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【発明の名称】 カラーフィルター用着色剤
【発明者】 【氏名】中村 道衛

【氏名】座間 義之

【氏名】岡本 久男

【氏名】野上 敦

【氏名】坂井 尚之

【氏名】小磯 英之

【要約】 【課題】着色顔料の分散安定性に優れたカラーフィルター用着色組成物。

【構成】着色顔料を含むカラーフィルター用着色組成物において、上記着色顔料が、乾燥状態の粉末および/または顆粒状の顔料粒子を、硫黄を燃焼させて生成させた二酸化硫黄ガスを接触酸化して得られた三酸化硫黄ガスを用いて、気相−固相状態でスルホン化されたスルホン化着色顔料であることを特徴とするカラーフィルター用着色組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着色顔料を含むカラーフィルター用着色組成物において、上記着色顔料が、乾燥状態の粉末および/または顆粒状の顔料粒子を、硫黄を燃焼させて生成させた二酸化硫黄ガスを接触酸化して得られた三酸化硫黄ガスを用いて、気相−固相状態でスルホン化されたスルホン化着色顔料であることを特徴とするカラーフィルター用着色組成物。
【請求項2】
着色顔料が、有機顔料またはカーボンブラック顔料である請求項1に記載のカラーフィルター用着色組成物。
【請求項3】
スルホン化着色顔料のスルホン化度(顔料粒子単位質量当たりのスルホン基:−SO3Hの量)が、0.1〜30質量%である請求項1に記載のカラーフィルター用着色組成物。
【請求項4】
請求項1に記載のスルホン化着色顔料が、塩基性化合物で中和されている請求項1に記載のカラーフィルター用着色組成物。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、カラーフィルター用着色剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水性の着色剤には、主に水溶性の染料が使用されてきた。サインペン、ファイバーペン、ボールペンなどの筆記具用のインキとしては、染料水溶液から水性顔料分散液を使用する傾向になっている。これに対し、インクジェット用インキには、着色剤として水溶性染料を使用した水性インキが主に用いられてきた。
【0003】
しかし、上記染料インキは、耐光性や耐水性などの堅牢性に劣る欠点があった。そこで、水溶性染料に代えて、耐光性や耐水性などの物性に優れた顔料を使用する顔料インキの検討が行われるようになり、顔料インキを使用するインクジェットプリンターの実用化が進んできている。また、塗料やグラビアインキなどの着色剤として、環境重視の観点から、有機溶剤を殆ど使用しない水性の着色剤の使用が増加している。
【0004】
このように、顔料を水性インキなどの用途に使用する場合、顔料を微細化することにより、顔料の色相の鮮明性、冴え、透明性を向上させている。しかし、微細化された顔料を水性の媒体に均一に分散させ、さらには分散液の貯蔵安定性を確保するには分散剤が必要であるが、分散剤だけで顔料分散液の長期安定性を確保することは困難である。その改良として顔料表面にスルホン基やカルボン酸基を導入して顔料の表面を改質することが検討され、かつ提案されている。
【0005】
一般に、有機顔料は、その表面極性が弱く、ベヒクル中の樹脂分散剤を水素結合などにより顔料表面に十分に吸着できず、そのために顔料の分散媒体中における分散安定性が不十分である。そこで、予めベヒクル中の樹脂分散剤と親和性のある基、あるいは極性基を顔料に結合させた顔料誘導体を、顔料表面に吸着させて、顔料と樹脂分散剤との親和性を高め、分散媒体中における顔料の分散安定性を改良する方法がとられている。例えば、日本特許第1,241,792号明細書には、顔料に樹脂分散剤と、スルホン酸アンモニウム塩基を有する流動化剤とを加えてなる顔料分散液が提案されている。
【0006】
また、カラーフィルター(以下「CF」と略称する)用着色剤においても、形成されるCFの透明度、鮮映性、透過率などを向上させるために、顔料を微細化することが重要である。特にCF用着色剤の場合には、顔料分散液の流動性、顔料の凝集防止および貯蔵安定性の確保が重要であり、そのためには上記の如き顔料誘導体や顔料分散剤が使用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような事情から、顔料に極性基を付与する方法が種々検討され、近年、顔料の表面を、従来の方法であった硫酸や発煙硫酸などを使用しないスルホン化法で顔料に極性基を導入する方法が提案されている。該方法は、常温で固体のスルホン化剤を溶剤中または溶剤を使用せずに単独で使用する方法であり、顔料表面のスルホン化を均一に行うために、スルホン化前に顔料を微分散するという前処理が必要である。さらに、溶剤中のスルホン化ではスルホン化後に、スルホン化顔料と溶剤の分離、溶剤の回収および精製、廃酸となる大量のスルホン化剤の中和処理が必要であり、経済的に不利な方法である。
【0008】
また、常温で固体のスルホン化剤(例えば、アミド硫酸、三酸化硫黄ピリジン錯体、三酸化硫黄ジメチルホルムアミド錯体など)を、顔料と混合して加熱スルホン化させる方法は、スルホン化温度がスルホン化剤の融点以上か、融点より低いかで反応系の形態が異なるため注意が必要である。すなわち、比較的高いスルホン化温度(例えば、150〜210℃)が必要であり、スルホン化時間の設定など、スルホン化のコントロールが容易でない。
【0009】
また、フラスコを使用した実験装置で、固体の三酸化硫黄を加熱して気化させて、三酸化硫黄ガスを発生させ、炭素粉体をスルホン化する方法がある。この方法で用いる固体の三酸化硫黄は、強酸性かつ強酸化性の化合物であって、毒性が強く、作業者の粘膜に各種炎症を、そして皮膚には薬傷を起こす危険性があり、空気に触れると水分を吸収して白煙を生じ、水に触れると爆発的に作用し、水に溶けて硫酸になる性質を有し、工業的に大量に使用することは作業上および安全上問題がある。
【0010】
本発明者らは、溶剤を使用しない、温和な条件で、スルホン化のコントロールも容易で、特に工業的に大量にスルホン化固体粒子を製造できる方法を開発すべく検討し、硫黄を燃焼させて生成させた二酸化硫黄ガスを接触酸化して得られた三酸化硫黄ガスを用いて、固体粒子をスルホン化させることで上記課題が解決されることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0011】
ここで「固体粒子」とは、有機顔料、カーボンブラック顔料、導電性カーボンブラック、電池用カーボンブラック、ゴム用カーボンブラック(本明細書では上記各種カーボンブラックを「カーボンブラック微粒子」と総称する場合がある)、非水溶性染料、樹脂微粒子などの粒子表面のスルホン化が可能な物質をいう。また、その形状は粉末、粒状、顆粒状、フレーク状、フィブリル状など、どのような形状(本明細書においては「粉末および/または顆粒状」という)でも構わない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、着色顔料を含むカラーフィルター用着色組成物において、上記着色顔料が、乾燥状態の粉末および/または顆粒状の顔料粒子を、硫黄を燃焼させて生成させた二酸化硫黄ガスを接触酸化して得られた三酸化硫黄ガスを用いて、気相−固相状態でスルホン化されたスルホン化着色顔料であることを特徴とするカラーフィルター用着色組成物を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、着色顔料の分散安定性に優れたカラーフィルター用着色組成物が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
本発明においてスルホン化の対象となる固体粒子は、有機顔料、カーボンブラック微粒子、非水溶性染料および樹脂微粒子などである。まず、有機顔料としては公知の有機顔料全てが対象となり、具体的には、溶性・不溶性アゾ顔料、高分子アゾ顔料、メチン・アゾメチン顔料、アゾメチンアゾ顔料、ジケトピロロピロール顔料、フタロシアニン顔料、イソインドリノン顔料、イソインドリン顔料、アンサンスロン顔料、ペリノン顔料、ペリレン顔料、アンスラキノン顔料、キノフタロン顔料、インジゴ・チオインジゴ顔料、ジオキサジン顔料、キナクリドン顔料、および金属錯体顔料が挙げられる。
カーボンブラック微粒子としては、まず、着色用のカーボンブラック顔料が挙げられる。着色用以外のカーボンブラック微粒子として電池用カーボンブラック、導電性カーボンブラック、ゴム用カーボンブラックなど、具体的には、アセチレンブラック、サーマルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、チャンネルブラック、ロールブラックなどが挙げられる。
【0015】
着色用カーボンブラック顔料も含め、スルホン化される顔料の平均粒径は、従来から各種用途で使用されている顔料の粒径と同じであり、例えば、スルホン化された顔料を、通常の印刷インキや塗料用の着色剤として使用する場合、製品として市販されている顔料の粒径で構わない。しかし、スルホン化された顔料を、特に、CF用着色剤およびインクジェット用インキに使用する場合には、次のような粒径の顔料を使用することが好ましい。すなわち、CF用着色剤の場合、好ましい平均粒径は0.01〜0.5μmであり、さらに好ましくは0.02〜0.2μmである。インクジェット用インキ用着色剤の場合、好ましい平均粒径は0.01〜0.5μmであり、さらに好ましくは0.02〜0.2μmである。
【0016】
本発明のスルホン化固体粒子の製造方法は、顔料などの乾燥させた固体粒子と、硫黄を燃焼させて生成させた二酸化硫黄ガスを接触酸化して得られた三酸化硫黄ガスとを、そのまま気相−固相で接触させ、好ましくは、空気、窒素ガス、アルゴンガスなどの顔料および三酸化硫黄に対して不活性な気体との混合気体として用いて、固体粒子を直接スルホン化することが特徴である。スルホン化の態様としては、乾燥した固体粒子が存在する反応系に、三酸化硫黄ガスを直接導入する方法よりも、上記の不活性気体と三酸化硫黄ガスとの混合気体を上記反応系に導入する方法が、スルホン化のコントロールの容易さから好ましい。
【0017】
本発明の方法のいずれの態様のスルホン化においても、スルホン化温度は、好ましくは80〜130℃、さらに好ましくは100〜110℃である。前記の如く混合気体を用いる場合、混合気体中の三酸化硫黄ガスの濃度は、スルホン化する顔料の種類、粒径および所望のスルホン化の度合などによって異なり、一概に規定できず、スルホン化条件の予備検討が必要であるが、通常、1〜20質量%程度である。また、スルホン化時間もスルホン化温度、スルホン化の度合、反応系中の三酸化硫黄の濃度などによって異なり、一概に規定できないが、通常、0.5〜6時間、好ましくは1〜3時間である。
【0018】
本発明の方法で、固体粒子表面に導入されるスルホン基(−SO3H)の量について説明する。本発明の方法は、硫黄を燃焼させて生成させた二酸化硫黄ガスを接触酸化して得られた三酸化硫黄ガスを、そのまま、あるいは不活性気体を混合しスルホン化に使用することから、スルホン化率を高くすることが可能であり、スルホン化条件をコントロールすることによって非常に幅広いスルホン化率をもたらすことができるが、特に個々の固体粒子あるいは個体粒子の個々の分子へのスルホン基の高い導入、すなわち、高スルホン化度が達成可能である。
【0019】
カーボンブラック顔料、導電性カーボンブラック、電池用カーボンブラック、ゴム用カーボンブラックなどは、個々の固体粒子の表面の芳香族核にスルホン基が導入され、そのスルホン化度はカーボンブラックの単位質量に対し、約1〜10質量%、好ましくは約3〜6質量%である。また、有機顔料、非水溶性染料および樹脂微粒子などは、スルホン基がそれらの固体粒子の表面に導入される場合と、スルホン基が、それぞれの固体粒子の分子構造に導入される場合がある。従って顔料の種類や化学構造によっても異なるが、通常、顔料の単位質量に対し、そのスルホン化度は約0.1〜30質量%、好ましくは約0.5〜10質量%である。
【0020】
スルホン基の導入量が少なすぎると、固体粒子、例えば、得られるスルホン化顔料の極性が不充分で、水性および油性媒体中における良好な分散安定性、貯蔵安定性が得られない。逆に、スルホン基の量が多すぎると、固体粒子、特に顔料としての諸堅牢度や物性が低下する。なお、スルホン基の導入量が少ない顔料は、通常の顔料としてそのまま使用することができる。一方、顔料分子1分子に対して少なくとも1個以上のスルホン基が導入された顔料(顔料単位質量に対するスルホン基の量としては10〜30質量%程度)は、そのままでも顔料として使用可能であるが、好ましくは顔料と併用する所謂、顔料誘導体(顔料分散剤・分散助剤)として使用することもできる。
【0021】
上記本発明の方法で得られるスルホン化顔料は、そのスルホン基を塩基性化合物で中和して塩の基とすることで、水性媒体および油性媒体中での使用がより有効となる。スルホン化顔料を、水性の分散媒体中で使用する場合には、スルホン基は遊離のスルホン基、またはナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、アミン類、アルカノールアミンなどとの塩の形で使用することができる。一方、スルホン化顔料を油性の分散媒体、オリゴマーあるいは樹脂中で使用する場合には、上記の如き遊離スルホン基、金属塩、有機アミン塩も使用し得るが、炭素数6以上の炭化水素基、例えば、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を有する1級、2級、3級アミンの塩または第4級アンモニウム塩、およびポリアミンあるいはポリエチレンイミンのポリエステルオリゴマー誘導体など、公知の塩基性化合物で中和した塩の形で使用することができる。
【0022】
上記のアミン類としては、例えば、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、t−ブチルアミン、ヘキシルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、1,2−ジメチルプロピルアミン、ステアリルアミノプロピルアミンなどの脂肪族アミン;ヒドロキシエチルアミン、ヒドロキシプロピルアミン、N,N−ジメチルアミノエタノールアミン、N,N−ジエチルアミノエタノールアミン、N,N−ジメチルアミノプロパノールアミン、N,N−ジエチルアミノプロパノールアミンなどのアルカノールアミン類;シクロヘキシルアミン、ピリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルフォリンなどの脂環式アミン;アニリン、アニリン誘導体などの芳香族アミンが挙げられる。第4級アンモニウム化合物としては、メチルジステアリルアンモニウム化合物、トリメチルステアリルアンモニウム化合物などが挙げられる。
【0023】
顔料のスルホン化後の後処理について、スルホン化剤として硫酸を用い、スルホン化後に廃硫酸を中和する場合と比較して説明する。例えば、通常行われている銅フタロシアニン顔料を硫酸でスルホン化する場合には、顔料に対して硫酸を約10質量倍程度使用する。これに対して本発明方法では、例えば後述の実施例1では、顆粒状カーボンブラック顔料100質量部を三酸化硫黄ガスと空気の混合気体でスルホン化させたスルホン化カーボンブラックを、イオン交換水中に投入、攪拌、濾過し、pHが一定になるまで水洗した。これらの濾液、水洗液の中和に要する水酸化ナトリウムは16.9質量部であった。これは顔料100質量部当たり、20.7質量部の硫酸が過剰に使用されたに過ぎない。このように通常の硫酸によるスルホン化法に比し、本発明ではスルホン化剤(三酸化硫黄)の使用量は著しく少ない量であり、排水処理の負荷の面のみならず、作業工程的および経済的にも軽減され、大きな利点である。
【0024】
本発明で得られるスルホン化顔料は、単独で媒体中に分散させて着色組成物とする場合と、スルホン化顔料を他の顔料(スルホン化されていない顔料)に添加して、該他の顔料の分散剤(分散助剤)として含有する着色組成物とがあるが、その用途に応じて各種分散媒体、例えば、水、水−親水性有機溶剤混合媒体、有機溶剤、油脂、可塑剤、オリゴマー、樹脂中にスルホン化顔料を微分散させて使用することができる。スルホン化顔料を媒体中に微分散させる方法としては、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、横型連続媒体分散機、縦型連続媒体分散機、ピンミル、三本ロール、加圧ニーダー、タンブラー、ヘンシェルミキサー、ハンマーミル、バンバリミキサー、エクストルーダーなどが挙げられる。
【0025】
本発明で得られるスルホン化顔料は、塗料、印刷インキ、インクジェット用インキ、文具用インキなどの着色剤、CF用着色剤、樹脂の着色剤、または通常の顔料(スルホン化されていない顔料)の分散剤(分散助剤)として使用することができる。
【0026】
本発明で得られるスルホン化顔料を着色剤として用いる塗料としては、従来公知の顔料が使用されている塗料が全て含まれ、特に限定されない。例えば、自動車用塗料、建築用塗料、木材塗料、車両・機器用塗料、家庭用塗料、プラスチック用塗料、プレコートメタル用塗料、缶用塗料、船舶用塗料、防食塗料、光硬化塗料、電子線硬化塗料、静電粉体塗料、ビニルゾル塗料などが挙げられる。
【0027】
また、印刷インキとしては、従来公知の印刷インキが全て含まれ、特に限定されない。例えば、凸版インキ、平版インキ、グラビアインキ、スクリーンインキ、新聞インキ、フレキソインキなどが挙げられる。
【0028】
以上の如き塗料や印刷インキは、固体状でもよいし、液状でもよく、液状の場合の媒体としては水あるいは水−親水性有機溶媒混合物、有機溶媒が使用され、有機溶媒としては脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エステル、ケトン、グリコールエーテル、アルコールなどが使用され、特に限定されるものではない。
【0029】
また、塗料または印刷インキのベヒクルとしては、各用途に応じて従来公知の油性乃至水性のベヒクルが使用されるベヒクルの樹脂としては、例えば、アルキッド樹脂、アミノアルキッド樹脂、焼付用アクリル樹脂、アクリルラッカー樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ブチル化メラミン樹脂、メチル化メラミン樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、スチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂、スチレン−ジエン共重合体、塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル樹脂、ブチラール樹脂、乾性油、ボイル油などが挙げられる。
【0030】
また、本発明で得られるスルホン化顔料で着色される樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、スチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、メタクリル−スチレン樹脂、ABS樹脂などが挙げられる。
【0031】
本発明の着色組成物は、画像表示材料として画像表示方法に使用され、また、画像記録剤、例えば、インクジェット用インキあるいは電着記録液としてそれぞれインクジェット記録方法あるいは電着記録方式などの画像記録方法に使用される。
【0032】
まず、着色組成物の用途の代表例として、インクジェット用インキについてさらに詳細に述べる。インクジェット用インキは、着色剤、水の他に水溶性樹脂である分散剤、界面活性剤、水性樹脂固着剤、有機溶剤などから構成され、インキの保存安定性や吐出安定性などを向上させる目的で、表面張力調整剤、粘度調整剤、比抵抗調整剤、消泡剤、防黴剤などを加えることもできる。この場合に用いられる水は、イオン交換水またはイオン交換した蒸留水が用いられる。
【0033】
水溶性樹脂である分散剤としては、例えば、アクリル樹脂、アクリル−スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂などの樹脂が単独または混合して用いられる。アクリル樹脂またはアクリル−スチレン樹脂である分散剤としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸重合体、スチレン−マレイン酸エステル−マレイン酸重合体、イソブチレン−マレイン酸エステル−マレイン酸重合体など)である。これらの水溶性樹脂である分散剤は、インキ中の顔料の質量に対し、通常5〜100質量%、インキの保存安定性や吐出安定性などの低下を考慮し、好ましくは10〜50質量%の範囲で用いられる。また、これらの樹脂に対してpH調整剤として、無機アルカリ剤やアンモニア、アミン類などの有機アルカリ剤を適宜使用することができる。
【0034】
インクジェット用水性インキには、さらに、顔料の分散性、分散安定性、経時でのインキの保存安定性を向上させるために、あるいは表面張力を調整するために界面活性剤を加えることができる。界面活性剤としては、例えば、アニオン系界面活性剤(アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物など)、非イオン系界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミンエーテル、アセチレンアルコール類、アセチレングリコール類などを使用することができる。
【0035】
また、インクジェット用水性インキには、インキやプリントヘッドのノズル部分の乾燥防止や吐出安定性の向上などを図るために、通常、水とともに水溶性有機溶剤が用いられる。水溶性有機溶剤としては、例えば、多価アルコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンなど)、多価アルコールエーテル類(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなど)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなど)、アミン類(ジエタノールアミン、エタノールアミンなど)、複素環類(N−メチル−2−ピロリドンなど)、スルホランなどが用いられる。
【0036】
次に、本発明の着色組成物の別の用途として、CF用分散液について述べる。該分散液を調製する場合、所望の色相の顔料および本発明で得られるスルホン化顔料からなる顔料組成物を、分散剤とともに適当な皮膜形成樹脂を含む有機溶剤溶液に添加してプレミキシングし、顔料組成物を分散処理する。例えば、顔料組成物と分散剤とを縦型媒体分散機、横型媒体分散機、ボールミルなどの分散機械で均一に混合磨砕し、これを皮膜形成樹脂を含む液中に添加混合する方法、硫酸などに通常の顔料および本発明で得られるスルホン化顔料とを溶解した後に、該硫酸溶液を水中に析出させ、両者の顔料を固溶体ないし共析体として分離し、得られた顔料組成物を上記と同様に皮膜形成樹脂や分散剤などを含む液中に添加混合し、磨砕分散する方法などが挙げられる。
【0037】
本発明において、通常の顔料および本発明で得られるスルホン化顔料を分散させて顔料分散液にするための皮膜形成樹脂を含む液としては、従来公知のCF用顔料分散液に使用される皮膜形成樹脂が用いられる。また、液媒体として有機溶剤、水、有機溶剤と水の混合物が使用される。また、必要に応じて従来公知の添加剤、例えば、分散助剤、平滑化剤、密着化剤などの添加剤を顔料分散液に添加することができる。
【0038】
上記皮膜形成樹脂を含む液中の樹脂に対する顔料組成物の添加質量割合は、皮膜形成樹脂100質量部に対し、5質量部乃至500質量部の範囲が好ましい。皮膜形成樹脂を含む液としては、感光性の皮膜形成樹脂を含む液または非感光性皮膜形成樹脂を含む液が使用される。感光性の皮膜形成樹脂を含む液としては、例えば、紫外線硬化性インキ、電子線硬化インキなどに用いられる感光性の皮膜形成樹脂を含む液が挙げられ、非感光性皮膜形成樹脂を含む液としては、例えば、凸版インキ、平版インキ、グラビアインキ、スクリーンインキなどの印刷インキに使用するワニス、常温乾燥および焼き付け塗料に使用するワニス、電着塗装に使用するワニス、熱転写リボンに使用するワニスなどが挙げられる。
【0039】
感光性皮膜形成樹脂としては、感光性環化ゴム樹脂、感光性フェノール樹脂、感光性ポリアクリレート樹脂、感光性ポリアミド樹脂、感光性ポリイミド樹脂など、および不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、ポリエポキシアクリレート樹脂、ポリウレタンアクリレート樹脂、ポリエーテルアクリレート樹脂、ポリオールアクリレート樹脂などが挙げられ、さらに反応性希釈剤として各種のモノマーを加えることができる。
【0040】
また、感光性樹脂を含む顔料分散液に、ベンゾインエーテルやベンゾフェノンなどの光重合開始剤を加え、従来公知の方法により練肉することにより、光硬化性の感光性顔料分散液とすることができる。また、上記の光重合開始剤に代えて熱重合開始剤を使用して熱硬化性顔料分散液とすることができる。
【0041】
非感光性の皮膜形成樹脂の例としては、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体、可溶性ポリアミド樹脂、可溶性ポリイミド樹脂、可溶性ポリアミドイミド樹脂、可溶性ポリエステルイミド樹脂、スチレン−マレイン酸エステル共重合体の水溶性塩、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体の水溶性塩、水溶性アミノポリエステル樹脂などが挙げられる。
【0042】
着色用以外のカーボンブラックも基本的には、着色用カーボンブラックと同様にスルホン化を行うことができる。特に導電塗料や導電インキといった導電性組成物は、電子精密機器の発展に伴ない電子部品の帯電防止フィルムや包装紙などの導電材料の製造に用いられるが、この水性分散体を調製するのにスルホン化されたアセチレンブラックなどの導電性カーボンブラックは有用である。
【0043】
樹脂微粒子としては、ポリプロピレンなどのポリオレフィン微粒子も含まれるが、主に特開2000−309654公報に記載のモザイク荷電膜に使用されるスチレン:アクリロニトリル:ヒドロキシエチルメタクリレート:ジビニルベンゼン(質量比41.6:7.1:8.1:8.7)架橋共重合体の粒状物など、イオン交換樹脂などに使用されるスチレン−ジビニルベンゼン架橋共重合体の粒状物などが挙げられる。
【0044】
以上の如き本発明の方法には次のような利点がある。
1)顔料などの固体粒子の形状が粉末、粒状、顆粒状、フレーク状、フィブリル状など、どんな形状のものであっても、固体粒子の表面に三酸化硫黄を接触反応させることができることから、スルホン化しようとする顔料粒子の微分散化などの前処理が不要である。
【0045】
2)スルホン化後に、過剰の三酸化硫黄ガスを空気や窒素ガスなどの不活性気体で置換できるので、スルホン化顔料に吸着した三酸化硫黄の洗浄および中和が簡単である。
3)顔料などの固体粒子が三酸化硫黄で直接スルホン化できるので、低温でスルホン化が進行し、スルホン化のコントロールが容易であり、しかもスルホン化効率が高い。
4)顔料粒子などの固体粒子が破壊されることが少ない。
【0046】
5)例えば、硫酸を用いてスルホン化すると加水分解するような加水分解に弱い顔料などの固体粒子でもスルホン化が可能である。
6)スルホン化後に回収された過剰の三酸化硫黄ガスは他の用途に再利用できる。
7)硫黄を燃焼させて生成させた二酸化硫黄ガスを接触酸化して得られた三酸化硫黄ガスを、スルホン化剤として使用するので、比較的危険性の低い硫黄を取り扱う以外は、スルホン化の制御は、全工程にわたって三酸化硫黄ガスを含む気体の流量の制御のみでよく、工業的に製造工程の管理がし易く、三酸化硫黄ガスを大量に取り扱うにあたり危険性が少なく、安全かつ容易にスルホン化物を製造することができる。
【0047】
8)大量の廃酸処理と廃溶剤処理が必要な、三酸化硫黄錯体を含む有機溶剤を使用しないので、廃液処理が容易で、かつ経済的である。
9)また、特に炭化水素の酸化によって製造されるカーボンブラックはスルホン化する位置が少なく、従来の方法ではスルホン基の導入が困難であるが、本発明の方法は三酸化硫黄ガスを直接反応させるので、スルホン基の導入に特に優れている。
以上の如く、本発明の方法は、製造が合理的でかつ容易である上に経済的にも有利な製造方法である。
【実施例】
【0048】
次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、文中「部」または「%」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
【0049】
実施例1
粉末状のカーボンブラック顔料(平均粒径0.013μm)100部を乾燥機にて105℃で1時間予備乾燥し、これを反応容器に入れ、硫黄を燃焼させて生成させた二酸化硫黄ガスを接触酸化して得られた三酸化硫黄ガスを80〜110℃に加熱し、乾燥空気に対して8%の濃度となるように、前記反応容器に導入し、2時間スルホン化させた。その後、冷却し、スルホン化されたカーボンブラックをイオン交換水中に投入して攪拌した後、濾過し、pHが一定になるまで水洗した。これらの濾液を10%水酸化ナトリウム水溶液で中和したところ、純分で16.9部の酸化ナトリウムが必要であった。これより、スルホン化顔料に吸着した三酸化硫黄は硫酸換算で20.7部であった。その後、80℃で24時間乾燥し、103.4部の表面がスルホン化されたカーボンブラック顔料が得られた。
【0050】
得られたカーボンブラック顔料を燃焼フラスコ中で分解させ、イオンクロマトグラフィーで顔料中の硫黄を定量した。その結果、得られたカーボンブラックには、その単位質量に対して3.2%のスルホン基(−SO3H基)を含有していた。また、上記カーボンブラックと同一の顆粒状のものを用いて同様にスルホン化を行ったところ、得られたスルホン化カーボンブラックは、その単位質量に対して3.1%のスルホン基(−SO3H基)を含有していた。
【0051】
実施例2
カーボンブラック顔料をC.I.ピグメントレッド122(以下、顔料の名称において、C.I.を省略する)(平均粒径0.1μm)100部に代えた以外は実施例1と同様にしてスルホン化顔料を得た。スルホン化後の洗浄液を中和するのに要した水酸化ナトリウムは24部であり、これよりスルホン化顔料に吸着していた三酸化硫黄の量は硫酸換算で29.4部であった。また、乾燥後、104.5部のスルホン化された顔料が得られた。この顔料には、その単位質量に対して3.9%のスルホン基が導入されていた。これは、顔料1分子当たり約0.15個のスルホン基が導入された計算になる。
【0052】
実施例3〜13
実施例1と同様にして表1に記載の黄色顔料、赤色顔料、青色顔料、紫色顔料、および黒色顔料についてもスルホン化を行った。表1にその製造結果を示した。カーボンブラック顔料以外の有機顔料に関しては、顔料1分子当たりのスルホン基の個数も同時に示した。
【0053】


【0054】
実施例14〜17(インクジェット用インキの調製および評価)
実施例1で得られたスルホン化カーボンブラック顔料を水中にて解膠し、濾過して水性プレスケーキを得た(顔料固形分28%)。得られたスルホン化カーボンブラック顔料の水性プレスケーキ17.9部、水溶性アクリル樹脂である分散剤3部、エチレングリコール14部、ジエチレングリコール6部、グリセリン20部および水39.1部からなる水性顔料分散液を作成し、超遠心分離機で分散し得なかった顔料粗粒子を除去し、顔料の平均粒子径が72nmであるインクジェット用黒色水性インキを得た。
【0055】
同様にして、ピグメントイエロー74に実施例4で得られたスルホン化黄色顔料を0.8%添加した顔料組成物(以下「PY74−M」という)、実施例2で得られたスルホン化キナクリドン赤色顔料および実施例10で得られたスルホン化フタロシアニン青色顔料を用いてそれぞれ、インクジェット用黄色水性インキ、インクジェット用赤色水性インキおよびインクジェット用青色水性インキを得た。
【0056】
上記で得たインクジェット用各色水性インキを以下の方法により評価を行った。インキ中の顔料の平均粒径は、各色インキを測定装置に規定されている濃度まで蒸留水で希釈した後、超音波を20秒間作用させた試験液をコールターサブミクロン粒子アナライザー(コールター社製MODEL N−4)で測定した。各色インキを顔料濃度1%に水希釈したものをバーコーター規格4番を使用し、RKコントロールコーター(Print−Coat社製)により展色した。展色に使用した記録紙は、エプソン社製フォトプリント紙2である。また、測色はミノルタ社製CR−121色彩色差計を用いて行った。その結果を表2に示した。
【0057】


ピエゾ振動子を有するオンデマンド型のインクジェットプリンターで、上記で得た黄色インキ、青色インキ、赤色インキおよび黒色インキを用いて、四色フルカラープリントを行い、鮮明なフルカラー画像を得た。
【0058】
実施例18(CF用着色剤の調製)
アクリル樹脂(メタクリル酸/ブチルアクリレート/スチレン/ヒドロキシエチルアクリレート=25:50:15:10のモル比で重合させたもの。分子量12,000で固形分30%)に、ピグメントグリーン−36(ブロム化フタロシアニングリーン)と分散剤としての実施例4の顔料組成物および溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)(以下PGMAcと略す。)を下記表3に示す如く配合し、プレミキシングの後、緑色のベースカラーを得た。
【0059】
実施例19および20
同様にして、実施例18で使用したブロム化フタロシアニングリーンに代えてピグメントブルー15:6(ε型銅フタロシアニンブルー)および実施例5の赤色顔料組成物を用いてそれぞれ青色および赤色のベースカラーを得た。配合を表3に示す。
【0060】


【0061】
実施例18〜20のベースカラーをスピンコーターでガラス板に塗布し、乾燥後、塗膜の最大透過率および最大吸収波長を測定した。また、ベースカラーを室温で一ヶ月間貯蔵し、その粘度の変化を測定した。その結果を表4に示す。
【0062】


【0063】
実施例21(塗料の調製および評価)
スルホン化顔料による通常の(非スルホン化)顔料の表面処理効果を確認するために、以下の処方にて塗料を作成した。
・実施例6で得られた赤色顔料組成物 50部
・キシレン 50部
・アルキッド樹脂(*1) 100部
・分散剤(*2) 5部
(注)
(*1)日立化成社製、やし油の短油性アルキッド樹脂
(*2)ソルスパース24000GR(ゼネカ社製ポリエステル分散剤)
【0064】
上記の配合成分を高速ディスパーにて30分間混合し、得られた配合液を小型サンドミルにて1時間混合した後、上記のアルキッド樹脂(固形分50%)を367部、メラミン樹脂(大日本インキ化学工業社製ブチル化メラミン樹脂:固形分60%)を200部追加配合し、さらに10分間仕上げ練合した。樹脂固形分でアルキッド樹脂/メラミン樹脂の割合が7/3(質量比)で、樹脂固形分に対して顔料濃度15%の原色配合−1の塗料を作製した。
【0065】
上記で作製した塗料は、先ず、最終塗料配合にて、B型粘度計でローター回転数6rpmの粘性値を、続いてローター回転数60rpmの粘性値を測定して該原色配合−1の粘性挙動を把握した。また、この最終原色エナメルを6ミルのアプリケーターにて表面コート紙に展色した。この展色紙を室温にて1時間放置した後、オーブン中で140℃で30分間保ち、展色塗膜を熱硬化させた。この展色物のグロスを測定することで顔料の分散性の評価を行った。その結果を表5に示す。
【0066】
比較のために、実施例21で使用した赤色顔料組成物に代えて非スルホン化赤色顔料PR−254を使用した他は実施例21と同様の操作を行った。そして、実施例21と同様に展色し、この展色物のグロスを測定することで顔料の分散性の評価を行った。その結果を表5に示す。
【0067】
実施例22(塗料の調整および評価)
顔料の表面処理効果を確認するために、以下の処方にて塗料を作成した。
・赤色顔料(PR−254) 47.5部
・実施例7の顔料組成物 2.5部
・混合シンナー(*3) 50.0部
・アクリルポリオール樹脂(*4) 100.0部
(*3)混合シンナー:トルエン/酢酸ブチル=6/4(質量比)
(*4)大日本インキ化学工業社製 アクリディック A−801
【0068】
上記の配合成分を高速ディスパーにて30分混合し、得られた配合体を小型サンドミルにて1時間混合した後、上記のアクリルポリオール樹脂(固形分50%)を400部追加し、さらに10分間仕上げ練合した。アクリルポリオール樹脂固形分に対し、20%の顔料質量分である原色配合−2の塗料を作製した。
【0069】
また、この最終原色配合−2のエナメルに当量のイソシアネートを硬化剤として添加配合した後、6ミルのアプリケーターにて表面コート紙に展色した。この展色紙を室温にて24時間放置し、塗膜を硬化させた。この展色物のグロスを測定することで顔料の分散性の評価を行った。その結果を表5に示す。
【0070】
比較のために、実施例22において実施例7の顔料組成物を使用せず、非スルホン化赤色顔料PR−254のみを使用した他は実施例21と同様の操作を行った。そして、実施例21と同様に展色し、この展色物のグロスを測定することで顔料の分散性の評価を行った。その結果を表5に示す。


【0071】
実施例23(アミン塩の合成)
実施例10で得られたフタロシアニンブルー顔料組成物の水ペースト100部(顔料分25%)を水中に分散させながら、ステアリルアミンの酢酸水溶液を添加し、30%の水酸化ナトリウム水溶液でpHを約10に調整して、スルホン化顔料をステアリルアミン塩とした。こうして、27.3gのフタロシアニンブルー顔料組成物が得られた。
【0072】
下記の配合処方にて各配合成分を充分に均一に混合および分散し、機械、車両などの金属材料用の常温速乾型の青色の速乾エナメルを得た。この塗料を基材に塗布したところ鮮明で美麗な塗装が行われた。
・上記で得られたフタロシアニンブルー顔料組成物 5.4部
・R−チタン白 2.0部
・速乾性スチレン化アルキッド樹脂 72.6部
・キシロール 6.6部
・ミネラルスピリット 13.0部
・6%ナフテン酸コバルト 0.3部
・皮張り防止剤 0.1部
【0073】
実施例24(アミン塩の合成)
実施例11で得られたアルミニウムフタロシアニンブルー顔料組成物の水ペースト100部(顔料分32.1%)を水中に分散させながら、ステアリルアミンの酢酸水溶液を添加し、30%の水酸化ナトリウム水溶液でpHを約10に調整してスルホン化顔料をステアリルアミン塩とした。こうして、32.9部のフタロシアニンブルー顔料組成物が得られた。
【0074】
(プラスチック成形品)
上記のアルミニウムフタロシアニンブルー顔料組成物の微粉砕物5部を、1,000部のポリエチレンに混合し、250℃で射出成形した成形品は均一な青色に着色されていた。
【0075】
実施例25(アニオン性粒状重合体および荷電モザイク膜の調製と脱塩性能の評価)
・スチレン 41.6部
・アクリロニトリル 7.1部
・ヒドロキシエチルメタクリレート 8.1部
・ジビニルベンゼン 8.7部
・過硫酸カリウム 0.5部
・水 1,000部
上記成分をフラスコに仕込み、窒素気流下、80℃で8時間重合した。得られた重合体の平均粒子径は、約180nmであった。
【0076】
上記粒状重合体を濾過、乾燥および粉砕して得られた白色重合体100部を、乾燥機にて105℃で1時間予備乾燥し、これを1リットルフラスコに入れ、80〜110℃に加熱した三酸化硫黄ガスを空気に対して8%の濃度となるように導入し、3時間反応させた。その後、粒状重合体を2リットルの水に分散し、炭酸ナトリウムで中和した後、濾過し、十分水洗した。得られたアニオン性粒状重合体は、赤外線吸収スペクトルおよびイオンクロマトグラフィーなどの分析によって、芳香環にほぼ1個のスルホン基が導入されていることが確認された。これをカチオン性ミクロゲルとした。
【0077】
特開2000−309654公報の記載に基づいて、クロロメチルスチレン:ジビニルベンゼン(20:1)架橋共重合体の粒状物に、トリエチルアミンを反応させて第四級アンモニウム塩とし、カチオン性ミクロゲルとした。
上記カチオン性ミクロゲルを3.0部、前記のアニオン性ミクロゲルを7.0部、アクリロニトリル−ブタジエン樹脂の水素添加物を10部およびN,N−ジメチルホルムアミド80部とからなる塗布膜を調製した。上記塗布膜をポリプロピレン樹脂コート離型紙上にナイフコーターで乾燥膜厚が約30μmの均一な厚みに塗布し、その上にポリプロピレン不織布を密着させ、熱風乾燥し、洗浄などの後処理を行って不織布支持体で補強された荷電モザイク膜を得た。
【0078】
上記公報の方法に従って、原液として塩化カリウムおよびグルコースの水溶液を使用し、透析水槽に脱イオン水を入れて常圧下で透析を行った。透析液には塩化カリウムが透析し、グルコースがほとんど透析せず、良好な分離性能を示す結果が得られた。
【産業上の利用可能性】
【0079】
以上の本発明により、固体粒子、すなわち、有機顔料、カーボンブラック顔料、カーボンブラック、樹脂微粒子などを、硫黄を燃焼させて生成させた二酸化硫黄ガスを接触酸化して得られた三酸化硫黄ガスを、そのままあるいは不活性気体を混合し、固相−気相反応で、工業的に安全で、かつ容易に低コストで、特にスルホン化度を高範囲に選択できるスルホン化固体粒子の製造方法が提供される。それによって得られた組成物は従来公知の用途に使用される。特に顔料組成物は、通常の塗料や印刷インキ用の着色剤としてだけでなく、インクジェット用インキおよびCF用着色剤として好適な易分散性の顔料組成物として、また、顔料分散剤もしくは分散助剤としても使用することができる。
【出願人】 【識別番号】000002820
【氏名又は名称】大日精化工業株式会社
【出願日】 平成19年10月9日(2007.10.9)
【代理人】 【識別番号】100098707
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 利英子

【識別番号】100077698
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 勝広


【公開番号】 特開2008−63580(P2008−63580A)
【公開日】 平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願番号】 特願2007−263289(P2007−263289)