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廃プラスチックの熱分解処理装置及び熱分解処理方法 - 特開2008−13595 | j-tokkyo
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【発明の名称】 廃プラスチックの熱分解処理装置及び熱分解処理方法
【発明者】 【氏名】中塚 廣重

【氏名】村田 敏幸

【氏名】中島 勝也

【要約】 【課題】熱分解槽内の残渣を容易に回収除去し、且つ攪拌器の損傷を防止できる耐久性の高い熱分解処理装置を提供する。

【構成】廃プラスチック油化処理システムに設置される熱分解処理装置1であって、炉部6による加熱で廃プラスチックを熱分解する熱分解槽2と、熱分解槽2内に回転可能に支持され、廃プラスチックを攪拌する攪拌器3と、攪拌器3に作用する負荷トルクを検出するトルクセンサ4と、トルクセンサ4により検出された負荷トルクに応じて、攪拌器3の回転を制御する制御装置5と、を備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃プラスチック油化処理システムに設置される熱分解処理装置であって、
加熱手段による加熱で廃プラスチックを熱分解する熱分解槽と、
前記熱分解槽内に回転可能に支持され、廃プラスチックを攪拌する攪拌器と、
前記攪拌器に作用する負荷トルクを検出するトルク検出手段と、
前記トルク検出手段により検出された負荷トルクに応じて、前記攪拌器の回転を制御する制御手段と、
を備えた熱分解処理装置。
【請求項2】
前記制御手段は、検出された負荷トルクが所定値以下の時に、前記攪拌器が攪拌を開始するように制御する、請求項1に記載の熱分解処理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
廃プラスチックから熱分解ガスを生成するために第1の温度まで昇温した後、廃プラスチックを炭化させるために第2の温度まで昇温するように前記熱分解槽内の温度を制御する、請求項1に記載の熱分解処理装置。
【請求項4】
廃プラスチック油化処理システムにおける廃プラスチックを熱分解するための方法であって、
廃プラスチックを熱分解槽内に投入する投入工程と、
前記熱分解槽内の廃プラスチックを加熱して熱分解する熱分解工程と、を備え、
前記熱分解工程では、粘度に応じて加熱された廃プラスチックを撹拌器によって攪拌する、熱分解処理方法。
【請求項5】
前記撹拌器に作用する負荷トルクを検出し、当該トルクに応じて前記撹拌器の回転を制御する、請求項4に記載の熱分解処理方法。
【請求項6】
前記熱分解工程は、
第1の温度において、廃プラスチックから熱分解ガスを生成する工程と、
前記第1の温度より高い第2の温度において、熱分解ガスを生成した後の廃プラスチックを炭化する工程と
を備えている、請求項4または5に記載の熱分解処理方法。
【請求項7】
前記熱分解工程の後、前記分解層内に生じた残渣を吸引機により吸引して回収除去する回収除去工程をさらに備えている、請求項4から5のいずれかに記載の熱分解処理方法。
【請求項8】
前記熱分解槽を少なくとも2つ準備し、
一方の熱分解槽で前記投入工程及び熱分解工程を経た後、前記熱分解槽の冷却を行う工程を行い、
他方の熱分解槽では、一方の熱分解槽で冷却工程を行っている間に、熱分解工程を開始する、請求項4から7のいずれかに記載の熱分解処理方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、廃プラスチック油化処理装置に設置される熱分解処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、循環型経済社会を形成するための取り組みがさまざまな分野で行われ始め、廃プラスチックについてもそのリサイクルの必要性が高まっている。廃プラスチックのリサイクル処理の一つとして、廃プラスチックから油を取り出す油化という処理が知られている。このような油化処理では、まず熱分解槽に廃プラスチックを投入し、熱分解槽内の廃プラスチックを加熱分解して熱分解ガスを生成し、その生成した熱分解ガスを冷却して油を得ている。しかし、このような油化処理では、熱分解槽で廃プラスチックを加熱分解した際に熱分解ガスとともに残渣が発生し、この残渣が熱分解槽の内壁(底面を含む)に固着してしまう。よって、この固着した残渣の排出作業を容易化するために、例えば特許文献1に記載の油化処理装置では、熱分解槽内に着脱可能な内釜で廃プラスチックの熱分解を行うよう構成されている。この装置では、上記廃プラスチックの残渣を回収する際は、内釜を熱分解槽から取り外して内釜内の残渣を取り出すことができる。しかしながら、特許文献1に記載したような熱分解処理装置でも、内釜の内壁に残渣が固着するので、その固着した残渣を掻き取り除去するという作業は従来の装置と同様に必要であり、生産性の向上が十分でないといった問題があった。この問題を解消するため、例えば特許文献2に記載したような熱分解処理装置では、攪拌器を熱分解槽内に設置し、熱分解槽内の廃プラスチックを攪拌器で攪拌させながら溶融させているため、残渣が熱分解槽の内壁に固着しにくい構成となっている。
【特許文献1】特開平8−170081号公報
【特許文献2】特開平9−13044号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献2に記載の攪拌器は、熱分解槽内の廃プラスチックの粘度に関係なく、常に一定の回転速度で回転している。このため、熱分解槽内の廃プラスチックが投入したばかりの溶融していない廃プラスチックの場合では、攪拌器がその溶融していない廃プラスチックと衝突することで、攪拌器の攪拌翼が損傷し、破損してしまうといった問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、熱分解槽内の残渣を容易に回収除去し、且つ攪拌器の損傷を防止できる耐久性の高い熱分解処理装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る熱分解処理装置は、上記課題を解決するためになされたものであり、廃プラスチック油化処理システムに設置される熱分解処理装置であって、加熱手段による加熱で廃プラスチックを熱分解する熱分解槽と、前記熱分解槽内に回転可能に支持され、廃プラスチックを攪拌する攪拌器と、前記攪拌器に作用する負荷トルクを検出するトルク検出手段と、前記トルク検出手段により検出された負荷トルクに応じて、前記攪拌器の回転を制御する制御手段と、を備えている。
【0006】
一般的な熱分解処理装置では、攪拌器の回転の制御を、例えば廃プラスチックの温度や熱分解槽内の温度を検出して、その検出した温度に応じて行うように制御手段を構成することが考えられる。しかし、熱分解槽には通常種々の廃プラスチックが投入されるので、投入された廃プラスチックの種類によって溶融が始まる温度がそれぞれ異なる。このように、廃プラスチックの種類によって溶融が始まる温度がそれぞれ異なるので、検出した熱分解槽内の温度から廃プラスチックの溶融状態を判断することは困難であり、温度だけに基づいた制御では、溶融していない廃プラスチックを撹拌してしまうこともあり、撹拌器を損傷することが考えられる。これに対して、本発明に係る熱分解処理装置の上記構成によれば、熱分解槽内の温度ではなく、攪拌器に作用する負荷トルクに応じて攪拌器の回転を制御手段により制御している。ここで、攪拌器に作用する負荷トルクは廃プラスチックの溶融状態により変化する。したがって、攪拌器に作用する負荷トルクに応じて攪拌器の回転を制御することで、攪拌器の回転を熱分解槽内の廃プラスチックの溶融状態に応じて制御することができる。
【0007】
特に、上記制御手段は、検出された負荷トルクが所定値以下の時に、攪拌器が攪拌を開始するように制御するよう構成することができる。このように構成することで、例えば、攪拌器に作用する負荷トルクが大きいとき、すなわち熱分解槽内の廃プラスチックの粘度が高い状態又は廃プラスチックが溶融していない状態では、攪拌器は廃プラスチックの攪拌をしないよう制御することができる。そして、攪拌器に作用する負荷トルクが小さくなり始めるとき、すなわち熱分解槽内の廃プラスチックが溶融し始めて粘度が低くなり始めるときに、攪拌器が攪拌し始めるよう制御することができる。このため、廃プラスチックの粘度が高いとき、又は廃プラスチックが溶融していないときに攪拌が始まることに起因する攪拌器の破損等を防ぐことができる。
【0008】
また、上記制御手段は、熱分解槽内の温度をさらに制御するよう構成することができる。すなわち、上記制御手段は、廃プラスチックから熱分解ガスを生成するための第1の温度まで昇温した後、廃プラスチックを炭化させるための第2の温度まで昇温するように熱分解槽内の温度を制御することが好ましい。
【0009】
このように、熱分解槽内の温度を炭化させるための温度までいきなり昇温させるのではなく、例えば、一旦熱分解ガスを生成するための第1の温度まで昇温させてその第1の温度を所定時間維持し、その後第2の温度まで昇温させるよう2段階の昇温を行うことで、熱分解ガス中の炭素分を低減させることができ、その結果良質な油を回収することを可能にする。
【0010】
また、本発明に係る熱分解処理方法は、上記課題を解決するためになされたものであり、廃プラスチック油化処理システムにおける廃プラスチックを熱分解するための方法であって、廃プラスチックを熱分解槽内に投入する投入工程と、前記熱分解槽内の廃プラスチックを加熱して熱分解する熱分解工程と、を備え、前記熱分解工程では、粘度に応じて加熱された廃プラスチックを撹拌器によって攪拌する。
【0011】
この方法によれば、廃プラスチックの粘度に応じて攪拌するため、廃プラスチックが高粘度のとき、すなわち、廃プラスチックの溶融が始まっていないときは攪拌を停止させることができるため、攪拌に使用する器具の損傷を防ぐことができる。
【0012】
なお、上記方法においては、撹拌器に作用する負荷トルクを検出し、当該負荷トルクに応じて前記撹拌器の回転を制御することが好ましい。
【0013】
上記熱分解工程は、第1の温度において、廃プラスチックから熱分解ガスを生成する工程と、第1の温度より高い第2の温度において、熱分解ガスを生成した後の廃プラスチックを炭化する工程とを備えていることが好ましい。このように2段階の昇温を行うことで、熱分解ガス中の炭素分を低減させることができ、結果良質な油を回収することを可能とする。
【0014】
また、上記方法を経ると、残渣を乾燥した状態で得られることから、熱分解工程の後、熱分解層内に生じた残渣を吸引機により吸引して回収除去する回収除去工程をさらに備えていてもよい。これにより、より容易に残渣を回収除去することができる。
【0015】
また、熱分解槽を少なくとも2つ準備し、一方の熱分解槽で前記投入工程及び熱分解工程を経た後、前記熱分解槽の冷却を行う工程を行い、他方の熱分解槽では、一方の熱分解槽で冷却工程を行っている間に、熱分解工程を開始してもよい。このように2つの熱分解槽を交互に使用することで、通常長時間要する熱分解槽の冷却時間を有効に利用することができ、生産性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、熱分解槽内の残渣を容易に回収除去し、且つ攪拌器の損傷を防止できる耐久性の高い熱分解処理装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る廃プラスチックの熱分解処理装置の一実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。図1は本実施形態に係る熱分解処理装置が設置される廃プラスチック油化処理システムのフロー図である。
【0018】
図1に示すように、本実施形態に係る熱分解処理装置1は、廃プラスチック油化処理システム10に設置されている。ここで、まず廃プラスチック油化処理システム10について説明する。廃プラスチック油化処理システム10の最上流には、処理対象となる廃プラスチックを熱分解し、廃プラスチックから熱分解ガスを生成するための熱分解処理装置1が配置されている。この熱分解処理装置1の下流には、熱分解ガス中のタールを除去するためのタール除去装置200、熱分解ガスを改質するための触媒装置300がこの順で配置されている。さらにこの下流には熱分解ガスを冷却凝縮して油を生成するための凝縮装置400、生成された油から水を分離するための油水分離装置500が配置されている。また、水が分離された油は、油タンク600に貯蔵されるとともに、凝縮装置400で凝縮されないいわゆるオフガス中の塩化水素は脱塩装置700で除去される。以下、上述した各装置について説明する。
【0019】
図2は熱分解処理装置1の側面断面図、図3は熱分解処理装置1の正面断面図である。図2及び図3に示すように、熱分解処理装置1は、廃プラスチックを熱分解する熱分解槽2と、この熱分解槽2を加熱する炉部(加熱手段)6とを備えている。熱分解槽2は、椀状に膨出した曲面状の底面21及び上面22を有する円筒型に構成されており、炉部6内に収容できるように構成されている。熱分解槽2の上面22には、廃プラスチックを投入するために開閉可能な蓋部23と、廃プラスチックから発生する熱分解ガスを排出する排出管24とが設けられている。なお、排出管24は、熱分解槽2を炉部6に設置したときに、タール除去装置200に繋がる第1ガス管210と連通するように構成されている。また、熱分解槽2の上面22には、槽内の温度を測定するための温度計測器25が設置されている。温度計測器25には、図1に示す制御装置5が接続されており、温度計測器25で計測した熱分解槽2内の温度信号を受信し、その熱分解槽2内の温度に応じてバーナの火力を調整する。
【0020】
また、熱分解槽2には、熱分解槽2内の廃プラスチックを攪拌するための攪拌器3が回転可能に支持されている。攪拌器3は、熱分解槽2の上面22を貫通して回転可能に支持された回転軸31と、回転軸31の下端311に固定して取り付けられて熱分解槽2内を攪拌する攪拌羽根32とを備えており、回転軸31の上端には、回転軸31を回転させるモータ33が取り付けられている。攪拌羽根32は、椀状に膨出した底面21に沿うように形成された湾曲部321とその湾曲部の両端を結ぶ直線部322とから構成されており、その撹拌羽根32の平面視中心で回転軸31が連結している。また、攪拌器3の回転軸31の上端付近にはトルクセンサ(トルク検出手段)4が取り付けられ、トルクセンサ4は廃プラスチックによって攪拌器3に作用する負荷トルクを検出している。そして、上述した制御装置5は、撹拌器3にも接続されており、トルクセンサ4で検出した負荷トルクに応じて、モータ33を制御することで攪拌器3の回転を制御する。
【0021】
炉部6は、上部が開口しており、その開口部から熱分解槽2を収容できるよう構成されている。また、収容した熱分解槽2を加熱するために、対向する側壁のそれぞれにバーナ61が設置されている。このバーナ61は、サービスタンク62や脱塩装置700と接続しており、後述する脱塩装置700からのオフガスや、サービスタンク62からのオイルを燃料として燃焼を行う。また、サービスタンク62には、その燃料供給量を制御する制御装置5が接続されている。
【0022】
図1に戻って油化処理システム10の説明を続ける。同図に示すように、熱分解処理装置1の排出管24は第1ガス管210と連結しており、熱分解処理装置1で生成された熱分解ガスはタール除去装置200に供給される。
【0023】
図4は、タール除去装置200及び触媒装置300を示す拡大正面図である。図4に示すように、タール除去装置200は、中空円筒状の円筒本体201を備えており、円筒本体201内には、上部に空間ができるように一定量の油204が封入されている。円筒本体201の上部空間部の側面には、外部の油供給源(図示省略)から油204を供給するための供給ライン205が接続されている。この供給ライン205には開閉自在のバルブ206が設けられている。なお、円筒本体201内の油204が減ると自動的に開状態となって円筒本体201内に油を供給するようにバルブ206を自動制御することもできる。ここで、油の温度は250〜350℃とするのが好ましく、280〜320℃とするのがさらに好ましい。
【0024】
また、タール除去装置200は、第1ガス管210からの熱分解ガスを円筒本体201内に供給する供給管207を備えている。供給管207は、下方に屈曲するL字状に形成されている。つまり、円筒本体201の外部から外周面を貫通して上部空間へ水平に延びるとともに、そこから下方へ屈曲して下方端208が油204内に位置するように延びている。また、円筒本体201の外部へ延びた供給管207の他方端209は、第1ガス管210と連結している。このように、供給管207の下方端208が油204内に位置しているために、供給管207から排出されて円筒本体201の上部空間内まで進んだ熱分解ガスは、油204のために供給管207へ逆流することがなく、ひいては熱分解処理装置1へも逆流することがない。また、供給管207の下方端208が下向きに開口しているために、第1ガス管210内で自然冷却されて凝固したタールが、供給管207の下方端208から供給されて円筒本体201の底面に落下するように構成されている。このように底面に落下したタールを外部に排出するために、円筒本体201の底面には開閉自在のバルブ203を有する排出管202が設けられている。また、円筒本体201の上部空間の側面には、第2ガス管310と連結するよう構成された排出部211が設けられており、タールを除去した熱分解ガスを触媒装置300へ排出するよう構成されている。
【0025】
触媒装置300は、中空円筒状の円筒本体301を備えており、円筒本体301の内部には、熱分解ガスを改質するための触媒、例えばゼオライト触媒等を充填させている。また、円筒本体301の底面には三つ又状の連結管302の3つの端部の内の上端が連結されている。連結管302の水平方向を向く水平端は第2ガス管310と連結しており、連結管302の下方端は開閉自在のバルブ304を有する排出管303と連結している。このように、連結管302の下方端が排出管303と連結しているために、熱分解ガスがタール除去装置200でタールが十分に除去されずに第2ガス管310に排出された場合でも、第2ガス管310内で自然冷却されてタールが凝固し、連結管302の下方端から重力で排出管303へ落下し、バルブ304を開いて外部へ排出することが可能となる。また、円筒本体301の外周面上部には第3ガス管410と連結するよう構成された排出部305が設けられている。
【0026】
図5は凝縮装置400を示す正面断面図、図6は凝縮装置400の隔壁404をA方向から見た詳細を示す拡大図である。図5に示すように、凝縮装置400は、中空円筒状の冷却タンク401と、ストックタンク406とを備えている。冷却タンク401は、その軸方向が水平となるように設置されており、一方端側の上部に供給部402が形成されるとともに、他方端側上部に排出部403が形成されている。この供給部402には触媒装置300からの第3ガス管410が連結されており、排出部403には脱塩装置700へ繋がる第4ガス管710が連結されている。また、冷却タンク401には、その内部を軸方向(図5の左右方向)で6つの室に区画するよう5つの隔壁404が設けられている。図6に示すように、隔壁404の上半分には複数の孔405が形成されており、その孔405を熱分解ガスが通過可能となっている。
【0027】
また、冷却タンク401の外周面には、冷却水を流すための水路(図示省略)が形成されている。この冷却タンク401の外周面を流れる冷却水によって、熱分解ガスが冷却タンク401を供給部402から排出部403まで隔壁404の孔405を通過して流れる間に冷却凝縮されて、各室で油が生成される。なお、熱分解ガスは、冷却タンク401内を供給部402から排出部403に進むにしたがって冷却されるので、沸点の高い油は供給部402側の室で凝縮されて生成され、沸点の低い油は排出部403側の室で生成されるというように、沸点の差によって油が生成される室を分けることができる。
【0028】
ストックタンク406は、冷却タンク401の各室で生成された油をストックするために、冷却タンク401の下方に設置されている。ストックタンク406は、冷却タンク401の各室と対応するように複数の室が形成されており、ストックタンク406の各室は、バルブ408を有する連結管407を介して、対応する冷却タンク401の各室と連結されている。また、ストックタンク406の各室は、ストックされた油を図1に示す油水分離装置500へ送るための配管409が接続されている。
【0029】
油水分離装置500は、油と水の比重の違いを利用して油と水とに分離するよう構成されている。油水分離装置500の下流には、水が分離された油を貯蔵するための油タンク600が設置されている。
【0030】
図1に示すように、上述した冷却タンク401の排出部403と連結した第4ガス管710は、脱塩装置700と連結している。
【0031】
図7は、脱塩装置700を示す正面断面図である。図7に示すように、脱塩装置700は、中空円筒状の円筒本体701を備えている。円筒本体701は、その軸方向が水平となるように設置されている。また、円筒本体701には、円筒本体701を軸方向(図7の左右方向)に2室に分ける隔壁702が形成されている。隔壁702は円筒本体701の上部までは形成されておらず、このため、円筒本体701の2室はその上部で連通している。円筒本体701の2室のうちの一方の室には水703が溜められており、この水にオフガスが供給される。
【0032】
また、脱塩装置700は、第4ガス管710からのオフガスを円筒本体701内に供給する供給管705を備えている。供給管705は、水平方向に屈曲するL字状に形成されている。つまり、円筒本体701の外部から外周面を貫通して水703内まで鉛直下向きに延びる連結部707と、水703内まで延びた連結部707の一方端と連結し水703内を水平に延びる供給部706とから構成されている。また、円筒本体701の外部へ延びた連結部707の他方端は、第4ガス管710と連結している。供給部706は複数の孔が形成されており、その孔からオフガスが水703中に供給される。このように、供給部706が水703内に配置されているために、供給部706から供給され水703内を気泡として上昇したオフガスは、その水703のために逆流することが防止される。
【0033】
また、散布管704が、隔壁702で区切られた他方の室内の上方で水平に延びている。この散布管704は、円筒本体701を貫通して外部へ延びて水酸化ナトリウム水溶液の供給源(図示省略)と連結しており、円筒本体701の他方の室に水酸化ナトリウム水溶液を散布するよう構成されている。このように、散布管704から水酸化ナトリウム水溶液が散布されるために、円筒本体701の他方の室には塩化ナトリウム水溶液が溜まるが、この塩化ナトリウム水溶液が一方の室へ流入しないよう、円筒本体701の隔壁702上端より低い位置に第2の排出部709が設けられている。円筒本体701の他方室側端部の上部には第1排出部708が設けられており、第1排出部708は、バーナ61へと繋がる第5ガス管810が連結されている。なお、上記のように水酸化ナトリウム水溶液を散布するのではなく、他方の室内に予め水酸化ナトリウム水溶液を注入しておくこともできる。
【0034】
次に、上記のように構成された廃プラスチック油化処理システム10による油化処理方法を図面を参照しつつ説明する。
【0035】
まず、図1、図2及び図3に示すように、投入位置に配置された熱分解槽2の蓋部23を開け、この開口部から廃プラスチックを投入する。
【0036】
廃プラスチックを熱分解槽2内に種々の手段で投入して蓋部23を閉めた後、熱分解槽2をクレーン等により投入位置から移動させて炉部6内に収容し、熱分解槽2の上部から延びる排出管24をタール除去装置200に繋がる第1ガス管210と連結させる。
【0037】
このように炉部6へ熱分解槽2を設置した後、制御装置5によってサービスタンク62からの燃料供給を開始してバーナ61の燃焼を開始させ、熱分解槽2を加熱する。バーナ61によって熱分解槽2を加熱することで、熱分解槽2内の温度は徐々に上昇すると、熱分解槽2内の廃プラスチックが溶融を始める。
【0038】
一方、熱分解槽2を炉部6に設置後、攪拌器3の回転軸31をモータ33により所定の回転数で回転させる。このようにモータ33で回転軸31を回転させることにより、攪拌羽根32には熱分解槽2内の廃プラスチックによる負荷トルクが作用する。ここで、撹拌羽根32に作用する負荷トルクは、廃プラスチックの溶融状態によって変化する。そのため、負荷トルクが所定値より大きい場合、すなわち、廃プラスチックが溶融していない、又は溶融し始めの高粘度の状態では、モータ33は攪拌羽根32が攪拌しないような低駆動トルクで回転軸31を回転させている。そして、上述したように、熱分解槽2内の温度を上昇させることで廃プラスチックが溶融を始めると、廃プラスチックの粘度が低下し、攪拌羽根32に作用する負荷トルクも低下する。負荷トルクが所定値以下となると、それを検知した制御装置5により、上記負荷トルクに打ち勝つようにモータ33による回転軸31への駆動トルクを増加させて攪拌羽根32の攪拌を開始させる。ここでいう、攪拌羽根31の攪拌を開始するための所定値とは、モータ33の出力や攪拌器3の強度、熱分解槽2内の廃プラスチックの量等によっても変わるが、6〜12N/mmとすることが好ましい。このように、廃プラスチックの溶融状態によって攪拌器3の攪拌の開始させる。
【0039】
こうして、熱分解槽2内の廃プラスチックを攪拌器3により攪拌させながら、バーナ61による熱分解槽2の加熱を続けることで、図8のグラフに示すように、熱分解槽2内の温度を上昇させる。なお、図8は、横軸を加熱時間t(分)、縦軸を熱分解槽2内の温度(℃)としたグラフである。ここで、熱分解槽2内の温度を、熱分解ガスを生成するための温度である500〜600℃程度まで一気に上昇させると、廃プラスチックの炭素―炭素結合が十分に切断されることなく熱分解してガスが発生してしまうため、生成された熱分解ガスは炭素数が多くなってしまう。
【0040】
そこで、本実施形態では、まず第1の温度Tである300〜400℃まで熱分解槽2内の温度を上昇させ、その過程で廃プラスチック中の炭素―炭素結合を切断しつつ、バーナ61による熱分解槽2の加熱を続ける。そして、熱分解槽2内の温度が第1の温度Tまで上昇したことを温度計測装置25からの信号で制御装置5が検知すると、制御装置5は第1の温度Tを保持するようサービスタンク62からの燃料供給量を調整することでバーナ67の火力を制御する。なお、第1の温度Tは180〜240分保持することが好ましい。そして、第1の温度Tを前記の所定時間保持した後、第1の温度Tからさらに、廃プラスチックを熱分解して熱分解ガスを生成するための第2の温度T2である500〜600℃まで熱分解槽2内の温度が上昇するよう、制御装置5によりサービスタンク62からの燃料供給量を調整してバーナ61の火力を制御する。熱分解槽2内の温度が第2の温度まで上昇すると、廃プラスチックが熱分解を始め、熱分解ガスが発生する。この熱分解ガスは、排出管24から排出されてタール除去装置200に送られる。このように、第1の温度T1で一旦昇温を停止して所定時間保持し、その後第2の温度T2まで昇温させることで、廃プラスチックの炭素―炭素結合を十分に切断して、炭素数の少ない熱分解ガスを生成することができる。
【0041】
第2の温度T2を約1時間程度保持し、廃プラスチックから十分に熱分解ガスを生成した後は、バーナ61による加熱を停止して、熱分解槽2を自然冷却させる。この場合、例えばブロアーによって熱分解槽2に空気を送ることで強制冷却することもできる。なお、熱分解槽2の冷却中も攪拌器3は攪拌し続けている。このような廃プラスチックの熱分解処理では、熱分解ガスと同時に残渣と呼ばれる炭化物が生成される。そのため、熱分解槽2が十分に冷却された後に熱分解槽2の蓋部23を開けて、そこから吸引機(図示省略)で熱分解槽2内の残渣を吸引して回収する。なお、上記熱分解工程中、攪拌器3により溶融した廃プラスチックを攪拌させているために、熱分解槽2内の残渣は塊状ではなく粉末状となり、吸引機等で吸引回収するなどして容易に回収することができる。
【0042】
このようにして、熱分解処理装置1によって熱分解ガスを生成するが、一般に廃プラスチックを熱分解した際には粘性のある褐色又は黒色の液体であるタールが得られる。本実施形態に係る熱分解処理装置1では500〜600℃程度の高温で熱分解を行うために、上記タールは気化して熱分解ガス中に混合している。熱分解ガスは種々の処理を行うためにガス管内を移動するが、このガス管内の移動中に外気温で自然冷却されることで、熱分解ガス中の気化していたタールが凝固してガス管内に付着し、ガス管を閉塞させるおそれがある。そこで、この問題を解決するために、熱分解処理装置1で生成された熱分解ガスを第1ガス管210を介してタール除去装置200に供給する。
【0043】
図4に示すように、タール除去装置200に供給された熱分解ガスは、供給管207の下方端208から供給されて油204内を気泡となって上昇して上部空間まで進み、第2ガス管310と連結する排出部211へと排出されて触媒装置300へと送られる。このとき、供給管207の下方端208からは、熱分解ガス中の気化したタールが第1ガス管210中で自然冷却されて凝固されたものが、重力により円筒本体201の底面に落下する。そして、底面にある程度の量のタールが溜まると、円筒本体201内の油204と一緒に排出管202から排出させる。なお、この作業は、油化処理のサイクルが終了してから行ったり、または、油化処理サイクル中に自動で行うようにしてもよい。このとき円筒本体201内の油204は、タールとともに排出されることで減少するが、外部の油供給源と繋がる供給ライン205から手動または自動で補充されることで所定量を維持している。
【0044】
円筒本体201の上部空間へと送られた熱分解ガスは、排出部211から排出されて、第2ガス管310を介して触媒装置300へ供給される。触媒装置300へ供給された熱分解ガスは、連結管302を経て、触媒が充填された円筒本体301へ供給される。熱分解ガスは、円筒本体301を通過することで触媒に接触して低沸点のガスに改質される。改質された熱分解ガスは、排出部305から第3ガス管410へ排出されて凝縮装置400へと供給される。なお、第1,第2,及び第3ガス管210,310,410に、ヒータや断熱材を取り付けて保温することもでき、こうすることで、タールの発生を抑制することも可能である。また、各ガス管をできるだけ短くすることでもタールの発生を抑制する効果がある。
【0045】
図5及び図6に示すように、第3ガス管410からの熱分解ガスは、供給部402から冷却タンク401内に供給される。冷却タンク401内に供給された熱分解ガスは、隔壁404の孔405を通過して排出部403へ進む間に、冷却タンク401の外側面を流れる冷却水により徐々に冷却される。このように熱分解ガスは、冷却されることで凝縮して各室で油が生成される。なお、各室にて生成される油は、供給部402側の室は沸点が高い重質油となっており、排出部403側の室で生成される油は一番沸点の低い軽質油となっている。各室で生成された油がある程度溜まると、バルブ408を開いて連結管407を経てストックタンク406の対応する各室へと送られる。そして、ストックタンク406の各室にストックされた油は、配管409を経てそれぞれポンプによって油水分離装置500へと送られる。油水分離装置500で水分を分離された油は、ポンプで油タンク600へと送られる。なお、冷却水の温度を変化させ、供給部402側から排出部403側に向けて温度が低くなるように構成することもできる。これによって、供給部402側では沸点の高い油を、排出部403側では沸点の低い油を確実に得ることができる。
【0046】
ここで、熱分解ガス中には凝縮装置400で凝縮されない成分も含まれている。このため、上記凝縮装置400の冷却タンク401では凝縮されずに排出部403から排出されるいわゆるオフガスが、第4ガス管710を介して脱塩装置700へと供給される。
【0047】
図7に示すように、第4ガス管710から供給管705へと送られたオフガスは、供給部706から水703内へ供給されて、気泡として水703内を上昇する。水面まで上昇したオフガスには、隔壁702の上方を越えて第1排出部708へと向かうまでの間に、他方の室で散布管704から水酸化ナトリウム水溶液が散布される。このように水酸化ナトリウム水溶液が散布されることで、オフガス中の塩化水素が中和される。塩化水素が中和されて除去されたオフガスは第1排出部708から排出された後、第5ガス管810を経てバーナ61に供給され、バーナ61の燃料として燃焼させる。以上のサイクルが繰り返されることにより、廃プラスチックがリサイクルされる。
【0048】
以上のように、本実施形態に係る熱分解処理装置1によれば、廃プラスチックの溶融状態により変化する攪拌器3に作用する負荷トルクに応じて攪拌器3の回転を制御装置5により制御している。このため、攪拌器3の回転を熱分解槽2内の廃プラスチックの溶融状態に応じて制御することができ、その結果、攪拌器3の損傷等を防止できるとともに、耐久性の高い熱分解処理装置1とすることが可能となる。
【0049】
特に、本実施形態では、攪拌器3に作用する負荷トルクが所定値以下の時に、攪拌器3が撹拌を開始するように制御装置5で制御させている。そのため、負荷トルクが大きい場合、すなわち廃プラスチックが溶融していない、又は溶融し始めの高粘度の状態では、例えば、攪拌器3に作用する負荷トルクが大きいので、攪拌器3は廃プラスチックの攪拌をしないよう制御することができる。そして、攪拌器3に作用する負荷トルクが小さくなり始めるとき、すなわち熱分解槽内の廃プラスチックが溶融し始めて粘度が低くなり始めるときに、攪拌器3が攪拌し始めるよう制御することができる。このため、廃プラスチックの粘度が高いとき、又は廃プラスチックが溶融していないときに攪拌が始まることに起因する攪拌器の破損等を防ぐことができる。
【0050】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、従来では、熱分解槽内の残渣が塊状となって熱分解槽内に固着するために、熱分解槽を反転させるための回転台に熱分解槽を移動させ、熱分解槽を反転させて内部の残渣を掻き出していた。しかし、本実施形態では、残渣が粉末状であるので、熱分解槽を移動させずに吸引機等で吸引回収できる。したがって、熱分解槽を反転させるための回転台を設置していた分のスペースが省略される。そこで、上記実施形態では熱分解槽2は1つとして説明したが、この省略されたスペースを利用して熱分解槽2を2つ設置することもできる。これによって、一方の熱分解槽を冷却させている間に、他方の熱分解槽で熱分解を行うことができるので、生産性を向上させることができる。
【0051】
また、上記実施形態では、撹拌羽根32に作用する負荷トルクが所定値以下になると撹拌を開始するように構成しているが、例えば、撹拌中に加熱温度の低下等により廃プラスチックの溶融粘度が高くなり攪拌器が受ける負荷トルクが所定値以上となった場合に撹拌を停止し、再度廃プラスチックの溶融粘度が低くなり負荷トルクが所定値以下となれば撹拌を開始するように制御装置5で制御してもよい。
【0052】
また、上記実施形態では、攪拌器3の撹拌を開始させるために、モータ33による回転軸31への駆動トルクを増加させているが、この他にも、例えば、モータ33と回転軸31とをクラッチ装置を介して接続することで、モータ33による駆動トルクを一定としたまま、攪拌器3の撹拌を開始することができる。すなわち、撹拌羽根32に作用する負荷トルクが所定値より大きいときは、モータ33からの駆動トルクの一部しか回転軸31に伝わらないようにクラッチ装置を嵌合させる(半クラッチ)状態とすることで、攪拌羽根32が撹拌しないように制御する。そして、攪拌羽根32に作用する負荷トルクが所定値以下となると、それを検知した制御装置5により、モータ33からの駆動トルクが完全に回転軸31に伝わるようにクラッチ装置を完全に嵌合させて、撹拌羽根32による撹拌を開始させる。
【0053】
また、上記実施形態の攪拌羽根32が、熱分解槽2の底面21に向かって延びる複数の掻取爪を備えていてもよい。このような構成により、熱分解槽2の底面21に残渣が固着した場合であっても、掻取爪でその固着した残渣を掻き取ることができる。また、このように複数の掻取爪で攪拌羽根の湾曲部全体で底面21に付着した残渣を掻き取るのに比べて抵抗が小さくなるため、モータ33への負担を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本実施形態に係る熱分解処理装置が設置される廃プラスチック油化処理システムのフロー図である。
【図2】本発明に係る熱分解処理装置の実施形態を示す拡大側面図である。
【図3】本発明に係る熱分解処理装置の実施形態を示す拡大正面図である。
【図4】本実施形態に係るタール除去装置及び触媒装置の拡大図である。
【図5】本実施形態に係る凝縮装置の断面図である。
【図6】本実施形態に係る凝縮装置の隔壁を示す拡大図である。
【図7】本実施形態に係る脱塩装置の断面図である。
【図8】本発明に係る熱分解処理方法の熱分解工程の熱分解槽内の温度と時間の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0055】
1 熱分解処理装置
2 熱分解槽
3 攪拌器
4 トルクセンサ(トルク検出手段)
5 制御手段
6 炉部(加熱手段)
【出願人】 【識別番号】398057178
【氏名又は名称】株式会社オールマイティー
【出願日】 平成18年7月3日(2006.7.3)
【代理人】 【識別番号】100065215
【弁理士】
【氏名又は名称】三枝 英二

【識別番号】100076510
【弁理士】
【氏名又は名称】掛樋 悠路

【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治


【公開番号】 特開2008−13595(P2008−13595A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−183205(P2006−183205)