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水分散体の製造方法 - 特開2008−7628 | j-tokkyo
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【発明の名称】 水分散体の製造方法
【発明者】 【氏名】冨士川 亘

【氏名】山口 征志

【氏名】坂本 高章

【氏名】重松 康博

【要約】 【課題】塩基性化合物存在下でラジカル重合可能な不飽和単量体を乳化重合させる場合であっても、微細凝集物が少なく、重合安定性、保存安定性、粒子径の細かい共重合体ラテックスを製造する方法を提供すること。

【構成】ラジカル重合可能なモノマー類を、塩基性化合物とポリアクリル酸と水の存在下で、特に好ましくは、pH2〜7となるように塩基性化合物とポリアクリル酸の添加量を調節して、共重合することを特徴とする水分散体の製造方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラジカル重合可能なモノマー類を、塩基性化合物とポリアクリル酸と水の存在下で、共重合することを特徴とする水分散体の製造方法。
【請求項2】
反応溶液のpHが2〜7の範囲になるように前記塩基性化合物を添加する請求項1記載の水分散体の製造方法。
【請求項3】
ポリアクリル酸の添加量が、前記塩基性化合物の0.0001〜0.1mol%である請求項1または2記載の水分散体の製造方法。
【請求項4】
前記塩基性化合物がアルカリ水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、及び、アミン系化合物からなる群から選ばれる1種以上の塩基性化合物である請求項1、2または3記載の水分散体の製造方法。
【請求項5】
前記ポリアクリル酸の分子量が5,000〜250,000である請求項1〜4の何れか1つに記載の製造方法。
【請求項6】
ラジカル重合可能なモノマー類として、ジエン系モノマーを含有している請求項1記載の水分散体の製造方法。
【請求項7】
アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩を乳化剤として、用いた請求項1〜6の何れか1つに記載の製造方法。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、水分散体の製造方法に関し、さらに詳しくは、塩基性化合物存在下で、ラジカル重合可能なモノマーを重合する際、微細凝集物が少なく、粒子径分布が狭い水分散体を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アクリル酸やメタクリル酸のような不飽和カルボン酸を共重合させるラテックス製造方法は、通常良く用いられている。不飽和カルボン酸を共重合することで、共重合ラテックスの分散安定性、機械的安定性などが向上するからである。また、アルカリ金属水酸化物やアミン類などの塩基性化合物存在下で、アクリル酸やメタクリル酸などを共重合した共重合ラテックス製造方法もよく知られている。このように、塩基性化合物を添加することによって、不飽和カルボン酸が中和され粒子表面付近で重合し、粒子表面のカルボン酸基を増加させることができる。これにより、前述の性能がさらに向上し、更に、冷凍安定性など他の性能の向上にも大きな影響を与える。
【0003】
しかし一方で、アルカリ金属水酸化物やアミン類等の塩基性化合物が反応系中に存在すると、粒子径分布が広くなり、また、粒子径が大きくなる傾向があり、粒子径のコントロールは難しくなる。さらに、反応途中で凝集物が副生するなどの欠点を有している。反応生成物に関しても、1μm以上10μm未満の微細凝集物が発生し、通常の濾過方法で取り除くことが困難である。
【0004】
上記の微細凝集物の発生原因は、はっきりと分かっていないが、塩基性化合物が反応系中に存在することで、重合が不安定化していると考えられる。これらの原因に対する対策の一例として水溶性ポリマーの添加がある(例えば、特許文献参照。)。或いは、米国4,684,704号、米国特許第4,845,175では、乳化剤の代替として水溶性ポリマーであるセルロースエーテルを全量もしくは一部乳化剤と併用したアクリルエマルジョンを製造する方法が報告されている。しかし、塩基性化合物存在下で、比較的小さな粒子径(100nm近辺)のラテックスを製造したい場合、セルロースエーテル類を用いると粒子径が大きくなりすぎるなどの欠点を持っている。
【0005】
【特許文献1】特表平10―508632号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、塩基性化合物存在下でラジカル重合可能な不飽和単量体を乳化重合させる場合であっても、微細凝集物が少なく、重合安定性、保存安定性、粒子径の細かい共重合体ラテックスを製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を達成するために鋭意検討を進めた結果、次の知見を見出した。塩基性化合物存在下でラジカル重合可能な不飽和単量体を乳化重合させる際に、ポリアクリル酸を添加すると、微細凝集物が少なく、重合安定性、保存安定性、粒子径の小さい共重合体ラテックスを得ることができる。本発明は、この知見に基づくものである。すなわち、本発明は、ラジカル重合可能なモノマー類を、塩基性化合物とポリアクリル酸と水の存在下で、共重合することを特徴とする水分散体の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の水分散体の製造方法によれば、共重合ラテックスの分散安定性、機械的安定性が良好で、且つ、微細凝集物が少なく、粒子径分布が狭い水分散体を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、本発明の好ましい実施形態を説明するが、本発明は以下の説明に限定されるものではない。
【0010】
本発明でいう、ラジカル重合可能な不飽和単量体は、カルボキシル基含有単量体、及びラジカル重合可能不飽和単量体を含有するものである。
【0011】
本発明でいうカルボキシル基含有単量体としては、分子内にカルボキシル基とラジカル重合可能不飽和基を有するものであれば特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルプロピオン酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸ハーフエステル、マレイン酸ハーフエステル、無水マレイン酸、無水イタコン酸、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンサクシネート、β−(メタ)ヒドロキシエチルハイドロゲンフタレートおよびこれらの塩等が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物を使用することができる。
【0012】
本発明に使用するラジカル重合可能不飽和単量体として、官能基を含有しないものは、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、β−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート等のフッ素含有不飽和単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルブチラート、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、アミルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル等のビニルエーテル類;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基含有不飽和単量体;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルアニソール、α−ハロスチレン、ビニルナフタリン、ジビニルスチレン等の芳香族環を有するビニル化合物;イソプレン、クロロプレン、ブタジエン、エチレン、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、N−ビニルピロリドン等が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物を使用することができる。
【0013】
また、前記以外の官能基を有する不飽和単量体も用いることが可能で、例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有重合性単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基含有重合性単量体;アミノエチル(メタ)アクリレート、N−モノアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有重合性単量体;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のメチロールアミド基またはそのアルコキシ化物含有重合性単量体;ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びその塩酸塩等のシリル基含有重合性単量体;2−アジリジニルエチル(メタ)アクリレート等のアジリジニル基含有重合性単量体;(メタ)アクリロイルイソシアナート、(メタ)アクリロイルイソシアナートエチルのフェノール或いはメチルエチルケトオキシム付加物等のイソシアナート基及び/またはブロック化イソシアナート基含有重合性単量体;2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−2−オキサゾリン等のオキサゾリン基含有重合性単量体;(メタ)アクリルアミド、N−モノアルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有重合性単量体;ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等のシクロペンテニル基含有重合性単量体;アリル(メタ)アクリレート等のアリル基含有重合性単量体;アクロレイン、ジアセトン(メタ)アクリルアミド等のカルボニル基含有重合性単量体;アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート等のアセトアセチル基含有重合性単量体等が挙げられる。
【0014】
その他のラジカル重合可能な不飽和単量体として、乳化重合時の安定性、エマルジョンの貯蔵安定性を向上させることを目的として、得られるエマルジョン被膜の耐水性を低下しない範囲で、スルホン酸基および/またはサルフェート基(および/またはその塩)、リン酸基および/またはリン酸エステル基(および/またはその塩)を含有するラジカル重合可能不飽和単量体を併用することができる。そのようなその他のラジカル重合可能不飽和単量体としては、例えば、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸等のビニルスルホン酸類またはその塩、アリルスルホン酸、2−メチルアリルスルホン酸等のアリル基含有スルホン酸類またはその塩、(メタ)アクリル酸2−スルホエチル、(メタ)アクリル酸2−スルホプロピル等の(メタ)アクリレート基含有スルホン酸類またはその塩、(メタ)アクリルアミド−t−ブチルスルホン酸等の(メタ)アクリルアミド基含有スルホン酸類またはその塩、リン酸基を有する「アデカリアソープPP−70、PPE−710」(旭電化工業(株)製)等が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物を使用することができる。
【0015】
本発明において、重合体を重合する際の水性媒体としては、特に限定されるものではないが、水のみを使用してもよいし、或いは、水と水溶性溶剤の混合溶液を使用してもよい。ここで用いる水溶性溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルカルビトール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のアルコール類、N−メチルピロリドン等の極性溶剤が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物が使用できる。
【0016】
重合体の重合の際に用いる重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤が用いられ、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩類、過酸化ベンゾイル、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物類、過酸化水素等があり、これら過酸化物のみを用いてラジカル重合するか、或いは前記過酸化物と、アスコルビン酸、ホルムアルデヒドスルホキシラートの金属塩、チオ硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、塩化第二鉄等のような還元剤とを併用したレドックス重合開始剤系によっても重合でき、また、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のアゾ系開始剤を使用することも可能であり、これらの1種または2種以上の混合物が使用できる。
【0017】
上記の重合体の重合の際に用いる重合開始剤の内、有機過酸化物類としては、例えば、過酸化ベンゾイル、ラウロイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド類、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のパーオキシエステル類、クメンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類等が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物が使用できる。
【0018】
また、重合の際に用いる重合開始剤の内、還元性有機化合物としては、例えば、アスコルビン酸およびその塩、エリソルビン酸およびその塩、酒石酸およびその塩、クエン酸およびその塩、ホルムアルデヒドスルホキシラートの金属塩等が挙げられ、上記有機過酸化物類と併用して、これらの1種または2種以上の混合物が使用できる。
【0019】
本発明において、重合体の分子量を調整する必要がある場合は、分子量調整剤として連鎖移動能を有する化合物、例えば、ラウリルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、チオグリコール酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸、チオグリセリン等のメルカプタン類、またはα−メチルスチレン・ダイマー等を添加してもよい。
【0020】
本発明で使用する塩基性物質としては、種々のものが使用でき、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物;アンモニア;モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノプロピルアミン、ジメチルプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等の水溶性有機アミン類等が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物を使用することができる。特に、得られる被膜の耐水性をより向上させたい場合は、常温或いは加熱により飛散するアンモニアを使用することが好ましい。
塩基性物質の使用量としては、反応溶液のpHが2〜7になるように前記塩基性化合物を添加しpH調整することが、粒子表面のカルボン酸基を増加させ、分散安定性、機械的安定性を良好にする効果が顕著となることから好ましく、乳化重合時の反応速度を低下させないことからpH4以下であることが、特に、好ましい。
【0021】
なお、本発明に使用するラジカル重合可能不飽和単量体として、塩基性物質を用いる場合は、その添加量に相当する塩基性物質の添加量を減らして用いてもよい。
【0022】
また、ポリアクリル酸の添加量としては、前記塩基性化合物の0.0001〜0.1mol%であることが、微細凝集物が少なく、粒子径を制御(とくに、粒子径を小さくする。)し易くできることから好ましい。
【0023】
前記ポリアクリル酸の分子量としては、5,000〜250,000であることが好ましい。
【実施例】
【0024】
以下、実施例を用いて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例の範囲に限定されるものではない。なお、以下に示す比較例及び実施例において、部または%は、特に断りのない限り重量基準である。
【0025】
実施例1の1
攪拌装置を備えた耐圧重合容器に水120部、水酸化ナトリウム0.1部、乳化剤ニューコール271A(アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム)[日本乳化剤(株)製]を1.8部、分子量5,000のポリアクリル酸を前記水酸化ナトリウムの添加量の0.005モル%添加し、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.1部、スチレン69部、アクリル酸3.0部、t−ドデシルメルカプタン0.7部を仕込み窒素置換した後、ブタジエン28部を圧入し、攪拌を開始し、昇温し、重合容器内温度が60℃に達したとき、過硫酸アンモニウム0.4部を添加し、反応を開始させた。重合率が98%に達したときに80℃に昇温し、8時間反応し、重合率98.5%で冷却を行なった。次いで、25%アンモニア水でラテックスのpHを8.5に調整し、固形分45.2%のSBRラテックスを得た。得られたSBRラテックスを200メッシュの網に通して、フロックを除去してSBRラテックス(A11)を得た。次いで、前記SBRラテックス(A11)をコールター社の粒径測定装置(COULTER MULTISIZER)を使用して、1μm以上の微細凝集物の含有量(重量%)を求めた(粒子径から体積を求め、粒子の比重を1として換算した。)。得られた微細凝集物(200メッシュの網を通過する大きさ以下の粒子であり、且つ、1μm以上の粒径を有するもの)の含有量を表1に示す。次に、SBRラテックス(A11)の平均粒子径を調べた(表8)。粒子径は動的光散乱法により測定したものであり、日機装(株)製マイクロトラックUPA型粒度分布測定装置にて測定した粒子径(50%メジアン径)の値を求めた。
【0026】
実施例1の2
分子量5,000のポリアクリル酸の添加量を前記水酸化ナトリウムの添加量の0.01モル%に変更した以外は、実施例1と同じようにしてSBRラテックス(A12)を得た後、1μm以上の微細凝集物の含有量(重量%)を求めた。得られた微細凝集物の含有量を表1に示す。
【0027】
実施例1の3
分子量5,000のポリアクリル酸の添加量を前記水酸化ナトリウムの添加量の0.05モル%に変更した以外は、実施例1と同じようにしてSBRラテックス(A13)を得た後、1μm以上の微細凝集物の含有量(重量%)を求めた。得られた微細凝集物の含有量を表1に示す。
【0028】
実施例1の4
分子量5,000のポリアクリル酸の添加量を前記水酸化ナトリウムの添加量の0.1モル%に変更した以外は、実施例1と同じようにしてSBRラテックス(A14)を得た後、1μm以上の微細凝集物の含有量(重量%)を求めた。得られた微細凝集物の含有量を表1に示す。
【0029】
実施例2の1
ポリアクリル酸の分子量25,000に代えた以外は実施例1の1と同じようにしてSBRラテックス(A21)を得た後、1μm以上の微細凝集物の含有量(重量%)を求めた。得られた微細凝集物の含有量を表2に示す。
実施例2の2
ポリアクリル酸の分子量25,000に代え、その添加量を前記水酸化ナトリウムの添加量の0.01モル%に変更した以外は、実施例1の1と同じようにしてSBRラテックス(A22)を得た後、1μm以上の微細凝集物の含有量(重量%)を求めた。得られた微細凝集物の含有量を表2に示す。
実施例2の3
ポリアクリル酸の分子量25,000に代え、その添加量を前記水酸化ナトリウムの添加量の0.05モル%に変更した以外は、実施例1の1と同じようにしてSBRラテックス(A23)を得た後、1μm以上の微細凝集物の含有量(重量%)を求めた。得られた微細凝集物の含有量を表2に示す。
【0030】
実施例2の4
ポリアクリル酸の分子量25,000に代え、その添加量を前記水酸化ナトリウムの添加量の0.1モル%に変更した以外は、実施例1の1と同じようにしてSBRラテックス(A22)を得た後、1μm以上の微細凝集物の含有量(重量%)を求めた。得られた微細凝集物の含有量を表2に示す。
【0031】
実施例3の1
ポリアクリル酸の分子量250,000に代えた以外は実施例1の1と同じようにしてSBRラテックス(A31)を得た後、1μm以上の微細凝集物の含有量(重量%)を求めた。得られた微細凝集物の含有量を表3に示す。
実施例3の2
ポリアクリル酸の分子量250,000に代え、その添加量を前記水酸化ナトリウムの添加量の0.01モル%に変更した以外は、実施例1の1と同じようにしてSBRラテックス(A32)を得た後、1μm以上の微細凝集物の含有量(重量%)を求めた。得られた微細凝集物の含有量を表3に示す。
実施例3の3
ポリアクリル酸の分子量250,000に代え、その添加量を前記水酸化ナトリウムの添加量の0.05モル%に変更した以外は、実施例1の1と同じようにしてSBRラテックス(A33)を得た後、1μm以上の微細凝集物の含有量(重量%)を求めた。得られた微細凝集物の含有量を表3に示す。
【0032】
実施例3の4
ポリアクリル酸の分子量250,000に代え、その添加量を前記水酸化ナトリウムの添加量の0.1モル%に変更した以外は、実施例1の1と同じようにしてSBRラテックス(A34)を得た後、1μm以上の微細凝集物の含有量(重量%)を求めた。得られた微細凝集物の含有量を表3に示す。
【0033】
比較例1の1
攪拌装置を備えた耐圧重合容器に水120部、水酸化ナトリウム0.1部、乳化剤ニューコール271A(アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム)[日本乳化剤(株)製]を1.8部、低分子量タイプのヒドロキシルエチルセルロース(フジケミカル製AL−15)を前記水酸化ナトリウムの添加量の0.005モル%添加し、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.1部、スチレン69部、アクリル酸3.0部、t−ドデシルメルカプタン0.7部を仕込み窒素置換した後、ブタジエン28部を圧入し、攪拌を開始し、昇温し、重合容器内温度が60℃に達したとき、過硫酸アンモニウム0.4部を添加し、反応を開始させた。重合率が98%に達したときに80℃に昇温し、8時間反応し、重合率98.5%で冷却を行なった。次いで、25%アンモニア水でラテックスのpHを8.5に調整し、固形分45.2%のSBRラテックスを得た。得られたSBRラテックスを200メッシュの網に通してSBRラテックス(B11)を得た。次いで、コールター社の粒径測定装置(COULTER MULTISIZER)を使用して、実施例1の1と同様に1μm以上の微細凝集物の含有量(重量%)を求めた。得られた微細凝集物の含有量を表4に示す。次に、SBRラテックス(B11)の平均粒子径を調べた。粒子径は動的光散乱法により測定したものであり、日機装(株)製マイクロトラックUPA型粒度分布測定装置にて測定した粒子径(50%メジアン径)の値を求めた。
得られた結果を表8に示す。
【0034】
比較例1の2
前記低分子量タイプのヒドロキシルエチルセルロースの添加量を前記水酸化ナトリウムの添加量の0.01モル%に変更した以外は、比較例1の1と同じようにしてSBRラテックス(B12)を得た後、1μm以上の微細凝集物の含有量(重量%)を求めた。得られた微細凝集物の含有量を表4に示す。
【0035】
比較例1の3
前記低分子量タイプのヒドロキシルエチルセルロースの添加量を前記水酸化ナトリウムの添加量の0.05モル%に変更した以外は、比較例1の1と同じようにしてSBRラテックス(B13)を得た後、1μm以上の微細凝集物の含有量(重量%)を求めた。得られた微細凝集物の含有量を表4に示す。
【0036】
比較例1の4
前記低分子量タイプのヒドロキシルエチルセルロースの添加量を前記水酸化ナトリウムの添加量の0.1モル%に変更した以外は、比較例1の1と同じようにしてSBRラテックス(B14)を得た後、1μm以上の微細凝集物の含有量(重量%)を求めた。得られた微細凝集物の含有量を表4に示す。
【0037】
比較例2の1
低分子量タイプのヒドロキシルエチルセルロースを高分子量タイプのヒドロキシルエチルセルロース(フジケミカル製AH−15)に代えた以外は、比較例1の1と同様に重合を行い、SBRラテックス(B21)を得た後、1μm以上の微細凝集物の含有量(重量%)を求めた。得られた微細凝集物の含有量を表5に示す。
【0038】
比較例2の2
前記高分子量タイプのヒドロキシルエチルセルロースの添加量を前記水酸化ナトリウムの添加量の0.01モル%に変更した以外は、比較例1の1と同じようにしてSBRラテックス(B22)を得た後、1μm以上の微細凝集物の含有量(重量%)を求めた。得られた微細凝集物の含有量を表5に示す。
【0039】
比較例2の3
前記高分子量タイプのヒドロキシルエチルセルロースの添加量を前記水酸化ナトリウムの添加量の0.05モル%に変更した以外は、比較例1の1と同じようにしてSBRラテックス(B23)を得た後、1μm以上の微細凝集物の含有量(重量%)を求めた。得られた微細凝集物の含有量を表5に示す。
【0040】
比較例2の4
前記高分子量タイプのヒドロキシルエチルセルロースの添加量を前記水酸化ナトリウムの添加量の0.1モル%に変更した以外は、比較例1の1と同じようにしてSBRラテックス(B24)を得た後、1μm以上の微細凝集物の含有量(重量%)を求めた。得られた微細凝集物の含有量を表5に示す。
【0041】
比較例3の1
低分子量タイプのヒドロキシルエチルセルロースを重合度500で加水分解率98%のポリビニルアルコール(日本合成化学製NH―18)に代えた以外は、比較例1の1と同様に重合を行い、SBRラテックス(B31)を得た後、1μm以上の微細凝集物の含有量(重量%)を求めた。得られた微細凝集物の含有量を表6に示す。
【0042】
比較例3の2
前記ポリビニルアルコールの添加量を前記水酸化ナトリウムの添加量の0.01モル%に変更した以外は、比較例3の1と同じようにしてSBRラテックス(B32)を得た後、1μm以上の微細凝集物の含有量(重量%)を求めた。得られた微細凝集物の含有量を表6に示す。
【0043】
比較例3の3
前記ポリビニルアルコールの添加量を前記水酸化ナトリウムの添加量の0.05モル%に変更した以外は、比較例3の1と同じようにしてSBRラテックス(B33)を得た後、1μm以上の微細凝集物の含有量(重量%)を求めた。得られた微細凝集物の含有量を表6に示す。
【0044】
比較例3の4
前記ポリビニルアルコールの添加量を前記水酸化ナトリウムの添加量の0.1モル%に変更した以外は、比較例3の1と同じようにしてSBRラテックス(B34)を得た後、1μm以上の微細凝集物の含有量(重量%)を求めた。得られた微細凝集物の含有量を表6に示す。
【0045】
比較例4の1
低分子量タイプのヒドロキシルエチルセルロースを重合度1,800で加水分解率98%のポリビニルアルコール(日本合成化学製NH―05)に代えた以外は、比較例1の1と同様に重合を行い、SBRラテックス(B41)を得た後、1μm以上の微細凝集物の含有量(重量%)を求めた。得られた微細凝集物の含有量を表7に示す。
【0046】
比較例4の2
前記ポリビニルアルコールの添加量を前記水酸化ナトリウムの添加量の0.01モル%に変更した以外は、比較例4の1と同じようにしてSBRラテックス(B42)を得た後、1μm以上の微細凝集物の含有量(重量%)を求めた。得られた微細凝集物の含有量を表7に示す。
【0047】
比較例4の3
前記ポリビニルアルコールの添加量を前記水酸化ナトリウムの添加量の0.05モル%に変更した以外は、比較例4の1と同じようにしてSBRラテックス(B43)を得た後、1μm以上の微細凝集物の含有量(重量%)を求めた。得られた微細凝集物の含有量を表7に示す。
【0048】
比較例4の4
前記ポリビニルアルコールの添加量を前記水酸化ナトリウムの添加量の0.1モル%に変更した以外は、比較例4の1と同じようにしてSBRラテックス(B44)を得た後、1μm以上の微細凝集物の含有量(重量%)を求めた。得られた微細凝集物の含有量を表1に示す。
【0049】
比較例5
攪拌装置を備えた耐圧重合容器に水120部、水酸化ナトリウム0.1部、乳化剤ニューコール271A(アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム)[日本乳化剤(株)製]を1.8部を添加し、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.1部、スチレン69部、アクリル酸3.0部、t−ドデシルメルカプタン0.7部を仕込み窒素置換した後、ブタジエン28部を圧入し、攪拌を開始し、昇温し、重合容器内温度が60℃に達したとき、過硫酸アンモニウム0.4部を添加し、反応を開始させた。重合率が98%に達したときに80℃に昇温し、8時間反応し、重合率98.5%で冷却を行なった。次いで、25%アンモニア水でラテックスのpHを8.5に調整し、固形分45.2%のSBRラテックスを得た。得られたSBRラテックスを200メッシュの網に通して、フロックを除去したSBRラテックス(B51)を得た。次いで、コールター社の粒径測定装置(COULTER MULTISIZER)を使用して、1μm以上の微細凝集物の含有量(重量%)を求めた(粒子径から体積を求め、粒子の比重を1として換算した。)。得られたラテックス(B51)は粒子径112nm、微細凝集物量は0.041%であった。
【0050】
以下、表1および2に結果を示す。添加量の単位mol%は塩基性化合物に対する割合である。
【0051】
【表1】


【0052】
【表2】


【0053】
【表3】


【0054】
【表4】


【0055】
【表5】


【0056】
【表6】


【0057】
【表7】


【0058】
以上のように、特に分子量25,000のポリアクリル酸を添加することで、1μm以上の微細凝集物が削減でき、さらに粒子径に対する影響も少ない。

【出願人】 【識別番号】000002886
【氏名又は名称】大日本インキ化学工業株式会社
【出願日】 平成18年6月29日(2006.6.29)
【代理人】 【識別番号】100124970
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 通洋


【公開番号】 特開2008−7628(P2008−7628A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−179423(P2006−179423)