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多孔質セラミックス成形体の製造用ポリビニルアセタール樹脂及び多孔質セラミックス成形体の製造用ポリビニルアセタール樹脂溶液 - 特開2008−13724 | j-tokkyo
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【発明の名称】 多孔質セラミックス成形体の製造用ポリビニルアセタール樹脂及び多孔質セラミックス成形体の製造用ポリビニルアセタール樹脂溶液
【発明者】 【氏名】竹原 寛明

【氏名】三宅 祥隆

【要約】 【課題】本発明は、フィルターなどに好適に用いることができる多孔質セラミックス成形体の製造用ポリビニルアセタール樹脂を提供する。

【構成】本発明の多孔質セラミックス成形体の製造用ポリビニルアセタール樹脂は、アルコール系溶剤を含有する溶剤に溶解させて用いられる多孔質セラミックス成形体の製造用ポリビニルアセタール樹脂であって、上記溶剤に溶解させた場合に、上記ポリビニルアセタール樹脂の0.1〜10重量%が上記溶剤に不溶なゲル成分として存在すると共に、このゲル成分の平均粒径が0.5〜500μmであると共に、粒径が500μm以上のゲル成分が上記ポリビニルアセタール樹脂全体の1重量%以下であり、更に、粒径が20μm以上で且つ100μm以下のゲル成分の個数が10個/ミリリットル以上、及び/又は、粒径が0.5μm以上で且つ20μm未満のゲル成分の個数が1000個/ミリリットル以上であることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルコール系溶剤を含有する溶剤に溶解させて用いられる多孔質セラミックス成形体の製造用ポリビニルアセタール樹脂であって、上記溶剤に溶解させた場合に、上記ポリビニルアセタール樹脂の0.1〜10重量%が上記溶剤に不溶なゲル成分として存在すると共に、このゲル成分の平均粒径が0.5〜500μmであると共に、粒径が500μm以上のゲル成分が上記ポリビニルアセタール樹脂全体の1重量%以下であり、更に、粒径が20μm以上で且つ100μm以下のゲル成分の個数が10個/ミリリットル以上、及び/又は、粒径が0.5μm以上で且つ20μm未満のゲル成分の個数が1000個/ミリリットル以上であることを特徴とする多孔質セラミックス成形体の製造用ポリビニルアセタール樹脂。
【請求項2】
溶剤が、アルコール系溶剤と炭化水素系溶剤との混合溶剤であることを特徴とする請求項1に記載の多孔質セラミックス成形体の製造用ポリビニルアセタール樹脂。
【請求項3】
アルコール系溶剤を含有する溶剤にポリビニルアセタール樹脂を溶解させてなる多孔質セラミックス成形体の製造用ポリビニルアセタール樹脂溶液であって、上記ポリビニルアセタール樹脂の0.1〜10重量%が上記溶剤に不溶なゲル成分として存在すると共に、このゲル成分の平均粒径が0.5〜500μmであると共に、粒径が500μm以上のゲル成分が上記ポリビニルアセタール樹脂全体の1重量%以下であり、更に、粒径が20μm以上で且つ100μm以下のゲル成分の個数が10個/ミリリットル以上、及び/又は、粒径が0.5μm以上で且つ20μm未満のゲル成分の個数が1000個/ミリリットル以上であることを特徴とする多孔質セラミックス成形体の製造用ポリビニルアセタール樹脂溶液。
【請求項4】
溶剤が、アルコール系溶剤と炭化水素系溶剤との混合溶剤であることを特徴とする請求項3に記載の多孔質セラミックス成形体の製造用ポリビニルアセタール樹脂溶液。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔質セラミックス成形体を製造することができるポリビニルアセタール樹脂及びこのポリビニルアセタール樹脂をアルコール系溶剤を含有する溶剤に溶解させて得られるポリビニルアセタール樹脂溶液に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリビニルアセタール樹脂は、顔料、セラミックス粉末、金属粉末などの分散性や、金属、ガラスなどへの接着性に優れ、強靱で可撓性のある塗工膜が得られることから、古くから種々の用途に用いられており、商業的に重要な位置を占めている。
【0003】
特に、ポリビニルブチラール樹脂やポリビニルアセトアセタール樹脂は、自動車や建築物の中間膜として用いられるだけでなく、セラミックス成形用バインダー、熱現像性感光材料、塗料、インキ、反射シートなどの種々の工業分野において広く用いられている。
【0004】
近年、特許文献1,2に示したように、排気ガスフィルターやエアフィルター、液体濾過フィルターなどの分野でセラミックスが用いられ、成形用バインダーとして、ポリビニルアセタール樹脂が頻繁に用いられている。
【0005】
しかしながら、従来から提供されているポリビニルアセタール樹脂は、これらの用途を満足させるだけの特性を充分に有しておらず、例えば、セラミックス成形体を得るためのスラリー組成物の成形性を確保するために、ポリビニルアセタール樹脂の配合量を多くすると、得られるセラミックス成形体の細孔の大きさが不均一になり、フィルターとしての役割を果たせない問題が生じる一方、ポリビニルアセタール樹脂の配合量を少なくすると、得られるセラミックス成形体に充分な細孔が形成されず、フィルターとして用いることができなかったり、或いは、スラリー組成物の成形性が低下するといった問題を生じていた。
【0006】
【特許文献1】特開平4−200704号公報
【特許文献2】特開2005−118771号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、フィルターなどに好適に用いることができる多孔質セラミックス成形体の製造用ポリビニルアセタール樹脂及びこれを用いた多孔質セラミックス成形体の製造用ポリビニルアセタール樹脂溶液を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の多孔質セラミックス成形体の製造用ポリビニルアセタール樹脂は、アルコール系溶剤を含有する溶剤に溶解させて用いられる多孔質セラミックス成形体の製造用ポリビニルアセタール樹脂であって、上記溶剤に溶解させた場合に、上記ポリビニルアセタール樹脂の0.1〜10重量%が上記溶剤に不溶なゲル成分として存在すると共に、このゲル成分の平均粒径が0.5〜500μmであると共に、粒径が500μm以上のゲル成分が上記ポリビニルアセタール樹脂全体の1重量%以下であり、更に、粒径が20μm以上で且つ100μm以下のゲル成分の個数が10個/ミリリットル以上、及び/又は、粒径が0.5μm以上で且つ20μm未満のゲル成分の個数が1000個/ミリリットル以上であることを特徴とする。
【0009】
本発明の多孔質セラミックス成形体の製造用ポリビニルアセタール樹脂(以下、単に「ポリビニルアセタール樹脂」ということがある)は、アルコール系溶剤を含有する溶剤に溶解させて用いられ、好ましくは、アルコール系溶剤と炭化水素系溶剤との混合溶剤に溶解させて用いられる。
【0010】
上記アルコール系溶剤としては、ポリビニルアセタール樹脂を溶解させた際に所定条件を満たすゲル成分を生じさせるものであれば、特に限定されず、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、α−テルピネオール、ジヒドロテルピネオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2,6−へキサントリオール、へキシレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリンなどの1価又は多価アルコール類などが挙げられ、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールが好ましく、エチルアルコールがより好ましい。なお、アルコール系溶剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
【0011】
更に、上記アルコール系溶剤には、ポリビニルアセタール樹脂を溶解させた際に所定条件を満たすゲル成分を生じさせるものであれば、アルコール系溶剤と相溶性を有する溶剤が混合されていてもよい。このような溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、テトラヒドロナフタリン、テカヒドロナフタリンなどの芳香族炭化水素系溶剤、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、n−パラフィン、イソパラフィン、ソルベントナフサ、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、流動パラフィン、イソヘキサン、イソヘプタン、リグロインなどの脂肪族炭化水素系溶剤、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、ブタン酸メチル、ブタン酸エチル、ブタン酸ブチル、ペンタン酸メチル、ペンタン酸エチル、ペンタン酸ブチル、ヘキサン酸メチル、ヘキサン酸エチル、ヘキサン酸ブチル、酢酸エチル、酢酸ビチル、酢酸2−エチルヘキシル、酪酸2−エチルヘキシル、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、ブチルセルソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、テルピネオールアセテート、ジヒドロテルピネオールアセテートなどのエステル系溶剤、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶剤、水などが挙げられ、芳香族炭化水素系溶剤が好ましく、トルエンがより好ましい。なお、このような溶剤は単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
【0012】
そして、本発明の多孔質セラミックス成形体の製造用ポリビニルアセタール樹脂は、上記溶剤に溶解させた場合に、下記条件を満たすゲル成分を生じる。ここで、ゲル成分とは、多孔質セラミックス成形体の製造用ポリビニルアセタール樹脂10gを溶剤190gに添加して25℃にて震盪機を用いて120分間に亘って震盪して溶解させた後、溶剤中に溶解せずに溶剤中に分散しているポリビニルアセタール樹脂の全てをいう。
【0013】
多孔質セラミックス成形体の製造用ポリビニルアセタール樹脂を上記溶剤に溶解させた場合に生じるゲル成分の量は、少ないと、ポリビニルアセタール樹脂を用いて得られたセラミックス成形体にフィルターに必要な程度の細孔が生じない一方、多いと、セラミックス成形体に亀裂などを生じるので、溶剤に溶解させたポリビニルアセタール樹脂全体の0.1〜10重量%に限定され、0.1〜1重量%が好ましい。
【0014】
ここで、多孔質セラミックス成形体の製造用ポリビニルアセタール樹脂を溶剤に溶解させた場合に生じるゲル成分の量は下記の要領で測定されたものをいう。先ず、ポリビニルアセタール樹脂10gを溶剤190gに添加して25℃にて120分間に亘って震盪機を用いて混合してポリビニルアセタール樹脂溶液を作製し、このポリビニルアセタール樹脂溶液中に生じたゲル成分を遠心分離器によって分離し、溶剤で数回に亘って洗浄した後、このゲル成分の重量A(g)を真空乾燥した上で測定し、下記式に基づいて算出した。
ゲル成分の量(重量%)=100×A/10
【0015】
更に、上記ゲル成分の平均粒径は、小さいと、ポリビニルアセタール樹脂を用いて得られたセラミックス成形体にフィルターに必要な程度の細孔が生じない一方、大きいと、セラミックス成形体に亀裂などを生じるので、0.5〜500μmに限定され、1.0〜300μmが好ましい。なお、ゲル成分の平均粒径は、上述したゲル成分の量の測定要領で得られたゲル成分を溶剤中に分散させて、ゲル成分の2重量%測定溶液を作製し、この測定溶液に基づいてゲルカウンターを用いて測定することができる。
【0016】
又、粒径が500μm以上のゲル成分のポリビニルアセタール樹脂全体に対する割合は、大きいと、得られるセラミックス成形体に亀裂を生じるので、1重量%以下に限定される。
【0017】
ここで、粒径が500μm以上のゲル成分のポリビニルアセタール樹脂全体に対する割合は下記の要領で測定されたものをいう。ポリビニルアセタール樹脂10gを溶剤190gに添加して25℃にて120分間に亘って震盪機を用いて混合してポリビニルアセタール樹脂溶液を作製し、このポリビニルアセタール樹脂溶液を目開きが500μmのガラスフィルターを用いて濾過し、ガラスフィルター上に残存したゲル成分の重量(Bg)を真空乾燥した上で測定し、下記式により算出した。
ゲル成分の量(重量%)=100×B/10
【0018】
そして、粒径が20μm以上で且つ100μm以下のゲル成分の個数は、少ないと、ポリビニルアセタール樹脂を用いて得られたセラミックス成形体にフィルターに必要な程度の細孔が生じないので、10個/ミリリットル以上に限定され、10〜100個/ミリリットルが好ましい。
【0019】
同様に、粒径が0.5μm以上で且つ20μm未満のゲル成分の個数は、少ないと、ポリビニルアセタール樹脂を用いて得られたセラミックス成形体にフィルターに必要な程度の細孔が生じないので、1000個/ミリリットル以上に限定され、1000〜10000個/ミリリットルが好ましい。
【0020】
ここで、本発明において、「粒径が20μm以上で且つ100μm以下のゲル成分の個数が10個/ミリリットル以上」という構成要件と、「粒径が0.5μm以上で且つ20μm未満のゲル成分の個数が1000個/ミリリットル以上」という構成要件は、何れか一方の構成要件を満たしておればよく、勿論、双方の構成要件を満たしていてもよい。
【0021】
なお、本発明において、所定の粒径範囲内にあるゲル成分の個数は下記の要領で測定されたものをいう。先ず、ポリビニルアセタール樹脂10gを溶剤190gに添加して25℃にて120分間に亘って震盪機を用いて混合してポリビニルアセタール樹脂溶液を作製し、このポリビニルアセタール樹脂溶液中に生じたゲル成分を遠心分離器によって分離し、溶剤で数回に亘って洗浄することによってゲル成分を得る。
【0022】
次に、得られたゲル成分2gを溶剤198gに添加して25℃にて120分間に亘って震盪機を用いて混合してゲル溶液を作製し、このゲル溶液中のゲル成分の個数をゲルカウンターを用いて測定する。具体的には、リオン社から商品名「KL−11A」にて市販されているゲルカウンターを用いて測定することができる。
【0023】
次に、上述のように、アルコール系溶剤を含有する溶剤に溶解させた際に上記条件を満たすポリビニルアセタール樹脂の製造方法としては、ポリビニルアセタール樹脂の合成時に、ポリビニルアセタール樹脂の分子間に適度な架橋構造を導入する方法が挙げられる。
【0024】
ポリビニルアセタール樹脂の分子間に適度な架橋構造を導入する方法としては、例えば、(1)ポリビニルアルコール樹脂を過剰量のアルデヒドでアセタール化する方法、(2)ポリビニルアルコール樹脂をジアルデヒドでアセタール化する方法、(3)ポリビニルアセタール樹脂の水酸基と、ジイソシアネートなどの多官能性化合物とを縮合反応させる方法、(4)酸化金属化合物と、この酸化金属化合物と結合する官能基を有するポリビニルアセタール樹脂との金属架橋反応による方法などが挙げられ、これらの方法を併用してもよい。
【0025】
上記(2)〜(4)の方法において、ポリビニルアルコール樹脂又はポリビニルアセタール樹脂に対する多官能性化合物又は酸化金属化合物の量は、少ないと、ゲル成分を生成させることが困難となることがある一方、多いと、ゲル成分の量が多くなりすぎることがあるので、1.0×10-4〜0.5×10-2モル%が好ましい。
【0026】
ポリビニルアセタール樹脂を合成する際に、ポリビニルアルコール樹脂とアルデヒドとを反応させてポリビニルアセタール樹脂を析出させる前に3時間以上の保持時間をとることが好ましい。なお、保持時間が3時間未満であると、ポリビニルアセタール樹脂の合成時にゲル化が進みにくくなる。
【0027】
又、上記方法によって得られたポリビニルアセタール樹脂と、各種溶剤に可溶しゲル成分を生じないポリビニルアセタール樹脂との混合物であってもよい。このような場合は、混合後のポリビニルアセタール樹脂全体を、本発明の多孔質セラミックス成形体の製造用ポリビニルアセタール樹脂とする。
【0028】
上述のようにして製造された多孔質セラミックス成形体の製造用ポリビニルアセタール樹脂を用いて多孔質セラミックス成形体を製造するには、上記ポリビニルアセタール樹脂を、アルコール系溶剤を含有する溶剤に溶解させて、多孔質セラミックス成形体の製造用ポリビニルアセタール樹脂溶液(以下、単に「ポリビニルアセタール樹脂溶液」という)を作製すると共に、このポリビニルアセタール樹脂溶液にセラミックス粉末を添加して攪拌混合してスラリー組成物を作製する。なお、セラミックス粉末としては、例えば、チタン酸バリウムなどのセラミック粉末などが挙げられ、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。又、上記スラリー組成物には、その物性を損なわない範囲内において、分散剤、可塑剤、潤滑剤、帯電防止剤などの従来公知の添加剤を含有してもよい。
【0029】
そして、上述のようにして作製したスラリー組成物を、例えば、一面が離型処理されてなる合成樹脂フィルムの離型処理面に塗布、乾燥させ、溶剤を蒸発、除去させてセラミックシートを作製し、このセラミックシートを焼成することによって多孔質セラミックス成形体を得ることができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明の多孔質セラミックス成形体の製造用ポリビニルアセタール樹脂は、上述の如き構成を有していることから、フィルター用途に好適な細孔を有する所望形態を有するセラミックス成形体を容易に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
(実施例1)
重合度1000、ケン化度99.5モル%のポリビニルアルコール100重量部を蒸留水1000重量部に添加して95℃まで加温、溶解させて反応溶液を作製し、この反応溶液を20℃まで降温し、反応溶液に75重量%の塩酸30重量部を添加し、更に、ブチルアルデヒド16重量部を添加した。
【0032】
次に、反応溶液を5℃まで冷却し、3時間に亘って保持した後、反応溶液にブチルアルデヒド80重量部を添加してポリビニルブチラール樹脂を析出させる。その後、30分間に亘って5℃に保持し、しかる後、反応溶液に塩酸30重量部を加えて反応溶液を35℃に昇温して3時間に亘って保持した。
【0033】
反応終了後、反応溶液中に析出したポリビニルブチラール樹脂粒子を蒸留水にて10時間に亘って流水洗浄し、水洗後のポリビニルブチラール樹脂粒子を脱水した後、このポリビニルブチラール樹脂粒子を60メッシュの篩を用いて篩い、篩を通過したポリビニルブチラール樹脂粒子のみを蒸留水に分散した上で水酸化ナトリウムを添加して溶液のpHを8に調整した。溶液を50℃で6時間に亘って保持した後に冷却した。
【0034】
続いて、溶液中のポリビニルブチラール樹脂粒子を蒸留水により2時間に亘って流水洗浄した後に脱水し、ポリビニルブチラール樹脂粒子を40℃で12時間に亘って乾燥した後に60メッシュの篩を用いて篩い、篩を通過したポリビニルブチラール樹脂粒子のみを蒸留水で10時間に亘って流水洗浄した。洗浄後、脱水、乾燥してポリビニルブチラール樹脂粒子を得た。得られたポリビニルブチラール樹脂の組成は、アセチル基0.6モル%、水酸基27モル%、ブチラール基72.4モル%であった。
【0035】
得られたポリビニルブチラール樹脂粒子10gを、重量比が1:1にてエチルアルコールとトルエンとを混合させて得られた混合溶剤190gに25℃にて120分間に亘って震盪機を用いて混合して溶解させて測定溶液を作製した。
【0036】
この測定溶液について、ポリビニルブチラール樹脂全体の0.4重量%がゲル成分として存在しており、ゲル成分の平均粒径は100μmであり、粒径が500μm以上のゲル成分のポリビニルアセタール樹脂全体に対する割合は0.1重量%であった。
【0037】
次に、ゲル成分の個数を測定した。ポリビニルブチラール樹脂10gを、重量比1:1にてエタノールとトルエンとを混合してなる混合溶剤190gに添加して25℃にて120分間に亘って震盪機を用いて混合してポリビニルブチラール樹脂溶液を作製し、このポリビニルブチラール樹脂溶液中に生じたゲル成分を遠心分離器によって分離し、溶剤で数回に亘って洗浄することによってゲル成分を得た。
【0038】
次に、得られたゲル成分2gを、重量比1:1にてエタノールとトルエンとを混合してなる混合溶剤198gに添加して25℃にて120分間に亘って震盪機を用いて混合してゲル溶液を作製し、このゲル溶液中のゲル成分の個数をゲルカウンターを用いて測定した結果、粒径が20μm以上で且つ100μm以下のゲル成分の個数が30個/ミリリットル、粒径が0.5以上で且つ20μm未満のゲル成分の個数が1500個/ミリリットルであった。
【0039】
(実施例2)
重合度1000、ケン化度99.5モル%のポリビニルアルコール100重量部を蒸留水1000重量部に添加して95℃まで加温し溶解させて反応溶液を作製し、この反応溶液を20℃まで降温し、反応溶液に75重量%の塩酸30重量部を添加し、更に、ブチルアルデヒド16重量部を添加した。
【0040】
次に、反応溶液を5℃まで冷却し、3時間に亘って保持した後、反応溶液にブチルアルデヒド50重量部を添加してポリビニルブチラール樹脂を析出させる。その後、10分間に亘って5℃に保持し、しかる後、反応溶液にグルタルアルデヒド0.05重量部を供給した上で20分間に亘って保持した後、反応溶液に塩酸30重量部を加えて反応溶液を35℃に昇温して3時間に亘って保持した。
【0041】
反応終了後、反応溶液中に析出したポリビニルブチラール樹脂粒子を蒸留水にて10時間に亘って流水洗浄し、水洗後のポリビニルブチラール樹脂粒子を脱水した後、このポリビニルブチラール樹脂粒子を60メッシュの篩を用いて篩い、篩を通過したポリビニルブチラール樹脂粒子のみを蒸留水に分散した上で水酸化ナトリウムを添加して溶液のpHを8に調整した。溶液を50℃で6時間に亘って保持した後に冷却した。
【0042】
続いて、溶液中のポリビニルブチラール樹脂粒子を蒸留水により2時間に亘って流水洗浄した後に脱水し、ポリビニルブチラール樹脂粒子を40℃で12時間に亘って乾燥した後に60メッシュの篩を用いて篩い、篩を通過したポリビニルブチラール樹脂粒子のみを蒸留水で10時間に亘って流水洗浄した。洗浄後、脱水、乾燥してポリビニルブチラール樹脂粒子を得た。得られたポリビニルブチラール樹脂の組成は、アセチル基0.6モル%、水酸基30モル%、ブチラール基69.4モル%であった。
【0043】
得られたポリビニルブチラール樹脂粒子10gを、重量比1:1にてエチルアルコールとトルエンとを混合させてなる混合溶剤190gに25℃にて120分間に亘って震盪機を用いて混合して溶解させて測定溶液を作製した。
【0044】
この測定溶液について、ポリビニルブチラール樹脂全体の1.0重量%がゲル成分として存在しており、ゲル成分の平均粒径は250μmであり、粒径が500μm以上のゲル成分のポリビニルアセタール樹脂全体に対する割合は0.6重量%であった。
【0045】
次に、ゲル成分の個数を測定した。ポリビニルブチラール樹脂10gを、重量比1:1にてエタノールとトルエンとを混合してなる混合溶剤190gに添加して25℃にて120分間に亘って震盪機を用いて混合してポリビニルブチラール樹脂溶液を作製し、このポリビニルブチラール樹脂溶液中に生じたゲル成分を遠心分離器によって分離し、溶剤で数回に亘って洗浄することによってゲル成分を得た。
【0046】
次に、得られたゲル成分2gを、重量比1:1にてエタノールとトルエンとを混合してなる混合溶剤198gに添加して25℃にて120分間に亘って震盪機を用いて混合してゲル溶液を作製し、このゲル溶液中のゲル成分の個数をゲルカウンターを用いて測定した結果、粒径が20μm以上で且つ100μm以下のゲル成分の個数が85個/ミリリットル、粒径が0.5μm以上で且つ20μm未満のゲル成分の個数が2500個/ミリリットルであった。
【0047】
(比較例1)
ポリビニルブチラール樹脂粒子として、積水化学工業社から商品名「エスレックB BM−2、重合度:850、水酸基:31モル%、アセチル基:1.4モル%、ブチラール基:67.6モル%」を用いた。
【0048】
上記ポリビニルブチラール樹脂粒子10gを、重量比1:1にてエチルアルコールとトルエンとを混合してなる混合溶剤190gに25℃にて120分間に亘って震盪機を用いて混合して溶解させて測定溶液を作製した。この測定溶液中にはゲル成分が生じなかった。
【0049】
(比較例2)
重合度1000、ケン化度99.5モル%のポリビニルアルコール100重量部を蒸留水1000重量部に添加して95℃まで加温、溶解させて反応溶液を作製し、この反応溶液を20℃まで降温し、反応溶液に75重量%の塩酸30重量部を添加し、更に、ブチルアルデヒド16重量部を添加した。
【0050】
次に、反応溶液を5℃まで冷却し、反応溶液にブチルアルデヒド50重量部及びグルタルアルデヒド1重量部を添加してポリビニルアセタール樹脂が析出した後、30分間に亘って5℃に保持し、しかる後、反応溶液に塩酸30重量部を加えて反応溶液を35℃に昇温して3時間に亘って保持した。
【0051】
反応終了後、反応溶液中に析出したポリビニルアセタール樹脂粒子を蒸留水にて10時間に亘って流水洗浄し、水洗後のポリビニルアセタール樹脂粒子を脱水した後、このポリビニルアセタール樹脂粒子を60メッシュの篩を用いて篩い、篩を通過したポリビニルアセタール樹脂粒子のみを蒸留水に分散した上で水酸化ナトリウムを添加して溶液のpHを8に調整した。溶液を50℃で6時間に亘って保持した後に冷却した。
【0052】
続いて、溶液中のポリビニルアセタール樹脂粒子を蒸留水により2時間に亘って流水洗浄した後に脱水し、ポリビニルアセタール樹脂粒子を40℃で12時間に亘って乾燥した後に60メッシュの篩を用いて篩い、篩を通過したポリビニルアセタール樹脂粒子のみを蒸留水で10時間に亘って流水洗浄した。洗浄後、脱水、乾燥してポリビニルアセタール樹脂粒子を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂の組成は、アセチル基0.6モル%、水酸基27モル%、アセタール基72.4モル%であった。
【0053】
得られたポリビニルアセタール樹脂粒子10gを、重量比1:1にてエチルアルコールとトルエンとを混合してなる混合溶剤190gに25℃にて120分間に亘って震盪機を用いて混合して溶解させて測定溶液を作製した。
【0054】
この測定溶液について、ポリビニルアセタール樹脂全体の10重量%がゲル成分として存在しており、ゲル成分の平均粒径は測定できず、粒径が500μm以上のゲル成分のポリビニルアセタール樹脂全体に対する割合は1.3重量%であった。
【0055】
次に、ゲル成分の個数を測定した。ポリビニルアセタール樹脂10gを、重量比1:1にてエタノールとトルエンとを混合してなる混合溶剤190gに添加して25℃にて120分間に亘って震盪機を用いて混合してポリビニルアセタール樹脂溶液を作製し、このポリビニルアセタール樹脂溶液中に生じたゲル成分を遠心分離器によって分離し、溶剤で数回に亘って洗浄することによってゲル成分を得た。
【0056】
次に、得られたゲル成分2gを、重量比1:1にてエタノールとトルエンとを混合してなる混合溶剤198gに添加して25℃にて120分間に亘って震盪機を用いて混合してゲル溶液を作製し、このゲル溶液中のゲル成分の個数をゲルカウンターを用いて測定した結果、粒径が20μm以上で且つ100μm以下のゲル成分、及び、粒径が0.5μm以上で且つ20μm未満のゲル成分の個数は共に1000個を大幅に超えており計測不能であった。
【0057】
実施例1、2及び比較例1,2で得られたポリビニルアセタール樹脂10重量部を、トルエン25重量部とエチルアルコール25重量部との混合溶剤に加えて攪拌、溶解させて樹脂溶液を作製した。この樹脂溶液に可塑剤としてジブチルフタレート5重量部を加えて更に攪拌、溶解させた。
【0058】
このようにして得られた樹脂溶液に、セラミック粉末としてチタン酸バリウム粉末(平均粒径0.4μm)100重量部を加えてボールミルで36時間に亘って混合してチタン酸バリウム粉末を分散させたスラリー組成物を得た。
【0059】
上記スラリー組成物を、一面に離型処理を施したポリエステルフィルムの離型処理面上に塗布して常温にて30分間に亘って風乾し、更に、熱風乾燥機で60〜80℃で15時間に亘って乾燥させてトルエン及びエチルアルコールを蒸発、除去して、厚さが約50μmの薄層のセラミックシートを得た。
【0060】
得られたセラミックシートを焼結炉に入れて500℃まで昇温して8時間に亘って保持した。しかる後、1300℃まで昇温して10時間に亘って保持して焼結を行い、その後、室温まで徐冷してセラミックス成形体を得た。
【0061】
得られたセラミックス成形体表面の亀裂の有無を目視観察すると共に、セラミックス成形体中の細孔の直径を、水銀圧入法による細孔分布試験に準拠して、島津製作所社から商品名「ポアサイザー9320」にて市販されている測定機を用いて測定し、その結果を表1に示した。
【0062】
【表1】



【出願人】 【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
【出願日】 平成18年7月10日(2006.7.10)
【代理人】 【識別番号】100103975
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 拓也


【公開番号】 特開2008−13724(P2008−13724A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−189047(P2006−189047)