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【発明の名称】 化学増幅型レジスト用樹脂
【発明者】 【氏名】友部 斉

【氏名】溝田 浩敏

【氏名】山中 博生

【氏名】岩崎 法正

【要約】 【課題】高感度かつ高解像度の化学増幅型レジスト用樹脂を提供する。

【構成】単量体含有量が0.1質量%以下である化学増幅型レジスト用樹脂を提供する。この化学増幅型レジスト用樹脂は、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を50質量%以上含む(共)重合体であることが好ましい。このような化学増幅型レジスト用樹脂は、例えば、炭素数1〜3のアルコール中で30〜70℃の温度において1分間以上分散させた後、当該樹脂を分離する方法で精製することで得ることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単量体含有量が0.1質量%以下である化学増幅型レジスト用樹脂。
【請求項2】
(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を50質量%以上含む(共)重合体である請求項1に記載の化学増幅型レジスト用樹脂。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、化学増幅型レジスト用樹脂の精製方法および化学増幅型レジスト用樹脂に関し、特にArFエキシマレーザーを用いたフォトリソグラフィーに使用する化学増幅型レジスト用樹脂の精製方法および化学増幅型レジスト用樹脂に関する。
【背景技術】
【0002】
化学増幅型レジスト用樹脂は、リソグラフィ技術を用いた半導体素子の配線パターンの形成等に用いられ、近年半導体の高集積化が進むにつれ、より短波長光源に対応できる高感度かつ高解像度の化学増幅型レジストが求められている。
【0003】
そのため、その樹脂成分である感光性樹脂には極めて高い純度が要求されており、樹脂中の含まれる単量体や金属成分等の不純物はできるだけ少ないことが望ましい。化学増幅型レジスト用樹脂に含まれる単量体は、重合反応により樹脂を製造した際の未反応単量体に起因することが多い。
【0004】
化学増幅型レジスト用樹脂に含まれる単量体の除去方法としては、例えば、特開平10−207069号公報(特許文献1)に、重合反応物をn−ヘプタン中に注加して重合体を析出させ室温で減圧乾燥させる方法が開示されている。しかし、この方法では単量体が十分除去できないという問題がある。
【0005】
また、特開平11−12326号公報(特許文献2)に、重合反応溶液をメタノール中に滴下して濾別し、真空オーブン中で乾燥させて得られた樹脂をTHFに溶解させ、メタノール中で沈殿精製を同様に2度行ったあと真空オーブン中で乾燥させる方法が開示されている。この方法によれば、残存単量体は十分に除去できるものの、再溶解させるために貧溶媒であるメタノールを一旦乾燥によって除去する必要がある上、沈殿−濾別−乾燥−溶解の操作を繰り返し行うという煩雑な作業が必要で、工業的な見地から生産性が十分でないという問題がある。
【特許文献1】特開平10−207069号公報
【特許文献2】特開平11−12326号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって本発明の目的は、高感度かつ高解像度の化学増幅型レジスト用樹脂を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、単量体含有量が0.1質量%以下である化学増幅型レジスト用樹脂である。(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を50質量%以上含む(共)重合体であることが好ましい。
【0008】
また、本明細書では、化学増幅型レジスト用樹脂を簡便な方法で精製する方法、優れた化学増幅型レジスト用樹脂を提供することを目的として、以下の発明をも開示している。
【0009】
すなわち本発明は、化学増幅型レジスト用樹脂を、炭素数1〜3のアルコール中で30〜70℃の温度において1分間以上分散させた後、当該樹脂を分離する化学増幅型レジスト用樹脂の精製方法である。
【0010】
また本発明は、化学増幅型レジスト用樹脂の良溶媒中で当該樹脂の原料単量体を重合させて得られた反応溶液と、炭素数1〜3のアルコールを接触させ、析出した当該樹脂を濾別し、得られた当該樹脂を炭素数1〜3のアルコール中で30〜70℃の温度において1分間以上分散させた後、当該樹脂を濾別する化学増幅型レジスト用樹脂の精製方法である。この際、化学増幅型レジスト用樹脂を炭素数1〜3のアルコール中で30〜70℃の温度において1分間以上分散させた後に当該樹脂を濾別する操作を2回以上繰り返し行うことが好ましい。また、前記反応溶液と炭素数1〜3のアルコールを接触させる条件が、前記反応溶液を炭素数1〜3のアルコールと混合し、30〜70℃の温度において析出した当該樹脂を1分間以上分散させるものであることが好ましい。
【0011】
本発明において、炭素数1〜3のアルコールとしてはメタノールが好ましい。
【0012】
本発明は、化学増幅型レジスト用樹脂が、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を50質量%以上含む(共)重合体の精製に好適である。
【0013】
さらに本発明は、本発明の精製方法により得られた嵩密度が0.15g/cm3以上の化学増幅型レジスト用樹脂である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、高感度かつ高解像度の化学増幅型レジスト用樹脂を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明において、精製対象となる化学増幅型レジスト用樹脂(以下、単に樹脂ともいう。)とは、酸の作用によりアルカリ水溶液に可溶となるものである。本発明において樹脂は、炭素数1〜3のアルコールに対する溶解性が低いことが必要である。このような樹脂としては、例えば、エチレン性飽和結合を有する化合物の(共)重合によって得られるものが挙げられる。ArFエキシマレーザーを用いたフォトリソグラフィーに使用する化学増幅型レジスト用樹脂の単量体単位としては芳香環を持たず、脂環式環を有するものが好ましい。この場合の脂環式環としては、脂環式炭化水素が好ましく、特に架橋炭化水素環が好ましい。架橋炭化水素環としては、例えば、ボルナン環、ノルボルナン環、トリシクロデカン環、テトラシクロドデカン環、アダマンタン環などが挙げられる。このような単量体単位(原料単量体)としては、例えば、(メタ)アクリル酸の脂環式エステルおよびその誘導体が挙げられ、具体的には、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、およびこれらの単量体の脂環式環上にアルキル基、カルボニル基、ヒドロキシル基等の置換基を有する誘導体が例示できる。
【0016】
また、ArFエキシマレーザーを用いたフォトリソグラフィーに使用する化学増幅型レジスト用樹脂を構成する単量体単位(原料単量体)としては、ラクトン骨格を有する(メタ)アクリル酸誘導体が好ましい。このような(メタ)アクリル酸誘導体としては、例えば、δ−バレロラクトン環を有する(メタ)アクリレート、γ−ブチロラクトン環を有する(メタ)アクリレート、およびこれらの単量体のラクトン環上にアルキル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基等の置換基を有する誘導体等が挙げられる。具体的には、β−メタクリロイルオキシ−β−メチル−δ−バレロラクトン、β−メタクリロイルオキシ−β−メチル−γ−ブチロラクトン、α−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、2−(1−メタクリロイルオキシ)エチル−4−ブタノリド等が挙げられる。
【0017】
本発明の精製方法において、化学増幅型レジスト用樹脂としては、炭素数1〜3のアルコールに対する溶解性が低い樹脂ほど好適である。また、化学増幅型レジスト用樹脂の原料単量体の炭素数1〜3のアルコールへの溶解性が高いほど好適である。化学増幅型レジスト用樹脂の単量体単位としては、(メタ)アクリル酸エステルを含んでいることが好ましい。樹脂中の(メタ)アクリル酸エステル単量体単位の含有率は、好ましくは50質量%以上、特に好ましくは70〜100質量%である。樹脂の分子量は特に限定されないが、ArFエキシマレーザーを用いたフォトリソグラフィーに使用する化学増幅型レジスト用樹脂の場合は、重量平均分子量で通常1000〜100000程度である。
【0018】
本発明の精製方法では、このような化学増幅型レジスト用樹脂を、炭素数1〜3のアルコール中で30〜70℃の温度において1分間以上分散させた後、当該樹脂を分離する。この分散洗浄処理工程(以下、洗浄処理という。)の温度は30〜70℃であり、低温領域では、温度は高いほど単量体の拡散速度が上昇し、樹脂同士の融着が進むことで濾過後の溶媒保持量が減少するので、樹脂に含まれる単量体の溶出が進み、単量体含有量の少ない樹脂が得られる。また高温領域では、温度は低いほど樹脂が軟化しアルコールが取り込まれて餅状になることが少なくなる。洗浄処理の温度は好ましくは40〜60℃であり、この領域で処理することにより、処理前に0.10g/cm3程度であった嵩密度が、樹脂同士の融着により0.15g/cm3以上にまで増加させることができる。樹脂の嵩密度を0.15g/cm3以上にすることにより、濾別の際の濾布への目詰まりや乾燥時の樹脂の飛散、装置への樹脂の付着が少なくなる。
【0019】
本発明に用いるアルコールは炭素数1〜3のアルコールである。このようなアルコールとしては例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等が挙げられる。アルコールの選定に際しては、樹脂に対する溶解性ができるだけ低く、原料単量体の溶解性ができるだけ高いものを選定する必要がある。樹脂の貧溶媒としては、アルコールの他にn−ヘキサン、n−ヘプタン等の飽和炭化水素もあるが、飽和炭化水素では樹脂に含まれる単量体の溶解性が低く、溶出が進まないので好ましくない。また、飽和炭化水素はアルコールに比べて単量体単位が5個以下程度のオリゴマーを溶解し難いという問題がある。その点で炭素数1〜3のアルコールは、単量体やオリゴマーを溶解し易く、樹脂を溶解し難いので、化学増幅型レジスト用樹脂の洗浄処理に適している。なかでも樹脂の溶解性が低いメタノールが最適である。炭素数1〜3のアルコールの使用量は、通常、樹脂の質量の0.5〜1000倍量、好ましくは2〜100倍量、特に好ましくは5〜30倍量である。
【0020】
本発明において、洗浄処理に供する化学増幅型レジスト用樹脂の形態は、微粒子状であることが好ましく、その平均粒径は5μm〜500μmが好ましく、特に10μm〜100μmが好ましい。このような樹脂としては、例えば、重合反応溶液から貧溶媒を用いて析出させたスラリー状の樹脂、当該析出物を濾別した湿粉状の樹脂、当該湿粉を乾燥した粉体状の樹脂等が挙げられる。特に、重合反応溶液を貧溶媒である炭素数1〜3のアルコール中に滴下して析出させた樹脂を濾別した湿粉状の樹脂が好適である。この場合、析出した樹脂を濾別前に炭素数1〜3のアルコール中で30〜70℃の温度において1分間以上分散させておくことが好ましい。
【0021】
洗浄対象の樹脂の製造方法は特に限定されないが、溶液重合法が好ましく、特に、単量体と重合開始剤を有機溶剤に予め溶解させた単量体溶液を一定温度に保持した有機溶剤中に滴下する、いわゆる滴下重合法が好ましい。重合反応液から樹脂を分離する場合、その方法としては、例えば、良溶媒中で原料単量体を重合させた重合反応溶液を炭素数1〜3のアルコール中に滴下しながら樹脂を析出させ濾別する方法等が挙げられる。この例において、樹脂濃度が高く重合反応溶液が粘調な場合は、良溶媒を追加して反応溶液を適当な濃度に希釈することが好ましい。重合反応に使用される良溶媒は特に限定されないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、トルエン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、酢酸プロピレングリコールメチルエーテル等が挙げられる。
【0022】
洗浄処理においては、樹脂を分散させてできるだけスラリーを均一化することが好ましい。分散の方法は特に限定されず、樹脂が浮遊した状態になるような方法であればよい。このような方法としては、例えば、攪拌翼を用いる物理的攪拌等が挙げられる。このような攪拌翼としては、例えば、タービン翼、アンカー翼等を用いることができる。洗浄処理の保持時間は少なくとも1分間以上、好ましくは10分間〜30時間、特に好ましくは30分間〜5時間である。保持時間が1分未満であると、単量体が溶出し平衡に達しないので、単量体が十分低減できない。
【0023】
また、樹脂を含む重合反応溶液自体を洗浄処理の対象としてもよい。この場合の洗浄方法としては、例えば、重合反応溶液を炭素数1〜3のアルコール中に滴下して析出させて得られたスラリーを30〜70℃の温度において1分間以上分散させて洗浄する方法等が挙げられる。
【0024】
本発明において、洗浄処理は1回でも十分な洗浄効果が得られるが、単量体やオリゴマーをより低減したい場合は、洗浄処理を2回以上繰り返し行うことが好ましい。処理効果と処理工程の簡略化の観点から、洗浄処理は2〜3回が特に好ましい。
【0025】
洗浄処理の後、樹脂とアルコールを分離する方法は特に限定されず、例えば、濾過による濾別、遠心分離、デカンテーション等が挙げられる。なかでも濾別操作が簡便で好ましい。濾別操作により樹脂を回収する場合、得られる樹脂は湿粉の状態である。濾別操作は、洗浄処理温度のままでも、常温付近まで冷却した後で行ってもよい。通常、分離した湿粉状の樹脂は乾燥させる。乾燥方法は特に限定されないが、不純物の混入等を少なくできることから、真空オーブンを用いて70℃以下で乾燥することが好ましい。このようにして得られた化学増幅型レジスト用樹脂をArFエキシマレーザーを用いたフォトリソグラフィーに使用する場合は、単量体含有率は0.1質量%以下が好ましく、特に0.05質量%以下が好ましい。樹脂の単量体含有率は、洗浄処理の回数や使用するアルコール量などを増やすことにより下げることができる。
【実施例】
【0026】
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明する。実施例および比較例において、樹脂に含まれる単量体量および樹脂の嵩密度は次の方法で測定した。
【0027】
[単量体量等の測定方法]
乾燥後の樹脂0.1gにアセトニトリル5mlを添加後、一昼夜静置した上澄み液を試料とし、これに含まれる単量体、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、アルコールの量を、高圧グラジエント液体クロマトグラフにより定量した。なお、定量は1点検量線法を用いて行い、分析は以下の装置および条件で行った。また各化合物の定量限界は、単量体が10ppm、1,4−ジオキサンが15ppm、テトラヒドロフランが10ppm、アルコールが30ppmであった。
装置:HP−1100(Hewlett Packard社製)
カラム:Zorbax C18(Hewlett Packard社製)
カラム温度:40℃溶離液:アセトニトリル/水グラジエント溶出:10/90(保持なし)→100/0(10分後)時間に対して直線的に組成を変更する流量:1.0ml/minサンプル注入量:5ml(上記上澄み液)
検出器:ダイオードアレイ検出器(検出波長:210nm)
また本実施例における嵩密度の測定は以下の方法による。
【0028】
[嵩密度の測定]
乾燥後の樹脂を100mlのメスシリンダーを使いJIS K6219記載の方法にて3回の測定を行い平均した。
【0029】
[合成例1]
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、1,4−ジオキサン200gを入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。2−メタクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン(略称:MAdMA)293g、β−メタクリロイルオキシ−β−メチル−δ−バレロラクトン(略称:MLMA)248g、1,4−ジオキサン625g、アゾビスイソブチロニトリル2g、n−オクチルメルカプタン15gを混合した単量体溶液を一定速度で6時間かけて、フラスコ中に滴下し、その後、80℃の温度を2時間保持した。次いで、得られた反応溶液をテトラヒドロフランで2倍に希釈し反応溶液Aとした。このようにして得られた樹脂は、ArFエキシマレーザーを用いたフォトリソグラフィーに使用する化学増幅型レジスト用に使用できるものである。
【0030】
[合成例2]
β−メタクリロイルオキシ−β−メチル−δ−バレロラクトン(略称:MLMA)248gをβ−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン(略称:HGBMA)212gに変更した以外は、合成例1と同様に合成を行い、反応溶液Bを得た。このようにして得られた樹脂は、ArFエキシマレーザーを用いたフォトリソグラフィーに使用する化学増幅型レジスト用に使用できるものである。
【0031】
[実施例1]
合成例1で調製した反応溶液Aを、20℃に保持した10倍量のメタノール中にアンカー翼を用いて200rpmの攪拌速度で攪拌しながら滴下し、得られた白色の析出物(共重合体)を濾別し樹脂湿粉Cを得た。この樹脂湿粉Cを、再度、10倍量のメタノール中にアンカー翼を用いて200rpmの攪拌速度で攪拌しながら分散させ、50℃に加温して1時間攪拌を続けた。その後、濾別して得られた樹脂湿粉Dを真空乾燥機を用いて100Pa以下の減圧下60℃で40時間乾燥し、樹脂乾粉Eを得た。この樹脂乾粉Eの単量体含有率は、MAdMAが0.0390質量%、MLMAが0.0370質量%であった。また、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、メタノールは検出されなかった。一方、樹脂乾粉Eの嵩密度は0.287g/cm3であった。
【0032】
[実施例2]
実施例1と同様にして得られた樹脂湿粉Dを、再度、10倍量のメタノール中にアンカー翼を用いて200rpmの攪拌速度で攪拌しながら分散させ、50℃に加温して1時間攪拌を続けた。その後、濾別して得られた樹脂湿粉Fを真空乾燥機を用いて100Pa以下の減圧下60℃で40時間乾燥し、樹脂乾粉Gを得た。この樹脂乾粉Gの単量体含有率は、MAdMAが0.0066質量%、MLMAが0.0029質量%であった。また、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、メタノールは検出されなかった。一方、樹脂乾粉Gの嵩密度は0.386g/cm3であった。
【0033】
[実施例3]
実施例1においてメタノールをイソプロパノールに代えた以外は同様にして樹脂乾粉Hを得た。この樹脂乾粉Hの単量体含有率は、MAdMAが0.0550質量%、MLMAが0.0420質量%であった。また、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、イソプロパノールは検出されなかった。一方、樹脂乾粉Hの嵩密度は0.263g/cm3であった。
【0034】
[実施例4]
実施例1において、反応溶液Aを反応溶液Bに代えた以外は同様にして樹脂乾粉Iを得た。この樹脂乾粉Iの単量体含有率は、MAdMAが0.0390質量%、HGBMAが0.0360質量%であった。また、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、メタノールは検出されなかった。一方、樹脂乾粉Iの嵩密度は0.275g/cm3であった。
【0035】
[実施例5]
合成例1で調製した反応溶液Aを、10倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、得られた白色の析出物(共重合体)をアンカー翼を用いて200rpmの攪拌速度で攪拌しながら分散させ、50℃に加温して1時間攪拌を続けた。その後、常温まで冷却し、析出物を濾別して樹脂湿粉Jを得た。この樹脂湿粉Jを、再度、10倍量のメタノール中にアンカー翼を用いて200rpmの攪拌速度で攪拌しながら分散させ、50℃に加温して1時間攪拌を続けた。その後、常温まで冷却し、析出物を濾別して得られた樹脂湿粉Kを真空乾燥機を用いて100Pa以下の減圧下60℃で40時間乾燥し、樹脂乾粉Lを得た。この樹脂乾粉Lの単量体含有率は、MAdMAが0.0471質量%、MLMAが0.0081質量%であった。また、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、メタノールは検出されなかった。一方、樹脂乾粉Lの嵩密度は0.246g/cm3であった。
【0036】
[実施例6]
実施例5において、加温後の冷却を2回とも行わなかった以外は同様にして樹脂乾粉Mを得た。この樹脂乾粉Mの単量体含有率は、MAdMAが0.0182質量%、MLMAが0.0045質量%であった。また、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、メタノールは検出されなかった。一方、樹脂乾粉Mの嵩密度は0.325g/cm3であった。
【0037】
[比較例1]
実施例1の樹脂湿粉Cを真空乾燥機を用いて100Pa以下の減圧下60℃で40時間乾燥して樹脂乾粉Nを得た。この樹脂乾粉Nの単量体含有率は、MAdMAが1.10質量%、MLMAが0.730質量%であった。また、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、メタノールは検出されなかった。一方、樹脂乾粉Nの嵩密度は0.109g/cm3であった。単なる析出沈殿操作だけでは、多量の単量体が樹脂に残存し、樹脂の嵩密度も低かった。
【0038】
[比較例2]
実施例1の樹脂湿粉Cを、20℃に保持した10倍量のメタノール中にアンカー翼を用いて200rpmの攪拌速度で攪拌しながら分散させ、1時間攪拌した。その後、濾別して得られた樹脂湿粉Oを真空乾燥機を用いて100Pa以下の減圧下60℃で40時間乾燥し、樹脂乾粉Pを得た。この樹脂乾粉Pの単量体含有率は、MAdMAが0.124質量%、MLMAが0.450質量%であった。また、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、メタノールは検出されなかった。一方、樹脂乾粉Pの嵩密度は0.115g/cm3であった。洗浄処理の温度が低いと多量の単量体が樹脂に残存し、樹脂の嵩密度も低かった。
【0039】
[比較例3]
実施例1の樹脂湿粉Cを、10倍量のメタノール中にアンカー翼を用いて200rpmの攪拌速度で攪拌しながら分散させ、0.5MPaの加圧下100℃に加熱して1時間攪拌した。その後、冷却して樹脂を濾別しようとしたが、餅状になっており濾別不可能であった。
【0040】
[比較例4]
実施例1においてメタノールの代わりにn−ヘキサンを使用した以外は同様にして樹脂乾粉Qを得た。この樹脂乾粉Qの単量体含有率は、MAdMAが0.160質量%、MLMAが0.10質量%であった。また、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、n−ヘキサンは検出されなかった。一方、樹脂乾粉Qの嵩密度は0.225g/cm3であった。このようにn−ヘキサンを用いると多量の単量体が樹脂に残存した。
【0041】
本発明の精製方法によれば、化学増幅型レジスト用樹脂に含まれる単量体成分を簡便な方法で低減することができる。また、本発明の方法により精製した化学増幅型レジスト用樹脂であって、その乾燥品の嵩密度が0.15g/cm3以上の粉体は、濾別の際の濾布への目詰まりや乾燥時の樹脂の飛散、装置への樹脂の付着が少なくなるので、取扱い易いものである。
【出願人】 【識別番号】000006035
【氏名又は名称】三菱レイヨン株式会社
【出願日】 平成19年9月13日(2007.9.13)
【代理人】 【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫

【識別番号】100106138
【弁理士】
【氏名又は名称】石橋 政幸

【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭


【公開番号】 特開2008−1914(P2008−1914A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2007−237691(P2007−237691)