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【発明の名称】 蓄光性塗料原料又は蓄光性インキ原料の製造方法、蓄光性塗料、蓄光性インキ
【発明者】 【氏名】澤田 季良

【氏名】水上 徹

【氏名】赤堀 充

【要約】 【課題】本発明が解決しようとする問題点は、蓄光顔料の塗料化、インキ化を簡略に実現し、様々な材料、場所に使用が可能な蓄光性塗料又は蓄光性インキの原料として好適な安定した特性を有する蓄光性塗料原料又は蓄光性インキ原料の製造方法を提供する。

【構成】本発明の蓄光性塗料原料又は蓄光性インキ原料の製造方法は、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等の中から選定される高分子樹脂を脂肪族を除いた有機溶剤に溶融し、液体の状態で蓄光顔料粒子の表面にコーティングを行い、高分子樹脂を溶融している有機溶剤を蒸発させ、樹脂皮膜を形成して蓄光性塗料原料又は蓄光性インキ原料とするものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高分子樹脂を所定の温度に溶融し、液体の状態で蓄光顔料粒子の表面にコーティングを行い、樹脂皮膜を形成して蓄光性塗料原料又は蓄光性インキ原料とすることを特徴とする蓄光性塗料原料又は蓄光性インキ原料の製造方法。
【請求項2】
高分子樹脂を脂肪族を除いた有機溶剤に溶融し、液体の状態で蓄光顔料粒子の表面にコーティングを行い、高分子樹脂を溶融している有機溶剤を蒸発させ、樹脂皮膜を形成して蓄光性塗料原料又は蓄光性インキ原料とすることを特徴とする蓄光性塗料原料又は蓄光性インキ原料の製造方法。
【請求項3】
前記高分子樹脂は、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等の中から選定されることを特徴とする請求項1又は2記載の蓄光性塗料原料又は蓄光性インキ原料の製造方法。
【請求項4】
高分子樹脂を所定の温度に溶融し、液体の状態で蓄光顔料粒子の表面にコーティングを行い、樹脂皮膜を形成して得られた蓄光性塗料原料、塗料用液材、触媒である有機溶剤及びバインダーであるUV硬化樹脂を混合して得られることを特徴とする蓄光性塗料。
【請求項5】
高分子樹脂を所定の温度に溶融し、液体の状態で蓄光顔料粒子の表面にコーティングを行い、樹脂皮膜を形成して得られた蓄光性塗料原料、塗料用液材、触媒である有機溶剤、バインダーであるUV硬化樹脂、及びアクリル樹脂・ポリエステル樹脂を主として作られたエマルジョン樹脂・水溶性樹脂を混合して得られることを特徴とする蓄光性塗料。
【請求項6】
高分子樹脂を脂肪族を除いた有機溶剤に溶融し、液体の状態で蓄光顔料粒子の表面にコーティングを行い、高分子樹脂を溶融している有機溶剤を蒸発させ、樹脂皮膜を形成して得られた蓄光性塗料原料、塗料用液材、触媒である有機溶剤及びバインダーであるUV硬化樹脂を混合して得られることを特徴とする蓄光性塗料。
【請求項7】
高分子樹脂を脂肪族を除いた有機溶剤に溶融し、液体の状態で蓄光顔料粒子の表面にコーティングを行い、高分子樹脂を溶融している有機溶剤を蒸発させ、樹脂皮膜を形成して得られた蓄光性塗料原料、塗料用液材、触媒である有機溶剤、バインダーであるUV硬化樹脂、及びアクリル樹脂・ポリエステル樹脂を主として作られたエマルジョン樹脂・水溶性樹脂を混合して得られることを特徴とする蓄光性塗料。
【請求項8】
高分子樹脂を脂肪族を除いた有機溶剤に溶融し、液体の状態で蓄光顔料粒子の表面にコーティングを行い、高分子樹脂を溶融している有機溶剤を蒸発させ、樹脂皮膜を形成して得られた蓄光性塗料原料、塗料用液材、触媒である有機溶剤、バインダーであるUV硬化樹脂及び分散剤である液体との接触によって膨潤する性質を有しハニカム構造の有機高分子を混合して得られることを特徴とする蓄光性塗料。
【請求項9】
高分子樹脂を脂肪族を除いた有機溶剤に溶融し、液体の状態で蓄光顔料粒子の表面にコーティングを行い、高分子樹脂を溶融している有機溶剤を蒸発させ、樹脂皮膜を形成して得られた蓄光性塗料原料、塗料用液材、触媒である有機溶剤、バインダーであるUV硬化樹脂、アクリル樹脂・ポリエステル樹脂を主として作られたエマルジョン樹脂・水溶性樹脂及び分散剤である液体との接触によって膨潤する性質を有しハニカム構造の有機高分子を混合して得られることを特徴とする蓄光性塗料。
【請求項10】
前記高分子樹脂は、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等の中から選定されることを特徴とする請求項4乃至9のいずかに記載の蓄光性塗料。
【請求項11】
高分子樹脂を所定の温度に溶融し、液体の状態で蓄光顔料粒子の表面にコーティングを行い、樹脂皮膜を形成して得られた蓄光性インキ原料、インキ用液材、触媒である有機溶剤及びバインダーであるUV硬化樹脂を混合して得られることを特徴とする蓄光性インキ。
【請求項12】
高分子樹脂を所定の温度に溶融し、液体の状態で蓄光顔料粒子の表面にコーティングを行い、樹脂皮膜を形成して得られた蓄光性インキ原料、インキ用液材、触媒である有機溶剤、バインダーであるUV硬化樹脂及びアクリル樹脂・ポリエステル樹脂を主として作られたエマルジョン樹脂・水溶性樹脂を混合して得られることを特徴とする蓄光性インキ。
【請求項13】
高分子樹脂を脂肪族を除いた有機溶剤に溶融し、液体の状態で蓄光顔料粒子の表面にコーティングを行い、高分子樹脂を溶融している有機溶剤を蒸発させ、樹脂皮膜を形成して得られた蓄光性インキ原料、インキ用液材、触媒である有機溶剤及びバインダーであるUV硬化樹脂を混合して得られることを特徴とする蓄光性インキ。
【請求項14】
高分子樹脂を脂肪族を除いた有機溶剤に溶融し、液体の状態で蓄光顔料粒子の表面にコーティングを行い、高分子樹脂を溶融している有機溶剤を蒸発させ、樹脂皮膜を形成して得られた蓄光性インキ原料、インキ用液材、触媒である有機溶剤及びバインダーであるUV硬化樹脂及びアクリル樹脂・ポリエステル樹脂を主として作られたエマルジョン樹脂・水溶性樹脂を混合して得られることを特徴とする蓄光性インキ。
【請求項15】
高分子樹脂を脂肪族を除いた有機溶剤に溶融し、液体の状態で蓄光顔料粒子の表面にコーティングを行い、高分子樹脂を溶融している有機溶剤を蒸発させ、樹脂皮膜を形成して得られた蓄光性インキ原料、インキ用液材、触媒である有機溶剤、バインダーであるUV硬化樹脂及び分散剤である液体との接触によって膨潤する性質を有しハニカム構造の有機高分子を用いて得られることを特徴とする蓄光性インキ。
【請求項16】
高分子樹脂を脂肪族を除いた有機溶剤に溶融し、液体の状態で蓄光顔料粒子の表面にコーティングを行い、高分子樹脂を溶融している有機溶剤を蒸発させ、樹脂皮膜を形成して得られた蓄光性インキ原料、インキ用液材、触媒である有機溶剤、バインダーであるUV硬化樹脂、アクリル樹脂・ポリエステル樹脂を主として作られたエマルジョン樹脂・水溶性樹脂及び分散剤である液体との接触によって膨潤する性質を有しハニカム構造の有機高分子を用いて得られることを特徴とする蓄光性インキ。
【請求項17】
前記高分子樹脂は、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等の中から選定されることを特徴とする請求項11乃至16のいずかに記載の蓄光性インキ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄光性塗料原料又は蓄光性インキ原料の製造方法、蓄光性塗料、蓄光性インキに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばアルミン酸ストロンチウムを含む蓄光顔料を原料とし、塗料用液材又はインター母液、触媒である有機溶剤、バインダーである合成樹脂を使用し、これらにより蓄光性塗料又は蓄光性インキを得ている。
【0003】
しかし、この場合には、下記の事由により、有機溶剤としては、脂肪族以外の高沸点有機溶剤を、バインダーとしては、中〜高分子の反応型のバインダーを使用せざるを得ないとともに、蓄光顔料には、酸化アルミが化学的に不安定な状態で存在しているため、種々の不都合な事態が生じる。
【0004】
すなわち、蓄光顔料の成分として、アルミン酸ストロンチウムを使用しているため、使用する溶媒、バインダーと下記のような反応を示すため、蓄光性塗料とした場合、その塗装加工部分、蓄光性インキとした場合のその蓄光性インキを用いた印刷物は、短時間に蓄光性(発光性)が低下し機能劣化を起こしてしまう。
【0005】
また、従来における蓄光顔料は、水と接触すると水酸化アルミとなり樹脂等の有機物を加水分解してしまい、また、炭酸ガスと接触すると、炭化アルミと、アルミナゲルとに分解する。
【0006】
従来における蓄光顔料は、プラスチックモノマーに接触すると、分子量が上がり、ゲル皮膜を作り、アクリル樹脂、スチロール等の低分子量の物に接触すると発泡してしまい、天然不飽和油脂に接触すると、水酸化合物となりゲルワニスを精製する。また、油脂の種類によっては発泡してしまう。
【0007】
更に、従来における蓄光性塗料又は蓄光性インキの場合、混入するペーストと化学反応を起こし、ガスが発生したり硬化が始まったりして、表面の均一性が無く、美観も良好でなく、また、保存性、保管性も良くない。更に、触媒として有機溶剤を使用しているため、使用できる範囲が限定されてしまう。
【0008】
従来の蓄光顔料を用いた蓄光性塗料(又は蓄光性インキ)においては、脂肪族以外の高沸点有機溶剤での蒸発乾燥を行い若しくは反応型のバインダーを使用するため、塗装面の乾燥に長時間(2〜10時間)を要することから、塗装面の養生に多くの手間と時間を必要とする。
また、蓄光顔料の比重(3.6〜3.9)がペーストに比べて極端に重いことと、浮力の付きにくい粒子形状をしているため、一時的に分散しても直ぐに沈殿して固形化してしまい、蓄光顔料と、ペーストとが均等に混ざり合ったものを確保することが困難であり、使用時に再撹拌しようとしても完全に固形化してしまっているため不可能であるという取り扱い上の問題もある。
【0009】
上記のように蓄光顔料自体が物質として不安定なため、塗料化、インキ化が困難であり、仮に従来の蓄光顔料を用いた蓄光性塗料を構造物等に塗装したり、従来の蓄光顔料を用いた蓄光性インキにより印刷物を作成しても、上述した理由により、短期間にその機能を低下させてしまう。
【0010】
特許文献1には、蓄光性蛍光顔料自体の耐水性の向上を図るべく、蓄光性蛍光顔料の表面をシリカでコートするようにした蓄光性蛍光顔料の表面処理方法、更には、この蓄光性蛍光顔料を用いた蓄光性蛍光塗料等が提案されている。
【0011】
しかし、特許文献1の場合、蓄光性蛍光顔料の表面をシリカでコートして耐水性の向上を図るものであり、蓄光性蛍光顔料自体の安定化を図る処理が万全とは言い難い。
【特許文献1】特開平9−316443号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明が解決しようとする問題点は、蓄光顔料の塗料化、インキ化を極めて簡略に実現し、様々な材料、場所に使用が可能な蓄光性塗料又は蓄光性インキの原料として好適な安定した特性を有する蓄光性塗料原料又は蓄光性インキ原料の製造方法、更には、安定した蓄光特性を長期間発揮でき、発光性能を飛躍的に向上し得るとともに、瞬時に硬化させることが可能で、塗装後、印刷後の取り扱いが簡略な蓄光性塗料、蓄光性インキが存在しない点である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の蓄光性塗料原料又は蓄光性インキ原料の製造方法は、高分子樹脂を所定の温度に溶融し、液体の状態で蓄光顔料粒子の表面にコーティングを行い、樹脂皮膜を形成して蓄光性塗料原料又は蓄光性インキ原料とすることを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1乃至3記載の発明によれば、高分子樹脂を所定の温度に溶融し、液体の状態で蓄光顔料粒子の表面にコーティングを行って樹脂皮膜を形成することにより、又は、高分子樹脂を脂肪族を除いた有機溶剤に溶融し、液体の状態で蓄光顔料粒子の表面にコーティングを行い、高分子樹脂を溶融している有機溶剤を蒸発させ、樹脂皮膜を形成することにより、蓄光顔料粒子を高分子樹脂の皮膜によりその内部に隔離することができ、これにより、蓄光顔料の塗料化、インキ化を簡略に実現し、様々な材料、場所に使用が可能な蓄光性塗料又は蓄光性インキの原料として好適な蓄光性塗料原料又は蓄光性インキ原料を得ることができる蓄光性塗料原料又は蓄光性インキ原料の製造方法を提供できる。この場合、前記高分子樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等の中から選定することが好ましい。
【0015】
請求項4乃至7記載の発明によれば、上述した蓄光性塗料原料、塗料用液材、触媒である有機溶剤及びバインダーであるUV硬化樹脂から構成されることから、安定した蓄光特性を長期間発揮でき、発光性能を飛躍的に向上し得るとともに、瞬時に硬化させることが可能で、塗装後の取り扱いが簡略な蓄光性塗料を提供できる。この場合、前記高分子樹脂としては、請求項10記載のようにアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等の中から選定することが好ましい。
【0016】
請求項8、9記載の発明によれば、請求項4乃至7記載の発明と同様な効果を奏することに加え、前記分散剤を含むことから、蓄光性塗料自体の分散硬化、長期保管後の再分散が容易な蓄光性塗料を提供できる。この場合、前記高分子樹脂としては、請求項10記載のようにアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等の中から選定することが好ましい。
【0017】
請求項11乃至14記載の発明によれば、上述した蓄光性インキ原料、インキ用液材、触媒である有機溶剤及びバインダーであるUV硬化樹脂から構成されることから、安定した蓄光特性を長期間発揮でき、発光性能を飛躍的に向上し得るとともに、瞬時に硬化させることが可能で、印刷後等の取り扱いが簡略な蓄光性インキを提供できる。この場合、前記高分子樹脂としては、請求項17記載のようにアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等の中から選定することが好ましい。
【0018】
請求項15、16記載の発明によれば、請求項11乃至14記載の発明と同様な効果を奏することに加え、前記分散剤を含むことから、蓄光性インキ自体の分散硬化、長期保管後の再分散が容易な蓄光性インキを提供できる。この場合、前記高分子樹脂としては、請求項17記載のようにアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等の中から選定することが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明は、蓄光顔料の塗料化、インキ化を簡略に実現し、様々な材料、場所に使用が可能な蓄光性塗料又は蓄光性インキの原料として好適な安定した特性を有する蓄光性塗料原料又は蓄光性インキ原料の製造方法を提供するという目的を、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等の中から選定される高分子樹脂を脂肪族を除いた有機溶剤に溶融し、液体の状態で蓄光顔料粒子の表面にコーティングを行い、高分子樹脂を溶融している有機溶剤を蒸発させ、樹脂皮膜を形成して蓄光性塗料原料又は蓄光性インキ原料とすることにより実現した。
【実施例】
【0020】
以下に、本発明の実施例に係る蓄光性塗料原料又は蓄光性インキ原料の製造方法、蓄光性塗料、蓄光性インキについて図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
(実施例1)
本発明の実施例1に係る蓄光性塗料原料又は蓄光性インキ原料の製造方法について図1を参照して説明する。本実施例1に係る蓄光性塗料原料又は蓄光性インキ原料の製造方法は、まず、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等の中から選定した高分子樹脂を所定の温度に溶融し、液体の状態とする。
【0022】
次に、この液体の状態の高分子樹脂を、蓄光顔料(例えばアルミン酸ストロンチウムを含む蓄光顔料)を構成する蓄光顔料粒子の表面にコーティングし、蓄光顔料粒子の表面に樹脂皮膜を形成することで、蓄光性塗料原料又は蓄光性インキ原料とする。
【0023】
このようにして、本実施例1に係る蓄光性塗料原料又は蓄光性インキ原料の製造方法により得られる蓄光性塗料原料又は蓄光性インキ原料によれば、蓄光顔料粒子の表面に高分子樹脂の皮膜を形成した形態を有するものであるから、蓄光顔料粒子を高分子樹脂の皮膜によりその内部に隔離することができる。
【0024】
この結果、本実施例1の蓄光性塗料原料又は蓄光性インキ原料を用いた蓄光性樹脂又は蓄光性インキ中にあって、反応し易い蓄光顔料粒子と、バインターのような有機物質とを隔離することができ、これにより、従来例で述べたような水酸化アルミニウムの発生や、反応助剤としての働きを防止することができる。また、空気中にあっては蓄光顔料粒子が水分と接触する機会がなくなるため、同様に水酸化アルミニウムの発生を防止することができる。
【0025】
従って、本実施例1に係る蓄光性塗料原料又は蓄光性インキ原料の製造方法によれば、従来困難であった蓄光顔料の塗料化、インキ化を実現し、様々な材料、場所に使用が可能な蓄光性塗料又は蓄光性インキの原料として好適な安定した特性を有する蓄光性塗料原料又は蓄光性インキ原料を得ることができ、より安全性向上、安全性確保に貢献することが可能となる。
【0026】
(実施例2)
本発明の実施例2に係る蓄光性塗料原料又は蓄光性インキ原料の製造方法について図2を参照して説明する。本実施例2に係る蓄光性塗料原料又は蓄光性インキ原料の製造方法は、まず、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等の中から選定した高分子樹脂を、脂肪族を除いた有機溶剤を用いたバインダーに溶融し、液体の状態とする。
【0027】
有機溶剤のうち、脂肪族を除くのは、脂肪族の有機溶剤は、−OH基が付いているため、蓄光顔料に含まれる酸化アルミが水酸化アルミに変化してしまうことを防止するためである。
【0028】
次に、この液体の状態の高分子樹脂を蓄光顔料を構成する蓄光顔料粒子の表面にコーティングし、蓄光顔料粒子の表面に樹脂皮膜を形成することで、蓄光性塗料原料又は蓄光性インキ原料とする。
【0029】
このようにして、本実施例2に係る蓄光性塗料原料又は蓄光性インキ原料の製造方法により得られる蓄光性塗料原料又は蓄光性インキ原料によれば、実施例1の場合と同様、蓄光顔料粒子の表面に高分子樹脂の皮膜を形成するものであるから、蓄光顔料粒子を高分子樹脂の皮膜によりその内部に隔離することができる。
【0030】
この結果、本実施例2の蓄光性塗料原料又は蓄光性インキ原料を用いた蓄光性樹脂又は蓄光性インキ中にあって、反応し易い蓄光顔料粒子と、バインターのような有機物質とを隔離することができ、これにより、前記従来例で述べたような水酸化アルミニウムの発生や、反応助剤としての働きを防止することができる。また、空気中にあっては蓄光顔料粒子が水分と接触する機会がなくなるため、同様に水酸化アルミニウムの発生を防止することができ、安定した蓄光特性を長期間発揮させることができる。
【0031】
従って、本実施例2の蓄光性塗料原料又は蓄光性インキ原料の製造方法によれば、実施例1の場合と同様、従来困難であった蓄光顔料の塗料化、インキ化を実現し、様々な材料、場所に使用が可能な蓄光性塗料又は蓄光性インキの原料として好適な安定した蓄光特性を有する蓄光性塗料原料又は蓄光性インキ原料を得ることができ、より安全性向上、安全性確保に貢献することが可能となる。
【0032】
(実施例3)
本発明の実施例3に係る蓄光性塗料について図3を参照して説明する。
本実施例3に係る蓄光性塗料は、高分子樹脂を所定の温度に溶融し、液体の状態で蓄光顔料粒子の表面にコーティングを行い、樹脂皮膜を形成して蓄光性塗料原料とし、この蓄光性塗料原料、水等の塗料用液材、触媒である有機溶剤及びバインダーであるUV(紫外線)硬化樹脂を混合処理して得られるものである。前記高分子樹脂は、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等の中から選定したいずれかのものを使用する。
なお、本実施例3に係る蓄光性塗料は、高分子樹脂を所定の温度に溶融し、液体の状態で蓄光顔料粒子の表面にコーティングを行い、樹脂皮膜を形成して蓄光性塗料原料とし、この蓄光性塗料原料、水等の塗料用液材、触媒である有機溶剤、バインダーであるUV(紫外線)硬化樹脂、アクリル樹脂・ポリエステル樹脂を主として作られたエマルジョン樹脂・水溶性樹脂を混合処理して得ることもできる。
【0033】
本実施例3に係る蓄光性塗料によれば、実施例1で述べた前記蓄光性塗料原料を含むことから、安定した蓄光特性を長期間発揮させることができ、この蓄光性塗料の塗装面等の発光性能を飛躍的に向上し得るとともに、バインダーとしてUV硬化樹脂を用いていることから、例えば、この蓄光性塗料をコンクリート面等の対象物に施工後、高出力UV硬化装置を使用してその表面に紫外線を照射することにより、前記蓄光性塗料を瞬時(例えば、5〜7秒/m)に硬化させることができる。
これにより、施工面の養生は不必要となり、施工時間、養生時間を共に大幅に短縮できるという優れた効果を奏することができる。
【0034】
(実施例4)
本発明の実施例4に係る蓄光性塗料について図4を参照して説明する。
本実施例4に係る蓄光性塗料は、高分子樹脂を脂肪族を除いた有機溶剤に溶融し、液体の状態で蓄光顔料粒子の表面にコーティングを行い、高分子樹脂を溶融している有機溶剤を蒸発させ、樹脂皮膜を形成して蓄光性塗料原料とし、この蓄光性塗料原料、塗料用液材、触媒である有機溶剤及びバインダーであるUV(紫外線)硬化樹脂を用い、これらを混合処理して得られるものである。前記高分子樹脂は、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等の中から選定したいずれかのものを使用する。
なお、本実施例4に係る蓄光性塗料は、高分子樹脂を脂肪族を除いた有機溶剤に溶融し、液体の状態で蓄光顔料粒子の表面にコーティングを行い、高分子樹脂を溶融している有機溶剤を蒸発させ、樹脂皮膜を形成して蓄光性塗料原料とし、この蓄光性塗料原料、塗料用液材、触媒である有機溶剤、バインダーであるUV(紫外線)硬化樹脂、アクリル樹脂・ポリエステル樹脂を主として作られたエマルジョン樹脂・水溶性樹脂を用い、これらを混合処理して得ることもできる。
【0035】
本実施例4に係る蓄光性塗料によれば、実施例2で述べた前記蓄光性塗料原料を含むことから、安定した蓄光特性を長期間発揮させることができ、この蓄光性塗料の塗装面等の発光性能を飛躍的に向上し得るとともに、バインダーとしてUV硬化樹脂を用いていることから、実施例3の場合と同様、例えば、この蓄光性塗料をコンクリート面等の対象物に施工後、高出力UV硬化装置を使用してその表面に紫外線を照射することにより、前記蓄光性塗料を瞬時(例えば、5〜7秒/m)に硬化させることができる。これにより、施工面の養生は不必要となり、施工時間、養生時間を共に大幅に短縮できるという優れた効果を奏することができる。
【0036】
(実施例5)
本発明の実施例5に係る蓄光性塗料について図5を参照して説明する。本実施例5に係る蓄光性塗料は、高分子樹脂を脂肪族を除いた有機溶剤に溶融し、液体の状態で蓄光顔料粒子の表面にコーティングを行い、高分子樹脂を溶融している有機溶剤を蒸発させ、樹脂皮膜を形成して蓄光性塗料原料とし、この蓄光性塗料原料、塗料用液材、触媒である有機溶剤及びバインダーであるUV(紫外線)硬化樹脂(更にはアクリル樹脂・ポリエステル樹脂を主として作られたエマルジョン樹脂・水溶性樹脂を用いることもできる)、液体との接触によって膨潤する性質を有しハニカム構造の有機高分子を用いた分散剤を使用し、これらを例えば公知の方法により処理して得られるものである。前記高分子樹脂は、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等の中から選定したいずれかのものを使用する。
【0037】
本実施例5に係る蓄光性塗料によれば、実施例4の蓄光性塗料の場合と同様な作用、効果を発揮するとともに、液体との接触によって膨潤する性質を有しハニカム構造の有機高分子を用いた分散剤をも含むことから、従来の蓄光性塗料の場合と異なり、蓄光性塗料自体の分散硬化、長期保管後の再分散が容易な蓄光性塗料とすることができる。
【0038】
また、上述した実施例3乃至5の蓄光性塗料によれば、蓄光顔料に高分子樹脂によるコーティングを施した蓄光性塗料原料を用いるため、水性溶剤を使用して水性(水溶性、エマルジョン)塗料とすることもできる。
【0039】
(実施例6)
本発明の実施例6に係る蓄光性インキについて図6を参照して説明する。本実施例6に係る蓄光性インキは、高分子樹脂を所定の温度に溶融し、液体の状態で蓄光顔料粒子の表面にコーティングを行い、樹脂皮膜を形成して蓄光性インキとし、この蓄光性インキ原料、水等のインキ用液材、触媒である有機溶剤及びバインダーであるUV(紫外線)硬化樹脂(更にはアクリル樹脂・ポリエステル樹脂を主として作られたエマルジョン樹脂・水溶性樹脂を用いることもできる)を用い、これらを混合処理して得られるものである。前記高分子樹脂は、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等の中から選定したいずれかのものを使用する。
【0040】
本実施例6に係る蓄光性インキによれば、実施例1で述べた前記蓄光性インキ原料を含むことから、安定した蓄光特性を長期間発揮させることができ、この蓄光性インキの印刷面等の発光性能を飛躍的に向上し得るとともに、バインダーとしてUV硬化樹脂を用いていることから、例えば、この蓄光性インキを使用して非常口等を表示する誘導標識を作成し建造物等の現場に施工後、高出力UV硬化装置を使用してその表面に紫外線を照射することにより、前記蓄光性インキを瞬時(例えば、5〜7秒/m)に硬化させることができる。これにより、施工時間、養生時間を共に大幅に短縮できるという優れた効果を奏することができる。
【0041】
(実施例7)
本発明の実施例7に係る蓄光性インキについて図7を参照して説明する。本実施例7に係る蓄光性インキは、高分子樹脂を脂肪族を除いた有機溶剤に溶融し、液体の状態で蓄光顔料粒子の表面にコーティングを行い、高分子樹脂を溶融している有機溶剤を蒸発させ、樹脂皮膜を形成して蓄光性インキ原料とし、この蓄光性インキ原料、インキ用液材、触媒である有機溶剤及びバインダーであるUV(紫外線)硬化樹脂(更にはアクリル樹脂・ポリエステル樹脂を主として作られたエマルジョン樹脂・水溶性樹脂を用いることもできる)を用い、これらを混合処理して得られるものである。前記高分子樹脂は、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等の中から選定したいずれかのものを使用する。
【0042】
本実施例7に係る蓄光性インキによれば、実施例2で述べた前記蓄光性インキ原料を含むことから、安定した蓄光特性を長期間発揮させることができ、この蓄光性インキの印刷面等の発光性能を飛躍的に向上し得るとともに、バインダーとしてUV硬化樹脂を用いていることから、実施例6の場合と同様、例えば、この蓄光性インキを使用して非常口等を表示する誘導標識を作成し建造物等の現場に施工後、高出力UV硬化装置を使用してその表面に紫外線を照射することにより、前記蓄光性インキを瞬時(例えば、5〜7秒/m)に硬化させることができる。これにより、施工面の養生は不必要となり、施工時間、養生時間を共に大幅に短縮できるという優れた効果を奏することができる。
【0043】
(実施例8)
本発明の実施例8に係る蓄光性インキについて図8を参照して説明する。本実施例8に係る蓄光性インキは、高分子樹脂を脂肪族を除いた有機溶剤に溶融し、液体の状態で蓄光顔料粒子の表面にコーティングを行い、高分子樹脂を溶融している有機溶剤を蒸発させ、樹脂皮膜を形成して蓄光性インキ原料とし、この蓄光性インキ原料、インキ用液材、触媒である有機溶剤及びバインダーであるUV(紫外線)硬化樹脂(更にはアクリル樹脂・ポリエステル樹脂を主として作られたエマルジョン樹脂・水溶性樹脂を用いることもできる)、液体との接触によって膨潤する性質を有しハニカム構造の有機高分子を用いた分散剤を使用し、これらを混合処理して得られるものである。前記高分子樹脂は、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等の中から選定したいずれかのものを使用する。
【0044】
本実施例8に係る蓄光性インキによれば、実施例7の蓄光性インキの場合と同様な作用、効果を発揮するとともに、液体との接触によって膨潤する性質を有しハニカム構造の有機高分子を用いた分散剤をも含むことから、従来の蓄光性インキの場合と異なり、蓄光性インキ自体の分散硬化、長期保管後の再分散が容易な蓄光性インキとすることができる。
また、上述した実施例6乃至8の蓄光性インキによれば、蓄光顔料に高分子樹脂によるコーティングを施した蓄光性インキ原料を用いるため、水性溶剤を使用して水性(水溶性、エマルジョン)インキとすることもできる。
【0045】
次に、既述した本発明の実施例3乃至5に係る蓄光性塗料の具体的使用例について説明する。
この場合には、コンクリート壁面等にUV仕様の蓄光性塗料を塗布する例、コンクリート製外付け非常階段にUV仕様の蓄光性塗料を塗布する例、横断歩道の白線にUV仕様の蓄光性塗料を塗布する例、ビル等の建造物の玄関タタキのタイルにUV仕様の蓄光性塗料を塗布する例、コンクリートに水性エマルジョン蓄光性塗料を塗布する例、ベニア板に水溶性蓄光性塗料を塗布する例等を挙げることができる。
【0046】
既述した本発明の実施例6乃至8に係る蓄光性インキの具体的使用例について説明する。この場合には、UV仕様の蓄光性インキを使用して非常口等を表示する誘導標識を作成する例、UV仕様の蓄光性インキを使用して非常扉のノブ、ノブの回転方向、鍵穴等の表示する誘導標識、ラベル等を作成する例等を挙げることができる。
【0047】
上述した各実施例の蓄光性塗料、蓄光性インキの各使用例において、実施テスト後その性能を計測したところ、いずれの場合も消防法で規定するところの「照度200ルクスの外光を20分間照射し、その後20分経過した後における表示面が24ミリカンデラ毎平方メートル以上」という要件を確保できたことが判明した。
【0048】
また、蓄光性塗料の塗装厚さ及び蓄光性インキによる印刷厚さを施工時にコントロールすることも容易に可能であり、従ってその塗装厚さ、印刷厚さを調整することで施工面、印刷面の発光輝度も容易に調整可能であることも判明した。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明蓄光性塗料、蓄光性インキは、上述した場合の他、各種建造物内等の避難誘導用の各種形態の標識、ラベル等や、照明器具、家屋内の階段の手摺り等用等として幅広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施例1に係る蓄光性塗料原料又は蓄光性インキ原料の製造方法の工程を示すフローチャートである。
【図2】本発明の実施例2に係る蓄光性塗料原料又は蓄光性インキ原料の製造方法の工程を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施例3に係る蓄光性塗料の組成及び製造工程を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施例4に係る蓄光性塗料の組成及び製造工程を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施例5に係る蓄光性塗料の組成及び製造工程を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施例6に係る蓄光性インキの組成及び製造工程を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施例7に係る蓄光性インキの組成及び製造工程を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施例8に係る蓄光性インキの組成及び製造工程を示すフローチャートである。
【出願人】 【識別番号】506292608
【氏名又は名称】能登プロワークス株式会社
【識別番号】593043967
【氏名又は名称】水上 徹
【識別番号】506292505
【氏名又は名称】株式会社都市防災メディア
【出願日】 平成18年8月28日(2006.8.28)
【代理人】 【識別番号】100080528
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 冨士男


【公開番号】 特開2008−50537(P2008−50537A)
【公開日】 平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願番号】 特願2006−231237(P2006−231237)