炭化水素の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の方法によれば、炭素数2〜7の炭化水素を主成分とする軽質炭化水素から芳香族炭化水素を従来の方法に比較して高い収率により製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で原料として用いる軽質炭化水素は、炭素数2〜7の炭化水素を主成分として含むものであり、その含有量は特に限定されないが、好ましくは20質量%以上、より好ましくは4質量%以上、特に好ましくは60〜100質量%以上である。
また、炭素数2〜7の炭化水素としては、特に限定されないが、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、また、パラフィン、オレフィンのいずれでも構わない。さらにはこれらの混合物でも構わない。このような炭化水素の具体例としては、炭素数2から7の直鎖状脂肪族飽和炭化水素(エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン)、分岐状脂肪族飽和炭化水素(イソブタン、2−メチルブタン、2,2−ジメチルブタン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,3−ジメチルブタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,2−ジメチルペンタン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、2,2,3−トリメチルブタン)、環状脂肪族飽和炭化水素(シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、1−メチルシクロペンタン、1,1−ジメチルシクロペンタン、1,2−ジメチルシクロペンタン、1,3−ジメチルシクロペンタン、シクロヘキサン、1−メチルシクロヘキサン等)、直鎖状脂肪族不飽和炭化水素(エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン等)、分岐状脂肪族不飽和炭化水素(イソブテン、2−メチルブテン、2−メチルペンテン、3−メチルペンテン、2−メチルヘキセン、3−メチルヘキセン等)、環状脂肪族不飽和炭化水素(シクロペンテン、メチルシクロペンテン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキセン等)、プロパンやブタンを主成分とする液化石油ガス、炭素数5〜7のパラフィンを主成分とするナフサ留分中の沸点100℃以下の軽質留分(ライトナフサ)、流動接触分解装置(FCC)からのC4留分、エチレンクラッカーのラフィネート等が挙げられる。
【0010】
本発明で用いる触媒組成物は、少なくともガリウム含有結晶性アルミノシリケートを含有するものであり、その含有量は特に制限されないが、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上が望ましい。
本発明で用いるガリウム含有結晶性アルミノシリケートとしては、結晶性アルミノシリケートの格子骨格内にガリウムが組み込まれたもの(結晶性アルミノガロシリケート)や、結晶性アルミノシリケートにガリウムを担持したもの(Ga担持結晶性アルミノシリケート)や、その両方を含んだものが使用されるが、好ましくは少なくとも結晶性アルミノガロシリケートを含むものが望ましい。
【0011】
Ga担持結晶性アルミノシリケートは、結晶性アルミノシリケートにガリウムをイオン交換法、含浸法等の公知の技術によって担持したものである。この際に使用するガリウム源としては、硝酸ガリウム、塩化ガリウム等のガリウム塩や、酸化ガリウム等を用いることができる。
【0012】
結晶性アルミノガロシリケートは、SiO、AlOおよびGaO構造が骨格中において四面体配位をとる構造のもので、水熱合成によるゲル結晶化や、結晶性アルミノシリケートの格子骨格中にガリウムを挿入する方法または結晶性ガロシリケートの格子骨格構造中にアルミニウムを挿入する方法で得ることができる。
【0013】
ゲル結晶化法は、目的とする量のアルミニウムおよびガリウムを同時に含有させて結晶性アルミノガロシリケートを調製できるので簡便かつ優れた方法である。ゲル結晶化法による結晶性アルミノガロシリケート合成には、必須成分としてアルミナ源、シリカ源、およびガリア源を含むスラリー状の水性混合物を水熱合成条件に保持することにより得ることができる。例えば、アルミナ源としては、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム等のアルミニウム塩、アルミン酸ソーダ等のアルミン酸塩、アルミナゲル等を用いることができる。シリカ源としては、ケイ酸ソーダ、ケイ酸カリウム等のケイ酸塩、コロイド状シリカ、シリカ粉末、溶解シリカ、水ガラス等を用いることができ、また、ガリア源としては、硝酸ガリウム、塩化ガリウム等のガリウム塩や酸化ガリウム等を用いることができる。更に、アルミナ源、ガリア源として、ボーキサイト鉱床、亜鉛鉱床等の鉱床からの抽出精練の過程で得られるアルミニウム、ガリウムを含んだ溶液あるいは水酸化物を使用することも可能である。目的とする結晶性アルミノガロシリケートの結晶化速度を速め、純度を良くするために有機添加物やアルカリ金属、アルカリ土類金属源も使用できる。有機添加物としては、テトラプロピルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、トリプロピルメチルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩、プロピルアミン、ブチルアミン、アニリン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、モルホリン等のアミン類、エタノールアミン、ジグリコールアミン、ジエタノールアミン等のアミノアルコール、エタノール、プロピルアルコール、エチレングリコール、ピナコール等のアルコールや、有機酸、エーテル、ケトン、アミノ酸、エステル、チオアルコールあるいは、チオエーテル等を用いることができる。さらに、水熱合成条件下で、上記の有機添加物を生成するような化合物を使用することもできる。アルカリ金属源、アルカリ土類金属源としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物、ハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩等を用いることができる。原料中には、上記の化合物の他に、pH調整剤として、硫酸、硝酸等の鉱酸を含んでもよい。上記の各々の原料となる一種以上の化合物を含む水性原料混合物は、140℃以上、好ましくは150〜250℃の温度、自己圧下で、1時間〜7日程度、好ましくは2時間〜5日間撹拌しながら保持することにより結晶化操作を行う。このような結晶化条件の採用により、反応活性にすぐれた結晶性アルミノガロシリケートを効率よく得ることができる。140℃未満の結晶化温度でも結晶化時間を長くすることにより反応活性にすぐれた結晶性アルミノガロシリケートを得ることができるが、経済的ではない。また、この結晶性アルミノガロシリケートのゼオライト結晶相は準安定相にあるので、一旦生成した結晶が長時間水熱合成条件に置かれた場合、目的としない他の相が生成混入する可能性もあるので、水熱合成条件下に長時間置くことは好ましくない。
【0014】
本発明で使用するガリウム含有結晶性アルミノシリケートの粒子径は、0.05〜20μm、好ましくは0.1〜10μm、より好ましくは0.5〜5μm、さらに好ましくは1〜3μmの範囲の粒子含有率が80質量%以上であることが望ましい。反応分子の大きさとゼオライト細孔の寸法がほぼ同じである場合、ゼオライト細孔中では、分子の拡散速度は遅くなる。従って、粒子直径が20μmを超えるよう大きな粒子では、細孔深部の活性点に反応分子が接近し難く、活性点が反応中有効に使用されなくなり、また外表面でのコーク析出により、細孔入口がコークでふさがれて細孔深部が有効に使用されなくなり、活性・選択性が低下する。
【0015】
水熱合成によって結晶性アルミノガロシリケートや結晶性アルミノシリケートを得る場合、生成粒子の大きさに影響を与える因子としては、シリカ源の種類、第4級アンモニウム塩等の有機添加物の量、鉱化剤としての無機塩の量・種類、ゲル中の塩基量、ゲルのpH及び結晶化操作時の温度や撹拌速度等が挙げられる。これらの条件を適当に調節することにより、上述した粒径範囲のガリウム含有結晶性アルミノシリケートを得ることができる。
【0016】
ガリウム含有結晶性アルミノシリケートの反応活性は、その組成によっても影響を受け、高い反応活性を得るには、アルミニウム元素を好ましくは0.1〜2.5質量%、より好ましくは0.1〜2.0質量%含有することが望ましく、またガリウム元素を好ましくは0.1〜5.0質量%、より好ましくは0.1〜3.0質量%含有することが望ましい。また、SiO/(Al+Ga)モル比は17〜600が好ましく、より好ましくは19〜250、さらに好ましくは25〜200の範囲が、反応活性を長時間にわたって高く保持する上で望ましい。また、SiO/Alのモル比は32〜870が好ましく、より好ましくは35〜300であり、SiO/Gaのモル比は36〜2000が好ましく、より好ましくは40〜500であることが望ましい。
【0017】
ガリウム含有結晶性アルミノシリケートの組成としては、500℃以上の焼成物の酸化物のモル比で表わして、次式で示されるものが好ましい。
aMxO・bAl・Ga・cSiO
前記組成式中、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を表わし、xはMがアルカリ金属のときは2を示し、Mがアルカリ土類金属のときは1を示す。また、a〜cは次の数値を示す。
a:(b+1)±3.0、好ましくは(b+1)±2.0の正数。
b:0.04〜62.5、好ましくは0.1〜14.0。
c:36〜2000、好ましくは40〜500。
【0018】
MASNMR(Magic Angle Spinning Nuclear Magnetic Resonance)分析により、結晶性シリケートの結晶構造中に存在する元素およびその組成について有益な情報を直接あるいは間接的に得ることができる。例えば、結晶性アルミノシリケートにおいては、アニオン性骨格構造中の四面体配位のAlについての情報が27Al−NMRにより得られる。また、構造中の(SiO)に隣接する4個の四面体(TO;T=Al,Ga,Si)に関する情報が29Si−NMRにより得られる。本明細書中に示す結晶性アルミノガロシリケートにおいても、27Al−NMR、71Ga−NMRにより骨格構造中の四面体配位のAl,Gaの存在が示され、29Si−NMR分析の情報から結晶構造中のSiO/(Al+Ga)モル比が計算された。この値は、元素分析の結果から得られた値と良く一致した。
【0019】
結晶性アルミノガロシリケートの化学的特性の1つとして酸性質が挙げられる。一般に酸量はアンモニア、ピリジン等の塩基性物質を用いた昇温脱離や吸着熱測定等により測定することができる。結晶性アルミノガロシリケートでは、アルミニウム、ガリウムの量に見合う酸量が測定されており、アルミニウム、ガリウムがゼオライト結晶構造中のアニオン性骨格構造中にあることが示されている。
【0020】
本発明で用いる特に有用な結晶性アルミノガロシリケートはMFIタイプおよび/またはMELタイプの結晶構造体である。MFIタイプ、MELタイプの結晶性アルミノガロシリケートは、The Structure Commission of the International Zeolite Association により公表された種類の公知ゼオライト構造型に属する(Atlas of Zeolite Structure Types, W.M.Meiyer and D.H.Olson (1978). Distributed by Polycrystal Book Service, Pittsburgh, PA, USA)。
【0021】
また、ガリウム含有結晶性アルミノシリケートは、所望に応じ、ゼオライトに施される種々の活性化処理を施すことができる。従って、本明細書でいうガリウム含有結晶性アルミノシリケートは、前記水熱合成等の方法によって製造されたものの他、その変性化処理または活性化処理によって得られるものをも包含するものである。例えば、結晶性アルミノガロシリケートを塩化アンモニウム、弗化アンモニウム、硝酸アンモニウム、水酸化アンモニウム等のアンモニウム塩を含む水溶液中でイオン交換してアンモニウム型とした後に、アルカリ金属やアルカリ土類金属以外の他の金属イオンを含む水溶液でイオン交換したり、あるいはその水溶液を含浸させてアルカリ金属やアルカリ土類金属以外の所望金属を導入することができる。また、前記アンモニウム型のガリウム含有結晶性アルミノシリケートを空気、窒素または水素雰囲気中で200〜800℃、好ましくは350〜700℃の温度で3〜24時間加熱することによりアンモニアを除去して酸型のものに活性化することができる。また、酸型触媒を水素または水素と窒素の混合ガスにて上記の条件で処理してもよい。さらに、酸型触媒をドライ条件下にアンモニアと接触させるアンモニア変性を施してもよい。本発明で用いる触媒組成物は、一般的には、炭化水素原料と接触する前に、前記の活性化処理を施して使用するのが好ましい。
【0022】
本発明の触媒組成物には、前述したガリウム含有結晶性アルミノシリケートの他に、結合剤(バインダー)を含んでもよい。結合剤とは、触媒の機械性質(強度、耐摩耗性、成形性)を高めるための物質をいう。このようなものには、例えば、アルミナ、アルミナボリア、シリカ、シリカアルミナ等の無機酸化物が挙げられる。その添加量は、特に制限されないが、触媒組成物中に50質量%以下、より好ましくは30質量%以下となるよう加えられる。また、これらの無機結合剤に燐を添加することにより成形体の機械的強度を更に向上させることができる。ガリウム含有結晶性アルミノシリケートと結合剤との混合物は、押出し成形、スプレードライ、打錠成形、転動造粒、油中造粒等の方法で粒状、球状、板状、ペレット状等の各種成形体とすることができる。また、成形時には、成形性を良くするために有機化合物の滑剤を使用するのが望ましい。
【0023】
一般に、ガリウム含有結晶性アルミノシリケートと結合剤との混合物の成形は、ガリウム含有結晶性アルミノシリケートのアンモニウムイオン等によるイオン交換工程に先立って行なうこともできるし、また、ガリウム含有結晶性アルミノシリケートをイオン交換した後に行うこともできる。
【0024】
また、本発明の触媒組成物には補助成分として金属成分を担持させて用いることができる。補助成分としての金属成分は、ガリウム含有結晶性アルミノシリケートに担持させたり、成形用のバインダーに担持させたり、その両方でも構わない。また、ガリウム含有結晶性アルミノシリケートをバインダーで成形する際に、第3成分として添加することもできる。このような補助金属成分としては、例えば、脱水素能を有する金属や炭素析出を抑制する効果のある金属が挙げられる。補助金属成分の具体例としては、触媒活性を向上させるものとして、例えば、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム、チタン、バナジウム、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、レニウム、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、亜鉛、アルミニウム、インジウム、ゲルマニウム、スズ、鉛、リン、アンチモン、ビスマス、セレン等が挙げられる。これらの金属は、単独の他、2種以上を組合せて用いることもでき、その担持量は金属換算で0.1〜10質量%である。金属担持方法としては、イオン交換法、含浸法、物理混合等の公知の技術をいることができる。また、結晶性アルミノガロシリケートや結晶性アルミノシリケートの合成時に、補助成分として前記金属成分を添加して結晶性アルミノガロシリケートを合成することで、補助成分金属を含有させることもできる。また、反応に際してのコークの堆積の抑制効果を持つ補助金属成分として、マグネシウム、カルシウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム、ルテニウム、イリジウムの中から選ばれる1種以上の金属を担持させることができ、その担持量は、金属換算で0.01〜5質量%である。
【0025】
次に、本発明の方法における各工程について詳述する。
(a)転化反応工程
転化反応工程には、前述した触媒組成物を保持する反応層が少なくとも直列にn個(nは2以上の整数)配列され、さらに該反応層間に、または該反応層に、前段反応層からの流出物への加熱手段として、加熱炉などの加熱装置が設けられている。あるいはまた、該反応層に加熱手段が設けられている。またこれらを組み合わせても良い。なお、直列に接続された各反応層を、上流側から順に1段目反応層、2段目反応層、以下同様にして以後称する。原料の軽質炭化水素と、後述するリサイクルガスとの混合物を反応層に通過せしめて、その混合物を芳香族炭化水素へ転化させる工程である。
【0026】
本発明における転化反応工程の反応層入り口温度は、一般的には、350〜650℃が好ましい範囲である。原料の軽質炭化水素がn−パラフィンを主成分とする場合には、450〜650℃、イソ−パラフィンを主成分とする場合には、400〜600℃、オレフィンを主成分とする場合には、350〜550℃がさらに好ましい温度範囲となる。
また水素分圧としては490kPa(5kgf/cm)以下の圧力条件が好ましく採用される。原料のガス空間速度は100〜2000hr−1が好ましく採用される。
【0027】
本発明においては、この転化反応工程の直列に配置された2個以上の反応層の内、1段目反応層からの反応層流出物中の芳香族収率を0.5〜30質量%、好ましくは2〜30質量%、さらに好ましくは2〜28質量%になるようにする。特に反応層の数が3個以上であって、かつ1段目反応層からの反応層流出物中の芳香族収率が2〜25質量%であることが好ましい。これにより、最終的に得られる芳香族収率が大きく向上する。
1段目反応層流出物中の芳香族収率を0.5〜30質量%とする方法は特に限定するものではないが、例えば、反応層入口温度を調節する方法、各反応層の触媒充填比率を調節する方法、あるいはこれらの組み合わせによる方法を挙げることができる。
【0028】
反応層の数nは2以上であれば特に限定されないが、多過ぎても効果は変わらず、経済性が悪くなる。従って、nとしては2以上8以下が好ましく、より好ましくは3以上6以下が望ましい。
【0029】
また、この転化反応工程では、一定の反応層入り口温度で運転することもできるし、所定の芳香族収率が得られるように、反応層入り口温度を連続的又は段階的に上昇させて運転することもできる。芳香族収率が所定範囲を下回ったり、反応層入り口温度が所定温度範囲を超えるようになると、触媒反応塔を新しい触媒塔又は再生触媒塔に切り替えて反応を継続するのが好ましい。触媒の再生は空気、窒素、水素又は窒素/水素混合ガス等の気流中で200〜800℃、好ましくは350〜700℃で加熱処理することにより行うことができる。本発明の方法は、好ましくは、前記触媒組成物を保持した反応層を含む、2系列の固定床反応装置を用いて行われる。この場合、各系列の反応装置は直列に並んだ複数の反応層から成り立っている。原料の軽質炭化水素を一方の系列の反応装置に導入して反応を進めながら、他方の系列の反応装置中の触媒を再生処理に付する。これらの2系列の反応装置で交互に1〜10日間隔で反応/再生を行わせることにより、例えば1年間の連続運転を行うことができる。又、サイクリック運転のように、反応に使用されている系列の反応装置の一部又は全部を他系列と切り替えて反応を継続して行なうことも可能である。そして各1〜10日の反応の1サイクルごとに反応温度を5〜20℃程度連続または段階的に上昇させて、最終反応層流出物の芳香族収率を40〜75質量%の所定範囲に保持する。
【0030】
なお、前記芳香族収率(以下の式(1)ではRと表記)は、次の式で表わされる。
R=A/B×100(%) (1)
A:転化反応生成物中の全芳香族炭化水素の重量
B:原料中のエタンを除く炭素数2〜7の脂肪族炭化水素の重量
【0031】
脂肪族炭化水素が芳香族炭化水素へ転化する際には、脱水素を伴う反応が進行するので、反応条件下では水素を添加しなくても反応に見合う水素分圧を有することとなる。意図的な水素の添加は、コークの堆積を抑制し、再生頻度を減らす利点があるが、芳香族の収率は、水素分圧の増加により急激に低下するため必ずしも有利ではない。それ故、水素分圧は490kPa(5kgf/cm)以下に抑えることが好ましい。
【0032】
本発明における転化反応工程には、後続の分離工程からリサイクルガスとして循環されるメタンおよび/またはエタンを含む軽質ガスを存在させることが望ましい。このメタンおよび/またはエタンを含む軽質ガスを存在させて転化反応を行うことで、触媒上へのコーク析出を抑制し、長時間にわたって芳香族収率を高く維持することができる。反応系へ循環される全軽質ガス(リサイクルガス)の循環量は、炭化水素供給原料1重量部当り、0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜3重量部にするのがよい。
【0033】
(b)反応層流出物の気液分離工程
この工程は、前記転化反応工程から得られた反応層流出物を、一個または複数の気液分離器からなる気液分離帯域に導入し、比較的高圧下で気液分離し、芳香族炭化水素を主成分として含む液体成分(高圧分離液)と、水素、メタン、エタン、プロパン、ブタン等の軽質ガス(高圧分離ガス)とに分離する工程である。分離条件としては、温度は通常10〜50℃、好ましくは20〜40℃であり、圧力は通常5〜80気圧、好ましくは10〜30気圧である。反応器流出物は、この気液分離工程に導入される以前に、低温の原料炭化水素と間接熱交換させて冷却し、また必要に応じ、気液分離工程及び軽質ガスからの水素を分離する工程の負荷を軽減するために、軽質ガスの一部を分離することができる。
【0034】
(c)分離ガスからの水素分離工程
この工程は、前記気液分離工程で分離された高圧分離ガスから水素を選択的に分離し、メタンおよび/またはエタンを含むリサイクルガスを得る工程である。この場合の水素分離方法としては、従来公知の方法、例えば、膜分離方法や深冷分離方法等が用いられる。水素の選択的分離効率の点からは、膜分離方法の使用が好ましいが、リサイクルガスとして、深冷分離方法からのオフガスを利用する場合は、膜分離方法からのオフガスと比べて、未反応プロパンを最大限に反応させることができるので芳香族炭化水素収率で1〜3質量%高くできる利点がある。どちらの方法を採用するかは、経済的見地から判断される。膜分離装置としては、例えば、分離膜として、ポリイミドや、ポリスルホン、ポリスルホンとポリジメチルシロキサンとのブレンド体を用いたもの等が市販されている。この工程で得られたリサイクルガスの一部は、全循環ガス量を一定範囲に保持するために、系外へ排出される。高純度の水素を回収するために、好ましくは回収系として膜分離装置又はPSA(吸・脱着分離装置)を膜分離装置の後段に設置する。後段の装置の選択は、経済的見地から決められる。
【0035】
(d)分離液からの芳香族炭化水素の分離工程
この工程は、前記気液分離工程で得られた高圧分離液から芳香族炭化水素と低沸点炭化水素ガスとを分離する工程であり、その装置としてはスタビライザー(蒸留塔)が用いられる。塔頂留分として分離された低沸点炭化水素ガスは、C3〜C4の炭化水素からなるもので、リサイクルガスとして用いられる。
【0036】
(e)原料脂肪族炭化水素とリサイクルガスとの混合工程
この工程は、原料脂肪族炭化水素に対して、前記水素ガス分離工程で得られたメタンおよび/またはエタンを含むリサイクルガスおよび前記芳香族炭化水素分離工程で分離された低沸点炭化水素ガスを混合する工程であり、この混合は配管内で行うことができる。この混合物は前記転化反応工程に導入される。原料脂肪族炭化水素1重量部当りの前記リサイクルガスおよび低沸点炭化水素ガスの混合割合は、0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜3重量部である。このように、メタンおよび/またはエタンをリサイクルガスとして使用することにより、次のような効果が得られる。即ち、脱水素環化による芳香族化反応は吸熱反応であり、その為、触媒層温度は低下し芳香族化反応に不利となる。メタンおよび/またはエタンは、この反応条件下では芳香族化しないので不活性ガスと見なせる。メタンおよび/またはエタンが熱を持つことにより、これが熱供給媒体として働き、触媒層の温度低下を抑制し、芳香族化反応を有利に進め、芳香族炭化水素収率を向上できる。また、リサイクリングにより原料の転化反応で生成する水素の分圧を低下させ、芳香族化反応を有利に進めることができ、その結果、芳香族炭化水素収率を向上できる。更に、反応層でのガス速度が上がるので(GHSVが大きくなる)、反応基質と触媒活性点との接触時間が短くなり、コーク状物質を与える過剰反応が抑制できる。その結果、反応経過時間と共に起こる活性低下を抑制でき、芳香族炭化水素収率を高い水準で維持できる。商業装置においては、リサイクルガス比は経済的見地から決められなければならない。
【0037】
本発明の方法を実施する場合のフローシートの一例を図1に示す。
原料脂肪族炭化水素とリサイクルガスである軽質炭化水素ガスとの混合物6は、触媒組成物が直列にn個(nは2以上の整数)配列された反応層を有する転化反応工程1に張り込まれて芳香族炭化水素に転化され、次いで気液分離工程2で芳香族炭化水素を主成分として含む液体成分(高圧分離液8)と軽質ガス(高圧分離ガス9)とに分離される。高圧分離液8は芳香族炭化水素の分離工程4で低沸点炭化水素ガス13を分離除去して、芳香族炭化水素14が回収される。
【0038】
また、転化反応工程1の一例を図2に示す。
図2では、1段目の反応器16と2段目の反応器17が直列に配置され、原料脂肪族炭化水素とリサイクルガスである軽質炭化水素ガスとの混合物18(図1では混合物6に該当)は加熱炉などの加熱手段19により加熱され、1段目の反応器16に導入されて転化反応が行われる。1段目の反応器16は、1段目の反応器流出物中の芳香族収率が0.5〜30質量%となるように制御されている。1段目の反応器流出物21は加熱手段20で再加熱され、2段目の反応器17に導入されて再び転化反応が行われる。2段目の反応器17からの反応器流出物22は、これを再び加熱炉などの加熱手段で再加熱し、第3本目の反応器へと導入しても良いし、最終的な反応器流出物として図1に示した反応器流出物の気液分離工程2へ導入しても良い。なお、反応器16と反応器17には、それぞれもう1系列の反応器16’および反応器17’を設けて、2系列の反応器で交互に反応および触媒上に堆積したコークの燃焼除去による再生を行わせることにより連続運転を実施する事ができる。
【実施例】
【0039】
以下、実施例および比較例に基いて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0040】
[参考例1:結晶性アルミノガロシリケートの製造]
硅酸ナトリウム〔Jケイ酸ソーダ3号、SiO:28〜30質量%、Na:9〜10質量%、残部水、日本化学工業(株)製〕1,706.1gおよび水2,227.5gからなる溶液(A)と、Al(SO・14〜18HO〔試薬特級、和光純薬工業(株)製〕64.2g、Ga(NO・nHO〔Ga:18.51%、添川理化学(株)製〕32.8g、テトラプロピルアンモニウムブロマイド369.2g、HSO(97質量%)152.1g、NaCl26.6gおよび水2,975.7gからなる溶液(B)とをそれぞれ調製した。次いで、上記溶液(A)の中に室温で攪拌しながら溶液(B)を徐々に加えた。得られた混合物をミキサーで15分間激しく攪拌し、ゲルを解砕して乳状の均質微細な状態にした。次に、この混合物をステンレス製のオートクレーブに入れ、温度165℃、時間72hr、攪拌速度100rpmの条件で自己圧力下に結晶化操作を行った。この結晶化操作終了後、生成物を濾過して固体生成物を回収し、約5リットルの水を使用して5回洗浄と濾過を繰り返した。濾別して得られた固形物を120℃で乾燥し、更に650℃、空気流通下で3時間焼成した。
得られた焼成物は、X線回析の結果、MFI構造を有するものであり、またMASNMR分析による、SiO/Al(モル比)、SiO/Ga(モル比)、SiO/(Al +Ga)(モル比)は各々64.8、193.2、48.6であった。またこの結果から計算された骨格構造中に含有されるアルミニウム元素は1.32質量%、ガリウム元素は1.16質量%であった。
【0041】
[参考例2:触媒の調製]
参考例1で得られた結晶性アルミノガロシリケートにバインダーとしてのアルミナパウダー〔Cataloid AP、触媒化成工業(株)製〕を結晶性アルミノガロシリケート:アルミナパウダーの重量比が65:35となるように加え、さらに水を加えて十分に練った後押出成形し、120℃で3時間乾燥後、600℃で3時間空気雰囲気下で焼成した。次いで、成形物に対し、その1グラム当りに5mlの割合で約2規定の硝酸アンモニウム水溶液を加え、100℃で2時間イオン交換処理を行った。この操作を4回繰返した後、120℃で3時間乾燥してアンモニウム型結晶性アルミノガロシリケート成形体を得た。これを16〜28メッシュのサイズにそろえ、さらに、これを600℃で空気雰囲気下に3時間焼成することにより、水素型結晶性アルミノガロシリケート触媒を得た。
【0042】
[比較例1]
ライトナフサの転化反応流通式反応装置を用い、参考例2に記載の水素型結晶性アルミノガロシリケート触媒3mlを一個の反応器に充填して、ライトナフサの転化反応を行った。反応は反応器を電気炉により加熱し、入口温度550℃、反応器出口圧力を294kPa(3.0kgf/cm)、LHSV0.8hr−1、リサイクルガスの模擬ガスとして窒素を重量換算でフィードのライトナフサの0.7倍導入して実験を行った。転化反応生成物は、装置に直結されたガスクロマトグラフにより分析された。この時の反応結果を表1に示す。反応は24時間実施し、表1記載の芳香族収率は、反応開始24時間後の転化反応生成物の分析値より算出した。使用したライトナフサの性状は、初留点36℃、終点91℃、比重0.658、硫黄分1質量ppmであった。
【0043】
[比較例2〜3]
参考例2に記載の水素型結晶性アルミノガロシリケート触媒3mlを、一つ目の反応器に50質量%(1.5ml)、二つ目の反応器に50質量%(1.5ml)を充填し、これらを直列に接続した反応装置を用い、反応器を電気炉により加熱し、比較例1と同一のライトナフサを原料に用いて転化反応を行った。反応条件は,両反応器の入口温度を表1に記載した温度とし、2段目反応器の出口圧力を294kPa(3.0kgf/cm)とした以外は比較例1と同一とし,24時間の反応を行った。1段目反応層出口、および転化工程出口の流出物の組成分析を装置に直結されたガスクロマトグラフにより行った。24時間後の分析結果より算出した1段目反応層、および全転化工程流出物の芳香族収率を表1に示す。
【0044】
[実施例1]
参考例2に記載の水素型結晶性アルミノガロシリケート触媒3mlを、一つ目の反応器に50質量%(1.5ml)、二つ目の反応器に50質量%(1.5ml)を充填し、これらを直列に接続した反応装置を用い、比較例1と同一のライトナフサを原料に用いて転化反応を行った。反応条件は,両反応器の入口温度を表1に示す通りとし、最終段反応器の出口圧力294kPa(3.0kgf/cm)、LHSV0.8hr−1とし、リサイクルガスの模擬ガスとして窒素を重量換算でフィードのライトナフサの0.7倍導入して行った。この時の各反応結果を表1に示す。反応は24時間行い、流出物の分析は比較例2と同様に行った。結果を表1に示す。
【0045】
[実施例2〜3]
各実施例において、比較例に用いたものと同様の反応装置を用い、表1に記載した各反応層触媒充填比率にてそれぞれの反応器に参考例2に記載の水素型結晶性アルミノガロシリケート触媒を充填し(合計の触媒容量3ml)、これらの反応器を全て直列に接続し、反応器を電気炉により加熱し、比較例1と同一のライトナフサを原料に用い、転化反応を行った。反応条件は、各反応器の入口温度を全て550℃、最終段反応器の出口圧力294kPa(3.0kgf/cm)、LHSV0.8hr−1とし、リサイクルガスの模擬ガスとして窒素を重量換算でフィードのライトナフサの0.7倍導入して行った。この時の各反応結果を表1に示す。反応は24時間行い、流出物の分析は比較例2と同様に行った。結果を表1に示す。
【0046】
比較例および実施例に示す通り、少なくともガリウム含有結晶性アルミノシリケートを含有する触媒組成物に、炭素数2〜7のパラフィンおよび/またはオレフィンを主成分とする軽質炭化水素を接触させて芳香族炭化水素を製造する方法において、n個の反応層を少なくとも直列に接続し、かつ該反応層間に配置された加熱装置から構成される転化反応工程を用い、1段目反応層流出物の芳香族収率を0.5〜30質量%とすることにより、全転化工程流出物中の芳香族炭化水素が高い収率で製造されることが明らかである。
【0047】
【表1】


【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の方法を実施する場合のフローシートの1例を示す図である。
【図2】本発明における転化反応工程の1例を示す図である。
【符号の説明】
【0049】
1 転化反応工程
2 反応器流出物の気液分離工程
3 高圧分離ガスからの水素分離工程
4 高圧分離液からの芳香族炭化水素の分離工程
5 原料脂肪族炭化水素
6 原料脂肪族炭化水素とリサイクルガスである軽質炭化水素ガスとの混合物
7 反応器流出物
8 気液分離工程で分離した高圧分離液
9 気液分離工程で分離した高圧分離ガス
10 水素分離工程で分離した水素を主成分とするガス
11 水素分離工程で分離したオフガス
12 全循環ガス量を一定範囲に保持するために系外に排出されるガス
13 高圧分離液から分離された低沸点炭化水素ガス
14 高圧分離液から分離された芳香族炭化水素
15 リサイクルガス
16 1段目の反応器
16’ 1段目の反応器のもう1系列の反応器
17 2段目の反応器
17’ 2段目の反応器のもう1系列の反応器
18 原料脂肪族炭化水素とリサイクルガスである軽質炭化水素ガスとの混合物
19、20 加熱炉などの加熱手段
21 1段目の反応器からの反応器流出物
22 2段目の反応器からの反応器流出物
【出願人】 【識別番号】000004444
【氏名又は名称】新日本石油株式会社
【識別番号】000003285
【氏名又は名称】千代田化工建設株式会社
【出願日】 平成18年8月7日(2006.8.7)
【代理人】 【識別番号】100103285
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 順之


【公開番号】 特開2008−38032(P2008−38032A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−214843(P2006−214843)