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【発明の名称】 内外装建材用表面保護フィルム及びその製造方法
【発明者】 【氏名】門屋 雄一

【要約】 【課題】

【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フッ化ビニリデン系樹脂90〜85質量部及びメタクリル酸エステル系樹脂10〜15質量部の合計100質量部に対して平均粒子径1〜10μmの架橋アクリル樹脂1〜10質量部を含有する樹脂組成物を用いた内外装建材用表面保護フィルム。
【請求項2】
架橋アクリル樹脂がカルボキシル基を含有する単量体と多官能性単量体を重合してなる請求項1に記載の内外装建材用表面保護フィルム。
【請求項3】
片面又は両面がエンボス面である請求項1又は請求項2に記載の内外装建材用表面保護フィルム。
【請求項4】
エンボスロールの表面粗さRと架橋アクリル樹脂の平均粒子径D50の比であるD50/R値が1以下である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の内外装建材用表面保護フィルム。
【請求項5】
図柄を印刷してなる請求項1乃至4のいずれか一項に記載の内外装建材用表面保護フィルム。
【請求項6】
片面を製膜時にエンボスロールに圧着することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の内外装建材用表面保護フィルムの製造方法。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は内外装建材用表面保護フィルム及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フッ素系樹脂製フィルムをプラスチック、金属、ゴム、合板、木板、ガラス、印刷紙、又はスレート等の基材表面に接着し、基材表面を保護して耐候性及び耐汚染性を付与すると同時に、基材に意匠性を付与する方法が知られている。
【0003】
プラスチック板や金属板を基材とする場合、フッ素系樹脂フィルムと基材を熱ラミネートする方法が広く用いられている。
【0004】
表面保護フィルムの高級感や意匠性を高めるために艶消し調の低光沢表面を有するフィルムが使われている。表面を艶消し調にする加工方法として、例えば(1)フッ素系樹脂フィルムを押出成形する際に押出直後にエンボスロールを通過させ表面に凹凸を形成する方法(特許文献1参照)、(2)艶消し剤として無機物や有機物をフッ素系樹脂に添加する方法(3)フッ素系樹脂フィルム成型後フィルム表面にサンドブラストや研磨等の物理的な処理を施す方法、(4)フッ素系樹脂フィルム成型後フィルム表面に艶消し剤をコーティングする方法等が挙げられる。
【0005】
これらの加工方法のうち、(1)エンボスロールを使用する方法と、(2)艶消し剤を添加する方法では、フッ素系樹脂フィルムと基材を熱ラミネートした際に表面に艶が戻る場合や、艶消し剤の添加による分散性の悪化による外観不良(艶斑)が発生する場合や、機械強度低下が発生する場合があった。
【0006】
フッ素系樹脂フィルムに艶消し剤として架橋アクリル樹脂を添加する方法が知られている(特許文献2等参照)。
【0007】
フッ素系樹脂フィルムの特徴である耐候性や耐汚染性を保持し、量産性に優れ、熱ラミネート時の艶戻りや艶斑を抑制するとともに、機械的強度が低下しにくく、艶消し調の表面を有する内外装建材用表面保護フィルムが求められていた。
【0008】
【特許文献1】特開平02−28239号公報
【特許文献2】特開2001−205755号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
内外装建材用表面保護フィルム及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明はフッ化ビニリデン系樹脂90〜85質量部及びメタクリル酸エステル系樹脂10〜15質量部の合計100質量部に対して平均粒子径1〜10μmの架橋アクリル樹脂1〜10質量部を含有する樹脂組成物を用いた内外装建材用表面保護フィルム及びその製造方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の内外装建材用表面保護フィルムは、フッ素系樹脂フィルムの特徴である耐候性、耐汚染性を保持し、量産性に優れ、艶消し調の低光沢表面を有し、かつ熱ラミネート時の艶戻りや艶斑を抑制するとともに、機械的強度が低下しにくいなどの特徴を有する。
【0012】
本明細書における部及び%は、特に断りのない限り質量基準である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明はフッ化ビニリデン系樹脂90〜85質量部及びメタクリル酸エステル系樹脂10〜15質量部の合計100質量部に対して平均粒子径1〜10μmの架橋アクリル樹脂1〜10質量部を含有する樹脂組成物を用いた内外装建材用表面保護フィルム及びその製造方法である。
【0014】
(フッ化ビニリデン系樹脂)
フッ化ビニリデン系樹脂とは、フッ化ビニリデン単量体単位を有するビニル重合体であれば特に限定されず、フッ化ビニリデンのホモポリマであってもよく、フッ化ビニリデンと他のビニル化合物単量体の共重合体であってもよい。フッ化ビニリデンと併用可能なビニル化合物単量体としては例えばフッ化ビニル、四フッ化エチレン、三フッ化塩化エチレン、6フッ化プロピレン等のフッ素化されたビニル化合物や、スチレン、エチレン、ブタジエン、及びプロピレン等の公知のビニル単量体が挙げられる。
【0015】
(メタクリル酸エステル系樹脂)
メタクリル酸エステル系樹脂は、メタクリル酸エステル単量体に基づくビニル重合体であれば特に限定されない。メタクリル酸エステル単量体としては、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸ヘキシル等が挙げられ、メタクリル酸メチルが好適に用いられる。メタクリル酸エステル単量体のプロピル基、ブチル基、ペンチル基、及びヘキシル基等のアルキル基は直鎖であってもよく、枝分かれしてもよい。
【0016】
メタクリル酸エステル系樹脂は、メタクリル酸エステル単量体の単量体や、複数のメタクリル酸エステル単量体の共重合体であってもよい。メタクリル酸エステル系樹脂には、メタクリル酸エステル以外の公知のビニル化合物であるスチレン、エチレン、ブタジエン、及びプロピレン等に由来する単量体単位を有してもよい。
【0017】
(架橋アクリル樹脂)
架橋アクリル樹脂とは、メタクリル酸エステルと多官能性単量体の共重合体である。
【0018】
メタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、及びメタクリル酸ブチル等が挙げられる。
【0019】
多官能性単量体とは、ビニル基以外で、化学反応で他の分子と結合を形成しうる官能基の数が2個以上有する物質で、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基、アミド基、アミノ基、メチロール基、スルホン酸基、スルファミン酸基、及び(亜)リン酸エステル基からなる官能基群より選ばれる官能基を2個以上有する官能基含有単量体である。
【0020】
多官能性単量体は特に限定されないが、例えばエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールビスメタクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート等が挙げられる。
【0021】
架橋アクリル樹脂は、エチレン、スチレン等の公知のビニル単量体に由来する単量体単位を有してもよい。架橋アクリル樹脂はフッ化ビニリデン系樹脂及びメタクリル酸エステル系樹脂と混合しても相溶しないで分散する材質を選択することが好ましい。
【0022】
架橋アクリル樹脂はJIS Z8819法によるレーザー散乱法(ミー散乱法)での平均粒子径(D50)が1〜10μmの粒状であり、平均粒子径が2〜8μmであることが好ましい。平均粒子径が小さいと表面光沢度が増して艶消し表面が得られない場合があり、平均粒子径が大きいと架橋アクリル樹脂の分散性が悪くなり、均一な艶消し表面が得られなくなるとともに、機械的強度が低下する場合がある。
【0023】
内外装建材用表面保護フィルムを構成する樹脂の配合は、フッ化ビニリデン系樹脂90〜85重量%及びメタクリル酸エステル系樹脂10〜15重量%の合計100質量部に対し、平均粒子径1〜10μmの架橋アクリル樹脂1〜10質量部である。フッ化ビニリデン系樹脂の含有量が多いと、艶消し剤として配合する架橋アクリルを樹脂中に均一に分散することが困難になって、良好なフィルムの表面外観が得られない場合がある。フッ化ビニリデン系樹脂の含有量が少ないと、内外装建材用表面保護フィルムの耐候性及び耐汚染性が低下する場合がある。
【0024】
架橋アクリル樹脂の使用量は、フッ化ビニリデン系樹脂とメタクリル酸エステル系樹脂の合計量100重両部に対して1〜10質量部であり、2〜5質量部が好ましい。架橋アクリル樹脂の使用量が少ないと艶消し表面が得られず、過剰だと分散性が悪くなり均一な艶消し表面が得られなくなるとともに、機械的強度が低下する。
【0025】
架橋アクリル樹脂の粒子は表面凹凸が少ない形状であることが好ましく、例えば球状や楕円回転体等であることが好ましい。架橋アクリル樹脂の表面凹凸が多いと、フッ化ビニリデン系樹脂及びメタクリル酸エステル系樹脂に対する分散性が低下する場合がある。
【0026】
紫外線吸収剤は特に限定されないが、使用する樹脂と相溶性があり、紫外線吸収剤の揮散を防ぐためには、高分子量のものが好ましい。紫外線吸収剤は、例えばベンゾトリアゾール系、オキザリックアシッド系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系等が使用できる。
【0027】
ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤としては、例えば2−[3,5−ジ−(アロフア−ジメチルベンジル−2−ヒドロキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−[(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]]、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、及び2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシル)オキシフェノール等が挙げられる。
【0028】
オキザリックアシッド系の紫外線吸収剤としては、例えば2−エトキシ−2'−エチルオキザックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−5−t−ブチル−2'−エチルオキザックアシッドビスアニリド等が挙げられる。
【0029】
ベンゾフェノン系としては、例えば2−ヒドロキシ−4−n−オクトオキシベンゾフェノン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス−(1−オクチルオキシ−2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ジメチル−2−(4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニル)エタノール、1−[2−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ポロピオニルオキシ]−2,2,6,6−T−テトラメチルピペリジン等がある。
【0030】
これらの紫外線吸収剤の中でも、ベンゾトリアゾール系を用いると少量で顕著な耐候性を示すため好ましい。紫外線吸収剤の使用量は特に限定されないが、フッ化ビニリデン系樹脂及びメタクリル酸エステル系樹脂の合計100質量部に対して紫外線吸収剤0.01〜5質量部とすると耐候性と機械強度のバランスが良く好ましい。
【0031】
内外装建材用表面保護フィルムには、酸化防止剤、分散剤、カップリング剤、熱安定剤、界面活性剤、帯電防止剤、防曇剤、及び着色剤として複合酸化物系無機顔料や無機系顔料、カーボンブラック、真珠顔料を使用してよい。
【0032】
(内外装建材用表面保護フィルムの製造方法)
内外装建材用表面保護フィルムの製造方法は特に限定されないが、単軸押出機又は二軸押出機を使用し、Tダイス法等の溶融押出成形にて製造できる。
【0033】
フッ化ビニリデン系樹脂、メタクリル酸エステル系樹脂、架橋アクリル樹脂、その他の添加剤を混入する方法は特に限定されず、例えば粉末状又はペレット状の原料であるフッ化ビニリデン系樹脂、メタクリル酸エステル系樹脂、架橋アクリル樹脂樹脂と添加剤をあらかじめ混合しておき、単軸押出機を使用して溶融混練する方法が使用できる。
【0034】
フッ化ビニリデン系樹脂、メタクリル酸エステル系樹脂、架橋アクリル樹脂を添加する際に、フッ化ビニリデン系樹脂又はメタクリル酸エステル系樹脂の一部又は全部と架橋アクリル樹脂をプレブレンドしてなるコンパウンドを製造し、コンパウンドと残りの成分を単軸押出機にて溶融混練してもよい。
【0035】
内外装建材用表面保護フィルムの成形方法は特に限定されないが、押出成形時には表面を良好な艶消し調とするために片面又は両面をエンボスロールで艶消し、エンボス面とすることが好ましい。片面をエンボス面とする場合には、押出直後に艶消し表面がエンボスロール側に接触するようにエンボスロールと金属ロールに圧着され成形される。
【0036】
内外装建材用表面保護フィルムの架橋アクリル樹脂の平均粒子径とエンボスロールの表面粗さRの間に下式(A)が成立するものを用いるとよい。
架橋アクリル樹脂の平均粒子径≦エンボスロールの表面粗さR・・・・(数式A)
フィルムを熱ロール圧着や熱プレス圧着等で熱ラミネート加工を行う際、エンボスロールの表面粗さに対し架橋アクリル樹脂の平均粒子径が同等若しくはそれ以下である事が重要となる。
【0037】
エンボスロールの表面粗さに対し架橋アクリル樹脂の平均粒子径が同等若しくはそれ以下であれば、熱ラミネート等の加工によっても艶戻りや艶斑が抑制される。その理由として、エンボスロールにより形成された表面凹凸の凸部分が主に熱ロールや熱プレス表面と優先的に接するため、その影響を受け凹凸が緩和されるものの、表面の凹部分には球状の架橋アクリル樹脂による凹凸が存在しているために、凸部分のクッション効果と相まって大きな影響を受けず、その凹凸が保持されるためと考えられる。
【0038】
エンボスロールの表面粗さRと架橋アクリル樹脂の平均粒子径D50の比であるD50/R値は特に限定されないが、D50/R値が1以下であることが好ましく、0.8以下であることがより好ましく、0.7〜0.2であることが最も好ましい。D50/R値が大きいと、熱ラミネート時にエンボスロールによる表面凹凸よりも架橋アクリル樹脂自身による凹凸部分が優先的にピンチ圧着等の影響を受け易くなり、艶戻りや艶斑の原因になる場合がある。D50/R値が小さいと、架橋アクリル樹脂自身による艶消し効果が小さくなり、良好な艶消し表面が得られないと共に、熱加工時の艶戻りの原因となる恐れがある。
【0039】
本発明の内外装建材用表面保護フィルムは、表面に図柄を印刷すると、意匠性に優れるため好ましい。
【0040】
内外装建材用表面保護フィルムの膜厚は、種々の用途に合わせて決定されるが、150μm以下、好ましくは、10〜100μmの範囲である。
【0041】
内外装建材用表面保護フィルムは各種基材に積層して積層体とすることもできる。基材としては例えばプラスチック、ゴム、塗料面、金属、ガラス、木、スレート等が挙げられる。基材と内外装建材用表面保護フィルムを積層して積層体とするにはフィルムを基材に接着剤を用いて接着する方法や、加熱接着する方法が挙げられる。
【0042】
使用される接着剤としては、エポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系等の一般的接着剤を使用できるし、天然ゴム、アクリル樹脂系等を使用した感圧性接着剤をあらかじめ内外装建材用表面保護フィルムの接着面に塗布しておいて使用できる。感圧接着剤に離型紙をつけて、使用時に離型紙を剥がして基材に貼り合わせる事もできる。
【0043】
(内外装建材用表面保護フィルム)
建築物の内外装用部材に使用されるプラスチック板や金属板、その他の各種基材は耐久性の向上や装飾を目的として、その表面を塗装したり、耐久性フィルム特にフッ素系樹脂の表面保護フィルムをラミネートしたりして使用されている。その用途は、例えば壁紙や車輌、エレベーター等の内外装材用のほか、マーキングフィルム、家具、家電製品、トレー、窓ガラス用等多岐にわたる。
【実施例】
【0044】
(実施例1〜4、比較例1〜5)表1及び表2に示す配合割合にて各樹脂をタンブラーにてブレンドし、φ45mm2軸押出機によって混練しコンパウンドを得た。次にφ50mm単軸押出機を用い、表1に示す膜厚比率の薄膜フィルムを製膜した。この際、表1に示す表面粗さのエンボスロールを使用した。次に表1及び表2の中でフィルム外観の良好なフィルムについて、表中に示す基材を使用し、アクリル樹脂系接着剤をフィルム表面に塗布後、加熱ラミネートを行った。加熱ラミネートはロールラミネーターを用い、加熱温度150℃の条件で熱接着し積層シートを得た。
【0045】
(使用材料)
フッ化ビニリデン系樹脂:カイナーK720及びカイナーK740、アルケマ社製、市販品。
メタクリル酸エステル系樹脂:ハイペットHBS000、三菱レイヨン社製、市販品。
架橋アクリル樹脂A:アクリル酸及びエチレングリコールジメタクリレートの共重合体、平均粒子径(D50)が8μm、積水化成品工業社製、市販品。
架橋アクリル樹脂B:アクリル酸及びエチレングリコールビスメタクリレートの共重合体、平均粒子径(D50)が8μm、綜研化学社製。
架橋アクリル樹脂C:アクリル酸及びペンタエリスリトールテトラメタクリレートの重合体、平均粒子径(D50)が1μm、綜研化学社製。
架橋アクリル樹脂D:アクリル酸及びプロピレングリコールジアクリレートの重合体、平均粒子径9μm、綜研化学社製。
【0046】
(評価)
実施例、比較例にて得られた薄膜フィルム及び熱接着した積層シートについて以下の様な項目について評価を行った。結果を表1及び表2に示す。
1)外観
得られた薄膜フィルムの外観性を目視にて評価した。実施例1〜4及び比較例2,5の薄膜フィルムは艶消剤の分散不良もなく良好な低光沢表面を有すフィルムであった。比較例1,3,4の薄膜フィルムは艶消し剤の分散不良により外観が悪化した。
【0047】
2)表面光沢度
得られた薄膜フィルムの表面光沢度を光沢度計(日本電色工業製グロスメーターVGS−1D)を用い測定した。実施例1〜4及び比較例2,5については低光沢表面であることが確認された。比較例1,3,4については外観が悪かったため評価を中止した。
【0048】
3)熱加工性
加熱ラミネート後の積層シートの表面光沢度を光沢度計(日本電色工業製グロスメーターVGS−1D)を用い測定した。加熱ラミネート前との光沢度を比較した結果、実施例1〜4、比較例2については、加熱ラミネート後の光沢度変化は少なく熱加工性に優れることを確認した。比較例5については、艶戻りが生じ光沢度が上昇した。
【0049】
4)耐候性
得られた積層シートの耐候性をJIS A1415に準拠し、サンシャインウエザーオメーターを用い測定した。ブラックパネル温度63℃、シャワーサイクル120分間隔で18分間とし、1000時間後の積層シートの外観評価を行った。実施例1〜4については、試験後も外観上の変化は見られないことを確認した。比較例2については、フィルムにヒビ割れが生じた。
【0050】
【表1】


【0051】
【表2】


【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は内外装建材用表面保護フィルムは、フッ素系樹脂フィルムの特徴である耐候性、耐汚染性を保持し、量産性に優れ、艶消し調の低光沢表面を有し、かつ熱ラミネート時の艶戻りや艶斑を抑制するとともに、機械的強度が低下しにくいなどの特徴を有するため、壁紙、車輌内外装、エレベーター内外装等の内外装材用途のほか、マーキングフィルム、家具、家電製品、トレー、窓ガラス用等用途に適する。
【出願人】 【識別番号】000003296
【氏名又は名称】電気化学工業株式会社
【出願日】 平成18年6月30日(2006.6.30)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−7709(P2008−7709A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−181972(P2006−181972)