トップ :: C 化学 冶金 :: C08 有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物

【発明の名称】 光重合性官能基を持たない光化学的に架橋した多糖類誘導体類
【発明者】 【氏名】エリック・フランコト

【氏名】ツァン・トン

【要約】 【課題】実質的に、エナンチオマーのクロマトグラフィー分離用の担体材として使用できる、架橋する前には光重合性官能基を含有しない光化学的に架橋した多糖類誘導体類を提供すること。

【解決手段】OH基がOR基として、エステル化されているか、またはカルバメート(ウレタン)またはその混合物へと変換されているが、ただし、OR基は架橋する前には重合性二重結合を含有しない、光化学的に架橋した多糖類誘導体類により解決される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
OH基がOR基として、エステル化されているか、またはカルバメート(ウレタン)またはその混合物へと変換されているが、ただし、OR基は架橋する前には重合性二重結合を含有しない、光化学的に架橋した多糖類誘導体。
【請求項2】
OH基がOR基として、非置換または置換アリール、アリールアルキル、ヘタリールまたはヘテラリールアルキルエステルへと、または非置換または置換アリール、アリールアルキル、ヘタリールまたはヘタリールアルキルカルバメート(ウレタン)またはその混合物へと変換されているが、ただし、OR基は架橋する前には重合性二重結合を含有しない、光化学的に架橋した多糖類誘導体。
【請求項3】
OH基がOR基として、非置換または置換アリールまたはアリールアルキルエステルへと、または非置換または置換アリールまたはアリールアルキルカルバメートまたはそれらの混合物へと変換されているが、ただし、OR基は架橋する前には重合性二重結合を含有しない、光化学的に架橋した多糖類誘導体。
【請求項4】
OH基がOR基として、アリールまたはアリールアルキルエステルまたはアリールまたはアリールアルキルカルバメートへと変換されており、そのエステルまたはカルバメートは非置換であるか、または低級アルキルおよび/またはハロゲン、またはその混合物によりモノまたはポリ置換されているが、ただし、OR基は架橋する前には重合性二重結合を含有しない、光化学的に架橋したセルロースまたはアミロース誘導体。
【請求項5】
OH基がOR基として、フェニルまたはベンジルエステルまたはフェニルまたはベンジルカルバメートへと変換されており、そのエステルまたはカルバメートは非置換であるか、または低級アルキルおよび/またはハロゲン、またはその混合物によりモノまたはポリ置換されているが、ただし、OR基は架橋する前には重合性二重結合を含有しない、光化学的に架橋したセルロースまたはアミロース誘導体。
【請求項6】
OH基がOR基として、エステル化されているか、またはカルバメートへと変換されいる多糖類誘導体を、予め支持体上にコーティングした後か、または予めエマルションを用いて純粋な物質として状態調節した後に、(hv)−照射により架橋させて、請求の範囲第1項に記載の化合物を形成させる、請求の範囲第1項に記載の光化学的に架橋した多糖類誘導体の製法。
【請求項7】
OH基がOR基として、非置換または置換アリール、アリールアルキル、ヘタリールまたはヘテラリールアルキルエステルへと、または非置換または置換アリール、アリールアルキル、ヘタリールまたはヘタリールアルキルカルバメートへと変換されている多糖類誘導体を、予め支持体上にコーティングした後か、または予めエマルションを用いて純粋な物質として状態調節した後に、(hv)−照射により架橋させて、請求の範囲第2項に記載の化合物を形成させる、請求の範囲第6項に記載の方法。
【請求項8】
OH基がOR基として、非置換または置換アリールまたはアリールアルキルエステルへと、または非置換または置換アリールまたはアリールアルキルカルバメートへと変換されている多糖類誘導体を、予め支持体上にコーティングした後か、または予めエマルションを用いて純粋な物質として状態調節した後に、(hv)−照射により架橋させて、請求の範囲第3項に記載の化合物を形成させる、請求の範囲第6項に記載の方法。
【請求項9】
OH基がOR基として、非置換であるか、または低級アルキルおよび/またはハロゲンによりモノまたはポリ置換されているアリールまたはアリールアルキルエステルへと、または非置換であるか、または低級アルキルおよび/またはハロゲンによりモノまたはポリ置換されているアリールまたはアリールアルキルカルバメートへと変換されているセルロースまたはアミロース誘導体を、予め支持体上にコーティングした後か、または予めエマルションを用いて純粋な物質として状態調節した後に、(hv)−照射により架橋させて、請求の範囲第4項に記載の化合物を形成させる、請求の範囲第6項に記載の方法。
【請求項10】
OH基がOR基として、非置換であるか、または低級アルキルおよび/またはハロゲンによりモノまたはポリ置換されているフェニルまたはベンジルエステルへと、または非置換であるか、または低級アルキルおよび/またはハロゲンによりモノまたはポリ置換されているフェニルまたはベンジルカルバメートへと変換されているセルロースまたはアミロース誘導体を、予め支持体上にコーティングした後か、または予めエマルションを用いて純粋な物質として状態調節した後に、(hv)−照射により架橋させて、請求の範囲第5項に記載の化合物を形成させる、請求の範囲第6項に記載の方法。
【請求項11】
架橋が、浸漬性水銀灯による照射により遂行される、請求の範囲第6項ないし10項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
架橋が、レーザーランプによる照射により遂行される、請求の範囲第6項ないし10項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
架橋が、光増感剤の存在下で遂行される、請求の範囲第6項ないし10項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
コーティングのために使用される支持体が、シリカゲル、修飾シリカゲル、酸化アルミニウム(アルミナ)、ガラス、グラファイトまたは酸化ジルコニウムである、請求の範囲第6項ないし10項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
懸濁液の調製に不活性溶媒を使用する、請求の範囲第6項ないし10項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
クロマトグラフィー操作における、特に、エナンチオマー分離用の、固定相としての、請求の範囲第1項ないし5項のいずれか1項に記載の光化学的に架橋した多糖類誘導体の使用。
【請求項17】
多種多様な応用のための膜の製造用材料としての、請求の範囲第1項ないし5項のいずれか1項に記載の光化学的に架橋した多糖類誘導体の使用。
【請求項18】
様々な材料、例えば、木材、紙、プラスチックおよび金属上の被膜の調製における、請求の範囲第1項ないし5項のいずれか1項に記載の光化学的に架橋した多糖類誘導体の使用。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、実質的に、エナンチオマーのクロマトグラフィー分離用の担体材として使用できる、架橋する前には光重合性官能基を含有しない光化学的に架橋した多糖類誘導体類に関する。
【背景技術】
【0002】
K.Kimata等は、Anal.Methods and Instrumentation,Vol 1,(1993)23に、溶媒に対して安定であり、かつセルロースビニルベンゾエートの重合化により得られるキラル担体材の製造を記載している。セルロースからなる化学的に結合した固定相を、そのキラル選択性および溶媒に対する安定性について非重合化類似相と比較すると、化学的に結合したセルロースでは有機溶媒に対する安定性の増大およびキラル選択性の僅かな減少が観測される。
【0003】
C.Oliveros等は、J.Liquid Chromatogr.,18(1995)1521に、支持体上に固定化させた3,5−ジメチルフェニルカルバメートセルロースからなる固定相を記載している。得られたキラル固定相は、例えば支持体、例えばシリカゲル上に固定化させることができ、その場合、慣用の溶媒に対して抵抗性である。この研究に採用された固定化法は、従来技術から既知のものである(例えば、米国特許第1 690 620号)。
【0004】
DE-A-2 422 365は、無水物含有基を持ち、かつ機械的に有効な光により、保護プリント化合物として適した、または版面の保護プリント鋳型の製造に適した耐性物質へと変換される、光重合化に適した重合体を開示している。それをエナンチオマーのクロマトグラフィー分離用の担体材として使用することについては何等記載がない。
【0005】
N.R.Bertoniere等は、J.Appl.Polymer Sci.,Vol 15(1971)1743に、桂皮酸エステル(シンナモイル基)含有綿織物を記載しており、これは、ある種の波長(2573A)の光を照射すると、まず異性化し、次いで、二量体化して、トルキシリン酸とトルキシン酸の誘導体を形成するが、光化学反応は実質的に織物表面上のみで起こる。
【0006】
2つの米国特許明細書第2 682 481号および第2 682 482号は、不飽和官能基を持つ可溶性炭化水素、特にセルロース誘導体類を過酸化物触媒と共に加熱し、二量体化または更に架橋することにより、不溶性表面を有する成形品へと変換できる方法を開示している。
【0007】
H.Engelmann等は、Staatliches Forschungsinstitut fuer makromolekulare Chemie,Freiburg i.Breisgau,(1957),233により発行された刊行物に、セルローストリクロトネートおよびセルロースアセトクロトネートの製法、および酸素または光との架橋およびハロゲンおよびジアミンの付加におけるその生成物の反応を記載している。得られた全ての生成物は、クロトニル含量が非常に低いものも含み、この場合、有機溶媒に不溶性であることが指摘されている。エナンチオマーのクロマトグラフィー分離用の担体材としての安定性についての指摘はない。
【0008】
引用した全ての刊行物において、使用された出発物質は架橋用の重合性基を含有しており、即ち、架橋が1またはそれ以上の二重結合の重合化により遂行されている。
【発明の開示】
【0009】
本発明は、OH基がOR基として、エステル化されているか、またはカルバメート(ウレタン)またはその混合物へと変換されているが、ただし、OR基は架橋する前には重合性二重結合を含有しない、光化学的に架橋した多糖類誘導体類に関する。
【0010】
本発明は、特に、OH基がOR基として、非置換または置換アリール、アリールアルキル、ヘタリール(hetaryl)またはヘテラリールアルキル(heterarylalkyl)エステルへと、または非置換または置換アリール、アリールアルキル、ヘタリールまたはヘタリールアルキルカルバメート(ウレタン)またはその混合物へと変換されているが、ただし、OR基は架橋する前には重合性二重結合を含有しない、光化学的に架橋した多糖類誘導体類に関する。
【0011】
特に重要なのは、OH基がOR基として、非置換または置換アリールまたはアリールアルキルエステルへと、または非置換または置換アリールまたはアリールアルキルカルバメートまたはそれらの混合物へと変換されているが、ただし、OR基は架橋する前には重合性二重結合を含有しない、光化学的に架橋した多糖類誘導体類である。
また、OH基がOR基として、アリールまたはアリールアルキルエステルもしくはアリールまたはアリールアルキルカルバメートへと変換されており、そのエステルまたはカルバメートは非置換であるか、または低級アルキルおよび/またはハロゲン、またはその混合物によりモノまたはポリ置換されているが、ただし、OR基は架橋する前には重合性二重結合を含有しない、光化学的に架橋したセルロースまたはアミロース誘導体類が特に重要である。
【0012】
さらに特別重要なのは、OH基がOR基として、フェニルまたはベンジルエステルまたはフェニルまたはベンジルカルバメートへと変換されており、そのエステルまたはカルバメートは非置換であるか、または低級アルキルおよび/またはハロゲン、またはその混合物によりモノまたはポリ置換されているが、ただし、OR基は重合性二重結合を含有しない、光化学的に架橋したセルロースまたはアミロース誘導体類である。
【0013】
OH基のOR基へのエステル化またはカルバメート変換では、OH基の水素を式R'−C(=O)−のアシル基に、またはカルバミン酸R'−NH−C(=O)−のアシル基に代える。
【0014】
上記および下記において、低級基および低級化合物類は、炭素原子(C原子)を例えば、7個まで、好ましくは4個まで有するものであると理解される。
【0015】
多糖類は、例えば、セルロース、アミロース、キトサン、デキストリン、キシランおよびカードラン、キチンおよびイヌリンであり、これは、高純度の多糖類として得ることができる。重合化度(ピラノースおよびフラノース環の数)が少なくとも5である多糖類の使用が好ましく、特に、操作の容易さを確保するためには、少なくとも10のものが好ましい。
【0016】
低級アルキルは、例えば、メチル、エチル、プロピルまたはブチルなどのC−Cアルキルであり、これは、非置換であってもよく、またはフッ素または塩素などのハロゲンにより置換されていてもよく、例えば、トリフルオロメチルまたはトリクロロメチルである。
【0017】
アリール自体は、例えば、フェニルまたはナフチル、例えば1−または2−ナフチル、または置換フェニルまたはナフチル、例えば、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、ハロゲンによりおよび/またはシアノにより置換されているフェニルまたはナフチルである。
【0018】
アリールは、好ましくは、上記のように非置換かまたは置換されているフェニルであり、特にフェニルである。
【0019】
アリールアルキルは、好ましくは、アリール低級アルキル、特に、フェニル低級アルキル、より具体的には、フェニルエチルまたはベンジルである。
【0020】
低級アルコキシは、例えば、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、またはtert−ブトキシであり、好ましくはエトキシであり、特にメトキシである。
低級アルカノイルオキシは、例えば、プロピオニルオキシまたはピバロイルオキシであり、好ましくはアセチルオキシである。
【0021】
ハロゲンは、例えば、塩素またはフッ素であり、また臭素およびヨウ素である。
ハロ低級アルキルは、例えば、2−または3−ハロ−低級アルキルであり、例えば、2−ハロプロピル、3−ハロプロピル、または3−ハロ−2−メチル−プロピルである。
【0022】
ヘタリール(Hetaryl)は、特に、芳香族種の単環式、更には二環式または多環式基であると理解される。二環式および多環式ヘタリールは、多くの複素環式環または好ましくは複素環と1またはそれ以上、例えば、1または2つの、特に1つの縮合炭素環式環、特にベンゾ環から構成され得る。個々の環それぞれは、例えば、3、5、6、7個の環構成員および特に5または6個の環構成員を含有する。ヘタリールは、特に、アザ−、チア−、オキサ−、チアザ−、チアジアザ−、オキサザ−、ジアザ−、またはテトラザ−環式基である。
【0023】
ヘタリールは、特に、単環式モノアザ−、モノチア−またはモノオキサ−環式基、例えば、ピリル、例えば、2−ピリルまたは3−ピリル、ピリジル、例えば、2−、3−、または4−ピリジル、チエニル、例えば、2−または3−チエニル、またはフリル、例えば、2−フリル;二環式モノアザ−、モノオキサ−またはモノチア−環式基、例えば、インドリル、例えば、2−または3−インドリル、キノリニル、例えば、2−または4−キノリニル、イソキノリニル、例えば、1−イソキノリニル、ベンゾフラン、例えば、2−または3−ベンゾフラニル、またはベンゾチエニル、例えば、2−または3−ベンゾチエニル;単環式ジアザ−、トリアザ−、テトラアザ−、オキサザ−、チアザ−、またはチアジアザ−環式基、例えば、イミダゾリル、例えば、2−イミダゾリル、ピリミジニル、例えば、2−または4−ピリミジニル、トリアゾリル、例えば、1,2,4−トリアゾル−3−イル、テトラゾリル、例えば、1−または5−テトラゾリル、オキサゾリル、例えば、2−オキサゾリル、イソオキサゾリル、例えば、3−または4−イソオキサゾリル、チアゾリル、例えば、2−チアゾリル、イソチアゾリル、例えば、3−または4−イソチアゾリル、または1,2,4−または1,3,4−チアジアゾリル、例えば、1,2,4−チアジアゾル−3−イルまたは1,3,4−チアジアゾル−2−イル、または二環式ジアザ−、オキサザ−またはチアザ−環式基、例えば、ベンズイミダゾリル、例えば、2−ベンズイミダゾリル、ベンゾキサゾリル、例えば、2−ベンゾキサゾリル、またはベンズチアゾリル、例えば、2−ベンズチアゾリルである。
【0024】
ヘタリール基は、非置換であるかまたは置換基を持つ。環上炭素原子での適切な置換基は、例えば、上記アリール基のところで記載した置換基とさらにオキソ(=O)である。環上窒素原子は、例えば、低級アルキル、アリール低級アルキル、低級アルカノイル、ベンジル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシにより、またはオキシド(−O)により置換され得る。ヘタリールは、特に、ピリジル、チエニル、ピリルまたはフリルである。
【0025】
ヘタリールアルキル基は、上記のヘタリール基と前記のアルキル基、特に低級アルキル基から構成される。ヘタリール低級アルキルは、特に、ピリジル−、チエニル、ピリル−またはフリル−メチルである。
【0026】
本発明の化合物類は、次のとおりに製造する:OH基がOR基として、エステル化されているか、またはカルバメートへと変換されいる多糖類誘導体類を、予め支持体上にコーティングした後か、または予めエマルションを用いて純粋な物質として状態調節した後に、(hv)−照射により架橋させて、本発明の化合物類を形成させる。
【0027】
架橋は、様々な波長の照射エネルギーを供給することにより、例えば、レーザービームにより、または好ましくは常用の浸漬性(submersible)水銀灯を用いる照射により、実施できる。照射に適した懸濁剤は、例えば、不活性溶媒、例えば、炭化水素類、例えば、ヘキサンまたはメタノール、エタノール、プロパノールまたはイソプロパノールまたはそれらの水性混合物などの低級アルカノール、エーテル性溶媒、例えば、ジエチルエーテル、または四塩化炭素、またはアセトニトリルである。
【0028】
光化学的架橋は、所望により、光増感剤の存在下、例えば、チオキサントンの存在下で実施してもよい。
支持体として、二酸化シリコン、例えば、シリカゲルまたは修飾シリカゲル、特に、アミノシラン化シリカゲル、ガラス、さらには酸化アルミニウム(アルミナ)、グラファイトまたは酸化ジルコニウム(ジルコニア)を使用することができる。
【0029】
出発物質として使用した、OH基がOR基として、エステル化されているか、またはカルバメート(ウレタン)へと変換される多糖類は、多糖類化合物の遊離のOH基をエステル化するか、またはそれらをカルバメート(ウレタン)へと変換することにより、製造する。
【0030】
エステル化およびカルバメート形成は、イソシアナートまたは反応性機能的カルボン酸誘導体との反応による、それ自体既知の方法で実施する。
【0031】
例えば、エステル化は、非置換または置換ベンゾイルハライド類、特に、ベンゾイルクロリド、対応するカルボン酸無水物または対応するカルボン酸の混合物、および適切な脱水剤を用いて遂行できる。
【0032】
エステル化する場合、エステル化を妨害しないあらゆる不活性溶媒を使用することができ、触媒、例えば、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジンのような第3級アミンの添加も有用である。
【0033】
カルバメート形成は、普通、適切な触媒の存在下、適切なイソシアナートとの反応により実施する。触媒として、ルイス塩基、例えば、第3級アミン、あるいはルイス酸、例えば、スズ化合物、例えば、ジブチルスズジラウレートを使用することができる。
【0034】
反応は、好ましくは、同時に溶媒として働く第3級塩基の存在下、例えば、ピリジンまたはキノリンの存在下で実施するが、反応促進物質である4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジンを第3級塩基として使用することも好ましい。
【0035】
OH基をエステル化またはカルバメート形成により対応するOR基に変換する場合、特に、非置換または置換ベンゾイルクロリドまたはフェニルイソシアナートを使用する。
【0036】
好ましくは、クロロまたはメチル置換フェニルイソシアナートまたはベンゾイルクロリドを使用して、メチル基および塩素原子をお互いに対してメタ位またはオルソ位に配置することができる。
【0037】
本発明の光化学的に架橋したポリサッカライド誘導体類は、エナンチオマーのクロマトグラフィー分離用のキラル担体として使用する。
【0038】
予期に反して、本発明の方法によれば、光重合性官能基を持たない多糖類誘導体を、溶媒に対する高度の安定性を達成しつつ、固定化することができる。意外にも、高分離能は、固定化後も十分に保持されている。
【0039】
この固定化により、例えば、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、クロロホルム、ジオキサン、または酢酸エチルを含有し、かつ非固定化多糖類誘導体類を溶解する移動相の使用が可能になる。
【0040】
このような移動相の使用は、非常に多くのラセミ化合物のエナンチオマー分離においてより良い結果をもたらし、また、難溶性試料の溶解を可能にする。
【0041】
状態調節した形態の本発明の光化学的に架橋した多糖類もまた、エナンチオマーのクロマトグラフィー分離用の純粋な重合体として使用できる。
【0042】
更に考えられる応用は、木材、紙、プラスチックおよび金属などの様々な材料上の被膜の形成における架橋した多糖類誘導体の使用である。該被膜は光構築することもできる。
【0043】
本発明の光化学的に架橋した多糖類は、多種多様な応用のための様々な膜の製造用材料としても使用できる。
【0044】
様々なクロマトグラフィーエナンチオマー分離については、製造の部(実施例)の後により詳細に記載および説明する。
【0045】
下記の実施例(出発物質および中間体の製造を含む)は、本発明の例示説明およびより良い理解のために与える。温度はセ氏であり、(特記しない限り)圧力はバールである。
【実施例】
【0046】
実施例1
セルローストリベンゾエート(既知の方法:Chirality,3(1991)43に従い製造)1.53gを塩化メチレン60mlに溶解する。アミノシラン化シリカ(Nucleosil-4000、粒子サイズ10μm、Macherey-Nagelから既知の方法に従い製造)4gをその溶液に懸濁する。次いで、懸濁液を回転エバポレーターで濃縮し、高度真空下で乾燥させる。
【0047】
固定化
コーティングした物質5gをメタノール100mlおよび水400mlの混合物に懸濁し、撹拌する。懸濁液を浸漬性水銀灯(Philips、HPK-125ワット、石英被包)で20時間照射する。懸濁液を濾過し、フィルター・ケーキをメタノールで洗浄し、乾燥させる。非固定化物質を除去するために、次いで、照射生成物をソックスレー抽出器にて16時間塩化メチレンで抽出する。不溶性残渣を塩化メチレン約30mlに懸濁し、約30分間撹拌する。次いで、ヘキサン300mlを加える(添加速度:1ml/分)。生成物を濾過して単離し、ヘキサンで洗浄する。
元素分析:C 6.20%。
【0048】
実施例2
実施例1と同様にして、アミノシラン化シリカ4.0gをセルローストリス(4−メチルベンゾエート)(既知の方法:J.Chromatogr.,595(1992)63に従い製造する)1.53gでコーティングする。セルロース誘導体の光化学的固定化は、実施例1と同様に、メタノール100mlおよび水300mlの混合物中で行う。塩化メチレンでの抽出による非固定化物質の除去およびヘキサンでの処理による再状態調節もまた、同様に実施する。
元素分析:C 16.97%。
【0049】
実施例3
セルローストリス(4−メチルベンゾエート)ビーズ(既知の方法:J.Chromatogr.,595(1992)63に従い製造する)3.0gをメタノール100mlおよび水400mlの混合物に懸濁し、撹拌する。懸濁液を浸漬性水銀灯(Philips、HPK-125ワット、石英被包)で20時間照射する。懸濁液を濾過し、フィルター・ケーキをメタノールで洗浄し、乾燥させる。次いで、固形物質をソックスレー抽出器にて16時間塩化メチレンで抽出する。不溶性残渣を塩化メチレン約30mlに懸濁し、約30分間撹拌する。次いで、ヘキサン300mlを加える(添加速度:1ml/分)。生成物を濾過して単離し、ヘキサンで洗浄する。
【0050】
実施例4
実施例1と同様にして、アミノシラン化シリカ4.0gをセルローストリス(3−メチルベンゾエート)(既知の方法:J.Chromatogr.,595(1992)63に従い製造する)1.53gでコーティングする。セルロース誘導体の光化学的固定化は、実施例1と同様に、メタノール150mlおよび水300mlの混合物中で行う。塩化メチレンでの抽出による非固定化物質の除去およびヘキサンでの処理による再状態調節もまた、同様に実施する。
元素分析:C 15.83%。
【0051】
実施例5
実施例1と同様にして、アミノシラン化シリカ4.0gをセルローストリス(2−メチルベンゾエート)(既知の方法:J.Chromatogr.,595(1992)63に従い製造する)1.53gでコーティングする。セルロース誘導体の光化学的固定化は、実施例1と同様に、メタノール100mlおよび水400mlの混合物中で行う。塩化メチレンでの抽出による非固定化物質の除去およびヘキサンでの処理による再状態調節もまた、同様に実施する。
元素分析:C 11.66%。
【0052】
実施例6
実施例1と同様にして、アミノシラン化シリカ4.0gをセルローストリス(4−メチルベンゾエート)(既知の方法:J.Chromatogr.,595(1992)63に従い製造する)1.53gでコーティングする。セルロース誘導体の光化学的固定化は、実施例1と同様に、メタノール200mlおよび水300mlの混合物中で行う。塩化メチレンでの抽出による非固定化物質の除去およびヘキサンでの処理による再状態調節もまた、同様に実施する。
元素分析:C 19.24%。
【0053】
実施例7
実施例1と同様にして、アミノシラン化シリカ4.0gをセルローストリス(4−tert−ブチルベンゾエート)(既知の方法:J.Chromatogr.,595(1992)63に従い製造する)1.53gでコーティングする。セルロース誘導体の光化学的固定化は、実施例1と同様に、メタノール100mlおよび400mlの混合物中で行う。塩化メチレンでの抽出による非固定化物質の除去およびヘキサンでの処理による再状態調節もまた、同様に実施する。
元素分析:C 4.41%。
【0054】
実施例8
実施例1と同様にして、アミノシラン化シリカ4.0gをセルローストリス(4−フルオロベンゾエート)(既知の方法:J.Chromatogr.,595(1992)63に従い製造する)1.53gでコーティングする。セルロース誘導体の光化学的固定化は、実施例1と同様に、メタノール150mlおよび250mlの混合物中で行う。塩化メチレンでの抽出による非固定化物質の除去およびヘキサンでの処理による再状態調節もまた、同様に実施する。
【0055】
実施例9
実施例1と同様にして、アミノシラン化シリカ4.0gをセルローストリス(2,5−ジクロロベンゾエート)(既知の方法:J.Chromatogr.,595(1992)63に従い製造する)1.53gでコーティングする。セルロース誘導体の光化学的固定化は、実施例1と同様に、メタノール150mlおよび250mlの混合物中で行う。塩化メチレンでの抽出による非固定化物質の除去およびヘキサンでの処理による再状態調節もまた、同様に実施する。
元素分析:C 12.38%;Cl 7.73%。
【0056】
実施例10
セルローストリス(フェニルカルバメート)(既知の方法:J.Chromatogr.,363(1986)173に従い製造する)2.4gをテトラヒドロフラン36mlに溶解する。得られた溶液を3部に分ける。アミノシラン化シリカ(Nucleosil-4000、粒子サイズ10μm、Macherey-Nagel)5.5gを続いてその3部と混合し、次いで、回転エバポレーターで濃縮する。真空乾燥後、生成物7.5gを単離する。
【0057】
固定化:
その物質5.0gをヘキサン(異性体混合物)300mlに懸濁し、撹拌する。懸濁液を浸漬性水銀灯(Philips、HPK-125ワット、石英被包)で24時間照射する。沈澱を濾取し、ヘキサンで洗浄し、乾燥させる。収量:4.9g。この生成物をソックスレー抽出器にて17時間テトラヒドロフランで抽出する。不溶性残渣をテトラヒドロフラン約30mlに懸濁し、ヘキサン300mlを加える(添加速度:1.2ml/分)。生成物を濾過して単離し、ヘキサンで洗浄する(3.4g)。
【0058】
実施例11
セルローストリス(フェニルカルバメート)(既知の方法:J.Chromatogr.,363(1986)173に従い製造する)1.2gをテトラヒドロフラン18mlに溶解する。得られた溶液を3部に分ける。アミノシラン化シリカ(Nucleosil-4000、粒子サイズ10μm、Macherey-Nagel)2.75gを続いてその3部と混合し、次いで、回転エバポレーターで濃縮する。真空乾燥後、生成物3.7gを単離する。
【0059】
固定化:
その物質3.7gをチオキサントン37mgと共にヘキサン(異性体混合物)300mlに懸濁し、撹拌する。懸濁液を浸漬性水銀灯(Philips、HPK-125ワット、石英被包)で24時間照射する。沈澱を濾取し、ヘキサンで洗浄し、乾燥させる。収量:3.62g。この生成物をソックスレー抽出器にて17時間テトラヒドロフランで抽出する。不溶性残渣をテトラヒドロフラン約30mlに懸濁し、ヘキサン300mlを加える(添加速度:1.2ml/分)。生成物を濾過して単離し、ヘキサンで洗浄する。収量3.2g。
元素分析:C 15.53%;H 1.26%;N 1.89%。
【0060】
実施例12
セルローストリス(3,5−ジメチルフェニルカルバメート)(既知の方法:J.Chromatogr.,363(1986)173に従い製造する)1gをテトラヒドロフラン13.9mlに溶解する。得られた溶液を3部に分ける。アミノシラン化シリカ(Nucleosil-4000、粒子サイズ7μm、Macherey-Nagel)2.3gを続いてその3部と混合し、次いで、回転エバポレーターで濃縮する。真空乾燥後、生成物3.1gを単離する。
【0061】
固定化:
その物質3.1gをヘキサン(異性体混合物)250mlに懸濁し、撹拌する。懸濁液を浸漬性水銀灯(Philips、HPK-125ワット、石英被包)で24時間照射する。沈澱を濾取し、ヘキサンで洗浄し、乾燥させる。収量:3.03g。この生成物をソックスレー抽出器にて17時間テトラヒドロフランで抽出する。不溶性残渣をテトラヒドロフラン約30mlに懸濁し、ヘキサン300mlを加える(添加速度:1.2ml/分)。生成物を濾過して単離し、ヘキサンで洗浄する(2.6g)。
元素分析:C 13.64%;H 1.27%;N 1.43%。
【0062】
実施例13
セルローストリス(3,5−ジメチルフェニルカルバメート)ビーズ(既知の方法に従い製造する)7.5gをチオキサントン150mgと共にヘキサン(異性体混合物)300mlに懸濁し、撹拌する。懸濁液を浸漬性水銀灯(Philips、HPK-125ワット、石英被包)で24時間照射する。懸濁液を濾過し、フィルター・ケーキをイソプロパノールおよびヘキサンで洗浄し、乾燥させる。次いで、固形物質をソックスレー抽出器にて16時間テトラヒドロフランで抽出する。不溶性残渣をテトラヒドロフラン約70mlに懸濁し、約30分間撹拌する。その後、ヘキサン500mlを加える(添加速度:1ml/分)。生成物を濾過して単離し、ヘキサンで洗浄する。
【0063】
実施例14
セルローストリス(4−メチルフェニルカルバメート)(既知の方法:J.Chromatogr.,363(1986)173に従い製造する)2.83gをテトラヒドロフラン50mlに溶解する。得られた溶液を3部に分ける。アミノシラン化シリカ(Nucleosil-4000、粒子サイズ10μm、Macherey-Nagel)8.5gを続いてその3部と混合し、次いで、回転エバポレーターで濃縮する。真空乾燥後、生成物1.1gを単離する。
【0064】
固定化A:
その物質4.0gをヘキサン(異性体混合物)300mlに懸濁し、撹拌する。懸濁液を浸漬性水銀灯(Philips、HPK-125ワット、石英被包)で24時間照射する。沈澱を濾取し、ヘキサンで洗浄し、乾燥させる。収量:3.93g。この生成物をソックスレー抽出器にて22時間テトラヒドロフランで抽出する。不溶性残渣をテトラヒドロフラン約30mlに懸濁し、ヘキサン300mlを加える(添加速度:1.2ml/分)。生成物を濾過して単離し、ヘキサンで洗浄する(3.50g)。
【0065】
固定化B:
その物質4.0gをチオキサントン40mgと共にヘキサン(異性体混合物)300mlに懸濁し、撹拌する。懸濁液を浸漬性水銀灯(Philips、HPK-125ワット、石英被包)で24時間照射する。沈澱を濾取し、ヘキサンで洗浄し、乾燥させる。収量:3.9g。この生成物をソックスレー抽出器にて24時間テトラヒドロフランで抽出する。不溶性残渣をテトラヒドロフラン約30mlに懸濁し、ヘキサン300mlを加える(添加速度:1.2ml/分)。生成物を濾過して単離し、ヘキサンで洗浄する。
収量:3.8g。
元素分析:C 14.75%;H 1.31%;N 1.56%。
【0066】
実施例15
セルローストリス(4−クロロフェニルカルバメート)(既知の方法:J.Chromatogr.,363(1986)173に従い製造する)3.3gをテトラヒドロフラン50mlに溶解する。得られた溶液を3部に分ける。アミノシラン化シリカ(Nucleosil-4000、粒子サイズ10μm、Macherey-Nagel)7.7gを続いてその3部と混合し、次いで、回転エバポレーターで濃縮する。真空乾燥後、生成物10.6gを単離する。
【0067】
固定化A:
その物質4.0gをヘキサン(異性体混合物)300mlに懸濁し、撹拌する。懸濁液を浸漬性水銀灯(Philips、HPK-125ワット、石英被包)で24時間照射する。沈澱を濾取し、ヘキサンで洗浄し、乾燥させる。収量:3.89g。この生成物をソックスレー抽出器にて18時間テトラヒドロフランで抽出する。不溶性残渣をテトラヒドロフラン約30mlに懸濁し、ヘキサン300mlを加える(添加速度:1.2ml/分)。生成物を濾過して単離し、ヘキサンで洗浄する(3.6g)。
【0068】
固定化B:
その物質4.0gをチオキサントン40mgと共にヘキサン(異性体混合物)300mlに懸濁し、撹拌する。懸濁液を浸漬性水銀灯(Philips、HPK-125ワット、石英被包)で24時間照射する。沈澱を濾取し、ヘキサンで洗浄し、乾燥させる。収量:3.8g。この生成物をソックスレー抽出器にて20時間テトラヒドロフランで抽出する。不溶性残渣をテトラヒドロフラン約30mlに懸濁し、ヘキサン300mlを加える(添加速度:1.2ml/分)。生成物を濾過して単離し、ヘキサンで洗浄する。
収量:3.2g。
元素分析:C 9.88%;N 1.18%;Cl 2.90%。
【0069】
実施例16
セルローストリス(3−クロロ−4−メチルフェニルカルバメート)(既知の方法:J.Chromatogr.,363(1986)173に従い製造する)2.3gをテトラヒドロフラン48mlに溶解する。得られた溶液を3部に分ける。アミノシラン化シリカ(Nucleosil-4000、粒子サイズ10μm、Macherey-Nagel)8.1gを続いてその3部と混合し、次いで、回転エバポレーターで濃縮する。真空乾燥後、生成物10.1gを単離する。
【0070】
固定化A:
その物質3.9gをヘキサン(異性体混合物)300mlに懸濁し、撹拌する。懸濁液を浸漬性水銀灯(Philips、HPK-125ワット、石英被包)で24時間照射する。沈澱を濾取し、ヘキサンで洗浄し、乾燥させる。収量:3.65g。この生成物をソックスレー抽出器にて17時間テトラヒドロフランで抽出する。不溶性残渣をテトラヒドロフラン約30mlに懸濁し、ヘキサン300mlを加える(添加速度:1.2ml/分)。生成物を濾過して単離し、ヘキサンで洗浄する(3.4g)。
【0071】
固定化B:
その物質3.6gをチオキサントン36mgと共にヘキサン(異性体混合物)300mlに懸濁し、撹拌する。懸濁液を浸漬性水銀灯(Philips、HPK-125ワット、石英被包)で24時間照射する。沈澱を濾取し、ヘキサンで洗浄し、乾燥させる。収量:3.41g。この生成物をソックスレー抽出器にて17時間テトラヒドロフランで抽出する。不溶性残渣をテトラヒドロフラン約30mlに懸濁し、ヘキサン300mlを加える(添加速度:1.2ml/分)。生成物を濾過して単離し、ヘキサンで洗浄する。
収量:3.3g。
元素分析:C 11.95%;N 1.26%;Cl 3.12%。
【0072】
実施例17
アミローストリス(3,5−ジメチルフェニルカルバメート)(既知の方法:Chem.Lett.1987,1857に従い製造する)1.2gをテトラヒドロフラン15mlおよび塩化メチレン15mlの混合物に溶解する。得られた溶液を3部に分ける。アミノシラン化シリカ(Nucleosil-4000、粒子サイズ10μm、Macherey-Nagel)3.6gを続いてその3部と混合し、次いで、回転エバポレーターで濃縮する。真空乾燥後、生成物4.4gを単離する。
【0073】
固定化:
その物質4.1gをチオキサントン41mgと共にヘキサン(異性体混合物)300mlに懸濁し、撹拌する。懸濁液を浸漬性水銀灯(Philips、HPK-125ワット、石英被包)で24時間照射する。沈澱を濾取し、ヘキサンで洗浄し、乾燥させる。収量:4.1g。この生成物をソックスレー抽出器にて17時間塩化メチレンで、次いで、22時間テトラヒドロフランで抽出する。不溶性残渣をテトラヒドロフラン約30mlに懸濁し、ヘキサン300mlを加える(添加速度:1.2ml/分)。生成物を濾過して単離し、ヘキサンで洗浄する。収量:3.8g。
元素分析:C 13.01;H 1.26;N 1.34。
【0074】
カラム充填:
得られた物質2.5gをヘキサン/2−プロパノール(90:10、容量%)25ml中、またはクロロホルム/ヘプタン(50:50、容量%)中のスラリーとし、このスラリー法を用いて圧力100バールでスチールカラム(25cm×0.4cm)に入れる。
【0075】
実施例18
アミロース(分子量〜150 000、Serva)を丸底フラスコ中、窒素でフラッシュさせながら6時間130℃で乾燥させる。次いで、室温で所定順序でピリジン25ml、ジブチルスズラウレート0.1ml、および(S)−1−フェニルエチルイソシアナート10mlを加える。懸濁液を還流温度(浴温130℃)で72時間沸騰させる。溶液を60℃まで冷却後、メタノール50mlを加え、得られた懸濁液をメタノール300mlに注ぐ。懸濁液を濾過し、メタノールで洗浄する。固形残渣を塩化メチレン120mlに溶解する。得られた溶液を濾過し、メタノール500mlに沈澱させる。沈澱を濾取し、メタノールで洗浄する。フィルター・ケーキを再度、塩化メチレン120mlに溶解し、エタノール500mlで沈澱させる。沈澱を濾取し、エタノールで洗浄し、高度真空下60℃で乾燥させる。収量:4g。元素分析:計算値C 65.66;H 6.18;N 6.96;実測値C 64.74;H 6.28;N 6.77。
【0076】
アミローストリス((S)−1−フェニルエチルカルバメート)2gをテトラヒドロフラン30mlおよび塩化メチレン30mlの混合物に溶解する。得られた溶液を3部に分ける。アミノシラン化シリカ(Nucleosil-4000、粒子サイズ7μm、Macherey-Nagel)6.6gを続いてその3部と混合し、次いで、回転エバポレーターで濃縮する。真空乾燥後、生成物8.3gを単離する。
【0077】
固定化:
その物質3.2gをチオキサントン32mgと共にメタノール/水(各175ml)の混合物に懸濁し、撹拌する(400回転/分)。懸濁液を浸漬性水銀灯(Philips、HPK-125ワット、石英被包)で21時間照射する。沈澱を濾取し、エタノール100mlで洗浄し、乾燥させる。収量:3.28g。この生成物をソックスレー抽出器にて15時間テトラヒドロフランで抽出する。不溶性残渣をテトラヒドロフラン約30mlに懸濁し、ヘキサン300mlを加える(添加速度:1.6ml/分)。生成物を濾過して単離し、ヘキサンで洗浄する。収量:3.1g(76.9%固定化)。
【0078】
キラル固定相の試験:
実施例2、4、6、11、12、14〜17の各相を様々なラセミ構造物および様々な移動相を用いて試験する(表参照)。
【0079】
HPLCクロマトグラフィーは、シマズLC−6Aシステムを用い、流速0.7ml/分、室温で実施する。検出は、UV分光法および偏光分析法(Perkin Elmer 241 LC)により遂行する。分離係数αは、測定値として定める。
【0080】
【数1】


式中、k'およびk'は、第2および第1溶出エナンチオマーのそれぞれの容量比であり、tおよびtはその保持時間である。tは、トリ−tert−ブチルベンゼン(保持されない化合物)の溶出時間である。
【0081】
実施例2の生成物を用いるクロマトグラフィー分離における分離係数
【表1】


【表2】


【0082】
実施例4の生成物を用いるクロマトグラフィー分離における分離係数
【表3】


【表4】


【0083】
実施例6の生成物を用いるクロマトグラフィー分離における分離係数
【表5】


【0084】
実施例9の生成物を用いるクロマトグラフィー分離における分離係数
【表6】


【表7】


【0085】
実施例11の生成物を用いるクロマトグラフィー分離における分離係数
【表8】


【0086】
実施例12の生成物を用いるクロマトグラフィー分離における分離係数
【表9】


【表10】


【0087】
実施例14の生成物を用いるクロマトグラフィー分離における分離係数
【表11】


【表12】


【0088】
実施例15の生成物を用いるクロマトグラフィー分離における分離係数
【表13】


【表14】


【0089】
実施例16の生成物を用いるクロマトグラフィー分離における分離係数
【表15】


【0090】
実施例17の生成物を用いるクロマトグラフィー分離における分離係数
【表16】


【0091】
実施例18の生成物を用いるクロマトグラフィー分離における分離係数
【表17】


【表18】


【出願人】 【識別番号】597011463
【氏名又は名称】ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト
【出願日】 平成19年11月8日(2007.11.8)
【代理人】 【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄

【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二

【識別番号】100067035
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 光隆

【識別番号】100062144
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 葆


【公開番号】 特開2008−81745(P2008−81745A)
【公開日】 平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願番号】 特願2007−290774(P2007−290774)