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【発明の名称】 ポリロタキサンおよびポリロタキサンの製造方法
【発明者】 【氏名】荒井 隆行

【氏名】高田 十志和

【要約】 【課題】効率良くポリロタキサンを製造する方法、および当該製造方法に伴う新規なポリロタキサンを提供する。

【構成】輪成分の開口部に軸分子が貫通し、軸分子の両末端にキャッピング剤によるブロック基を有してなるポリロタキサンを製造するにあたり、軸分子とキャッピング剤とを、両者が尿素結合により結合するように反応させる。具体的にはイソシアネート基とアミン基との組み合わせで、例えば、末端官能基がアミンである軸分子と、イソシアネート類であるキャッピング剤とを反応させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
輪成分の開口部に軸分子が貫通し、前記軸分子の両末端にブロック基を有してなるポリロタキサンであって、
前記軸分子と前記ブロック基とが尿素結合により結合していることを特徴とするポリロタキサン。
【請求項2】
前記軸分子と前記ブロック基とが、イソシアネート基とアミン基との組み合わせの反応で結合していることを特徴とする請求項1に記載のポリロタキサン。
【請求項3】
前記輪成分がシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリロタキサン。
【請求項4】
輪成分の開口部に軸分子が貫通し、前記軸分子の両末端にキャッピング剤によるブロック基を有してなるポリロタキサンの製造方法であって、
前記軸分子と前記キャッピング剤とを、両者が尿素結合により結合するように反応させることを特徴とするポリロタキサンの製造方法。
【請求項5】
前記軸分子と前記キャッピング剤とを、イソシアネート基とアミン基との組み合わせで反応させることを特徴とする請求項4に記載のポリロタキサンの製造方法。
【請求項6】
前記軸分子と前記キャッピング剤との反応における溶媒として、水を使用することを特徴とする請求項4または5に記載のポリロタキサンの製造方法。
【請求項7】
前記輪成分がシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体であることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のポリロタキサンの製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なポリロタキサンおよびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリロタキサンの効率的な製造方法の一例として、特許文献1に記載の方法が知られている。この製造方法では、軸分子として両末端がカルボキシル化されたポリエチレングリコールを用い、輪成分としてシクロデキストリンを用いて、擬ポリロタキサンを得た後、キャッピング剤としてアミン基または水酸基を有するものを用いてキャッピング反応を行い、ポリロタキサンを製造する。
【特許文献1】特開2005−154675号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のポリロタキサンの製造方法では、擬ポリロタキサンをキャッピングする際の反応が遅いため、輪成分であるシクロデキストリンが軸分子から遊離してしまい、その結果収率が著しく低下するなどの問題があった。特許文献1に記載の方法では、キャッピング反応時の温度を低くすることにより収率を上げているが、反応時間が長く、製造効率が悪かった。
【0004】
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、効率良くポリロタキサンを製造する方法、および当該製造方法に伴う新規なポリロタキサンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、第1に本発明は、輪成分の開口部に軸分子が貫通し、前記軸分子の両末端にブロック基を有してなるポリロタキサンであって、前記軸分子と前記ブロック基とが尿素結合により結合していることを特徴とするポリロタキサンを提供する(請求項1)。
【0006】
上記発明(請求項1)に係るポリロタキサンの製造においては、軸分子とブロック基との反応が、触媒等の試薬を必要とすることなく、効率良く進行するため、上記発明(請求項1)に係るポリロタキサンは、短時間に高収率で得られる。このポリロタキサンは新規なポリロタキサンである。
【0007】
上記発明(請求項1)においては、前記軸分子と前記ブロック基とが、イソシアネート基とアミン基との組み合わせの反応で結合していることが好ましい(請求項2)。
【0008】
上記発明(請求項1,2)においては、前記輪成分がシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体であることが好ましい(請求項3)。
【0009】
第2に本発明は、輪成分の開口部に軸分子が貫通し、前記軸分子の両末端にキャッピング剤によるブロック基を有してなるポリロタキサンの製造方法であって、前記軸分子と前記キャッピング剤とを、両者が尿素結合により結合するように反応させることを特徴とするポリロタキサンの製造方法を提供する(請求項4)。
【0010】
上記発明(請求項4)によれば、触媒等の試薬を必要とすることなく、軸分子とブロック基との反応が効率良く進行するため、短時間に高収率でポリロタキサンを製造することができる。
【0011】
上記発明(請求項4)においては、前記軸分子と前記キャッピング剤とを、イソシアネート基とアミン基との組み合わせで反応させることが好ましい(請求項5)。例えば、両末端にアミン基を有する軸分子と、イソシアネート基を有するキャッピング剤とを反応させるか、両末端にイソシアネート基を有する軸分子と、アミン基を有するキャッピング剤とを反応させることが好ましい。
【0012】
上記発明(請求項4,5)においては、前記軸分子と前記キャッピング剤との反応における溶媒として、水を使用することが好ましい(請求項6)。
【0013】
一般的に、輪成分の開口部に軸分子を貫通させる擬ポリロタキサンの製造工程では、溶媒として水を使用するため、軸分子とキャッピング剤との反応でも溶媒として水を使用すると、擬ポリロタキサンの合成およびポリロタキサンの合成をワンポットで行うことができる。したがって、上記発明(請求項6)によれば、ポリロタキサンを極めて効率良く製造することができる。
【0014】
上記発明(請求項4〜6)においては、前記輪成分がシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体であることが好ましい(請求項7)。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、触媒等の他の試薬を使用することなく、短時間に高収率でポリロタキサンを製造することができる。得られるポリロタキサンは、新規なポリロタキサンである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態では、輪成分の開口部に軸分子を貫通させて(軸分子を輪成分で包接させて)擬ポリロタキサンを製造し、次いで、得られた擬ポリロタキサンの軸分子とキャッピング剤とを、両者が尿素結合により結合するように反応させて、軸分子の両末端にブロック基を付加し、ポリロタキサンを得る。
【0017】
尿素結合は、通常、イソシアネート基とアミン基との反応による結合であるため、軸分子としては、末端にイソシアネート基またはアミン基を有するものを使用することが好ましい。
【0018】
かかる軸分子としては、例えば、末端官能基がアミンまたはイソシアネートであるポリテトラヒドロフラン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリアクリル酸エステル、ポリジメチルシロキサン、ポリエチレン、ポリプロピレンの他、末端にアミン基またはイソシアネート基が導入された炭素数6〜18のアルカン等が挙げられる。これらの中でも、水中での包接錯体形成能の観点から、末端官能基がアミンであるポリテトラヒドロフラン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール;末端にアミン基が導入された炭素数6〜18のアルカンなどを使用することが好ましい。
【0019】
軸分子の平均分子量は、特に限定されず、ポリロタキサンの使用目的に応じて適宜選択すればよいが、通常は数平均分子量(Mn)が100〜500000であり、好ましくは500〜100000であり、特に好ましくは1000〜50000である。
【0020】
上記軸分子は、市販のものを使用することもできるし、従来公知の方法、例えば、Nature, 356, 325-327 (1992)に記載の方法などによって合成することもできる。具体的には、例えば、末端官能基をアミノ基とする場合には、ポリテトラヒドロフラン、ポリエチレングリコール等の軸分子の末端のヒドロキシル基をトシルクロライドによりトシル化し、その後フタルイミドカリウムによりフタルイミド化し、最後にヒドラジンを用いて還元を行い、軸分子の末端をアミノ基とする。
【0021】
輪成分としては、特に限定されないが、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン等のシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体が好ましい。
【0022】
シクロデキストリン誘導体としては、例えば、アルキル基、アセチル基、トリチル基、トシル基、トリメチルシラン基、フェニル基、ハロゲン基等の置換基が導入されたシクロデキストリンなどが挙げられる。上記置換基は、ポリロタキサンの使用目的に応じて適宜選択すればよいが、キャッピング剤との反応性の低い置換基、例えばアルキル基等を選択すると、後述するブロック基の付加工程(キャッピング工程)において、反応系を低温にする必要がなくなる。
【0023】
擬ポリロタキサンの製造は、末端に官能基を有する軸分子および輪成分を溶媒中、通常は水中に存在させた状態にして(例えば、輪成分の水溶液に軸分子を添加して)、その溶液を撹拌することによって行うことができる。加えて、撹拌後にその溶液を静置することが収率を向上させることができるので好ましい。好ましい静置期間としては、輪成分としてα−シクロデキストリンおよびγ−シクロデキストリンを用いる場合には、1日程度、β−シクロデキストリンを用いる場合には、3〜7日程度である。
【0024】
撹拌方法については特に制限はなく、常温または適当に制御された温度で、機械的撹拌処理、超音波処理などの方法で撹拌することができ、特に、超音波処理で撹拌することが好ましい。撹拌時間は、数分〜1時間の条件で行うことが好ましい。超音波の照射条件については特に制限はないが、周波数20〜40kHzで行うことが好ましい。
【0025】
キャッピング剤としては、軸分子として末端官能基がアミンのものを選択した場合には、イソシアネート基を有するキャッピング剤、軸分子として末端官能基がイソシアネートのものを選択した場合には、アミン基を有するキャッピング剤を使用する。
【0026】
イソシアネート基を有するキャッピング剤としては、軸分子を貫通したシクロデキストリンの遊離を防ぐため嵩高い分子が好ましく、例えば、3,5−ジメチルフェニルイソシアネート、4−トリチルフェニルイソシアネート等のモノイソシアネート類などが挙げられる。
【0027】
アミン基を有するキャッピング剤としては、例えば、3,5−ジメチルアニリン、4−トリチルアニリン等が挙げられる。
【0028】
上記で得られた擬ポリロタキサンと上記キャッピング剤とを混合することによって、擬ポリロタキサンの軸分子とキャッピング剤とを反応させ、尿素結合により軸分子の両末端にブロック基を付加(キャッピング)して、ポリロタキサンを得る。
【0029】
このとき、触媒等の他の試薬を使用しなくても、また加熱しなくても、反応は効率良く短時間で進行する。そして、得られるポリロタキサンの収率も高い。
【0030】
キャッピング剤の使用量は、軸分子の末端官能基に対して、モル基準で等量〜30倍量であることが好ましく、特に2倍〜10倍量であることが好ましい。
【0031】
擬ポリロタキサンとキャッピング剤とを反応させるには、当該擬ポリロタキサンとキャッピング剤との混合物を撹拌するだけでよく、溶媒中で攪拌して行ってもよいし、固相で攪拌して行ってもよい。なお、溶媒中での攪拌は、撹拌子、撹拌翼等を用いた機械的撹拌処理で十分足りる。また、固相での撹拌には、乳鉢、ボールミル、ミキサー等を用いるとよい。
【0032】
溶媒としては、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、クロロホルム、アセトン等の有機溶媒の他、水をも使用することができる。通常、試薬としてイソシアネートを使用する場合には、イソシアネートとの反応を防止するために水を溶媒として選択することはないが、本方法では溶媒として水の使用が可能である。一般的に、擬ポリロタキサンの製造は、水を溶媒として行うため、ここで溶媒として水を使用すると、擬ポリロタキサンの合成およびポリロタキサンの合成をワンポットで行うことができ、したがって、ポリロタキサンを極めて効率良く製造することができる。
【0033】
溶媒の温度は、輪成分としてキャッピング剤との反応性が高いもの、例えばイソシアネート基と反応し易い水酸基を有するシクロデキストリン等を用いた場合、その反応を防止するために、−10〜5℃とすることが好ましい。一方、輪成分としてキャッピング剤との反応性が低いもの、例えば水酸基がアルキル基等に置換されたシクロデキストリン等を用いた場合、溶媒の温度は特に限定されず、常温または適当に制御された温度とすればよい。
【0034】
反応時間は、0.1〜5時間程度、特に0.5〜3時間であることが好ましい。このように、本方法によれば、短時間で、しかも高収率でポリロタキサンを製造することができる。なお、精製は常法によって行えばよい。
【0035】
以上の方法によって得られるポリロタキサンは、輪成分の開口部に軸分子が貫通し、軸分子とブロック基とが尿素結合により結合してなるものである。このようなポリロタキサンは、従来にはない新規なポリロタキサンである。
【実施例】
【0036】
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
【0037】
〔実施例1〕
輪成分であるα−シクロデキストリン(ナカライテスク社製)1.5gをイオン交換水10mlに溶解させた水溶液に、軸分子として末端官能基アミンのポリテトラヒドロフラン(Aldrich社製,Polytetrahydrofuran bis (3-aminopropyl) terminated,Mn:1100)50mgを加え、超音波(周波数:35kHz)を20分間照射し、室温で一晩静置した。そして、析出した固体を回収し、乾燥させて擬ポリロタキサンを得た。
【0038】
得られた擬ポリロタキサン330mgをジメチルホルムアミド溶媒に分散させ、キャッピング剤として3,5−ジメチルフェニルイソシアネート(Aldrich社製)35mgを添加し、0℃で1時間撹拌し反応させた。得られた反応溶液をジエチルエーテルに注ぎ再沈澱させ、沈殿物を回収し、水およびメタノールで洗浄した後、乾燥させてポリロタキサンを得た(収量:77mg)。得られたポリロタキサンのH−NMRチャートを図1に示す。
【0039】
〔実施例2〕
キャッピング工程の溶媒として、ジメチルホルムアミドの替わりにテトラヒドロフランを使用する以外、実施例1と同様にしてポリロタキサンを製造した(収量:115mg)。得られたポリロタキサンのH−NMRチャートを図2に示す。
【0040】
〔実施例3〕
実施例1と同様にして輪成分と軸分子とを反応させ、反応溶液を一晩静置した後、その反応溶液(水溶液)中に、キャッピング剤としての3,5−ジメチルフェニルイソシアネート(Aldrich社製)35mgを添加した。その後は実施例1と同様にしてポリロタキサンを製造した(ワンポット合成;収量:130mg)。得られたポリロタキサンのH−NMRチャートを図3に示す。
【0041】
〔実施例4〕
トリチルアニリン(Aldrich社製)をトルエン中でHClガスおよびトリホスゲンと反応させることにより、4−トリチルフェニルイソシアネートを得た。キャッピング剤として、3,5−ジメチルフェニルイソシアネートの替わりに上記4−トリチルフェニルイソシアネートを使用する以外、実施例3と同様にしてポリロタキサンを製造した(収量:68mg)。得られたポリロタキサンのH−NMRチャートを図4に示す。
【0042】
〔実施例5〕
α−シクロデキストリン(ナカライテスク社製)を、ジメチルホルムアルデヒド中、水素化ナトリウムおよびヨウ化メチルと反応させることにより、メチル化α−シクロデキストリンを得た。
【0043】
得られたメチル化α−シクロデキストリン(輪成分)0.8gをイオン交換水2mlに溶解させた水溶液に、軸分子として末端官能基アミンのポリテトラヒドロフラン(Aldrich社製,Polytetrahydrofuran bis (3-aminopropyl) terminated,Mn:1100)24mgを加え、超音波(周波数:35kHz)を20分間照射し、室温で一晩静置した。
【0044】
その反応溶液(水溶液)中に、キャッピング剤としての3,5−ジメチルフェニルイソシアネート(Aldrich社製)32mgを添加し、0℃で1時間反応させた。得られた反応溶液をジエチルエーテルに注ぎ再沈澱させ、沈殿物を回収した。それを分取ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(展開溶媒:CHCl)にかけて高分子量体(Mw:13000,Mw/Mn:1.5)を回収し、乾燥させてポリロタキサンを得た(収量:85mg)。得られたポリロタキサンのH−NMRチャートを図5に示す。
【0045】
〔実施例6〕
実施例5と同様にして輪成分と軸分子とを反応させ、反応溶液を一晩静置した。そして、析出した固体を回収し、乾燥させた後、その固体を乳鉢に入れ、さらにキャッピング剤としての3,5−ジメチルフェニルイソシアネート(Aldrich社製)32mgを添加し、30分間乳棒を使用して混合し反応させた。得られた反応物をジエチルエーテルで洗浄した後、固体を回収して乾燥させた。それを分取ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(展開溶媒:CHCl)にかけて高分子量体(Mw:13000,Mw/Mn:1.6)を回収し、乾燥させてポリロタキサンを得た(収量:50mg)。得られたポリロタキサンのH−NMRチャートを図6に示す。
【0046】
〔実施例7〕
ポリテトラヒドロフラン(Aldrich社製,Polytetrahydrofuran,Mn:2900)をクロロホルムに溶解させ、トシルクロライドを添加し、触媒にピリジンを用いて一晩撹拌を行った。その後、希塩酸による分液洗浄、そして減圧乾燥を行い、得られた液体をジエチルエーテルに注ぎ、再沈澱を行った。析出した固体を回収し乾燥させ、トシル化ポリテトラヒドロフランを得た。
【0047】
次に、得られたトシル化ポリテトラヒドロフランをジメチルホルムアミドに溶解させ、フタルイミドカリウムを添加し、5時間沸点還流を行った。反応溶液を濾過した濾液をジエチルエーテルに注ぎ再沈澱を行い、析出した固体を回収し乾燥させることでフタルイミド化ポリテトラヒドロフランを得た。
【0048】
得られたフタルイミド化ポリテトラヒドロフランをエタノールに溶解させ、ヒドラジンを添加し、20時間沸点還流を行った。反応溶液を濾過した濾液をジエチルエーテルに注ぎ再沈澱を行い、析出した固体を回収し、末端官能基アミンのポリテトラヒドロフラン(H−NMR測定によるMn:7800)を得た。
【0049】
軸分子として、上記で得られた末端官能基アミンのポリテトラヒドロフランを使用する以外、実施例3と同様にしてポリロタキサンを製造した(収量:37mg)。得られたポリロタキサンのH−NMRチャートを図7に示す。
【0050】
〔実施例8〕
軸分子として、末端官能基アミンのポリテトラヒドロフランの替わりに末端官能基アミンのポリエチレングリコール(Aldrich社製,Polyethyleneglycol bis (3-aminopropyl) terminated,Mn:1500)50mgを使用し、キャッピング剤としての3,5−ジメチルフェニルイソシアネート(Aldrich社製)の添加量を50mgとする以外、実施例3と同様にしてポリロタキサンを製造した(収量:35mg)。得られたポリロタキサンのH−NMRチャートを図8に示す。
【0051】
〔実施例9〕
軸分子として、末端官能基アミンのポリテトラヒドロフランの替わりにジアミノドデカン100mgを使用し、キャッピング剤としての3,5−ジメチルフェニルイソシアネート(Aldrich社製)の添加量を100mgとする以外、実施例3と同様にしてポリロタキサンを製造した(収量:234mg)。得られたポリロタキサンのH−NMRチャートを図9に示す。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、効率良くポリロタキサンを製造するのに有用である。また、本発明に係る新規ポリロタキサンは、ゲル材料、架橋材料、医療材料等に用いられる機能性材料として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】実施例1で合成したポリロタキサンのH−NMRチャートである。
【図2】実施例2で合成したポリロタキサンのH−NMRチャートである。
【図3】実施例3で合成したポリロタキサンのH−NMRチャートである。
【図4】実施例4で合成したポリロタキサンのH−NMRチャートである。
【図5】実施例5で合成したポリロタキサンのH−NMRチャートである。
【図6】実施例6で合成したポリロタキサンのH−NMRチャートである。
【図7】実施例7で合成したポリロタキサンのH−NMRチャートである。
【図8】実施例8で合成したポリロタキサンのH−NMRチャートである。
【図9】実施例9で合成したポリロタキサンのH−NMRチャートである。
【出願人】 【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
【識別番号】304021417
【氏名又は名称】国立大学法人東京工業大学
【出願日】 平成18年7月14日(2006.7.14)
【代理人】 【識別番号】100108833
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 裕司

【識別番号】100112830
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 啓靖


【公開番号】 特開2008−19371(P2008−19371A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−193804(P2006−193804)