トップ :: C 化学 冶金 :: C08 有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物

【発明の名称】 石油に基づく脂肪族樹脂、該樹脂の軟化点及び分子量を制御する方法、及び該樹脂を含む感圧性ホットメルト接着剤
【発明者】 【氏名】クリスティアン・ピーター・ルイス・チャールズ・ドンカー

【氏名】ベレント・レンセリンク

【氏名】ミカエル・ヘンドリクス・タイレン

【要約】 【課題】軟化点および分子量が制御された粘着性の付与に有用な脂肪族樹脂、

【構成】本発明は、a)環球(R&B)式軟化点が75〜110℃;b)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)環球(R&B)式軟化点が75〜110℃;b)重量平
均分子量(Mw)が1000〜2600ダルトン、z平均分子量(Mz)が19
00〜5000ダルトン、およびMw/Mnが2.0以下;c)1H−NMRに
より測定される全プロトンに対する芳香族プロトンレベルが1.5%以下;そし
てd)混合メチルシクロヘキサンアニリン雲り点(MMAP)が90℃以下であ
る石油に基づく脂肪族樹脂。
【請求項2】
R&B式軟化点が90〜100℃である、請求項1に記載の
樹脂。
【請求項3】
Mwが2000ダルトン以下、Mzが4000ダルトン以下
、およびMw/Mnが2.0以下である、請求項1または2に記載の樹脂。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂を感圧性ホットメルト
接着剤組成物の製造に用いる方法。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂を、樹脂の色を改善す
る水素添加、水素処理および/または急冷工程に原料として用いる方法。
【請求項6】
請求項1〜3に記載の石油に基づく樹脂およびポリマーを含
む感圧性ホットメルト接着剤組成物。
【請求項7】
ポリマーが、スチレン−イソプレン−スチレン(S−I−S
)ポリマー、スチレン−ブタジエン(SB)ポリマー、スチレン−ブタジエン−
スチレン(S−B−S)ポリマー、エチレン−酢酸ビニル(EVA)ポリマー、
およびブタジエン−酢酸ビニル(BVA)ポリマーから選択される、請求項6に
記載の感圧性ホットメルト接着剤組成物。
【請求項8】
ポリマーが、10〜30重量部のスチレンを含むS−I−S
ブロックコポリマーである、請求項7に記載の感圧性ホットメルト接着剤組成物

【請求項9】
エキステンダー油をさらに含む、請求項6〜8のいずれかに
記載の感圧性ホットメルト接着剤組成物。
【請求項10】
70〜200重量部の石油に基づく脂肪族樹脂、100重
量部のポリマーおよび0〜70重量部のエキステンダー油を含む、請求項6〜8
のいずれかに記載の感圧性ホットメルト接着剤組成物。
【請求項11】
90〜150重量部の石油に基づく脂肪族樹脂、100重
量部のポリマーおよび5〜50重量部のエキステンダー油を含む、請求項6〜9
のいずれかに記載の感圧性ホットメルト接着剤組成物。
【請求項12】
a)スチレン−イソプレン−スチレン(S−I−S)ゴム
100重量部;b)環球(R&B)式軟化点が75〜110℃;重量平均分子量
(Mw)が1000〜2600ダルトン、z平均分子量(Mz)が1900〜5
000ダルトン、およびMw/Mnが2.0以下;1H−NMRにより測定され
る全プロトンに対する芳香族プロトンレベルが1.5%以下の石油に基づく脂肪
族樹脂70〜200重量部;そしてc)エキステンダー油0〜70重量部を含む
感圧性ホットメルト接着剤組成物であって、ブルックフィールド粘度計を用いて
ASTM法D3236に従い175℃で測定した組成物の粘度が100,000
mPas以下であることを特徴とする組成物。
【請求項13】
175℃の粘度が80,000mPas以下である、請求
項12に記載の感圧性ホットメルト接着剤組成物。
【請求項14】
175℃の粘度が35,000〜50,000mPasで
ある、請求項13に記載の感圧性ホットメルト接着剤組成物。
【請求項15】
請求項6〜14のいずれかで定義されたような感圧性ホッ
トメルト接着剤組成物を、接着テープまたは接着ラベルの製造に用いる方法。
【請求項16】
脂肪族樹脂組成物のR&B式軟化点および分子量を、石油
に基づく供給材料の重合によるその製造の間に独立して制御する方法であって、
樹脂の環状構造の量を増加させることを特徴とする方法。
【請求項17】
環状構造を、重合反応における下記のパラメーター:
a)反応温度、b)触媒量、c)連鎖移動剤の量、
d)供給材料中のシクロジオレフィン成分の量
の1つ以上を変えることによって増加させることを特徴とする、請求項16に記
載の方法。
【請求項18】
環状構造の増加が、石油に基づく樹脂のMMAP曇り点の
測定によって観察されることを特徴とする、請求項16または17に記載の方法

【請求項19】
環状構造の増加が、石油に基づく脂肪族樹脂のまたは該樹
脂を用いた感圧性ホットメルト接着剤樹脂組成物のホットメルト粘度の測定によ
って観察されることを特徴とする、請求項16または17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、R&B式軟化点と分子量との間のより良好な関係および芳香族溶媒
へのより良好な相溶性が得られるように、環状、架橋または網状構造の量を増加
させかつ制御した、粘着性の付与に有用な脂肪族樹脂に関する。これらの樹脂は
、感圧性接着剤組成物の接着性能を改善する。
【背景技術】
【0002】
感圧性ホットメルト接着剤には、ポリマーまたはコポリマー(以後、用語”ポ
リマー”はホモポリマーおよびコポリマーの両方に用いる)、好ましくはブロッ
クコポリマー、石油粘着付与樹脂、および任意に、エキステンダー油(プロセス
油ともいう)、充填剤、およびいくつかの添加剤、例えば酸化防止剤または着色
剤のような成分の混合物が通常含まれる。
【0003】
上記ポリマーはしばしば、ポリスチレンおよびポリイソプレンブロックセグメ
ントを有するS−I−S(スチレン−イソプレン−スチレン)ブロックコポリマ
ーである。そのような場合、接着剤組成物にはいくつかのポリスチレン−ポリイ
ソプレンジブロックがさらに含まれる。
【0004】
石油に基づく樹脂は接着剤の物理化学的性質、例えばそのホットメルト粘度、
芳香族溶媒への相溶性、剪断特性および粘着特性に重要な影響を及ぼす。低い溶
融粘度、有機溶媒への良好な相溶性、高い粘着および高温剪断性能を失うことの
ない剪断特性の特徴を最適なものにするために、特定量の芳香族変性剤を含む一
般的な石油に基づく粘着付与樹脂が用いられてきた。芳香族変性剤を含まない従
来の樹脂では、満足な程度の上記の性質は得られない。
【0005】
次の特許および/または特許出願が重要な関連文献として挙げられる。
【0006】
米国特許第4,411,954号には、米国特許第3,577,398号に記
載のように製造された脂肪族樹脂をS−I−Sに基づく感圧性ホットメルト接着
剤に用いることが記されている。
【0007】
ヨーロッパ特許第0447855号には、脂肪族および芳香族変性脂肪族樹脂
をS−I−Sに基づく感圧性ホットメルト接着剤に用いることが記されている。
芳香族変性剤の使用レベルは11〜15%であり、スチレンが芳香族モノマーと
して挙げられている。
【0008】
米国特許第4,623,698号には、軟化点が0〜80℃の脂肪族および芳
香族変性脂肪族樹脂を粘着付与剤としてスチレンブタジエン(SB)ポリマーに
用いることが記載されている。
【0009】
米国特許第4,078,132号には、脂肪族および芳香族変性脂肪族樹脂の
均熱化ピペリレン流からの製造が記載されている。イソブチレンおよびイソアミ
レンは連鎖移動剤として作用することが記載されており、そしてα−メチルスチ
レン(AMS)は芳香族変性剤として用いることが記載されている。用途によっ
ては、軟化点が70〜85℃の樹脂を用いることが記載されている。
【0010】
WO 95/16755には、S−I−Sポリマー、芳香族変性脂肪族樹脂お
よびエキステンダー油を用いるホットメルト接着剤配合物が記載されている。芳
香族変性によって、粘度が低くかつ粘着性の高い感圧性ホットメルト接着剤配合
物が生じた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、芳香族変性粘着付与樹脂は、多くの理由で不都合である。第1
に、芳香族物質は比較的高価であり、芳香族物質を使わずに安価な樹脂にしたい
。第2に、これらは、どのような用途に用いられる前にも行われる、樹脂の色の
改善のための水素添加、水素処理および急冷工程にあまり適していない。第3に
、芳香族変性脂肪族樹脂は、ホットメルトに基づく感圧接着剤の用途において、
温度が高いほど剪断性能が低くなる。従って、芳香族変性樹脂に似たまたはこれ
よりも良好な適用性を示す、より安価な石油に基づく樹脂を提供することが望ま
しい。
【0012】
また、感圧性ホットメルト接着剤に有用であり、低い溶融粘度と優れた粘着性
および剪断特性を併せ持つ脂肪族樹脂、並びにそのような樹脂を含有する感圧性
ホットメルト接着剤を提供することも望ましいことである。
【0013】
従って、環状構造を多く有する脂肪族樹脂が、望ましいR&B式軟化点および
分子量を有し、そしてその高温剪断性能を失うことなく優れた粘着性および剪断
特性を有する低粘度の感圧性ホットメルト接着剤を生じることを見いだした。本
発明の樹脂は、これらがより多くの環状構造を含んでいる点で、現状技術の脂肪
族樹脂とは著しく異なる。”環状構造”という用語は、樹脂の架橋または網状構
造レベルを高める働きをする構造的特徴として定義する。これらのタイプの構造
的特徴は、これらに限定されないが、次の反応による:主鎖に沿っておよび/ま
たは鎖の末端で組み込まれるその成長ポリマー鎖の咬み戻し、ポリマー鎖に組み
込むことができる反応性環状構造を生成するモノマーの2量体化、ポリマー鎖内
の側鎖の分子内結合、および高度の網状構造を形成する短いポリマー鎖間の架橋
。これは、環状構造を示す多くの物理化学的性質の測定によって確認することが
できる。さらに、環状構造の量が樹脂のR&B式軟化点および分子量を独立的に
制御しうることも見いだした。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の観点から、本発明は、a)環球(R&B)式軟化点が75〜110℃;
b)重量平均分子量(Mw)が1000〜2600ダルトン、z平均分子量(M
z)が1900〜5000ダルトン、およびMw/Mnが2.0以下;c)1
−NMRにより測定される全プロトンに対する芳香族プロトンレベルが1.5%
以下;そしてd)混合メチルシクロヘキサンアニリン雲り点(MMAP)が90
℃以下である石油に基づく脂肪族樹脂を提供するものである。
【0015】
別の態様において、本発明は、i)スチレン−イソプレン−スチレン(S−I
−S)ゴム100重量部;ii)環球(R&B)式軟化点が75〜110℃;重
量平均分子量(Mw)が1000〜2600ダルトン、z平均分子量(Mz)が
1900〜5000ダルトン、およびMw/Mnが2.0以下;1H−NMRに
より測定される全プロトンに対する芳香族プロトンレベルが1.5%以下の石油
に基づく脂肪族樹脂70〜200重量部;そしてiii)エキステンダー油0〜
70重量部を含む感圧性ホットメルト接着剤組成物であって、ブルックフィール
ド粘度計を用いてASTM法D3236に従い175℃で測定した組成物の最大
粘度が100,000mPas、好ましくは80,000mPasであることを
特徴とする組成物を提供するものである。
【0016】
さらに、本発明は、樹脂の環状構造の量を増加させることを特徴とする、脂肪
族樹脂組成物のR&B式軟化点および分子量を独立して制御する方法を提供する
ものである。この増加は好ましくは、重合反応における次のパラメーターの1つ
以上を変えることによって達成することができる:i)反応温度、ii)触媒量
、iii)連鎖移動剤の量、iv)供給材料中のシクロジオレフィン成分の量。

本発明の他の目的および特徴は、次の詳細な説明および特許請求の範囲から明
らかになる。
【0017】
本発明で用いられる石油に基づく樹脂は、C5オレフィンおよびジオレフィンを含有するか、またはC5およびC6オレフィン並びにジオレフィンの混合物を含有する分解石油供給材料と、連鎖移動剤として用いられるC4若しくはC5オレフィンまたはそれらの2量体とを共重合した、フリーデル・クラフツ重合生成物であるのが好ましい。石油供給材料は、いくらかの環状ジオレフィン、例えばシクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、ジシクロペンタジエンおよび/またはこれらの2量体化生成物および活性C5およびC6成分を含有しているとさらに好ましい。
【0018】
脂肪族樹脂の環状構造を望ましい量に増加させるのは、例えば、反応温度およ
び/または触媒量を上げること、並びにシクロジオレフィンに富む供給流を用い
ることによって行うことができる。樹脂の環状構造の量の増加は、R&B式軟化
点がより上昇したりおよび/または分子量がより低下することによって、並びに
芳香族溶媒への相溶性がよりよくなる(より低いMMAP)ことによって確認し
た。本発明による粘着付与樹脂は、これを配合したホットメルト組成物の溶融粘
度を下げる。従って、これらは優れた粘着性および剪断特性をこれらのホットメ
ルト組成物に付与する。
【0019】
ピペリレンおよび/またはイソプレンのフリーデル・クラフツ重合の間、1,
2および1,4付加以外に、モノマーの一部が重合前に環状2量体化したり、あ
るいは重合後に環化することも知られている。
【0020】
R&B式軟化点がより高く、同時に分子量が似ているかまたはより低かったり
、あるいはR&B式軟化点が似ているかまたはより高くて、分子量がより低いこ
とは、樹脂の環状構造の量が増えていることを示している。本発明者等は、環状
構造の量が、重合条件、例えば触媒レベル、反応温度、連鎖移動剤の量および供
給材料の組成の変化によって影響されることを見いだした。
【0021】
本発明の1つの態様では、脂肪族粘着付与石油樹脂は、C5およびC6オレフィンおよび/またはジオレフィン、並びに好ましくはシクロオレフィンおよびシクロジオレフィン(例えばシクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン)およびこれらの2量体を含有する石油供給原料と、連鎖移動剤としてのC4もしくはC5オレフィンおよび/またはそれらの2量体とを共重合させた、フリーデル・クラフツ重合物を含む。そのような樹脂の最終接着剤適用性は、反応温度、触媒量、連鎖移動剤の量および供給材料の組成の変化による環状構造量の制御によって最適なものとなる。従って、所望の軟化点および分子量分布を有する樹脂を、重合工程の間、軟化点および分子量分布を互いに独立させて得ることが可能である。環状構造の程度がより高いことは、環状構造の量のより少ない樹脂よりも、R&B式軟化点がより高く、同時に分子量が似ているかまたはより低かったり、あるいはR&B式軟化点が似ているかまたはより高くて、分子量がより低いことで確認される、より硬質の構造を意味する。そのような樹脂は、MMAP曇り点がより低いことで分かるように、芳香族溶媒への相溶性がより良好であることも観察された。プロトンNMR分析が通常の脂肪族樹脂と本発明により製造された樹脂との間に有意な差がないことを示しているので、これは芳香族化合物の有意な組み込みによるものではなかった。
【0022】
本発明の最終的な樹脂は次の性質を有する:a)環球(R&B)式軟化点は7
5〜110℃;b)数平均分子量(Mw)は1000〜2600ダルトン、z平
均分子量(Mz)が1900〜5000ダルトン、およびMw/Mnは2.0以
下;c)1H−NMRにより測定される全プロトンに対する芳香族プロトンレベ
ルは1.5%以下;そしてd)混合メチルシクロヘキサンアニリン雲り点(MM
AP)は90℃以下。
【0023】
これらの重合樹脂は感圧性ホットメルト組成物に粘着付与剤として用いること
ができ、これらの組成物は重合体、並びに任意にエキステンダー油および他の補
助剤をさらに含む。
【0024】
本発明による好ましい感圧性ホットメルト組成物は、(i)10〜30重量部
のスチレンを含むスチレン−イソプレン−スチレン(S−I−S)ブロックコポ
リマー、例えばKraton D 1107、Kraton D KX 601
Cs、Kraton D 1114、Vector 4111 100重量部
;(ii)a)環球(R&B)式軟化点が75〜110℃、b)重量平均分子量
(Mw)が1000〜2600ダルトン、z平均分子量(Mz)が1900〜5
000ダルトン、およびMw/Mnが2.0以下、c)1H−NMRにより測定
される全プロトンに対する芳香族プロトンレベルが1.5%以下の石油に基づく
脂肪族樹脂、ポリマー100部当たり、70〜200重量部の混合物を含む。
【0025】
この態様において、含まれる石油粘着付与樹脂ii)のMMAPは90℃以下
であるが、これは必須ではない。
【0026】
上記混合物は(iii)Shellflex 451 FCのようなエキステ
ンダー油を、ポリマー100部当たり、0〜70重量部含有していてもよい。
【0027】
ブルックフィールド粘度計を用いASTM−D3236に従って測定したホッ
トメルト組成物の175℃での粘度は100,000mPas以下、好ましくは
80,000mPas以下である。この態様による樹脂(ii)をそのような感
圧性ホットメルト接着剤組成物に用いると、Piccotac 95EおよびE
scorez 1310のような公知の脂肪族樹脂を用いた場合よりも溶融粘度
は低くなり、ローリングボール粘着性はPiccotac 95EまたはEsc
orez 2203またはHercotac 1148のような既存の脂肪族ま
たは芳香族変性樹脂と同程度であり、高温剪断強さはEscorez 2203
、Hercotac 1148およびHercules RESIN Aのよう
な芳香族変性樹脂よりも良好である。登録商標名で示した上記の商業的な樹脂に
ついては、以下の実験の項(材料および方法)でさらに詳しく記載する。

一般に、本発明の樹脂は、不活性溶媒中の分解石油供給材料および連鎖移動剤
の混合物を、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、弗化アルミニウム、三弗化
硼素、またはこれらの溶液、スラリーもしくは複合体のような触媒1.0〜8.
0重量%で処理し、反応温度が0〜100℃のフリーデル・クラフツ重合によっ
て製造される。
【0028】
最終重合供給材料は通常、約20〜60重量%、好ましくは30〜50重量%
の石油供給材料流、0〜20重量%の連鎖移動剤および40〜80重量%の不活
性溶媒、例えばトルエンまたはプラント循環溶媒を含む。適した重合供給材料は
30〜50重量%、好ましくは35〜45重量%の重合性モノマーを含み、従っ
て、全供給材料当たりの最終収量は30〜50重量%である。
【0029】
石油供給材料流は一般に、沸点が20〜100℃、好ましくは30〜70℃の
C5およびC6オレフィンおよび/またはジオレフィンよりなる不飽和炭化水素
を含む。シクロペンタジエンおよびメチルシクロペンタジエンは、C5/C6オ
レフィンおよびジオレフィンフラクションを100〜160℃で均熱化し、そし
て得られた2量体の蒸留により分別することによって一般に除去されてきた。し
かしながら、シクロペンタジエンおよびジシクロペンタジエンのようなシクロオ
レフィンおよびシクロジオレフィン成分を含有する供給材料が、樹脂の環状およ
び硬質構造にさらに寄与し、最終的には感圧性ホットメルト接着剤配合物の接着
性能をより良好なものにすることを見いだした(実施例3参照)。環状ジエンと
C5線状共役ジエンまたは石油供給材料流中の他の反応性オレフィン成分との同
時2量体化によって形成される他の環状ジエンもまた、最終樹脂における環状構
造の程度を高めるのに寄与する。
【0030】
シクロジオレフィンを含有するおよび含有しない2種の使用石油供給材料流の
平均組成を以下に示す。

シクロジオレフィン
非含有 含有
供給材料 A B
全オレフィン: 13 11
全シクロオレフィン: 17 14
全ジオレフィン: 65 55
全シクロジオレフィン:<2 15
オレフィンの例はイソブチレン、1−ペンテン、2−メチル−1−ペンテン、
並びにトランス−およびシス−2−ペンテンである。
【0031】
シクロオレフィンの例はシクロペンテンおよびシクロヘキセンである。
【0032】
ジオレフィンの例はシス−およびトランス−ピペリレン(1,3−ペンタジエ
ン)、1,4−ペンタジエン、イソプレン、1,3−ヘキサジエン、並びに1,
4−ヘキサジエン。
【0033】
シクロジオレフィンの例はシクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、両成
分のメチルおよびエチル誘導体、およびシクロペンタジエンとジオレフィンとの
2量体である。
【0034】
シクロジオレフィンを含まない石油供給材料の市販試料はシェル社(NL)の
スーパーピペリレン濃縮物であり、望ましいシクロジオレフィンを含有する好ま
しい石油供給材料の市販試料はシェル社(NL)のレギュラーピペリレン濃縮物
である。シクロジオレフィン成分はもちろん、シクロジオレフィンが不十分な流
れに加えることもできる。
【0035】
特に適した石油流は、少なくとも50重量%のピペリレンを含む少なくとも7
0重量%の重合性モノマーを含有する。さらに、それは2重量%未満のイソプレ
ンを含有する。感圧性ホットメルト接着剤の溶融粘度をできるだけ低くするには
、少なくとも10重量%のシクロペンテンおよび少なくとも10重量%、好まし
くは少なくとも15重量%のシクロジオレフィン成分、例えばシクロペンタジエ
ンおよび/またはジシクロペンタジエンを含有する。
【0036】
連鎖移動剤として、一般にイソブチレン、2−メチル−1−ブテン、2−メチ
ル−2−ブテンまたはそれらの2量体オリゴマーを用いると、より低くかつより
狭い分子量分布の樹脂が得られる。成分は純粋なもの、あるいはトルエンのよう
な不活性溶媒または未反応C4〜C6成分に希釈したものを用いうる。そのよう
な流れの例は、イソブチレンラフィネート1 ex DSMである。連鎖移動剤
としてのイソアミレン(2−メチル−2−ブテン)では、他の連鎖移動剤と較べ
て、似た分子量で比較的高いR&B式軟化点となる。経費を考慮すると、純粋な
または希釈した形のイソブチレンを用いるのが好ましい。
【0037】
連鎖移動剤をさらに加えると、R&B式軟化点および分子量の両方が低下する

【0038】
重合中に用いられる溶媒は,純粋なトルエンまたはプラント循環トルエンであ
る。石油供給材料流から生じる未反応化合物、例えばシクロペンタン、n−ペン
タン、イソペンタンおよびシクロヘキサンを含有するプラントトルエンを用いる
と、純粋なトルエンを用いる場合に較べて、同様な分子量でより高いR&B式軟
化点となるので、プラント循環トルエンが好ましい。
【0039】
重合用触媒は、重合供給材料の重合性成分の量に基づいて、1.0〜8.0、
好ましくは3.0〜6.0重量%、より好ましくは4.0〜5.0重量%で用い
る。本発明では、任意により高い温度と組み合わせた、より高レベルの触媒で、
樹脂軟化点を一定に保ちながら、分子量を低下させうることを見いだした。得ら
れる樹脂は、感圧性ホットメルト組成物においてより低い溶融粘度となる。触媒
レベルの増加はまた、より低いMMAP曇り点(実施例1参照)が示すように、
芳香族溶媒への相溶性を高める。触媒は適したフリーデル・クラフツ触媒、例え
ば三塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、弗化アルミニウム、三および四塩化
チタン、三弗化硼素、あるいはこれらの溶液、スラリーまたは複合体から選択す
ることができる。
【0040】
本発明では、通常、重合温度は0〜100℃、好ましくは50〜120℃であ
る。反応温度が高いほど、樹脂軟化点が一定に保たれたときは、より低い分子量
が示すように環状構造がより多くなることが分かった。また得られる樹脂は感圧
性ホットメルト組成物の溶融粘度を下げ、同時に優れた粘着性および剪断特性を
もたらす(実施例2参照)。
【0041】
重合は連続法またはバッチ式で行うことができる。反応時間は一般に、1.0
〜4.0時間であり、特に反応温度によって決まる。
【0042】
重合後、残留触媒は、例えば、水の添加および水での抽出によって除去しうる

【0043】
このようにして得られた重合−溶媒混合物をストリップすると、未反応炭化水
素、溶媒および低分子量オリゴマーを除去しうる。最終樹脂は通常、より高い軟
化点を有する。
【0044】
本発明による粘着付与剤として用いるのに最も適したこのようにして得られた
樹脂は:a)R&B式軟化点が75〜110℃、好ましくは90〜100℃;b
)Mnが600〜1300ダルトン、好ましくは700〜1000ダルトン、M
wが1000〜2600ダルトン、好ましくは2000ダルトン以下、z平均分
子量(Mz)が1900〜5000ダルトン、好ましくは4000ダルトン以下
、およびMw/Mnが2.0以下;c)1H−NMRにより測定される全てのプ
ロトンに対する芳香族プロトンレベルが1.5%以下;そしてd)MMAP曇り
点が90℃以下である。
【0045】
通常、商業的に入手しうる非変性脂肪族樹脂に基づく同様の石油供給材料流の
MMAP曇り点は90℃以上であり、より低いMMAP値曇り点は芳香族変性樹
脂でのみ得ることができた。これを次の表に示す:
【0046】
【表1】


【0047】
これに対して、本発明の樹脂の相溶性が改善されたことにより、MMAP曇り
点が環状構造の量の関数として低下することが観察された。
【0048】
感圧性ホットメルト組成物に用いるのに特に好ましい粘着付与剤は、次の一般
的な性質を有する(実施例4参照):
R&B式軟化点(℃) 96
MMAP(℃) 86
芳香族プロトン(NMR) 0.7
トルエン中50%の色(ガードナー) 6
Mn(ダルトン) 830
Mw(ダルトン) 1460
Mz(ダルトン) 2800
環状構造の量の制御は、触媒レベルおよび反応温度を変えることによって行う
ことができる。さらに、環状構造の量によって変わることがやはり予想される所
望のR&B式軟化点は、連鎖移動剤の量によって制御することができる。上記樹
脂の一般的な重合条件を以下に示す。供給材料の環状成分の量は、樹脂の環状構
造の最終量にも、従って感圧性ホットメルト組成物の最終溶融粘度にも影響を及
ぼすので、好ましい組成も示す。
【0049】
温度: 55℃
触媒レベル: 全重合性モノマーに対して4.0重量%
重合供給材料:
イソブチレン* 8.7
イソアミレン* 2.7
トランスーピペリレン* 13.4
シス−ピペリレン* 8.1
シクロペンタジエン* 1.0
ジシクロペンタジエン* 5.5
シクロペンテン 8.3
トルエン 32.5
シス−2−ペンテン 1.0
トランス−2−ペンテン 1.5
シクロペンタン 7.4
他のC5 9.9
全重合性材料(*) 39.4
本発明による樹脂をS−I−S−ポリマーおよび添加剤とブレンドすると、低
い溶融粘度と優れた粘着性および剪断性能とを有する感圧性ホットメルト接着剤
組成物を得ることができる。そのような感圧性ホットメルト接着剤組成物は様々
な形で用いることができる。特に好ましい使用形態は接着テープおよびラベルで
ある。
【0050】
感圧性ホットメルト接着剤組成物は一般に、S−I−S−ブロックコポリマー
、本発明において説明したような石油粘着付与樹脂、および当業界で公知のよう
な他の添加剤、例えば炭化水素エキステンダー、酸化防止剤、着色剤、充填剤等
よりなる。適したエキステンダー油は、芳香族油、ナフテン系石油、パラフィン
系石油またはこれらの混合物から選択される。
【0051】
ブロックコポリマーと組み合わせて用いられる石油樹脂の量は、ブロックコポ
リマー100重量部当たり、70〜200重量部である。より好ましい範囲は、
ブロックコポリマー100重量部当たり、90〜150重量部である。
【0052】
エキステンダー油を用いる場合、これは、ブロックコポリマー100重量部当
たり、70重量部以下、より好ましくは5〜50重量部で加える。
【0053】
S−I−Sブロックコポリマーは、0〜30重量部のスチレンおよび0〜40
重量部のジブロックを含むポリマーのグループから選択することができる。その
ようなポリマーの例はKraton D 1107、Kraton D KX
601 Cs、Kraton D 1114およびVector 4111であ
る。
【0054】
前述のように、本発明のホットメルト配合物の175℃で測定した溶融粘度は
好ましくは100,000mPas(CPS)以下、より好ましくは175℃で
60,000mPas以下である。175℃で最も好ましい溶融粘度は35,0
00〜50,000mPasである。芳香族モノマーを重合供給材料に加えるこ
とで粘度が低下しないので、本発明による樹脂はこの種の用途に用いられる他の
周知の樹脂以上に利点を有する。
【0055】
1. 環状構造がより多いため、樹脂の溶融粘度は、同程度の感圧性ホットメ
ルト組成物中のPiccotac 95EおよびEscorez 1310のよ
うな脂肪族樹脂よりも低い。
【0056】
2. 環状構造がより多く、従って樹脂の分子量がより低いので、本発明によ
る樹脂を含むホットメルト組成物は、Piccotac 95EもしくはEsc
orez 2203およびHercotac 1148のような既存の脂肪族ま
たは芳香族変性樹脂と同程度またはより良好なローリングボール粘着性を有する

【0057】
3. 芳香族物質が組み込まれる量が非常に少ないので、本発明により製造さ
れる樹脂は、Escorez 2203、Hercotac 1148およびH
ercules RESIN Aのような芳香族変性樹脂よりも、良好な高温剪
断強さを示す。
【実施例】
【0058】
実施例1〜4では、重合条件の樹脂特性への効果を説明する。175℃での最
終溶融粘度における利点も、100/120/20のポリマー/樹脂/油重量フ
ラクションでKraton D 1107およびShellflex FC 4
51を含む配合物で示す。
【0059】
次の実施例で用いる本発明による樹脂は以後、本発明の脂肪族炭化水素樹脂、
または簡単に、本発明の樹脂と言うことにする。
【0060】
用いる石油供給流(シクロジオレフィンを含むまたは含まない)の一般的な組
成およびプラント再循環溶媒を以下に示す:
【0061】
【表2】


【0062】
実施例に記載の全ての樹脂は、厳密に同じ上記供給材料流を用いて製造したの
ではないが、これらの結果は全ての他の使用石油供給材料および溶媒に一般的で
ありかつ代表するものであるので、これらの組成を示す。実施例で使用した触媒
は52重量%AlCl3溶液であった。以下で用いる省略および登録商標名は次
の実施例の項で説明する。
実施例1
表3は、シクロジオレフィン成分を含むおよび含まない供給材料により多くの
触媒を用いた場合の最終樹脂特性への効果を示す。
【0063】
【表3】


【0064】
結果は、より高い触媒レベルにより、MMAPおよび分子量が減少し、一方、
P&B式軟化点がほぼ同じか少し増加することを明示している。さらに触媒を用
いると、粘度は激しく低下する。
実施例2
表4は、供給材料により高い反応温度を用い、およびシクロジオレフィン成分
を含まない供給材料を用いた場合の、最終樹脂特性への効果を示す。
【0065】
【表4】


【0066】
結果は、より高い温度のため、MMAPおよび分子量が少し低下し、一方、P
&B式軟化点が高くなることを明示している。より高い温度を用いると、溶融粘
度は激しく低下する。
【0067】
温度を60〜80および100℃に上げると、樹脂の特性に同じ傾向が見られ
た。これらの結果を以下の表に示す。
【0068】
【表5】


【0069】
実施例3
表6は、より多くのシクロオレフィンおよびシクロジオレフィンを含む供給材
料を用いる利点を示している。この実施例では、似たR&B式軟化点および分子
量を有する樹脂を選択した。
【0070】
【表6】


【0071】
実施例は、似たP&B式軟化点および分子量を有する樹脂が、感圧性ホットメ
ルト組成物のMMAPおよび溶融粘度に関しては異なることを明示している。シ
クロペンタジエンおよびジシクロペンタジエンのようなシクロジオレフィンの存
在は、樹脂の環状特性に大きな役割を果たし、そしてホットメルト配合物の溶融
粘度を低下し、樹脂のMMAPを低下させる。一般に、環状ジオレフィンが存在
する場合、似たP&B式軟化点および分子量を得るには、より多くの触媒または
より高い温度およびより多くの連鎖移動剤が必要であるようだ。シクロオレフィ
ンおよびシクロジオレフィンを含有する供給材料を用いると、分子量分布が少し
広がるようである。
実施例4
表7の樹脂は、ホットメルト接着剤組成物に粘着付与剤として用いるのに最も
好ましい性質を有する樹脂の例である。
【0072】
【表7】


【0073】
特に4b、4cおよび4dは、本発明により製造された樹脂のよい例である。
3種の樹脂は全て請求の範囲で限定された本発明の範囲に入り、いずれもシクロ
ジオレフィン成分を含む供給材料に基づくものである。実施例4bおよび4dの
樹脂は、良好なボール粘着性および十分に高い剪断強さを示す。
実施例5
MMAPの低下がプロセス溶媒からのトルエンの取り込みによるのか、あるい
は環化反応によるのかを決定するために、IRおよびNMR分析を行って樹脂中
に存在する芳香族プロトンの量を測定した。
【0074】
【表8】


【0075】
表は、芳香族プロトン(6.5〜7.5ppm)の百分率を、=CH2のよう
なプロトン(4.7〜5.4ppm)および脂肪族プロトン(0.5〜3.0p
pm)の百分率と比較したものである。
【0076】
本発明の樹脂の芳香族範囲のプロトンの量が、Hercures CおよびP
iccotac 95Eのような他の脂肪族樹脂と同程度であることを明示して
いる。後者の2種の樹脂のMMAPは93〜95℃であり、本発明の樹脂のMM
APは86℃である。樹脂当たり5重量%芳香族変性された85℃のMMAPを
有する脂肪族樹脂であるRESIN Cは、著しくより多量の芳香族プロトンを
示した。より高度に芳香族変性された樹脂(RESIN B、樹脂当たり約18
重量%芳香族変性されている)は、より多量の芳香族プロトンを示した。
実施例6
表9は、感圧性ホットメルト接着剤組成物におけるいくつかの樹脂の結果を互
いに比較したものである。
【0077】
【表9】


【0078】
結果は、溶融粘度およびローリングボール粘着性は、本発明の樹脂を用いたと
き、全ての試験樹脂の中で最良であることを明示している。40℃におけるカー
トンに対する剪断は、4種の樹脂に有意な差はない。70℃での鋼に対する剪断
は、本発明の樹脂の場合、Hercotac 1148およびHercules
RESIN B(樹脂当たり約18重量%芳香族変性された脂肪族樹脂)を用
いた場合よりも良好である。Piccotac 95E(脂肪族樹脂)を用いる
と、鋼に対する高温剪断はより良好であるが、粘度もより高くなる。
【0079】
本発明の樹脂をいくつかの競合樹脂試料とも比較した。Escorez 13
10 LC、Piccotac 95Eのような脂肪族樹脂、およびEscor
ez 2203 LC、Hercotac 1148と同程度の少し芳香族変性
されたを樹脂を試験した。
【0080】
さらにHercules RESIN Aを比較した。Hercules R
ESIN AはHercules RESIN Bのように、Escorez
2203およびHercotac 1148よりも芳香族変性された樹脂である

【0081】
【表10】


【0082】
結果はやはり、溶融粘度およびローリングボール粘着性は、本発明の樹脂を用
いたとき、少し芳香族変性された樹脂と同程度であることを明示している。He
rcules RESIN Aを用いたとき、分子量がより高いため、ローリン
グボール粘着性はより高いことが分かった。ホットメルト粘度は、Escore
z 1310 LCを用いると、Piccotac 95Eおよび特に本発明の
樹脂よりも高い。70℃での鋼に対する剪断は、本発明の樹脂を用いると、He
rcules RESIN Aよりも良好であることが分かった。Escore
z 1310 LCを用いると、Piccotac 95Eに見られるように鋼
に対する高温剪断はより良好であるが、粘度は最高となる。
実施例7
本発明の脂肪族炭化水素樹脂をまた、同じポリマー/樹脂/油比率の別のS−
I−Sポリマーで評価した。
【0083】
【表11】


【0084】
結果は、本発明の脂肪族樹脂を用いると、4種のポリマー全てにおいて、ホッ
トメルト粘度が低くなると共に、粘着性と剪断特性との良好な釣り合いがとれる
ことを明示している。
実施例8
表12には、接着剤配合物の樹脂および油の量を変えたいくつかの結果を示す
。Vector 4111をポリマーとして用いた。
【0085】
【表12】


【0086】
上記の配合物は、ポリマー、樹脂および油の量を変えると、粘着性および剪断
特性は十分なままで、ホットメルト粘度を制御することができることを示してい
る。
実験 − 材料および方法
省略記号
上記本文および表において、次の省略記号を用いた:
PR溶媒 重合反応に用いられる溶媒
R&B 環球式軟化点(下記のように測定)
MMAP 混合メチルシクロヘキサンアニリン
曇り点(下記のように測定)
Mn 数平均分子量
Mw 重量平均分子量
Mz z平均分子量
Pd 多分散性(=Mw/Mn)
AH配合物 ホットメルト接着剤の数
HM PSA 感圧性ホットメルト接着剤
SAFT 剪断接着破壊温度
方法
樹脂の製造方法:
ここに記載の全ての樹脂は連続法で製造したが、パッチ式製造も可能である。
樹脂供給材料は塩化カルシウムおよび分子ふるい乾燥剤で乾燥し、連鎖移動剤と
共に1500ml/hの速度で6リットル容量の連続撹拌タンク反応器へ加えた
。触媒を同時に加え、混合物を反応器の底から触媒入り口地点へ循環させた。全
ての実験の反応時間が2時間となるように、混合物は3リットルのレベルで連続
的に取り出した。混合物を水で不活性化し、水で3回洗浄し、真空下、蒸気と共
にストリップして、溶媒および全ての低分子量物質を除去した。
R&B式軟化点の測定方法:
R&B(環球)式軟化点はウォルター・ヘルツォークR&B装置、モデルMC
−735を用い、ASTM D−36−70に従って測定した。
MMAPの測定方法:
MMAP(混合メチルシクロヘキサンアニリン曇り点)は変形ASTM D−
611−82法を用いて測定した。メチルシクロヘキサンを、標準試験法で用い
られるヘプタンの代わりに用いる。この方法では樹脂/アニリン/メチルシクロ
ヘキサンを1/2/1(5g/10ml/5ml)の比率で用い、曇り点は、3
成分の加熱した透明なブレンドを、完全な濁りが生じるまで冷却することによっ
て測定する。
樹脂の色の測定方法:
ガードナーカラーを測定するため、全ての樹脂が溶解するまで、樹脂を室温で
試薬グレードのトルエンと混合した。色はDr.Lange LICO 200
装置を用い分光光度により測定した。
分子量の測定:
分子量Mn、Mw、Mzおよび多分散度Mw/Mnは、屈折率測定装置を用い
てサイズ排除クロマトグラフィーによって測定した。
NMRスペクトルの測定方法:
樹脂のNMRスペクトルは、溶媒としてのCDCl3中で測定した。
粘度の測定方法:
ホットメルト粘度は、ASTM D−3236により、175℃でブルックフ
ィールド粘度測定装置を用いて測定した。
剥離強さの測定方法:
剥離強さはPSTC−1試験によって測定した。
ボール粘着性の測定方法:
ボール粘着性はPSTC−6試験によって測定した。
ループ粘着性の測定方法:
ループ粘着性は、FINAT−9試験によって測定した。
剪断強さの測定方法:
剪断強さはPSTC−7試験によって測定した。
SAFTの測定方法:
剪断接着破壊温度(SAFT)はハーキュリーズ試験法WI 20/1/W1
26に従って測定した。
材料
実施例に記載のような接着剤組成物の製造に用いられる材料は次の通りである

Shellflex 451 FC − シェル社から入手しうるパラフィ
ン系エキステンダー油。
【0087】
KRATON D 1107 − スチレン含有率 15重量%、ジブロッ
ク含有率 19重量%、メルトフロー比 9g/10分および重量平均分子量
205,000ダルトンのシェル・ケミカル社のポリスチレン−ポリイソプレン
−ポリスチレン(S−I−S)トリブロックコポリマー。
【0088】
KRATON D KX−601−CS − スチレン含有率 15重量%
、ジブロック含有率 19重量%、メルトフロー比 9g/10分および重量平
均分子量 205,000ダルトンのシェル・ケミカル社のポリスチレン−ポリ
イソプレン−ポリスチレン(S−I−S)トリブロックコポリマー。
【0089】
KRATON D 1114−X − スチレン含有率 19.0重量%、
メルトフロー比 11g/10分,重量平均分子量 160,000ダルトンお
よびジブロック含有率 0重量%(SI)のシェル・ケミカル社の線状ポリスチ
レン−ポリイソプレン−ポリスチレントリブロックコポリマー。
【0090】
Vector 4111 S−I−S − スチレン含有率 19.0重量
%、メルトフロー比 11g/10分,重量平均分子量 170,000ダルト
ンおよびジブロック含有率 0重量%(SI)のデクスコ・ポリマー社の線状ポ
リスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレントリブロックコポリマー。
【0091】
Hercules Hercotac 1148 炭化水素樹脂 − 重合
芳香族モノマー含有率 5〜10重量%および軟化点 約95℃のハーキュリー
ズ社の石油樹脂。
【0092】
Hercules Piccotac x95E 炭化水素樹脂 − 重合
芳香族モノマーを含有しない、軟化点 約95℃および数平均分子量 約110
0ダルトンの石油樹脂。
【0093】
Escorez 1310 LC − 重合スチレン含有率 約0.3重量
%および軟化点 約93.5℃のエクソン社の石油樹脂。
【0094】
Escorez 2203 LC − 重合スチレン含有率 約8〜10重
量%、軟化点 約92℃および数平均分子量 約1150のエクソン社の石油樹
脂。
【0095】
Wingtack 95 − 軟化点 約96℃および数平均分子量 約1
100の、Piccotac 95EおよびEscore 1310のようなグ
ッド・イヤー社の石油樹脂。
【0096】
Hercules RESIN A 炭化水素樹脂 − 重合芳香族モノマ
ー含有率 10〜25重量%および軟化点 約95℃のハーキュリーズ社の石油
樹脂。
【0097】
Hercules RESIN B 炭化水素樹脂 − 重合芳香族モノマ
ー含有率 10〜25重量%、軟化点 約92℃およびガードナーカラー 約3
のハーキュリーズ社の石油樹脂。
【0098】
Hercules RESIN C 炭化水素樹脂 − 重合芳香族モノマ
ー含有率 3〜10重量%および軟化点 約94℃のハーキュリーズ社の石油樹
脂。
【0099】
Irganox 1010 − チバ−ガイギー社の市販試料として主にペン
タエリトリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)−プロピオネートを含有する酸化防止剤。
【出願人】 【識別番号】301050474
【氏名又は名称】イーストマン ケミカル レジンズ インコーポレイテッド
【出願日】 平成19年7月30日(2007.7.30)
【代理人】 【識別番号】100089705
【弁理士】
【氏名又は名称】社本 一夫

【識別番号】100076691
【弁理士】
【氏名又は名称】増井 忠弐

【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰

【識別番号】100080137
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 昭男

【識別番号】100096013
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 博行

【識別番号】100104374
【弁理士】
【氏名又は名称】野矢 宏彰


【公開番号】 特開2008−13770(P2008−13770A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2007−198030(P2007−198030)