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【発明の名称】 ポリマーの製造方法
【発明者】 【氏名】高橋 栄治

【要約】 【課題】リビングアニオン重合において、モノマー又は添加剤の種類に対応して、開始剤効率のよい新規な重合開始剤又はキャップ剤を提供する。

【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】


(式中、R、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、Rは、置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。但し、RとRは同時に水素原子となることはない。)、又は式(II)
【化2】


(式中、R及びRは、それぞれ独立に置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、Rは、酸素原子に結合している原子が2級以上の炭素原子である置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。)で表される化合物と、有機金属、アルカリ金属又はアニオン重合鎖末端のアニオンを反応させて得られるアニオンを重合の起点とすることを特徴とする重合体の製造方法。
【請求項2】
式(III)
(R)M (III)
(式中、Rは、アルキル基、アリール基又は炭化水素オキシ基を表し、Mは、長周期型周期律表第1、2、12又は13族に属す元素を表し、kは、M元素の価数を表し、kが2以上の場合、R同士は、同一でも相異なっていてもよい。)で表される有機金属又はそのアート錯体の共存下で重合を行うことを特徴とする請求項1に記載の重合体の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、リビングアニオン重合法に使用される新規な重合開始剤、または重合反応途中に添加し、重合末端を安定化等させる働きを有する新規なキャップ剤を用いた重合体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
メタクリル酸エステル又はアクリル酸エステルのアニオン重合において開始効率を高める方法に関しては、例えば、α−リチオイソ酪酸エチル、1,1−ジフェニルヘキシルリチウム等の有機リチウム化合物をメチルビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ)アルミニウム、エチルビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ)アルミニウム、トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ)アルミニウム等の有機アルミニウム化合物と混合した後、メタクリル酸メチルと接触させる手順を経て、メタクリル酸メチルを、トルエン等の非極性有機溶媒中、室温前後の温度でアニオン重合させることにより、0.05〜0.63の開始効率を達成したことが知られている。(特許文献1を参照)
【0003】
また、α−リチオイソ酪酸エチル、tert−ブチルリチウム等の有機リチウム化合物を使用したメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステルのアニオン重合を、トルエン等の炭化水素系溶媒中、トリアルキルアルミニウム等の有機アルミニウム化合物及びエステル化合物、エーテル化合物若しくは有機4級塩の存在下に、約−80℃〜0℃の温度で行うことにより、分子量分布の狭い重合体を得たことが知られている。(非特許文献1、特許文献2を参照)
【0004】
【非特許文献1】Macromolecules、第31巻、第573〜577頁(1998年)
【特許文献1】特開平7−330819号公報
【特許文献2】WO98/23651号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のエノレートアニオンは、モノマーの種類や塩化リチウム等の添加剤の種類や量によっては、しばしばそこからの重合反応がうまく進行しないという問題があった。
本発明は、モノマー、または添加剤の種類に対応して、開始剤効率のよい新規な重合開始剤、またはキャップ剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、カルボニル基のβ位炭素上に置換基、またはエステル基に比較的嵩高い置換基を設けたエノレートアニオン種を用いることにより、上記課題を解決することを見出し本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、
(1)式(I)
【0008】
【化1】


【0009】
(式中、R、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、Rは、置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。但し、RとRは同時に水素原子となることはない。)、又は式(II)
【0010】
【化2】


【0011】
(式中、R及びRは、それぞれ独立に置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、Rは、酸素原子に結合している原子が2級以上の炭素原子である置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。)で表される化合物と、有機金属、アルカリ金属又はアニオン重合鎖末端のアニオンを反応させて得られるアニオンを重合の起点とすることを特徴とする重合体の製造方法であり、
(2)式(III)
(R)M (III)
(式中、Rは、アルキル基、アリール基又は炭化水素オキシ基を表し、Mは、長周期型周期律表第1、2、12又は13族に属する元素を表し、kは、M元素の価数を表し、kが2以上の場合、R同士は、同一でも相異なっていてもよい。)で表される有機金属又はそのアート錯体の共存下で重合を行うことを特徴とする上記(1)に記載の重合体の製造方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明のアニオン重合方法を用いることにより、モノマーの種類や溶媒の種類が変化しても分子量や分子量分布を制御することができ、厳密な分子量や分子量分布が要求されるレジスト材料への応用やブロック重合体の製造が容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、式(I)又は(II)で表される化合物と式(III)で表される有機金属、アルカリ金属又はアニオン重合鎖末端のアニオンを反応させて得られるアニオンを重合の起点として、ブロック重合などを行うものである。
【0014】
(式(I)又は(II)で表される化合物)
本発明の式(I)又は(II)で表される化合物における各Rについては以下のとおりであ
る。
、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。
炭化水素基は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル等のアルキル基、好ましくはC1−12のアルキル基;シクロプロピル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等のシクロアルキル基、好ましくはC3−12のシクロアルキル基;ビニル、アリル、イソプロペニル、1−プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1,3−ブタンジエニル、2−メチル−2−プロペニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル等のアルケニル基、好ましくはC2−12のアルケニル基;エチニル、1−プロピニル、プロパルギル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、3−メチル−2−プロピニル、2−エテニルプロピル、2−ペンチル、3−ペンチル、4−ペンチニル、1−メチル−2−ブチニル、1−メチル−3−ブチニル、2−メチル−3−ブチニル、3−メチル−1−ブチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル等のアルキニル基、好ましくはC2−12のアルキニル基;フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等のアリール基、好ましくはC6−10のアリール基;ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル等のアラルキル基、好ましくはC7−12のアラルキル基等がある。
【0015】
置換基を有していてもよい場合の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アルコキシ、ニトロ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキレンジオキシ、アルキルカルボニル、アミノ、アルキルアミノ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロアルケニル、アルコキシカルボニルアルキル又はアルコキシカルボニルアルコキシ、アリールオキシなどがある。
、R及びRは、置換基を有してよい炭化水素基を表し、炭化水素基及び置換基の意味は上記定義と同じである。
は、酸素原子に結合している原子が2級以上の炭素原子である、置換基を有してもよい炭化水素基を表す。
【0016】
このような炭化水素基としては、イソプロピル、sec−ブチル、t−ブチル、イソプロペニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチルなどがあり、比較的嵩高い炭化水素基はすべて含まれる。
置換基を有してもよい場合の置換基は、上記定義と同じである。
式(I)又は(II)で表される化合物として、具体的には、アンゲリカ酸メチル、クロ
トン酸t−ブチル、イソ酪酸イソプロピルなどがある。これらの化合物を含め式(I)又は(II)で表される化合物は、公知の製法により製造することが可能である。
【0017】
(式(III)で表される化合物)
次に、式(III)で表される化合物のR及びMについては以下のとおりである。
Rはアルキル基、アリール基又は炭化水素オキシ基を表す。
アルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ドデシル、n−ペンタデシルなど直鎖状または分岐状のアルキル基、好ましくはC1−12のアルキル基、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどシクロアルキル基、好ましくはC3−12のシクロアルキル基がある。
アリール基としては、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントリル、2−アントリル、9−アントリル、1−フェナントリル基、2−フェナントリル、3−フェナントリル、4−フェナントリル、9−フェナントリル、10−フェナントリル等であり、好ましくはC6−14のアリール基である。
【0018】
炭化水素オキシ基における炭化水素は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル等のアルキル基、好ましくはC1−12のアルキル基;シクロプロピル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等のシクロアルキル基、好ましくはC3−12のシクロアルキル基;ビニル、アリル、イソプロペニル、1−プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1,3−ブタンジエニル、2−メチル−2−プロペニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル等のアルケニル基、好ましくはC2−12のアルケニル基;エチニル、1−プロピニル、プロパルギル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、3−メチル−2−プロピニル、2−エテニルプロピル、2−ペンチル、3−ペンチル、4−ペンチニル、1−メチル−2−ブチニル、1−メチル−3−ブチニル、2−メチル−3−ブチニル、3−メチル−1−ブチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル等のアルキニル基、好ましくはC2−12のアルキニル基;フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等のアリール基、好ましくはC6−10のアリール基;ベンジル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル等のアラルキル基等、好ましくはC7−12のアラルキル基がある。
【0019】
Mは、長周期型周期律表第1、2、12又は13族に属する元素である。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウムなどがある。
式(III)で表される化合物として、具体的には、エチルリチウム、n−ブチルリチウ
ム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、エチルナトリウム、リチウムビフェニル、リチウムナフタレン、ナトリウムナフタレン、カリウムナフタレン、α−メチルスチレンナフタレンジアニオン、1,4−ジリチオ−2−ブテン、1,6−ジリチオへキサン、クミルカリウム、クミルセシウム等の有機アルカリ金属;ジ−n−ブチルマグネシウム、ジ−t−ブチルマグネシウム、ジ−s−ブチルマグネシウム、n−ブチル−s−ブチルマグネシウム、n−ブチル−エチルマグネシウム、ジ−n−アミルマグネシウム、ジベンジルマグネシウム、ジフェニルマグネシウム、ジエチル亜鉛、ジ−n−ブチル亜鉛、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−へキシルアルミニウム等の有機金属がある。これらの化合物は、単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。これら式(III)の化合物はアート錯体としても使
用することができる。
【0020】
式(III)の化合物の使用量は、重合に影響しない範囲内で任意に使用できるが、具体
的には重合開始剤に対してモル比で10:1以上1:20以下であるのが好ましい。10:1より小さい場合には、重合体製造の際に分子量や分子量分布が制御された重合体を安定的に再現性よく製造できない場合があり、1:20より大きい場合には、重合反応に、成長速度が著しく低下する場合がある。
【0021】
(アルカリ金属)
アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどがある。
【0022】
(重合方法)
本発明に用いられるアニオン重合性単量体は、アニオン重合性不飽和結合を有するものであれば特に限定されないが、具体的には、スチレン誘導体、ブタジエン誘導体、(メタ)アクリル酸エステル誘導体等を好ましく例示することができる。
スチレン誘導体として、具体的には、スチレン、α−アルキルスチレン、核置換スチレン等を例示することができ、核置換基としては、重合開始能力があるアニオン種、および重合開始能力がないアニオン種に対して不活性な基であれば特に制限されず、具体的には、アルキル基、アルコキシアルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、t−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニルメチル基、テトラヒドロピラニル基等を例示することができる。さらにスチレン誘導体の具体例として、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、p−イソプロピルスチレン、2,4,6−トリイソプロピルスチレン、p−t−ブトキシスチレン、p−t−ブトキシ−α−メチルスチレン、m−t−ブトキシスチレン、p−(1−エトキシエトキシ)スチレンなどを例示することができる。
【0023】
ブタジエン誘導体として、具体的には、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチルブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどを例示することができる。
また(メタ)アクリル酸エステル誘導体は、エステルアルコール残基の炭素数が1〜20のものが反応性の観点より好ましく、具体的には、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル、n−ブチルエステル、t−ブチルエステル等を例示することができる。
例示したこれらの単量体は、1種単独、または2種以上用いることができる。
【0024】
本発明の式(I)又は(II)で表される化合物をスチレン誘導体から(メタ)アクリル酸エステル誘導体、ブタジエン誘導体から(メタ)アクリル酸エステル誘導体へのブロック重合を行なう際のキャップ剤に使用するとブロック化反応が副反応が低減されスムースに進行する。従ってブロック共重合体製造においても適用が可能である。
【0025】
本発明における重合温度は、移動反応や停止反応などの副反応が起こらず、単量体が消費され重合が完結する温度範囲であれば特に制限されないが、−70℃以上、重合溶媒沸点以下の温度範囲で行なわれることが好ましい。また、単量体の重合溶媒に対する濃度は、特に制限されないが、通常1〜40重量%の範囲であり、特に2〜15重量%の範囲が好ましい。
【0026】
重合反応においてはエーテル基含有溶媒が使用される。エーテル基含有溶媒は、具体的にはジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、トリオキサンなどのエーテル系化合物を例示することができる。また、これらの溶媒は、1種単独で、または2種以上の混合溶媒として用いることができる。
また重合反応に関与せず、かつ重合体と相溶性のある極性溶媒であれば、特に制限されず、エーテル基含有溶媒と併用して用いることができる。具体的にはテトラメチルエチレンジアミン、ヘキサメチルホスホリックトリアミドなどの第3級アミンを例示することができる。
【0027】
さらに、極性の低い脂肪族、芳香族又は脂環式炭化水素化合物であっても、重合体と比較的相溶性があれば、エーテル基含有溶媒と組み合わせることにより使用することができ、具体的には、へキサンとTHFの組み合わせを例示できる。
【0028】
本発明においては、必要に応じてアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩、カルボン酸類、アミン類、アルコール類やチオール類のアルカリ金属塩などよりなる添加剤を、重合開始時、または重合中に添加することができる。そのような添加剤として、具体的にはナトリウム、カリウム、バリウム、マグネシウムの硫酸塩、硝酸塩、ホウ酸塩などの鉱酸塩やハロゲン化物、脂肪族アルコールのアルカリ金属塩、脂肪族又は芳香族チオールのアルカリ金属塩を例示することができ、より具体的にはリチウムやバリウムの塩化物、臭化物、ヨウ化物や、ホウ酸リチウム、硝酸マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リチウムメトキシド、リチウムt−ブトキシドのようなアルコキシド、リチウムフェノキシドのようなフェノキシド、プロイオン酸リチウムのようなカルボキシド、リチウムジフェニルアミドのようなアミド、エタンチオールやプロパンチオールおよびシクロヘキシルシオールなどのC1〜C18のアルキルチオールやシクロアルキルチオール、メルカプトエタノールやp−メルカプロフェノール等の水酸基を含有するチオール、メルカプト酢酸メチルやメルカプトプロピオン酸エチルなどのカルボン酸エステルを含有するチオール、ベンゼンチオールやトルエンチオールおよびナフタレンチオールなどの芳香族チオール、メルカプトチアゾリンメルカプトベンズチアゾリンおよびメルカプトピリミジンなどの含窒素芳香族チオールなどリチウム、ナトリウム、カリウム塩を挙げることができるが、これらの中でも、リチウムのハロゲン化物、アルコール類やチオール類のアルカリ金属塩が好ましい。これらの添加剤は、1種単独、または2種以上用いることができる。
【0029】
本発明の方法で得られる重合体は分子量制御されているので、単分散で分子量分布の狭い重合体となる。この重合体の分子量分散度(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))は通常1.01〜2.50であり、好ましくは1.01〜1.50である。
本発明においては、得られる重合体の分子量を更に正確に規定するため、一定の単量体を重合した後、その分子量をGPCなどで把握し、更に所望する重合体の分子量に必要とされる単量体を加え分子量を調整する多段重合を用いることにより、より精密に分子量を規定することが可能となる。多段重合またはブロック重合体を製造するときには、加える単量体に有機金属を加えておくのが好ましい。
【0030】
本発明の製造方法から得られる重合体の中で異なる単量体の組合せから製造される多元ブロック共重合体は、精密なミクロ相分離を必要とする自己組織化ナノパターニング材料用の重合体として好適に使用される。特に、スチレン、ビニールナフタレンやブタジエンのような非極性単量体とp−t−ブトキシスチレン、t−ブチルメタクリレートおよび2−ヒドロキシエチルメタクリレートのアセタール保護モノマーなどの極性単量体を保護した単量体やグリシジルメタクリレーとなどの官能基を有する単量体との多元ブロック共重合体が好適である。保護基のある重合体は保護基を外すことにより誘導体に導くことができる。
【0031】
以下実施例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲は実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0032】
窒素雰囲気下、THF100gに塩化リチウム0.17g(4.1mmol)を溶解させ溶液中に、−50℃で、s−BuLi溶液1.15g(1.8mmol)を加え、続いて、アンゲリカ酸メチル0.22g(1.9mmol)を加え、攪拌した。その後、ジエチル亜鉛溶液0.75g(1.0mmol)を加え攪拌した。次に、メチルメタクリレート5.67g(56.6mmol)を滴下し、滴下終了後、70分間攪拌し、メタノールを加えキリングした。このキリング溶液をガスクロで測定してみるとモノマーは残存していなかった。また、GPC測定を行なうと分子量(Mw)30800、分散度=1.08のポリマーが生成していた。
【実施例2】
【0033】
窒素雰囲気下、THF160gに塩化リチウム0.51g(12.1mmol)を溶解させた溶液中に、−50℃で、n−BuLi溶液1.68g(4.0mmol)を加え、続いてクロトン酸t−ブチル0.57g(4.0mmol)を加え、10分間攪拌した。続いて、ジエチル亜鉛溶液0.38g(0.5mmol)を加えた。その後、THF15gにt−ブチルメタクリレート7.83g(55.1mmol)を溶解させ、ジエチル亜鉛溶液0.38g(0.5mmol)を加えた溶液を滴下し、滴下終了後、90分間攪拌し、メタノールを加えキリングした。このキリング溶液をガスクロで測定してみるとモノマーは残存していなかった。また、GPC測定を行なうと分子量(Mw)6100、分散度=1.07のポリマーが生成していた。
【実施例3】
【0034】
窒素雰囲気下、THF120gに塩化リチウム0.67g(15.8mmol)を溶解させた溶液中に、−50℃で、s−BuLi溶液4.00g(6.2mmol)を加え、続いてイソ酪酸イソプロピル0.44g(3.4mmol)を加え、20分間攪拌した。続いて、ジエチル亜鉛溶液2.76g(3.8mmol)を加えた。その後、THF5gにメチルメタクリレート5.71g(57.0mmol)を溶解させ、ジエチル亜鉛溶液0.36g(0.5mmol)を加えた溶液を滴下し、滴下終了後、60分間攪拌し、メタノールを加えキリングした。このキリング溶液をガスクロで測定してみるとモノマーは残存していなかった。また、GPC測定を行なうと分子量(Mw)17100、分散度=1.13のポリマーが生成していた。
【出願人】 【識別番号】000004307
【氏名又は名称】日本曹達株式会社
【出願日】 平成19年6月1日(2007.6.1)
【代理人】 【識別番号】100107984
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 雅紀

【識別番号】100102255
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 誠次

【識別番号】100096482
【弁理士】
【氏名又は名称】東海 裕作

【識別番号】100123168
【弁理士】
【氏名又は名称】大▲高▼ とし子

【識別番号】100120086
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼津 一也

【識別番号】100131093
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 真


【公開番号】 特開2008−7767(P2008−7767A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2007−146470(P2007−146470)