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【発明の名称】 キサントン化合物の製造方法
【発明者】 【氏名】竜田 邦明

【要約】 【課題】セマフォリン阻害活性を有するキサントン化合物の製造方法及びその中間体を提供する。

【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1):
【化1】


[式中、R1は、水素原子、式(2):
【化2】


(式中、R4は、置換もしくは無置換のC1−C6アルキル基、置換もしくは無置換のC2−C6アルケニル基、置換もしくは無置換のC2−C6アルキニル基、置換もしくは無置換のC3−C7シクロアルキル基又は置換もしくは無置換のアリール基を表す。)
で表される基、又は式(3):
【化3】


(式中、R5は、水素原子又はC1−C6アルキル基を表し、
6は、水素原子、置換もしくは無置換のC1−C6アルキル基、置換もしくは無置換のC2−C6アルケニル基、置換もしくは無置換のC2−C6アルキニル基、置換もしくは無置換のC3−C7シクロアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基又は置換もしくは無置換の4〜7員の飽和ヘテロ環基を表すか、
あるいはR5及びR6は結合して、隣接する窒素原子と共に、置換もしくは無置換の4〜7員の飽和含窒素へテロ環を形成してもよい。)
で表される基を表し、
2及びR3は、各々同一又は異なって、水素原子、置換もしくは無置換のC1−C6アルコキシ基、置換もしくは無置換のC2−C6アルケニルオキシ基、置換もしくは無置換のC2−C6アルキニルオキシ基、置換もしくは無置換のC3−C7シクロアルコキシ基、置換もしくは無置換のC2−C7アルカノイルオキシ基、置換もしくは無置換のC3−C7シクロアルカノイルオキシ基、置換もしくは無置換のアロイルオキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のヘテロアロイルオキシ基又は置換もしくは無置換のヘテロアリールオキシ基を表す。]
で表される化合物を、二分子縮合させ、式(4):
【化4】


[式中、R1、R2及びR3は、前記と同義を表す。]
で表される化合物を得る工程を含む、キサントン化合物の製造方法。
【請求項2】
抗酸化剤の存在下で二分子縮合させることを特徴とする、請求項1に記載のキサントン化合物の製造方法。
【請求項3】
抗酸化剤が2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールである、請求項2に記載のキサントン化合物の製造方法。
【請求項4】
更に、式(4):
【化5】


[式中、R1、R2及びR3は、請求項1と同義を表す。]
で表される化合物を脱保護し、式(5):
【化6】


[式中、R7は、水素原子、カルボキシル基、式(2):
【化7】


(式中、R4は、置換もしくは無置換のC1−C6アルキル基、置換もしくは無置換のC2−C6アルケニル基、置換もしくは無置換のC2−C6アルキニル基、置換もしくは無置換のC3−C7シクロアルキル基又は置換もしくは無置換のアリール基を表す。)
で表される基、又は式(3):
【化8】


(式中、R5は、水素原子又はC1−C6アルキル基を表し、
6は、水素原子、置換もしくは無置換のC1−C6アルキル基、置換もしくは無置換のC2−C6アルケニル基、置換もしくは無置換のC2−C6アルキニル基、置換もしくは無置換のC3−C7シクロアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基又は置換もしくは無置換の4〜7員の飽和ヘテロ環基を表すか、
あるいはR5及びR6は結合して、隣接する窒素原子と共に、置換もしくは無置換の4〜7員の飽和含窒素へテロ環を形成してもよい。)
で表される基を表し、
8及びR9は、各々同一又は異なって、水素原子、水酸基、置換もしくは無置換のC1−C6アルコキシ基、置換もしくは無置換のC2−C6アルケニルオキシ基、置換もしくは無置換のC2−C6アルキニルオキシ基、置換もしくは無置換のC3−C7シクロアルコキシ基、置換もしくは無置換のC2−C7アルカノイルオキシ基、置換もしくは無置換のC3−C7シクロアルカノイルオキシ基、置換もしくは無置換のアロイルオキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のヘテロアロイルオキシ基又は置換もしくは無置換のヘテロアリールオキシ基を表す。
但し、少なくとも、R7がカルボキシル基であるか、又は、R8もしくはR9の少なくとも一方が水酸基である。]
で表される化合物を得る工程を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のキサントン化合物の製造方法。
【請求項5】
式(4A):
【化9】


[式中、R1Aは、水素原子、式(2A):
【化10】


(式中、R4Aは、無置換のC1−C6アルキル基を表す。)
で表される基、又は式(3):
【化11】


(式中、R5は、水素原子又はC1−C6アルキル基を表し、
6は、水素原子、置換もしくは無置換のC1−C6アルキル基、置換もしくは無置換のC2−C6アルケニル基、置換もしくは無置換のC2−C6アルキニル基、置換もしくは無置換のC3−C7シクロアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基又は置換もしくは無置換の4〜7員の飽和ヘテロ環基を表すか、
あるいはR5及びR6は結合して、隣接する窒素原子と共に、置換もしくは無置換の4〜7員の飽和含窒素へテロ環を形成してもよい。)
で表される基を表し、
2A及びR3Aは、各々同一又は異なって、水素原子又はメトキシ基を表す。]
で表される化合物を、塩化アルミニウムの存在下で脱保護し、式(5A):
【化12】


[式中、R7Aは、水素原子、カルボキシル基、又は式(3):
【化13】


(式中、R5及びR6は、前記と同義を表す。)
で表される基を表し、
8A及びR9Aは、各々同一又は異なって、水素原子、水酸基を表す。]
で表される化合物を得る工程を含む、請求項4に記載のキサントン化合物の製造方法。
【請求項6】
式(1):
【化14】


[式中、R1、R2及びR3は、請求項1と同義を表す。]
で表される化合物。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、キサントン化合物を製造する方法、並びにキサントン化合物の製造における中間体に関する。
【背景技術】
【0002】
セマフォリンは、神経成長円錐を退縮させ軸索の伸長を抑制する因子として同定された内因性のタンパク質であり、これまでに約20種の分子種が知られているが、最も良く研究されているのがクラス3型と呼ばれるサブファミリーの遺伝子群である。これらの遺伝子がコードする蛋白質はインビトロで強い神経突起伸長抑制活性、成長円錐退縮活性を有していることが知られている。中でも最も良く研究されているのがセマフォリン3A(Sema3A)(非特許文献1及び2を参照)であり、この蛋白質は10pMという低濃度で短時間のうちに培養神経細胞の成長円錐退縮を誘発する。
セマフォリンの機能を阻害する物質としては、ペニシリウム・エスピー(Penicillium sp.)SPF-3059株(独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター受託番号:FERM BP-7663)の培養物から得られる一連のキサントン化合物(特許文献1又は2を参照)及び前記キサントン化合物を化学的に修飾した誘導体(特許文献3を参照)が知られており、当該化合物はインビボで神経再生促進作用を有する。更に、前記キサントン化合物が、虚血時の細胞死(アポトーシス)、例えば網膜神経細胞死や脳における神経細胞死を抑制し、虚血障害に有効な治療剤又は予防剤として優れた効果を示すことが報告されている(特許文献4を参照)。
かかる状況下、上述のキサントン化合物およびその誘導体の活性には大変興味が持たれるものの、それらの全合成の報告は現在まで皆無である。
【特許文献1】国際公開第02/09756号パンフレット、
【特許文献2】国際公開第03/062243号パンフレット
【特許文献3】国際公開第03/062440号パンフレット
【特許文献4】国際公開第2005/053678号パンフレット
【非特許文献1】Cell, 75, p217 (1993)
【非特許文献2】Cell, 75, p1389 (1993)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、セマフォリン阻害活性を有するキサントン化合物の製造方法及びその中間体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、セマフォリン阻害活性を有するキサントン化合物の化学的製造方法を初めて見出し、本発明を完成するに至った。

即ち本発明は、
〔1〕 式(1):
【0005】
【化1】


[式中、R1は、水素原子、式(2):
【0006】
【化2】


(式中、R4は、置換もしくは無置換のC1−C6アルキル基、置換もしくは無置換のC2−C6アルケニル基、置換もしくは無置換のC2−C6アルキニル基、置換もしくは無置換のC3−C7シクロアルキル基又は置換もしくは無置換のアリール基を表す。)
で表される基、又は式(3):
【0007】
【化3】


(式中、R5は、水素原子又はC1−C6アルキル基を表し、
6は、水素原子、置換もしくは無置換のC1−C6アルキル基、置換もしくは無置換のC2−C6アルケニル基、置換もしくは無置換のC2−C6アルキニル基、置換もしくは無置換のC3−C7シクロアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基又は置換もしくは無置換の4〜7員の飽和ヘテロ環基を表すか、
あるいはR5及びR6は結合して、隣接する窒素原子と共に、置換もしくは無置換の4〜7員の飽和含窒素へテロ環を形成してもよい。)
で表される基を表し、
2及びR3は、各々同一又は異なって、水素原子、置換もしくは無置換のC1−C6アルコキシ基、置換もしくは無置換のC2−C6アルケニルオキシ基、置換もしくは無置換のC2−C6アルキニルオキシ基、置換もしくは無置換のC3−C7シクロアルコキシ基、置換もしくは無置換のC2−C7アルカノイルオキシ基、置換もしくは無置換のC3−C7シクロアルカノイルオキシ基、置換もしくは無置換のアロイルオキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のヘテロアロイルオキシ基又は置換もしくは無置換のヘテロアリールオキシ基を表す。]
で表される化合物を、二分子縮合させ、式(4):
【0008】
【化4】


[式中、R1、R2及びR3は、前記と同義を表す。]
で表される化合物を得る工程を含む、キサントン化合物の製造方法;
【0009】
〔2〕 抗酸化剤の存在下で二分子縮合させることを特徴とする、〔1〕に記載のキサントン化合物の製造方法;
【0010】
〔3〕 抗酸化剤がフェノール系の抗酸化剤である、〔2〕に記載のキサントン化合物の製造方法;
【0011】
〔4〕 フェノール系の抗酸化剤が2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールである、〔3〕に記載のキサントン化合物の製造方法;
【0012】
〔5〕 更に、式(4):
【0013】
【化5】


[式中、R1、R2及びR3は、前記〔1〕と同義を表す。]
で表される化合物を脱保護し、式(5):
【0014】
【化6】


[式中、R7は、水素原子、カルボキシル基、式(2):
【0015】
【化7】


(式中、R4は、置換もしくは無置換のC1−C6アルキル基、置換もしくは無置換のC2−C6アルケニル基、置換もしくは無置換のC2−C6アルキニル基、置換もしくは無置換のC3−C7シクロアルキル基又は置換もしくは無置換のアリール基を表す。)
で表される基、又は式(3):
【0016】
【化8】


(式中、R5は、水素原子又はC1−C6アルキル基を表し、
6は、水素原子、置換もしくは無置換のC1−C6アルキル基、置換もしくは無置換のC2−C6アルケニル基、置換もしくは無置換のC2−C6アルキニル基、置換もしくは無置換のC3−C7シクロアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基又は置換もしくは無置換の4〜7員の飽和ヘテロ環基を表すか、
あるいはR5及びR6は結合して、隣接する窒素原子と共に、置換もしくは無置換の4〜7員の飽和含窒素へテロ環を形成してもよい。)
で表される基を表し、
8及びR9は、各々同一又は異なって、水素原子、水酸基、置換もしくは無置換のC1−C6アルコキシ基、置換もしくは無置換のC2−C6アルケニルオキシ基、置換もしくは無置換のC2−C6アルキニルオキシ基、置換もしくは無置換のC3−C7シクロアルコキシ基、置換もしくは無置換のC2−C7アルカノイルオキシ基、置換もしくは無置換のC3−C7シクロアルカノイルオキシ基、置換もしくは無置換のアロイルオキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のヘテロアロイルオキシ基又は置換もしくは無置換のヘテロアリールオキシ基を表す。
但し、少なくとも、R7がカルボキシル基であるか、又は、R8もしくはR9の少なくとも一方が水酸基である。]
で表される化合物を得る工程を含む、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のキサントン化合物の製造方法;
【0017】
〔6〕 式(4A):
【0018】
【化9】


[式中、R1Aは、水素原子、式(2A):
【0019】
【化10】


(式中、R4Aは、無置換のC1−C6アルキル基を表す。)
で表される基、又は式(3):
【0020】
【化11】


(式中、R5は、水素原子又はC1−C6アルキル基を表し、
6は、水素原子、置換もしくは無置換のC1−C6アルキル基、置換もしくは無置換のC2−C6アルケニル基、置換もしくは無置換のC2−C6アルキニル基、置換もしくは無置換のC3−C7シクロアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基又は置換もしくは無置換の4〜7員の飽和ヘテロ環基を表すか、
あるいはR5及びR6は結合して、隣接する窒素原子と共に、置換もしくは無置換の4〜7員の飽和含窒素へテロ環を形成してもよい。)
で表される基を表し、
2A及びR3Aは、各々同一又は異なって、水素原子又はメトキシ基を表す。]
で表される化合物を、塩化アルミニウムの存在下で脱保護し、式(5A):
【0021】
【化12】


[式中、R7Aは、水素原子、カルボキシル基、又は式(3):
【0022】
【化13】


(式中、R5及びR6は、前記と同義を表す。)
で表される基を表し、
8A及びR9Aは、各々同一又は異なって、水素原子、水酸基を表す。]
で表される化合物を得る工程を含む、〔5〕に記載のキサントン化合物の製造方法;
【0023】
〔7〕 式(1):
【0024】
【化14】


[式中、R1、R2及びR3は、前記〔1〕と同義を表す。]
で表される化合物を二分子縮合させる工程、及び必要に応じ脱保護する工程を含む、式(5):
【0025】
【化15】


[式中、R7、R8及びR9は、前記〔4〕と同義を表す。]
で表されるキサントン化合物の製造方法;
【0026】
〔8〕 式(1):
【0027】
【化16】


[式中、R1、R2及びR3は、前記〔1〕と同義を表す。]
で表される化合物;
【0028】
〔9〕 式(1B):
【0029】
【化17】


[式中、R1Bは、式(2B):
【0030】
【化18】


(式中、R4Bは、置換もしくは無置換のC1−C6アルキル基を表す。)
で表される基を表し、
2B及びR3Bは、各々同一又は異なって、置換もしくは無置換のC1−C6アルコキシ基を表す。]
で表される、〔8〕に記載の化合物;
【0031】
〔10〕 式(1)で表される化合物が、式(1B):
【0032】
【化19】


[式中、R1B、R2B及びR3Bは、前記〔9〕と同義を表す。]
で表される化合物である、〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の製造方法
に関するものである。
【発明の効果】
【0033】
本発明により、セマフォリン阻害活性を有するキサントン化合物を化学的に製造することが可能になった。本発明により製造されるキサントン化合物は、末梢あるいは中枢における神経再生促進剤や、かかる神経再生促進剤を含有する神経障害性疾患・神経変性疾患に対する予防剤や治療剤として、又は虚血障害を伴う神経性疾患の予防剤や治療剤として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
式(1)で表される化合物を二分子縮合させて、式(4)で表されるキサントン化合物を製造する方法について、以下、詳細に説明する。
【0035】
【化20】


[式中、R1、R2及びR3は、前記と同義を表す。]
反応は、溶媒の存在下または非存在下、必要に応じて加温及び/又は加圧して行なう。反応に用いる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、キシレン混合物、1,2,4−トリメチルベンゼン、メシチレン(1,3,5−トリメチルベンゼン)、クメン(イソプロピルベンゼン)などの芳香族炭化水素を挙げることができ、好ましくはベンゼン又はトルエンが挙げられる。使用する溶媒の量は、好ましくは原料化合物1ミリモル当たり1ないし100ミリリットルである。反応温度は室温ないし250℃であり、必要に応じシールドチューブ又はオートクレーブを用いることにより、加圧下250℃以下の高温下で反応を実施することもできる。反応時間は原料化合物、溶媒及び反応温度により異なるが、概ね1時間ないし数日間である。
反応を行うに当たっては、酸化による副反応又は原料及び/もしくは生成物の分解を抑える為に、反応系内に抗酸化剤を共存させることもできる。抗酸化剤としては、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、トコフェロール、6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラクロロクロマン−2−カルボン酸及びその光学活性体などのフェノール系の抗酸化剤や、ヒドロキノン、ピロカテコール(o−ヒドロキノン)、t−ブチルヒドロキノン(TBHQ)などのヒドロキノン系化合物などを挙げることができ、好ましくはフェノール系の抗酸化剤が挙げられ、最も好ましくは2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールが挙げられる。使用する抗酸化剤の量は、原料化合物に対し0.1ないし10当量、好ましくは1ないし10当量である。
上述の方法により合成される式(4)で表されるキサントン化合物を、反応液から単離・精製するには、反応生成物の単離・精製において通常使用される手段を用いることができる。すなわち、反応混合物から目的物を単離・精製する場合は、反応混合物からの通常の単離・精製法、例えば溶媒抽出、再結晶、イオン交換樹脂、吸着クロマトグラフィー、分配クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、薄層クロマトグラフィー、等を用いることができ、これらの単離・精製法は単独又は組み合わせて行うことができる。
【0036】
かかる方法により得られた式(4)で表されるキサントン化合物は、適宜脱保護を行うことにより、式(5)で表されるキサントン化合物へと導くことができる。
【0037】
【化21】


[式中、R1、R2、R3、R7、R8及びR9は、前記と同義を表す。]
すなわち、式(4)におけるR1が式(2)で表される基である場合には、加水分解反応等によりこの基をカルボキシル基へと変換できる。また、式(4)におけるR2及び/又はR3がアルコキシ基である場合には脱アルキル化反応等により、もしくはアルカノルオキシ基である場合には加水分解反応等により、この基を水酸基へと変換できる。このような脱保護の方法については、例えば「Protective Groups in Organic Synthesis, Second edition」(Theodora W. Greene and Peter G.M. Wuts 編;John Wiley & Sons, Inc., 1991 )等の記載を参照することができる。
例えば、かかる脱保護反応を塩化アルミニウムを試薬として用いて行う場合、反応は、溶媒の存在下または非存在下、必要に応じて加温して行なう。使用する塩化アルミニウムの量は、原料化合物に対し、2ないし50倍モルである。反応に用いる溶媒としては、好ましくはベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、キシレン混合物、1,2,4−トリメチルベンゼン、メシチレン(1,3,5−トリメチルベンゼン)、クメン(イソプロピルベンゼン)などの芳香族炭化水素を挙げることができ、より好ましくはトルエンが挙げられる。使用する溶媒の量は、好ましくは原料化合物1ミリモル当たり1ないし100ミリリットルである。反応温度は室温ないし溶媒の沸点で反応を実施することもできる。反応時間は原料化合物、溶媒及び反応温度により異なるが、概ね1時間ないし数日間である。
【0038】
また、こうして得られた式(5)で表されるキサントン化合物のカルボキシル基のエーテル化及び/又は水酸基のエステル化及び/もしくはエーテル化を行うことにより、別の式(4)で表されるキサントン化合物へと導くこともできる。このようなエステル化及びエーテル化の方法についても、例えば「Protective Groups in Organic Synthesis, Second edition」(Theodora W. Greene and Peter G.M. Wuts 編;John Wiley & Sons, Inc., 1991 )等の記載を参照することができる。

本反応の原料化合物として用いる式(1)で表される化合物は、以下の方法により合成することができる。
【0039】
【化22】


[上記式中、R1、R2及びR3は前記と同義である。]
すなわち、式(6)で表される化合物をアクリロニトリルに溶解し、例えば水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム(Triton B (R))のような塩基の存在下で加熱することにより、式(7)で表される化合物とし、このシアノ基を酸性条件下で加水分解することにより、式(8)で表される化合物を導くことができる。式(8)で表される化合物を、トリフルオロ酢酸中、無水トリフルオロ酢酸を用いて環化させることにより、式(9)で表される化合物を導くことができる。続いて式(9)で表される化合物のカルボニル基を、例えばトルエン中p-トルエンスルホン酸のような酸の存在下、過剰量のエチレングリコール及びオルトギ酸トリメチルを用いて加熱することによりアセタール化して、式(10)で表される化合物を得ることができる。氷冷以下の低温下でブチルリチウムを用い、式(10)で表される化合物にハロゲン金属交換反応を行った後に、クロロギ酸メチルを導入し、酸性条件下でアセタールの脱保護を行って、式(11)で表される化合物を得ることができる。必要に応じ、式(11)で表される化合物のメトキシカルボニル基を酸性又は塩基性条件下に加水分解してカルボキシル基とし、かかるカルボキシル基をエステル化又はアミド化することにより、式(12)で表される化合物とすることもできる。
カルボキシル基のエステル化の具体的な方法としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールのようなアルコール系溶媒中、過剰量のジアゾメタンまたはトリメチルシリルジアゾメタンを滴下して作用させる方法、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールのようなアルコール中、例えば塩酸、硫酸等の無機酸、または、例えばメタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、カンファースルホン酸等の有機酸の存在下で加熱する方法、例えばジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピペリジノン(NMP)のような高極性非プロトン性溶媒中、必要に応じて例えばジメチルアミノピリジン(DMAP)、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の塩基の存在下、必要に応じて例えば1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAT)等の添加剤の共存下に、例えば1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド・塩酸塩(EDC、EDCIあるいはWSC・HCl)、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)等の縮合剤を用いて種々のアルコールと縮合させる方法、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル等の溶媒中、必要に応じて例えばジメチルアミノピリジン(DMAP)、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の塩基の存在下、ピバロイルクロリド等のアシルクロリド、クロロ炭酸イソプロピル等のクロロ炭酸エステル、メタンスルフォニルクロリド等のスルフォニルクロリド、ジメチルスルファモイルクロリド等のスルファモイルクロリド等を作用させて混合酸無水物を経由して種々のアルコールと縮合させる混合酸無水物法等を例示することができる。
【0040】
カルボキシル基のアミド化の具体的な方法としては、例えばジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピペリジノン(NMP)のような高極性非プロトン性溶媒中、必要に応じて例えばジメチルアミノピリジン(DMAP)、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の塩基の存在下、必要に応じて例えば1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAT)等の添加剤の共存下に、例えば1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド・塩酸塩(EDC、EDCIあるいはWSC・HCl)、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)等の縮合剤を用いて種々のアミンまたはその塩と縮合させる方法、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル等の溶媒中、必要に応じて例えばジメチルアミノピリジン(DMAP)、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の塩基の存在下、ピバロイルクロリド、クロロ炭酸イソプロピル、メタンスルフォニルクロリド、ジメチルスルファモイルクロリド等を作用させ混合酸無水物を経由して種々のアミンまたはその塩と縮合させる混合酸無水物法等を例示することができる。
式(12)で表される化合物に対し、加熱条件下、ジメチルスルホキシド(DMSO)中でヨウ素を作用させることにより、式(13)で表される化合物とすることができる。更に、式(13)で表される化合物を、アセトニトリル中、メチルビニルケトン、トリエチルアミン及び触媒量の酢酸パラジウムを加えて加熱することにより、目的とする式(1)で表される化合物を得ることができる。

なお、式(1)におけるR2とR3が水素原子でない場合、上述の式(6)で表される化合物は、以下の方法により合成できる。
【0041】
【化23】


[上記式中、R2とR3は前記と同義である。R10は、1,3−ジオキサン−2−イル基、1,3−ジオソラン−2−イル基、ジメトキシメチル基、ジベンジルオキシメチル基、1,3−ジチアン−2−イル基、1,3−ジチオラン−2−イル基、ジメチルチオメチル基、ジエチルチオメチル基又はジプロピルチオメチル基を表す。R11は、ピバロイル基又はアリル基を表す。]
すなわち、バニリンのホルミル基および水酸基を保護した後にメチルエーテルを脱保護して、式(14)で表される化合物とした後に、生じた水酸基を修飾して、引き続きホルミル基および水酸基上の保護基を脱保護することにより、式(15)で表される化合物を導くことができる。かかるホルミル基および水酸基の保護/脱保護の方法については、例えば「Protective Groups in Organic Synthesis, Second edition」(Theodora W. Greene and Peter G.M. Wuts 編;John Wiley & Sons, Inc., 1991 )等の記載を参照することができる。
水酸基を修飾する方法としては、例えば、アルキル化、アシル化などが挙げられる。
【0042】
水酸基のアルキル化の反応溶媒としては、例えばジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピペリジノン(NMP)のような高極性非プロトン性溶媒、または、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒が好ましく、用いる塩基としては、炭酸セシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等の無機塩基、及び、ピリジン、ルチジン、コリジン、ジメチルアミノピリジン(DMAP)、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、イミダゾール,ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、t−ブトキシカリウム等の有機塩基が挙げられる。
本合成方法に適用可能なアルキル化剤としては、ジメチル硫酸、例えばヨウ化メチル、臭化メチル、ヨウ化エチル、臭化エチルのようなハロゲン化アルキル、例えば臭化ベンジル、臭化2−フルオロベンジル、臭化3−フルオロベンジル、臭化4−フルオロベンジル、臭化3−メトキシベンジルのような置換基を有するハロゲン化アルキル、例えばヨウ化アリル、臭化アリルのようなハロゲン化アルケニル等々が挙げられるが、これらに限られるわけではない。ハロゲン化アルキル等の試剤におけるハロゲン原子が臭素原子または塩素原子である時は、必要に応じヨウ化テトラブチルアンモニウム、ヨウ化ベンジルトリブチルアンモニウム等の相間移動触媒、または、ヨウ化ナトリウムなどの金属ヨウ化物を共存させてもよい。
【0043】
また、かかる水酸基のアシル化は、例えばジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピペリジノン(NMP)のような高極性非プロトン性溶媒、または、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒中、ピリジン、ルチジン、コリジン、ジメチルアミノピリジン(DMAP)、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、イミダゾール,ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、t−ブトキシカリウム等の有機塩基または炭酸セシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等の無機塩基存在下、アシル化剤を反応させることにより合成できる。
本合成方法に適用可能なアシル化剤としては、例えば無水酢酸、無水トリフルオロ酢酸のような酸無水物、例えば塩化アセチル、塩化プロピオニル、塩化ブチリル、塩化ベンゾイル、塩化2−フルオロベンゾイル、塩化3−フルオロベンゾイル、塩化4−フルオロベンゾイル、塩化4−メトキシベンゾイルのような酸塩化物等を例示することができるが、勿論この限りではない。
次いで、式(15)で表される化合物に対して、酢酸溶媒中、臭素を反応させることにより、フェノール性水酸基のオルト位のみが位置選択的に臭素化され、式(16)で表される化合物を得ることができる。式(16)で表される化合物上の水酸基を上述の方法によりアルキル化またはアシル化して、式(17)で表される化合物とした後、ジクロロメタン中、メタクロロ過安息香酸を用いてVaeyer-Villiger酸化を行い、生じたホルミルエステルを、メタノール中、例えばトリエチルアミンのような塩基を用いて加水分解することにより、目的とする式(6)で表される化合物を合成することができる。
【0044】
式(1)におけるR3が水素原子である化合物は、市販の3−ブロモ−4−ヒドロキシベンズアルデヒドを式(16)で表される化合物として用いることにより合成できる。
式(1)におけるR2が水素原子である化合物は、例えばG. C. Dolらの方法(Eur. J. Org. Chem.誌、1998年、359〜364頁に記載)の方法により合成できる3,5−ジヒドロキシブロモベンゼンの2つの水酸基のうちの一方のみを保護して、式(6)で表される化合物として用いることにより合成できる。かかる水酸基の保護は、例えば「Protective Groups in Organic Synthesis, Second edition」(Theodora W. Greene and Peter G.M. Wuts 編;John Wiley & Sons, Inc., 1991 )等の記載を参照とし、用いる試薬の量を0.5〜1.5当量に規制することによって行うことができる。
また、式(1)におけるR1が水素原子である化合物も、式(18)で表される化合物より、以下のいずれかのルートで式(20)で表される化合物へと導き、これを上述の式(12)で表される化合物に代えて用いることにより合成できる。
【0045】
【化24】


すなわち式(20)で表される化合物は、杉原らの方法(Chem. Pharm. Bull. 誌、1977年、25巻、859〜866頁に記載)に従い、式(18)で表される化合物をジメチルホルムアミド中水素化ナトリウムでアニオン化し、引き続きβ−プロピオラクトンと反応させて式(19)で表される化合物とした後、ポリリン酸中で環化させるか、または、森らの方法(Eur. J. Org. Chem.誌、2001年、1963〜1966頁に記載)に従い、式(18)で表される化合物を、1当量の三フッ化ホウ素・エーテル錯塩の存在下、塩化クロロプロピオニルと反応させて式(21)で表される化合物とした後、アルコール中で塩基処理して環化させることにより入手することができる。
なお、式(18)で表される化合物は、これまでに上述した方法を適宜組み合わせることにより、市販のレゾルシノール、レゾルシノールモノアセテート、レゾルシノールモノベンゾエート、ヒドロキノン、3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド、バニリン等から合成することができる。
【0046】
本発明における化合物の置換基を、以下に説明する。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子が挙げられる。
1−C6アルキル基とは、直鎖もしくは分枝の炭素数1ないし6のアルキル基を意味し、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、2−プロピル基(イソプロピル基)、ブチル基、2−メチルプロピル基、3−メチルプロピル基(イソブチル基)、t−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基等を挙げることができる。
2−C6アルケニル基とは、直鎖もしくは分枝の炭素数2ないし6のアルケニル基を意味し、具体的にはビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−メチルビニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−エチルビニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチルー1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−プロピルビニル基、1−エチル−2−プロペニル基、1−メチル−3−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、1−メチル−1−ブテニル基、1−エチル−3−メチルビニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−へキセニル基、2−へキセニル基、3−へキセニル基等を挙げることができる。好ましくは、ビニル基(エテニル基)、シス−1−プロペニル基、トランス−1−プロペニル基、アリル基(2−プロペニル基)、イソプロペニル基(1−メチルビニル基)等を挙げることができる。
2−C6アルキニル基とは、直鎖もしくは分枝の炭素数2ないし6のアルキニル基を意味し、具体的には、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−メチル−2−プロピニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、5−ヘキシニル基等を挙げることができる。好ましくは、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基等を挙げることができる。
【0047】
3−C7シクロアルキル基とは3〜7員のシクロアルキル基を意味し、具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基又はシクロヘプチル基等を挙げることができる。
アリール基とは、単環もしくは二環の6〜10員の芳香族炭化水素基を意味し、具体的にはフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等を挙げることができる。
ヘテロアリール基としては、単環もしくは二環の0〜4個の窒素原子、0〜1個の酸素原子及び0〜1個の硫黄原子から選択される、1〜4個のヘテロ原子を含む5〜10員のヘテロアリール基が挙げられる。具体的には、ピロリル基、ピリジル(窒素原子がオキシド化されていてもよい)基、ピリミジル基、チエニル基、フリル基、イミダゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、インドリル基、キノリル基、プリル基、キナゾリニル基、ベンズイミダゾリル基又はベンズチアゾリル基等を挙げることができる。
4〜7員の飽和ヘテロ環としては、0〜3個の窒素原子、0〜1個の酸素原子及び0〜1個の硫黄原子から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む4〜7員の飽和へテロ環が挙げられる。具体的には、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、オキシラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、エチレンスルフィド、テトラヒドロチオフェン、ペンタメチレンスルフィド又は1,4−チオキサン等が挙げられる。
【0048】
5及びR6が結合して隣接する窒素原子と共に形成する4〜7員の飽和含窒素ヘテロ環としては、1〜3個の窒素原子、0〜4個の酸素原子及び0〜1個の硫黄原子から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む4〜7員の飽和含窒素へテロ環が挙げられる。該飽和含窒素へテロ環としては、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、チオモルホリンオキシド、チオモルホリンジオキシド又はパーヒドロアゼピン等が挙げられる。
【0049】
1−C6アルコキシ基とは、直鎖もしくは分枝の炭素数1ないし6のアルキルオキシ基を意味し、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキシルオキシ基等を挙げることができる。
2−C6アルケニルオキシ基とは、直鎖もしくは分枝の炭素数2ないし6のアルケニルオキシ基を意味し、具体的にはビニルオキシ基(エテニルオキシ基)、シス−1−プロペニルオキシ基、トランス−1−プロペニルオキシ基、アリルオキシ基(2−プロペニルオキシ基)、イソプロペニルオキシ基(1−メチルビニルオキシ基)等を挙げることができる。
2−C6アルケニルオキシカルボニル基とは、前記C2−C6アルケニルオキシ基にカルボニルが結合した基を表す。
2−C6アルキニルオキシ基とは、直鎖もしくは分枝の炭素数2ないし6のアルキニルオキシ基を意味し、具体的にはエチニルオキシ基、1−プロピニルオキシ基、2−プロピニルオキシ基等を挙げることができる。
2−C6アルキニルオキシカルボニル基とは、前記C2−C6アルキニルオキシ基にカルボニルが結合した基を表す。
3−C7シクロアルコキシ基としては、3〜7員のシクロアルコキシ基が挙げられ、具体的にはシクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロへプチルオキシ基を挙げることができる。
2−C7アルカノイル基とは、直鎖もしくは分枝の炭素数2ないし7のアルカノイル基を意味し、具体的には、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基(ブタノイル基)、イソブチリル基(2-メチルプロパノイル基)、バレリル基(ペンタノイル基)、イソバレリル基(3-メチルブタノイル基)、ピバロイル基又はヘキサノイル基が挙げられる。
2−C7アルカノイルオキシ基とは、直鎖もしくは分枝の炭素数2ないし7のアルカノイルオキシ基を意味し、具体的にはアセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、バレリルオキシ基、イソバレリルオキシ基、ピバロイルオキシ基又はヘキサノイルオキシ基等を挙げることができる。
3−C7シクロアルカノイルオキシ基としては、3〜7員のシクロアルカノイルオキシ基が挙げられ、具体的にはシクロプロピルカルボニルオキシ基、シクロブチルカルボニルオキシ基、シクロペンチルカルボニルオキシ基、シクロヘキシルカルボニルオキシ基、シクロへプチルカルボニルオキシ基を挙げることができる。
アロイル基としては、具体的にはベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基等を挙げることができる。
アロイルオキシ基としては、具体的にはベンゾイルオキシ基、1−ナフトイルオキシ基、2−ナフトイルオキシ基等を挙げることができる。
アリールオキシ基としては、具体的にはフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基等を挙げることができる。
ヘテロアロイル基としては、前記ヘテロアリール基上の炭素原子にカルボニル基が結合した基を表し、具体的には、ピロリルカルボニル基(例えば2−ピロリルカルボニル基等)、ピリジルカルボニル(窒素原子がオキシド化されていてもよい)基(例えば、2−ピリジルカルボニル基、4−ピリジルカルボニル基等)、ピリミジニルカルボニル基(例えば、4−ピリミジニルカルボニル基等)、チエニルカルボニル基(例えば、2−チエニルカルボニル基、3−チエニルカルボニル基等)、フリルカルボニル基(例えば、2−フリルカルボニル基、3−フリルカルボニル基等)、イミダゾリルカルボニル基(例えば4−イミダゾリルカルボニル基等)、キノリルカルボニル基(2−キノリルカルボニル基等)、プリニルカルボニル基(2−プリニルカルボニル基等)、キナゾリニルカルボニル基(6−キナゾリニルカルボニル基等)、ベンズイミダゾリルカルボニル基(2−ベンズイミダゾリルカルボニル基等)又はベンズチアゾリルカルボニル基(2−ベンズチアゾリルカルボニル基等)等を挙げることができる。
ヘテロアロイルオキシ基としては、前記ヘテロアリール基上の炭素原子にカルボニルオキシ基が結合した基を表し、具体的には、ピロリルカルボニルオキシ基(例えば2−ピロリルカルボニルオキシ基等)、ピリジルカルボニルオキシ(窒素原子がオキシド化されていてもよい)基(例えば、2−ピリジルカルボニルオキシ基、4−ピリジルカルボニルオキシ基等)、ピリミジニルカルボニルオキシ基(例えば、4−ピリミジルカルボニルオキシ基等)、チエニルカルボニルオキシ基(例えば、2-チエニルカルボニルオキシ基、3-チエニルカルボニルオキシ基等)、フリルカルボニルオキシ基(例えば、2-フリルカルボニルオキシ基、3-フリルカルボニルオキシ基等)、イミダゾリルカルボニルオキシ基(例えば4-イミダゾリルカルボニルオキシ基等)、キノリルカルボニルオキシ基(2−キノリルカルボニルオキシ基等)、プリニルカルボニルオキシ基(2−プリニルカルボニルオキシ基等)、キナゾリニルカルボニルオキシ基(6-キナゾリニルカルボニルオキシ基等)、ベンズイミダゾリルカルボニルオキシ基(2−ベンズイミダゾリルカルボニルオキシ基等)又はベンズチアゾリルカルボニルオキシ基(2-ベンズチアゾリルカルボニルオキシ基等)等を挙げることができる。
ヘテロアリールオキシ基としては、前記ヘテロアリール基上の炭素原子に酸素原子が結合した基を表し、具体的には、前記ヘテロアリール基上の炭素原子にカルボニルオキシ基が結合した基を表し、具体的には、ピロリルオキシ基(例えば2−ピロリルオキシ基等)、ピリジルオキシ(窒素原子がオキシド化されていてもよい)基(例えば、2−ピリジルオキシ基、4−ピリジルオキシ基等)、ピリミジニルオキシ基(例えば、4−ピリミジニルオキシ基等)、チエニルオキシ基(例えば、2-チエニルオキシ基、3-チエニルオキシ基等)、フリルオキシ基(例えば、2-フリルオキシ基、3-フリルオキシ基等)、イミダゾリルオキシ基(例えば4-イミダゾリルオキシ基等)、キノリルオキシ基(2−キノリルオキシ基等)、プリニルオキシ基(2−プリニルオキシ基等)、キナゾリニルオキシ基(6-キナゾリニルオキシ基等)、ベンズイミダゾリルオキシ基(2−ベンズイミダゾリルオキシ基等)又はベンズチアゾリルオキシ基(2-ベンズチアゾリルオキシ基等)等を挙げることができる。
【0050】
2−C7アルコキシカルボニル基における「アルコキシ」としては、前記アルコキシ基と同じものが挙げられる。
【0051】
本明細書において、C1−C6アルキル基、C2−C6アルケニル基及びC2−C6アルキニル基が置換されている場合、1又は複数、好ましくは1〜5個の置換基で置換されていてもよい。当該置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、置換もしくは無置換のC1−C6アルコキシ基、置換もしくは無置換のC2−C7アルカノイル基、置換もしくは無置換のC2−C7アルカノイルオキシ基、置換もしくは無置換のC2−C7アルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換のC3−C7シクロアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の4〜7員の飽和ヘテロ環基、置換もしくは無置換のアミノ基又は置換もしくは無置換のカルバモイル基を挙げることができる。
本明細書において、C1−C6アルコキシ基、C1−C6アルケニルオキシ基、C1−C6アルキニルオキシ基、C2−C7アルカノイル基、C2−C7アルカノイルオキシ基、及びC2−C7アルコキシカルボニル基が置換されている場合、1又は複数、好ましくは1〜5個の置換基で置換されていてもよい。当該置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、C1−C6アルコキシ基、C2−C7アルカノイル基、C2−C7アルカノイルオキシ基、C2−C7アルコキシカルボニル基、アミノ基、C1−C6アルキルアミノ基、ジC1−C6アルキルアミノ基、C2−C7アルカノイルアミノ基、C1−C6アルコキシカルボニルアミノ基、カルバモイル基、C1−C6アルキルカルバモイル基、ジC1−C6アルキルカルバモイル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基又は置換もしくは無置換の4〜7員の飽和ヘテロ環基等が挙げられる。
尚本明細書において、ジC1−C6アルキルアミノ基及びジC1−C6アルキルカルバモイル基における2個のアルキル基は上記「アルキル基」と同義であり、同一又は異なっていてもよい。
【0052】
本明細書において、アミノ基が置換されている場合の置換基としては、置換もしくは無置換のC1−C6アルキル基、置換もしくは無置換のC1−C6アルケニル基、置換もしくは無置換のC1−C6アルキニル基、置換もしくは無置換のC1−C6アルカノイル基、置換もしくは無置換のアロイル基、置換もしくは無置換のヘテロアロイル基、置換もしくは無置換のC1−C6アルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換のC1−C6アルケニルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のC1−C6アルキニルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基又は置換もしくは無置換の4〜7員の飽和ヘテロ環基等が挙げられ、同一又は異なる1もしくは2の置換基で置換されていてもよい。
【0053】
前記アミノ基の置換基が、置換C1−C6アルキル基、置換C1−C6アルケニル基、置換C1−C6アルキニル基、置換C1−C6アルカノイル基、置換C1−C6アルコキシカルボニル基、置換C1−C6アルケニルオキシカルボニル基又は置換C1−C6アルキニルオキシカルボニル基を表す場合、1又は複数、好ましくは1〜5個の置換基で置換されていてもよい。当該置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、C2−C7アルカノイル基、C2−C7アルコキシカルボニル基、C3−C7シクロアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の4〜7員の飽和へテロ環基、置換もしくは無置換のアロイル基又は置換もしくは無置換のヘテロアロイル基等が挙げられる。
【0054】
本明細書において、カルバモイル基が置換されている場合の置換基としては、1もしくは2の同一又は異なるC1−C6アルキル基、C1−C6アルケニル基、C1−C6アルキニル基、置換もしくは無置換のアリール基又は置換もしくは無置換のシクロアルキル基等が挙げられ、同一又は異なる1もしくは2の置換基で置換されていてもよい。
【0055】
本明細書において、シクロアルキル基、シクロアルコキシ基又はシクロアルカノイルオキシ基が置換されている場合、1又は複数、好ましくは1〜5個の置換基で置換されていてもよい。当該置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、C1−C6アルキルアミノ基、ジC1−C6アルキルアミノ基、C2−C7アルコキシカルボニル基等が挙げられる。
本明細書において、4〜7員の飽和へテロ環基又は4〜7員の飽和含窒素へテロ環が置換されている場合、安定な化学構造を維持する範囲で任意の炭素原子もしくは窒素原子上で、1又は複数、好ましくは1〜5個の置換基で置換されていてもよい。当該置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、C1−C6アルキルアミノ基、ジC1−C6アルキルアミノ基、C2−C7アルコキシカルボニル基等が挙げられる。
本明細書においてアリール基、アリールオキシ基、アロイル基、アロイルオキシ基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールオキシ基、ヘテロアロイル基又はヘテロアロイルオキシ基が置換されている場合、1又は複数、好ましくは1〜5個の置換基で置換されていてもよい。当該置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、アミノ基、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、C2−C7アルカノイル基、C2−C7アルカノイルオキシ基、C2−C7アルコキシカルボニル基、C1−C6アルキルアミノ基、ジC1−C6アルキルアミノ基、C1−C6アルキルカルバモイル基又はジC1−C6アルキルカルバモイル基等が挙げられる。
【0056】
1として、好ましくは水素原子又は式(2)で表される基が挙げられる。
4として、好ましくはC1−C4アルキル基、更に好ましくはメチル基又はエチル基が挙げられる。
2及びR3として、好ましくは水素原子、置換もしくは無置換のC1−C3アルコキシ基又はC1−C3アルカノイルオキシ基が挙げられ、更に好ましくはメトキシ基、置換もしくは無置換のベンジル基、アセチル基又は置換もしくは無置換のベンゾイル基が挙げられる。
【0057】

実施例
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
尚、実施例及び参考例の化合物は、1H NMRスペクトル又は高速電子衝撃質量スペクトルにより構造を決定した。1H NMRスペクトルの測定には、日本電子AL 400又はAL 300を用い、内部標準にはテトラメチルシランを用いた。高速電子衝撃質量スペクトルの測定には、日本電子SX102A及び日本電子GC mateを用いた。
また実施例及び参考例の化合物は、薄層クロマトグラフィー等を用いて精製した。薄層クロマトグラフィーにはメルク社製シリカゲル60 F254 (Art. 5715)を用い、検出にはUVランプ、リンモリブデン酸ナトリウム−エタノール溶液、アニスアルデヒド−酢酸−硫酸−エタノール溶液を用いた。

(参考例1)
3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−メトキシベンズアルデヒド
【0058】
【化25】


バニリン 20.4 g (134.6 mmol)を酢酸102.0 mlに溶解した後、氷冷下、臭素 11.7 ml (228.8 mmol)を滴加し、室温で6時間かきまぜた。沈殿物をろ過した後、ろ物を蒸留水で洗浄した。ろ物を減圧下乾燥し、標記化合物 29.3 g (126.8 mmol)を白色粉末状物質として得た(収率94.2 %)。
f値 0.47 (1,2−ジクロロエタン:酢酸エチル = 10 : 1)
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 4.00 (3H, s), 6.495 (1H, s), 7.36 (1H, d, J = 2.0 Hz), 7.64 (1H, d, J = 2.0 Hz), 9.79 (1H, s)

(参考例2)
3−ブロモ−4,5−ジメトキシベンズアルデヒド
【0059】
【化26】


参考例1で得られた化合物 59.74 g (258.5 mmol)をアセトン(600 mL)に溶解し、炭酸カリウム60.75 g (439.5 mmol)及びジメチル硫酸34.2 mL (361.9 m mol)を加え50℃で9.5時間かきまぜた。不溶の炭酸カリウムをろ過にて除去した後、ろ液を減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(富士シリシア化学(株)社製BW-820MH 560 g、へキサン : 酢酸エチル= 5 : 1)で精製し、標記化合物 59.34 g (242.1 mmol)を白色粉末状物質として得た(収率93.6 %)。
f値 0.54 (ヘキサン:酢酸エチル = 2 : 1)
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 3.94 (3H, s), 3.96 (3H, s), 7.39 (1H, d, J = 2.0 Hz), 7.66 (1H, d, J = 2.0 Hz), 9.85 (1H, s)

(参考例3)
3−ブロモ−4,5−ジメトキシフェノール
【0060】
【化27】


参考例2で得られた化合物 4.87 g (19.87 mmol)をジクロロメタン(97.8 mL)に溶解し、メタクロロ安息香酸(最高含量77%) 6.68 g (29.8 mmol)を加えた後、39℃で11時間かきまぜた。反応終了後、反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム(25.0 mL)及び飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(25.0 mL)を加え、クロロホルム(500mL)を加えて分液した後、新たにクロロホルム(300mL)を加えて抽出した。合わせた有機層を減圧下濃縮し、橙色固体7.58gを得た。得られた反応残渣を0.1Mトリエチルアミン含有メタノール溶液(151.6 mL)に溶解した後、室温で2時間放置した。
反応終了後、反応溶媒を減圧下留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(富士シリシア化学(株)社製BW-820MH 127 g、へキサン : 酢酸エチル= 3 : 1)で精製し、標記化合物 3.71 g (15.91 mmol)を白色固体として得た(収率80.1 %)。
f値 0.34 (へキサン:酢酸エチル = 2 : 1)
1H NMR (300 MHz, CDCl3) : δ 3.79 (3H, s), 3.84 (3H, s), 4.80 (1H, s), 6.41 (1H, d, J = 3.0 Hz), 6.60 (1H, d, J = 3.0 Hz)
高速電子衝撃質量スペクトル(FAB-MS): 233[M+H]+

(参考例4)
3−(3−ブロモ−4,5−ジメトキシフェノキシ)プロピオニトリル
【0061】
【化28】


参考例3で得られた化合物 10.87 g (46.64 mmol)をアクリロニトリル(108.7 mL)に溶解した後、トリトンB (40%メタノール溶液) 2.11 mL (4.66 mmol)を加え、75℃で48時間加熱した。減圧下反応溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(富士シリシア化学(株)社製BW-820MH 490 g、トルエン : アセトニトリル= 20 : 1)で精製し、標記化合物 8.44 g (29.62 mmol)を白色固体として得た(収率63.2 %)。
f値 0.36 (トルエン:アセトニトリル = 15 : 1)
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 2.81 (2H, t, J = 4.0 Hz), 3.80 (3H, s), 3.85 (3H, s), 4.14 (2H, t, J = 4.0 Hz), 6.49 (1H, d, J = 2.0 Hz), 6.61 (1H, d, J = 2.0 Hz)
高速電子衝撃質量スペクトル(FAB-MS): 286[M+H]+

(参考例5)
3−(3−ブロモ−4,5−ジメトキシフェノキシ)プロピオン酸
【0062】
【化29】


参考例4で得られた化合物 4.25 g (14.85 mmol)に9M 塩酸水溶液 (42.5 mL)を加え80℃で10時間かき混ぜた。反応終了後、氷冷下にて水40 mLを加え、クロロホルム320 mLで水層を2回抽出した。減圧下濃縮し、残留物20.98 gを得た。残留物をシリカゲル36.0 gに吸着させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(富士シリシア化学(株)社製BW-820MH 500 g、ヘキサン : 酢酸エチル= 2 : 1)で精製し標記化合物 4.02 g (13.22 mmol)を白色固体として得た(収率89.1 %)。
f値 0.50 (酢酸エチル)
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 2.77 (2H, t, J = 6.0Hz), 3.72 (3H, s), 3.76 (3H, s), 4.12 (2H, t, J = 6.0Hz), 6.39 (1H, d, J = 2.5 Hz), 6.59 (1H, d, J = 2.5 Hz)
高速電子衝撃質量スペクトル(FAB-MS): 305[M+H]+

(参考例6)
5−ブロモ−6,7−ジメトキシクロマン−4−オン
【0063】
【化30】


参考例5で得られた化合物 7.82 g (25.62 mmol)をトリフルオロ酢酸39.1 mLに溶解したのち、無水トリフルオロ酢酸5.34 mL (38.39 mmol)を加え、室温にて2時間放置した。減圧下反応溶媒を留去し、淡黄色固体10.65gを得た。残留物をシリカゲル20.0 gに吸着させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(富士シリシア化学(株)社製BW-820MH 225g、ヘキサン : 酢酸エチル= 3 : 1)で精製し、標記化合物 7.08 g (24.65 mmol)を白色固体として得た(収率96.2 %)。
f値 0.33 (ヘキサン:酢酸エチル = 2 : 1)
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 2.72 (2H, t, J = 6.0 Hz), 3.72 (3H, s), 3.84 (3H, s), 4.42 (2H, t, J = 6.0 Hz), 6.39 (1H, s)
高速電子衝撃質量スペクトル(FAB-MS): 287[M+H]+

(参考例7)
5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−6,7−ジメトキシスピロ(4H−1−ベンゾピラン−4,2’−[1,3]ジオキソラン
【0064】
【化31】


参考例6で得られた化合物 7.08 g (24.65 mmol)をトルエン141.6 mL に溶解し、エチレングリコール6.80 mL (123.29 mmol)、オルトギ酸トリメチル10.78 mL (98.53 mmol)及びトシル酸一水和物937.6mg (4.93 mmol)を加え、80℃で11時間加熱した。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液40.0 mLを加えて分液操作を行った後、酢酸エチル150.0 mLで抽出した。合わせた有機層を減圧下濃縮し、残留物8.96gを得た。残留物をシリカゲル15.0 gに吸着させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(富士シリシア化学(株)社製BW-820MH 162 g、ヘキサン : 酢酸エチル= 2 : 1)で精製し、標記化合物 6.77 g (20.51 mmol)を白色固体として得た(収率83.2 %)。
f値 0.45 (ヘキサン:酢酸エチル = 2 : 1)
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 2.11-2.14 (2H, m), 3.75 (3H, s), 3.80 (3H, s), 4.09-4.13 (2H, m), 4.17-4.21 (2H, m), 4.35-4.39 (2H, m), 6.35 (1H, s)

(参考例8)
6,7−ジメトキシ−4−オキソクロマン−5−カルボン酸 メチルエステル
【0065】
【化32】


アルゴン雰囲気下、参考例7で得られた化合物 9.81 g (29.72 mmol)をテトラヒドロフラン 400.0 mLに溶解し、-78℃下にてn-ブチルリチウム(2.55M ヘキサン溶液) 30.0 mL (74.31 mmol)を滴加し、同温にて30分間かきまぜた。-78℃下にてクロロギ酸メチル34.1 mL (445.65 mmol)を加えた後、1時間かきまぜた。酢酸4.25 mL (74.31 mmol)を加え、室温に昇温した。減圧下濃縮し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50.0 mLを加え、酢酸エチル200.0 mLで抽出した。有機層を減圧下濃縮し、黄色シロップ状物質15.6 gを得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(富士シリシア化学(株)社製BW-820MH 330g、ヘキサン : 酢酸エチル = 5 : 2)で精製し、黄色シロップ状物質4.71 gを得た。得られた黄色シロップ状物質に対して5%塩化水素-メタノール溶液95 mLを加え、室温で1時間放置した。反応溶媒を減圧下濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(富士シリシア化学(株)社製BW-820MH 100 g、ヘキサン : 酢酸エチル= 3 : 2)で精製し、標記化合物 3.36 g (12.63 mmol)を白色固体として得た(収率44.0 %)。
f値 0.31 (ヘキサン:酢酸エチル = 2 : 1)
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 2.71 (2H, t, J = 7.0 Hz), 3.78 (3H, s), 3.88 (3H, s), 3.97 (3H, s), 4.49 (2H, t, J = 7.0 Hz), 6.47 (1H, s)

(参考例9)
3−ヨード−6,7−ジメトキシ−4−オキソ−4H−クロメン−5−カルボン酸 メチルエステル
【0066】
【化33】


参考例8で得られた化合物 2.33 g (8.77 mmol)をジメチルスルフォキシド11.6 mLに溶解し、ヨウ素2.67 g (10.53 mmol)を加え窒素雰囲気下、110℃で5時間加熱した。飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液8.5 mLを加えた後、減圧下濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(富士シリシア化学(株)社製BW-820MH 170 g、クロロホルム : 酢酸エチル= 20 : 1)で精製し、標記化合物 2.21 g (5.66 mmol)を白色固体として得た(収率64.6 %)。
f値 0.26 (クロロホルム:酢酸エチル = 20 : 1)
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 3.86 (3H, s), 3.97 (3H, s), 4.1 (3H, s), 6.89 (1H, s), 8.18 (1H, s)
高速電子衝撃質量スペクトル(FAB-MS): 391[M+H]+
【実施例1】
【0067】
6,7−ジメトキシ−4−オキソ−3−((E)−3−オキソ−1−ブテニル)−4H−クロメン−5−カルボン酸 メチルエステル
【0068】
【化34】


参考例9で得られた化合物 806.1 mg (2.066 mmol)をアセトニトリル28 mLに溶解し、窒素雰囲に気下、酢酸パラジウム92.8 mg (0.4133 mmol)、メチルビニルケトン 252.6 μL (3.100 mmol)及びトリエチルアミン 432.1 μL (3.100 mmol)を加え50℃で7.5時間加熱した。反応終了後、不溶物をセライトろ過により除去した。ろ液を減圧下濃縮し、残留物1.533 gを得た。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(富士シリシア化学(株)社製BW-820MH 60g、クロロホルム : メチルエチルケトン = 6 : 1)で精製し淡黄色固体608.3 mgを得た。さらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(富士シリシア化学(株)社製BW-820MH 15 g、ベンゼン : 酢酸エチル = 1 : 1)で精製し、標記化合物 599.9 mg (1.805 mmol)を淡黄色粉末状物質として得た(収率87.3 %)。
f値 0.31 (クロロホルム:メチルエチルケトン = 6 : 1), Rf値 0.35 (ベンゼン:酢酸エチル = 1 : 1)
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 2.27 (3H, s), 3.81 (3H, s), 3.93 (3H, s), 3.99 (3H, s), 6.87 (1H, s), 7.21 (1H, d, J = 15.0 Hz), 7.35 (1H, d, J = 15.0 Hz), 8.0 (1H, s)
高速電子衝撃質量スペクトル(FAB-MS): 333[M+H]+
【実施例2】
【0069】
5,7−ジアセチル−6−(6,7−ジメトキシ−5−メトキシカルボニル−4−オキソ−4H−クロメン−3−イル)−2,3−ジメトキシ−9−オキソ−9H−キサンテン−1−カルボン酸 メチルエステル
【0070】
【化35】


シールドチューブ(容積5 mL)に、実施例1で得られた化合物 20.8 mg (0.0625 mmol)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール 55.8 mg (0.2532 mmol)及びトルエン 630 μLを加え、200℃で24時間加熱した。反応溶媒を減圧下濃縮し、残留物88.3 mgを得た。残留物をシリカゲル0.2 gに吸着させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(関東化学(株)社製Silica Gel 60N (球状、中性、40-50 μm) 2.1 g、1,2-ジクロロエタン : メチルエチルケトン = 7 : 1)で精製し目的物である標記化合物を含む淡黄色固体4.4 mgを得た。また未反応の原料化合物を含む淡黄色固体11.3 mgを得た。
標記化合物を含む淡黄色固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(関東化学(株)社製Silica Gel 60N (球状、中性、40-50 μm) 225 mg、ベンゼン : 酢酸エチル = 1 : 1)で精製し、標記化合物 3.8 mg (0.0056 mmol)を淡黄色粉末状物質として得た(収率 18.4 %, 回収原料分を差し引いた収率33.3 %)。さらに未反応の原料化合物を含む淡黄色固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(関東化学(株)社製Silica Gel 60N (球状、中性、40-50 μm) 225 mg、ベンゼン : 酢酸エチル = 1 : 1)で精製し標記化合物 9.4 mg (0.0282 mmol)を淡黄色粉末状物質として得た。
f値 0.28 (1,2−ジクロロエタン:メチルエチルケトン = 7 : 1), Rf値 0.61 (ベンゼン:酢酸エチル = 1 : 1)
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 2.42 (3H, s), 2.58 (3H, s), 3.86 (3H, s), 3.88 (3H, s), 3.92 (3H, s), 3.99 (3H, s), 4.01 (3H, s), 4.07 (3H, s), 6.92 (1H, s), 6.94 (1H, s), 7.82 (1H, s), 8.60 (1H, s)
高速電子衝撃質量スペクトル(FAB-MS): 661[M+H]+ ,
高分解能高速電子衝撃スペクトル(HRFAB-MS): 実測値 661.1546,計算値 661.1557
【実施例3】
【0071】
ビナキサントン
【0072】
【化36】


アルゴン雰囲気下、実施例2で得られた化合物 1.4mg (0.00219 mmol)に塩化アルミニウム 3.3mg ( 0.0254 mmol)及びトルエン 98 μLを加え、100℃で8時間かき混ぜた。反応終了後、氷冷下にてトルエン100 μLを加えた後、上清を抜き取った。新たにトルエン 100 μLを加え不溶物を洗浄した後、上清を抜きとり、不溶物を減圧下乾燥した。不溶物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(富士シリシア化学(株)社製BW-820MH 210 mg、 n-ブタノール : 水 : ギ酸 = 8 : 2 : 1)で精製し茶色固体1.3 mgを得た。茶色固体1.3mgをメタノール : ジメチルスフォキシド = 10 : 1 19.5μLに溶解し、トルエン195 μL×5を加えてゆき、生成した沈殿物をスパーテルでこすり、上清を抜き取った。さらにトルエン325 μL×3で沈殿物を洗浄した後、上清を抜き取り、沈殿物を減圧下乾燥し、標記化合物 0.7 mg (0.00121 mmol)を茶色粉末状物質として得た(収率58.3 %)。
f値 0.45 (n−ブタノール : 水 : ギ酸= 8 : 2 : 1)
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 2.52 (3H, s), 2.54 (3H, s), 6.92 (1H, s), 6.94 (1H, s), 8.16 (1H, s), 8.52 (1H, s)
高速電子衝撃質量スペクトル(FAB-MS): 577[M+H]+,
高分解能高速電子衝撃スペクトル(HRFAB-MS): 実測値 577.0615,計算値 577.0618

【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、セマフォリン阻害活性を有し、神経障害性疾患・神経変性疾患、又は虚血障害を伴う神経性疾患の予防剤や治療剤となり得るキサントン化合物又はその薬学上許容される塩を化学的に製造する方法及びその中間体として、有用である。
【出願人】 【識別番号】000002912
【氏名又は名称】大日本住友製薬株式会社
【出願日】 平成18年7月10日(2006.7.10)
【代理人】 【識別番号】100121588
【弁理士】
【氏名又は名称】五十部 穣

【識別番号】100124637
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 まゆみ


【公開番号】 特開2008−13530(P2008−13530A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−189149(P2006−189149)