トップ :: C 化学 冶金 :: C10 石油,ガスまたはコ−クス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭

【発明の名称】 フィッシャー・トロプシュ触媒/ワックス分離のための内部フィルター
【発明者】 【氏名】アンダーソン、ジョン、エイチ

【要約】 【課題】反応器定常状態に対する影響を小さくしながら、清浄化ワックスを反応器から除去することができる濾過方法を提供する。

【構成】合成ガスをフィッシャー・トロプシュ反応器4に供給して触媒と反応させて形成された合成炭化水素生成物6は、反応器内に配置した複数の端部閉鎖円筒状フィルター12、例えば、多孔質反応器側(外部)金属円筒、多孔質生成物側(内部)金属円筒などに当該合成炭化水素生成物6を通すことにより、触媒粒子から分離し、当該合成炭化水素生成物6はフィルターを通過し、触媒粒子はフィルターの外側に凝集する、液体・固体混合物から液体を分離する方法、及びそのフィルター12を製造する方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体・固体混合物内に位置する複数の端部閉鎖円筒状フィルターを通って液体を通過させる工程であって、然も、各フィルターが、
外部金属円筒外側表面及び外部金属円筒内側表面を有する多孔質外部金属円筒、
内部金属円筒外側表面及び内部金属円筒内側表面を有する多孔質内部金属円筒、
前記多孔質外部金属円筒と、前記多孔質内部金属円筒との間に位置するフィルター媒体、及び
液体出口、
を有する、該液体通過工程;
前記フィルターから液体出口を通って液体を取り出し、液体・固体混合物から、前記フィルターの少なくとも一部分を通り、前記液体出口から連続的液体流を与える工程;
を含み、然も、連続的液体流を停止することなく前記フィルターの一部分からの液体流を止めることができるように、前記液体出口が配列されている、液体・固体混合物から液体を分離する方法。
【請求項2】
外部金属円筒の多孔度が、フィルター媒体の多孔度より大きく、内部金属円筒の多孔度が、外部金属円筒の多孔度よりも大きい、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
フィルターが、更に逆フラッシュ液体入口を持つ、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
フィルターから液体出口を通って取り出された液体の一部分をパルスサージ容器へポンプで送り、高圧液体にし、パルスサージ容器内の前記高圧液体の圧力を、液体・固体混合物の圧力より大きくする工程であって、そこで、前記パルスサージ容器は、前記フィルターをフラッシュして凝集固体粒子を離脱させるための前記液体の一部分を受け入れるものである、該工程;
前記液体出口と前記パルスサージ容器との間の導管にある第一のバルブを閉じることによって、前記液体出口を通る前記フィルターの一部分からの液体の流れを止める工程;
パルスサージ容器の出口の第二のバルブを開け、前記液体出口を通って前記フィルターから出る液体の流れが止められている前記フィルターの逆フラッシュ液体入口を通って前記高圧液体を送り、前記高圧液体をフィルターから前記液体・固体混合物中へ流し、前記フィルターの外側から凝集固体粒子を全て離脱させる工程;
前記第二のバルブを閉じる工程;及び
液体出口を通って前記フィルターから出る液体の流れが前に止められていたそのフィルターを通り、前記液体出口から、液体・固体混合物からの液体の流れを、前記フィルターから前記液体出口を通ってその液体の流れを再び開始することにより、再び継続させる工程;
を更に含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
外部金属円筒の多孔度が、複数のテーパー付き開口により達成されており、それら開口の直径が、外部金属円筒内側表面の所よりも、外部金属円筒外側表面の所で大きくなっている、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
内部金属円筒の多孔度が、複数のテーパー付き開口により達成されており、それら開口の直径が、内部金属円筒外側表面の所よりも、内部金属円筒内側表面の所で大きくなっている、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】【背景技術】
【0001】
スラリー炭化水素合成(HCS)法は知られている。スラリーHCS法では、HとCOとの混合物を含む合成ガスを、反応器中の固体/液体スラリー中に第三相として気泡状に通す。HCS反応生成物は、一般にガス状及び液体の炭化水素である。スラリーは合成反応の液体炭化水素生成物を含み、分散した懸濁固体は、殆どがフィッシャー・トロプシュ法の触媒系に入るものとして知られている触媒である炭化水素合成触媒、及び取り込まれた合成ガスを含有する。
【0002】
そのような三相スラリーの入った反応器は、米国特許第5,348,982号明細書に記載されているように、「バブルカラム(bubble column)」として時々言及されている。触媒粒子は、スラリーを通って気泡として上昇する合成ガスの上昇作用と水圧手段により液体中に分散され、懸濁された状態に維持されるのが典型的である。インペラー及びプロペラ等のような機械的手段は用いない。なぜなら、それらは触媒粒子の腐食を早め、摩滅を起こすからである。米国特許第5,382,748号明細書に記載されているように、一つ以上のガス離脱垂直降下ダクトを、スラリー中に垂直触媒循環を与えることにより一層均一な触媒分散を維持するのを助ける水圧手段として用いることができる。スラリー液体は、HCS反応の液体炭化水素生成物を含み、触媒粒子を分離し、反応器から取り出し、更に処理し、品質向上させて希望の最終生成物にする必要がある。
【0003】
石炭及び天然ガスを効果的に、且つ一層効率的に合成ガスへ転化し、合成ガスを遥かに価値のある炭化水素、例えば、高セタン価を有するディーゼルモーター燃料、石油化学供給原料、及び炭化水素ワックスへ転化することが望ましいと考えられている。合成ガスは、かなり広い範囲の種類の触媒により、約176℃(350°F)〜約454℃(850°F)の範囲の温度及び約1〜1000気圧(約101.3kPa〜約101.325kPa)の範囲の圧力で転化させると、炭化水素のような一酸化炭素の還元生成物を形成することがよく知られている。例えば、最も広範に研究されてきたフィッシャー・トロプシュ法は、ワックス物質、酸素化物、及び液体炭化水素を含めた広い範囲の生成物を生じ、その一部分は低オクタンガソリンとして用い、成功を収めてきている。この方法及び関連する方法について研究されてきた触媒の種類には、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、トリウム、ロジウム、及びオスミウムの金属又は酸化物に基づくものが、促進剤と共に、又はそれを伴わずに含まれている。
【0004】
フィッシャー・トロプシュ・スラリー反応器では、合成ガスを粉末触媒上で反応させて液体炭化水素及びワックスを形成する。スラリーは、反応器からワックスを連続的又は間歇的に除去することにより、一定レベルに維持する。ワックス除去に関する主な問題は、ワックス中の触媒をスラリーから分離し、反応器へ戻し、反応器中の触媒存在量(inventory)を一定に維持するようにすべきことである。反応器は定常状態で作動させるのが好ましく、このことは生成速度又は生成物が比較的一定のままになっていることを意味している。反応器から触媒を除去することは、触媒濃度の何らかの変動が反応器中で生じている生成速度及び生成物の種類に影響を与えることがある点で、反応器の定常状態を乱すことがある。また、触媒損失を、不活性化による必要な取り替え率内に維持するため、系から取り出される清浄化ワックスの触媒含有量を約0.25重量%以下にすべきである。従って、反応器定常状態に対する影響を小さくしながら、清浄化ワックスを反応器から除去することができる濾過方法が必要とされている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、合成炭化水素生成物を製造するための方法を包含する。本発明は、合成ガスをフィッシャー・トロプシュ反応器へ供給し、合成ガスを触媒と反応させ、液体合成炭化水素生成物を形成することを含む。液体合成炭化水素生成物は、反応器内に配置した複数の端部閉鎖円筒状フィルターに液体合成炭化水素生成物を通すことにより、触媒粒子から分離し、その結果液体はフィルターを通過し、触媒粒子はフィルターの外側に凝集する。各フィルターは多孔質反応器側(外部)金属円筒、多孔質生成物側(内部)金属円筒、及びその多孔質反応器側金属円筒と多孔質生成物側金属円筒との間に位置するフィルター媒体を有する。
【0006】
液体合成炭化水素生成物をフィルターから除去する時、その一部分をポンプでパルスサージ容器(pulse surge vessel)中へ送り、そのパルスサージ容器の圧力を、フィッシャー・トロプシュ反応器の圧力よりも高くする。或る点で、フィルターの反応器側から、即ち、多孔質反応器側金属円筒から凝集触媒を除去することが望ましくなる。その時、そのフィルターの少なくとも一つを通る合成液体炭化水素生成物を、液体合成炭化水素生成物出口管のバルブを閉めることにより停止すべきである。
【0007】
フィルターを清浄にするため、パルスサージ容器の出口の即開バルブ(quick opening valve)を開き、パルスサージ容器からの高圧合成液体炭化水素生成物を、フィルターの逆フラッシュ(backflushing)液体入口へ送る。これにより合成液体炭化水素が、パルスサージ容器からフィルター中へ、次にそのフィルターからフィッシャー・トロプシュ反応器中へ流れるようにし、フィルターの外側から凝集触媒粒子を離脱させる。
【0008】
一般に、フィルター媒体の多孔度(porosity)は、約0.5〜約100μ(1μ=1×10−6m)濾過のためのものであり、生成物側及び反応器側の金属円筒の多孔度は、約0.31cm(約1/8インチ)〜約2.54cm(約1インチ)の孔により達成される。孔の大きさは、多孔度が余り大きいと、金属円筒がそれらの堅固な円筒状を維持することができなくなり、それによりその構造的一体性(structural integrity)が失われることになる点で限界がある。本発明では、生成物側金属円筒の多孔度は、反応器側金属円筒の多孔度よりも大きい。内部の生成物側金属円筒の孔は、それら孔の直径が、反応器側円筒の方に向いた円筒の表面の所よりも、円筒の生成物側で大きくなるようにテーパーが付けられているのが好ましい。反応器側金属円筒の孔の内側開口は、反応器側円筒の方に向いた生成物側金属円筒の表面の所の開口と実質的に同じ大きさであるのが好ましい。反応器側金属円筒の孔は、同様にテーパーが付いていてもよく、それらの孔は、同じ円筒の内側表面の所、生成物側円筒に面した表面の所よりも、反応器側金属円筒の外側表面の所の方が大きな直径になっていてもよい。
【0009】
一般に、本発明は、フィッシャー・トロプシュ生成物/触媒分離のためだけではなく、殆どのどのような用途でも液体と固体とを分離するために用いることができる濾過方法を開示する。本発明のフィルターは、フィッシャー・トロプシュ法を考慮に入れて設計されているが、多くの同様な方法にも適用することができる。
【0010】
最後に、本発明は、上に記載したように用いられる新規なフィルターを、例示のための態様として開示する。本発明は、そのフィルターを製造する新規な方法も開示する。フィルターを製造する工程は、多孔質外部金属円筒を加熱拡張すること、多孔質内部金属円筒を冷却収縮すること、前記拡張した多孔質外部金属円筒の中に円筒状フィルター媒体を挿入すること、及び前記収縮した多孔質内部金属円筒をその円筒状フィルター媒体中に入れることを含む。上記工程を行なった後、それら三つの部品の組合せ物を中間的温度へ持って行き、前記加熱拡張多孔質外部金属円筒を冷却し、前記冷却収縮多孔質内部金属円筒を加熱する。これによりフィルターの部材間の封着を気密にする。
【0011】
例示的態様の説明
本発明の好ましい態様は、合成炭化水素生成物の製造方法を包含する。次に図1に関し、合成ガスを導管2を通ってフィッシャー・トロプシュ反応器4へ送り、反応させてガス状及び液体状合成炭化水素生成物6を形成させる。次にガス状合成炭化水素生成物を、蒸気出口10を通り反応器4から取り出す。次に液体合成炭化水素生成物6を、フィッシャー・トロプシュ反応器4の中で触媒粒子(図示されていない)から分離する。これは、液体合成炭化水素生成物6を、反応器4内に配置した複数の円筒状フィルター12(一つだけ示されている)を通過させることにより達成され、この場合、液体はフィルターを通過し、触媒粒子はフィルター12の外側に凝集する。
【0012】
本方法の次の工程は、フィルターからフィルター生成物出口13を通り、導管14を通って液体合成炭化水素生成物を除去することを含んでいる。液体合成炭化水素生成物は、反応器4中のスラリーレベル8を維持する速度で導管16を通り系から取り出す。液体合成炭化水素生成物の少なくとも一部分は、パルスサージ容器22中へポンプで入れる。ポンプ送入機構20は、パルスサージ容器22の圧力がフィッシャー・トロプシュ反応器4の圧力よりも大きくなるようにすべきなので必要である。
【0013】
フィルターを通る流れが滞り始めた時、フィルターの外側から凝集触媒を除去することが必要になる。これが必要になったならば、清浄にする必要があるフィルターを通る合成液体炭化水素生成物の通過をブロックバルブ15を閉じることにより停止すべきである。
【0014】
フィルターを清浄にするため、導管26中のブロックバルブ18を開き、サージ容器22とフィルター12との間を流通させる。次にパルスサージ容器22の出口にある即開バルブ24を開け、パルスサージ容器22中の合成液体炭化水素生成物を導管26を通りフィルター12の逆フラッシュ液体入口28へ送る。これにより合成液体炭化水素の加圧パルスがパルスサージ容器22からフィルター12へ流され、次にそのフィルターからフィッシャー・トロプシュ反応器4中へ流し、フィルター12の外側から凝集触媒粒子を離脱させる。場合により、2回以上前記即開バルブを開閉して即開バルブ24にパルスを与えた後、即開バルブ24を閉じ、バルブ15を開くことによりフィッシャー・トロプシュ反応器4から合成液体炭化水素生成物がフィルター12を通る流通を再び開始するのがよい。通常フィルターを清浄にするのに必要な時間は、1分より短い。
【0015】
合成炭化水素製造法での重要な特徴は、系を定常状態に保つことである。これは本質的に、開始後、又は変動後、或る時間後に、反応器へ入る合成ガスが触媒と一定速度で反応することを意味する。従って、反応器の条件下では、それがどのようなものであっても、液体炭化水素の生成速度は比較的一定である。例えば、温度、圧力、流量、又は組成の小さな変動は、工程を定常状態からそらすことになる。そのことが、反応器本体中に複数のフィルター部材を有するようにすることが望ましい理由である。簡単に示す目的で、一つのフィルター系だけしか図1に示されていないが、同じサージ容器22に接続した複数のフィルターがあると共に、同じ反応器内に多くの他のフィルターに接続された複数のサージ容器が存在することも好ましく、本発明の意図する範囲内にある。
【0016】
例えば、もし一つのフィルターだけを用いると、そのフィルターを清浄にするためには、系を完全に停止しなければならなくなるであろう。同じポンプ20及びサージ容器22に多くのフィルターを接続して用いることにより、ブロックバルブ25及び27を操作して、一つのサージ容器に接続された多くのフィルターに対し一つだけを清浄にすることができる。幾つかのポンプ20及びサージ容器22により使われる複数のフィルターを用いることにより、系を操作する人は一つ又はわずかな数のフィルターを清浄にし、大多数のフィルターを連続的生成物の流量を与えることができる正常な操作状態のままにして置くことができる。このことは、清浄化工程が反応器の定常状態に与える影響を最小にするであろう。
【0017】
更に、フィルター清浄化のため合成液体炭化水素を用いることにより、その清浄化工程で新しい物質が反応器中へ入ることは全くない。前に述べたように、組成変化も反応器を定常状態からそらすことになる。液体炭化水素を反応器中へ再び導入することにより、定常状態に対する影響が最小になる。従って、反応器の性能が、一つ以上のフィルターを清浄化する工程中障害を受けることはない。
【0018】
本発明の円筒状フィルターは、三つの主な部材を有する。図3を参照して、第一は、円筒状フィルター12が、反応器側金属円筒外側表面及び反応器側金属円筒内側表面を有する多孔質反応器側金属円筒32を有することである。第二に、生成物側金属円筒外側表面及び生成物側金属円筒内側表面を有する多孔質生成物側金属円筒30である。第三に、前記多孔質反応器側金属円筒内側表面と、前記多孔質生成物側金属円筒外側表面との間に位置するフィルター媒体34である。反応器側金属円筒の多孔度は、フィルター媒体の多孔度よりも実質的に大きく、生成物側金属円筒の多孔度は、反応器側金属円筒の多孔度よりも大きいのが好ましい。最後に図4に関し、フィルター12は、逆フラッシュ液体入口26及び液体合成炭化水素生成物出口13も有する。
【0019】
フィルター媒体は、約0.5〜約100μの濾過を与えることができるのがよく、約0.5〜約10μの濾過くらいに小さくすることもできる。生成物側金属円筒の多孔度は、フィルターの構造的一体性が維持されるように配列した約0.31cm(約1/8インチ)〜約2.54cm(約1インチ)の孔、好ましくは約0.64cm(約1/4インチ)〜約1.27cm(約1/2インチ)の孔を用いて達成されている。生成物側金属円筒の多孔度を出来るだけ大きくすることは本発明の意図する所に入るものであるが、一つの制約がある。その制約は、もし多孔度が余りにも大き過ぎると、生成物側金属円筒がその堅固な円筒状形態を維持することができなくなり、その構造的一体性を失うことになる事である。
【0020】
更に、生成物側金属円筒の多孔度は、反応器側金属円筒の多孔度よりも少なくとも5%大きいのがよい。このことは、一般に生成物側金属円筒の空隙体積(void space)が反応側金属円筒のものよりも少なくとも5%大きいことを意味している。生成物側金属円筒の多孔度が、反応器側金属円筒のそれよりも少なくとも5%大きくすべき理由は、フィルター清浄化工程のパルス付与効果(pulsing effect)を最大にすることにある。液体炭化水素が反応器側からフィルターを通って生成物側へ通常の操作中流れた時、触媒粒子が反応器側金属フィルターの外側に凝集する。清浄化工程中のパルス作用は、その清浄化工程中触媒を離脱させることにある。なぜなら、高圧流がフィルター内部から反応器中へ流れるため、即ち、生成物側金属円筒からフィルターを通り、最後に反応器側金属円筒を通って流れるためである。流体の流れでよく知られた現象を一般化するため、ベルヌーイ原理は、流体がパイプの中を流れた時、パイプの直径が減少すると、流体の速度が増大することを述べている。生成物側金属円筒を、反応器側金属円筒よりも一層多孔質にする目的は、その現象の効果を得るためである。反応器側金属円筒を通る速度が増大すると、本質的に液体炭化水素にノズル効果(nozzle effect)を与え、それがその円筒から触媒を除去して清浄にするのに大きく役立つ。
【0021】
フィルターの清浄化に役立つ別の手段には、生成物側金属円筒の開口にテーパーを付け、それらの開口の直径が生成物側金属円筒内側表面では、生成物側金属円筒外側表面の所よりも大きくなるようにすることが含まれる。このテーパー付けは、反応器側金属円筒の開口を恐らく閉塞していた触媒を全て液体炭化水素が押出すのを助けるのに役立つ。生成物側金属円筒の外壁の所の液体炭化水素の速度は、生成物側金属円筒の内壁の所の速度よりも大きくなり、触媒粒子を除去して清浄にするのに役立つ。図2を参照して、円筒状フィルターの断面を見ることができる。開口40は、生成物側金属円筒30の内壁42の所の大きな直径の開口38から、生成物側金属円筒30の外壁の小さな直径の開口37の方へテーパーが付いているように示されている。反応器側金属円筒32の外壁44の所の開口と、内壁の開口36及び37は、夫々実質的に同じ大きさでもよいが、外壁44の所の開口を、内側表面の所の開口よりも大きくすることができる。反応器側金属円筒32の外壁44の開口36は、生成物側金属円筒30の内壁42の開口38よりも小さい。
【0022】
上に開示したもののような合成炭化水素製造方法は多くの利点が存在する。第一は、その方法の生成物である合成液体炭化水素を逆洗浄材料として用いることにより、反応器の定常状態に対する影響を最小にすることができる。反応器側金属円筒よりも大きな開口を有する生成物側金属円筒は、フィルターを逆洗浄して凝集触媒をフィルターの外側から除去する一層大きな駆動力を与える。多くのフィルターを組合せて用いることにより、非常に短い逆洗浄サイクルを与えることができ、更に反応器系の定常状態に対する影響を少なくすることができる。最後に、恐らく工業的には最も重要なこととして、フィルターは製造費用が比較的安く、円筒の設計は、反応器再生操作中、フィルター媒体の交換をし易くすることができる。例えば、この新規な方法は、系に明確な効果を与えるのみならず、経済的節約も同様に与える。
【0023】
上に記載した方法を、どのような液体・固体混合物からでも液体を分離するのに適用することは、本発明の意図する範囲に入る。この種の方法は、液体・固体混合物中に配置した円筒状フィルターに液体を先ず通すことを含んでいる。フィルターは、外部金属円筒外側表面及び外部金属円筒内側表面を有する多孔質外部金属円筒;内部金属円筒外側表面及び内部金属円筒内側表面を有する多孔質内部金属円筒;及び前記多孔質外部金属円筒と、前記多孔質内部金属円筒との間に配置されたフィルター媒体;を有する。フィルターを通過した液体は、次にフィルター中の液体出口を通って取り出され、液体・固体混合物からフィルターを通って液体出口を出る連続的液体の流れを与える。
【0024】
外部金属円筒の多孔度は、フィルター媒体の多孔度よりも大きいのが好ましく、生成物側金属円筒の内側表面の多孔度は、反応器側金属円筒の外側表面の多孔度よりも大きい。フィルターは、正常な操作中、外部金属円筒の外側に蓄積した全ての固体を除去するのに用いられる逆フラッシュ液体入口も有する。
【0025】
正常な操作中、外部金属円筒の外側に蓄積した固体を全て除去するのに含まれる工程は、最初に、フィルターから取り出された液体の一部分をポンプにより液体出口を通ってサージ容器へ送り、高圧液体を生成させ、サージ容器中の高圧液体の圧力が、液体・固体混合物の圧力よりも著しく高くなるようにする。第二に、液体出口を通るフィルターからの液体の流れを停止すべきである。第三にサージ容器の出口の即開バルブを開き、高圧液体を逆フラッシュ液体入口を通ってフィルター中へ送り込むべきである。これにより高圧液体をフィルター内部から液体・固体混合物中へ流出させ、凝集固体粒子をフィルターの外側から全て離脱させる。凝集固体を取り除いた後、即開バルブを閉じ、フィルターから液体出口を通る液体の流れを再始動させることにより、液体・固体混合物からフィルターを通って液体出口から出る連続的液体の流れを再び継続すべきである。一つ以上のフィルター部材が、一つ以上のサージ容器と組合せて液体/固体混合物中に存在していてもよい。
【0026】
開口は全くテーパーを付ける必要はないが、外部金属円筒の多孔度を複数のテーパー付き開口を用いて達成し、それら開口の直径が外部金属円筒内側表面の所よりも外部金属円筒外側表面の所で大きいのが好ましい。このことは開口中で固体が留まるのを防ぐのに役立つ。内部金属円筒の多孔度を複数のテーパー付き開口で達成し、それら開口の直径が、内部金属円筒外側表面の所よりも内部金属円筒内側表面の所で大きくなるようにするのがまた好ましい。
【0027】
本発明の別の態様は、前の態様で記述したようなフィルターを製造する方法にある。その工程は、多孔質外部金属円筒を加熱拡張すること、多孔質内部金属円筒を冷却収縮すること、前記拡張した多孔質外部金属円筒の中に円筒状フィルター媒体を挿入すること、及び前記収縮した多孔質内部金属円筒をその円筒状フィルター媒体中に入れることを含む。上記工程を行なった後、それら三つの部品の組合せ物を中間的温度へ持って行き、前記加熱拡張した多孔質外部金属円筒を冷却し、前記冷却収縮した多孔質内部金属円筒を加熱するように持って行くのがよい。これにより多孔質外部金属円筒と、円筒状フィルター媒体との間の気密な封着のみならず、円筒状フィルター媒体と、多孔質内部金属円筒との間の気密な封着を与えることができる。この方法では、外部金属円筒の多孔度と、内部金属円筒の多孔度は、フィルター媒体の多孔度よりも大きいのが好ましい。
【0028】
本発明の最後の態様は、前の態様で例示したように用いるか又は作られるフィルター装置にある。フィルターの主要な部品は、外部金属円筒外側表面及び外部金属円筒内側表面を有する多孔質外部金属円筒;内部金属円筒外側表面及び内部金属円筒内側表面を有する多孔質内部金属円筒;及び前記多孔質外部金属円筒と、前記多孔質内部金属円筒との間に位置するフィルター媒体;である。外部金属円筒の多孔度及び内部金属円筒の多孔度は、フィルター媒体の多孔度よりも大きいのが好ましい。外部金属円筒の多孔度と内部金属円筒の多孔度は、フィルターの構造的一体性を維持しながら、フィルター媒体を通る流れを最大にすることができるように充分大きくなっているのがよい。
【0029】
フィルターの別の好ましい態様は、外部金属円筒の多孔度が複数のテーパー付き開口により達成されていることである。これらの開口テーパーは、それら開口の直径が、外部金属円筒内側表面の所よりも外部金属円筒外側表面の所で大きくなっているようにするが、開口は全くテーパーが付いていなくてもよい。これは、固体が開口中に留まるのを防ぐのに役立つであろう。内部金属円筒も、同様なテーパー付き開口を持つのが好ましく、それら開口の直径は、内部金属円筒外側表面の所よりも、内部金属円筒内側表面の所で大きくなっているようにする。内部金属円筒外側表面開口は、外部金属円筒内側表面開口と同じ直径を持っているのが好ましい。
【0030】
本発明の構造及び方法を好ましい態様に関連して記述してきたが、本発明の概念及び範囲から離れることなく、ここに記載したものに種々の変更を適用できることは当業者に明らかであろう。当業者に明らかなそのような同様な置き換え及び修正は、次の特許請求の範囲に記載されているような本発明の範囲及び概念内に入るものと見做される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1は、本発明の好ましい態様を例示する図である。
【図2】図2は、多孔質生成物側金属円筒と反応器側金属円筒の多孔度を図解的に示す図である。
【図3】図3は、多孔質生成物側金属円筒、多孔質反応器側金属円筒と、フィルター媒体との間の関係を示す図である。
【図4】図4は、本発明で用いられる円筒状フィルターの図である。
【出願人】 【識別番号】502412972
【氏名又は名称】テキサコ ディベラップメント コーポレイション
【出願日】 平成19年7月30日(2007.7.30)
【代理人】 【識別番号】100066692
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 皓

【識別番号】100072040
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 肇

【識別番号】100117569
【弁理士】
【氏名又は名称】亀岡 幹生

【識別番号】100107504
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 克則


【公開番号】 特開2008−1909(P2008−1909A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2007−197297(P2007−197297)