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【発明の名称】 スポンジブラスト媒体の再生方法及びその装置
【発明者】 【氏名】清水 徳雄
【氏名】矢野 哲憲
【課題】本発明は、サイズが半減したスポンジブラスト媒体を、略新品の状態に再生するためのスポンジブラスト媒体の再生方法及びその装置を提供する。

【解決手段】再使用不能なサイズのスポンジブラスト媒体12Aを容器14に投入する。この後、駆動制御部34によって回転機構26、及び昇降機構28を制御し、攪拌翼24、24を回転させるとともに昇降移動させる。そして、この攪拌翼24、24の動作中に中空回転軸20の上端開口端20Aからバインダ16及び/又は研削材30をバインダ添加用チューブ74、研削材供給用チューブ86を介して所定量添加/供給する。この後、攪拌翼24、24を所定時間駆動させると、バインダ16の結合作用によって小サイズのスポンジブラスト媒体12A、12A…同士が結合されていく。この後、略新品のスポンジブラスト媒体12Bのサイズに再生された時点で攪拌翼24、24の駆動を停止する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定サイズよりも小さいサイズのスポンジブラスト媒体を容器に投入するとともに該スポンジブラスト媒体に、ポリウレタン水性エマルジョン製のバインダを所定量添加して攪拌することにより、前記所定サイズのスポンジブラスト媒体に再生することを特徴とするスポンジブラスト媒体の再生方法。
【請求項2】
前記バインダの添加量は、再生前の前記スポンジブラスト媒体の質量に対し、1〜10%(w/w)であることを特徴とする請求項1に記載のスポンジブラスト媒体の再生方法。
【請求項3】
前記攪拌する攪拌翼は、回転しながら前記容器内で上昇、下降移動し、前記バインダの添加量は、前記攪拌翼が前記容器内で下降する時は多く、上昇する時は少なくなるように添加されることを特徴とする請求項1又は2に記載のスポンジブラスト媒体の再生方法。
【請求項4】
前記攪拌翼は、前記容器内で下降する時は回転数が小さくなり、上昇する時は回転数が大きくなることを特徴とする請求項1、2又は3のうちいずれか一つに記載のスポンジブラスト媒体の再生方法。
【請求項5】
所定サイズよりも小さいサイズのスポンジブラスト媒体が投入される容器と、
前記容器内に挿入配置される中空回転軸と、
前記中空回転軸に取り付けられるとともに中空回転軸の中空部に連通した供給孔が形成された攪拌翼と、
前記中空回転軸を回転させることにより前記攪拌翼を前記容器内で回転させる回転機構と、
前記回転機構、前記攪拌翼、及び前記中空回転軸を一体的に昇降させる昇降機構と、
前記中空回転軸の上端開口端からポリウレタン水性エマルジョン製のバインダ及び/又は前記スポンジブラスト媒体の研削材を添加/供給する供給機構と、
前記回転機構、及び昇降機構を駆動制御する駆動制御手段と、
前記供給機構による前記バインダ及び/又は前記研削材の添加量/供給量を制御する供給量制御手段と、
を備えたことを特徴とするスポンジブラスト媒体の再生装置。
【請求項6】
前記供給機構による前記バインダの添加量は、前記容器内に投入された前記スポンジブラスト媒体の質量の1〜10%(w/w)に設定されていることを特徴とする請求項5に記載のスポンジブラスト媒体の再生装置。
【請求項7】
前記駆動制御手段は、前記攪拌翼が回転しながら前記容器内で上昇、下降移動するように前記昇降機構を駆動制御するとともに、前記供給量制御手段は、前記攪拌翼が前記容器内で下降する時にはバインダ添加量を多く、上昇する時にはバインダ添加量が少なくなるように前記添加量を制御することを特徴とする請求項5又は6に記載のスポンジブラスト媒体の再生装置。
【請求項8】
前記駆動制御手段は、前記攪拌翼が前記容器内で下降する時は回転数が小さく、上昇する時は回転数が大きくなるように前記回転機構を制御することを特徴とする請求項5、6又は7のうちいずれか一つに記載のスポンジブラスト媒体の再生装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明はスポンジブラスト媒体の再生方法及びその装置に係り、特に研削材がスポンジ片に固着されたスポンジブラスト媒体であって、再使用不能となったスポンジブラスト媒体の再生方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
塗装壁面を再塗装する際にその事前工事として、壁面の塗膜を研削し、塗装面を粗面化して素地調整するブラスト作業が行われる。この際に使用されるブラスト媒体は、特許文献1の如くサンド、スチールが一般的であったが、最近では、特許文献2の如く研削材を多孔質弾性体(発泡ポリウレタンペレット)内に固着したスポンジ片状のブラスト媒体を使用した工法、いわゆるスポンジブラスト工法が作業環境改善の観点から注目されてきている。
【0003】
このスポンジブラスト工法によれば、ノズルから高速エアで噴射したスポンジブラスト媒体が塗装面に衝突するとブラスト媒体が偏平になり、混入した研削材が塗装面に直接高速で衝突するので、サンド、スチールブラスト工法と同様に、塗膜を研削し除去することができる。また、発生した粉塵がスポンジ片に取り込まれるので、作業環境が改善するという利点がある。
【0004】
一方、本願出願人は特許文献3において、スポンジブラスト媒体の使用寿命を判断する手法について提案している。この使用寿命判断方法は、スポンジブラスト噴射装置の運転中において、研削加工に供したスポンジブラスト媒体の一部を粒径測定機に回収し、この粒径測定機によってスポンジブラスト媒体中の研削材の粒径を測定し、粒径分布を作成する。そして、複数回使用後の粒径分布のピーク値が使用限界径よりも小径となった際に、そのロッドのスポンジブラスト媒体を再使用不能と判断するものである。
【特許文献1】特開2005−314732号公報
【特許文献2】特開2006−247770号公報
【特許文献3】特開2006−224260号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、スポンジブラスト噴射装置によって一度噴射されたスポンジブラスト媒体は、一部が破損し、粉状のダストが生じる。元(新品)のスポンジブラスト媒体は、その直径が約7〜8mmのサイズである。ブラスト作業を繰り返して複数回実施すると、スポンジブラスト媒体のサイズが徐々に小さくなり、かつ、スポンジ片に固着したアルミナ等の研削材がスポンジ片から剥がれていく。スポンジブラスト媒体のサイズや研削材の個数が半減すると、それ以降はブラスト機能が大幅に低下するため再使用不能になる。すなわち、このようなスポンジブラスト媒体では、ブラスト作業を継続しても肝心の加工対象面の凹凸の規定値を得ることができない。
【0006】
スポンジブラスト媒体は高価なものなので、前記半減したサイズのスポンジブラスト媒体をそのまま廃棄することは経済的ではない。このため、半減したサイズのスポンジブラスト媒体を再生することにより再使用することが望まれていた。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、サイズが半減したスポンジブラスト媒体を、略新品の状態に再生するためのスポンジブラスト媒体の再生方法及びその装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の方法発明は、前記目的を達成するために、所定サイズよりも小さいサイズのスポンジブラスト媒体を容器に投入するとともに該スポンジブラスト媒体に、ポリウレタン水性エマルジョン製のバインダを所定量添加して攪拌することにより、前記所定サイズのスポンジブラスト媒体に再生することを特徴としている。
【0009】
請求項5に記載の装置発明は、前記目的を達成するために、所定サイズよりも小さいサイズのスポンジブラスト媒体が投入される容器と、前記容器内に挿入配置される中空回転軸と、前記中空回転軸に取り付けられるとともに中空回転軸の中空部に連通した供給孔が形成された攪拌翼と、前記中空回転軸を回転させることにより前記攪拌翼を前記容器内で回転させる回転機構と、前記回転機構、前記攪拌翼、及び前記中空回転軸を一体的に昇降させる昇降機構と、前記中空回転軸の上端開口端からポリウレタン水性エマルジョン製のバインダ及び/又は前記スポンジブラスト媒体の研削材を添加/供給する供給機構と、前記回転機構、及び昇降機構を駆動制御する駆動制御手段と、前記供給機構による前記バインダ及び/又は前記研削材の添加量/供給量を制御する供給量制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0010】
請求項1、5に記載の発明によれば、再使用不能なサイズ(所定サイズよりも小さいサイズ)のスポンジブラスト媒体を容器に投入する。この投入量(質量)は予め測定されている。この後、駆動制御手段によって回転機構、及び昇降機構を制御し、攪拌翼を回転させるとともに昇降移動させる。そして、この攪拌翼の動作中に、供給量制御手段が供給機構を制御し、中空回転軸の上端開口端からバインダ及び/又はスポンジブラスト媒体の研削材を所定量添加/供給する。これにより、バインダ及び/又は研削材は、攪拌翼の供給孔からスポンジブラスト媒体に添加/供給される。この後、攪拌翼を所定時間駆動させると、バインダの結合作用によって小サイズのスポンジブラスト媒体同士が結合されていき、略新品の大きさのスポンジブラスト媒体に再生された時点で攪拌翼の駆動を停止する。これにより、本発明によれば、サイズが半減したスポンジブラスト媒体を略新品の状態に再生することができる。
【0011】
請求項5では研削材の供給に関して規定している。この場合、研削材の供給量もバインダの添加量と同様に、容器に投入されるスポンジブラスト媒体の質量に基づき規定されており、再生されたスポンジブラスト媒体に含有する研削材の個数が、略新品のスポンジブラスト媒体と略同一になるように設定されている。これは、サイズが半減したスポンジ片と同様に、研削材の個数も半減しているため、投入されるスポンジブラスト媒体の質量から研削材の供給量を容易に算出することができる。
【0012】
前記バインダとは、一定条件下で製造されたMSDS仕様に基づく結合剤であり、トロ味のあるアルカリ性のポリウレタン水性エマルジョン(発泡ウレタンゴム結合剤)であって、ポリウレタン樹脂を25〜40%含有し、比重は約1.1である。
【0013】
請求項2に記載の方法発明は、請求項1において、前記バインダの添加量は、再生前の前記スポンジブラスト媒体の質量に対し、1〜10%(w/w)であることを特徴としている。
【0014】
請求項6に記載の装置発明は、請求項5において、前記供給機構による前記バインダの添加量は、前記容器内に投入された前記スポンジブラスト媒体の質量の1〜10%(w/w)に設定されていることを特徴としている。
【0015】
請求項2、6に記載の発明によれば、バインダ添加量は、容器内に投入された再生前のスポンジブラスト媒体(スポンジ片+研削材)の質量の1〜10%(w/w)とすることが好ましい。
【0016】
新品のスポンジブラスト媒体のスポンジ片の硬度(HsC)は10〜30程度であり、この硬度を有するスポンジブラスト媒体が初期のブラスト性能を発揮する。すなわち、再使用不能となったスポンジブラスト媒体のスポンジ片の硬度を、上記硬度まで上げることが、スポンジブラスト媒体の再生の目安となる。なお、スポンジ片の硬度(HsC)は、JIS K7312に規定する「ポリウレタンエラストマー形成物の物理特性試験方法」に準拠した硬度である。この試験方法には、硬度測定対象物に応じてA〜Dの4タイプがあるが、スポンジの場合はCタイプである。
【0017】
ところで、スポンジ片の硬度は、スポンジブラスト媒体の質量に対するバインダ質量の割合(%)と比例関係があり、バインダ質量が大きくなるに従って、すなわち、バインダの添加量が増えるに従ってスポンジ片の硬度が大きくなる傾向にある。この傾向に基づき、バインダ質量がスポンジブラスト媒体の質量の10%(w/w)を超えると、新品のスポンジブラスト媒体のスポンジ片の硬さを超えてしまう。スポンジ片の硬さとブラスト面を拭うスポンジ片の粘着性とは反比例の関係にあるため、スポンジ片が硬くなり過ぎると前記粘着性が低下し、ブラスト時にスポンジ片がダストを吸い難くなるので好ましくない。一方で、バインダ質量が1%(w/w)未満であると、結合力を充分に得られないため、崩れたスポンジ片が元のサイズの大きさに戻らず、機能を満足に果たせない。よって、バインダ添加量は、容器内に投入された再生前のスポンジブラスト媒体の質量の1〜10%(w/w)が好ましい。
【0018】
なお、バインダを添加して再生されたスポンジブラスト媒体の再生品を、ほぐし機及び篩機にかけ、再生品が新品サイズである約7〜8mmのものが90%以上あれば再生完了とすることもできる。
【0019】
また、バインダ添加量が、前記10%(w/w)を超えると再生サイズが新品サイズよりも大きくなり過ぎて、噴射機内でスポンジブラスト媒体にブリッジが発生するという実績がある。このような観点から見てもバインダ添加量は、スポンジブラスト媒体の質量の1〜10%(w/w)が好ましい。
【0020】
バインダの添加に関しては、添加量を予め流量計によって計測しておき、添加オーバーを防止するために自動ストップ機能を再生装置に持たせることが好ましい。
【0021】
一方、スポンジブラスト媒体の再生装置においては、ビーカー内攪拌とは異なり、所定の重量(例えば約10kg程度)のスポンジブラスト媒体にバインダを添加して攪拌するため、次の問題が生じる。すなわち、均等に攪拌し難い。また、攪拌に際し、攪拌翼に大きな負荷が作用すると、肝心のスポンジブラスト媒体が破砕される。そこで、このような不具合を解消すべく、その解消手段が以下の従属項に記載されている。
【0022】
請求項3に記載の方法発明は、請求項1、2において、前記攪拌する攪拌翼は、回転しながら前記容器内で上昇、下降移動し、前記バインダの添加量は、前記攪拌翼が前記容器内で下降する時は多く、上昇する時は少なくなるように添加されることを特徴としている。
【0023】
請求項7に記載の装置発明は、請求項5、6において、前記駆動制御手段は、前記攪拌翼が回転しながら前記容器内で上昇、下降移動するように前記昇降機構を駆動制御するとともに、前記供給量制御手段は、前記攪拌翼が前記容器内で下降する時にはバインダ添加量を多く、上昇する時にはバインダ添加量が少なくなるように前記添加量を制御することを特徴としている。
【0024】
請求項3、7に記載の発明によれば、攪拌翼を回転させながら容器内で低速で上昇、下降移動させることが好ましい。例えば、2往復の上昇、下降動作中にバインダが全量添加されるように予め設定し、その後も回転させて7〜8回上昇、下降往復させることにより、容器に投入されたスポンジブラスト媒体に対してバインダが略均等に添加される。また、攪拌翼の下降時にはバインダ添加量を多く、上昇時にはバインダ添加量が少なくなるように、攪拌翼の上昇、下降位置に応じて添加量を制御することが好ましい。これにより、容器に投入されたスポンジブラスト媒体に対してバインダがより均等に添加される。
【0025】
請求項4に記載の方法発明は、請求項1、2、3において、前記攪拌翼は、前記容器内で下降する時は回転数が小さく、上昇する時は回転数が大きくなることを特徴としている。
【0026】
請求項8に記載の装置発明は、請求項5、6、7において、前記駆動制御手段は、前記攪拌翼が前記容器内で下降する時は回転数が小さく、上昇する時は回転数が大きくなるように前記回転機構を制御することを特徴としている。
【0027】
請求項4、8に記載の発明によれば、攪拌翼の下降時に攪拌翼の回転数を小さく、上昇時に回転数を大きくすることが好ましい。これにより、スポンジブラスト媒体に必要以上の負荷がかかることによる、スポンジブラスト媒体の破砕を防止できる。
【0028】
なお、研削材がスポンジから剥がれたスポンジブラスト媒体を再生する場合には、研削材のみ上部から別管にて供給することもできる。
【0029】
また、スポンジブラスト媒体の再生装置の他の例として、内壁面に螺旋状の攪拌翼が設けられドラム内にスポンジブラスト媒体を投入し、ドラムを回転させながら、供給管からバインダ及び/又は研削材を投入し、スポンジブラスト媒体を再生するようにしてもよい。再生後、ドラムを傾倒させれば、再生されたスポンジブラスト媒体をドラムから排出することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係るスポンジブラスト媒体の再生方法及びその装置によれば、所定サイズよりも小さいサイズのスポンジブラスト媒体を容器に投入し、このスポンジブラスト媒体にポリウレタン水性エマルジョン製のバインダを所定量添加して攪拌翼により攪拌したので、前記所定サイズのスポンジブラスト媒体を再生できる。これにより、サイズが半減したスポンジブラスト媒体を略新品の状態に再生することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下添付図面に従って、本発明に係るスポンジブラスト媒体の再生方法及びその装置の好ましい実施の形態について詳説する。
【0032】
図1は、実施の形態のスポンジブラスト媒体の再生方法の概念図、図2は、スポンジブラスト媒体を再生する再生装置10の側面図である。
【0033】
まず、図1に示した再生方法の概念図について説明すると、新品のスポンジブラスト媒体(新品メディア(発泡ウレタンパレット))12は、その直径が約7〜8mmであるが、このスポンジブラスト媒体12をブラスト作業に複数回繰り返して使用すると、その直径が約3〜4mmと半減し機能的に再使用不能となる。この再使用不能な半減サイズのスポンジブラスト媒体12Aを容器14に投入し、バインダ16を所定量添加して攪拌手段18により攪拌することにより、略新品サイズのスポンジブラスト媒体12Bに再生するものである。スポンジブラスト媒体12は、アルミナ、スチール、サンド等の粒状研削材を多孔質弾性体(発泡ポリウレタンペレット)内に多数固着したメディアである。また、バインダ16とは、一定条件下で製造されたMSDS(Material Safety Data Sheet)仕様に基づく結合剤であり、トロ味のあるアルカリ性のポリウレタン水性エマルジョン(発泡ウレタンゴム結合剤)であって、ポリウレタン樹脂を25〜40%含有し、比重は約1.1である。このバインダ16を添加することにより、約半減したスポンジブラスト媒体12A、12A…が結合され、略新品サイズのスポンジブラスト媒体12Bに再生される。
【0034】
次に、図2に示した再生装置10について図3の斜視図、及び図4の要部構造図を参照しながら説明する。
【0035】
これらの図に示す再生装置10は、スポンジブラスト媒体12Aが投入される円筒型の容器14、容器14の中心軸14Aに沿って挿入配置される中空回転軸20、中空回転軸20の下端部に取り付けられるとともに中空回転軸20の中空部に連通した供給孔22、22…が形成された攪拌翼24、24(一方の攪拌翼24には供給孔は不図示)、中空回転軸20を回転させることにより攪拌翼24、24を容器14内で回転させる回転機構26、回転機構26と攪拌翼24、24と中空回転軸20とを一体的に昇降させる昇降機構28、中空回転軸20の上端開口端20Aからバインダ16及び/又はスポンジブラスト媒体12の研削材30を添加/供給する供給機構32、回転機構26と昇降機構28とを駆動制御する駆動制御部34、供給機構32よるバインダ16及び/又は研削材30の添加量/供給量を制御する供給量制御部36から構成されている。
【0036】
容器14は、図2に示すように基台38に金具40によって着脱自在に取り付けられている。また、この基台38には、容器14を挟んで両側に2台の昇降機構28、28が立設されている。
【0037】
各々の昇降機構28は送りねじ装置によって構成され、サーボモータ42、ねじ棒44(図4参照)、ロッド46、及びガイド筒48から構成される。ねじ棒44は、サーボモータ42の出力軸に連結されており、サーボモータ42の動力によって鉛直軸を中心に回転駆動される。また、ロッド46は円筒状に構成され、このロッド46の内周面に螺刻されたねじ部(不図示)に、ねじ棒44が図4の如く螺合されている。更に、ロッド46はサーボモータ42のケーシング50に立設されたガイド筒48に上下方向に直動可能に支持されている。したがって、サーボモータ42によってねじ棒44が正転/逆転駆動されると、ロッド46がねじ棒44の送り作用によって昇降される。ロッド46の昇降量は、サーボモータ42をフィードバック制御する駆動制御部34によって制御され、この駆動制御部34は2台のサーボモータ42、42を協働制御している。よって、2本のロッド46、46は同時に同方向に同速度で同量だけ昇降移動される。なお、昇降機構28は、ロッド46の昇降移動量を制御できるものであれば、エアシリンダ、油圧シリンダ等の他の直動式送り機構であってもよい。
【0038】
図2に示すように、各ロッド46、46の上端部には、1本の梁52が水平方向に掛け渡されて固定され、この梁52の中央部には図4の如く開口部52Aが形成される。開口部52Aには中空回転軸20が挿通され、中空回転軸20は、開口部52Aにおいて軸受54によりラジアル方向の荷重が支持されるとともに、軸受56によりスラスト方向の荷重が支持されて回転自在に配置されている。また、梁52の下方には図2の如く、L字状の支柱58が立設され、この支柱58の上端部に設けられた図4の滑り軸受60に中空回転軸20の中途部分が回転自在に支持されている。この二点の回転支持構造によって中空回転軸20は、傾くことなく容器14の中心軸14Aを中心に回転される。
【0039】
回転機構26は、梁52の開口部52Aに近接配置されており、駆動制御部34によって回転速度が制御されるサーボモータ62を主たる構成としている。このサーボモータ62は梁52に固定され。その出力軸63に固定されたギヤ64に、中空回転軸20に固定されたギヤ66が噛合されている。したがって、サーボモータ62が駆動されると、その駆動力はギヤ64からギヤ66を介して中空回転軸20に伝達され、中空回転軸20が回転される。これによって、攪拌翼24、24が容器14内で回転される。また、攪拌翼24、24の回転方向は、供給孔22、22…にスポンジブラスト媒体12Aが入り込まないように、供給孔22、22…の形成面を背面とした方向に設定される。なお、攪拌翼24の傾斜角度は任意であるが、攪拌翼24の回転動作中に攪拌翼24の背面とスポンジブラスト媒体12Aとの間に、バインダ16や研削材30を添加/供給するための隙間が生じる角度に設定されている。
【0040】
バインダ16及び/又は研削材30を添加/供給する供給機構32は、バインダ16が溜められた容器68、バインダ16の流量に基づきバインダ16の添加量(質量)を計測する流量計70、電磁バルブ72、バインダ添加用チューブ74、研削材30が貯められたホッパ76、電磁バルブ78、研削材30が一時貯留されるバッファ容器80、バッファ容器80に貯められた研削材30の質量を計測する質量センサ82、電磁バルブ84、及び研削材供給用チューブ86から構成されている。また、バインダ添加用チューブ74、及び研削材供給用チューブ86は、中空回転軸20に対してフリーな状態で中空回転軸20の下端部まで挿入されている。
【0041】
かかる供給機構32によれば、電磁バルブ72が開放されると、容器68内のバインダ16がバインダ添加用チューブ74を介して中空回転軸20に供給され、これによって、バインダ16が攪拌翼24の供給孔22、22…から容器14内に添加される。バインダ16の添加量は流量計70によって計測されており、その情報は供給量制御部36に出力されている。
【0042】
また、電磁バルブ78が開放されると、ホッパ76内の研削材30がバッファ容器80に貯留されていき、規定の質量分だけ貯められると電磁バルブ78が閉鎖されるとともに電磁バルブ84が開放される。これによって、研削材30が研削材供給用チューブ86を介して中空回転軸20に供給され、攪拌翼24の供給孔22、22…から容器14内に供給される。バッファ容器80に貯留される研削材30の質量は質量センサ82によって計測されており、その情報は供給量制御部36に出力されている。なお、電磁バルブ84は、バッファ容器80内の研削材30が空になったタイミングで閉鎖するように供給量制御部36によって制御されている。また、研削材30を別の管を用いて供給するようにしてもよい。更に、バインダ16の時間当たり添加量は、バインダ16が供給孔22に詰まらないような添加量となるように、不図示の流量制限絞りによって設定されている。
【0043】
供給量制御部36は、予め入力された、容器14に投入されるスポンジブラスト媒体12Aの質量に基づき、電磁バルブ72及び/又は電磁バルブ78、電磁バルブ84の開閉を制御する。すなわち、容器14に投入されたスポンジブラスト媒体12Aの質量が他の入力手段から入力されると、供給量制御部36は、バインダ16の添加量(質量)を算出する。そして、電磁バルブ72を開放するとともに、その際に添加されるバインダ16の添加量(質量)を、流量センサ70からの情報に基づき演算し、そして、算出した添加量(質量)に到達した時点で電磁バルブ72を閉鎖する。これにより、スポンジブラスト媒体12Aの質量に応じた量のバインダ16がスポンジブラスト媒体12Aに添加される。
【0044】
同様に供給量制御部36は、容器14に投入されたスポンジブラスト媒体12Aの質量に基づき、研削材30の供給量(質量)を算出する。そして、電磁バルブ78を開放するとともに、その際にバッファ容器80に貯留される研削材30の供給量(質量)を、質量センサ82からの情報に基づき演算する。そして、算出した供給量(質量)に到達した時点で電磁バルブ78を閉鎖するとともに、電磁バルブ84を開放する。これにより、スポンジブラスト媒体12Aの質量に応じた量の研削材30がスポンジブラスト媒体12Aに供給される。
【0045】
次に、前記の如く構成された再生装置10の作用について説明する。
【0046】
まず、再使用不能なサイズのスポンジブラスト媒体12Aを容器14に投入する。この投入量(質量:例えば20kg)は予め測定されている。この後、駆動制御部34によって回転機構26、及び昇降機構28を制御し、攪拌翼24、24を回転させるとともに昇降移動させる。そして、この攪拌翼24、24の動作中に、供給量制御部36が供給機構32を制御し、中空回転軸20の上端開口端20Aからバインダ16及び/又は研削材30をバインダ添加用チューブ74、研削材供給用チューブ86を介して所定量添加/供給する。これにより、バインダ16及び/又は研削材30は、攪拌翼24、24の供給孔22、22…からスポンジブラスト媒体12Aに添加/供給される。この後、攪拌翼24、24を所定時間駆動させると、バインダ16の結合作用によって小サイズのスポンジブラスト媒体12A、12A…同士が結合されていき、略新品のスポンジブラスト媒体12Bのサイズに再生された時点で攪拌翼24、24の駆動を停止する。これにより、実施の形態の再生装置10によれば、サイズが半減したスポンジブラスト媒体12Aを略新品のサイズに再生することができる。
【0047】
再生完了したスポンジブラスト媒体12Bは、容器14の上部開口部から回収することもできるが、図2、図3に示すように、容器14の底蓋15を取り外し、基台38の、容器14の直下に形成された取出口38Aから容器14の外部に取り出すことができる。
【0048】
また、研削材30を同時に供給することもできる。この場合、研削材30の供給量もバインダ16の添加量と同様に、容器14に投入されるスポンジブラスト媒体12Aの質量に基づき設定されており、再生されたスポンジブラスト媒体12Bに含有する研削材30の個数が、略新品のスポンジブラスト媒体12と略同一になるように設定されている。これは、サイズが半減したスポンジ片と同様に、研削材30の個数も半減しているため、投入されるスポンジブラスト媒体12Aの質量から研削材30の供給量を容易に算出することができる。
【0049】
バインダ16の添加量は、再生前のスポンジブラスト媒体12Aの質量に対し、1〜10%(w/w)であることが好ましい。
【0050】
新品のスポンジブラスト媒体12Aのスポンジ片の硬度(HsC)は10〜30程度であり、この硬度を有するスポンジブラスト媒体が初期のブラスト性能を発揮する。すなわち、再使用不能となったスポンジブラスト媒体12Aのスポンジ片の硬度を、上記硬度まで上げることが、スポンジブラスト媒体の再生の目安となる。なお、スポンジ片の硬度(HsC)は、JIS K7312に規定する「ポリウレタンエラストマー形成物の物理特性試験方法」に準拠した硬度である。この試験方法には、硬度測定対象物に応じてA〜Dの4タイプがあるが、スポンジの場合はCタイプである。
【0051】
ところで、図5のグラフに示すように、スポンジ片の硬度(HsC)は、スポンジブラスト媒体12Aの質量に対するバインダ質量の割合(%)と比例関係があり、バインダ質量が大きくなるに従って、すなわち、バインダの添加量が増えるに従ってスポンジ片の硬度が大きくなる傾向にある。この傾向に基づき、バインダ質量がスポンジブラスト媒体12Aの質量の10%(w/w)を超えると、新品のスポンジブラスト媒体12のスポンジ片の硬さを超えてしまう。スポンジ片の硬さとブラスト面を拭うスポンジ片の粘着性とは反比例の関係にあるため、スポンジ片が硬くなり過ぎると前記粘着性が低下し、ブラスト時にスポンジ片がダストを吸い難くなるので好ましくない。一方で、バインダ質量が1%(w/w)未満であると、結合力を充分に得られないため、崩れたスポンジ片が元のサイズの大きさに戻らず、機能を満足に果たせない。よって、バインダ質量(添加量)は、容器14に投入された再生前のスポンジブラスト媒体12Aの質量の1〜10%(w/w)が好ましい。
【0052】
なお、バインダ16を規定量添加して再生されたスポンジブラスト媒体12Bを、ほぐし機及び篩機にかけ、再生品が新品サイズである約7〜8mmのものが90%以上あれば再生完了とすることもできる。
【0053】
また、バインダ質量が、10%(w/w)を超えると再生サイズが新品サイズよりも大きくなり過ぎて、噴射機内でスポンジブラスト媒体にブリッジが発生するという実績がある。このような観点から見てもバインダ質量(添加量)は、スポンジブラスト媒体12Aの質量の1〜10%(w/w)が好ましい。
【0054】
一方、再生装置10においては、ビーカー内攪拌とは異なり、所定の重量(例えば約10kg程度)のスポンジブラスト媒体12Aにバインダ16を添加して攪拌するため、次の問題が生じる。すなわち、均等に攪拌し難い。また、攪拌に際し、攪拌翼24に大きな負荷が作用すると、肝心のスポンジブラスト媒体が破砕される。そこで、このような不具合を解消すべく、以下にその解消手段を記載する。
【0055】
すなわち、駆動制御部34は、攪拌翼24、24が回転しながら容器14内で上昇、下降移動するように昇降機構28を駆動制御するとともに、供給量制御部36は、攪拌翼24、24が容器14内で下降するに従いバインダ添加量を多く、上昇するに従いバインダ添加量が少なくなるようにバインダ16の添加量を制御することが好ましい。例えば、攪拌翼24、24を容器14の底部に位置させた状態で再生前のスポンジブラスト媒体12Aを容器14に投入し、この後、攪拌翼24、24を回転させながら、2往復の上昇、下降動作中にバインダ16が全量添加されるように予め設定し、その後も回転させて7〜8回上昇、下降往復させる。これにより、容器14に投入されたスポンジブラスト媒体12Aに対してバインダ16が略均等に添加される。また、攪拌翼24、24が下降するに従いバインダ添加量を多く、上昇するに従いバインダ添加量が少なくなるように、攪拌翼24、24の上昇、下降位置に比例して添加量を制御することにより、容器14に投入されたスポンジブラスト媒体12Aに対してバインダ16をより均等に添加することができる。
【0056】
更に、駆動制御部34は、例えば30rpmの範囲内で攪拌翼24、24が容器14内で下降するに従い回転数が小さく、上昇するに従い回転数が大きくなるように回転機構26を制御することが好ましい。これにより、スポンジブラスト媒体12Aに必要以上の負荷がかかることによる、スポンジブラスト媒体12Aの破砕を防止できる。駆動制御部34は、攪拌翼回転時のサーボモータ62の電流を計測し、ほぼ一定電流で運転すべく、回転数を自動制御する。
【0057】
図6は、スポンジブラスト媒体の再生装置90の他の実施の形態を示した構造図である。
【0058】
同図に示す再生装置90は、内壁面に螺旋状の攪拌翼92が設けられドラム94内にスポンジブラスト媒体12Aを投入し、ドラム94をモータ96で回転させながら、供給管98からバインダ16及び/又は研削材30を投入し、スポンジブラスト媒体を再生する装置である。
【0059】
ドラム94の閉塞端94Aには、ドラム94の軸芯95に沿って軸100が突設され、この軸100が、チルト台102に設置された軸受104に回転自在に支持されている。また、ドラム94の開口端94Bの近傍の外周部には、リング状のフランジ106が固着されており、このフランジ106にローラ108が押圧当接されている。ローラ108は、チルト台102に設置されたモータ96の出力軸97に固定されている。したがって、モータ96が駆動されると、その動力がローラ108からフランジ106を介してドラム94に伝達されるので、ドラム94が図6の如く所定角度傾斜した状態で、ドラム94の軸芯95を中心に回転される。これにより、ドラム94内に投入されたスポンジブラスト媒体12A全体が、回転する攪拌翼92によって効率よく攪拌される。
【0060】
供給管98は、ドラム94の開口端94Bからドラム94の軸芯95に沿ってドラム94内に出し入れ自在に構成されており、バインダ16及び/又は研削材30の投入時には図6の如くドラム94内に挿入され、投入が終了するとドラム94の外部に取り出される。供給管98の前記出し入れ動作は、駆動機構を用いて自動で実行させてもよいが、手動でも可能である。また、もちろんであるが、バインダ16及び/又は研削材30の添加/供給量は、ドラム94に投入されるスポンジブラスト媒体12Aの質量に基づいている。
【0061】
チルト台102の前端(図6上で右端)は、ヒンジ軸110を介して基台112に揺動自在に支持されるとともに、後端(図6上で左端)は、油圧シリンダ114のロッド116にヒンジ軸118を介して揺動自在に支持されている。また、この油圧シリンダ114は、ヒンジ軸120を介して基台112に揺動自在に支持されている。ヒンジ軸110、118、120による揺動方向は同一である。
【0062】
かかる構成の再生装置90によれば、まず、ドラム94内にスポンジブラスト媒体12Aを投入する。この投入量は、図6の一点鎖線で示すレベルLに設定される。この後、ドラム94をモータ96で回転させながら、供給管98からバインダ16及び/又は研削材30を投入し、スポンジブラスト媒体を再生する。再生後、ドラム94の回転を停止させ、この後、油圧シリンダ114のロッド116を伸長し、ドラム94を矢印A方向に傾倒させ、再生されたスポンジブラスト媒体12Bをドラム94の開口端94Bから取り出す。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】実施の形態のスポンジブラスト媒体再生方法の工程を示した概念図
【図2】実施の形態のスポンジブラスト媒体再生装置の全体構成を示した側面図
【図3】図2に示したスポンジブラスト媒体再生装置の要部斜視図
【図4】図2に示したスポンジブラスト媒体再生装置の中空回転軸の支持構造の断面図
【図5】スポンジ片の硬度とバインダ質量との比例関係を示したグラフ
【図6】スポンジブラスト媒体再生装置の他の実施の形態の構造を示した説明図
【符号の説明】
【0064】
10…スポンジブラスト媒体再生装置、12…新品のスポンジブラスト媒体、12A…再使用不能のスポンジブラスト媒体、12B…再生されたスポンジブラスト媒体、14…容器、16…バインダ、18…攪拌手段、20…中空回転軸、22…供給孔、24…攪拌翼、26…回転機構、28…昇降機構、30…研削材、32…供給機構、34…駆動制御部、36…供給量制御部、38…基台、40…金具、42…サーボモータ、44…ねじ棒、46…ロッド、48…ガイド筒、50…ケーシング、52…梁、54…軸受、56…軸受、58…支柱、60…滑り軸受、62…サーボモータ、64…ギヤ、66…ギヤ、68…容器、70…流量計、72…電磁バルブ、74…バインダ供給用チューブ、76…ホッパ、78…電磁バルブ、80…バッファ容器、82…質量センサ、84…電磁バルブ、86…研削材供給用チューブ、90…スポンジブラスト媒体再生装置、92…攪拌翼、94…ドラム、96…モータ、98…供給管、100…軸、102…チルト台、194…軸受、106…フランジ、108…ローラ、110…ヒンジ軸、112…基台、114…油圧シリンダ、116…ロッド、118…ヒンジ軸、120…ヒンジ軸

特許の図
【出願人】 【識別番号】000005452
【氏名又は名称】株式会社日立プラントテクノロジー
【出願日】 平成19年2月6日(2007.2.6)
【代理人】 【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
【公開番号】 特開2008−189841(P2008−189841A)
【公開日】 平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願番号】 特願2007−26959(P2007−26959)