トップ :: C 化学 冶金 :: C08 有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物

【発明の名称】 重合性リン酸エステル組成物
【発明者】 【氏名】久保 誠

【要約】 【課題】無機粉体や有機粉体の分散剤用原料として好適な重合性リン酸エステル組成物を提供する。

【構成】特定のリン酸モノエステル(I)と特定のリン酸ジエステル(II)とを含有し、更に、下記一般式(III)で表される化合物(III)を、リン酸モノエステル(I)とリン酸ジエステル(II)の合計量に対して0.1〜10重量%の範囲で含有する、重合性リン酸エステル組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)で表されるリン酸モノエステルと、下記一般式(II)で表されるリン酸ジエステルとを含有し、更に、下記一般式(III)で表される化合物を含有する重合性リン酸エステル組成物であって、化合物(III)の含有量が、リン酸モノエステル(I)とリン酸ジエステル(II)の合計量に対して、0.1〜10重量%である重合性リン酸エステル組成物。
【化1】



〔式中、R1は、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基、R2は、炭素数2〜4のアルキレン基、M1は水素原子、アルカリ金属又はアルカリ土類金属、nは平均で0.1〜20の数を表す。〕
【化2】



〔式中、R3、R6は、同一又は異なっていても良い水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基、R4、R5は、同一又は異なっていても良い炭素数2〜4のアルキレン基、M2は水素原子、アルカリ金属又はアルカリ土類金属、nはそれぞれ平均で0.1〜20の数を表す。〕
【化3】



〔式中、R7、R8、R9は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基、R10、R11は、それぞれ炭素数2〜4のアルキレン基を表す。〕
【請求項2】
請求項1に記載の重合性リン酸エステル組成物からなる粉末用分散剤用原料。
【請求項3】
請求項1に記載の組成物と、下記一般式(1)で表される単量体とを、pH7以下で共重合するリン酸エステル系重合体の製造方法。
【化4】



〔式中、R1a、R2aは、それぞれ水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基、R3aは水素原子又は-COO(AO)n11、AOは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基又はスチレンオキシ基、n1はAOの平均付加モル数であり、3〜200の数、X1は水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基を表す。〕
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、重合性リン酸エステルを含有する組成物に関するものであり、無機粉体や有機粉体の分散剤用原料として好適に使用できる重合性リン酸エステル組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
リン酸モノエステル、リン酸ジエステル等のリン酸エステルは界面活性剤、金属結合剤、繊維の帯電防止剤等の原料として様々な分野で用いられている。リン酸エステル化は、一般に五酸化リン等のリン酸無水物とリン酸、ポリリン酸等と有機ヒドロキシ化合物との縮合反応により工業的に製造されている。また、リン酸エステルの中でも分子中にメタアクリロイル基等を有する重合性リン酸エステルは、重合性等が優れており、従来、繊維処理剤、塗料、歯科材料等で用いられている(特許文献1)。
【特許文献1】特開平11-80175号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、無機粉体や有機粉体の分散剤用原料として好適な重合性リン酸エステル組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、下記一般式(I)で表されるリン酸モノエステルと、下記一般式(II)で表されるリン酸ジエステルとを含有し、更に、下記一般式(III)で表される化合物を含有する重合性リン酸エステル組成物であって、化合物(III)の含有量が、リン酸モノエステル(I)とリン酸ジエステル(II)の合計量に対して、0.1〜10重量%である重合性リン酸エステル組成物に関する。
【0005】
【化5】


【0006】
〔式中、R1は、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基、好ましくはメチル基、R2は、炭素数2〜4のアルキレン基、好ましくはエチレン基、M1は水素原子、アルカリ金属又はアルカリ土類金属、nは平均で0.1〜20の数、好ましくは1〜10の数を表す。〕
【0007】
【化6】


【0008】
〔式中、R3、R6は、同一又は異なっていても良い水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基、好ましくはメチル基、R4、R5は、同一又は異なっていても良い炭素数2〜4のアルキレン基、好ましくはエチレン基、M2は水素原子、アルカリ金属又はアルカリ土類金属、nはそれぞれ平均で0.1〜20の数、好ましくは1〜10の数を表す。〕
【0009】
【化7】


【0010】
〔式中、R7、R8、R9は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基、好ましくはメチル基、R10、R11は、それぞれ炭素数2〜4のアルキレン基、好ましくはエチレン基を表す。〕
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、無機粉体や有機粉体の分散剤として、又水硬性粉体の分散剤の合成原料として好適な重合性リン酸エステル組成物が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
リン酸モノエステル(I)及びリン酸ジエステル(II)において、一般式(I)ないし(II)中のR1、R3、R6は、同一又は異なっていても良い水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基、好ましくはメチル基であり、R2、R4、R5は、同一又は異なっていても良い炭素数2〜4のアルキレン基、好ましくはエチレン基である。M1、M2は、同一又は異なっていても良い水素原子、アルカリ金属又はアルカリ土類金属である。nはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示し、0.1〜20の数であり、好ましくは1〜10の数である。複数のnは同一でも異なっていても良い。
【0013】
本発明の重合性リン酸エステル組成物は、無機粉体や有機粉体の分散剤として、特に水硬性粉体の分散剤用原料として使用される場合の性能等の観点から、リン酸モノエステル(I)とリン酸ジエステル(II)とを、(I)/(II)=90/10〜40/60、更に80/20〜45/55の重量比で含有することが好ましい。また、リン酸モノエステル(I)の含有量は、組成物中、20〜80重量%であり、好ましくは25〜60重量%であることが好ましい。
【0014】
また、本発明の重合性リン酸エステル組成物は、化合物(III)を含有するが、組成物中の化合物(III)の含有量は、リン酸モノエステル(I)とリン酸ジエステル(II)の合計量に対して、10重量%以下、好ましくは5重量%以下であることが、組成物を分散剤原料として用いた場合の分散性能の面で好適である。また、組成の安定化の観点から、組成物中の化合物(III)の含有量は、リン酸モノエステル(I)とリン酸ジエステル(II)の合計量に対して、0.1重量%以上、好ましくは0.5重量%以上、更に好ましくは1重量%以上である。よって、本発明では、化合物(III)の含有量は、リン酸モノエステル(I)とリン酸ジエステル(II)の合計量に対して、0.1〜10重量%であり、好ましくは0.5〜10重量%、より好ましくは1〜5重量%である。
【0015】
化合物(III)は、それぞれ該当する有機ヒドロキシ化合物のリン酸化時に得られる。特に、無水リン酸等のリン酸化剤の添加温度や添加時間を制御することにより化合物(III)の含量をコントロールすることが可能である。
【0016】
有機ヒドロキシ化合物とを反応させるリン酸化剤としては、例えば、五酸化リン、リン酸及びポリリン酸からなる群から選ばれた少なくとも一種のリン酸化剤が好ましい。リン酸としては、オルトリン酸等が、また、ポリリン酸としては、オルトリン酸の縮合物(例えばオルトリン酸の縮合物であり、116%強リン酸として市販されているもの等)等が挙げられ、これらは単独で、あるいは組み合わせて用いることができる。
【0017】
有機ヒドロキシ化合物とを反応させる際のリン酸化剤の量は目的とするリン酸エステル組成に応じ適時決めることができる。また、有機ヒドロキシ化合物にリン酸化剤を添加する際の温度は20〜100℃が好ましく、40〜90℃がより好ましく、50〜80℃がさらに好ましい。又リン酸化剤の投入時間は0.1時間〜20時間が好ましく、0.5時間〜10時間がより好ましく、1時間〜5時間がさらに好ましい。
【0018】
本発明の重合性リン酸エステル組成物は、例えば対応する有機ヒドロキシ化合物と、無水リン酸又はオキシ塩化リン等のリン酸化剤とを、リン酸モノエステル(I)とリン酸ジエステル(II)、更に化合物(III)が、上記の様な割合となるような条件で反応させて得られる。有機ヒドロキシ化合物としては、特に限定されないが、例えばメタクリル酸2−ヒドロキシエチル、又はアクリル酸2−ヒドロキシエチル等が挙げられる。好ましくは、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルである。反応時にリン酸(オルトリン酸)が生成するが、本発明の重合性リン酸エステル組成物は、リン酸モノエステル(I)とリン酸ジエステル(II)の合計に対して、リン酸を30重量%以下、更に15重量%以下、特に12重量%以下で含有することが、純度や経済的観点から、好ましい。
【0019】
本発明の重合性リン酸エステル組成物中に存在する化合物の確認は、一般的に31P−NMRから容易に行うことができる。また、化合物(III)は、ガスクロマトグラフィーを用いてその量を定量することもできる。
【0020】
本発明の重合性リン酸エステル組成物は、重合性基を有する化合物を含有することから、重合禁止剤を含有することが好ましい。重合禁止剤として、ハイドロキノン系、ニトロソアミン系等が挙げられ、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ハイドロキノン、β−ベンゾキノン、メチル−p−ベンゾキノン、tert−ブチル−ベンゾキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、2,5−tert−ブチル−ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2,5−ビス(1,1−ジメチルブチル)ハイドロキノン、tert−ブチル−ハイドロキノン、p−ベンゾキノン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン・アルミニウム塩、2,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)ハイドロキノン等が例示される。これらの重合禁止剤の含有量は、リン酸モノエステル(I)とリン酸ジエステル(II)の合計量に対し0.0005〜5重量%が好ましく、0.001〜1重量%がさらに好ましい。
【0021】
本発明の重合性リン酸エステル組成物は、繊維処理剤、塗料、歯科材料等の原料等として有用であるが、無機粉体や有機粉体の分散剤用原料として、特に水硬性粉体用の分散剤、特に高い減水性を発現するコンクリート分散剤用の原料等としても好適である。
【0022】
本発明の重合性リン酸エステル組成物は、リン酸エステル系重合体の原料(単量体)として好適である。一例として、本発明の重合性リン酸エステル組成物と、下記一般式(1)で表される単量体とを、pH7以下、好ましくはpH4〜7、より好ましくは4.5〜6.5で共重合するリン酸エステル系重合体の製造方法に好適に用いられる。
【0023】
【化8】


【0024】
〔式中、R1a、R2aは、それぞれ水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基、好ましくはメチル基、R3aは水素原子又は-COO(AO)n11、AOは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基又はスチレンオキシ基、n1はAOの平均付加モル数であり、3〜200の数、X1は水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基を表す。〕
【0025】
この製造方法では、連鎖移動剤の存在下で共重合することが好ましく、連鎖移動剤を、リン酸モノエステル(I)とリン酸ジエステル(II)と単量体(1)との合計モル数に対して4モル%以上、更に6モル%以上、特に8モル%以上使用することがより好ましい。この比率の上限は、100モル%以下、更に60モル%以下、更に30モル%以下、更に15モル%以下が好ましい。連鎖移動剤としては、チオール系連鎖移動剤、ハロゲン化炭化水素系連鎖移動剤等が挙げられるが、特にチオール系連鎖移動剤が好ましい。チオール系連鎖移動剤としては、−SH基を有するものが好ましく、特に一般式HS−R−Eg(ただし、式中Rは炭素原子数1〜4の炭化水素由来の基を表し、Eは−OH、−COOM、−COOR’または−SO3M基を表し、Mは水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウム基または有機アミン基を表し、R’は炭素原子数1〜10のアルキル基を表わし、gは1〜2の整数を表す。)で表されるものが好ましく、例えば、メルカプトエタノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、チオグリコール酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸オクチル等が挙げられ、共重合反応での連鎖移動効果の観点から、メルカプトプロピオン酸、メルカプトエタノールが好ましく、メルカプトプロピオン酸が更に好ましい。これらの1種または2種以上を用いることができる。
【0026】
また、上記製造方法においては、リン酸モノエステル(I)とリン酸ジエステル(II)と単量体1との合計モル数5モル%以上の重合開始剤の存在下で共重合することが好ましい。上記製造方法は水系溶媒(水もしくは水と有機溶媒)を用いた溶液重合法で行うことが好ましく、水系の重合開始剤としては、過硫酸のアンモニウム塩又はアルカリ金属塩あるいは過酸化水素、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)ジハイドレート等の水溶性アゾ化合物が使用される。また、重合開始剤と併用して、亜硫酸水素ナトリウム、アミン化合物などの促進剤を使用することもできる。
【実施例】
【0027】
実施例1
冷却水に浸した1000ml容量の反応容器に、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル371.5g(2.86モル)と75%リン酸50.5g、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.6gを仕込み0.5時間撹拌し、五酸化リン(有効分98.5%)178g(1.25モル)を反応系内の温度が60℃を超さないように1時間で仕込んだ。その後、80℃に昇温して5時間反応し、高速液体クロマトグラフィーによりメタクリル酸2−ヒドロキシエチルが1%以下になったのを確認して冷却した。得られた重合性リン酸エステル組成物中のリン酸モノエステル(I)とリン酸ジエステル(II)の重量比、リン酸(オルトリン酸)含量、化合物(III)の含量を表1に示す。
【0028】
実施例2
冷却水に浸した1000ml容量の反応容器に、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル500g(3.8モル)とハイドロキノンモノメチルエーテル0.6gを仕込み0.5時間撹拌し、五酸化リン(有効分98.5%)185gを反応系内の温度が60℃を超さないように1時間で仕込んだ。その後、80℃に昇温し、5時間反応後、高速液体クロマトグラフィーによりメタクリル酸2−ヒドロキシエチルが1%以下になったのを確認して冷却した。得られた重合性リン酸エステル組成物中のリン酸モノエステル(I)とリン酸ジエステル(II)の重量比、リン酸(オルトリン酸)含量、化合物(III)の含量を表1に示す。
【0029】
試験例1
(1)分散剤の製造
1000ml容4つ口フラスコに水246gを仕込み、攪拌しながら窒素置換をし、窒素雰囲気中で80℃まで昇温した。ω−メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキサイドの付加モル数23)55gと実施例1又は2の重合性リン酸エステル組成物27.9gとメルカプトプロピオン2.2gとをイオン交換水55gに混合溶解したものと、過硫酸アンモニウム3.76gを水45gに溶解したものを、それぞれ1.5時間かけて滴下した。1時間の熟成後、過硫酸アンモニウム1.88gを水15gに溶解したものを30分かけて滴下し、その後、2時間、80℃で熟成した。熟成終了後に20%水酸化ナトリウム溶液でpH5.5に調整し、分散剤となるリン酸エステル系共重合体Aを得た。
【0030】
(2)粉末分散性の評価
有機粉末としてカーボンブラック(HAF)10重量部を用いて、水90重量部、上記で得られたリン酸エステル系共重合体A 1重量部の割合で混合して、これをTKホモミキサー(特殊機化工業(株)製)で3000rpm、10分混合することにより水中分散体を得た。これらの水中分散体の分散安定性を以下の方法で評価した。結果を表1に示す。
【0031】
*分散安定性
水中分散体の調製後、直ちに100mlの目盛り付き試験管に入れ、25℃の恒温室に静置し、24時間後のカーボンブラック粉末の分散安定性を観察して以下の基準で評価した。
I:全く沈降していない。
II:わずかに沈降している。(1/5相当分以下が沈降している)
III:かなり沈降している。(1/2相当分以上が沈降している)
IV:完全に沈降している。
【0032】
【表1】


【0033】
ここで、組成物中のモノエステル(I)〔リン酸モノエステル(I)〕、ジエステル(II)〔リン酸ジエステル(II)〕の含量は、31P−NMRから測定したものである。また、化合物(III)の含量は、以下の条件のガスクロマトグラフィーにより定量したものである。
【0034】
<ガスクロマトグラフィー条件>
・サンプル;ジアゾメタンによりメチル化
・カラム;Ultra ALLOY、15m×0.25mmid×0.15μmdf
・キャリアガス;He、スプリット比50:1
・カラム温度;40℃(5min)→10℃(1min)→300℃(15min)
・注入口温度;300℃
・検出器温度;300℃
【0035】
試験例2
(1)共重合体Bの合成法
1000ml容4つ口フラスコに水246gを仕込み、攪拌しながら窒素置換をし、窒素雰囲気中で80℃まで昇温した。ω−メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキサイドの付加モル数23)55gと実施例1の2−ヒドロキシエチルメタクリレートモノリン酸エステル組成物27.9gとメルカプトプロピオン2.2gとをイオン交換水55gに混合溶解したものと、過硫酸アンモニウム3.76gを水45gに溶解したものを、それぞれ1.5時間かけて滴下した。1時間の熟成後、過硫酸アンモニウム1.88gを水15gに溶解したものを30分かけて滴下し、その後、2時間、80℃で熟成した。熟成終了後に20%水酸化ナトリウム溶液でpH5.5に調整し、共重合体Bを得た。
【0036】
(2)分散性及び粘性の評価
得られた共重合体Bを用いて、表2に示すモルタル配合に対する試験を行い、その分散性及び粘性について評価を行った。結果を表3に示す。
【0037】
(2−1)表2にモルタル配合を示した。
【0038】
【表2】


【0039】
表2中の配合成分は以下のものである。
C:普通セメント(太平洋/住友大阪セメント2社混合)
W:イオン交換水
S:千葉県君津産山砂(目開き10mm篩いを全部通り、5mm篩いを質量で85%以上通過した細骨材)
【0040】
(2−2)モルタルの調製
容器(1Lステンレスビーカー)に、表2の比率で配合成分を投入し、攪拌機としてEYELA製Z−2310(東京理科器械、攪拌棒高さ50mm×6本/長さ110mm)を用い、200rpmで3分間混練りし、モルタルを調製した。尚、必要に応じて消泡剤を添加し、連行空気量が2%以下となるように調整した。
【0041】
*分散性評価
上部開口径が70mm、下部開口径が100mm、高さ60mmのコーンを使用し、モルタルフロー値が200mmとなるのに必要な共重合体の添加量(対セメント有効分重量%)により分散性を評価した。尚、このモルタルフロー値の200mmは、モルタルフロー値の最大値と、該最大値を与える線分の1/2の長さで直交する方向で測定したモルタルフロー値との平均値である。添加量が小さいほど、分散性が強いことを示す。
【0042】
*粘性評価
図1に示すトルク試験器に記録計を接続し、モルタルのトルクを測定する。予め、図2に示すポリエチレングリコール(重量平均分子量20,000)で作成したトルク−粘度の関係式より、モルタルのトルクから粘性を算出した。ポリエチレングリコールのトルク−粘度関係式作成時に、モニター出力60W、出力信号DC-0−5Vにより、記録計からトルク出力電圧値(mV)が記録される。
【0043】
【表3】


【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】試験例2で粘性の測定に用いたトルク試験機と記録計の概略図
【図2】試験例2で粘性の算出に用いたポリエチレングリコール(Mw20,000)によるトルク−粘度の関係式
【出願人】 【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
【出願日】 平成18年7月6日(2006.7.6)
【代理人】 【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡

【識別番号】100076680
【弁理士】
【氏名又は名称】溝部 孝彦

【識別番号】100091845
【弁理士】
【氏名又は名称】持田 信二

【識別番号】100098408
【弁理士】
【氏名又は名称】義経 和昌


【公開番号】 特開2008−13670(P2008−13670A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−186701(P2006−186701)