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貴金属イオン捕集剤として有用なポリマー - 特開2008−95072 | j-tokkyo
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【発明の名称】 貴金属イオン捕集剤として有用なポリマー
【発明者】 【氏名】馬場 由成

【要約】 【課題】分子内にキレート配位子を備えたポリマー及び該ポリマーを含有する貴金属イオン捕集剤の提供。

【解決手段】下式で示されるキトサン分子間を架橋せしめたポリマー及び該ポリマーを含有する貴金属イオン捕集剤。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貴金属イオンに配位可能な配位基を含有する架橋基によりキトサン分子間を架橋せしめた構造を有するポリマー。
【請求項2】
キトサンを構成するグルコサミンとして式(I):
【化1】


(式中、R、R又はRは、それぞれ独立に、貴金属イオンに配位可能な配位基を含有する架橋基を形成しているか、或いは水素であり、ただしR、R及びRが同時に水素であることはなく、
前記架橋基を形成するR、R又はRは、それぞれ独立に、同一又は異なるキトサン分子を構成する他のグルコサミンのR、R又はRと一緒になって貴金属イオンに配位可能な配位基を含有する架橋基を形成しており、
前記架橋基の少なくとも1つは、異なるキトサン分子間に形成された架橋基である)
で表されるグルコサミン誘導体を含有する、請求項1記載のポリマー。
【請求項3】
前記架橋基における水素以外の原子の数が4〜30個である請求項1又は2記載のポリマー。
【請求項4】
前記配位基が硫黄原子又は窒素原子を含む配位基である請求項1〜3のいずれか1項記載のポリマー。
【請求項5】
前記架橋基が式(II):
【化2】


(式中、X又はYは、それぞれ独立に、S、NH又はOであり、ただしX及びYが同時にOであることはなく、
m又はnは、それぞれ独立に、1以上の整数であり、
*印は結合位置を示す)
で表される部分構造を含む、請求項4記載のポリマー。
【請求項6】
貴金属イオンに配位可能な配位基を含有する架橋基によりキトサン分子間を架橋せしめた構造を有するポリマーの製造方法であって、キトサンを構成するグルコサミンのアミノ基、6位炭素上の水酸基、及び/又は3位炭素上の水酸基を反応性基に変換し、当該変換後のキトサンに、当該反応性基に結合可能な官能基を少なくとも2つ有し、かつ貴金属イオンに配位可能な配位基を含有する化合物を反応させてキトサン分子間を架橋させることを特徴とする前記方法。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項記載のポリマーを含有する貴金属イオン捕集剤。
【請求項8】
酸性溶液中で吸着剤として請求項7記載の貴金属イオン捕集剤を使用することを特徴とする貴金属イオン回収法。
【請求項9】
貴金属イオンに配位可能な配位基を含有する架橋基によりキトサン分子間を架橋せしめた構造を有するポリマーを含有する微粒子の製造方法であって、
キトサンが溶解した第一水溶液を水相とするO/W/Oエマルションと、1)当該第一水溶液の浸透圧よりも高い浸透圧を有する第二水溶液および/または2)当該第二水溶液を水相とするW/Oエマルションとを混合することにより、前記第一水溶液からなる水相中のキトサンを濃縮するキトサン濃縮工程を含み、必要に応じて、前記濃縮工程後の前記第一水溶液中のキトサンを不溶化する不溶化工程を更に含む、キトサン微粒子調製工程、ならびに
前記キトサン微粒子調製工程により得られたキトサン微粒子に対して、当該微粒子中のキトサンを構成するグルコサミンのアミノ基、6位炭素上の水酸基、及び/又は3位炭素上の水酸基を反応性基に変換し、当該変換後のキトサンに、当該反応性基に結合可能な官能基を少なくとも2つ有し、かつ貴金属イオンに配位可能な配位基を含有する化合物を反応させてキトサン分子間を架橋させる処理を施す架橋工程、
を含む、前記方法。
【請求項10】
前記架橋基における水素以外の原子の数が4〜30個である請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記配位基が硫黄原子又は窒素原子を含む配位基である請求項9又は10記載の方法。
【請求項12】
前記架橋基が式(II):
【化3】


(式中、X又はYは、それぞれ独立に、S、NH又はOであり、ただしX及びYが同時にOであることはなく、
m又はnは、それぞれ独立に、1以上の整数であり、
*印は結合位置を示す)
で表される部分構造を含む、請求項11記載の方法。
【請求項13】
請求項9〜12のいずれか1項記載の方法により製造された、貴金属イオンに配位可能な配位基を含有する架橋基によりキトサン分子間を架橋せしめた構造を有するポリマーを含有する微粒子。
【請求項14】
請求項13記載の微粒子を含有する貴金属イオン捕集剤。
【請求項15】
酸性溶液中で吸着剤として請求項14記載の貴金属イオン捕集剤を使用することを特徴とする貴金属イオン回収法。
【請求項16】
請求項14記載の貴金属イオン捕集剤が充填されたカラムに、貴金属イオンを含む酸性溶液を通過させることを特徴とする請求項15記載の貴金属イオン回収法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は貴金属イオン捕集剤及びそれを用いた貴金属イオン回収法に関する。
【背景技術】
【0002】
九州地区のめっき企業から排出されるスラッジの発生量は約3千トン/年であり、その処理費用として約1億円/年の産廃処理コストが発生していることが明らかになった。特に、金、パラジウム、白金などの貴金属はめっき廃液中に微量に含まれているにもかかわらず、それらの希薄な濃度のために排水されている場合が多い。
【0003】
一方、一次産業を多く抱える宮崎県では、農業、漁業や食品加工業から大量のバイオマス廃棄物(蜜柑果汁滓,蟹や海老殻など)が発生している。海洋投棄ができなくなった現在、その処理法技術や有効利用技術の開発も急を要する問題となっている。なかでも、エビ、カニ等の甲殻類の殻から得られるキトサンについては多くの分野で有効利用の研究が進められている。
【0004】
本発明者等はこれまでに、キトサンが特定の金属イオンに対して高い選択性を有し、且つ飽和吸着量も相当大きいことを見出して発表した[Chem,Lett.p.1281(1988)]。この優れた性質は、天然多糖類キトサンの持つ、(1)高い親水性、(2)柔軟性に富んだ骨格構造及び、(3)多くの活性アミノ基の存在、によるものと考えられる。このようにキトサンは、市販のキレート樹脂にはみられない優れた金属イオン吸着特性を有し、かつ出発原料がバイオマス産業の廃棄物であるため、安価に得られる利点がある。しかし、貴金属または重金属イオンのキトサンによる吸着が起こるのは、酸性ではあるが比較的pHが高い領域であるため、pHが極めて低い酸侵出液などを処理する場合には、アルカリを加えてpH調整をしなければならないという難点があった。この問題を解決するため多くのキトサン誘導体が合成され、金属イオンの吸着性が検討された。しかし、金属イオンの効果的な捕集を目的としてキレート形成能を有する官能基を導入すると、キトサン誘導体が酸性溶液に溶解する問題が発生した。
【0005】
そこで官能基を導入したキトサン誘導体を架橋して、酸性溶液に不溶な樹脂にすることが試みられた。しかし、その架橋反応によって官能基がつぶされるため交換容量が大幅に低下する問題が生じた。
【0006】
本発明者等はこの問題を解決するため、特開平6−227813号公報に記載の発明を完成させた。特開平6−227813号公報に記載の発明は、先ずキトサンを構成するグルコサミンのアミノ基を、ピリジン環またはチオフェン環を含むアルデヒド誘導体と反応させ、シッフ塩基を形成させてアミノ基を保護してから、エピクロロヒドリンによりキトサン分子間の架橋を行い、次に四水素化ホウ素ナトリウムでシッフ塩基を還元することにより、キレート形成能を有する官能基であるピリジン環、またはチオフェン環を有する架橋ポリマーを合成する方法に関する。特開平6−227813号公報に記載の発明によるポリマーは、キトサン分子骨格が架橋構造を有するため貴金属イオンの吸着に適した酸性溶液中で溶解することがなく、且つキレート形成能を有する官能基が結合されているため貴金属イオンを効率的に吸着することができる。
【0007】
【特許文献1】特開平6−227813号公報
【特許文献2】特開2004−2582号公報
【特許文献2】特許3235283号公報
【非特許文献1】Chem,Lett.p.1281(1988)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のように特開平6−227813号公報に記載されたポリマーは優れた性質を有するものであるが、このポリマーの製造工程は、架橋を形成する工程と、キレート配位基を導入する工程とを含むため複雑であるという問題があった。
【0009】
そこで本発明は、簡便に製造することが可能な、架橋構造を有し且つキレート配位子を備えたキトサン誘導体ポリマーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、キトサン分子の架橋工程とキレート配位子の導入工程とを一緒に行うことにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0011】
本発明は以下の発明を包含する。
(1)貴金属イオンに配位可能な配位基を含有する架橋基によりキトサン分子間を架橋せしめた構造を有するポリマー。
(2)キトサンを構成するグルコサミン(繰り返し単位)として式(I):
【0012】
【化1】


(式中、R、R又はRは、それぞれ独立に、貴金属イオンに配位可能な配位基を含有する架橋基を形成しているか、或いは水素であり、ただしR、R及びRが同時に水素であることはなく、
前記架橋基を形成するR、R又はRは、それぞれ独立に、同一又は異なるキトサン分子を構成する他のグルコサミンのR、R又はRと一緒になって貴金属イオンに配位可能な配位基を含有する架橋基を形成しており、
前記架橋基の少なくとも1つは、異なるキトサン分子間に形成された架橋基である)
で表されるグルコサミン誘導体(繰り返し単位)を含有する、(1)記載のポリマー。
【0013】
(3)前記架橋基における水素以外の原子の数が4〜30個である(1)又は(2)記載のポリマー。
(4)前記配位基が硫黄原子又は窒素原子を含む配位基である(1)〜(3)のいずれかに記載のポリマー。
(5)前記架橋基が式(II):
【0014】
【化2】


(式中、X又はYは、それぞれ独立に、S、NH又はOであり、ただしX及びYが同時にOであることはなく、
m又はnは、それぞれ独立に、1以上の整数であり、
*印は結合位置を示す)
で表される部分構造を含む、(4)記載のポリマー。
【0015】
(6)貴金属イオンに配位可能な配位基を含有する架橋基によりキトサン分子間を架橋せしめた構造を有するポリマーの製造方法であって、キトサンを構成するグルコサミンのアミノ基、6位炭素上の水酸基、及び/又は3位炭素上の水酸基を反応性基に変換し、当該変換後のキトサンに、当該反応性基に結合可能な官能基を少なくとも2つ有し、かつ貴金属イオンに配位可能な配位基を含有する化合物を反応させてキトサン分子間を架橋させることを特徴とする前記方法。
(7)(1)〜(5)のいずれかに記載のポリマーを含有する貴金属イオン捕集剤。
(8)酸性溶液中で吸着剤として(7)記載の貴金属イオン捕集剤を使用することを特徴とする貴金属イオン回収法。
【0016】
(9)貴金属イオンに配位可能な配位基を含有する架橋基によりキトサン分子間を架橋せしめた構造を有するポリマーを含有する微粒子の製造方法であって、
キトサンが溶解した第一水溶液を水相とするO/W/Oエマルションと、1)当該第一水溶液の浸透圧よりも高い浸透圧を有する第二水溶液および/または2)当該第二水溶液を水相とするW/Oエマルションとを混合することにより、前記第一水溶液からなる水相中のキトサンを濃縮するキトサン濃縮工程を含み、必要に応じて、前記濃縮工程後の前記第一水溶液中のキトサンを不溶化する不溶化工程を更に含む、キトサン微粒子調製工程、ならびに
前記キトサン微粒子調製工程により得られたキトサン微粒子に対して、当該微粒子中のキトサンを構成するグルコサミンのアミノ基、6位炭素上の水酸基、及び/又は3位炭素上の水酸基を反応性基に変換し、当該変換後のキトサンに、当該反応性基に結合可能な官能基を少なくとも2つ有し、かつ貴金属イオンに配位可能な配位基を含有する化合物を反応させてキトサン分子間を架橋させる処理を施す架橋工程、
を含む、前記方法。
【0017】
(10)前記架橋基における水素以外の原子の数が4〜30個である(9)記載の方法。
(11)前記配位基が硫黄原子又は窒素原子を含む配位基である(9)又は(10)記載の方法。
(12)前記架橋基が式(II):
【0018】
【化3】


(式中、X又はYは、それぞれ独立に、S、NH又はOであり、ただしX及びYが同時にOであることはなく、
m又はnは、それぞれ独立に、1以上の整数であり、
*印は結合位置を示す)
で表される部分構造を含む、(11)記載の方法。
【0019】
(13)(9)〜(12)のいずれかに記載の方法により製造された、貴金属イオンに配位可能な配位基を含有する架橋基によりキトサン分子間を架橋せしめた構造を有するポリマーを含有する微粒子。
(14)(13)記載の微粒子を含有する貴金属イオン捕集剤。
(15)酸性溶液中で吸着剤として(14)記載の貴金属イオン捕集剤を使用することを特徴とする貴金属イオン回収法。
(16)(14)記載の貴金属イオン捕集剤が充填されたカラムに、貴金属イオンを含む酸性溶液を通過させることを特徴とする(15)記載の貴金属イオン回収法。
【発明の効果】
【0020】
本発明のポリマーはキレート配位子の導入と架橋反応とを共通の工程で行う簡便な方法により製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(キトサン)
本発明のポリマーの原料となるキトサンの分子量等は特に限定されない。
原料となるキトサンの形状は特に限定されず、粉末形状であっても球状の微粒子形状であってもよい。球状のキトサン微粒子は、例えば特開2004−2582号公報に記載された技術により製造され得る。
【0022】
(架橋基)
本発明のポリマーは、キトサン分子間が貴金属イオンに配位可能な配位基を含有する架橋基により架橋されていることを特徴とする。
【0023】
本発明のポリマーにおいて、キトサン分子間に形成される架橋基と結合するグルコサミンは上記式(I)のグルコサミン誘導体の構造を有する。グルコサミンの3位炭素上の水酸基はアミノ基及び6位炭素上の水酸基と比較して反応性が低いため、本発明のポリマー中には、式(I)で表されるグルコサミン誘導体としてRが水素であるものが主として含まれる。本発明のポリマー中には、キトサンを構成するグルコサミンとして、上記式(I)のグルコサミン誘導体以外にも、架橋基を有していない通常のグルコサミンや、架橋基が全て同一分子内のグルコサミン間で形成されたものである点を除いて上記式(I)と同一の構造を有するグルコサミン誘導体等が含まれ得る。
【0024】
「貴金属イオンに配位可能な配位基」としては、硫黄原子、窒素原子およびこれらの組み合わせを配位子として含む配位基が挙げられるがこれらには限定されない。これらの配位基を用いることにより、貴金属イオンを高選択的に吸着することができる。
【0025】
配位子は一つの架橋基中に2つ含まれて架橋基が2座のキレート配位子として機能することが好ましい。
【0026】
架橋基の長さ等は特に限定されないが、通常は水素以外の原子の数が4〜30個であることが好ましく、4〜20個であることがより好ましく、6〜12個であることが特に好ましい。
【0027】
架橋基は上記式(II)で表される部分構造を有するものであることが好ましい。式(II)において、n又はmは互いに独立に1以上の整数であり、nは2〜4の整数であることが好ましく、mは1〜4の整数であることが好ましい。例えば具体的な配位基としては、−NHCHCHNH−、−HNCHCHNH、−SCHCHNH−、−SCHCHS−、−HNCHCHSH、−HNCHCHS−、−SCHCHSCHCHNHCHCHN−、−(NHCHCHN)m−、−(NHCHCHS)m−、−(SCHCHS)m−、あるいはさらに、−(NH−(CH)n−NH)m−、−(NH−(CH)n−S)m−、−(S−(CH)n−S)m−、−OCHCHNH−、−OCHCHNH、−SCHCHO−、−OCHCHSH、−HNCHCHO−、−SCHCHSCHCHNHCHCHO−、−(OCHCHNH)m−、−(NHCHCHS)m−、−(SCHCHS)m−、あるいはさらに、−(NH−(CH)n−NH)m−、−(NH−(CH)n−S)m−、−(S−(CH)n−S)m−、−(O−(CH)n−NH)m−、−(O−(CH)n−S)m−が挙げられる(n又はmは式(II)について上記で定義した通りである)。
【0028】
本明細書の実施例では架橋基として以下の式(III)又は(IV)で表される架橋基を採用したが、これらには限定されない。
【0029】
【化4】


(式中、*印は式(I)のRが結合する窒素原子、Rが結合する酸素原子又はRが結合する酸素原子への結合位置を示す)
【0030】
(ポリマーの製造方法)
本発明はまた上記ポリマーの製造方法に関する。この方法は、キトサンを構成するグルコサミンのアミノ基、6位炭素上の水酸基、及び/又は3位炭素上の水酸基を反応性基に変換し、当該変換後のキトサンに、当該反応性基に結合可能な官能基を少なくとも2つ有し、かつ貴金属イオンに配位可能な配位基を含有する化合物を反応させてキトサン分子間を架橋させることを特徴とする。グルコサミンの3位炭素上の水酸基はアミノ基及び6位炭素上の水酸基と比較して反応性が低いことから、本発明のポリマーの製造においては、主としてグルコサミンのアミノ基及び/又は6位炭素上の水酸基が反応性基に変換されて架橋基の結合の基点となる。
【0031】
図1には本方法の一実施形態の反応スキームを示す。この実施形態では、ギ酸を用いてアミノ基を反応性基である−N=CHに変換し、次いで、当該反応性基に結合可能な官能基である−SH基を2つ有し、且つ貴金属イオンに範囲可能な配位子である硫黄原子を有する1,2−エタンジチオールを添加して反応させキトサン分子間を架橋する。本願明細書においてEDTCとは、1,2−エタンジチオールで架橋したキトサン誘導体を意味する。
【0032】
図2には本方法の他の一実施形態の反応スキームを示す。この実施形態では、エピクロロヒドリンを用いてグルコサミンのアミノ基及び水酸基を反応性基である2,3−エポキシプロピルアミノ基及び2,3−エポキシプロピルオキシル基に変換し、次いで、当該反応性基に結合可能な官能基である−SH基を2つ有し、且つ貴金属イオンに範囲可能な配位子である硫黄原子を有する1,2−エタンジチオールを添加して反応させキトサン分子間を架橋する。なお図2には複雑になるため図示しないが、NとOとの間が架橋された形態も存在し得る。また、架橋基の一端が3位炭素上のO結合し、他端が他のグルコサミンのアミノ基、6位炭素上のO又は3位炭素上のOに結合した形態も存在し得る。本願明細書においてEDTSCとは、エピクロロヒドリンを介して1,2−エタンジチオールで架橋したキトサン誘導体を意味する。
【0033】
架橋基に変換され得る化合物としては、1,2−エタンジチオールのほか、式(II)で表される上記の配位基を有するハロゲン化合物、ジハロゲン化合物、アルデヒド化合物、ジアルデヒド化合物、エポキシ化合物、及びジエポキシ化合物が挙げられるがこれらには限定されない。
【0034】
(ポリマーの形状)
本発明のポリマーは種々の形状を取ることができ、例えば粉末形状であっても球状の微粒子形状であってもよい。キトサン微粒子を原料とした場合には、製造された本発明のポリマーもまた微粒子の形状となり得る。また、原料キトサンの形状に関わりなく、製造された本発明のポリマーを、例えば特開2004−2582号公報に記載された技術により微粒子に加工することもできる。
【0035】
(貴金属イオン回収法)
本発明のポリマーは貴金属イオン捕集剤として使用することができる。本発明のポリマーは、例えば、貴金属イオンが微量含有されためっき廃液や電子部品・電子機器、あるいは廃触媒などの廃棄物から貴金属を選択的に捕集する目的で使用することができる。
【0036】
本発明のポリマーは金(III)、パラジウム(II)及び白金(IV)に対して高い吸着率を示す。
【0037】
本発明のポリマーを用いた貴金属の回収は酸性溶液中で行われることが好ましい。酸性溶液のpHは1以上であれば100%の吸着率が達成される。また、工業的に重要な塩酸濃度の高い3mol/dm3付近でも80%以上の吸着率が達成される。このように本発明のポリマーは強酸性溶液中においても効率的に貴金属を吸着することができる。
【0038】
貴金属を吸着した本発明のポリマーは、チオ尿素や塩酸を含んだチオ尿素溶液により容易に再生し、再利用することができる。
【0039】
(本発明のポリマーの超多孔性微粒子)
本発明はまた、上記ポリマーを含有する微粒子の製造方法、及び当該方法により製造された微粒子に関する。本発明のこの実施形態により提供される微粒子は、粒子内に貫通孔を有する超多孔性の微粒子である。
【0040】
本発明の微粒子の製造方法は、
キトサンが溶解した第一水溶液を水相とするO/W/Oエマルションと、1)当該第一水溶液の浸透圧よりも高い浸透圧を有する第二水溶液および/または2)当該第二水溶液を水相とするW/Oエマルションとを混合することにより、前記第一水溶液からなる水相中のキトサンを濃縮するキトサン濃縮工程を含み、必要に応じて、前記濃縮工程後の前記第一水溶液中のキトサンを不溶化する不溶化工程を更に含む、キトサン微粒子調製工程、ならびに
前記キトサン微粒子調製工程により得られたキトサン微粒子に対して、当該微粒子中のキトサンを構成するグルコサミンのアミノ基、6位炭素上の水酸基、及び/又は3位炭素上の水酸基を反応性基に変換し、当該変換後のキトサンに、当該反応性基に結合可能な官能基を少なくとも2つ有し、かつ貴金属イオンに配位可能な配位基を含有する化合物を反応させてキトサン分子間を架橋させる処理を施す架橋工程、
を含むことを特徴とする。本発明の微粒子の製造方法は特開2004−2582号に記載の微粒子の製造方法を改変したものである。
【0041】
本方法の特徴について以下に詳述する。
(1)O/W/Oエマルションの水相及び油相
a)水相
上記O/W/Oエマルションにおける水相としては、キトサンを含む水溶液(第一水溶液)を使用する。
【0042】
第一水溶液を調製する際の溶媒は、通常は水を使用できるほか、各種の水溶液を溶媒として使用することもできる。
【0043】
キトサンは酸に溶解しうるから、第一水溶液は例えば、酸の水溶液にキトサンを溶解させたり、あるいは水中にキトサンを懸濁させた後、酸を滴下しながら溶解させれば良い。
【0044】
酸としては、使用するキトサンを水に溶解させることができるものであれば限定されず、例えばアジピン酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、L−アスコルビン酸、アクリル酸、クエン酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸等の有機酸のほか、塩酸、ホウ酸等の無機酸が使用できる。本発明では、これらの中では、特に弱酸が好適である。
【0045】
第一水溶液のキトサンの濃度は特に限定されないが、通常は1〜15重量%程度、好ましくは6〜12重量%とすれば良い。
【0046】
また、必要に応じて第一水溶液に添加剤を適宜加えても良い。添加剤としては、溶解しているキトサンを不溶化しないものであれば限定されない。例えば、NaCl、ブドウ糖、ラクトース、グリセリン等の浸透圧調整剤、ショ糖脂肪酸エステル、モノグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン酸脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン・ゾルビタン系界面活性剤、レシチン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油系界面活性剤等の水性乳化剤等が挙げられる。浸透圧調整剤の使用量は、所望の浸透圧に応じて適宜決定することができる。水性乳化剤の使用量は限定的でなく、通常は0.01〜10重量%程度とすることができる。
【0047】
b)油相
油相は、O/W/Oエマルションの内油相及び外油相を構成する。
【0048】
油相の油剤としては、公知のO/W/Oエマルション等の油相として使用されているものであれば良く、例えば油脂類、石油系油剤、有機溶剤、合成系油剤等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上で使用しても良い。特に、粒子回収の際に油剤を除去する必要がある場合には、沸点の低いヘキサン等の石油系油剤のほか、トルエン、ベンゼン等の有機溶剤を使用することが好ましい。
【0049】
また、油相には、必要に応じて乳化剤(油性乳化剤)等の添加剤を加えても良い。油性乳化剤としては、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ソルビタン系界面活性剤、レシチン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油系界面活性剤等を使用することができる。油性乳化剤の添加量は、使用する油性乳化剤の種類等に応じて適宜設定すれば良いが、通常0.5〜10重量%の範囲にすれば良い。
【0050】
(2)O/W/Oエマルションの調製
本発明では、上記の水相及び油相を用いてO/W/Oエマルションを調製できる。
【0051】
O/W/Oエマルションを調製する場合はまず、第一水溶液に油剤を添加し、第一水溶液の連続相中に油剤が分散するように乳化してO/Wエマルションを調製する。W/Oエマルションを調製するための乳化の方法は特に限定されず、攪拌法、ホモミキサーによる混合方法、多孔質膜を用いる膜乳化法等が利用できる。粒径を揃えたい場合には膜乳化法が望ましいが、そうでない場合には工業的な観点からはホモミキサーを使用する方法が望ましい。
【0052】
第一水溶液には適宜水性乳化剤等の添加剤を加え、O/Wエマルション中の油剤の体積割合は0.1〜70容積%、好ましくは10〜50容積%に設定すれば良い。
【0053】
こうして得られたO/Wエマルションを連続油相に分散すればO/W/Oエマルションが得られる。乳化の方法は特に限定されず、攪拌法、ホモミキサーによる混合方法、多孔質膜を用いる膜乳化法等が利用できる。粒径を揃えたい場合には膜乳化法が望ましいが、そうでない場合には工業的な観点からはホモミキサーを使用する方法が望ましい。
【0054】
このときの分散相(O/Wエマルション)の体積割合はO/W/Oエマルション中0.1〜70容積%程度、好ましくは10〜50容積%に設定すれば良い。
【0055】
(3)濃縮工程
本発明方法では、上記O/W/Oエマルションと、1)当該第一水溶液の浸透圧よりも高い浸透圧を有する第二水溶液及び/又は2)その第二水溶液を水相とするW/Oエマルションとを混合することにより、第一水溶液と第二水溶液との浸透圧差を利用して、当該第一水溶液からなる水相中のキトサンを脱水濃縮する。脱水濃縮により第一水溶液中でキトサンの微粒子が形成される。微粒子が形成されない場合には、後述する不溶化工程を更に行い微粒子を形成させることができる。
【0056】
脱水濃縮は、加熱、真空加熱等によっても可能であるが、使用する油剤が低沸点であったり、脱水量を精密にコントロールすることが難しい等の制限があるため、第一水溶液の浸透圧よりも高い浸透圧を有する第二水溶液及び/又は第二水溶液を水相(分散相)とするW/Oエマルションを混合することにより、混合エマルション(混合物)の状態において、浸透圧差を駆動力となって低浸透圧の分散水滴から水を奪い、第一水溶液のキトサンを濃縮する。
【0057】
また、上記濃縮によりキトサンを含有する水相の粘度が高くなるが、水相の粘度は後述する不溶化処理により形成した粒子の形状と分散性に多大な影響を及ぼす。すなわち、濃縮率が高く、ゲル化等により高粘度化が進んだ状態になればなるほど水相粒子の変形が少なく、球状に近く、しかも分散性に富む粒子が得られる。
【0058】
第二水溶液は、浸透圧調整剤を水に溶解したものを使用することができる。浸透圧調整剤としては、高い浸透圧を生むことができる物質であれば、その種類に制限はない。例えば、NaCl、CaCl等の無機塩類、グルコース、蔗糖等の糖類、グリセリン等が挙げられる。
【0059】
第二水溶液の濃度は、第一水溶液の浸透圧よりも高い浸透圧を有するように調整すれば良い。具体的には、所望の濃縮率に基づいて、予め第二水溶液の濃度を設定することができる。
【0060】
ここに、濃縮率ε%は、第一水溶液の浸透圧をΠa、水相体積をVa、第二水溶液の浸透圧をΠb、水相体積をVbとし、水の移動が進んで両水相の浸透圧が等しくなった時の平衡浸透圧をΠeとすると、次式によって概算することができる。
【0061】
【数1】


【0062】
キトサンは高分子であることから、通常は溶解量も少なく、一般に浸透圧は低い。従って、本発明方法では、これよりも高い浸透圧の第二水溶液を用意すれば良い。
【0063】
一般的には、濃縮率の調整によって、得られる微粒子の空隙率を制御することができる。
【0064】
本発明では、第二水溶液をそのまま使用するほか、第二水溶液を水相とするW/Oエマルションを単独又は第二水溶液とともに使用することができる。このW/Oエマルションとしては、水相として上記第二水溶液を使用するほかは、上述の、O/W/Oエマルションを調製する際に事前に調製するW/Oエマルションと同様にして調製することができる。
【0065】
(4)不溶化処理
前述の濃縮工程においてキトサン微粒子が形成されない場合には、上記の濃縮工程で得られた混合物に、さらにキトサンを不溶化(ないしは固化)し得る物質(不溶化物質)を添加してキトサンの微粒子を形成させる。
【0066】
上記不溶化物質としては、溶解しているキトサンを不溶化させる(析出させる)ものであれば限定的でなく、適宜選択することができる。一般的には、アルカリ金属、アルカリ土類金属等の水酸化物;アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属等の無機酸塩(塩化物、炭酸塩等)のほか、アンモニウム塩等の1種又は2種以上を適宜採用すれば良い。
【0067】
上記不溶化物質は、当該物質の水溶液又はその水溶液を水相とするW/Oエマルションの形態で添加することが望ましい。
【0068】
上記不溶化物質の添加量又は濃度(水溶液とする場合)は、使用するキトサンを不溶化できるのに十分な量であれば良い。従って、使用するキトサンの濃度等に応じて適宜設定することができる。
【0069】
特に、不溶化工程では、不溶化物質の水溶液の浸透圧は、目的に応じで適宜変更できる。すなわち、(i)上記平衡浸透圧Πeに等しい浸透圧に設定した場合は、キトサンの高粘度粒子がそのまま不溶化される。(ii)Πeより高く設定した場合は、高粘度粒子がさらに脱水されながら不溶化することになる。(iii)Πeより低く設定した場合は、水を取り込んで膨潤しながら不溶化する。このように、不溶化液の浸透圧によっても、粒子の粒径、形状、空隙率等を任意的に制御することができる。上記浸透圧は、上記水溶液の濃度等によって適宜変更することができる。同様の制御は、上記水溶液又はW/Oエマルションの添加量を変えることによって実施することができる。
【0070】
(5)キトサン微粒子の回収
本発明のキトサン微粒子調整工程では、上記の濃縮工程又は不溶化処理で得られた混合物をキトサン微粒子としてそのまま使用することができるが、必要に応じて油相を取り除いて洗浄した後に回収しても良い。これにより、固化したキトサンの粒子を回収できる。油相の除去方法、洗浄方法等は、微粒子の特性に影響を及ぼさない限り、公知の方法に従って行えば良い。例えば、不溶化が終了した混合エマルションをろ過等により固液分離し、得られた固形分をアルコールで洗浄した後に乾燥すれば、キトサン微粒子を固化粒子として回収することができる。また、必要に応じて、微粒子内部の空洞を形成している油相を取り除く工程を実施しても良い。例えば、液中乾燥法、凍結乾燥法等によって上記油相を除去することができる。
【0071】
(6)架橋工程
前記キトサン微粒子調製工程により得られたキトサン微粒子に対して、当該微粒子を構成するキトサン分子間を、貴金属イオンに配位可能な配位基を含有する架橋基により架橋する処理を施す。架橋は、本明細書に記載の上記「ポリマーの製造方法」に記載の手順に沿って行うことができる。
【0072】
(7)架橋キトサン微粒子の特徴
本発明により製造された、貴金属イオンに配位可能な配位基を含有する架橋基によりキトサン分子間を架橋せしめた構造を有するポリマーを含有する微粒子は、SEM写真や細孔分布および粒度分布の結果からも明らかなように、細孔径が2−6μmの貫通孔を有した超多孔性の微粒子である。また、空隙率は70−80%以上と大きく、平均粒径は150μm程度の真球状体である。
【0073】
本発明の微粒子の粒子内は、被吸着物質を含む溶液が迅速に通過可能である。従って本発明の微粒子を貴金属イオン捕集剤としてカラム等に充填し、貴金属イオンを含む溶液を通過させることにより、貴金属イオンの回収除去を迅速に行うことが可能となる。
【実施例1】
【0074】
1.EDTCの合成
キトサン微粒子1g(6.2mmol)を三口フラスコ中で蒸留水:DMF=1:9混合溶液100mlに分散させ、35%ホルムアルデヒド5.3g(62mmol)を滴下し窒素雰囲気下60℃で24時間過熱攪拌を行った。反応終了後、ろ過を行いエタノールで洗浄した。
【0075】
得られた微粒子を三口フラスコ中でDMF60mlに分散させ、1,2−エタンジチオール4.3g(62mmol)を滴下し窒素雰囲気下常温で48時間攪拌を行った。反応終了後、ろ過を行いエタノール、蒸留水および水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し、50℃で減圧乾燥した。
【0076】
2.EDTSCの合成
キトサン微粒子1g(6.2mmol)を三口フラスコ中でDMF15mlおよびエピクロロヒドリン25mlの混合溶液に分散させ、3 mol dm-3水酸化ナトリウム溶液25mlを加え60℃で2時間過熱攪拌を行った。反応終了後、ろ過を行いエタノールで何度も洗浄した。
【0077】
得られた微粒子を三口フラスコ中でDMF50mlに分散させ、1,2−エタンジチオール4.3g(62mmol)およびトリエチルアミン1.9g(18.6mmol)を滴下し、窒素雰囲気下常温で48時間攪拌を行った。反応終了後、ろ過を行いエタノール、蒸留水および水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し、50℃で減圧乾燥した。
【0078】
3.架橋キトサンの合成
キトサン微粒子10g(62mmol)を蒸留水500gに分散させ、酢酸10gを加えてキトサンを溶解させた。キトサン酢酸溶液を50℃で攪拌させながら、ベンズアルデヒド63g(620mmol)を滴下した。ゲル状となったキトサンをアセトンで洗浄し、50℃で減圧乾燥した。
【0079】
得られたキトサンを三口フラスコ中でDMF150mlおよびエピクロロヒドリン150mlの混合溶液に分散させ、0.5 mol dm-3水酸化ナトリウム溶液150mlを加え50℃で24時間過熱攪拌を行った。反応終了後、ろ過を行いエタノール、蒸留水、塩酸溶液および水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し、50℃で減圧乾燥した。
【0080】
4.パラジウム(II)及び金(III)の吸着率と塩酸濃度との関係
上記で調製したEDTC及びEDTSCによるパラジウム(II)及び金(III)の吸着率を、種々の塩酸濃度条件下で測定した。比較のために上記で調製した架橋キトサンについても同様に吸着率の測定を行った。
【0081】
実験はすべてバッチ法により行った。各金属イオンの塩化物塩を任意の塩酸濃度に溶解し、金属の初濃度を1 m mol dm-3とした。各溶液15mlに対して樹脂0.05gを加え、30℃恒温槽中で24時間振とうした。平衡前後の金属イオンの定量は、原子吸光光度計を用いて測定した。吸着特性を評価するにあたり、吸着率%は以下のように定義した。
吸着率(Adsorption)%=(Co−Ce)/Co×100
Co:金属初濃度[m mol dm-3
Ce:金属平衡濃度[m mol dm-3
結果を図3(EDTC及び架橋キトサン)及び図4(EDTSC及び架橋キトサン)に示す。架橋キトサンによるPd(II)およびAu(III)の吸着率は塩酸濃度の増加に従って急激に減少した。一方、EDTCおよびEDTSCについては、架橋キトサンのような急激な減少は見られず、高塩酸濃度領域においても高い吸着率を示した。
【0082】
5.各種金属イオンの吸着率と塩酸濃度との関係
上記で調製したEDTC及びEDTSCによる各種金属イオンの吸着率を、種々の塩酸濃度条件下で測定した。
【0083】
実験はすべてバッチ法により行った。各金属イオンの塩化物塩を任意の塩酸濃度に溶解し、金属の初濃度を1 m mol dm-3とした。各溶液15mlに対して樹脂0.05gを加え、30℃恒温槽中で24時間振とうした。平衡前後の金属イオンの定量は、原子吸光光度計を用いて測定した。吸着特性を評価するにあたり、吸着率%は以下のように定義した。
吸着率(Adsorption)%=(Co−Ce)/Co×100
Co:金属初濃度[m mol dm-3]
Ce:金属平衡濃度[m mol dm-3]
EDTCの吸着結果を図5、EDTSCの吸着結果を図6にそれぞれ示す。
【0084】
EDTCおよびEDTSCの両者とも、貴金属(パラジウム(II)、金(III)および白金(IV))に対して高い吸着率を示した。一方、重金属(銅(II)、ニッケル(II)、カドミウム(II)、鉄(II)、コバルト(II)および亜鉛(II))は全塩酸濃度領域においてほとんど吸着されなかった。このことから、重金属からの貴金属の選択的分離が可能であると考えられる。
【0085】
6.ポリマーに吸着されたパラジウム(II)の脱離
実験はすべてバッチ法により行った。パラジウムイオンの塩化物塩を0.1 mol dm-3塩酸溶液に溶解し、パラジウムイオンの初濃度を1 m mol dm-3とした。溶液10mlに対して樹脂0.05gを加え、30℃恒温槽中で24時間振とうした。振とう後ろ過を行い、得られた樹脂に対して15mlの各種脱離溶液をそれぞれ加え、再び30℃恒温槽中で24時間振とうした。平衡前後の金属イオンおよび脱離後の脱離溶液中金属イオンの定量は、原子吸光光度計を用いて測定した。吸着特性を評価するにあたり、脱離率(%)は次の式により定義した。
脱離率(desorption)%=(Cd×0.015)/((Co−Ce)×0.010)×100
Co:金属初濃度[m mol dm-3]
Ce:金属平衡濃度[m mol dm-3]
Cd:脱離溶液中金属濃度[m mol dm-3]
結果を表1に示す。
【0086】
【表1】


【0087】
パラジウム(II)の吸着したEDTSCは、チオ尿素およびチオ尿素と塩酸の混合溶液を用いることによって容易に再生でき、繰り返し使用が可能であることが分かった。ここではEDTSCの結果を示すが、EDTCの場合もほとんど同じような結果を示した。
【実施例2】
【0088】
1. 吸着材の合成実験
1.1 超多孔性キトサン微粒子(OWOC)の調製
キトサン水溶液を水相とするO/W/Oエマルションから調製された超多孔性キトサン微粒子(OWOC)の調製スキームを図7に示す。キトサン16.4 gを蒸留水250 mlに分散させ、アジピン酸8.1 gおよびTween60 5.4 gを加えて6 wt%キトサン水溶液を調製した。キトサン水溶液にヘキサン50 mlを加え、ホモジナイザーを用いて17500 rpm、10分間撹拌し、キトサンO/Wエマルションを調製した。ウォータージャケット付きセパラブルフラスコ中で2 wt%テトラグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(TGCR)ヘキサン溶液500 mlにキトサンO/Wエマルションを攪拌しながらゆっくりと加え、20℃、250 rpmで2時間撹拌を行いキトサンO/W/Oエマルションを調製した。一方、2 wt%TGCRヘキサン溶液250 mlに15 wt%塩化ナトリウム水溶液230 mlを乳化させた高濃度塩化ナトリウムW/Oエマルションを調製した。調製した塩化ナトリウムW/Oエマルションを撹拌しているキトサンO/W/Oエマルションへゆっくりと加え、20℃、250 rpmで約12時間程度撹拌を行った。ここで、高濃度塩化ナトリウムW/OエマルションとキトサンO/W/Oエマルションとの浸透圧差を駆動力とした水の油相移動により、キトサンO/W/Oエマルション内のキトサンが濃縮される。ろ過を行い、エタノールを用いて洗浄し、その後乾燥させてOWOCを得た。
【0089】
1.2 スペーサーを介した1,2-エタンジチオール固定化キトサン(EDTSC)の調製
スペーサーを介した1,2-エタンジチオール固定化キトサン(EDTSC)の合成スキームは図2に示す通りである。OWOC 7.7 g(47.9 mmol)を三口フラスコ中でDMF50 mlおよびエピクロロヒドリン100 mlの混合溶液に分散させ、3 mol dm-3水酸化ナトリウム溶液100 mlを加え、60℃で2時間加熱攪拌を行った。反応後、ろ過を行い、エタノールを用いて洗浄した。得られた中間体を三口フラスコ中でDMF100 mlに分散させ、1,2-エタンジチオール45.1 g(479.0 mmol)およびトリエチルアミン14.5 g(143.7 mmol)を加え、窒素雰囲気下常温で48時間攪拌を行った。反応後、ろ過を行い、エタノール、蒸留水、塩酸溶液および水酸化ナトリウム溶液を用いて洗浄した。乾燥させてEDTSCを得た。
【0090】
2. 吸着実験
2.1 吸着平衡実験
吸着実験はすべてバッチ法により行った。各金属イオンの塩化物塩を各種塩酸溶液に溶解し、各金属イオンの初濃度を1 mmol dm-3とした。30 mlサンプル管に各溶液15 mlに対してキトサン誘導体0.05 gを加え、30℃恒温槽中で24時間振とうした。平衡後の塩酸濃度は中和滴定により求めた。平衡前後の金属イオン濃度は、ICP発光分析装置(SHIMADZU ICPS=7000)を用いて測定した。なお、吸着特性を評価するにあたり、吸着率%および吸着量qeを次の式により定義した。
吸着率(Adsorption)%={(Cinit−Ce)/Cinit}×100
吸着量qe=(Cinit−Ce)×15/1000/w
init:初期金属イオン濃度[mmol dm-3
:平衡金属イオン濃度[mmol dm-3
w:樹脂量[g]
【0091】
2.2 吸着速度実験
303 K恒温槽中で200 mlトールビーカーにEDTSC 0.1 gを加え、各種塩酸溶液2 mlを添加して吸着剤に塩酸溶液を含浸させた。パラジウム(II)の塩化物塩を各種塩酸溶液に溶解し、パラジウム(II)イオンの初濃度を0.25 mmol dm-3とした。パラジウム(II)溶液100 mlの温度を303 Kとした後、トールビーカーへ加えて攪拌翼を用いて一定の回転数で攪拌した。パラジウム(II)溶液を加えた時間を反応開始(t=0)とし、一定時間ごとに溶液1 mlを採取した。この際、この反応実験は濃度一定条件を保った状態で行っているため、採取した量だけ初濃度のパラジウム(II)溶液を添加していった。EDTSCによるパラジウム(II)の吸着量は物質収支により求めた(Cinit-Ct [mmol dm-3])。なお、吸着速度を評価するため、擬一次速度式により初速度の擬一次速度定数k1を導出した。擬一次速度式を以下に示す。
ln(C/Cinit)=−k
:時間tでの金属イオン濃度[mmol dm-3
init:初期金属イオン濃度[mmol dm-3
t:時間[sec]
【0092】
2.3 吸着速度実験
カラムジャケット付ガラスカラム(内径 0.3 cm、長さ10 cm)にEDTSC 約0.05 gを充填した。パラジウム(II)の塩化物塩を0.1 mol dm-3塩酸溶液に溶解し、パラジウム(II)イオンの初濃度を0.1 mmol dm-3とした。デュアルポンプ(FLOM KP-12)を用いて一定温度、一定流速でパラジウム(II)溶液を送液し、流出する溶液を単時間ごとにフラクションコレクター(EYELA DC-1200)を用いて採取した。
【0093】
3. 結果および考察
以下に上記実験の結果と、得られた結果に関する考察を示す。本明細書および図面において使用する記号は次表に示す意味を有する。
【0094】
【表2】


【0095】
3.1 EDTSCの形状特性の評価
EDTSCのSEM写真を図8に示す。表面および断面写真からEDTSCは大きな貫通孔を有する超多孔性キトサン微粒子であることが確認された。O/W/Oエマルション中の内油相滴の合一によって滴径の大きな内油相が形成され、これによって大きな貫通孔が形成されると考えられる。水銀ポロシメータ(SHIMADZU micromeritics PORE SIZER 9320)を用いてEDTSCの細孔構造の解析を行った。EDTSCの細孔分布を図9に示す。細孔分布より、EDTSCは直径2〜6 μmの均一な大きな孔を有することが分かった。この直径は断面のSEM写真から測定した値とほぼ一致することから、得られた細孔分布は信頼性が高いと考えられる。この大きな孔の効果により吸着速度の増大が考えられ、パーフュージョンクロマトグラフィー用の吸着剤としての利用が期待できる。パソコン顕微鏡専用カメラ(カートン光学株式会社 XP9507)を装備した光学顕微鏡(OLYMPUS)を用いて、EDTSCの粒度分布の測定を行った。粒度分布を図10に示す。EDTSCは多分散であり、平均粒子直径は142.8 μmであった。
【0096】
波長分散型蛍光X線分析装置(理学電気工業(株) System 3270E)を用いてEDTSCが含有する硫黄原子の簡易定量を行った。その結果、EDTSCの硫黄含有量は1.84 mol kg-1、したがってジチオエーテル(-S-(C2H4)-S-)の含有量は0.92 mol kg-1となった。また、チオール基の定量をEllman法により行った。結果より、EDTSCに含まれるチオール基の量は3.6×10-3mol kg-1と非常に小さい値となった。したがって、硫黄原子はほぼチオエーテルとして存在していると考えられる。これによって、EDTSCは配位子導入と架橋を同時に達成していると思われる。
【0097】
3.2 EDTSCによる塩酸溶液からの吸着選択性
EDTSCによる塩酸溶液からの各金属イオンの吸着結果を図11に示すEDTSCは全塩酸濃度領域において貴金属であるパラジウム(II)、金(III)および白金(IV)に対して高い吸着率を示した。一方、ベースメタルである銅(II)、ニッケル(II)、カドミウム(II)、鉄(III)、コバルト(II)および亜鉛(II)は、EDTSCにより全塩酸濃度領域においてほとんど吸着されなかった。これらの結果から、EDTSCは多量のベースメタルを含む溶液から貴金属イオンの選択的吸着分離が可能であると考えられる。
【0098】
3.3 EDTSCによるパラジウム(II)の吸着等温線
各温度におけるEDTSCによるパラジウム(II)の吸着等温線の測定を行った。その結果を図12に示す。結果より、すべての吸着等温線をそれぞれLangmuirの式に基づいてプロットし、得られた直線よりパラジウム(II)の飽和吸着量(qm)およびLangmuir定数(KL)をそれぞれ求めた。結果を表3に示す。すべての温度において飽和吸着量およびLangmuir定数ともにほぼ等しい値となった。EDTSCによるパラジウム(II)の飽和吸着量は2.4 mol kg-1であり、Langmuir定数は温度の増加に伴ってわずかな減少が確認された。
【0099】
パラジウム(II)の吸着にエンタルピーとエントロピーがどのように関与しているかについて検討した。エンタルピーが温度に依存せず一定であると仮定すると、自由エネルギー(ΔG)、エンタルピー(ΔH)およびエントロピー(ΔS)は以下の式によって計算できる。Tは温度[T]、Rは気体定数 [J K-1mol-1]である。
【0100】
【数2】


【0101】
式(1)によって得られた直線の傾きによりΔHを導出し、式(2)および(3)によりΔG、ΔSをそれぞれ導出した。得られた結果を表3にそれぞれ示す。これら熱力学的パラメーターより、塩酸溶液からのEDTSCによるパラジウム(II)の吸着は、ほぼエントロピーによって支配されていると考えられる。したがって、EDTSCによるパラジウム(II)の吸着メカニズムは、EDTSCが有するジチオエーテルによるキレート吸着によって、安定な5員環キレート錯体が形成されることによると考えられる。
【0102】
【表3】


【0103】
3.4 EDTSCによる塩酸溶液からのパラジウム(II)の吸着速度
初めに水素イオン濃度を一定にしたときの吸着速度に及ぼす塩化物イオン濃度の影響について検討した。図13に擬一次速度定数に及ぼす塩化物イオン濃度の影響を示す。低塩化物イオン濃度領域において、擬一次速度定数に対する塩化物イオンの影響はほとんど見られなかった。しかしながら、高塩化物イオン濃度領域においては、塩化物イオン濃度の増加に伴って擬一次速度定数は減少した。その減少から傾き-1の直線が得られた。
【0104】
擬一次速度定数に及ぼす水素イオン濃度の影響を図14に示す。低塩化物イオン濃度および高塩化物イオン濃度領域において、擬一次速度定数に対する水素イオンの影響はほとんど見られなかった。この結果より、EDTSCによるパラジウム(II)の吸着速度において、水素イオンは関与しないことが明らかとなった。
【0105】
擬一次速度定数に及ぼす攪拌速度の影響を図15に示す。高塩酸濃度領域において、擬一次速度定数に及ぼす攪拌速度の影響はほとんど確認されなかった。一方、低塩酸濃度領域においては攪拌速度の影響が顕著に現れ、攪拌速度の増加に伴って擬一次速度定数は増加した。
【0106】
以上の結果より、擬一次速度定数は低塩酸濃度領域では攪拌速度に依存し、また高塩酸濃度領域においては塩化物イオン濃度の増加に伴い-1次の依存性を示すこと明らかとなった。このことから、塩酸溶液からのEDTSCによるパラジウム(II)の吸着は、低塩酸濃度領域において流体境膜内の物質移動速度が律速となり、また高塩酸濃度領域においては反応律速になると考えられる。
【0107】
擬一次速度定数に及ぼす塩化物イオン濃度の依存性より、吸着反応の律速段階を以下のように考えた。
【0108】
【数3】


一方、塩化物溶液中のパラジウム(II)イオンは以下のように錯体を形成する。
【0109】
【数4】


【0110】
ここで、βiは塩化物イオンとパラジウム(II)イオンとの全安定度定数であり、β1=104.7 [kmol m-3]-1、β2=107.7[kmol m-3]-2、β3=1010.3 [kmol m-3]-3およびβ4=1011.9[kmol m-3]-4である。
【0111】
以上の平衡関係より式(1)は以下のように表すことができる。
【0112】
【数5】


擬定常状態を仮定すると流体境膜内の物質移動速度JMはR0と等しい。
【0113】
【数6】


初速度R0を溶液中のバルク相におけるパラジウム(II)イオン濃度についての擬一次式と仮定すると、擬一次速度定数k1[s-1]は
【0114】
【数7】


【0115】
実験結果図13から非線形最小二乗法により、反応速度定数kR= 0.25 [s-1]および流体境膜内物質移動容量係数apkM = 0.80×10-2[s-1]が得られた。式(4)に基づいた計算線と実験点を同時に図13 および図14に示す。計算線は実験点とよく一致したことから、塩酸溶液からのEDTSCによるパラジウム(II)の吸着は低塩酸濃度領域において流体境膜内の物質移動速度が律速となり、また高塩酸濃度領域においては反応律速になることが明らかとなった。したがって、大きな貫通孔によって粒子内拡散抵抗が減少し、吸着速度が増大したことが確認された。
【0116】
3.5 EDTSC充填カラムを用いたパラジウム(II)高速回収システムの構築
各空間速度における吸着破過曲線を図16にそれぞれ示す。QS= 111 hour-1の場合、ベッド体積に対して約1800倍と非常に多量なパラジウム(II)溶液の処理が可能であった。通常、固定相吸着における空間速度は0.5-10 hour-1程度で行われることが多い。これと比較するとEDTSCは非常に迅速なクロマト分離が可能であることが分かる。QS = 111 hour-1における総交換容量qmを図上積分により求めた結果、qm = 1.68 mol kg-1であった。これは、上述したように従来の10-100倍の空間速度で吸着および濃縮が十分に行われていることを示している。
【0117】
チオ尿素溶液を用いたパラジウム(II)飽和EDTSC充填カラムからのパラジウム(II)の回収結果を図17に示す。QS = 112 hour-1で0.1 mol dm-3チオ尿素溶液を用いた場合は、流速が非常に速いにも関わらずパラジウム(II)溶液の約160倍と非常に高い濃縮が可能であった。脱離率は96%であった。
【0118】
4. 結言
超多孔性キトサン誘導体EDTSCは貴金属であるパラジウム(II)、金(III)および白金(IV)の選択的吸着分離が可能であることが示された。EDTSCによるパラジウム(II)の吸着速度は、大きな孔の効果によって粒子内拡散抵抗が減少し、迅速な吸着速度を示すことが明らかとなった。従来の多孔性吸着剤の律速段階とは異なったことにより、パーフュージョンクロマトグラフィー用の吸着剤として利用できることが示された。EDTSC充填カラムはその吸着速度の速さにより、非常に迅速かつ高選択的なパラジウム(II)のクロマト分離が可能であり、また吸着分離したパラジウム(II)を非常に高濃度に濃縮して回収できることが明らかとなった。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】キトサンからEDTCを調製する反応スキームを示す図である。
【図2】キトサンからEDTSCを調製する反応スキームを示す図である。
【図3】各塩酸濃度における、EDTCによるパラジウム(II)及び金(III)の吸着率を架橋キトサンと比較した図である。
【図4】各塩酸濃度における、EDTSCによるパラジウム(II)及び金(III)の吸着率を架橋キトサンと比較した図である。
【図5】各塩酸濃度における、EDTCによる各種金属イオンの吸着率を架橋キトサンと比較した図である。
【図6】各塩酸濃度における、EDTSCによる各種金属イオンの吸着率を架橋キトサンと比較した図である。
【図7】超多孔性キトサン微粒子(OWOC)の調製スキームを示す図である。
【図8】スペーサーを介した1,2-エタンジチオール固定化キトサン(EDTSC)の走査型電子顕微鏡像である((a)は微粒子の表面、(b)は微粒子の断面)。
【図9】EDTSCの細孔分布を示す図である。
【図10】EDTSCの粒度分布を示す図である。測定粒子数=700。
【図11】EDTSCによる各濃度の塩酸溶液からの各金属イオンの吸着結果を示す図である。
【図12】EDTSCによる0.1mol/dm3塩酸溶液からの各温度におけるパラジウム(II)の吸着等温線の測定結果を示す図である。
【図13】擬一次速度定数に及ぼす塩化物イオン濃度の影響を示す図である。
【図14】擬一次速度定数に及ぼす水素イオン濃度の影響を示す図である。
【図15】擬一次速度定数に及ぼす攪拌速度の影響を示す図である。
【図16】各空間速度におけるEDTSC上でのパラジウム(II)の吸着破過曲線を示す図である。
【図17】パラジウム(II)飽和EDTSC充填カラムからのパラジウム(II)の回収結果を示す図である。
【出願人】 【識別番号】803000078
【氏名又は名称】株式会社みやざきTLO
【出願日】 平成19年8月8日(2007.8.8)
【代理人】 【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔

【識別番号】100096183
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 貞次

【識別番号】100118773
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 節

【識別番号】100101904
【弁理士】
【氏名又は名称】島村 直己

【識別番号】100130443
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 真治


【公開番号】 特開2008−95072(P2008−95072A)
【公開日】 平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願番号】 特願2007−206959(P2007−206959)