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【発明の名称】 撥水撥油性顔料およびその製造方法並びにそれを含有する化粧料
【発明者】 【氏名】田中 巧

【氏名】後藤 武弘

【要約】 【課題】化粧料に配合されたときにその化粧料に撥水性および撥油性を付与することができるとともに、肌へのフィット感があり粉っぽさを感じさせない撥水撥油性顔料およびその製造方法並びにそれを含有する化粧料を提供する。

【構成】下記化学構造式(1)にて示されるパーフルオロアクリレート共重合体を有機系溶剤に溶解させた溶液と、顔料粉体とを混合分散機により混合する工程を経て、前記パーフルオロアクリレート共重合体が表面処理された撥水撥油性顔料を得る。この撥水撥油性顔料が配合された化粧料は化粧くずれや色くすみが抑えられるとともに、肌へのフィット感があり粉っぽさを感じさせない化粧料となる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学構造式(1)にて示されるパーフルオロアクリレート共重合体を顔料粉体に表面処理してなることを特徴とする撥水撥油性顔料。
【化1】


【請求項2】
請求項1に記載の撥水撥油性顔料の製造方法であって、
前記パーフルオロアクリレート共重合体を有機系溶剤に溶解させた溶液と、顔料粉体とを混合分散機により混合する工程を含むことを特徴とする撥水撥油性顔料の製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載の撥水撥油性顔料の製造方法であって、
前記パーフルオロアクリレート共重合体を有機系溶剤にその有機系溶剤の沸点以下10℃から沸点までの温度にて加温溶解させた溶液に顔料粉体を混合撹拌して得られる混合溶液を40℃以下の温度に冷却する工程を含むことを特徴とする撥水撥油性顔料の製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載の撥水撥油性顔料を含有してなることを特徴とする化粧料。
【請求項5】
下記化学構造式(1)にて示されるパーフルオロアクリレート共重合体が表面に2〜6質量%の量にて被覆された顔料粉体100質量部に対して、球状粉体を0.1〜5質量部の割合で含有してなることを特徴とする化粧料。
【化2】


【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ファンデーション、アイシャドー、ほほ紅等に代表されるメークアップ化粧料あるいはサンスクリーン化粧料に配合されて好適な撥水撥油性顔料およびその製造方法並びにそれを含有する化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ファンデーション、アイシャドー、ほほ紅等に代表されるメークアップ化粧料あるいはサンスクリーン化粧料には、通常、セリサイト、マイカ、タルクなどの体質顔料や、酸化チタンなどの白色顔料、酸化鉄などの着色顔料などが配合されている。しかし、それらの顔料は、両親媒性のため、水にも油にも馴染みやすく、これらを配合した化粧料は水や汗、皮脂などの分泌物により、化粧くずれと共に色くすみが起こってしまうという不具合がある。そこで、このような不具合を解決する目的で、化粧料に撥水性および撥油性を付与するために、下記一般化学式(2)にて示されるパーフルオロアルキルリン酸エステル化合物で表面処理された顔料粉体を化粧料に配合しているものがある(例えば、特許文献1〜3参照。)。

[RfC2nO]PO(OM)3−y ・・・・・(2)

(式中、Rfは炭素数3〜21のパーフルオロアルキル基またはパーフルオロオキシアルキル基を示し、直鎖状あるいは分岐状であって、単一鎖長のものであっても複合鎖長のものであってもよい。nは1〜12の整数を示し、yは1〜3の整数を示す。Mは水素、アルカリ金属、アンモニウムまたは置換アンモニウムを示す。)
【0003】
【特許文献1】特公平5−86984号公報
【特許文献2】特開平3−246210号公報
【特許文献3】特開平4−330007号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記一般化学式(2)にて示されるパーフルオロアルキルリン酸エステル化合物で表面処理された顔料では、化粧料に配合されたときにその化粧料に撥水性および撥油性を付与して化粧くずれや色くすみを抑えることができるものの、通常の油剤との濡れ特性が低いために化粧料に配合する際に特殊な油剤を使用しなければならなかったり、肌へのフィット感が優れなかったり、粉っぽい感触を与えてしまったりするという問題点がある。したがって、化粧料に容易に配合でき、かつ肌へのフィット感があり粉っぽさを感じさせない撥水性および撥油性を有する表面処理顔料が望まれている。
【0005】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、化粧料に配合されたときにその化粧料に撥水性および撥油性を付与することができるとともに、肌へのフィット感があり粉っぽさを感じさせない撥水撥油性顔料およびその製造方法並びにそれを含有する化粧料を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、第1発明による撥水撥油性顔料は、
下記化学構造式(1)にて示されるパーフルオロアクリレート共重合体を顔料粉体に表面処理してなることを特徴とするものである。
【化3】


【0007】
次に、第2発明による撥水撥油性顔料の製造方法は、
第1発明に係る撥水撥油性顔料の製造方法であって、
前記パーフルオロアクリレート共重合体を有機系溶剤に溶解させた溶液と、顔料粉体とを混合分散機により混合する工程を含むことを特徴とするものである。
【0008】
また、第3発明による撥水撥油性顔料の製造方法は、
第1発明に係る撥水撥油性顔料の製造方法であって、
前記パーフルオロアクリレート共重合体を有機系溶剤にその有機系溶剤の沸点以下10℃から沸点までの温度にて加温溶解させた溶液に顔料粉体を混合撹拌して得られる混合溶液を40℃以下の温度に冷却する工程を含むことを特徴とするものである。
【0009】
次に、第4発明による化粧料は、
第1発明に係る撥水撥油性顔料を含有してなることを特徴とするものである。
【0010】
また、第5発明による化粧料は、
下記化学構造式(1)にて示されるパーフルオロアクリレート共重合体が表面に2〜6質量%の量にて被覆された顔料粉体100質量部に対して、球状粉体を0.1〜5質量部の割合で含有してなることを特徴とするものである。
【化4】


【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、顔料粉体に前記化学構造式(1)にて示されるパーフルオロアクリレート共重合体が表面処理されるので、化粧料に容易に配合することができ、また化粧料に配合されたときにその化粧料に撥水性および撥油性を付与することができるとともに、肌へのフィット感があり粉っぽさを感じさせない撥水撥油性顔料を得ることができる。この撥水撥油性顔料を化粧料に配合することにより、化粧くずれや色くすみが抑えられるとともに、肌へのフィット感があり粉っぽさを感じさせない化粧料を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、本発明による撥水撥油性顔料およびその製造方法並びにそれを含有する化粧料の具体的な実施の形態について説明する。
【0013】
本発明に用いられる下記化学構造式(1)にて示されるパーフルオロアクリレート共重合体(以下、「フッ素化合物ポリマー」と称する。)は、旭硝子(株)より市販されている商品名AG−E067のフッ素化合物ポリマーをアルカリにて析出することにより得ることができる。
【0014】
【化5】


【0015】
前記、旭硝子(株)より市販の商品名AG−E067のフッ素化合物ポリマーをそのまま用いて表面処理顔料を製造することはできるが、この市販品のフッ素化合物ポリマーには酢酸が含有されており、水洗工程を入れても完全に酢酸を取り除くことができず、化粧料として配合されたときに異臭を放つという問題がある。
【0016】
そこで、本発明における前記化学構造式(1)にて示されるフッ素化合物ポリマーを得る方法としては、以下のような方法が挙げられる。まず、旭硝子(株)製AG−E067のフッ素化合物ポリマーを水に分散させ、その後、アルカリにて析出後、加温し熟成する。次いで、中和処理を行い、水洗ろ過を繰り返した後、乾燥を行うことで、前記化学構造式(1)にて示されるフッ素化合物ポリマーを得ることができる。
【0017】
本発明において、顔料粉体への表面処理方法としては以下のような方法が例として挙げられる。すなわち、前記化学構造式(1)にて示されるフッ素化合物ポリマーを適当な有機系溶剤にて沸点以下10℃から沸点までの温度に加温溶解後、混合分散機内で滴下または添加する方法で顔料粉体と混合した後、溶剤を除去し、必要に応じて粉砕することにより、前記化学構造式(1)にて示されるフッ素化合物ポリマーで表面処理された顔料粉体を得ることができる。ここで、前記化学構造式(1)にて示されるフッ素化合物ポリマーを有機系溶剤中で加温撹拌する際の温度としては、できるだけ該溶剤の沸点に近いほうがよく、沸点以下10℃よりも低い温度では、前記化学構造式(1)にて示されるフッ素化合物ポリマーが完全に溶解しないため好ましくない。
【0018】
前記化学構造式(1)にて示されるフッ素化合物ポリマーを溶解させるための有機系溶剤としては、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、エタノール、塩化メチレン等が挙げられるが、安全性、経時安定性を考慮すると、イソプロピルアルコールが好ましい。
【0019】
前記化学構造式(1)にて示されるフッ素化合物ポリマーを有機系溶剤に溶解させた溶液と顔料粉体との混合分散方法としては、溶液の濃度や粘度などに応じて適当な方法を選択することができ、好適な例としては、ディスパー、ヘンシェルミキサー、レディゲミキサー、ニーダー、V型混合機、ロールミル、ビーズミル、2軸混練機等の混合機による方法や、水溶液と顔料を加熱空気中に噴霧して水分を一気に除去するスプレードライなどの方法を選択することができる。なお、溶剤除去後に粉砕を行う場合においては、ハンマーミル、ボールミル、サンドミル、ジェットミル等の通常の粉砕機を用いることができるが、いずれの粉砕機によっても同等の品質のものが得られるため、特に限定されるものではない。
【0020】
本発明において、前記化学構造式(1)にて示されるフッ素化合物ポリマーの顔料粉体への表面処理方法としては以下のような方法も例として挙げられる。すなわち、前記化学構造式(1)にて示されるフッ素化合物ポリマーを溶剤中にて沸点以下10℃から沸点までの温度に加温溶解後、そのスラリー中に顔料粉体を混合撹拌し、十分に撹拌後、このスラリーを40℃以下に冷却することによりフッ素化合物ポリマーを再析出させ、これによって顔料粉体に表面処理を施すことができる。その後、ろ過脱水後、乾燥を行い粉砕することにより表面処理顔料を得ることができる。ここで、冷却により前記化学構造式(1)にて示されるフッ素化合物ポリマーを析出させるが、その際、40℃より高い温度では該フッ素化合物ポリマーが完全に析出しないため、40℃以下に冷却するのが好ましい。また、乾燥方法としては、加熱乾燥法、凍結乾燥法、噴霧乾燥法等が挙げられる。いずれの方法でも同等の品質のものが得られるため、特に限定されるものではない。また、粉砕工程においては、ハンマーミル、ボールミル、サンドミル、ジェットミル等の通常の粉砕機を用いることができるが、いずれの粉砕機によっても同等の品質のものが得られるため、特に限定されるものではない。
【0021】
本発明において、前記化学構造式(1)にて示されるフッ素化合物ポリマーの顔料粉体への表面処理量はその顔料粉体の種類によって異なるが、顔料粉体質量に対して0.05〜30質量%の範囲であり、好ましくは0.1〜20質量%の範囲である。表面処理量が顔料粉体質量に対して0.05質量%未満であると、撥水性あるいは撥油性もしくはその両方が発現しにくくなる。また、表面処理量が顔料粉体質量に対して30質量%を超えると、前記化学構造式(1)にて示されるフッ素化合物ポリマー同士の縮合などにより、表面処理顔料の感触や流動性に問題が生ずる。
【0022】
本発明において、前記化学構造式(1)にて示されるフッ素化合物ポリマーにより表面処理される顔料としては、無機顔料、有機顔料、プラスチック粉体顔料などが挙げられる。このうち、無機顔料としては、例えば酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、マイカ、セリサイト、タルク、シリカ、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、チタン被覆雲母、窒化ホウ素等が挙げられる。また、有機顔料としては、例えばリソールルビンB、レーキレッドC、リソールレッド、ローダミンB、ヘリンドンピンクCN、ベンジジンオレンジG、フタロシアニンブルー等が挙げられる。また、プラスチック粉体顔料としては、例えばナイロンパウダー、アクリルパウダー、シリコンパウダー、ウレタンパウダー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー等が挙げられる。
【0023】
本発明の撥水撥油性顔料が配合される化粧料においては、その撥水撥油性顔料以外に、通常の化粧料に用いられる油剤、粉体(顔料、色素、樹脂)、フッ素化合物、樹脂、界面活性剤、粘剤、防腐剤、香料、保湿剤、生理活性成分、塩類、溶媒、キレート剤、中和剤、pH調整剤等の成分を同時に配合することができる。
【0024】
前記粉体としては、例えば、赤色104号、赤色201号、黄色4号、青色1号、黒色401号等の色素、黄色4号アルミニウムレーキ、黄色203号バリウムレーキ等のレーキ色素、ナイロンパウダー、シルクパウダー、ウレタンパウダー、テフロン(登録商標)パウダー、シリコンパウダー、セルロースパウダー、シリコンエラストマー等の高分子、黄酸化鉄、赤色酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青等の有色顔料、酸化チタン、酸化セリウム等の白色顔料、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン等の体質顔料、雲母チタン等のパール顔料、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム等の金属塩、シリカ、アルミナ、窒化ホウ素等の無機粉体、微粒子酸化チタン、微粒子酸化鉄、アルミナ処理微粒子酸化チタン、シリカ処理微粒子酸化チタン、ベントナイト、スメクタイト等が挙げられる。これらの粉体の形状、大きさに特に制限はない。また、これらの粉体は従来公知の各種の表面処理がされていてもいなくても構わない。表面処理の例としては、例えばアクリルシリコン処理、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理、シリコンレジン処理、オクチルトリエトキシシラン処理、片末端反応性シリコン処理、N−アシル化リジン処理、有機チタネート処理、シリカ処理、アルミナ処理、セルロース処理、パーフルオロポリエーテル処理、フッ素化シリコンレジン処理など親水性、親油性、撥水性の各種の処理を用いることが可能である。
【0025】
本発明の撥水撥油性顔料を用いて化粧料を調製する場合、硫酸バリウム、窒化ホウ素などの滑りのよい板状の粉体や、樹脂または無機の球状粉体を合わせて配合することで、感触のよい、滑り性に優れる化粧料となる。これらの内、特に前記化学構造式(1)にて示されるフッ素化合物ポリマーが顔料表面に2〜6質量%の量にて被覆された顔料粉体100質量部に対して、球状粉体を0.1〜5質量部の範囲で配合することにより、塗布感が向上し、塗布後の肌感触も向上させることができる。なお、球状粉体の配合量が0.1質量部未満では塗布感が向上せず、5質量部を超えると、製剤の剤型によっては、化粧料が肌にうまく密着せず、化粧が汚くなったり、何度も化粧料を肌に馴染ませたりする必要が発生する場合がある。
【0026】
本発明において用いられる球状粉体としては、例えばシリコンレジン、シリコンエラストマー、ウレタン、ポリスチレン、ポリプロピレン、アルギン酸塩、ナイロン、アクリル樹脂等の樹脂製粉体や、シリカ、アルミナ、ジルコニア等の無機製粉体が挙げられる。ここでいう球状粉体とは、真球状または略球状の形態を持つものを指し、滑り性に優れるという特徴を持つ。また、球状粉体の大きさについては、その最大径が1〜20μmの範囲にあるものが好ましく、特に好ましくは1〜10μmの範囲にあるものである。
【0027】
前記油剤としては、例えばセチルアルコール、イソステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オクチルドデカノール等の高級アルコール、イソステアリン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸等の脂肪酸、グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール、ミリスチン酸ミリスチン、ラウリル酸ヘキシル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸イソプロピル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、モノステアリン酸グリセリン、フタル酸ジエチル、モノステアリン酸エチレングリコール、オキシステアリン酸オクチル等のエステル類、流動パラフィン、ワセリン、スクワラン等の炭化水素、ラノリン、還元ラノリン、カルナバロウ等のロウ、ミンク油、カカオ油、ヤシ油、バーム核油、ツバキ油、ゴマ油、ヒマシ油、オリーブ油等の油脂、エチレン・α−オレフィン・コオリゴマー等が挙げられる。また、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、フルオロアルキル・ポリオキシアルキレン共変性オルガノポリシロキサン、アルキル変性オルガノポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン、アモジメチコン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、シリコンゲル、アクリルシリコン、トリメチルシロキシケイ酸、シリコンRTVゴム等のシリコン化合物、パーフルオロポリエーテル、フッ化ピッチ、フルオロカーボン、フルオロアルコール、フッ素化シリコンレジン等のフッ素化合物が挙げられる。
【0028】
前記界面活性剤としては、例えばアニオン型界面活性剤、カチオン型界面活性剤、ノニオン型界面活性剤、ベタイン型界面活性剤を用いることができる。
【0029】
前記溶媒としては、例えば精製水、エタノール、軽質流動イソパラフィン、低級アルコール、エーテル類、LPG、フルオロカーボン、N−メチルピロリドン、フルオロアルコール、パーフルオロポリエーテル、代替フロン、揮発性シリコン等が挙げられる。
【0030】
本発明の化粧料の具体例としては、例えば、ファンデーション、白粉、コンシーラー、フェイスパウダー、ほほ紅、アイシャドー、アイライナー、チーク、口紅、ネイルカラー等のメイクアップ化粧料、乳液、クリーム、ローション、カラミンローション、サンスクリーン剤、サンタン剤、アフターシェーブローション、プレシェーブローション、パック料、クレンジング剤、洗顔料、アクネ対策化粧料等の基礎化粧料、ヘアカラー、ボディーパウダー、デオドラント、石鹸、ボディーシャンプー、入浴剤、香水等が挙げられる。
【0031】
本発明の化粧料に配合される前記撥水撥油性顔料の配合量としては、化粧料の総量に対して、0.1〜80質量%が好ましく、さらに好ましくは1〜60質量%である。なお、坑酸化剤の配合量としては、0.001〜10質量%が好ましい。
【0032】
本発明の化粧料の剤型としては、二層状、油中水型エマルション、水中油型エマルション、ジェル状、スプレー、ムース状、油性、固型状等、従来公知の剤型を使用することができる。特に、サンスクリーン剤の用途には、二層状、油中水型エマルション、ジェル状、水中油型エマルション、油性、ムース状等が好ましい。
【実施例】
【0033】
次に、本発明による撥水撥油性顔料およびその製造方法並びにそれを含有する化粧料の具体的な実施例について説明する。なお、本発明は以下に述べる実施例に限定されるものではない。
【0034】
(処理剤製造実施例)
ビーカーに旭硝子(株)製AG−E067を精製水と撹拌混合しフッ素ポリマー濃度2質量%になるように調整した。その後、1質量%水酸化ナトリウム溶液を混合液中へ滴下し、pHが9以上になるようにした。そして、60℃にまで加温し1時間熟成を行った後、希塩酸にて中和を行い、水洗ろ過後乾燥機によって乾燥を行い、下記化学構造式(1)にて示されるフッ素化合物ポリマーを得た。
【0035】
【化6】


【0036】
(製造実施例1)
ヘンシェルミキサーにセリサイト1kgを入れ、続いて前記処理剤製造実施例にて得られたフッ素化合物ポリマー50gをイソプロピルアルコール200gに80℃にて加温溶解させた溶液をあらかじめ加温したヘンシェルミキサー内に入れてセリサイトとよく混合した。その後、必要ならばヘンシェルミキサー内を減圧し、イソプロピルアルコールを除去した。そして、顔料粉体をヘンシェルミキサーから取り出し、粉砕してフッ素化合物ポリマーが5質量%表面処理されたセリサイトを得た。
【0037】
(製造実施例2,3)
製造実施例1と同様にしてセリサイトの代わりにタルクおよびマイカをそれぞれ用いてフッ素化合物ポリマーが5質量%表面処理されたタルク(製造実施例2)およびマイカ(製造実施例3)をそれぞれ得た。
【0038】
(製造実施例4)
ビーカー中に前記処理剤製造実施例にて得られたフッ素化合物ポリマー50gをIPA(イソプロピルアルコール)2kgに80℃にて加温溶解した。そのスラリー中に酸化チタン1kgを投入し、十分に撹拌混合後40℃にまで冷却を行った。その後、1kgの精製水を60分間かけてそのスラリー中に滴下した。そして、水洗、ろ過を行った後、乾燥、粉砕を行い、フッ素化合物ポリマーが5質量%表面処理された酸化チタンを得た。
【0039】
(製造実施例5,6,7)
製造実施例4と同様にして酸化チタンの代わりにベンガラ、黄酸化鉄および黒酸化鉄をそれぞれ用いてフッ素化合物ポリマーが5質量%表面処理されたベンガラ(製造実施例5)、黄酸化鉄(製造実施例6)および黒酸化鉄(製造実施例7)をそれぞれ得た。
【0040】
(製造比較例1)
酸化チタン1kgに対して下記一般化学式(2)にて示されるパーフルオロアルキルリン酸エステル化合物として数平均で炭素数が13の固形分として50gのパーフルオロアルキルリン酸エステルアンモニウム塩溶液をイソプロピルアルコール200gに混合し、その混合液と酸化チタン1kgとをヘンシェルミキサーで混合した。その後、ヘンシェルミキサーに熱をかけ、必要ならばヘンシェルミキサー内を減圧し、イソプロピルアルコールを除去した。顔料粉体をヘンシェルミキサーから取り出し、130℃で6時間加熱した後解砕して数平均で炭素数が13のパーフルオロアルキルリン酸エステルアンモニウム塩が5質量%表面処理された酸化チタンを得た。

[RfC2nO]PO(OM)3−y ・・・・・(2)

(式中、Rfは炭素数3〜21のパーフルオロアルキル基またはパーフルオロオキシアルキル基を示し、直鎖状あるいは分岐状であって、単一鎖長のものであっても複合鎖長のものであってもよい。nは1〜12の整数を示し、yは1〜3の整数を示す。Mは水素、アルカリ金属、アンモニウムまたは置換アンモニウムを示す。)
【0041】
(製造比較例2,3,4)
製造比較例1と同様にして酸化チタンの代わりにセリサイト、タルクおよびマイカをそれぞれ用いて数平均で炭素数が13のパーフルオロアルキルリン酸エステルアンモニウム塩が5質量%表面処理されたセリサイト(製造比較例2)、タルク(製造比較例3)およびマイカ(製造比較例4)をそれぞれ得た。
【0042】
(製造比較例5,6,7)
製造比較例1において顔料粉体をヘンシェルミキサーから取り出した後の加熱温度を130℃から110℃へと変更した以外は製造比較例1と同様にして酸化チタンの代わりにベンガラ、黄酸化鉄および黒酸化鉄をそれぞれ用いて数平均で炭素数が13のパーフルオロアルキルリン酸エステルアンモニウム塩が5質量%表面処理されたベンガラ(製造比較例5)、黄酸化鉄(製造比較例6)および黒酸化鉄(製造比較例7)をそれぞれ得た。
【0043】
前記製造実施例1〜7および製造比較例1〜7により得られたそれぞれの表面処理顔料の撥水撥油性を評価するために、水と流動パラフィンによる接触角を測定した。その結果が表1に示されている。なお、接触角の測定には、エルマー社製ゴニオメーター式接触角測定装置を用いた。
【0044】
【表1】


【0045】
(実施例1)
製造実施例1,2および製造実施例4〜7で得られた表面処理顔料を用いて以下の配合にてパウダーファンデーションを調製した。
まず、パウダーベースを以下の配合にて調製した。
<パウダーベース配合>
表面処理セリサイト(製造実施例1) 残量
表面処理タルク (製造実施例2) 27.0
表面処理酸化チタン(製造実施例4) 10.0
表面処理黄酸化鉄 (製造実施例6) 2.0
表面処理ベンガラ (製造実施例5) 0.6
表面処理黒酸化鉄 (製造実施例7) 0.1
球状シリコンレジンパウダー 2.0
メチルパラベン 0.1
合計100.0

次に、バインダーベースを以下の配合で調製した。
<バインダーベース配合>
ジメチルポリシロキサン(20CS) 70.00
ジメチルポリシロキサントリメチ
ルシロキシシリケート 29.85
フェノキシエタノール 0.10
トコフェノール 0.05
合計100.00

そして、前記パウダーベースおよびバインダーベースをそれぞれ90%および10%になるようにミキサーで混合しパウダーファンデーションを得た。
【0046】
(比較例1)
製造比較例1〜3および製造比較例5〜7で得られた表面処理顔料を用いて実施例1と同様にしてパウダーファンデーションを作製した。
【0047】
(比較例2)
実施例1において球状シリコンレジンパウダーの代わりに表面処理セリサイトを用いた他は全て実施例1と同様にしてパウダーファンデーションを作製した。
【0048】
実施例1および比較例1のそれぞれのパウダーファンデーションについて、フィット感、粉っぽさ、のび、について評価した。その結果が表2に示されている。
【0049】
【表2】


【0050】
表2より明らかなように、前記化学構造式(1)にて示されるフッ素化合物ポリマーで表面処理された顔料粉体を配合した化粧料(実施例1)の方が、従来の前記一般化学式(2)にて示されるパーフルオロアルキルリン酸エステル化合物で表面処理された顔料粉体を配合した化粧料(比較例1)と比べて、フィット感やのびがあり、また粉っぽさを感じさせないものであることが分かる。
【0051】
また、実施例1および比較例2のそれぞれのパウダーファンデーションについて、塗布感および塗布後の肌感触について評価した。その結果が表3に示されている。
【0052】
【表3】


【0053】
表3より明らかなように、球状粉体が一定量配合されている化粧料(実施例1)は、球状粉体が配合されていない化粧料(比較例2)と比べて、塗布感と塗布後(30分後)の肌感触がより向上していることが分かる。
【0054】
以上のことから、前記化学構造式(1)にて示されるフッ素化合物ポリマーにより表面処理された表面処理顔料は、従来の前記一般化学式(2)にて示されるパーフルオロアルキルリン酸エステル化合物により表面処理された表面処理顔料と比べて、化粧料に配合されたときにその化粧料をフィット感があり粉っぽさを感じさせない化粧料とすることができる。
【出願人】 【識別番号】391015373
【氏名又は名称】大東化成工業株式会社
【出願日】 平成18年8月22日(2006.8.22)
【代理人】 【識別番号】100097755
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 勉


【公開番号】 特開2008−50387(P2008−50387A)
【公開日】 平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願番号】 特願2006−225085(P2006−225085)