Warning: copy(htaccessbak): failed to open stream: No such file or directory in /home/jtokkyo/public_html/header.php on line 10
イソブチレンモノマーおよびアクリルモノマーのコポリマーを含有する放射線硬化性組成物 - 特開2008−13774 | j-tokkyo
トップ :: C 化学 冶金 :: C08 有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物

【発明の名称】 イソブチレンモノマーおよびアクリルモノマーのコポリマーを含有する放射線硬化性組成物
【発明者】 【氏名】エドワード アール. コールリッジ

【氏名】ロイ イー. ディーン

【氏名】リサ エム. パーライン

【氏名】トルーマン エフ. ウィルト

【氏名】マイケル ジェイ. ジーグラー

【要約】 【課題】放射線硬化性オリゴマーまたは放射線硬化性モノマーを含有する放射線硬化性組成物を提供すること。

【構成】イソブチレン型モノマーおよびジイソブチレン型モノマーならびに種々の他のビニルモノマーのコポリマー;化学線または電離放射線に曝露されたときに重合反応を起こし得る基を有するコポリマーを含む組成物。この組成物は、基材を供給し;この基材表面の少なくとも一部を覆って上記のコポリマーを含む放射線硬化性組成物の層を塗布し;そして、放射線硬化性組成物の硬化に影響を及ぼすのに十分な量の化学線にこの層を曝露することによって放射線硬化性組成物を硬化することによって、基材をコーティングするのに使用され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書中に記載の非ゲル化コポリマーを含む組成物。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
(1.発明の分野)
本発明は、一般に、ビニルモノマーのコポリマーを含有する放射線硬化性組成物に関する。より具体的には、本発明は、イソブチレン型モノマーを含むコポリマーを含有する放射線硬化性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
(2.関連技術の説明)
放射線硬化性組成物は、それ自身が重合反応の反応生成物である放射線硬化性オリゴマーから形成される。これらの重合反応生成物は、代表的に、所望のオリゴマーの大部分を含むが、他の組成物(未反応の組成物および部分的に反応した組成物、ならびに生成物による他の重合反応物を含む)もまた含み得る。
【0003】
放射線硬化性組成物は、限定的な商業適用に首尾よく使用される。少ないコストで溶媒または化学抵抗のような性能特徴を有するコーティングを一貫して提供する、放射線硬化性オリゴマーまたは放射線硬化性モノマーを含有する放射線硬化性組成物を提供することが望ましい。増強された性能を示す放射線硬化性オリゴマーまたは放射線硬化性モノマーを提供することがさらに望ましい。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(発明の要旨)
本発明は、以下の構造単位(I)を有する残基を含む非ゲル化コポリマーを含む組成物に関し:
【0005】
【化11】


ここでnは、1〜10,000の整数であり;Rは、直鎖または分枝のC〜Cアルキルであり;Rは、メチル、直鎖、環式または分枝のC〜C20アルキル、アルケニル、アリール、アルカリルおよびアラルキルからなる群から選択され;そしてRは、化学線または電離放射線に曝露されたときに重合反応を起こし得る基を含む部分である。
【0006】
本発明は、さらに基材をコーティングする方法に関し、この方法は以下の工程:
(a)基材を提供する工程;
(b)この基材表面の少なくとも一部を覆って、上記のコポリマーを含有する放射線硬化性組成物の層を適用する工程;および
(c)この層を、放射線硬化性組成物の硬化に影響を及ぼすのに十分な量の化学線または電離放射線に曝露することによって、放射線硬化性組成物を硬化する工程
を包含する。本発明はまた、上記の方法を用いてコーティングされた基材に関する。
【0007】
本発明は、さらに多層複合コーティングに関し、このコーティングは、以下:
(A)ベースコーティング組成物から堆積されるベースコーティング層;および
(B)ベースコーティング層の少なくとも一部を覆ってトップコーティング組成物から堆積されるトップコーティング;
を包含し、ここで、ベースコーティングおよびトップコーティングのいずれかまたは両方が、上記の放射線硬化性組成物から堆積される。本発明はまた、上記の多層複合コーティングでコーティングされた基材に関する。
【0008】
本発明は、例えば、さらに以下を提供する。
(項目1)
以下の構造単位を有する残基からなる非ゲル化コポリマーを含む組成物であって:
【化1】



ここで、nは1〜10,000の整数であって;Rは直鎖または分枝のC〜Cアルキルであり;Rは、メチル、直鎖、環式または分枝のC〜C20アルキル、アルケニル、アリール、アルカリルおよびアラルキルからなる群から選択され;そして、Rの各存在は独立して、エポキシ基を含む部分、チオール基を含む部分、
【化2】



からなる群から選択され、ここで、Rは、1〜4つのエチレン性不飽和基を含むC24アルケニル基および少なくとも1つのエチレン性不飽和基を含むC〜Cの直鎖または分枝のアルケニル基からなる群から選択され;Rの各存在は独立して水素、直鎖、環式または分枝のC〜C20アルキル、アルケニル、アリール、アルカリル、アラルキル、アルキロール、アラルキロ−ル、アルキルチオール、およびアラルキルチオールおよび−COORからなる群から選択され、ここでRは、水素およびC〜Cアルキルから選択され;RはHおよびC〜Cアルキルからなる群から選択され;Rの各存在は、独立してHおよびC〜Cアルキルからなる群から選択され;R40は、直鎖、環式または分枝のC〜C20アルキレン、アルケニレン、アリーレン、アルカリレン、アラルキレン、オキシアルカレンおよびポリオキシアルカレンから選択される連結基であり;iは1〜10であり;そしてjは0〜100である、組成物。
(項目2)
項目1に記載の組成物であって、前記コポリマーの構造単位(I)が、少なくとも20mol%の該コポリマーを含む、組成物。
(項目3)
項目1に記載のコポリマー組成物であって、以下の構造単位:
【化3】



を有する0.1〜20mol%の残基をさらに含み、ここで、R10は、以下の構造:
【化4】



を有する基を含む、組成物。
(項目4)
項目1に記載のコポリマー組成物であって、ここで前記コポリマーが、以下の一般式:
【化5】



の他のエチレン性不飽和モノマー由来の1つ以上の残基をさらに含み、ここで、R1112およびR14は独立して、H、ハロゲン化物、CF、直鎖または分枝の1〜20個の炭素原子を有するアルキル、6〜12個の炭素原子を有するアリール、不飽和直鎖または分枝の2〜10個の炭素原子のアルケニルまたはアルキニル、ハロゲンで置換された不飽和直鎖または分枝の2〜6個の炭素原子を有するアルケニル、C〜Cシクロアルキル、ヘテロシクリルおよびフェニルからなる群から選択され;R13は、H、ハロゲン化物、C〜Cアルキル、COOR18からなる群から選択され、ここでR18は、H、アリカリ金属、C〜Cアルキル基、グリシジルおよびアリールからなる群から選択される、組成物。
(項目5)
項目4に記載の組成物であって、前記他のエチレン性不飽和モノマーが、メタクリル酸モノマーおよびアリルモノマーからなる群から1つ以上選択される、組成物。
(項目6)
項目1に記載の組成物であって、前記コポリマーが、500〜16,000の数平均分子量および4未満の多分散値を有する、組成物。
(項目7)
項目1に記載の組成物であって、前記Rの基が、化学線または電離放射線に曝露されたとき、重合反応を開始し得る、組成物。
(項目8)
前記化学線が紫外線である、項目7に記載の組成物。
(項目9)
前記電離放射線が電子ビーム放射線である、項目7に記載の組成物。
(項目10)
非ゲル化コポリマーを含む放射線硬化性組成物であって、該組成物は、以下の構造単位:
【化6】



を有する残基を含み、ここで、nは1〜10,000の整数であり;Rは直鎖または分枝のC〜Cアルキルであり;Rは、メチル、直鎖、環式または分枝のC〜C20アルキル、アルケニル、アリール、アルカリルおよびアラルキル、からなる群から選択され;そしてRは、化学線または電離放射線に曝露されたときに重合反応を開始し得、エポキシ基、チオール基を含む部分、
【化7】



、からなる群から選択され得る部分を含み、
ここでRは、1〜4つのエチレン性不飽和基を有するC〜C24アルケニル基および少なくとも1つのエチレン性不飽和基を有するC〜C直鎖または分枝のアルケニル基からなる群から選択され;Rの各存在は、独立して、水素、直鎖、環式または分枝のC〜C20アルキル、アルケニル、アリール、アルカリル、アラルキル、アルキロール、アラルキロール、アルキルチオール、およびアラルキルチオール、および−COORらなる群から選択され、ここでRは水素およびC〜Cアルキルから選択され;RはHおよびC〜Cアルキルからなる群から選択され;Rの各存在は、独立して、HおよびC〜Cアルキルからなる群から選択され;R40は、直鎖、環式または分枝の〜C20アルキレン、アルケニレン、アリーレン、アルカリレン、アラルキレン、オキシアルカレンおよびポリオキシアルカレンから選択される連結基であり;iは、1〜10であり;そしてjは0〜100である、組成物。
(項目11)
項目10に記載の組成物であって、(a)前記コポリマーおよび(b)少なくとも1つの光増感剤または光開始剤を含む、組成物。
(項目12)
前記化学線が紫外線である、項目10に記載の組成物。
(項目13)
前記電離放射線が電子ビーム放射線である、項目10に記載の組成物。
(項目14)
前記光増感剤が、ベンゾフェノン、アントラキノンおよびチオキサントンからなる群から1つ以上選択される、項目11に記載の組成物。
(項目15)
前記光開始剤が、イソブチルベンゾインエーテル、ブチルベンゾインエーテルのブチル異性体、α,α−ジエトキシアセトフェノン、ホスフィンオキシドおよびα,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノンからなる群から1つ以上選択される、項目10に記載の組成物。
(項目16)
熱重合インヒビターを含む、項目10に記載の組成物。
(項目17)
前記組成物が、同時反応性の官能基を含む、項目10に記載の組成物。
(項目18)
前記組成物が熱硬化性組成物である、項目10に記載の組成物。
(項目19)
項目18に記載の組成物であって、以下:
(a)前記コポリマー;および
(b)少なくとも1つの他の成分;
を含み、(a)は、反応性官能基を含み、そして(b)は、該(a)の官能基と反応性の官能基を含む、組成物。
(項目20)
項目19に記載の組成物であって、前記コポリマーの官能基が、エポキシ、カルボン酸、ヒドロキシ、チオール、イソシアネート、キャップ化イソシアネート、アミド、アミン、アセトアセテート、メチロール、メチロールエーテル、オキサゾリンカルバメートおよびβ−ヒドロキシアルキルアミドからなる群から1つ以上選択される、組成物。
(項目21)
項目19に記載の組成物であって、前記(b)の官能基が、エポキシ、カルボン酸、ヒドロキシ、チオール、アミド、アミン、オキサゾリン、アセトアセテート、メチロール、メチロールエーテル、イソシアネート、キャップ化イソシアネート、βヒドロキシアルカミドおよびカルバメートからなる群から選択される、組成物。
(項目22)
項目19に記載の組成物であって、前記少なくとも1つの他の成分(b)が、エチレン性不飽和基、エポキシ基およびチオール基から選択される1つ以上の基をさらに含む、組成物。
(項目23)
(a)が100〜5,000グラム/当量の官能基当量を有する、項目19に記載の組成物。
(項目24)
前記コポリマーの構造単位(I)が少なくとも20mol%の該コポリマーを含む、項目10に記載の組成物。
(項目25)
前記コポリマーが、以下の構造単位:
【化8】



を有する0.1〜20mol%の残基をさらに含み、ここで、R10は、以下の構造:
【化9】



を有する基を含む、項目10に記載の組成物。
(項目26)
項目10に記載の組成物であって、前記コポリマーが、以下の一般式の他のエチレン性不飽和モノマー由来の1つ以上の残基をさらに含み:
【化10】



ここで、R11、R12およびR14は独立して、H、ハロゲン化物、CF、直鎖または分枝の1〜20個の炭素原子を有するアルキル、6〜12個の炭素原子を有するアリール、不飽和直鎖または分枝の2〜10個の炭素原子を有するアルケニルまたはアルキニル、ハロゲンで置換された不飽和直鎖または分枝の2〜6個の炭素原子を有するアルケニル、C〜Cシクロアルキル、ヘテロシクリルおよびフェニルからなる群から選択され;13はH、ハロゲン化物、C〜Cアルキル、COOR18からなる群から選択され、ここで、R18はH、アルカリ金属、C〜Cアルキル基、グリシジルおよびアリールからなる群から選択される、組成物。
(項目27)
前記他のエチレン性不飽和モノマーが、メタクリル酸モノマーおよびアリルモノマーからなる群から1つ以上選択される、項目26に記載の組成物。
(項目28)
前記コポリマーが、500〜16,000の数平均分子量および4未満の多分散値を有する、項目10に記載の組成物。
(項目29)
基材をコーティングする方法であって、以下:
(a)基材を提供する工程;
(b)該基材の表面の少なくとも一部を覆うように、項目10に記載の放射線硬化性組成物の層を塗布する工程;および
(c)該放射線硬化性組成物の硬化をもたらすのに十分な量の化学線または電離放射線に該層を曝露することによって、該放射線硬化性組成物を硬化する工程
を包含する、方法。
(項目30)
前記放射線硬化性組成物が、ロールコーティング、カーテンコーティング、ドクターブレードコーティング、スプレーコーティング、ブラッシング、エアナイフ、浸漬、スロッティング、スクリーンプリンティングおよびフローイングから選択される方法によって塗布される、項目29に記載の方法。
(項目31)
前記化学線が紫外線である、項目10に記載の方法。
(項目32)
前記電離放射線が電子ビーム放射線である、項目10に記載の方法。
(項目33)
前記紫外線の供給源が、水銀アーク、炭素アーク、低圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、旋回流体プラズマアークおよび紫外光発光ダイオードからなる群から1つ以上選択される、項目31に記載の方法。
(項目34)
前記放射線硬化性組成物の層を含む前記基材の表面が5〜300m/分の速度で紫外線の供給源を通過し;ここで、該紫外線の供給源が200〜1,000mj/cmの紫外線を該基材の表面に提供する、項目31に記載の方法。
(項目35)
基材をコーティングする方法であって、以下:
(a)基材を提供する工程;
(b)該基材の表面の少なくとも一部を覆うように、項目17に記載の放射線硬化性組成物の層を塗布する工程;
(c)該放射線硬化性組成物の硬化をもたらすのに十分な量の化学線または電離放射線に該層を曝露することによって、該放射線硬化性組成物を硬化する工程;および
(d)熱硬化、空気硬化、酸化的硬化、カチオン性UV硬化および湿性硬化から選択される方法を用いて、該放射線硬化性組成物を硬化する工程;
を包含し、ここで(c)および(d)が任意の順序で実施され得、そして、任意の順序で繰り返され得る、方法。
(項目36)
前記基材の少なくとも一部が、項目10に記載の放射線硬化性組成物でコーティングされている、基材。
(項目37)
前記基材の少なくとも一部が、項目19に記載の熱硬化性組成物でコーティングされている、基材。
(項目38)
多層複合コーティングであって、以下:
(A)ベースコーティング組成物から堆積されるベースコーティング層;および
(B)該ベースコーティング層の少なくとも一部を覆うように、トップコーティング組成物から堆積されるトップコーティング層;
を含み;ここで、(A)および(B)のいずれかまたは両方が、項目10の放射線硬化性組成物から堆積される、多層複合コーティング。
(項目39)
多層複合コーティングであって、以下:
(A)着色されたフィルム形成ベースコーティング組成物から堆積されたベースコーティング層;および
(B)該ベースコーティング層の少なくとも一部を覆うように、項目10に記載の放射線硬化性組成物から堆積される、トップコーティング層
を含む、多層複合コーティング。
(項目40)
多層複合コーティングであって、以下:
(A)項目10に記載の放射線硬化性組成物から堆積されるベースコーティング層;および
(B)該ベースコーティング層の少なくとも一部を覆うように、項目9に記載の放射線硬化性組成物から堆積される、トップコーティング層
を含む、多層複合コーティング。
(項目41)
多層複合コーティングであって、以下:
(A)ベースコーティング組成物から堆積されるベースコーティング層;および
(B)該ベースコーティング層の少なくとも一部を覆うように、トップコーティング組成物から堆積されるトップコーティング;
を含み、(A)および(B)のいずれかまたは両方が項目19に記載の熱硬化性組成物から堆積される、多層複合コーティング。
(項目42)
多層複合コーティングであって、以下:
(A)着色されたフィルム形成ベースコーティング組成物から堆積されるベースコーティング層;および
(B)該ベースコーティング層の少なくとも一部を覆うように、項目19に記載の熱硬化性組成物から堆積されるトップコーティング;
を含む、多層複合コーティング。
(項目43)
多層複合コーティングであって、以下:
(A)項目19に記載の熱硬化性組成物から堆積されるベースコーティング層;および
(B)前記ベースコーティング層の少なくとも一部を覆うように、項目19に記載の熱硬化性組成物から堆積されるトップコーティング層
を含む、多層複合コーティング。
(項目44)
前記基材の少なくとも一部が項目38に記載の多層複合コーティングでコーティングされている、基材。
(項目45)
前記基材の少なくとも一部が項目39に記載の多層複合コーティングでコーティングされている、基材。
(項目46)
前記基材の少なくとも一部が項目40に記載の多層複合コーティングでコーティングされている、基材。
(項目47)
前記基材の少なくとも一部が項目41に記載の多層複合コーティングでコーティングされている、基材。
(項目48)
前記基材の少なくとも一部が項目42に記載の多層複合コーティングでコーティングされている、基材。
(項目49)
前記基材の少なくとも一部が項目43に記載の多層複合コーティングでコーティングされている、基材。
【0009】
(発明の詳細な説明)
操作実施例以外、または特に明記しない限り、本明細書および特許請求の範囲で使用される成分の量、反応条件などを示す全ての数値または表現は、いずれの場合にも、「約」との用語により修飾されることが理解できるはずである。本特許出願では、種々の数値範囲が開示されている。これらの範囲は、連続しているので、その最低値と最高値との間のいずれの値も含む。特に明記しない限り、本願で特定した種々の数値範囲は、概算値である。
【0010】
本明細書中で使用する「コポリマー組成物」との用語は、合成コポリマーだけでなく、そのコポリマーの合成に伴うがそこに共有結合的には組み込まれていない開始剤、触媒および他の要素に由来の残渣を含むことを意味する。このコポリマー組成物の一部と見なされるこのような残渣および他の要素は、代表的には、容器間または溶媒間または分散媒体間で移動したときにコポリマーと共に残るように、そのコポリマーと混合される。
【0011】
本明細書中で使用する「実質的に含まない」との用語は、ある物質が偶発的な不純物として存在することを含むことを意味する。言い換えれば、その物質は、指定組成物に意図的に加えられるのではなく、目的組成物の成分の一部として不純物として繰り入れられるので、少量レベルまたは僅かなレベルで存在し得る。
【0012】
「ドナーモノマー」および「アクセプターモノマー」との用語は、本願全体にわたって使用される。本発明に関して、「ドナーモノマー」との用語は、エチレン性二重結合における電子密度が比較的に高い重合可能エチレン性不飽和基を有するモノマーを意味し、また、「アクセプターモノマー」との用語は、エチレン性二重結合における電子密度が比較的に低い重合可能エチレン性不飽和基を有するモノマーを意味する。この概念は、the
Alfrey−Price Q−eスキームにより、ある程度数量化されている(Robert Z.Greenley,Polymer Handbook,Fourth Edition,Brandrup,Immergut and Gulke,editors,Wiley & Sons,New York,NY,pp.309−319(1999))。本明細書中で列挙した全てのe値は、特に明記しない限り、the Polymer Handbookで見られるものである。
【0013】
このQ−eスキームでは、Qは、モノマーの反応性を反映し、そしてeは、モノマーの極性(これは、所定モノマーの重合可能エチレン性不飽和基の電子密度を意味する)を示す。正のe値は、あるモノマーが、無水マレイン酸(これは、3.69のe値を有する)の場合のように、比較的に電子密度が低く、アクセプターモノマーであることを意味する。低いまたは負のe値は、あるモノマーが、ビニルエチルエーテル(これは、−1.80のe値を有する)の場合のように、比較的に電子密度が高く、ドナーモノマーであることを意味する。
【0014】
本明細書中で言及する強力なアクセプターモノマーとは、2.0より高いe値を備えたモノマーを含むことを意味する。「中程度のドナーモノマー」との用語は、0.5より高いe値を備えたモノマーから2.0のe値を備えたモノマーまで(それらのモノマーを含めて)を含むことを意味する。逆に、「強力なドナーモノマー」との用語は、−1.5より低いe値を備えたモノマーを含むことを意味し、また、「中程度のドナーモノマー」との用語は、0.5未満のe値を備えたモノマーから−1.5のe値を備えたモノマーまでを含むことを意味する。
【0015】
本明細書中および添付の特許請求の範囲中で使用される場合、用語「二重硬化」とは、電離放射線または化学光に供しすることによって、およびまたは、例えば、熱硬化性樹脂を硬化するために、従来の硬化機構を用いて物質を硬化させることをいう。非限定的な例として、Changらに対する米国特許第4,025,407号(これは、本明細書中に参考として援用される)は、放射線感受性物質および熱硬化性樹脂の個濃物からハイソリッド(high solid)フィルムを調製する方法を記載する。この混合物は、電離放射線もしくは化学線への曝露、および/または加熱によって硬化される。
【0016】
本明細書中および添付の特許請求の範囲中で使用される場合、用語「化学線」とは、化学反応を開始し得る電磁放射をいう。化学線の非限定的な例としては、紫外線または紫外光が挙げられる。
【0017】
本明細書中および添付の特許請求の範囲で使用される場合、用語「電離放射線」とは、通過する媒体中で電離を引き起こすのに、エネルギーが十分に高い放射線をいう。電離放射線の非限定的な例としては、例えば、電子、中性子もしくはα粒子から形成され得る高エネルギー粒子ビーム、または短波長電磁放射線(例えば、紫外線、γ線またはX線)が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の実施形態において、電離放射線は、電子ビームによって供給される。
【0018】
本発明は、化学線または電離放射線に曝露されたときに重合反応を開始し得る1つ以上の基を含むコポリマーを含むコポリマー組成物を含有する放射線硬化性組成物に関する。重合可能な基は、エチレン性不飽和基、エポキシ基および/またはチオールであり得る。非限定的な例として、放射線は、紫外線、紫外光および/または電子ビームから供給され得る。
【0019】
放射線硬化性組成物は、代表的に、良好な湿性特性および適切な基材との接着性特性を有する。適切な基材としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:木材、紙、集成材、チップボード、金属、その上に下塗剤を有する金属、ガラス、プラスチックおよび金属化プラスチック。
【0020】
このポリマーは、以下の構造の交互モノマー残基単位を有するドナーモノマー−アクセプターモノマー対の交互配列から誘導されたコポリマーの残基を少なくとも20mol%、ある場合、30mol%、多くの場合、少なくとも40mol%、代表的には、少なくとも50mol%、ある場合には、少なくとも60mol%、他の場合には、少なくとも75mol%で有する:
−[DM−AM]−
ここで、DMは、ドナーモノマー由来の残基を示し、そしてAMは、アクセプターモノマー由来の残基を示す。このコポリマーは、DMおよびAMの100%交互コポリマーであり得る。より具体的には、このコポリマーは、少なくとも10mol%、ある場合は15mol%のドナーモノマーを含有し、これは、以下の構造(I)を有するイソブチレン型モノマーである:
【0021】
【化12】


ここで、Rは、直鎖または分枝C〜Cアルキルである;Rは、1個またはそれ以上のメチル、直鎖、環式または分枝C〜C20アルキル、アルケニル、アリール、アルカリールおよびアラルキルである。さらに、このコポリマーの少なくとも10mol%、ある場合には少なくとも15mol%は、アクセプターモノマーとして、アクリルモノマーを含有する。R基は、エポキシ、カルボン酸、ヒドロキシ、チオール、イソシアネート、キャップ化イソシアネート、アミド、アミン、アセトアセテート、メチロールおよびβ−ヒドロキシアルキルアミドから選択される1個またはそれ以上の官能基を包含し得る。
【0022】
本発明の実施形態において、このコポリマーが、構造Iで記載された中程度のドナーモノマーの交互残基の相当部分(これは、アクリルモノマーである)を含有する。本発明の構造Iおよびアクリルモノマーで記載されたモノマーとして含まれ得るモノマーの公開e値の非限定的なリストを、表2に示す。
【0023】
(表2)
選択モノマーのAlfrey−Price e値
モノマー e値
構造Iのモノマー
イソブチレン −1.20
ジイソブチレン 0.49
アクリルモノマー
アクリル酸 0.88
アクリルアミド 0.54
アクリロニトリル 1.23
メチルアクリレート 0.64
エチルアクリレート 0.55
ブチルアクリレート 0.85
ベンジルアクリレート 1.13
グリシジルアクリレート 1.28

Polymer Handbook、第14版(1999)
Rzaevら、Eur.Polym.J.,Vol.24,No.7,pp.981〜985(1998)。
【0024】
本発明では、任意の適当なドナーモノマーが使用され得る。使用され得る適当なドナーモノマーには、強力なドナーモノマーおよび中程度のドナーモノマーが挙げられる。本発明は、中程度のドナーモノマーが使用される交互コポリマーを調製するのに特に有用である。本発明のコポリマーは、式Iで記載された中程度のドナーモノマー(例えば、イソブチレンおよびジイソブチレン、ジペンテンおよびイソプレノール)を含有し、さらに、他の適当な中程度のドナーモノマーを含有し得る。構造Iの中程度のドナーモノマーは、このコポリマー組成物中にて、少なくとも10mol%、ある場合には15mol%、ある場合には、少なくとも25mol%、代表的には、少なくとも30mol%、ある場合には、少なくとも35mol%のレベルで存在している。構造Iの中程度のドナーモノマーは、このコポリマー組成物中にて、50mol%まで、ある場合には、47.5mol%まで、代表的には、45mol%まで、ある場合には、40mol%までのレベルで、存在している。使用される構造Iの中程度のドナーモノマーのレベルは、このコポリマー組成物内に組み込まれる特性により、決定される。構造Iの中程度のドナーモノマーに由来の残基は、このコポリマー組成物中にて、上で述べた値を含めた任意の範囲の値で、存在し得る。
【0025】
本発明で使用され得る他の適当なドナーモノマーには、エチレン、ブテン、スチレン、置換スチレン、メチルスチレン、置換スチレン、ビニルエーテル、ビニルエステル、ビニルピリジン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレンおよびジビニルナフタレンが挙げられるが、これらに限定されない。ビニルエステルには、カルボン酸のビニルエステルが挙げられ、これらには、酢酸ビニル、酪酸ビニル、3,4−ジメトキシ安息香酸ビニルおよび安息香酸ビニルが挙げられるが、これらに限定されない。他のドナーモノマーの使用は任意であり、他のドナーモノマーが存在しているとき、それらは、このコポリマー組成物の少なくとも0.01mol%、しばしば、少なくとも0.1mol%、代表的には、少なくとも1mol%、ある場合には、少なくとも2mol%のレベルで存在している。これらの他のドナーモノマーは、25mol%まで、ある場合には、20mol%まで、代表的には、10mol%まで、ある場合には、5mol%までで存在し得る。使用される他のドナーモノマーのレベルは、このコポリマー組成物に組み込まれる特性により、決定される。他のドナーモノマーに由来の残基は、このコポリマー組成物中にて、上で述べた値を含めた任意の範囲の値で、存在し得る。
【0026】
このコポリマー組成物は、そのコポリマー鎖に沿って、交互ドナーモノマーアクセプターモノマー単位の一部として、アクセプターモノマーを含有する。任意の適当なアクセプターモノマーが使用され得る。適当なアクセプターモノマーには、強力なアクセプターモノマーおよび中程度のアクセプターモノマーが挙げられる。適当なアクセプターモノマーの非限定的な種類には、構造(II)で記載されたものがある:
【0027】
【化13】


ここで、Wは、−CN、−Xおよび−C(=O)−Yからなる群から選択され、ここで、Yは、−NR31、−O−R−O−C(=O)−NR31および−ORからなる群から選択され、R31は、H、直鎖または分枝C〜C20アルキル、および直鎖または分枝C〜C20アルキルオールからなる群から選択され、Rは、H、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(プロピレンオキシド)、直鎖または分枝C〜C20アルキル、アルキルオール、アリールおよびアラルキル、直鎖または分枝C〜C20フルオロアルキル、フルオロアリールおよびフルオロアラルキル、シロキサンラジカル、ポリシロキサンラジカル、アルキルシロキサンラジカル、エトキシ化トリメチルシリルシロキサンラジカル、およびプロポキシル化トリメチルシリルシロキサンラジカルからなる群から選択され、Rは、二価直鎖または分枝C〜C20アルキル連結基であり、そしてXは、ハロゲン化物である。
【0028】
本発明のコポリマー組成物に含有される種類の中程度のアクセプターモノマーは、アクリルアクセプターモノマーである。適当なアクリルアクセプターモノマーには、構造(III)で記載されたものが挙げられる:
【0029】
【化14】


ここで、Yは、−NR31、−O−R−O−C(=O)−NR31および−ORからなる群から選択され、R31は、H、直鎖または分枝C〜C20アルキル、および直鎖または分枝C〜C20アルキルオールからなる群から選択され、Rは、H、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(プロピレンオキシド)、直鎖または分枝C〜C20アルキル、アルキルオール、アリールおよびアラルキル、直鎖または分枝C〜C20フルオロアルキル、フルオロアリールおよびフルオロアラルキル、シロキサンラジカル、ポリシロキサンラジカル、アルキルシロキサンラジカル、エトキシ化トリメチルシリルシロキサンラジカル、およびプロポキシル化トリメチルシリルシロキサンラジカルからなる群から選択され、そしてRは、二価直鎖または分枝C〜C20アルキル連結基である。
【0030】
特に有用な種類のアクリルアクセプターモノマーには、構造IIIで記載されたものがあり、ここで、Yは、以下の少なくとも1個の官能基を含む:エポキシ、カルボン酸、ヒドロキシ、チオール、イソシアネート、キャップ化イソシアネート、アミド、アミン、アセトアセテート、メチロールおよびβ−ヒドロキシアルキルアミド。
【0031】
適当なアクセプターモノマーの例には、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、アクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、アクリルアミド、パーフルオロメチルエチルアクリレート、パーフルオロエチルエチルアクリレート、パーフルオロブチルエチルアクリレート、トリフルオロメチルベンジルアクリレート、パーフルオロアルキルエチルアクリレート、アクリロキシアルキル末端ポリジメチルシロキサン、アクリロキシアルキルトリス(トリメチルシロキシシラン)およびアクリロキシアルキルトリメチルシロキシ末端ポリエチレンオキシド、クロロトリフルオロエチレン、グリシジルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、およびn−ブトキシメチルアクリルアミドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
構造IIIのアクリルアクセプターモノマーは、グリシジルアクリレート残基を含み得、ここで、エポキシ基は、以下で説明するエチレン性不飽和基を含有する、適切な活性水素化合物と反応させられている。
【0033】
構造IIIのアクリルアクセプターモノマーは、このコポリマー組成物中にて、少なくとも10mol%、ある場合には15mol%、ある場合には、少なくとも25mol%、代表的には、少なくとも30mol%、ある場合には、少なくとも35mol%のレベルで存在している。構造IIIのアクリルアクセプターモノマーは、このコポリマー組成物中にて、50mol%まで、ある場合には、47.5mol%まで、代表的には、45mol%まで、ある場合には、40mol%までのレベルで、存在している。使用される構造IIIのアクリルアクセプターモノマーのレベルは、このコポリマー組成物内に組み込まれる特性により、決定される。構造IIIのアクリルアクセプターモノマーに由来の残基は、このコポリマー組成物中にて、上で述べた値を含めた任意の範囲の値で、存在し得る。
【0034】
本発明で使用され得る他の適当な中程度のアクセプターモノマーには、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ハロゲン化ビニル、クロトン酸、スルホン酸ビニルアルキルおよびアクロレインが挙げられるが、これらに限定されない。ハロゲン化ビニルには、塩化ビニルおよびフッ化ビニリデンが挙げられるが、これらに限定されない。他の中程度のアクセプターモノマーの使用は任意であり、他の中程度のアクセプターモノマーが存在しているとき、それらは、このコポリマー組成物の少なくとも0.01mol%、しばしば、少なくとも0.1mol%、代表的には、少なくとも1mol%、ある場合には、少なくとも2mol%のレベルで存在している。これらの他のアクセプターモノマーは、35mol%まで、ある場合には、25mol%まで、代表的には、15mol%まで、ある場合には、10mol%までで存在し得る。使用される他のアクセプターモノマーのレベルは、このコポリマー組成物に組み込まれる特性により、決定される。他のアクセプターモノマーに由来の残基は、このコポリマー組成物中にて、上で述べた値を含めた任意の範囲の値で、存在し得る。
【0035】
本発明のコポリマーは、少なくとも250、多くの場合、少なくとも500、代表的には、少なくとも1,000、ある場合には、少なくとも2,000の分子量を有する。本発明のコポリマーは、1,000,000まで、多くの場合、500,000まで、代表的には、100,000まで、ある場合には、50,000までの分子量を有し得る。特定の用途には、本発明のコポリマーの分子量が30,000を超えない、ある場合には、25,000を超えない、他の場合には、20,000を超えない、特定の場合には、16,000を超えないことが必要である。このコポリマーの分子量は、そのコポリマー組成物に組み込まれる特性に基づいて、選択される。このコポリマーの分子量は、上で述べた値を含めた任意の範囲の値で、変わり得る。
【0036】
本発明のコポリマーの多分散指数(PDI)は、常に重要である訳ではない。このコポリマーの多分散指数は、通常、4未満、多くの場合、3.5未満、代表的には、3未満、ある場合には、2.5未満である。本明細書中および請求の範囲で使用する「多分散指数」は、以下の等式から決定される:(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))。単分散重合体は、1.0のPDIを有する。さらに、本明細書中で使用するMnおよびMwは、ポリスチレン標準を使用するゲルパーミエーションクロマトグラフィーから決定される。
【0037】
本発明のコポリマー組成物において、ドナーモノマー−アクセプターモノマー対の交互配列由来のコポリマーの残基(−[DM−AM]−)としては、以下の交互構造IVを有する残基が挙げられる:
【0038】
【化15】


ここで、nは1〜10,000の整数であり;RおよびRは、上で定義した通りであり;そしてRは、化学線または電離放射線に曝露されたときに重合反応を起こし得る1つ以上の基を含む部分である。Rにおける重合可能基の非限定的な例としては、エチレン性不飽和基、エポキシ基およびチオールが挙げられる。
【0039】
1つの特に好ましい実施形態は、R基およびR基を含むモノマー残基がジイソブチレン、イソブチレン、ジペンテン、1−オクテンおよびイソプレノールのうちの1つまたは組み合せ由来であり、そして、R基を含むモノマー残基が、構造CH=CH−C(O)−Rを有する、1つ以上のアクリルモノマー由来であって、ここでRが、1つ以上の以下の構造V〜XIであり:
【0040】
【化16】


ここで、Rが、1〜4個のエチレン性不飽和基を含有するC〜C24アルキル基および少なくとも1つのエチレン性不飽和基を含有するC〜Cの直鎖または分枝アルケニル基から選択され;各Rは独立して、水素、直鎖、環式または分枝のC〜C20アルキル、アルケニル、アリール、アルカリル、アルキロール、アラルキロ−ル、アルキルチオールおよびアラルキルチオール、ならびに−COORから選択され、ここでRは、水素およびC〜Cアルキルから選択され;RはHおよびC〜Cアルキルから選択され;Rの各存在は独立して、HおよびC〜Cアルキルから選択され;R40は、直鎖、環式または分枝のC〜C25アルキレン、アルケニレン、アルキレンアリ−ル、オキシアルカレンおよびポリオキシアルカレンから選択される連結基であり;iは1〜10であり;そしてjは0〜100である。本発明のコポリマー組成物はまた、他の重合可能なエチレン性不飽和モノマーを包含し得る。
【0041】
本明細書中で使用される場合、「アルキレン」とは、C〜C25の炭素鎖長を有する非環式または環式の飽和炭化水素基をいう。適切なアルキレン基の非限定的な例としては、プロペプニル、1−ブテニル、1−ペンテニル、1−デカニルおよび1−ヘネイコセニル(heneicosenyl)(例えば、それぞれ(CH、(CH、(CH、(CH10および(CH23)ならびにイソプレンおよびマイルセン(myrcene)由来のものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0042】
本明細書中で使用される場合、「オキシアルキレン」とは、2つの炭素原子に結合してその間に介入する、少なくとも1つの酸素原子を含み、そしてC〜C25のアルキレン炭素鎖長を有するアルキレン基をいう。適切なオキシアルキレン基およびポリオキシアルキレン基の非限定的な例としては、トリメチロールプロパンモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールモノアルキルエーテル、ポリエトキシル化アリルアルコールおよびポリプロポキシル化アリルアルコール(例えば、−(CHOCHC(CHOH)(CHCH−))由来のものが挙げられる。
【0043】
本明細書中で使用される場合、「アルキレンアリール」とは、少なくとも1つのアリール基(例えば、フェニル)で置換され、そしてC〜C25のアルキレン炭素鎖長を有する非環式アルキレン基をいう。アリール基の適切な置換基の非限定的な例としては、ヒドロキシル基、ベンジル基、カルボン酸基、および脂肪族炭化水素基が挙げられるが、これらに限定されない。適切なアルキレンアリール基の非限定的な例としては、スチレンおよび3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート(例えば、−(CH−および−CHCH(CH)C(C(CH(NCO))由来のものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0044】
本明細書中で使用される場合、「アルケニレン」とは、1つ以上の二重結合を有し、かつC〜C25の炭素鎖長のアルケニレンを有する非環式炭化水素基または環式炭化水素基をいう。適切なアルケニレン基の非限定的な例としては、プロパルジルアルコールおよびアセチレンジオール(例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシル−4,7−ジオール(SURFYNOL 104としてAir Products and Chemicals,Inc.(Allentown,Pennsylvania)から市販される))から由来するものが挙げられる。
【0045】
本発明の1つの実施形態において、R40は、一官能性、二官能性または多官能性のC〜C25脂肪族、環式脂肪族または芳香族イソシアネートであるかまたは一官能性、二官能性または多官能性のC〜C25脂肪族、環式脂肪族または芳香族イソシアネート由来である。非限定的な例として、このイソシアネートは、イソホロンジイソシアネートであり得る。このような場合、Rは、代表的には以下の構造XII〜XVの1つ以上を含有し得る構造の混合物を有する:
【0046】
【化17】


ここで、RおよびRは、上で定義した通りである。
【0047】
本発明のコポリマー組成物は、組み込んだモノマー残基の全てを交互構造で有し得る。ジイソブチレン(DIIB)およびアクリルモノマー(Ac)の100%交互構造を有するコポリマーセグメントの非限定的な例は、構造XVIで示されている:
(XVI) −Ac−DIIB−Ac−DIIB−Ac−DIIB−Ac−DIIB−Ac−DIIB−Ac−DIIB−Ac−
しかしながら、大ていの場合、本発明のコポリマーは、構造XVIIで示すように、交互セグメントおよびランダムセグメントを含み、DIIB、Acおよび他のモノマーMのコポリマーである:
【0048】
【化18】


構造XVIIは、コポリマーが、囲みで示した交互セグメントおよび下線を引いたセグメントで示したランダムセグメントを含み得る、本発明の1つの実施形態を示す。
【0049】
このコポリマーのランダムセグメントは、交互構造によってこのコポリマー組成物に組み込まれていない供与体またはアクセプターモノマー残基を含み得る。このコポリマー組成物のランダムセグメントは、さらに、他のエチレン性不飽和モノマーに由来の残基を含み得る。本明細書中で列挙したように、ドナーモノマーアクセプターモノマー対の交互配列から誘導された重合体セグメントの全ての言及は、構造XVIIの囲みで示したもののようなモノマー残基のセグメントを含むことを意味している。
【0050】
他のエチレン性不飽和モノマーには、アクセプターモノマーまたはドナーモノマーには伝統的に分類されない任意の適当なモノマーが挙げられる。
【0051】
他のエチレン性不飽和モノマー、すなわち、構造XVIIの残基Mは、少なくとも1種のエチレン性不飽和ラジカル重合可能モノマーから誘導される。本明細書中および請求の範囲で使用する「エチレン性不飽和ラジカル重合可能モノマー」および類似の用語は、ビニルモノマー、アリルモノマー、オレフィン、およびラジカル重合可能でドナーモノマーまたはアクセプターモノマーには分類されない他のエチレン性不飽和モノマーを含むことを意味する。
【0052】
Mが誘導され得る種類のビニルモノマーには、一般式XVIIIのモノマーから誘導されたモノマー残基が挙げられるが、これらに限定されない:
【0053】
【化19】


ここで、R11、R12およびR14は、独立して、H、CF、1〜20個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル、アリール、2〜10個の炭素原子を有する不飽和直鎖または分枝アルケニルまたはアルキニル、2〜6個の炭素原子を有する不飽和直鎖または分枝アルケニル(これは、ハロゲン、C〜Cシクロアルキル、ヘテロシクリルおよびフェニルで置換されている)からなる群から選択される;R13は、H、C〜Cアルキル、COOR15(ここで、R15は、H、アルカリ金属、C〜Cアルキル基、グリシジルおよびアリールからなる群から選択される)からなる群から選択される。
【0054】
本発明で使用され得る他のモノマーMの特定の例には、メタクリルモノマーおよびアリルモノマーが挙げられる。残基Mは、そのアルキル基内に1〜20個の炭素原子を有するアルキルメタクリレートの少なくとも1種から誘導され得る。残基Mが誘導され得るアルキル基内に1〜20個の炭素原子を有するアルキルメタクリレートの特定の例には、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘキシルメタクリレートだけでなく、官能性メタクリレート(例えば、ヒドロキシアルキルメタクリレート、オキシラン官能性メタクリレートおよびカルボン酸官能性メタクリレート)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0055】
残基Mはまた、1個より多いメタクリレート基を有するモノマー(例えば、無水メタクリル酸およびジエチレングリコールビス(メタクリレート))から選択され得る。
【0056】
本明細書中および請求の範囲で使用される「アリルモノマー」とは、置換および/または非置換アリル官能性、すなわち、以下の一般式XIXにより表わされる1個またはそれ以上のラジカルを含むモノマーである:
(XIX) HC=C(R10)−CH
ここで、R10は、水素、ハロゲン、またはC〜Cアルキル基である。最も一般的には、R10は、水素またはメチルであり、結果的に、一般式XIXは、非置換(メタ)アリルラジカルを表わし、これは、アリルラジカルおよびメタリルラジカルの両方を包含する。アリルモノマーの例には、(メタ)アリルアルコール;(メタ)アリルエーテル(例えば、メチル(メタ)アリルエーテル);カルボン酸のアリルエステル(例えば、酢酸(メタ)アリル、酪酸(メタ)アリル、3,4−ジメトキシ安息香酸(メタ)アリルおよび安息香酸(メタ)アリル)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0057】
本発明の実施形態において、エポキシ基を含むコポリマーが調製され、そして、エポキシ基は、エチレン性不飽和基を有する適切な活性水素化合物と実質的に反応する。任意の適切な活性水素含有基は、本発明において使用され得る。適切な活性水素含有基としては、カルボン酸、アミド、アルコールおよびアミンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0058】
本発明の特定の実施形態において、グリシジルアクリレートが、コポリマー中の少なくとも1つのエポキシ官能基源である。しかし、これは常に望ましくはなく、またはある場合においては、全てのエポキシ基がエチレン性不飽和基を含む適切な活性水素化合物と反応することは不可能であり得る。このような場合において、このコポリマーは、少なくとも0.1mol%で、ある場合には、少なくとも0.5mol%で、そして、他の場合において、少なくとも1mol%で、および45mol%まで、ある場合には35mol%まで、他の場合において、30mol%まで、ある状況において、25mol%まで、そして他の状況において20mol%までで、以下の構造単位XXを有する残基を含有する:
【0059】
【化20】


ここで、R10は、以下の構造XXIを有する基を含む:
【0060】
【化21】


構造単位XXを有する残基は、上記の範囲を含め、任意の範囲の値でコポリマー中に存在し得る。
【0061】
本発明のコポリマー組成物は、以下の工程を包含する方法により、調製される:(a)構造Iの1種またはそれ以上のドナーモノマーを含有するドナーモノマー組成物を提供する工程;(b)1種またはそれ以上のアクセプターモノマーを含有するエチレン性不飽和モノマー組成物を(a)と混合して、マレエート型およびフマレート型モノマーを実質的に含まない全モノマー組成物を形成する工程;および(c)フリーラジカル開始剤の存在下にて、遷移金属およびルイス酸の実質的に非存在下で、該全モノマー組成物を重合させる工程。本発明の実施形態では、このエチレン性不飽和モノマー組成物には、構造IIIのモノマーが挙げられる。
【0062】
本発明の方法の実施形態では、構造Iのモノマーは、アクリルアクセプターモノマーの量に基づいて、モル過剰で存在している。所望の交互構造の形成を促すために、本発明では、構造Iの過剰モノマーの任意の量が使用され得る。構造Iのモノマーの過剰量は、アクリルアクセプターモノマーの量に基づいて、少なくとも10mol%、ある場合には、25mol%まで、代表的には、50mol%まで、ある場合には、100mol%までであり得る。構造Iのモノマーのモル過剰が高すぎるとき、そのプロセスは、商業規模では、経済的ではあり得ない。
【0063】
本発明の方法のさらに他の実施形態では、このアクリルアクセプターモノマーは、その全モノマー組成の少なくとも15mol%、ある場合には、17.5mol%まで、代表的には、少なくとも20mol%、ある場合には、25mol%の量で存在している。このアクリルアクセプターモノマーは、さらに、その全モノマー組成の50mol%まで、ある場合には、47.5mol%まで、代表的には、45mol%まで、ある場合には、40mol%までの量で、存在し得る。使用されるアクリルアクセプターモノマーのレベルは、このコポリマー組成物内に組み込まれる特性により、決定される。これらのアクリルアクセプターモノマーは、このモノマー組成物中にて、上で述べた値を含めた任意の範囲の値で、存在し得る。
【0064】
本発明の方法のエチレン性不飽和モノマー組成物は、Mおよび上記で指定した他のモノマーだけでなく、上記のような他のドナーモノマーを含有し得る。本発明の方法では、他の中程度のアクセプターモノマーの使用は任意である。他の中程度のアクセプターモノマーが存在しているとき、それらは、その全モノマー組成の少なくとも0.01mol%、しばしば、少なくとも0.1mol%、代表的には、少なくとも1mol%、ある場合には、少なくとも2mol%のレベルで存在している。これらの他のアクセプターモノマーは、その全モノマー組成の35mol%まで、ある場合には、25mol%まで、代表的には、15mol%まで、ある場合には、10mol%までで存在し得る。使用される他のアクセプターモノマーのレベルは、このコポリマー組成物に組み込まれる特性により、決定される。他のアクセプターモノマーに由来の残基は、このコポリマー組成物中にて、上で述べた値を含めた任意の範囲の値で、存在し得る。
【0065】
他のモノマーMの使用は、本発明の方法では、任意である。他のモノマーが存在しているとき、それらは、このコポリマー組成物の少なくとも0.01mol%、しばしば、少なくとも0.1mol%、代表的には、少なくとも1mol%、ある場合には、少なくとも2mol%のレベルで存在している。これらの他のモノマーは、35mol%まで、ある場合には、25mol%まで、代表的には、15mol%まで、ある場合には、10mol%までで、存在し得る。使用される他のモノマーのレベルは、このコポリマー組成物内に組み込まれる特性により、決定される。他のモノマーに由来の残基は、このコポリマー組成物中にて、上で述べた値を含めた任意の範囲の値で、存在し得る。
【0066】
本発明の方法の実施形態では、構造Iのモノマーの過剰量が使用され、構造Iの未反応モノマーは、蒸発により、得られたコポリマー組成物から除去される。未反応モノマーの除去は、代表的には、反応容器に真空を適用することにより、促進される。
【0067】
本発明では、任意の適当なフリーラジカル開始剤が使用され得る。適当なフリーラジカル開始剤の例には、熱フリーラジカル開始剤、光開始剤およびレドックス開始剤が挙げられるが、これらに限定されない。適当な熱ラジカル開始剤の例には、過酸化物化合物、アゾ化合物および過硫酸塩化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0068】
適当な過酸化物化合物開始剤の例には、過酸化水素、過酸化メチルエチルケトン、過酸化ベンゾイル、過酸化ジ−t−ブチル、過酸化ジ−t−アミル、過酸化ジクミル、過酸化ジアシル、過酸化デカノイル、過酸化ラウロイル、ペルオキシジカーボネート、ペルオキシエステル、過酸化ジアルキル、ヒドロペルオキシド、ペルオキシケタールおよびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0069】
適当なアゾ化合物の例には、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、1,1’−アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(プロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(バレロニトリル)、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)二塩酸塩および2−(カルバモイルアゾ)−イソブチロニトリルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0070】
本発明の実施形態では、このエチレン性不飽和モノマー組成物およびフリーラジカル重合開始剤は、別々および同時に加えられ、そしてドナーモノマー組成物と混合される。このエチレン性不飽和モノマー組成物およびフリーラジカル重合開始剤は、少なくとも15分間、ある場合には、少なくとも20分間、代表的には、少なくとも30分間、ある場合には、少なくとも1時間の時間にわたって、このドナーモノマー組成物に加えられ得る。このエチレン性不飽和モノマー組成物およびフリーラジカル重合開始剤は、さらに、24時間まで、ある場合には、18時間まで、代表的には、12時間まで、ある場合には、8時間までの時間にわたって、このドナーモノマー組成物に加えられ得る。このエチレン性不飽和モノマーを加える時間は、未反応アクリルアクセプターモノマーよりも適当に過剰な構造Iのドナーモノマーを維持してドナーモノマーアクセプターモノマー交互セグメントの形成を促すのに十分でなければならない。この添加時間は、そのプロセスを商業規模で経済的に実行できなくするほどには長くない。この添加時間は、上で述べたものを含めた任意の範囲の値で、変わり得る。
【0071】
混合後、または添加中および混合後にて、これらのモノマーの重合が起こる。本発明の重合方法は、任意の適当な温度で実行できる。本発明の方法に適当な温度は、室温、少なくとも50℃、多くの場合、少なくとも60℃、代表的には、少なくとも75℃、ある場合には、少なくとも100℃であり得る。本発明の方法に適当な温度は、300℃まで、多くの場合、275℃まで、代表的には、250℃まで、ある場合には、225℃までとして、記述され得る。この温度は、代表的には、使用するモノマーおよび開始剤から良好な反応性を引き出すのに十分に高い。しかしながら、これらのモノマーの揮発性および対応する分圧により、温度の実用的な上限が生じ、これは、その反応容器の圧力評点により、決定される。その重合温度は、上で述べたものを含めた任意の範囲の値で、変わり得る。
【0072】
本発明の重合方法は、任意の適当な圧力で、実行できる。本発明の方法に適当な圧力は、常圧、少なくとも1 psi、多くの場合、少なくとも5 psi、代表的には、少なくとも15 psi、ある場合には、少なくとも20 psiであり得る。本発明の方法に適当な圧力は、さらに、200 psiまで、多くの場合、175 psiまで、代表的には、150 psiまで、ある場合には、125 psiまでであると記載され得る。この圧力は、代表的には、これらのモノマーおよび開始剤を液相で維持するのに十分に高い。使用する圧力は、使用する反応容器の圧力評点に基づいた実用的な上限を有する。重合中の圧力は、上で述べた値を含めた任意の範囲の値で、変わり得る。
【0073】
本発明の方法から生じるコポリマーは、当該技術分野で公知の方法による官能基変換を使用することにより、他の重合体の調製用の出発物質として、利用され得る。これらの方法により導入できる官能基には、エポキシ、カルボン酸、ヒドロキシ、アミド、オキサゾリン、アセトアセテート、イソシアネート、カーバメート、アミン、アミン塩、四級アンモニウム、チオエーテル、スルフィド、スルホニウムおよびホスフェートがある。
【0074】
例えば、本発明の方法のコポリマー(これは、メチルアクリレートを含む)は、カルボメトキシ基を含有する。これらのカルボメトキシ基は、カルボキシル基に水和できるか、アルコールとエステル交換してアルコールの対応するエステルを形成できる。アンモニアを使用して、上述のメチルアクリレートコポリマーは、アミドに変換でき、または第一級または第二級アミンを使用して、対応するN−置換アミドに変換できる。同様に、エチレンジアミンのようなジアミンを使用して、本発明の方法の上述のコポリマーをN−アミノエチルアミドに変換でき、またはエタノールアミンを使って、N−ヒドロキシエチルアミドに変換できる。このN−アミノエチルアミド官能性は、さらに、脱水により、オキサゾリンに変換できる。このN−アミノエチルアミドは、さらに、炭酸プロピレンのような炭酸エステルと反応されて、対応するウレタン官能性コポリマーを形成できる。これらの変換は、そのカルボメトキシ基の全てを変換するように実行できるか、一部には、それらのカルボキシメチル基の一部をそのままにして、実行できる。
【0075】
本発明の方法のコポリマーには、そのコポリマーの調製においてグリシジルアクリレートを使用することにより直接的に、または官能基変換により間接的に、エポキシ基が導入できる。間接方法の一例には、このコポリマー中の残留不飽和を、過酸(例えば、過酢酸)を使用して、エポキシ基に酸化することがある。あるいは、上記のような加水分解によりカルボキシ官能性コポリマーを形成し、そのカルボキシ官能性コポリマーをエピクロロヒドリンに次いでアルカリで処理して、このエポキシ官能性コポリマーを生成できる。これらの変換はまた、完全にまたは部分的に実行できる。得られたエポキシ官能性コポリマーは、さらに、適当な活性水素含有試薬と反応されて、アルコール、アミンまたはスルフィドを形成できる。
【0076】
本発明のコポリマーでは、ヒドロキシ官能性モノマー(例えば、ヒドロキシエチルアクリレート)を使用して、または官能基変換により、水酸基が導入できる。上記カルボキシ官能性コポリマーをエポキシで処理することにより、ヒドロキシル官能性重合体が生成できる。適当なエポキシドには、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドおよびグリシジルネオデカノエートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0077】
上記ヒドロキシル官能性コポリマーは、さらに、反応されて、他のコポリマーを形成できる。例えば、ヒドロキシエチル基を含有するコポリマーは、カルバミル化剤(例えば、カルバミン酸メチル)で処理されて、対応するカーバメート官能性コポリマーを生成できる。ジケテンまたはアセト酢酸t−ブチルを使って、これらの水酸基はまた、アセト酢酸エステルに変換できる。
【0078】
イソシアネート官能性コポリマーもまた、生成できる。本発明の方法のコポリマー(これは、2個またはそれ以上の水酸基を含有する)は、ジイソシアネート(例えば、イソホロンジイソシアネート)で処理されて、イソシアネート官能性重合体を生成できる。上記の第一級アミン官能性コポリマーは、ホスゲン化されて、イソシアネート官能性を生じることができる。
【0079】
上述のように、このコポリマーは、エチレン性不飽和基をコポリマーに誘導するために、エチレン性不飽和基を含有する活性水素化合物と反応し得るエポキシ基を含み得る。本発明の1つの実施形態において、このコポリマーは、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、およびアリルグリシジルエーテルから選択されるモノマーを含有する1つ以上のエポキシ由来の残基を含む。
【0080】
本発明のさらなる実施形態において、エチレン性不飽和基を含有する活性水素化合物は、以下の構造XXIIまたはXXIIIの1つにより記載されるカルボン酸である:
【0081】
【化22】


ここで、Rは、少なくとも1つのエチレン性不飽和基を有する1〜4個のエチレン性不飽和基およびC〜Cの直鎖または分枝アルケニル基を有するC〜C24アルキニル基から選択され、Rの各存在は、独立して、水素、直鎖、環式または分枝C〜C20アルキル、アルケニル、アリル、アルカリル、アラルキル、アルキロール、アラルキロール、アルキルチオールおよびアラルキルチオール、ならびに−COORから選択され、ここでRは、水素およびC〜Cアルキルから選択される。使用され得る適切なカルボン酸としては、アクリル酸;メタクリル酸;マレイン酸およびそのモノアルキルエステル;イタコン酸およびそのモノアルキルエステル;フマル酸およびそのモノアルキルエステル;アコニット酸およびそのモノアルキルエステルおよびジアルキルエステル;ペンテノン酸;オレイン酸;リノール酸;リノレン酸;ならびにアマニ油が挙げられるがこれらに限定されない。
【0082】
本発明の1つの実施形態は、1つ以上のエチレン性不飽和基を含有する本発明のコポリマーを含む放射線硬化性組成物に関する。このコポリマーは、構造IVの残基を含有する非ゲル化コポリマーであり得、この残基は、化学線または電離放射線に曝露されたとき、重合反応を起こし得る基を有する。放射線は、紫外線、紫外光または電子ビームによって提供され得る。
【0083】
本発明の放射線硬化性組成物は、1つ以上の当業者に周知の光増感剤または光開始剤をさらに含み得る。本発明において使用され得る適切な光増感剤としては、ベンゾフェノン、アントラキノンおよびチオキサントンが挙げられるがこれらに限定されない。本発明において使用され得る光開始剤としては、イソブチルベンゾインエーテル、ブチルベンゾイエーテルのブチル異性体、α,α−ジエトキシアセトフェノン、ホスフィンオキシドおよびα,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノンが挙げられるがこれらに限定されない。放射線硬化性組成物は、熱重合インヒビターをさらに含み得る。
【0084】
本発明の放射線硬化性組成物の1つの実施形態において、この組成物は、同時反応性の官能基を含有し得る。このような場合において、この組成物は、熱硬化性組成物であり得る。
【0085】
放射線硬化性組成物が同時反応性の官能基を含む場合、この組成物は上記のコポリマーを含み得、このコポリマーは、化学線または電離放射線に曝露されたときに重合反応を起こし得る1つ以上の基(例えば、エチレン性不飽和基および反応性官能基)、ならびに、化学線または電離放射線に曝露されたときに重合反応を起こし得るコポリマーの官能基および/または1つ以上の基と反応性の反応性官能基を含有する少なくとも1つの他の成分を含有する。この実施形態において、放射線硬化性組成物は、代表的に、化学線または電離放射線によって、ならびに二次硬化工程(熱硬化、気体硬化、酸化的硬化、カチオン性UV硬化および湿性硬化を含み得る)によって硬化され得る。
【0086】
本明細書中および添付の特許請求の範囲で使用される場合、用語「熱硬化」ならびに類似および関連する用語は、放射線硬化性組成物を、赤外線および/または周囲温度を上回る温度に曝露することによって開始される、重合反応および/または架橋反応をいう。
【0087】
本明細書中および添付の特許請求の範囲で使用される場合、用語「酸化的硬化」ならびに類似および関連する用語は、ポリマー中のエチレン性不飽和部位および/または官能基中のエチレン性不飽和部位のいずれかで、酸化的機構を介して生じる重合反応および/または架橋反応をいう。
【0088】
酸化的硬化法が使用される場合、硬化反応は、周囲温度から160℃以上の範囲の温度で起こり得る。さらに、多価の金属塩または有機酸の複合体の形態での金属ドライヤー(当該分野で公知)は、放射線硬化性組成物の酸化的硬化を加速するのに有用である。コバルトまたはナフテン酸マンガンまたはオクトエート(octoate)は、この機能に役立つドライヤーの非限定的な例である。他の補助的なドライヤーはまた、コバルトまたはマンガンと組み合せて使用して、より早い硬度の発生および耐水性を促進し得る。非限定的な例としては、カルシウム、ジルコニウム、カリウム、鉄、亜鉛、銅または鉛の金属塩が挙げられる。また、金属ドライヤーと共にドライヤー促進物質(例えば、1,10フェナントロリン)を使用して、乾燥性能を改善し得る。
【0089】
本明細書中および添付の特許請求の範囲において使用される場合、用語「カチオン性UV硬化」ならびに類似および関連する用語は、以下に記載される適切なUV放射線に曝露されたときに、カチオン性UV硬化開始剤によって開始される重合反応および/または架橋反応をいう。放射線硬化性組成物は、適切なカチオン性UV硬化界資材と反応し得る、適切な放射線硬化官能基を含み得る。適切な放射線硬化官能基および機構の非限定的な説明は、Davidson,Exploring the Science,Technology and Applications of U.V.and E.B.Curing(SITA Technology Limited,London,UKにより出版(1999))に記載される。適切なカチオン性UV硬化開始剤としては、トリアリールスルホニウム塩、トリアリールヨードニウム塩およびトリフェニルスルホニウムヘキサフルクロサルフェートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0090】
本明細書中および添付の特許請求の範囲において使用される場合、用語「湿性硬化」ならびに類似および関連する用語は、放射線硬化性組成物を大気の湿気に曝露することによって開始される重合および/または架橋反応をいう。放射線硬化性組成物に含まれ得る官能基および湿性硬化に影響を及ぼす条件は、一般に当該分野で公知であり、例えば、Barronらに対する米国特許第6,414,077号、Changらに対する米国特許第4,043,953号、Gilchらに対する米国特許第4,707,515号、Smithに対する米国特許第4,147,685号、Smithに対する米国特許第4,177,301号およびWakabayashiに対する米国特許第4,910,255号によって開示される。
【0091】
本発明の特定の実施形態において、放射線硬化性組成物は、液体である。
【0092】
言及したように、本発明の放射線硬化性組成物は、電離放射線および/または紫外光への曝露により硬化され得る。本発明の放射線硬化性組成物は、放射線硬化性コーティング組成物として特に有用である。これらは、種々の基材(これらの例としては、木材、紙、集成材、チップボード、金属、その上に下塗剤を有する金属、ガラス、プラスチックおよび金属化プラスチックが挙げられる)に適用され得る。放射線硬化性組成物は、任意の公知の手段によって適用され得、この手段の非限定的な例としては、ブラッシング、浸漬、ロールコーティング、ドクターブレードコーティング、スプレー、カーテンコーティングなどが挙げられる。所望される場合、これらは、前もって乾燥させて溶媒を除去し、次いで、化学線により硬化され得る。
【0093】
本発明の1つの実施形態は、基材をコーティングする方法に関し、この方法は、以下:
(a)基材を供給する工程;
(b)この基材表面の少なくとも一部を覆って、本発明の放射線硬化性組成物の層を適用する工程;および
(c)放射線硬化性組成物の硬化に影響を及ぼすのに十分な量の化学線または電離放射線に、この層を曝露することにより放射線硬化性組成物を硬化する工程
を包含する。
【0094】
化学線が紫外線である場合、約180〜約400nmの範囲の波長を有する紫外光を発光し、本発明の組成物を硬化するのに使用され得る任意の適切な供給源から提供され得る。適切な紫外光源は一般的に公知であり、例えば、水銀アーク、炭素アーク、低圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、旋回流体プラズマアークおよび紫外光発光ダイオードが挙げられる。好ましくは、中圧水銀蒸発型の紫外光発光ダイオードである。このようなランプは、通常、融合した石英コーティングを有し、そして、一般に、両端に電極を有する長いチューブの形態である。代表的には、本発明の組成物を硬化するのに通常用いられる好ましい中圧水銀ランプは、チューブの長さにわたって、1インチあたり約200ワットの出力を有する。本発明の組成物の別の利点は、紫外光の比較的低いエネルギーで、空気中でのその優れた硬化程度である。
【0095】
本発明の1実施形態において、本発明の組成物は、空気中または不活性な大気中で、放射線を用いて硬化され得る。代表的には、紫外線硬化は、空気中または窒素中で達成され得る。さらなる実施形態において、任意の酸素の存在は、硬化反応と競合し得るので、電子ビーム放射線硬化は、不活性な大気(例えば、窒素)中で実施され、表面を硬化させる。
【0096】
一般に、さらに光硬化促進因子(例えば、光開始剤および/または光増感剤)を含むと仮定すると、本発明の組成物の1ミル厚の湿フィルムは、湿フィルムの表面から4インチの距離で、1インチあたり200ワットで操作する4以下の中圧水銀蒸発ランプ下で1分当あたり20フィート以上の速度でフィルムを通過させることによって、紫外光に曝露させ、その厚さにわたって空気中で半硬化乾燥状態まで硬化され得る。紫外光硬化性組成物における使用のための光開始剤および光増感剤は、一般に、UV硬化性組成物の分野で公知である。光増感剤の例としては、ベンゾフェノン、アントラキノン、およびチオキサントンが挙げられる。光開始剤の例としては、イソブチルベンゾインエーテル、ブチルベンゾインエーテルのブチル異性体、α,α−ジエトキシアセトフェノン、およびα,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノンの混合物が挙げられる。光開始剤および光増感剤の他の例は、米国特許第4,017,652号に見出される。
【0097】
多くの場合において、本発明の組成物は、UV放射線を用いて硬化され得るが、所望される場合、本発明の組成物は、熱で硬化され得るか、酸化的に硬化され得るか、カチオン性にUVで硬化され得るか、または湿性に硬化され得る。
【0098】
組成物が熱硬化される場合、これらの組成物は、代表的に、熱遊離ラジカル開始剤の存在下で硬化される。熱開始剤の非限定的な例としては、一般的に巧緻なエチレン性不飽和モノマーを硬化するための熱開始剤が挙げられ、この熱開始剤としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:過酸化物(例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化メチルエチルケトン、クメンヒドロペルオキシド、過酸化シクロヘキサノン、過酸化2,4−ジクロロベンゾイル、過酸化ビス(p−ブロモベンゾイル)および過酸化アセチル。
【0099】
所望される場合、熱重合インヒビターが本発明の組成物に利用され得る。熱重合インヒビターの例としては、ヒドロキノンのメチルエステル、フェノール系化合物(例えば、ジ−第三級ブチルパラクレゾール)および第二級または第三級窒素原子を含む化合物が挙げられる。
【0100】
本発明の放射線硬化性組成物はまた、従来の脂肪族および芳香族溶媒または当該分野で公知の希釈剤のようなき溶媒を含み得る。
【0101】
所望される場合、本発明の放射線硬化性組成物はまた、色素を含み得る。組成物を紫外光で硬化することが望ましい場合、使用される色素は、代表的には紫外光透過性の色素である。「紫外光透過性」との言い回しは、色素が、組成物のUV硬化を実質的に干渉しないことを意味するために使用される。紫外光透過性色素の例としては、滑石、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、バライトおよびケイ素(SiO)が挙げられる。非UV硬化コーティング組成物に色を与えるために一般的に使用される着色色素は、代表的に、紫外線を吸収または遮蔽し、これによって組成物のUV硬化を干渉する。従って、組成物のある程度の色素着色が所望される場合、このような従来の着色色素は、代表的に、硬化が使用するUVに影響される限られた量でのみ、使用される。
【0102】
放射線硬化性組成物が、化学線または電離放射線に曝露された時に重合反応を受け得る基(例えば、エチレン性不飽和基)および反応性官能基の両方を含有するコポリマーを含む場合、放射線硬化性組成物は、二重硬化を受け得る。このような二重硬化組成物は、1つ以上の型の重合可能基を含む。非限定的な例として、このような組成物は、エチレン性不飽和基およびエポキシ基を含み得る。
【0103】
放射線への曝露の間、放射線感受性基の架橋の程度は、通常、実質的に完全である。非限定的な例として、熱への曝露の間、熱硬化性官能基の架橋の程度は、通常実質的に完全である。放射線および熱への曝露は、任意の適切な順序(例えば、まず放射線で、2番目に熱;まず熱で、2番目に放射線;または熱の次に放射線、その次に熱が続く、のような連続的な曝露)で実施され得る。概して、コポリマーの観点から考慮すると、このコポリマーは、最初の曝露の間に部分的に硬化され、そして、1つ以上の後に続く曝露の後に完全に硬化されると言われ得る。
【0104】
本発明の実施形態において、放射線硬化性組成物はまた、熱硬化性組成物として作用し得る。このような実施形態において、放射線硬化性組成物は、非ゲル状のコポリマー組成物を含み、ここで、このコポリマーは1つ以上の反応性官能基ならびにエチレン性不飽和基を含み、この組成物は、コポリマーの官能基、および/または、化学線または電離放射線に曝露されたときに重合反応を開始し得る基と反応性である、官能基を少なくとも2つ有する架橋剤をさらに含む。
【0105】
そのコポリマー中の官能基は、任意の適当な官能基であり得る。適当な官能基には、エポキシ、カルボン酸、ヒドロキシ、チオール、イソシアネート、キャップ化イソシアネート、アミド、アミン、アセトアセテート、メチロール、メチロールエーテル、カルバミン酸オキサゾリン、およびβ−ヒドロキシアルキルアミドが挙げられるが、これらに限定されない。架橋剤は、このコポリマー中の官能基と反応する適当な官能基を有する。この架橋剤に適当な官能基としては、エポキシ、カルボン酸、ヒドロキシ、チオール、アミド、アミン、オキサゾリン、アセトアセテート、メチロール、メチロールエーテル、イソシアネート、キャップ化イソシアネート、β−ヒドロキシアルカミドおよびカルバメートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0106】
この官能性コポリマーは、代表的には、100〜5,000g/当量の官能基当量を有する。この官能性コポリマー中の架橋剤の官能基と官能基当量との当量比は、代表的には、1:3〜3:1の範囲内である。この架橋剤は、この放射線硬化性組成物中にて、樹脂固形分の全重量に基づいて、1〜45重量%の量で存在しており、その官能性コポリマーは、樹脂固形分の全重量に基づいて、55〜99重量%の量で存在している。
【0107】
本発明の放射線硬化性組成物の非限定的な例には、このコポリマーの官能基がヒドロキシであり架橋剤の官能基がキャップポリイソシアネートであるものがあり、この場合、このキャップポリイソシアネート架橋剤のキャップ基は、ヒドロキシ官能性化合物、1H−アゾール、ラクタム、ケトキシム、およびそれらの混合物の1種またはそれ以上である。このキャップ基は、フェノール、安息香酸p−ヒドロキシメチル、1H−1,2,4−トリアゾール、1H−2,5−ジメチルピラゾール、2−プロパノンオキシム、2−ブタノンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、e−カプロラクタム、またはそれらの混合物であり得る。このキャップポリイソシアネート架橋剤のポリイソシアネートは、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、α,α’−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン、ジイソシアナト−ジシクロヘキシル−メタン、これらのポリイソシアネートのダイマー、またはこれらのポリイソシアネートのトリマーの1種またはそれ以上である。
【0108】
このコポリマーが、ヒドロキシ官能性を有するとき、代表的には、100〜10,000g/当量のヒドロキシ当量を有する。このキャップポリイソシアネート架橋剤中のイソシアネート当量とヒドロキシ官能性コポリマー中のヒドロキシ当量との当量比は、代表的には、1:3〜3:1の範囲内である。この実施形態では、このキャップポリイソシアネート架橋剤は、この液体熱硬化性組成物中にて、樹脂固形分の全重量に基づいて、1〜45重量%の量で存在しており、このヒドロキシ官能性コポリマーは、樹脂固形分の全重量に基づいて、55〜99重量%の量で、存在している。
【0109】
本発明の放射線硬化性組成物の他の非限定的な例には、そのコポリマーがエポキシ官能基を有し架橋剤が4〜20個の炭素原子を有するカルボン酸官能性化合物であるものがある。このカルボン酸架橋剤は、ドデカンジオン酸、アゼライン酸、アジピン酸、1,6−ヘキサンジオン酸、コハク酸、ピメリン酸、セバシン酸、マレイン酸、クエン酸、イタコン酸またはアコニット酸の1種またはそれ以上であり得る。
【0110】
本発明の放射線硬化性組成物のさらに他の非限定的な例には、そのコポリマーがカルボン酸官能基であり架橋剤がβ−ヒドロキシアルキルアミド化合物であるものがある。この放射線硬化性組成物は、さらに、C〜C20脂肪族カルボン酸、重合体ポリ無水物、ポリエステル、ポリウレタン、およびそれらの混合物からなる群から選択される第二ポリカルボン酸官能性物質を含有し得る。このβ−ヒドロキシアルキルアミドは、以下の構造XXIVにより表わされ得る:
【0111】
【化23】


ここで、R24は、HまたはC〜Cアルキルである;R25は、H、C〜Cまたは以下のアルキル構造XXVを有する基であり:
【0112】
【化24】


ここで、R24は、上で記述したとおりであり、Eは、化学結合または一価または多価有機ラジカルであり、これは、2個〜20個の炭素原子を含有する置換炭化水素ラジカルを含む飽和、不飽和または芳香族炭化水素ラジカルから誘導され、mは、1または2であり、nは、0〜2であり、そしてm+nは、少なくとも2である。
【0113】
本発明の放射線硬化性組成物は、好ましくは、フィルム形成(コーティング)組成物として使用され、そしてこのような組成物中で通常使用される補助成分を含有し得る。この組成物中には、任意の成分(例えば、可塑剤、界面活性剤、および当該技術分野で通常の類似の添加剤)が含有され得る。これらの成分は、代表的には、樹脂固形分の全重量に基づいて、約40重量%までで存在している。
【0114】
本発明の放射線硬化性組成物は、水が媒介し得るが、通常、溶媒が媒介している。適当な溶媒担体としては、コーティング調合技術で公知の種々のエステル、エーテル、および芳香族溶媒(それらの混合物を含めて)が挙げられる。この組成物は、代表的には、約5〜100重量%の、ある場合には、約40〜約80重量%の全固形分含量を有する。本発明の放射線硬化性組成物は、しばしば、4重量%未満、代表的には、3.5重量%未満、多くの場合、3重量%未満のVOC含量を有する。
【0115】
放射線硬化性組成物が、化学線または電離放射線に曝露されたときに重合反応を起こし得る1つ以上の基(例えば、エチレン性不飽和基および反応性官能基)を有する場合、この組成物は、二重に硬化し得る。このような場合、本発明はまた、基材をコーティングおよび二重に硬化する方法に関し、この方法は、以下の工程を包含する:
(a)基材を提供する工程;
(b)この基材表面の少なくとも一部を覆って、エチレン性不飽和基および反応性官能基を含む本発明の放射線硬化性組成物の層を適用する工程;
(c)放射線硬化性組成物の硬化に影響を及ぼすのに十分な量の化学線または電離線にこの層を曝露することによって、放射線硬化性組成物を硬化する工程;および
(d)二次的な方法によりこの放射線硬化性組成物を硬化する工程。
工程(c)および(d)は、いかなる順序でも実施され得、そして、いかなる順序でも反復され得る。
【0116】
放射線硬化性組成物を硬化する、適切な二次的な方法が使用され得る。適切な二次的な方法としては、熱硬化、気体硬化、酸化的硬化、カチオン性UV硬化および湿性硬化が挙げられるが、これらに限定されない。
【0117】
熱硬化性組成物が液体である場合、この組成物は、基材上に実質的に連続したフィルムを形成するように融合される。代表的には、フィルム厚さは、約0.01〜約5ミル(約0.254ミクロン〜約127ミクロン)であり、好ましくは、約0.1ミル〜約2ミル(約2.54〜約50.8ミクロン)の厚さである。フィルムは、加熱によって、または風乾期によって、フィルムから溶媒(すなわち、有機溶媒および/または水)を排出させることによって、基材の表面に形成される。好ましくは、加熱は、続いて適用されるどのコーティングが組成物も溶解することなくフィルムに適用され得るかを確実にするのに十分な短い時間の間のみである。適切な乾燥条件は特定の組成物に依存するが、一般に、約68〜250°F(約20〜121℃)の温度で約1〜5分の乾燥時間が十分である。組成物の1つより多くのコーティングが、最適な外観を開発するために適用され得る。コーティングの間に、以前に適用されたコーティングがフラッシュ(flash)、すなわち、約1〜20分の間、周囲条件に曝露され得る。
【0118】
熱硬化が二次的な硬化法として使用される場合、融合された放射線硬化性組成物は、次に、熱の適用によって硬化される。本明細書中および特許請求の範囲で使用される場合、「硬化された」とは、共有結合形成、例えば、架橋剤の遊離イソシアネート基とポリマーのヒドロキシ基との間に、によって形成された三次元架橋網を意味する。本発明の熱硬化性組成物が硬化する温度は可変性であり、用いる触媒のタイプおよび量に部分的に依存する。代表的には、熱硬化性組成物は、130℃〜160℃の範囲の硬化温度(例えば、140℃〜150℃)を有する。
【0119】
本発明に従って、フィルム形成組成物から堆積されたベースコーティング;およびベースコーティングの少なくとも一部に適用されたトップコーティングを含む、多成分複合コーティング組成物がさらに提供される。ベースコーティングは、必要に応じて着色され得る。多くの場合、トップコーティングは、実質的に着色を含まないが、着色されていてもよい。ベースコーティングもしくはトップコーティングまたはその両方のコーティングのいずれかが、上記の放射線硬化性組成物を含み得る。
【0120】
ベースコーティングが堆積されるフィルム形成組成物は、コーティング適用(特に、着色透明(color−plus−clear)コーティング組成物がもっぱら使用される自動適用)において有用な組成物のいずれかであり得る。着色フィルム形成組成物は、従来、着色料として作用するために、樹脂製結合剤および色素を含む。特に有用な樹脂製結合剤は、アクリルポリマー、アルキドを含むポリエステル、ポリウレタン、および本発明のコポリマー組成物である。
【0121】
フィルム形成ベースコーティング結合剤のための樹脂製結合剤は、有機溶媒ベースの材料(例えば、米国特許第4,220,679号(第2欄、24行から第4欄、40行を参照のこと)に記載の材料)であり得る。また、水ベースのコーティング組成物(例えば、米国特許第4,403,003号、第4,147,679号、および第5,071,904号に記載のような組成物)も、着色フィルム形成組成物における結合剤として使用され得る。
【0122】
フィルム形成ベースコーティング組成物は、着色され、そしてまた、金属色素を含み得る。適切な色素の例は、米国特許第4,220,679号、第4,403,003号、第4,147,679号、および第5,071,904号に記載される。
【0123】
フィルム形成ベース皮膜組成物中に必要に応じて存在し得る成分は、表面コーティングの処方の分野で周知である成分であり、そして界面活性剤、流動制御剤、チキソトロープ剤、充填剤、ガス発生防止剤、有機共溶媒、触媒、および他の慣用の補助剤を含む。これらの任意材料および適切な量の例は、上述の米国特許第4,220,679号、第4,403,003号、第4,147,769号、および第5,071,904号に記載される。
【0124】
フィルム形成ベースコーティング組成物は、任意の従来のコーティング技術(例えば、ブラッシング、スプレー、浸漬、またはフローイング)によって基材に適用され得るが、最も頻繁には、スプレーによって適用される。エアスプレー、エアレススプレー、および静電スプレー(手動法または自動法のいずれかを用いる)のための通常のスプレー技術および装置が、使用され得る。フィルム形成組成物は、代表的に0.1〜5ミル(2.5〜125ミクロン)、好ましくは0.1〜2ミル(2.5〜50ミクロン)のフィルム厚さを有するベースコーティングを提供するのに十分な量で提供される。
【0125】
基材上へのフィルム形成ベースコーティング組成物の堆積後、かつ透明コーティングの適用前に、ベースコーティングは、硬化され得るか、または代替的に乾燥され得る。堆積されたベースコーティングの乾燥の際に、有機溶媒および/または水は、加熱によって、またはその表面上への空気の通過によって、ベースコーティングフィルムから排出される。適切な乾燥条件は、使用される特定のベースコーティング組成物に依存し、そして特定の水ベース組成物の場合、周囲湿度に依存する。一般に、堆積されたベースコーティングの乾燥は、1〜15分の期間にわたって、21℃〜93℃の温度で、実施される。
【0126】
透明トップコーティングは、コーティングが適用されることが知られる方法のいずれかによって、堆積されたベースコーティングの上に適用される。本発明の実施形態において、透明トップコーティングは、本明細書中に以前に記載したように、静電スプレー適用によって適用される。透明コーティングが、乾燥された堆積されたベースコーティングの上に適用される場合、2つのコーティングが同時に硬化されて、本発明の多成分複合コーティング組成物を形成し得る。ベースコーティングおよびトップコーティングの両方ともが一緒に加熱されて、2つの層を共同に硬化する。代表的には、20〜30分の間の130℃〜160℃の硬化条件が使用される。透明トップコーティングは、0.5〜6ミル(13〜150ミクロン)の範囲の厚さを有する(例えば、1〜3ミル(25〜75ミクロン)。
【実施例】
【0127】
本発明は、以下の実施例により詳細に記載されている。これらの実施例は、例示のみを意図している。なぜならば、それらにおいて多くの改変および変更が当業者に明らかであるからである。そうでないことが示されない限り、全ての部分およびパーセンテージは、重量による。
【0128】
(実施例1〜3)
UV硬化性樹脂を、以下の表に列挙される成分を使用して調製した。
【0129】
【化25】


チャージ番号1を攪拌器、熱電対および窒素注入口を備える容器に加えた。個の容器をシールし、溶液を窒素ブランケット下に置き、170℃まで加熱した。チャージ番号2を2.5時間にわたって反応容器に加えた。チャージ番号2の添加開始の15分後、チャージ番号3およびチャージ番号4を開始し、2時間にわたって反応容器に加えた。チャージ番号2〜4の添加の間、反応器の温度を160〜170℃に維持し、圧力を110 psi〜420 psiで変化させた。チャージ番号2の添加が完了した後、反応混合物を170℃に2時間保持した。次いで、この反応混合物を60℃以下まで冷却し、残留する圧力を大気圧が達成されるように放出した。次いで、反応容器を常圧蒸留に備え、窒素でパージしながら155℃まで加熱した。蒸留が完了した後、反応容器を155℃、40mmHg下で行われる真空蒸留に備えさせた。この混合物を30分間、さらなる蒸留物が回収されないまで40mmHgの真空下で保持した。次いで、この反応混合物を100℃まで冷却した。チャージ番号5を加え、10分間溶解させた。チャージ番号6を15分間にわたって加えた。次いで、この反応混合物を5未満の酸価(11,000より大きいカルボキシル含量)に達するまで 100℃で保持した。チャージ番号7を加え、混合物が周囲温度まで冷却される間、攪拌させた。
【0130】
(実施例4)
以下の表に示す成分および重量を用いて、UV硬化性コーティング組成物を作製した。この成分を添加し、十分な速度のプロペラブレード攪拌を用いて混合し、数分間ボルテックスし、成分をコーティング中に均一に分散させた。
【0131】
【化26】


1 UV反応性モノマー(ISP Technologies Inc.,Wayne,N.J.製)。
2 UV反応性モノマーSR 506(Sartomer Company,Exton,PA製)。
3 UV反応性モノマーSR 355(Sartomer Company製)。
4 湿性および分散剤(Byk Chemie,Wesel,Germany製)。
5 シリカつや消し剤(Grace Davison,Chattanooga,TN製)。
6 UV光開始剤(Ciba Specialty Chemicals Corporation,Tarrytown,NY製)。
7 UV光開始剤(Ciba Specialty Chemicals Corporation製)。
8 UV光開始剤(Ciba Specialty Chemicals Corporation製)。
【0132】
オークベニヤ板試験パネルを220グリットの紙やすりでやすりをかけた。市販のアルキドルージュ染色(alkyd rouge stain)(C1180A31,PPG
Industries,Inc.,Pittsburgh,PAから入手)を試験パネルにぼろ布で塗布し、2分間そのままにした。次いで、試験パネルから過度の染色をきれいな布でふき取った。次いで、染色された試験パネルを150°F(65.5℃)で10分間焼いた。
【0133】
コーティングA、BおよびCを、染色されたオークベニヤ試験パネルに、1〜1.5湿ミルの湿フィルム厚で、30〜40 psiの空気圧、Devilbiss MSA手掴み用(hand−held)スプレーガンで下地として塗布し、所望のフィルム厚を達成した。湿フィルム厚は、Paul N.Gardner Company Inc.,Pompano Beach,FL製の湿フィルム厚ゲージを用いて評価した。このコーティングは、80W/cm中圧水銀UV硬化ランプ(パート番号25−20008−E、Western Quartz Products,Inc.,Paso Robles,CAから入手可能)を用いることによって、750mJ/cm UV光に曝露することによって硬化され、次いで、さらに5分間、周囲温度で冷却させた。次いで、UV硬化コーティングされたベニヤ試験パネルを280グリットの紙やすりでやすりがけした。硬化ステップの完了は、UV硬化前にコーティングが湿っていて、かつ粘着性であり、そして、UV曝露の後、半硬化乾燥であることにより証明された。
【0134】
次いで、同じコーティングの第2のスプレー塗布を、上記の塗布および硬化と同じ方法を用いて塗布した。
【0135】
24時間の試験時間でカバーガラスの下、コーティングされた試験パネル上に15滴を置くことによって、エタノール耐性および界面活性剤耐性について、コーティングされた試験パネルを評価した。次いで、0〜5のスケールでコーティングを、評価し、ここで、0はコーティングの分解がないことを示し、そして5は、コーティングの深刻な分解を示す。
【0136】
【化27】


これらのデータは、本発明のコーティング組成物のエタノールおよび界面活性剤の耐性を示す。
【0137】
本発明は、本発明の特定の実施形態の具体的な詳細を参照して記載されている。このような詳細は、添付の請求項に含まれる程度までを除いて、本発明の範囲を限定するものとしてみなされることは意図されない。
【出願人】 【識別番号】599087017
【氏名又は名称】ピーピージー インダストリーズ オハイオ, インコーポレイテッド
【出願日】 平成19年8月16日(2007.8.16)
【代理人】 【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策

【識別番号】100062409
【弁理士】
【氏名又は名称】安村 高明

【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹


【公開番号】 特開2008−13774(P2008−13774A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2007−212498(P2007−212498)