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【発明の名称】 精練−フィード工程における生産指令作成方法
【発明者】 【氏名】富田 直樹

【要約】 【課題】バンバリー工程とフィードゴム製造工程とが一体となった工程において、バンバリー工程にて製造された練りゴムをフィードゴム製造工程にて過不足なく使い切ることのできる生産指令の作成方法を提供する。

【構成】バンバリー工程50で混練した練りゴムを直接フィードゴム製造工程54に送って加工する精練−フィード工程において、バッチ質量Mとリール数をrとリールの最大積載量Wとしたときに、上記バンバリー工程50に指令する精練回数Nを、N≦(r・W)/Mを満たす最大の整数となるようなNとし、上記フィードゴム製造工程54に指令する1リール当たりの標準満巻質量wを、w=(M・N)/rにより算出したwとする生産指令を行うようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
混練機を備え、原料ゴムにカーボンや硫黄を含む配合剤を練り合わせて練りゴムを製造するバンバリー工程と、押出機を備え、上記バンバリー工程から直接送られてくる練りゴムを所定の帯状もしくは線状の部材に加工してリールに巻取るフィードゴム製造工程とを有する精練−フィード工程において、上記バンバリー工程にて1回に精練する練りゴムの質量であるバッチ質量をM、精練回数をNとし、同時巻取りリールのリール数をr、各リールの最大積載量をWとしたときに、上記バンバリー工程に対して指令する精練回数Nを、N≦(r・W)/Mを満たす最大の整数となるようなNとする生産指令を行うことを特徴とする精練−フィード工程における生産指令の作成方法。
【請求項2】
上記フィードゴム製造工程に対して指令するフィードゴム巻取り1リール当たりの標準満巻質量wを、上記M,N,rを用いた式、w=(M・N)/rにより算出したwとする生産指令を行うことを特徴とする請求項1に記載の精練−フィード工程における生産指令の作成方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、練りゴムを製造するバンバリー工程とこの練りゴムを加工してフィードゴムを製造しリールに巻取るフィードゴム製造工程とが一体となった精練−フィード工程における生産指令の作成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タイヤのトレッド部やサイド部に使用されるゴム部材のように、所定の断面形状有するゴム部材を製造する際には、図3に示すように、バンバリー工程50にて、原料ゴムとカーボンブラックや加硫剤を含む配合剤とをバンバリーミキサなどの混練機51により練り合わせて製造され、中間倉庫52に一時保管されていた練りゴム53を、フィードゴム製造工程54にて1ロットずつ押出機55に供給するとともに、上記押出機55から同時に押出された2〜4本程度のリボン状のゴム(以下、フィードゴムという)をそれぞれ1本づつ別々のリール56(56a〜56d)に同時に巻取るようにしている。
上記バンバリー工程50とフィードゴム製造工程54とは、従来、分離独立した工程となっているため、精練の回数やリールへの巻取り量などを指令する生産指令も各々別に計算・作成されていた。
このように、バンバリー工程50での生産指令とフィードゴム製造工程54の生産指令とは連動していない場合、上記2つの工程での生産量の差があったときには、その差分は、上記中間倉庫52に保管してある在庫品の数により吸収していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年、図1に示すような、上記バンバリー工程50で混練した練りゴムを直接フィードゴム製造工程54に送って加工する設備の開発が実用化されつつある。このようなバンバリー工程50とフィードゴム製造工程54とが一体となった精練−フィード工程10においては、上記バンバリー工程50とフィードゴム製造工程54とを同期させて稼動させる生産指令が必要とされているが、バンバリー工程50から供給される練りゴムをフィードゴム製造工程54にて過不足なく使い切るための有効な生産指令の作成法については未だ開発されていないのが現状である。
【0004】
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、バンバリー工程とフィードゴム製造工程とが一体となった精練−フィード工程において、バンバリー工程にて製造された練りゴムをフィードゴム製造工程にて過不足なく使い切ることのできる生産指令の作成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の請求項1に記載の発明は、バンバリーミキサなどの混練機を備え、原料ゴムにカーボンや硫黄を含む配合剤を練り合わせて練りゴムを製造するバンバリー工程と、押出機を備え、上記バンバリー工程から直接送られてくる練りゴムを所定の帯状もしくは線状の部材に加工してリールに巻取るフィードゴム製造工程とを有する精練−フィード工程において、精練の回数やリールへの巻取り量などの指令を行う精練−フィード工程における生産指令方法であって、上記バンバリー工程にて1回に精練する練りゴムの質量であるバッチ質量をM、精練回数をNとし、同時巻取りリールのリール数をr、各リールの最大積載量をWとしたときに、上記バンバリー工程に対して指令する精練回数Nを、N≦(r・W)/Mを満たす最大の整数となるようなNとする生産指令を行うことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の精練−フィード工程における生産指令方法において、上記フィードゴム製造工程に対して指令するフィードゴム巻取り1リール当たりの標準満巻質量wを、上記M,N,rを用いた式、w=(M・N)/rにより算出したwとする生産指令を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、バンバリー工程で混練した練りゴムを直接フィードゴム製造工程に送って加工する精練−フィード工程において、上記バンバリー工程にて1回に精練する練りゴムの質量であるバッチ質量をM、精練回数をNとし、同時巻取りリールのリール数をr、各リールの最大積載量をWとしたときに、上記バンバリー工程に対して指令する精練回数Nを、N≦(w・r)/Mを満たす最大の整数となるようなNとし、上記フィードゴム製造工程に対して指令するフィードゴム巻取り1リール当たりの標準満巻質量wを、上記M,N,rを用いた式、w=(M・N)/rにより算出したwとする生産指令を行うようにしたので、バンバリー工程とフィードゴム製造工程とを同期させて、バンバリー工程にて製造された練りゴムをフィードゴム製造工程にて過不足なく使い切るようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の最良の形態について、図面に基づき説明する。
なお、以下の説明中、従来例と共通する部分については同一符号を用い、その説明を省略する。
図1は本最良の形態に係る精練−フィード工程の概要を示す図で、本例では、バンバリー工程50からフィードゴム製造工程54へ直接練りゴムを供給してフィードゴムを製造する際に、上記両工程50,54に対して行う生産指令のうち、上記バンバリー工程50へ指令する精練回数Nと、上記フィードゴム製造工程54へ指令するリール1本当たりの標準満巻質量wを指定する方法について説明する。なお、バンバリーミキサー51のバッチ質量(1回に精練するゴムの質量)はゴム種毎に一定であるものとする。
はじめに、製造予定のフィードゴム製品の必要ロット数から、フィードゴム製造工程54のリール56の同時巻数(リール数)rを決定する。ここで、使用するリール56の最大積載量をWとすると、必要とされる練りゴムの供給量の上限値Gは、G=W・rで表わせる。一方、バンバリー工程50で精練するゴムの総質量は、バンバリーミキサー51の精練回数であるバッチ数をNとし、バッチ質量をMするとN・M(N=1,2,3‥‥)で表わされるので、バンバリー工程50で製造された練りゴムをフィードゴム製造工程54にて過不足なく使い切るためには、上記バッチ数Nを、N≦(G/M)を満たす最大の整数とする必要がある。すなわち、バッチ数Nが(G/M)を超えると練りゴムが余ってしまい、バッチ数Nが上記最大の整数よりも小さいと、リール56に巻取られる練りゴムの量が大幅に不足してしまう。
バンバリー工程50へは、精練するゴム種を上記製造予定のフィードゴム製品のゴム種(バンバリーゴム種)とする指令と、バッチ数Nを指定する指令とが生産指令として送られるが、このとき、上記バッチ数Nとして、N≦(r・M)/Mを満たす最大の整数Nを送るようにすればよい。これにより、バンバリー工程50からフィードゴム製造工程54へ供給される練りゴムの総重量は(N・M)となる。
一方、フィードゴム製造工程54の各リール56(56a〜56d)の巻取り重量であるフィード標準満巻質量wは、バンバリー工程50から供給される練りゴムの総重量が(N・M)であることから、w=(N・M)/rとなる(ここでは、r=4)。したがって、フィードゴム製造工程54へは、押出機55で加工するフィードゴム製品のゴム種(フィードゴム種)を指定する指令と、上記フィード標準満巻質量wを指定する指令とを生産指令として送るようにすればよい。
【0008】
図2は、フィードゴム種がA123-01〜C789-05で表わされる6種類のフィードゴム製品を製造する際の精練−フィード工程の生産指令の一例を示す図で、バッチ質量を全ゴム種でそれぞれM=90Kgとし、リールの最大積載量を、B456-05ではW=600Kg、その他のフィードゴム種ではW=150Kgとして、バッチ数Nとフィード標準満巻質量wとをそれぞれ計算した。
例えば、フィードゴム種がA123-04のものを4リール製造する場合、適切なバッチ数Nは、(r・W)/M=6.67なので、N=6となる。また、フィード標準満巻質量wは、w=(N・M)/r=135(Kg)となる。この135(Kg)という値は、当該リール最大積載量Wの90%であり、適正な値といえる。
一方、フィードゴム種がB456-02のものを2リール製造する場合、N≦13.3なので、N=13となる。また、フィード標準満巻質量wは、w=585(Kg)となり、当該リール最大積載量Wの97.5%と、ほぼ最大積載量に近い値となる。
このように、本発明に生産指令により、いずれのフィードゴム種でも、フィード標準満巻質量wはリールの最大積載量Wの90%以上と適正な質量となった。したがって、上記のような生産指令を行うことにより、バンバリー工程50で製造された練りゴムをフィードゴム製造工程54にて過不足なく使い切ることができる。
【0009】
このように、本最良の形態によれば、バンバリー工程50で混練した練りゴムを直接フィードゴム製造工程54に送って加工する精練−フィード工程において、バッチ質量Mとリール数をrとリールの最大積載量Wとしたときに、上記バンバリー工程50に指令する精練回数Nを、N≦(r・W)/Mを満たす最大の整数となるようなNとし、上記フィードゴム製造工程54に指令する1リール当たりの標準満巻質量wを、w=(M・N)/rにより算出したwとする生産指令を行うようにしたので、バンバリー工程50にて製造された練りゴムをフィードゴム製造工程54にて過不足なく使い切ることができ、、練りゴムの生産とフィードゴムの生産とを効率よく行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0010】
このように、本発明によれば、バンバリー工程にて製造された練りゴムをフィードゴム製造工程にて過不足なく使い切ることのできる生産指令を作成することができるので、練りゴムの生産とフィードゴムの生産とを効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の最良の形態に係る精練−フィード工程の概要を示す図である。
【図2】本発明による精練−フィード工程の生産指令の一例を示す図である。
【図3】従来のバンバリー工程とフィードゴム製造工程の概要を示す図である。
【符号の説明】
【0012】
10 精練−フィード工程、50 バンバリー工程、51 混練機、
54 フィードゴム製造工程、55 押出機、56 リール。
【出願人】 【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
【出願日】 平成18年6月30日(2006.6.30)
【代理人】 【識別番号】100080296
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 純一


【公開番号】 特開2008−7674(P2008−7674A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−180909(P2006−180909)